JP4527800B1 - ウェットマスターバッチの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】適度に可塑化された状態で乾燥することができ、加硫後のゴム特性も良好に維持することが可能なウェットマスターバッチの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】ゴムラテックスと、充填剤を水に分散させたスラリーとを混合し、この混合液からゴムと充填剤の混合物を凝固させて脱水した後、得られた凝固物を押出機8に投入して押出すことにより、凝固物中に残存する水分を加熱蒸発させるウェットマスターバッチの製造方法において、押出機8がバレル9内に1本のスクリュー10が設置された一軸押出機であり、バレル8の開口面積に対する吐出口13の開口面積の比率を5%〜75%に設定してスクリュー10を回転させることにより、凝固物を押出機8の吐出口13に向けて加圧しながら押出すことによって凝固物を加熱することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴムラテックスと、カーボンブラック等の充填剤を分散させたスラリーとを用いたウェットマスターバッチの製造方法及びそれを用いたゴム組成物に関する。
従来より、分散性や加工性に優れたゴムの製造方法として、特許文献1に示すように、天然ゴムラテックスとカーボンブラック等の充填剤スラリーとを混合し、凝固剤により天然ゴムと充填剤の混合物を凝固させ、得られた凝固物を水から分離し、さらに脱水処理した後に乾燥する、いわゆるウェットマスターバッチを用いる方法が知られている。この方法で得られたウェットマスターバッチは、天然ゴムと充填剤とを混練ロール等を用いて混練して得られるドライマスターバッチに比べてゴム成分に対するカーボンブラックの分散性に優れ、加硫後のゴム特性(破断強度、耐摩耗性等)に優れるという利点を有する。
しかし、上記凝固物は、脱水処理後においてもまだ多くの水分を含有する。凝固物中の水分が多いと、その後、凝固物(ウェットマスターバッチ)に他の薬品を配合したゴム組成物をバンバリーミキサーなどを用いて混練する際に、水分がゴム組成物の表面にしみ出して、ゴム組成物とミキサーのローターとの間で滑りが生じて混練性が低下するおそれがあった。また、凝固物中の水分が多いと、ゴム組成物を加硫する際に、ゴム組成物中の水分が蒸発することでボイド(内部空隙)が生じるおそれも生じていた。
上記問題を解決する方法として、特許文献2に示すように、凝固物を多軸押出機に投入し、押出機のバレル内に設置された複数のスクリューで押出すことによって凝固物中の水分を加熱蒸発させて乾燥させる方法が知られている。
ところで、一般に、ゴムラテックスと充填剤スラリーとの混合液を凝固させて得られた凝固物は、未加硫ゴム単体に比べて、柔軟性に乏しく硬い。そのため、特許文献2においては、前述のごとく、押出しをスムーズに行うために押出機として多軸押出機を用い、複数本のスクリューの回転によって凝固物に対して強力なせん断力を与えつつ、凝固物を可塑化して流動性を確保するようにしている。
特許登録第2633913号公報 特開2006−348237号公報
しかしながら、特許文献2に記載された方法では、水分が蒸発する温度まで凝固物を加熱しようとして、凝固物にせん断変形や伸張変形を繰り返し加えると、ゴム分子の分子鎖が過度に切断されてしまい、加硫後のゴム特性が低下するという問題があった。
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、押出機を使用しつつ、凝固物を適度に可塑化した、安定した状態で乾燥することができ、さらに加硫後のゴム特性も良好に維持することが可能なウェットマスターバッチの製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、押出機として多軸押出機を用いて凝固物を乾燥する場合には、スクリュー間に存在する凝固物に対し、スクリューの回転により必然的に強力なせん断力がかかるため、ゴム分子鎖の過度の切断を回避するのは困難である一方、押出機として一軸押出機を用いた場合は、意外にも凝固物に圧力をかけることによって、ゴム分子鎖の切断を抑制しつつスムーズに押出すことができ、かつ凝固物を乾燥させることが可能であることを見いだして本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明では、ゴムラテックスと、充填剤を水に分散させたスラリー(以下、充填剤スラリーという)とを混合し、この混合液からゴムと充填剤の混合物を凝固させて脱水した後、得られた凝固物を押出機に投入して押出すことにより、凝固物中に残存する水分を加熱蒸発させるウェットマスターバッチの製造方法において、押出機がバレル内に1本のスクリューが設置された一軸押出機であり、バレル開口面積に対する吐出口の開口面積の比率を5%〜75%に設定してスクリューを回転させることにより、凝固物を押出機の吐出口に向けて加圧しながら押し出すことによって凝固物を加熱することを特徴とする。
上記構成によれば、押出機のバレル内に設置されるスクリューが1本であるため、凝固物に過度のせん断力が作用するおそれはない。その一方で、スクリューによる凝固物のせん断発熱は抑制されることになるが、バレルの開口面積に対する吐出口の開口面積の比率(以下、吐出口の開口率と略する)を5%〜75%、より好ましくは10%〜40%に狭めることで、吐出口付近において凝固物に圧力をかけやすくなる。
このように凝固物に圧力をかけながらスクリューを回転させると、バレル内面とスクリュー外面との間に生じるゴムの摩擦・せん断・伸縮による発熱量が大きくなり、凝固物の温度を水分蒸発に適した温度(110℃〜150℃)まで高めることができ、凝固物を乾燥させることができる。また、凝固物は常温付近では硬い状態であるものの、温度が高くなるほど柔らかくなり、水分蒸発に適した温度まで昇温すると流動性を示すようになる。よって、凝固物を押出機から適度に可塑化された状態でスムーズに押出すことが可能となり、かつ加硫後におけるゴム特性の低下を抑制することができる。
吐出口付近における凝固物温度は凝固物にかかる圧力に応じて変化し、凝固物にかかる圧力はスクリューの回転数によって変化する。したがって、凝固物の温度は、スクリューの回転数を調整することで容易に制御することが可能となり、これにより一定レベルで安定した状態で凝固物を乾燥させることができる。これに対して、二軸押出機を用いる場合には、スクリューの回転数を多少変更する程度では凝固物に強力なせん断力がかかるのを回避できず、これが加硫ゴム特性の低下の原因になっているものと考えられる。
本発明では、凝固物は、バレル先端を小径に絞った吐出口から吐出するようにしてもよいが、バレル先端にダイを取り付けてその開口から押出すようにするのが好ましい。この場合には、ダイの開口が吐出口となる。なお、ダイはバレル先端に直接取り付けてもよいし、アタッチメントを介して取り付けてもよい。ダイの開口形状としては、スリット状、すなわち、開口幅に対して開口長さが長い形状に形成するのが好ましい。これにより、吐出口から押出す凝固物の形状は、リボン状やシート状といった、厚みが薄く、表面積が広い形状となる。
したがって、スリット状の開口から押出された凝固物は、内部に残存した水分がスムーズに蒸発可能であるとともに、高温状態の凝固物を速やかに冷却することができる。ダイの具体的な開口形状としては、直線状のスリット形状のほか、波形やジグザグ形状であってもよい。さらには、T字型、H字型、+字型等のようにスリットを組み合わせた形状にすることも可能である。また、吐出口の開口形状を環状スリットとし、凝固物を筒状に押し出した後、これを切り開いてシート状にすることも可能である。
凝固物の温度としては、吐出口から排出された時点で110℃〜150℃であることが好ましい。この範囲であれば、凝固物を十分に乾燥させることができ、かつ凝固物の熱劣化を防止することが可能となる。また、押出機から押出された凝固物の含水率は1.5重量%以下とするのが好ましく、1.0重量%以下とするのがより好ましい。なお、凝固物に熱を加えすぎるとゴムの熱劣化を招くおそれがあり、また、含水率が1重量%以下であれば、混練性や加硫ゴムの特性に与える影響はあまり差がないことから、これらを考慮すると含水率はだいたい0.5重量%以上であればよい。これにより、次の混練工程において、ゴム組成物を良好に混練することができる。
本発明において、押出機に投入する凝固物の含水率は5重量%以下であることが好ましい。含水率が5重量%を超えると、押出機において、十分に水分を蒸発させることができない場合がある。
上記製造方法により得られたウェットマスターバッチは、含水率が低く、また、適度に可塑化されているために混練性に優れている。また、本発明に係るウェットマスターバッチを用いたゴム組成物は含水率が低く、混練性に優れており、さらにゴム分子鎖が過度に切断されていないことから、加硫後のゴム特性を良好に維持することができる。
以上説明したように、本発明により得られたウェットマスターバッチを用いたゴム組成物は、破断強度及び耐摩耗性に優れるため、タイヤのドレッドゴム、サイドウォールゴムなどのタイヤ用ゴム組成物を始め、各種ゴム組成物に好適に使用することができる。
本発明では、ゴムラテックスと、充填剤を水に分散させたスラリーとを混合し、この混合液からゴムと充填剤の混合物を凝固させて脱水した後、得られた凝固物を押出機で押出して乾燥するウェットマスターバッチの製造方法において、押出機としてバレル内に1本のスクリューが設置された一軸押出機を用い、吐出口の開口率を5%〜75%に設定してスクリューを回転させることにより、凝固物を押出機の吐出口に向けて加圧しながら押出すことによって凝固物を加熱するようにしたため、凝固物を効果的に乾燥することが可能となり、加硫後のゴム特性も良好に維持することが可能なウェットマスターバッチの製造方法を提供することができる。
本発明に係るウェットマスターバッチの製造方法を示す工程図 上記乾燥・可塑化工程で用いる一軸押出機の断面図
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係るウェットマスターバッチの製造方法を示す工程図である。まず、最初に、ゴムラテックス調製工程1及び充填剤スラリー調整工程2を実施して、ゴムラテックス及び充填剤スラリーを調製する。
ゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックスのほか、合成ゴムラテックスを使用することも可能である。ゴムラテックスは水等の分散媒によって固形分が10重量%〜40重量%になるように濃度調整するのが好ましい。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカのほかに、タルク、クレー、その他の無機充填剤等を用いることができる。充填剤としてカーボンブラックを用いる場合、通常、ゴム用充填剤として用いられる種々のグレードを使用することができる。具体的には、SAF、ISAF、HAF、FEF等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して使用することが可能である。充填剤のスラリー濃度は固形分が1重量%〜20重量%が好ましく、3重量%〜15重量%であることがより好ましい。
調製したゴムラテックス及びカーボンブラックスラリーは、必要に応じて分散処理を行う。分散処理は、ハイシア(ローター/ステーター)ミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて行うことができる。これらの装置は、回転数を高くしたり、処理時間を長くすることにより粒子を微細化することができる。
次に、混合・凝固工程3において、ゴムラテックスと充填剤スラリーとを適当な撹拌装置によって混合した後、蟻酸などの酸や、硫酸アルミニウム等の金属塩などの凝固剤を用いてゴムと充填剤の混合物を凝固させる。この場合、攪拌装置として、上記分散処理装置で使用されるハイシア(ローター/ステーター)ミキサーやホモジナイザーなど混合液に強い衝撃を付与し得るものを用いれば、凝固剤を使用せずに混合物を凝固させることができる。なお、このとき凝固剤を併用してもよいのはもちろんである。
以上のようにして得られた凝固物は、固液分離工程4にて、固液分離と凝固剤を洗い流す洗浄とを交互に実施し、最終的に、水分及び不純物を取り除いた状態で脱水処理を行う(脱水工程5)。脱水処理においては、凝固物の含水率を5重量%以下にすることが必要とされ、具体的には遠心分離、スクリュープレス、フィルタープレスなどの方式を採用することができる。脱水後、凝固物は、乾燥・可塑化工程6にかけられる。
図2は、乾燥・可塑化工程6において用いられる一軸押出機の部分断面図である。一軸押出機8は、バレル9と、バレル9内部に設置される1本のスクリュー10とを備えており、バレル9の後部外周には凝固物を投入する投入口11が形成されている。投入口11から凝固物を供給するにはホッパーを用いればよい。また、可塑化の効果を高めるためにバレル内周面にミキシングピンを突設することも可能である。
投入口11から投入された凝固物は、スクリュー10の回転によって、バレル9の先端側のバレル開口9aに向かって送られる。バレル先端にはダイ12が取付けられており、その開口13(吐出口)から凝固物が吐出される。
上記構成の押出機8において、凝固物が押出機8に供給されると、スクリュー10の回転により、凝固物はバレル9の先端側に送られる。一方、吐出口13の開口面積は、バレル開口面積の5%〜75%になるように設定されているため、凝固物はバレル先端に近づく程、圧力及び温度が高くなる。バレル先端部には凝固物の温度を検知する温度センサが設置されており、この凝固物の温度が110℃〜150℃の範囲内になるように、スクリュー10の回転数を調整する。すなわち、凝固物の温度が高くなってきたときには、スクリュー10の回転数を低くし、凝固物の温度が低くなってきたときは、スクリュー10の回転数を高くする。
上述の操作によって水分の蒸発に適した温度に維持された凝固物は、シート状に成形された状態で吐出口13から吐出される。このように凝固物を厚みが薄く、表面積が大きい形状に成形することで、凝固物の内部に残存していた水分をスムーズに蒸発させることができる。
さらに、凝固物の温度を速やかに低下させることが可能となり、ゴム特性の低下を抑制することが可能となる。乾燥・可塑化工程6後の凝固物の含水率は、1.5重量%以下にするのが望ましい。1.5重量%を超えると次の混練工程において、混練機のローターとゴム組成物との間に滑りが生じて混練時間が長くなったり、残存した水分が加硫時に蒸発することによって加硫後のゴム製品にボイドが発生するおそれが生じる。
以上の工程を経ることにより、乾燥した状態の凝固物、すなわち、ウェットマスターバッチを製造することができる。さらに、ウェットマスターバッチに、その他薬品を配合してバンバリーミキサー等の混練機によって混練することで(混練工程7)、均一に混練されたゴム組成物を得ることができる。このようにして得られたゴム組成物は、分子鎖が過度に切断されておらず、また、長時間高温下に曝されていないため、加硫後のゴム特性を良好に維持することができる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明をその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
[ウェットマスターバッチの作製]
本実施例においては、上記ゴムラテックス調製工程1におけるゴムラテックスとして天然ゴムラテックスを使用し、ゴム成分25重量%になるように濃度を調整した。さらに、充填剤スラリー調製工程2における充填剤としてカーボンブラック(東海カーボン社製SAF)を用い、これをハイシアミキサーによって水に分散させ、固形分5重量%のスラリーを調製した。
その後、混合・凝固工程3において、ゴムラテックスとカーボンブラックスラリーとをゴム固形分:カーボンブラック(重量比)=100:50になるように、高速ミキサーを用いて両者を均一に混合した。そして、混合液を攪拌しながら、凝固剤としてギ酸を添加してpH3〜4程度になるように調整して凝固物を生成させた。得られた凝固物は、固液分離工程4後、脱水工程5において、スクリュープレス機(スクリュー温度100℃)による脱水処理を行った。脱水処理後の凝固物の含水率は5重量%であった。
得られた凝固物は、加熱された状態のまま、直接、コールドフィード一軸押出機(バレル径90mm、バレル長さL/バレル径D=12)に供給し、表1に示すように、種々吐出口の開口率を変化させて乾燥・可塑化処理を行った(実施例1〜3、比較例1および比較例2)。さらに、比較のために凝固物を二軸押出機に供給して乾燥・可塑化処理を行った(比較例3,4)。なお、いずれの押出機においてもバレル及びスクリューの温調は95℃に設定した。
乾燥・可塑化処理して得られた凝固物(ウェットマスターバッチ)について含水率及びムーニー粘度を測定した。測定結果を表1に記す。なお、測定条件は以下の通りである。
(1)含水率:A&D社製MX−50(105℃測定)を用い、5分ごとにサンプリングした3点の試料の平均値及び標準偏差を測定
(2)ムーニー粘度:JIS K6300に準拠して測定
[ゴム組成物の作製]
上記ウェットマスターバッチを用いて、ゴム組成物を調製した。ゴム組成物の配合は、ウェットマスターバッチ150重量部(うちゴム成分100重量部)に対し、ステアリン酸(日本油脂製)1重量部、老化防止剤(モンサント製6PPD)1重量部、亜鉛華(三井金属製亜鉛華1号)3重量部、ワックス(日本精蝋製)1重量部、硫黄(鶴見化学工業製)2重量部、促進剤(三新化学製CBS)1重量部を配合した。
ゴム組成物は、神戸製鋼社製B型バンバリーミキサーを用いて混練した。混練時間は原則3分とし、3分経過時に混練状態をゴム組成物温度及び電力値にて確認し、均一状態に至っていないと判断したものについては1分ずつ、最長5分まで延長した。混練後のゴム組成物は、150℃×30minの条件で加硫し、加硫ゴムの評価試験を行った。
[評価試験]
(1)破断強度
JIS K6251に準拠して破断強度を測定した。
(2)耐摩耗性
ランボーン摩耗試験機を用い、JIS K6264に準拠して測定し、比較例3の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
Figure 0004527800
[評価結果]
表1より、吐出口の開口率を5%〜75%とした実施例1〜5では、水分の蒸発に十分な温度(110℃〜150℃)まで凝固物を昇温することができた。その結果、押出機から排出された後の凝固物の平均含水率は0.8重量%〜1.2重量%と低い値を示した。しかも、標準偏差が0.18〜0.24重量%と小さいため、最初に含水率を測定しておけば、あとは吐出口から吐出された凝固物(ウェットマスターバッチ)の量を計測しておくだけでウェットマスターバッチ中の固形分量を算出することができる。これは、すなわち、押出機から吐出されたウェットマスターバッチをそのまま連続的に混練機に導入することが可能になることを意味する。
ゴム組成物としての混練性については、実施例1〜3のいずれも、ウェットマスターバッチの含水率が低く、かつ適度に可塑化されているため、混練時間3分で十分均一に混練することができた。さらに、加硫後のゴム特性についても、実施例1〜3のすべてが同等の良好な特性を維持する結果となった。
一方、吐出口の開口率が75%より大きくなると、凝固物の温度が低くなり、含水率も高くなる(比較例1,2)。さらに、含水率が高くなるほど、標準偏差も大きくなった。すなわち、凝固物中の固形分の値のばらつきが大きくなった。比較例1,2で得られたウェットマスターバッチを用いて調製したゴム組成物は、混練時にゴム組成物表面に水分がにじみ出し、混練機のローターとゴム組成物との間で滑りが発生したため、混練時間が長くなった。特に、比較例2については、滑りの発生により温度が上がらずに最後まで水分が残存し、この残存する水分により、加硫時にゴム内部にボイドが発生したため、評価試験に供するには至らなかった。
また、二軸押出機を用いた比較例4及び5において、吐出口の開口率を15%とした比較例4では、含水率は1重量%と低い値となったが、吐出口の開口率を80%とした比較例5では、比較例4よりも高い値を示した。加硫ゴムの特性(破断強度、耐摩耗性)については、吐出口の開口率に関係なく、比較例4及び5の両方とも、実施例1〜5に比べて低くなった。これは、構造上、2本のスクリューの間に挟まれたゴムに強力なせん断力が作用するために、ゴム分子鎖が過度に切断されたためと考えられた。
また、実施例1〜5において、吐出口の開口率が小さくなるほど、ダイ圧力及び凝固物の温度が高くなるため、スクリューの回転数を低くすることで、凝固物の温度を適温に維持することが可能となる(実施例1)。ただ、吐出口の開口率が75%よりも大きくなると、スクリューの回転数を変更するだけでは凝固物を110℃以上にまで加熱することは困難となる(比較例1,2)ことが明らかとなった。
1 ゴムラテックス調製工程
2 充填剤スラリー調製工程
3 混合・凝固工程
4 固液分離工程
5 脱水工程
6 乾燥・可塑化工程
7 混練工程
8 一軸押出機
9 バレル
9a バレル開口
10 スクリュー
11 投入口
12 ダイ
13 吐出口

Claims (5)

  1. ゴムラテックスと、充填剤を水に分散させたスラリーとを混合し、この混合液からゴムと充填剤の混合物を凝固させて脱水した後、得られた凝固物を押出機に投入して押出すことにより、凝固物中に残存する水分を加熱蒸発させるウェットマスターバッチの製造方法において、前記押出機がバレル内に1本のスクリューが設置された一軸押出機であり、前記バレル開口面積に対する吐出口の開口面積の比率を5%〜75%に設定して前記凝固物を加圧しながら押出すことによって凝固物を加熱し、前記押出機から押出された凝固物の含水率を1.5重量%以下にすることを特徴とするウェットマスターバッチの製造方法。
  2. 前記押出機に投入する凝固物の含水率が5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  3. 前記吐出口から押出された凝固物の温度が110℃〜150℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  4. 前記バレル先端にダイを取り付け、前記ダイの開口を吐出口としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェットマスターバッチの製造方法。
  5. 前記ダイの開口がスリット状に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウェットマスターバッチの製造方法。
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