以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、家庭内に形成されるLANシステム(ホームネットワークシステム)に本発明を適用した場合を想定する。
[ホームネットワークの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るホームネットワークシステムの構成例を示す図である。
図1に示すホームネットワークシステムは、サーバ装置1および2と、オーディオ再生機器3〜5とが、LAN6を通じて接続された構成となっている。なお、実際には、サーバ装置1および2とオーディオ再生機器3〜5がそれぞれブロードバンドルータ7に接続することにより、LANシステムが形成される。そして、LAN6に接続された機器は、ブロードバンドルータ7を通じて、外部のWANに接続することが可能となっている。
サーバ装置1および2は、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、LAN6への接続機能を備えるとともに、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶媒体や、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクの再生装置などを備えている。また、ブロードバンドルータ7を通じてインターネットに接続し、いわゆるWebラジオと呼ばれるオーディオコンテンツを受信する機能も備えている。
そして、HDDに蓄積されているオーディオデータや、CD、DVDに記録されているオーディオデータ、インターネットを通じて受信したWebラジオのオーディオデータを、LAN6を通じてオーディオ再生機器3〜5に対して提供することが可能となっている。本実施の形態においては、例えば、サーバ装置1はリビングルームに、サーバ装置2は書斎にといったように、各サーバ装置1および2はそれぞれ異なる部屋に設置されている。
オーディオ再生機器3〜5は、例えばCDプレーヤやラジオチューナなどの機器であり、それぞれLAN6への接続機能を備えている。そして、CDに記録されているオーディオデータを読み出して再生する、あるいはラジオ放送信号を受信して再生するといった従来からの機能に加え、LAN6を通じて提供されるオーディオデータを受け付けて、これをデコードし、再生する機能をも有するものである。本実施の形態においては、オーディオ再生機器3〜5は、それぞれ異なる部屋に設置されている。
ブロードバンドルータ7は、LAN6上の機器同士を接続するハブ(HUB)機能と、このLAN6と外部のWANとの間でデータを中継するルータ機能とを具備する機器である。ブロードバンドルータ7は、LAN6側のための複数のポートを有し、これらの各ポートに、サーバ装置1および2とオーディオ再生機器3〜5からのケーブルが接続される。また、例えばADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、光ファイバ回線、ケーブルテレビ回線などに対応する図示しないモデム装置からのケーブルが、ブロードバンドルータ7のWAN側のポートに接続される。なお、これらの回線はさらに、図示しないインターネットプロバイダを通じてインターネットに接続されている。そして、ブロードバンドルータ7は、LAN6上の機器に対するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能およびNAT(Network Address Translation)機能を備え、これにより、LAN6上の各機器がWAN側の回線を共有できるようになっている。
以上のようなホームネットワークシステムでは、サーバ装置1および2は、オーディオデータを提供する情報提供装置としての機能を備え、また、オーディオ再生機器3〜5は、サーバ装置1および2からのオーディオデータの提供を受けて再生するクライアント装置(情報再生装置)としての機能を備えたものとなっている。
そして、オーディオ再生機器3〜5のそれぞれを通じて、サーバ装置1または2が提供する異なったオーディオコンテンツを楽しむことが可能である。すなわち、オーディオ再生機器3〜5は、再生しようとするオーディオデータ(オーディオコンテンツ)に応じて、サーバ装置1および2のいずれか一方を、オーディオデータの配信元として選択することが可能となっている。
さらに、本実施の形態のオーディオ再生機器3〜5は、電子機器間の接続を簡単に行うようにするため、例として、米マイクロソフト社が発表したUPnP(Universal Plug & Play)に対応した、いわゆるネットワーク参加型電子機器であるものとする。
なお、UPnPは、10/100BASE−Tのイーサネット(Ethernet,登録商標)を用いたネットワーク通信において代表的なIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802ネットワーク上で用いることが可能な、IPおよびIP上のTCP、UDP(User Datagram Protocol)などで構成されるプロトコル群とデータフォーマットの仕様であり、インターネット標準通信(TCP/IP通信)における機能を拡充するものである。
そして、UPnPをオーディオ再生機器などのいわゆるCE(Consumer Electronics)機器に採用することにより、オーディオ再生機器などのCE機器が、他のCE機器やパーソナルコンピュータとの間で簡単に相互認証し、ネットワークを通じたサービスの提供や提供されたサービスの実行を、ユーザに面倒な作業をさせることなく、簡単かつ適正に行うことを可能にするものである。
[UPnPの概要]
図2は、UPnPのプロトコルスタック(プロトコル群の構造)について説明するための図である。
図2に示すように、UPnPでは、実際のデータの送受信はインターネット標準通信プロトコルによって行われる。また、以下に説明するようなUPnPの独自の機能を実現するために、SSDP(Simple Service Discovery Protocol)、GENA(General Event Notification Architecture)、SOAP(Simple Object Access Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)などのプロトコル群が用いられる。
さらに、UPnPでは、図2に示すように、ベンダ定義(UPnP Vendor Defined)、UPnPフォーラム作業委員会定義(UPnP Forum Working Committee Defined)、デバイス仕様(構造)定義(UPnP Device Architecture Defined)がなされることになっている。
そして、UPnPは、アドレッシング(Addressing)、ディスカバリ(Discovery)、ディスクリプション(Description)、コントロール(Control)、イベンティング(Eventing)、プレゼンテーション(Presentation)の6つの機能を提供している。以下、UPnPが提供する6つの機能について説明する。
オーディオ再生機器などのUPnP機器(UPnPが搭載された電子機器)では、UPnPの機能を用いてオーディオデータを利用するために、UPnP・AV・アーキテクチャという規定に従うことなる。UPnP・AV・アーキテクチャにおけるUPnP機器は、以下のように3種類に分類されている。
すなわち、UPnP・AV・アーキテクチャでは、UPnP機器を、コンテンツを提供するメディアサーバ(Media Server)と、制御端末装置として機能するコントロールポイント(Control Point)と、再生装置として機能するメディアレンダラ(Media Renderer)との3つに分類している。ここで、メディアサーバは、ネットワークシステムにおいて一般にサーバ装置と呼ばれているものに相当し、メディアレンダラは、ネットワークシステムにおいて一般にクライアント装置と呼ばれているものに相当する。
また、コントロールポイント(制御装置)は、ネットワークに接続された各UPnP機器を制御することができるものである。コントロールポイントとしての機能は、メディアサーバにもメディアレンダラにも搭載することが可能であり、ネットワークを構成するすべての電子機器にコントロールポイントを搭載することも、また、ネットワークを構成する任意の電子機器にコントロールポイントを搭載することも可能となっている。本実施の形態では、例として、オーディオ再生機器3〜5のそれぞれに、コントロールポイントとしての機能が搭載されているものとする。
また、UPnPにおけるアドレッシングは、各UPnP機器が、IEEE802ネットワーク上で自機を特定するためのアドレスを取得する機能であり、DHCPまたはAuto−IPが用いられる。
ディスカバリは、アドレッシングの後に行われ、これによりコントロールポイントは、コントロールしたターゲット機器(メディアサーバまたはメディアレンダラ)を発見することができる。ここで用いられるプロトコルは、上述のSSDPである。ネットワークシステムを構成する各電子機器は、IEEE802ネットワークに接続されたときに、自分自身が備えるデバイスやサービスを通知するメッセージを、IEEE802ネットワーク上にブロードキャスト(相手先未指定のパケット送信)する。コントロールポイントは、このブロードキャストされたメッセージを受信することで、IEEE802ネットワークにどのような機器が接続されたかを知ることができる。
ディスカバリによって、コントロールポイントが発見したコントロール対象の電子機器が出力したSSDPパケットには、デバイスディスクリプション(Device Description)のURL(Uniform Resource Locator)が記述されている。コントロールポイントは、そのURLにアクセスすることにより、その電子機器のさらに詳しいデバイス情報をデバイスディスクリプションから取得することができる。
このデバイス情報には、アイコン情報、モデル名、生産者名、商品名や、そのデバイスが有するサービスの詳しい情報が記載されているサービスディスクリプション(Service Description)などが記述されている。コントロールポイントは、これらのデバイスディスクリプションやサービスディスクリプションから、ターゲット機器に対するアクセスの方法を知ることが出来る。デバイスディスクリプションやサービスディスクリプションは、XML(eXtensible Markup Language)で表現されている。
コントロールの機能は、アクション(Action:実行)とクエリ(Query:問い合わせ)の2つの機能に大きく分類される。アクションは、サービスディスクリプションのアクション情報に規定された方法で行われ、アクションを実施(Invoke)することによって、コントロールポイントはターゲット機器を操作することができる。クエリは、サービスディスクリプションの機器情報(state Variable)の値を取り出すために用いられる。コントロールでは、上述のSOAPというトランスポートプロトコルが利用され、その表現としてはXMLが用いられる。
イベンティングは、機器情報の値が変更されたとき、そのことをターゲット機器からコントロールポイントに通知させるために用いられる。コントロールポイントは、ターゲット機器に対してサービスディスクリプションを解析することにより、機器情報からターゲット機器の保持する変数を知ることができ、さらにその変数が変更になったときにターゲット機器から通知を受け取ることができる。イベンティングでは、上述のGENAというトランスポートプロトコルが利用され、その表現としてはXMLが用いられる。
プレゼンテーションは、ユーザにユーザインタフェースを用いたコントロール手段を提供するために用いられる。デバイスディスクリプションに記述されたプレゼンテーションURLにアクセスすることによって、HTMLによって記述されたプレゼンテーションページ(Presentation Page)を得ることが出来る。その機能により、ターゲット機器でアプリケーションを用意することが可能になる。
各UPnP機器は、以上のようなUPnP機能を用いることにより、ユーザに複雑な操作を求めることなく、ネットワークに参加し、通信が行える状態になるだけでなく、他のUPnP機器の検出や接続までも自動的に行うことができるようにされる。
次に、図3は、メディアサーバに格納されたコンテンツを管理するツリー構造の例を示す図である。
UPnP機器であるメディアサーバには、CDS(Contents Directory Service)という機能(Service)が組み込まれており、メディアサーバはこの機能により、コントロールポイントに対して、メディアサーバにどのようにコンテンツが格納されているかを通知する。CDSには、コンテナ(Container)とアイテム(Item)という二つの抽象化されたオブジェクト(Object)があり、これらはいわば、米マイクロソフト社が提供するOS(Operating System)であるWINDOWS(登録商標)におけるフォルダ(Folder)とファイル(File)に相当する。コンテナとアイテムは、図3に示すように常にツリー構造を作ることになっている。なお、本実施の形態では、配信されるオーディオコンテンツ(オーディオデータ)が、図3におけるアイテムを意味している。
コントロールポイントは、図3に示したツリー構造をメディアサーバから取得することにより、各コンテンツのURL(情報が書いてあるリンク(Link))を得ることができる。そして、所望のオーディオコンテンツ(アイテム)の情報が取得できた場合、メディアサーバのAVトランスポート(AV Transport)という機能を用いてオーディオコンテンツの再生や停止など、オーディオトラック(オーディオデータ)についての操作を行うことができるようにされる。
本実施の形態のサーバ装置1および2とオーディオ再生機器3〜5のそれぞれは、上述のように、UPnPのアドレッシング機能を用いて、TCP/IPの通信が可能な状態になり、UPnPのディスカバリ機能を用いてお互いの機器認証を行う。これによって、各機器は、ネットワークの構成を把握し、目的とする電子機器との間で通信を行うことができるようにされる。
なお、本実施の形態では、図7で説明するように、各コントロールポイントは、すべてのコンテナを最上位の階層に対応付けて、コンテナとアイテムとが2階層のみとなるツリー構造を用いてオーディオコンテンツを管理するものとする。
[サーバ装置の構成例]
次に、本実施の形態のホームネットワークシステムを構成する各電子機器の構成例について説明する。まず、図4は、サーバ装置1の基本的な構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置1は、LAN6に接続するための通信用端子11および通信部12、HDD13、制御部14、入力インタフェース(I/F)151、キー操作部152、表示インタフェース(I/F)153、表示部154、外部インタフェース(I/F)155、外部入出力端子156を具備する。
通信用端子11には、LAN6のケーブルが接続され、通信部12は、通信用端子11を介してLAN6に接続して、他の機器との間でデータの送受信を行う。なお、通信部12の内部構成については、図5においてより詳しく説明する。
HDD13は、多数のデジタルコンテンツ(提供情報)などを蓄積することが可能な容量を持っている。また、HDD13は、各種のプログラムや処理用のデータなどを保持するとともに、コンテンツのデコードやコンテンツをLAN6を通じて他の機器に送信する際などに作業領域としても用いられる。
制御部14は、サーバ装置1内の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)141と、ROM(Read Only Memory)142と、RAM(Random Access Memory)143と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)144とが、CPUバス145を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。なお、通信部12、HDD13、HDD13、入力I/F151、表示I/F153および外部I/F155は、CPUバス145に接続されており、これらはCPUバス145を通じてCPU141からの制御を受けて動作する。
ここで、ROM142には、CPU141において実行するプログラムや処理に必要なデータなどが記録されている。RAM143は、主に各種の処理において作業領域として用いられるものである。EEPROM144は、いわゆる不揮発性メモリであり、種々のパラメータなどを記憶し、保持する。
キー操作部152は、ユーザからの操作入力を受け付けるものであり、カーソルを移動するための矢印キーや種々のファンクションキーなどからなる。このキー操作部152を通じて受け付けた操作入力に応じた制御信号は、入力I/F151を通じて制御部14に供給され、これにより、サーバ装置1では、ユーザの操作入力に応じて処理が行われる。
表示部154は、映像を表示するものであり、制御部14により制御される表示I/F153で処理されて形成された表示用映像信号の供給を受けて、種々の映像を自己の表示画面に表示する。
外部I/F155は、外部入出力端子156を通じて接続される外部機器との間で、データの入出力をできるように制御するものである。すなわち、外部I/F155は、サーバ装置1からデータを出力する場合には、あらかじめ決められたデータフォーマットの送出用データを形成し、これを外部入出力端子156を通じて送出する。また、外部入出力端子156を通じて受け付けた所定のデータフォーマットの受信データを、制御部14に提供可能な形式のデータに変換し、これを制御部14に供給する。
なお、サーバ装置1は、例えばパーソナルコンピュータとして実現される。この場合、キー操作部152は、いわゆる外付けのキーボードやマウスポインタなどからなり、また、表示部154は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる。また、図示しないが、この他に、CDやDVDの再生部、記録可能なCDやDVDの記録再生部などを設けることにより、これらの記録媒体からデータを読み出して利用することや、記録可能な記録媒体に対してはデータを読み出すことなどもできるようになる。
ここで、図5は、通信部12の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、通信部12は、通信I/F111および制御部112を具備する。制御部112は、CPU121と、ROM122と、RAM123と、フラッシュメモリ124と、バスI/F125とが、内部バス126によって相互に接続された構成を有している。なお、通信I/F111も、内部バス126に接続されて、この内部バス126を通じてCPU121からの制御を受けて動作する。
通信I/F111は、制御部112の制御に応じて、LAN6から通信用端子11を通じて受け取った所定のフォーマットのデータを、サーバ装置1において処理可能な形式のデータに変換して取り込み、これをバスI/F125を通じて、メインの制御部14に供給する、また、サーバ装置1からLAN6に接続された他の機器に対して送信するデータを、送信用の形式のデータに変換して、通信用端子11を介してLAN6に送出するなどの処理を行う。また、通信I/F111は、通信部12の制御部112の制御に応じて、LAN6上の信号の有無の検出(キャリア検出)や、送信データ(送信パケット)の衝突の検出などのイーサネットに準拠した処理も行う。
制御部112のROM122には、制御部112において実行するプログラムや、処理に必要なデータなどが記録されている。RAM123は、種々の処理において作業領域として用いられるものである。フラッシュメモリ124は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、通信に関連した種々の設定パラメータなどを記憶し、保持する。
以上の構成により、サーバ装置1は、通信用端子11、通信部12を通じてLAN6に接続され、UPnP機能を実現し、このサーバ装置1のネットワークへの接続とネットワークを通じてのデータの受け渡しを行うことが可能となっている。具体的には、LAN6を通じて送信されてくる自機宛ての種々のデータを受信して、これをHDD13などに記録することや、相手先の機器からのコンテンツなどの提供要求に応じて、HDD13などから目的とするデータを読み出し、これを通信部12、通信用端子11を通じてLAN6に送出し、相手先の機器に送信することなどが可能である。
なお、サーバ装置2は、上述したサーバ装置1と同様の構成により実現されるため、サーバ装置2についての説明は省略する。
[オーディオ再生機器の構成例]
図6は、オーディオ再生機器3の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、オーディオ再生機器3は、通信用端子31、通信部32、ラジオチューナ部33、CDデッキ部34、アナログ入力端子35、アナログ/デジタル(A/D)変換部36、セレクタ37、イコライザ38、デジタル/アナログ(D/A)変換部39、オーディオアンプ40、スピーカ41、および制御部50、入力I/F61、キー操作部62、表示I/F63、表示部64、およびリモコン信号受光部65を具備している。
制御部50は、オーディオ再生機器3内の各部を制御するものであり、CPU51、ROM52、RAM53、EEPROM54、およびフラッシュメモリ55が、CPUバス56を通じて互いに接続されて形成されたマイクロコンピュータである。
ROM52には、CPU51において実行するプログラムや処理に必要なデータなどが記録されている。また、RAM53は、主に各種の処理において作業領域として用いられるものである。EEPROM54は、いわゆる不揮発性メモリであり、オーディオ再生機器3の電源が落とされても保持しておくべき種々のデータが記録されるものである。フラッシュメモリ55は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、通信などの処理に関連した種々の設定パラメータなどを記憶し、保持する。
なお、通信部32、ラジオチューナ部33、CDデッキ部34、A/D変換部36、セレクタ37、イコライザ38、D/A変換部39、オーディオアンプ40、入力I/F61、表示I/F63、およびリモコン信号受光部65も、それぞれCPUバス56に接続されて、このCPUバス56を通じてCPU51からの制御を受けて動作する。
通信部32は、上述したサーバ装置1の通信部12と同様に、UPnP機能を実現し、オーディオ再生機器3のネットワークへの接続と、ネットワークを通じてのデータの送受信を行うための処理を実行する。通信部32は、例えば、LAN6から通信用端子31を通じて受信した自機宛てのデータを、自機において処理可能な形式のデータに変換する。ここで、受信した自機宛てのデータがオーディオデータである場合には、これを後段のセレクタ37に供給し、受信した自機宛てのデータが制御データであるときには、これを制御部50に対して供給する。また、通信部32は、制御部50の制御に応じて、目的とする電子機器に送信するコマンドなどを形成し、これをLAN6に送出して、相手先機器に送信することもできるとともに、キャリア検出や衝突検出などのイーサネットに準拠した処理も行う。
ラジオチューナ部33は、図示しないアンテナを通じて受信されたFM/AM(Frequency Modulation/Amplitude Modulation)ラジオ放送の信号波を復調し、オーディオ信号をセレクタ37に供給する。なお、ラジオチューナ部33は、復調したオーディオ信号をデジタル信号に変換してセレクタ37に供給する。
CDデッキ部34は、CDに記録された信号を読み取るドライブ装置と、読み取った信号の復調などの処理を行う処理回路などからなり、CDに記録された信号を読み取ってオーディオ信号を再生し、セレクタ37に供給する。なお、信号の復調やデコードなどの処理は、制御部50によるソフトウェア処理により行われてもよい。
アナログ入力端子35には、外部に設置される種々のオーディオ機器から、アナログオーディオ信号が供給される。A/D変換部36は、アナログ入力端子35を通じて供給されたオーディオ信号を、所定の形式のデジタル信号に変換し、これをセレクタ37に供給する。なお、この他に、外部のオーディオ機器から出力されたデジタルオーディオ信号の入力を受けるデジタル入力端子が設けられてもよい。
セレクタ37は、通信部32、ラジオチューナ部33、CDデッキ部34およびA/D変換部36から供給されるオーディオデータを選択的に切り替えて、イコライザ38に出力する。セレクタ37の動作は、キー操作部62から入力I/F61を通じて受け付けた、あるいは外部のリモートコントローラ(以下、リモコンと略称する)70からリモコン信号受光部65を通じて受け付けたユーザからの指示入力に応じて制御されることになる。
イコライザ38は、セレクタ37から供給されたオーディオデータに音質調整を施し、これをD/A変換部39に出力する。音質調整のパラメータは、キー操作部62および入力I/F61を通じて受け付けたユーザからの指示入力に応じて、制御部50からイコライザ38に対して指示される。
D/A変換部39は、イコライザ38から供給されたデジタルオーディオデータを、アナログオーディオ信号に変換する。オーディオアンプ40は、D/A変換部39から供給されたアナログオーディオ信号を、所定のレベルに増幅し、これをスピーカ41に供給する。これにより、スピーカ41からは、これに供給されたアナログオーディオ信号に応じた音声が再生出力される。
なお、イコライザ38およびD/A変換部39の各機能は、制御部50において実行されるソフトウェアによって実現することも可能である。
キー操作部62は、入力I/F61を介して制御部50と接続されている。キー操作部62は、種々の操作キーを具備し、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた制御信号を生成し、これを入力I/F61を通じて制御部50に供給する。
表示部64は、表示I/F63を介して制御部50と接続されている。表示部64は、例えばLCDや有機EL(Electro-Luminescence)、FL(FLuorescent)表示管などの表示デバイスからなり、表示I/F63からの表示用信号に応じて、ガイダンスメッセージ、エラーメッセージ、状態表示などの種々の表示情報を表示する。
リモコン信号受光部65は、外部のリモコン70からの例えば赤外線信号を受光し、これを電気信号に変換して制御部50に供給する。リモコン70は、種々の操作キーを具備して、ユーザからの操作入力を受け付けて、これに応じた信号を形成して送出する。
なお、この他のオーディオ再生機器4および5は、上述したオーディオ再生機器3と同様の構成により実現されるため、これらについての説明は省略する。
[ホームネットワークの動作]
上述したホームネットワークシステムでは、ユーザが、メディアサーバであるサーバ装置1および2のいずれかに蓄積されているオーディオコンテンツを、メディアレンダラであるオーディオ再生機器3〜5のいずれかで再生させようとする場合には、通常、以下のような処理手順が必要となる。
すなわち、
(1)オーディオコンテンツを保持しているサーバ装置を選択する。
(2)再生するオーディオコンテンツを選択する。
(3)オーディオコンテンツを再生させるオーディオ再生機器を選択する。
という3つのステップが必要となる。
なお、本実施の形態のホームネットワークシステムの場合には、サーバ装置およびオーディオ再生機器がともに複数台存在するため、上述の(1)〜(3)までの手順が必須となる。しかし、サーバ装置が1台の場合には、(1)のサーバ装置の選択手順は必要でなくなる。また、オーディオ再生機器が1台の場合には、(3)のオーディオ再生機器の選択手順は必要でなくなる。
また、コントロールポイントをどの機器に実装させるかによっても、オーディオ再生のための手順には相違が発生する。本実施の形態のように、各オーディオ再生機器にコントロールポイントが実装されている場合には、オーディオ再生機器の選択は必要でなくなる。それに対して、サーバ装置に実装されたコントロールポイントを使用する場合は、通常、そのサーバ装置上のコンテンツの再生を目的としている場合が多いため、サーバ装置の選択を省略することも可能である。
本実施の形態のホームネットワークシステムにおいて、サーバ装置上のオーディオコンテンツをオーディオ再生機器で再生するための基本的な手順は、以下のようになる。まず、オーディオ再生機器において、オーディオコンテンツの配信元のサーバ装置を選択し、そのサーバ装置の提供可能なオーディオコンテンツを選択する。コントロールポイントは、選択可能なメディアサーバとともに、そのメディアサーバが提供可能なコンテンツについて把握しているので、選択可能な再生機器の一覧リストを表示部に表示することなどにより、ユーザから配信元やコンテンツの選択入力を受け付けることができる。
次に、コントロールポイントとしてのオーディオ再生機器は、選択されたサーバ装置に対して、選択されたオーディオコンテンツを配信するように指示するとともに、オーディオ再生機器のメディアレンダラ機能に対して、オーディオコンテンツの受信と再生の開始を指示する。これにより、選択されたコンテンツがサーバ装置から配信され、配信されたオーディオコンテンツはオーディオ再生機器により受信され、再生出力される。
[オーディオ再生機器の各種再生動作仕様]
本実施の形態では、オーディオ再生機器3は、サーバ装置1および2から提供されるオーディオコンテンツや、自機にセットされたCDのオーディオコンテンツなどの各種コンテンツを再生することが可能となっている。具体的には、以下のF1〜F5のようなファンクション(Function)にそれぞれ割り当てられたコンテンツの再生が可能となっている。なお、オーディオ再生機器4および5についても同様である。
(F1)CD
(F2)FM/AMラジオ
(F3)外部入力
(F4)メディアライブラリ(Media Library)
(F5)Webラジオ
ここで、ファンクションF1では、自機の具備するCDデッキ部34にセットされたCDが再生される。ファンクションF2では、ラジオチューナ部33で受信されたFM/AMラジオの放送コンテンツが再生される。ファンクションF3では、アナログ入力端子35を通じて外部機器から入力されるオーディオ信号が再生される。
また、ファンクションF4およびF5は、ホームネットワークシステムを用いてコンテンツの再生を行うためのもので、ファンクションF4では、メディアサーバ(ここではサーバ装置1および2)に蓄積されたオーディオコンテンツがストリーミング再生され、ファンクションF5では、メディアサーバ(ここではサーバ装置1および2)を通じて受信されるWebラジオのオーディオコンテンツがストリーミング再生される。ユーザは、オーディオ再生機器3〜5に対する操作入力を行って上記の各ファンクションを選択することにより、所望のコンテンツを再生させることができる。
また、上記のうちファンクションF4およびF5が選択された場合には、オーディオ再生機器3〜5は、サーバ装置1または2を通じて提供を受け、再生することが可能なコンテンツを一覧表示して、ユーザの選択入力を受ける。ここで、オーディオ再生機器3〜5は、例えば数行程度のテキストの表示が可能なディスプレイしか持たず、また、使用可能な操作キーの数も限られていることから、以下のようなコンテンツの管理方法を採用することで、コンテンツの選択入力の手順を単純にしている。
図7は、オーディオ再生機器によってサーバ装置内のコンテンツを管理するためのデータ構造を示す図である。
上記の図3で説明したように、UPnPを用いたネットワークシステムでは、コントロールポイントは、CDS機能を用いることにより、メディアサーバにどのようなコンテンツが格納されているかについて、ツリー構造で認識することが可能となっている。しかし、本実施の形態では、オーディオ再生機器3〜5は、メディアサーバ(サーバ装置1および2)から通知されたツリー構造を、図7に示すような2階層のツリー構造に変換して管理する。
図7(A)は、サーバ装置1および2に蓄積されたオーディオコンテンツ(ファンクションF4に対応)、(B)はサーバ装置1および2を通じて再生させることが可能なWebラジオのコンテンツ(ファンクションF5に対応)をそれぞれ管理するためのツリー構造を示している。各ツリー構造は2つの階層からなり、上位階層は図3中のコンテナに対応し、下位階層は図3中のアイテムに対応する。
ここで、サーバ装置1および2に蓄積されたオーディオコンテンツについては、例えばCDアルバム内のオーディオコンテンツを呼び出す際の呼称に合わせて、図7(A)のように、楽曲の集合(コンテナに対応)を“アルバム”、その集合内の各楽曲(アイテムに対応)を“トラック”と呼称する。また、Webラジオのコンテンツについては、図7(B)のように、番組を提供する放送局をコンテナに対応付け、その放送局で放送されている各番組をアイテムに対応付けて管理する。
このようなコンテンツの管理方法を採用することにより、ユーザは、上位階層での選択と、下位階層での選択という2つのステップで、所望のコンテンツを選択して再生させることが可能となる。例えば、ファンクションF4が選択された場合には、ユーザは、最初の選択画面でアルバムを選択し、次の選択画面でそのアルバム内のトラックを選択すればよい。また、ファンクションF5が選択された場合には、ユーザは、最初の選択画面で放送局を選択し、次の選択画面で番組を選択すればよい。
ところで、オーディオ再生機器3〜5では、図7(A)のように管理されたオーディオコンテンツを再生する際に、様々な再生動作モードを選択することができるようになっている。そして、これらの再生動作モードでは、基本的には、CDを再生する場合に従来から用いられていたものと同等の機能が実現される。
例えば、プレイモード(Play Mode)では、アルバム内の楽曲(トラック)のすべてを連続して再生するか、1曲のみ再生するか、ランダムに決めた順番で再生(シャッフル再生)するか、ユーザが任意に設定した順番で再生(プログラム再生)するかといった、再生する楽曲の数や順番を指定することができる。また、リピートモード(Repeat Mode)では、プレイモードで決められた楽曲を繰り返し再生するか、1回のみ再生するかといった再生回数を指定することができる。
また、図7(A)に示したツリー構造では、アルバム単位でオーディオコンテンツを管理していたが、これ以外に、各楽曲を演奏するアーティスト名を単位として各コンテンツをソートすることもできる。この場合、上位階層にアーティスト名を対応付け、下位階層にトラック名を対応付けておき、各階層での選択操作により所望のオーディオコンテンツを選択することが可能となる。このようなソート方法の識別を、本実施の形態ではディレクトリモード(Directory Mode)と呼称し、ディレクトリモードの切り替えにより、アルバム名、あるいはアーティスト名を基にしてオーディオコンテンツをソートし、選択方法を変えることが可能となる。
さらに、メディアサーバ上(ここではサーバ装置1および2上)には、ユーザが任意の楽曲(トラック)をアルバム階層下に設定したり、あるいはメディアサーバが様々な基準に従って自動的に選択した楽曲をアルバム階層下に設定することもできる。この場合、生成されたアルバムは“プレイリスト(Play List)”と呼ばれ、ディレクトリモードの1つを選択することで、プレイリスト内のオーディオコンテンツを選択し、再生させることが可能となる。
[再生動作に関する設定情報を呼び出して再生するための構成]
上記のように、各オーディオ再生機器3〜5では、サーバ装置1および2からコンテンツの提供を受けて再生する際に、コンテンツの指定以外に、再生動作に関する様々な設定を行うことが可能である。しかし、オーディオ再生機器3〜5の操作を、誰にでも理解できる簡単なものとするためには、コンテンツを再生させる際に、上記設定のそれぞれのためにユーザの操作入力をその都度要求することは好ましくない。
そこで、本実施の形態では、上記の各設定をあらかじめ複数種類だけ記憶しておき、それぞれに割り当てた操作キーをユーザが押下するだけで、その設定を呼び出し、設定に応じた再生動作を行うようにする。これにより、例えば、各操作キーをその機器を利用するユーザにそれぞれ割り当て、各ユーザがそれ以前にコンテンツを聴いていた際の再生環境を、即座に再び実現することが可能となる。あるいは、一人のユーザが、聴きたいコンテンツをその音楽のジャンルごとに分類するために各操作キーを用いてもよい。
図8は、オーディオ再生機器の外観の例を示す図である。
図8に示すように、オーディオ再生機器3の前面には、CDを挿入するためのディスク挿入部341や、FL表示管などにより各種の情報を表示するディスプレイ部641などとともに、上述した再生動作に関する設定情報を呼び出すための操作キー621〜625が設けられている。そして、ユーザは、操作キー621〜625のいずれかを押下することで、そのキーに対応付けられた設定情報を呼び出し、その設定情報に応じた再生動作を開始させることができる。なお、オーディオ再生機器4および5についても同様の操作キーが設けられているものとする。
図9は、再生動作に関する設定情報を呼び出して再生するためのサーバ装置およびオーディオ再生機器の機能を示すブロック図である。
図9に示すように、サーバ装置1は、サーバ側の設定情報処理部160、設定情報テーブル161、情報配信処理部170、コンテンツ読み出し処理部180およびWebラジオ受信処理部190を具備している。また、オーディオ再生機器3は、再生機器側の設定情報処理部310、配信・再生動作制御部320、コンテンツ再生処理部330、およびU/I(User/Interface)処理部340を具備している。
サーバ装置1において、設定情報テーブル161は、オーディオ再生機器3〜5から送信された再生動作に関する設定情報を保持する。設定情報処理部160は、オーディオ再生機器3〜5からの設定情報を設定情報テーブル161に登録し、また、オーディオ再生機器3〜5からの要求に応じて、対応する設定情報を設定情報テーブル161から読み出し、返信する処理を行う。
情報配信処理部170は、オーディオ再生機器3〜5からコンテンツを指定する情報や配信の開始、終了を要求する情報を受信し、これらの情報に応じて、指定されたオーディオコンテンツのデータをストリーミング配信する処理を行う。
コンテンツ読み出し処理部180は、オーディオ再生機器3〜5からファンクションF4に対応するオーディオコンテンツの配信を要求された場合に、指定されたオーディオコンテンツをHDD13から読み出して、情報配信処理部170に供給する処理を行う。また、HDD13内のオーディオコンテンツが圧縮データである場合には、そのデータをデコードする処理も行う。
Webラジオ受信処理部190は、オーディオ再生機器3〜5からファンクションF5に対応するWebラジオのコンテンツの配信を要求された場合には、指定されたコンテンツに対応するWebサーバにアクセスしてコンテンツのデータを順次ダウンロードし、情報配信処理部170に供給する。
以上の設定情報処理部160、情報配信処理部170、コンテンツ読み出し処理部180およびWebラジオ受信処理部190は、メディアサーバとしての機能を実現するための機能ブロックであり、これらの処理機能は、例えば、制御部14あるいはこれと通信部12の制御部112により、上記機能の処理手順を記述したプログラムが実行されることで実現される。
なお、図9ではサーバ装置2を図示していないが、サーバ装置2もサーバ装置1と同様の機能を具備している。
一方、オーディオ再生機器3において、設定情報処理部310は、U/I処理部340を通じて受け取ったユーザの選択情報に基づいて、設定情報の識別番号をサーバ装置1および2に対して指定し、対応する設定情報を受信して配信・再生動作制御部320に供給する処理を行う。また、コンテンツの再生終了時に、その時点での再生動作に関する設定情報を配信・再生動作制御部320から受け取り、サーバ装置1および2に対して送信する処理も行う。
配信・再生動作制御部320は、ユーザにより指定された、あるいは設定情報処理部310から受け取った再生動作に関する設定情報に従って、サーバ装置1および2に対して配信すべきコンテンツを指定し、その配信の開始や終了を要求するとともに、配信されたコンテンツを受信して、コンテンツ再生処理部330におけるコンテンツの再生処理を制御する処理を行う。また、再生処理が終了したときは、その時点での設定情報を設定情報処理部310に供給する。
コンテンツ再生処理部330は、配信・再生動作制御部320の制御に従って、サーバ装置1から配信されたコンテンツを再生する処理を行う。具体的には、セレクタ37を通信部32からの入力に切り替えるとともに、イコライザ38やD/A変換部39、オーディオアンプ40などの動作を制御する。
U/I処理部340は、キー操作部62(操作キー621〜625を含む)やリモコン70に対する操作入力に応じた情報を、設定情報処理部310および配信・再生動作制御部320に供給するとともに、表示部64の表示すべき画像のデータを生成する処理を行う。
ここで、設定情報処理部310および配信・再生動作制御部320は、コントロールポイントとしての機能を実現するための機能ブロックであり、コンテンツ再生処理部330は、メディアレンダラとしての機能を実現するための機能ブロックである。これらの機能ブロックおよびU/I処理部340の処理機能は、例えば、制御部50あるいはこれと通信部32内の制御部により、上記機能の処理手順を記述したプログラムが実行されることで実現される。
なお、オーディオ再生機器4および5についても、オーディオ再生機器3と同様の機能を具備している。
ここで、サーバ装置とオーディオ再生機器との間の動作の概要について説明する。なお、以下の説明では、サーバ装置1と、オーディオ再生機器3との間の動作について説明することにするが、サーバ装置1とオーディオ再生機器4および5との間でも、全く同じ動作を行うことが可能である。
オーディオ再生機器3において、ユーザの操作入力によりサーバ装置1から配信するべきオーディオコンテンツを選択して、そのコンテンツを再生する場合には、配信・再生動作制御部320は、サーバ装置1からの配信を受けることが可能なオーディオコンテンツのリストをU/I処理部340に渡し、U/I処理部340は、これらのオーディオコンテンツを一覧表示してユーザに選択させるための選択画面を生成し、表示させる。この選択画面に従ってユーザの選択入力が行われると、配信・再生動作制御部320は、操作入力に応じたオーディオコンテンツの選択情報をU/I処理部340を通じて受け取り、サーバ装置1に対して選択されたオーディオコンテンツの配信を要求する。
サーバ装置1では、オーディオ再生機器3からの配信要求を情報配信処理部170が受け付け、要求されたオーディオコンテンツをコンテンツ読み出し処理部180またはWebラジオ受信処理部190から受け取る。例えば、サーバ装置1内に蓄積されたオーディオコンテンツが要求された場合には、コンテンツ読み出し処理部180が、要求されたオーディオコンテンツのデータを読み出して、情報配信処理部170に順次供給する。また、Webラジオの番組が要求された場合には、Webラジオ受信処理部190が、要求された番組に対応するWebサーバにアクセスして、その番組のオーディオデータを受信し、情報配信処理部170に順次供給する。情報配信処理部170は、受け取ったオーディオコンテンツを、オーディオ再生機器3に対してストリーミング配信する。
オーディオ再生機器3では、配信・再生動作制御部320が、サーバ装置1から配信されたオーディオデータを受信し、コンテンツ再生処理部330に渡して、そのオーディオデータの再生を要求する。これにより、選択されたオーディオコンテンツが再生出力される。
また、サーバ装置1の設定情報テーブル161に記憶させた設定情報を利用して、オーディオ再生機器3においてオーディオコンテンツを再生する場合は、オーディオ再生機器3において、設定情報を呼び出すための操作キー621〜625のいずれかが押下され、U/I処理部340がこれを検出して設定情報処理部310に通知する。設定情報処理部310は、押下された操作キーに対応する操作キー番号を、サーバ装置1に対して送信する。
サーバ装置1では、設定情報処理部160が、オーディオ再生機器3からの操作キー番号を受信し、設定情報テーブル161を参照して、対応する設定情報を読み出し、オーディオ再生機器3に対して送信する。
オーディオ再生機器3では、サーバ装置1からの設定情報を設定情報処理部310が受信し、配信・再生動作制御部320に渡す。配信・再生動作制御部320は、設定情報処理部310から受け取った設定情報に従って、サーバ装置1に対してオーディオコンテンツの配信を要求し、サーバ装置1から受信したオーディオコンテンツの再生をコンテンツ再生処理部330に対して要求する。
また、ユーザの操作入力などにより、配信されたオーディオコンテンツの再生動作を終了したときには、配信・再生動作制御部320は、コンテンツ再生処理部330による再生処理を終了させ、また、サーバ装置1に対して、オーディオコンテンツの配信を終了させる。これとともに、その直前における再生動作の設定情報を設定情報処理部310に受け渡し、設定情報処理部310は、受け取った設定情報をサーバ装置1に送信する。サーバ装置1は、オーディオ再生機器3から受信した設定情報を用いて、設定情報テーブル161内の対応領域の情報を更新する。
[設定情報テーブルに記憶される情報]
図10は、サーバ装置1における設定情報テーブル161のデータ構造を示す図である。
図10に示すように、設定情報テーブル161には、コンテンツの配信先となるオーディオ再生機器ごとに、図中“操作キー1”から“操作キー5”で示された操作キー番号と、各機器の再生動作に関する設定情報とが対応付けて記憶される。また、各機器を識別するための情報として、MACアドレス(Media Access Control address)も記憶される。
なお、図10では例として、各オーディオ再生機器に、設定情報を呼び出すための操作キーが5つずつ設けられた場合の例を示している。例えば、オーディオ再生機器3の場合には、図8に示した操作キー621〜625が、設定情報テーブル161の“操作キー1”から“操作キー5”にそれぞれ対応する。また、各オーディオ再生機器の具備する操作キーと、操作キー番号とは、各機器において個別に対応付けされていればよい。
再生動作に関する設定情報としては、例えば以下のような情報が格納される。
・ファンクション(メディアライブラリ(F4)またはWebラジオ(F5))
・ディレクトリモード(ディスク名、アーティスト名、プレイリストのいずれか)
・アルバム名または放送局名
・トラック番号または番組名
・プレイモード(1曲再生、全曲再生、シャッフル再生、プログラム再生のいずれか)
・リピートモード(1回再生または繰り返し再生)
・プレイリスト番号(または名称)
オーディオ再生機器3では、サーバ装置1から設定情報を受け取ると、その設定情報に応じた再生動作が行われる。具体的には、配信・再生動作制御部320は、設定情報内のアルバム名、トラック番号、放送局名、番組名、プレイリスト番号などに基づいて、サーバ装置1が提供可能なオーディオコンテンツを検索し、抽出したオーディオコンテンツの配信をサーバ装置1に対して要求する。また、プレイモードやリピートモードなどの指定に基づいて、アルバム内やプレイリスト内のオーディオコンテンツの再生順を認識し、その再生順に従ってサーバ装置1に配信を要求する。
なお、再生動作に関する設定情報としては、上記の他に、オーディオ再生機器3のイコライザ38の設定値や、音量の設定値などが格納されてもよい。
[サーバ装置に記憶された設定情報を用いたコンテンツ再生処理手順]
次に、サーバ装置1に記憶された設定情報を用いたコンテンツ再生処理の詳細について説明する。まず、サーバ装置1における設定情報の初期記憶処理について説明する。
オーディオ再生機器において、設定情報呼び出し用の操作キーを押下することにより再生動作を開始させるためには、その操作キーに対応する設定情報がサーバ装置1にあらかじめ記憶されている必要がある。サーバ装置1に対する設定情報の記憶は、オーディオ再生機器3〜5において、例えば各種の設定パラメータの入力を誘導する画像を画面に表示させて、その画面に従ってユーザが操作入力を行うことなどにより行ってもよい。しかし、設定情報呼び出し用の操作キーは、ユーザが簡単な操作で再生動作を行うことを目的として設けられるものであるので、その初期設定も簡単であることが望ましい。
本実施の形態では、ホームネットワークシステムに、サーバ装置1からのコンテンツ配信を受けることが可能な新たなオーディオ再生機器3〜5が接続されたときに、そのオーディオ再生機器3〜5に設けられた設定情報呼び出し用のすべての操作キーに対応する設定情報を、サーバ装置1上の設定情報テーブル161に自動的に記憶させるようにする。
図11は、オーディオ再生機器の接続時に設定情報を自動記憶する際のサーバ装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
〔ステップS101〕サーバ装置1は、LAN6上のパケットを監視して、LAN6上に新しく接続されたオーディオ再生機器を発見した場合に、ステップS102に進む。
オーディオ再生機器がLAN6に接続されると、上述したディスカバリの機能により、自機の備えるデバイスやサービスをLAN6上の他の機器に通知するメッセージや、他の機器の備えるデバイスやサービスを検索するためのメッセージを送信することができる。サーバ装置1は、オーディオ再生機器からのメッセージや、自機からの検索メッセージに対する応答メッセージなどから、オーディオ再生機器を識別する情報を取得することができる。本実施の形態では、その識別情報としてMACアドレスを取得し、設定情報テーブル161に記憶する。
従って、ステップS101では、LAN6上に新たなオーディオ再生機器が接続されたとき、その機器のMACアドレスを取得して、設定情報テーブル161に同一のMACアドレスが存在しなかったときに、新しい機器を発見したと判定する。
〔ステップS102〕新たに発見したオーディオ再生機器の識別情報(MACアドレス)を、設定情報テーブル161に登録する。
〔ステップS103〕設定情報テーブル161に対して、ステップS102で登録した機器に対応する設定情報として、あらかじめ決められた初期値を登録する。初期値としては、例えば、CDS機能を用いて自機が提供可能なコンテンツを管理するツリー構造の中で、最も番号の小さいアルバムおよびトラックなどが登録される。
以上の処理が自動的に実行されることにより、オーディオ再生機器では、LAN6に接続した後、ユーザが特に設定操作を行うことなく、設定情報呼び出し用の操作キーを用いて再生動作を開始することが可能となる。そして、再生を終了させると、後述するように、その直前の設定情報がサーバ装置1に送信され、設定情報テーブル161の同じ操作キーに対応する欄に登録される。
ここで、初期状態では、ステップS103で登録された初期値に基づいてサーバ装置1からのオーディオコンテンツを取得し、再生させることになるが、再生中に、ユーザは例えばコンテンツだけを選択し直すことで、所望のコンテンツを再生させることができる。そして、2度目に同じ操作キーを押下した場合には、前回の再生終了時の直前の設定情報に従って再生動作が行われる。
従って、上記フローチャートの処理により、ユーザは、オーディオ再生機器を購入して、LAN6に接続すると、例えばオーディオ再生機器に設けられた各操作キーと、設定情報テーブル161の操作キー番号との対応付けなどを気にすることなく、即座にそれらの操作キーを使用することが可能となる。
次に、図12は、サーバ装置1に記憶された設定情報を用いたコンテンツ配信時のサーバ装置1における処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、オーディオ再生機器3からのコンテンツの配信要求を受ける場合を想定する。
〔ステップS201〕設定情報処理部160が、オーディオ再生機器3から、設定情報呼び出し用の操作キーに対応する操作キー番号を受信した場合に、ステップS202に進む。
〔ステップS202〕設定情報処理部160は、受信した操作キー番号を、例えばRAM143などに一時的に保持する。
〔ステップS203〕設定情報処理部160は、設定情報テーブル161を参照して、操作キー番号の送信元機器およびその操作キー番号に対応する設定情報を読み出し、オーディオ再生機器3に送信する。これにより、オーディオ再生機器3は、受信した設定情報に従って、サーバ装置1にオーディオコンテンツの配信を要求する。
〔ステップS204〕情報配信処理部170は、オーディオ再生機器3からのパケットを監視し、オーディオコンテンツを指定し、その配信開始を指示するパケットを受信した場合に、ステップS205に進む。
〔ステップS205〕情報配信処理部170は、指定されたオーディオコンテンツをコンテンツ読み出し処理部180またはWebラジオ受信処理部190に要求し、そのコンテンツのデータを順次受け取って、オーディオ再生機器3にストリーミング配信する。
〔ステップS206〕情報配信処理部170は、オーディオ再生機器3からのパケットを監視し、配信を受けるオーディオコンテンツの変更を指示するパケットを受信した場合には、ステップS205に戻り、指示に応じたオーディオコンテンツの配信を行う。また、このような指示パケットを受信しなかった場合にはステップS207に進む。
〔ステップS207〕情報配信処理部170は、オーディオ再生機器3から、オーディオコンテンツの再生の終了を指示するパケットを受信した場合には、ステップS208に進む。また、このような指示パケットを受信しなかった場合にはステップS206に戻る。
〔ステップS208〕情報配信処理部170は、コンテンツ読み出し処理部180またはWebラジオ受信処理部190の処理を終了させ、これらのいずれかから受け取っていたオーディオデータのオーディオ再生機器3に対する配信を終了する。
このとき、オーディオ再生機器3は、自機におけるオーディオコンテンツの再生を終了し、その直前での再生動作に関する設定情報を、サーバ装置1に対して送信する。
〔ステップS209〕設定情報処理部160は、オーディオ再生機器3からの設定情報を受信すると、ステップS210に進む。
〔ステップS210〕設定情報処理部160は、受信した設定情報を用いて、ステップS202の処理で保持した操作キー番号に対応する設定情報テーブル161内の設定情報を更新する。
〔ステップS211〕設定情報処理部160は、保持していた操作キー番号をクリアする。
次に、図13は、サーバ装置1に記憶された設定情報を用いたコンテンツ再生時のオーディオ再生機器3における処理の流れを示すフローチャートである。
〔ステップS301〕設定情報処理部310は、U/I処理部340を通じて、設定情報を呼び出すための操作キー621〜625のいずれかが押下されるか否かを監視し、押下されたことを検出した場合にステップS302に進む。
〔ステップS302〕設定情報処理部310は、押下された操作キーに対応する操作キー番号を、サーバ装置1に送信する。これにより、サーバ装置1は、受信した操作キー番号に対応する設定情報を設定情報テーブル161から読み出して、返送する(図12のステップS201〜S203に対応)。
〔ステップS303〕設定情報処理部310は、サーバ装置1からのパケットを監視し、設定情報を受信した場合にステップS304に進む。
〔ステップS304〕設定情報処理部310は、受信した設定情報を配信・再生動作制御部320に渡す。配信・再生動作制御部320は、受け取った設定情報により指定されるオーディオコンテンツを認識し、そのコンテンツの配信開始をサーバ装置1に対して要求する。これにより、サーバ装置1は、要求されたオーディオコンテンツのデータを、オーディオ再生機器3に対してストリーミング配信する(図12のステップS204およびS205)。
〔ステップS305〕配信・再生動作制御部320は、サーバ装置1からのオーディオコンテンツのデータを受信し、コンテンツ再生処理部330に渡して、その再生を要求する。これにより、オーディオコンテンツが再生される。
〔ステップS306〕配信・再生動作制御部320は、U/I処理部340を通じて、ユーザの入力操作により再生動作に対する設定変更(ここでは、再生するコンテンツの変更)の入力を受けたことを検出した場合には、ステップS307に進む。また、検出しない場合はステップS308に進む。
〔ステップS307〕配信・再生動作制御部320は、変更された設定情報に応じて、サーバ装置1に対してオーディオコンテンツを指定し、その配信を要求する。この後、ステップS305に戻り、新たなオーディオコンテンツのデータを受信して、再生を実行させる。
〔ステップS308〕配信・再生動作制御部320は、U/I処理部340を通じて、ユーザの入力操作により再生動作を終了するための入力を受けたことを検出した場合には、ステップS309に進む。また、検出しない場合はステップS306に戻る。
〔ステップS309〕配信・再生動作制御部320は、再生中のオーディオコンテンツの配信終了をサーバ装置1に要求し、また、コンテンツ再生処理部330の再生処理を終了させる。
〔ステップS310〕配信・再生動作制御部320は、終了直前の再生動作に関する設定情報を設定情報処理部310に受け渡し、設定情報処理部310は、受け取った設定情報をサーバ装置1に送信する。これにより、サーバ装置1内の設定情報テーブル161が更新される(図12のステップS209〜S211に対応)。
以上の図12および図13の処理により、設定情報呼び出し用のいずれかの操作キーをユーザが押下すると、その操作キーに対応付けられた設定情報がサーバ装置1からオーディオ再生機器3に通知され、オーディオ再生機器3は、その設定情報に従ってオーディオコンテンツの再生を実行することが可能となる。また、オーディオコンテンツの再生を終了すると、その直前の再生動作に関する設定情報が自動的にサーバ装置1に送信され、設定情報テーブル161が更新される。
従って、ユーザが次にオーディオコンテンツの配信を受けてそれを再生させようとする場合に、同じ操作キーを押下することで、前回の再生時と同じ動作環境でオーディオコンテンツを即座に再生させることが可能となる。具体的には、前回の再生終了時に聴いていたオーディオコンテンツが再生され、そのときに設定されていた再生動作モードが自動的に設定される。
また、設定情報呼び出し用の操作キーは、オーディオ再生機器3に複数設けられ、個別に設定情報をサーバ装置1に記憶させることができるので、例えば複数のユーザが自分の好みに応じた音楽を即座に聴くことや、あるいは、一人のユーザがその日の気分で異なるジャンルの音楽を即座に選択して聴くことなどが可能になる。
[単独のオーディオ再生機器の使用例]
以下、単独のオーディオ再生機器の使用例を挙げる。まず、図14は、オーディオ再生機器3を一人のユーザが使用する場合の使用方法の例を説明するための図である。
図14(A)では、一人のユーザが、昼間に、オーディオ再生機器3に設けられた設定情報呼び出し用の“操作キー1”を用いて、オーディオコンテンツを再生する場合を想定している。この後、図14(B)のように、夜になってユーザが就寝するときに、オーディオ再生機器3の再生動作を終了させる。このとき、オーディオ再生機器3は、直前の設定情報をサーバ装置1に送信し、設定情報テーブル161を更新させる。ここで例えば、再生終了直前に再生されていたオーディオコンテンツが、アルバム“AAA”のトラック“5”の楽曲であったとする。
次の日の朝、図14(C)のように、ユーザは起床し、オーディオ再生機器3の“操作キー1”を押下して、オーディオコンテンツを再生させる。オーディオ再生機器3は、押下された操作キーに対応する設定情報をサーバ装置1から取得し、その設定情報に従って再生動作を実行する。このとき、前日の就寝直前に再生されていたアルバム“AAA”のトラック“5”から、再生が開始される。このように、ユーザは、設定情報呼び出し用の同じ操作キーを用いることで、それ以前に聴いていた楽曲を、あらためて選択操作を行うことなく聴くことができる。
また例えば、ユーザが音楽のジャンルごとに分類した複数のプレイリストをサーバ装置1に記憶させていた場合には、設定情報呼び出し用の操作キーに異なるプレイリストを割り当て、ユーザがその日の気分に応じて好みのジャンルの音楽を即座に聴くことを可能としてもよい。この場合にも、操作キーごとに、その直前に聴いていた楽曲から再生を開始することができる。
次に、図15は、1台のオーディオ再生機器3を複数のユーザが使用する場合の使用方法の例を説明するための図である。
図15では、家庭内において、夫と妻が1台のオーディオ再生機器3を使用する場合を想定している。まず、図15(A)のように、夫が朝の出勤前の時間に、“操作キー1”を押下して、オーディオコンテンツを再生させる。次に、図15(B)のように、出勤時間になると、夫はオーディオ再生機器3の再生動作を終了させてから、出勤する。このとき、オーディオ再生機器3からサーバ装置1に設定情報が送信され、設定情報テーブル161内の“操作キー1”に対応する欄が更新される。なお、再生終了前に再生されていた楽曲は、アルバム“AAA”のトラック“5”の楽曲であったとする。
妻は、夫が出勤した後、図15(C)のように、“操作キー2“を押下してオーディオコンテンツを再生させる。これにより、妻は、例えば前日において最後に再生させた楽曲を、再び再生させることができる。
夜になって、夫が帰宅すると、図15(D)のように、夫はこの日の朝と同じ“操作キー1”を押下して、オーディオコンテンツを再生させる。これにより、夫は、朝の出勤直前に聴いていたものと同じ楽曲を聴くことができる。このように、設定情報呼び出し用の操作キーをユーザごとに割り当て、ユーザの好みに応じた動作設定に即座に切り替えることが可能である。例えば、ユーザごとに好みの音楽のジャンルが異なる場合には、各ユーザが自分の好みのジャンルの音楽を即座に再生させることが可能となる。
なお、ある操作キーの押下に応じてコンテンツを再生させている途中で、別の操作キーを押下した場合には、切り替え直前の設定情報をサーバ装置1に送信して、以前の再生のために押下した操作キーに対応する設定情報テーブル161内の情報を更新し、その後に、新たな操作キーに対応する設定情報をサーバ装置1から受信するという処理手順が実行される。
[複数のオーディオ再生機器を連携させる場合の処理例]
本実施の形態のホームネットワークシステムでは、複数のオーディオ再生機器が接続されているが、これらの各オーディオ再生機器に設けられた特定の操作キーを、同じ設定情報に対応付けることにより、各オーディオ再生機器における再生動作を連携させることが可能である。
図16は、複数のオーディオ再生機器の再生動作を連携させる際の設定情報テーブル161のデータ構造を示す図である。
図16に示すように、設定情報テーブル161には、コンテンツの配信先となるオーディオ再生機器ごとに、操作キー番号と設定情報とが対応付けて記憶されている。ここで、各機器についての特定の操作キー番号に、同じ設定情報を記憶させる。図16の場合には、各機器について、“操作キー1”に対応付けて同じ“設定情報S−1”が記憶されている。
このように、各機器間で同じ設定情報を記憶させる処理は、各オーディオ再生機器またはサーバ装置1自身におけるユーザの操作入力に応じて、サーバ装置1の設定情報処理部160の動作により行われる。
次に、上記のように設定情報を記憶させた場合の使用方法の例について説明する。ここでは、例として、2つのオーディオ再生機器3および4を一人のユーザが使用する場合を挙げる。図17は、この場合のサーバ装置1、オーディオ再生機器3および4の処理シーケンスを示す図である。
図17では、例えば、オーディオ再生機器3および4がそれぞれ別の部屋に設置されており、オーディオ再生機器3を用いてオーディオコンテンツを聴いていたユーザが、別の部屋に移動して、その部屋でオーディオ再生機器4を用いてオーディオコンテンツを聴く場合を想定している。
この場合、ユーザはまず、オーディオ再生機器3を用いてオーディオコンテンツを聴くために、“操作キー1”に対応付けられた操作キーを押下する(ステップS401)。これにより、オーディオ再生機器3は、対応する操作キー番号をサーバ装置1に送信し(ステップS402)、サーバ装置1は、受信した操作キー番号に対応する設定情報を設定情報テーブル161から読み出し、オーディオ再生機器3に送信する(ステップS403)。
オーディオ再生機器3は、受信した設定情報に従ってサーバ装置1にオーディオコンテンツの配信を指示し(ステップS404)、これにより指示に応じたオーディオコンテンツのデータがサーバ装置1から配信されて(ステップS405)、オーディオ再生機器3は、配信されたデータを受信し、再生する(ステップS406)。これにより、ユーザは、オーディオコンテンツを聴くことができる。
次に、ユーザはその部屋を出る前に、オーディオ再生機器3を操作して、オーディオコンテンツの再生を一旦終了させる(ステップS407)。このとき、オーディオ再生機器3は、オーディオコンテンツの配信を終了するようにサーバ装置1に指示し、この指示に応じてオーディオコンテンツの配信が終了される(ステップS408)。また、オーディオ再生機器3は、その直前の設定情報をサーバ装置1に送信して(ステップS409)、これにより設定情報テーブル161が更新される(ステップS410)。
ここで、オーディオ再生機器3〜5では、図16に示したように、“操作キー1”に同一の設定情報が対応付けられて記憶されるものとすると、ステップS410では、オーディオ再生機器3から受信した設定情報を用いて、すべてのオーディオ再生機器3〜5の“操作キー1”に対応する項目が更新される。なお、再生終了の直前には、例えば、アルバム“AAA”のトラック“5”の楽曲が再生されていたものとする。
次に、ユーザが別の部屋に移動して、その部屋に設置されたオーディオ再生機器4の“操作キー1”に対応付けられた操作キーを押下する(ステップS411)。これにより、オーディオ再生機器4は、対応する操作キー番号をサーバ装置1に送信し(ステップS412)、サーバ装置1は、受信した操作キー番号に対応する設定情報を設定情報テーブル161から読み出し、オーディオ再生機器4に送信する(ステップS413)。
オーディオ再生機器4は、受信した設定情報に従ってサーバ装置1にオーディオコンテンツの配信を指示し(ステップS414)、これにより指示に応じたオーディオコンテンツのデータがサーバ装置1から配信されて(ステップS415)、オーディオ再生機器4は、配信されたデータを受信し、再生する(ステップS416)。
なお、この後、再生を終了する場合には、上記のステップS407〜S410と同様の処理が、ステップS417〜S420においてオーディオ再生機器4とサーバ装置1との間で行われる。
ここで、ステップS413で送信される設定情報は、以前の部屋からユーザが移動する際に更新されたものであるので、その設定情報に従ってステップS414〜S416の処理が行われることにより、オーディオ再生機器4では、アルバム“AAA”のトラック“5”の楽曲が再生される。すなわち、ユーザは、別の部屋に移動した際に、以前の部屋において最後に聴いていた楽曲を起点として再生を開始させることができる。このように、操作キーを押下するだけの簡単な操作で、複数のオーディオ再生機器においてユーザごとの設定情報を反映させたコンテンツ再生を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、複数のオーディオ再生機器の設定情報をすべてサーバ装置に記憶させるので、各オーディオ再生機器においてそれらの設定情報を記憶しておく記憶装置を設ける必要がなくなり、システム全体の製造コストの面でも有利になる。
[その他]
上記の実施の形態で示したコントロールポイント、メディアサーバ、メディアレンダラの処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、オーディオ再生機器やサーバ装置が有すべき上記機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。このような記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、半導体メモリなどからなる可搬型記録媒体などにそのプログラムが記録され、この可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、メディアサーバから配信し、メディアレンダラにおいて再生するコンテンツとしては、オーディオコンテンツの他に、ビデオコンテンツ、静止画像コンテンツ、ニュースなどのテキストコンテンツを適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、UPnPを用いたホームネットワークシステムに本発明を適用した場合について説明したが、この他に、例えば、Jini(Java(登録商標) intelligent network infrastructure)やHAVi(Home Audio/Video interoperability)などの種々の仕様を適用したネットワークシステムにも、本発明を適用することが可能である。すなわち、オーディオコンテンツなどの種々のコンテンツを提供するサーバ装置と、提供されたコンテンツを受け取って順次再生するクライアント装置とが存在する種々のネットワークシステムに、本発明を適用することが可能である。
1,2……サーバ装置、3〜5……オーディオ再生機器、6……LAN、7……ブロードバンドルータ、11……通信用端子、12……通信部、13……HDD、14……制御部、31……通信用端子、32……通信部、33……ラジオチューナ部、34……CDデッキ部、35……アナログ入力端子、36……A/D変換部、37……セレクタ、38……イコライザ、39……D/A変換部、40……オーディオアンプ、41……スピーカ、50……制御部、51……CPU、52……ROM、53……RAM、54……EEPROM、55……フラッシュメモリ、56……CPUバス、61……入力I/F、62……キー操作部、63……表示I/F、64……表示部、65……リモコン信号受光部、70……リモコン、111……通信I/F、112……制御部、121……CPU、122……ROM、123……RAM、124……フラッシュメモリ、125……バスI/F、126……内部バス、141……CPU、142……ROM、143……RAM、144……EEPROM、145……CPUバス、151……入力I/F、152……キー操作部、153……表示I/F、154……表示部、155……外部I/F、156……外部入出力端子、160……設定情報処理部、161……設定情報テーブル、170……情報配信処理部、180……コンテンツ読み出し処理部、190……Webラジオ受信処理部、310……設定情報処理部、320……配信・再生動作制御部、330……コンテンツ再生処理部、340……U/I処理部