JP4527026B2 - ポテトサラダ - Google Patents

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Description

本発明はポテトサラダに関し、特に、澱粉の含有量が少ないジャガイモを主原料とした場合であっても食感が良好なポテトサラダに関する。
一般に、ポテトサラダは、蒸煮等により加熱処理したジャガイモを押し潰し、必要に応じてキュウリやハム等の具材を加えてマヨネーズ等の調味料と和えることにより製造されているが、その風味及び食感は、主原料であるジャガイモの品質に大きく依存している。
特に、収穫後に数ヵ月間保存したジャガイモは、澱粉の含有量が減少しており、そのようなジャガイモを用いてポテトサラダを製造すると、食感がボソボソして滑らかさに乏しいものとなり、美味しいポテトサラダを製造することができないという問題があった。
尚、ポテトサラダの品質を改善する従来技術として、冷凍ポテトサラダの解凍時に滲出する水分を、乾燥マッシュポテトを用いて吸収するという技術が特許文献1に開示されている。
特開昭56−23840号公報
しかし、上記特許文献1に記載された技術は、冷凍ポテトサラダの品質改善に関する技術であるが、そもそもポテトサラダを冷凍するとジャガイモに含まれる澱粉がβ化して著しく風味や食感が低下する。したがって、冷凍ポテトサラダに乾燥マッシュポテトを添加しても、その風味や食感が有意に改善されることはない。
すなわち、本発明は、冷凍やレトルト殺菌のようなジャガイモの風味や食感を大きく損ねる処理がなされていないポテトサラダの品質改善に関するものであって、澱粉含有量が少ないジャガイモを主原料としつつも食感が滑らかで良好なポテトサラダを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果本発明を完成させた。
即ち、本発明は、Brix7〜9%の男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、Brix7〜11%のさやか、キタアカリ、Brix6〜8%のトヨシロから選ばれる一種類以上のジャガイモを主原料とするポテトサラダであって、水分含量70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)を加熱処理後のジャガイモ(B)に対し質量比0.05〜0.3(A/B)として配合してあることを特徴とするポテトサラダを提供する。
本発明のポテトサラダは、水分含量を70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)が、加熱処理後のジャガイモ(B)に対して質量比0.05〜0.3(A/B)とするように配合してあることにより、Brix7〜9%の男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、Brix7〜11%のさやか、キタアカリ、Brix6〜8%のトヨシロといった比較的に澱粉含有量の少ないジャガイモを主原料としたものであっても、澱粉含有量が多いジャガイモを主原料としたポテトサラダと同等に、滑らかで良好な食感を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポテトサラダの主原料として使用するジャガイモの品種は、男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、さやか、キタアカリ又はトヨシロであり、何れもポテトサラダの原料として適性のある品種である。特に、春又は秋の収穫直後のものを用いてポテトサラダを製造すると、滑らかな食感でホクホクした大変美味しいポテトサラダを得ることができる。
しかし、上記各品種のジャガイモをそのまま生で数ヶ月間保存した後にポテトサラダを製造すると、品種によって程度の差はあるものの、滑らかさが失われボソボソした食感を呈する。これは、ジャガイモに含まれる澱粉の含有量と関係があり、収穫直後のジャガイモは澱粉含有量が多いが、生のまま保存すると、ジャガイモの呼吸等により澱粉が消費されるため澱粉の含有量が徐々に減少し、同時に製造したポテトサラダの食感も低下するものと考えられる。
ジャガイモの澱粉含有量は品種によって異なり、また、保存中経時的に減少する澱粉の量も異なる。例えば、男爵芋の澱粉含有量は、収穫直後は約15質量%であるが、約2℃で6ヶ月間保存した後は約11質量%まで減少し、トヨシロでは、収穫直後は約18質量%であるが、約2℃で6ヶ月保存した後は約13質量%まで減少する。また、保存中に減少する澱粉量については、保存期間や温度によって大きく異なる。
ジャガイモの澱粉の含有量を特定する方法として、本発明においては、芋肉に含まれる可溶性固形分の濃度(Brix)を測定する方法を採用する。上記の通り、ジャガイモを生のまま保存すると、ジャガイモの呼吸等によって澱粉が消費されるが、その過程で澱粉が加水分解されて糖が生成し芋肉部に蓄積される。したがって、一般に同じ品種であれば、糖の含有量が多いものほど澱粉の含有量が少ないという相関関係が成立するため、糖の含有量を可溶性固形分濃度(Brix)として測定することにより、澱粉の含有量を特定することが可能である。Brixの測定は一般に市販されている可溶性固形分濃度測定器を用いて行えばよい。
ジャガイモのBrixがどの程度であれば食感の優れたポテトサラダを製造することができるかは、ジャガイモの品種によって異なる。例えば、男爵芋、メークイン、十勝こがね及びホッカイコガネでは、収穫直後のBrix3〜5%程度が最も好ましいが、Brix7%未満であれば食感の優れたポテトサラダを製造することができる。また、さやか及びキタアカリでは、収穫直後のBrix4〜6%程度が最も好ましいが、Brix7%未満であれば食感の優れたポテトサラダを製造することができる。さらに、トヨシロでは収穫直後のBrix3〜5%程度が最も好ましいが、Brix6%未満であれば食感の優れたポテトサラダを製造することができる。
本発明は、澱粉含有量が十分に多いジャガイモではなく、上記のようにBrixが高く、即ち澱粉含有量が少ないために、通常は食感の悪いポテトサラダとならざるを得ないジャガイモを主原料としつつも、食感の極めて良好なポテトサラダを製造することができるものであり、具体的には、Brix7〜9%の男爵芋、メークイン、十勝こがね又はホッカイコガネ、Brix7〜11%のさやか又はキタアカリ、Brix6〜8%のトヨシロから選ばれる一種類又は二種類以上のジャガイモを主原料とするものである。
尚、男爵芋、メークイン、十勝こがね及びホッカイコガネであってBrix9%を超えるものは、澱粉含有量が極めて少ないために、本発明を適用しても食感の良好なポテトサラダを製造することは困難である。同様に、さやか及びキタアカリではBrix11%を超えるもの、トヨシロではBrix8%を超えるものは、本発明を適用しても高品質のポテトサラダを製造することは困難である。
本発明のポテトサラダは、上記の特定のジャガイモを主原料とするものであり、一般的には、ジャガイモを蒸煮等の方法により加熱して芋肉部の澱粉をα化した後押し潰し、これに乾燥マッシュポテトの水戻し品やマヨネーズその他の原料を加え混合して製造されるものである。
本発明において使用する乾燥マッシュポテトは、ジャガイモを蒸煮等の加熱処理により澱粉をα化させた後マッシュ状態に潰して得られたマッシュポテトを乾燥して製造されるものである。例えば、剥皮及び芽取りしたジャガイモを95℃以上の熱水中で約30〜60分間、或いは、95℃以上の蒸気雰囲気中で約50〜70分間加熱して澱粉をα化し、これを温かい内に押しつぶし裏ごしして得られたマッシュポテトを、例えば、加熱ドラム等を用いて水分含量5〜10%程度まで乾燥することにより製造することができる。また、乾燥マッシュポテトの原料とするジャガイモの品種は特に問わない。
本発明のポテトサラダでは、上記の乾燥マッシュポテトを水戻ししてから配合する。乾燥マッシュポテトは、水戻しすると水分を多く保持して適度な粘性を生じることから、この水戻し物をポテトサラダに加えて混合することにより、ポテトサラダの食感を滑らかに改善することができる。
乾燥マッシュポテトを水戻しするには、乾燥マッシュポテトに所定量の熱湯を加えてよく撹拌混合すればよいが、かかる水戻しには、必ずしも熱湯を用いる必要はなく、本発明の効果を妨げない範囲で、温めた牛乳、野菜ジュース等の液状食品、各種だし汁、コンソメ、食酢、しょう油又はソース等の液状調味料等を、熱湯の全部あるいは一部に代えて使用することが可能である。
尚、本発明においては、マッシュポテトとして、乾燥品以外の、例えば蒸煮したジャガイモを押し潰しただけのものや冷凍品を使用することは、ポテトサラダの食感改善効果に乏しいため好ましくない。マッシュポテトのうち乾燥品の水戻し物が特に食感改善効果に優れる理由は定かではないが、おそらく、乾燥することによりジャガイモの細胞の表面が変性を起こし、粘りが出にくくなっているためと推察される。
本発明において使用する乾燥マッシュポテトの水戻し物の水分含量は、70〜90質量%であり、より好ましくは75〜85質量%である。水分含量が70質量%よりも少ないと、ポテトサラダに配合した場合に滑らかな食感を付与する効果に乏しく、一方、水分含量が90質量%よりも多いと、ポテトサラダの保存中に水分が滲出し外観及び食感を損なう場合がある。
乾燥マッシュポテトの水分含量の測定方法は、減圧加熱乾燥法(「食品衛生検査指針」厚生労働省監修、社団法人 日本食品衛生協会、2005年3月31日発行)によることができる。減圧加熱乾燥法は、測定サンプルが分解しない温度において減圧下で加熱することにより減少した質量(水分含量)を測定する方法であり、本発明においては、測定サンプルである乾燥マッシュポテトの水戻し物を、70℃の減圧下で2時間加熱して減少した質量を測定することにより水分含量を特定することができる。
本発明のポテトサラダは、上記の乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)を、上記の加熱処理後のジャガイモ(B)に対し質量比0.05〜0.3(A/B)として配合してあり、より好ましい質量比は0.08〜0.2である。かかる質量比が0.05よりも低いと、ポテトサラダに滑らかな食感を付与する効果が十分でなく、一方、質量比が0.3よりも高いと、食感が重たくもったりし、乾燥マッシュポテトのいわゆる乾燥臭が感じられるものとなる傾向がある。
次に、本発明のポテトサラダの代表的な製造方法を説明する。
まず、上記の特定のジャガイモを、剥皮・芽取りした後、90℃以上の水蒸気雰囲気中で60分間程度加熱し、得られた加熱処理済みのジャガイモを1〜3cm角程度の大きさになるように粗く押し潰す。次いで、温水や必要に応じて食酢等を加えて水分含量を70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物を、上記のジャガイモの押し潰し物に対し質量比0.05〜0.3として配合し、さらにマヨネーズ、ドレッシング等の水中油型乳化調味料と、必要に応じて小さくカットしたニンジン、キュウリ、タマネギ等の具材、食塩、コショウ等の調味料等を加えて撹拌混合することにより、本発明のポテトサラダを製造することができる。
尚、乾燥マッシュポテトの水戻し物を配合する方法としては、そのまま加熱処理済みのジャガイモに和えてもよいが、事前にマヨネーズや他の具材、調味料と混合しておき、その混合物を加熱処理済みのジャガイモに和える方法を採用することもできる。
さらに、得られたポテトサラダを長期保存品とする場合には、合成樹脂製シートからなる袋状の容器等に小分け充填して密封し、80℃程度の熱湯に浸漬して数十分間程度殺菌すれば、10℃以下の温度で数日間保存可能な製品とすることができる。しかし、本発明のポテトサラダを長期保存品とする場合であっても、冷凍処理あるいは100℃を超えるレトルト殺菌処理を施すと、ジャガイモの食感が著しく低下し、本発明の食感改善効果が十分に発揮されないものとなるため望ましくない。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、「部」の表示は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
収穫後長期間保存された「トヨシロ」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
1.剥皮及び芽取り
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存されたトヨシロを多数用意し、これらを、スチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みのトヨシロの中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix7.2%であった。測定方法は、試料のトヨシロを、下ろし金を用いて摩り下ろし濾過して液汁を得て、その可溶性固形分濃度を測定器(ATAGO社製、商品名:手持屈折計N−1)により測定する方法に拠った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みのトヨシロ(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
4.乾燥マッシュポテトの水戻し物の調製
約95℃の熱湯56部に調味酢4部と乾燥マッシュポテト(水分含量7.5質量%、原料芋の品種:主にラセット系)20部を加えてよく撹拌混合し、乾燥マッシュポテトの水戻し物を調製した。この水戻し物の水分含量を減圧加熱乾燥法により測定したところ76.5質量%であった。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られたトヨシロの押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)、マヨネーズ(キユーピー社製)196部及び食塩、胡椒等の調味料4部を加え、均一になるまで撹拌混合した。次に、輪切りのキュウリ60部、銀杏切りのニンジン(ボイル済み)50部、細切れのハム40部及び刻みタマネギ(ボイル済み)20部を加えて均一になるまで撹拌混合することによりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
〔比較例1〕
収穫後長期間保存された「トヨシロ」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
まず、実施例1と同様のトヨシロ(Brix約7.2%)を多数用意し、実施例1と同様の方法で蒸煮済みのトヨシロの押し潰し物とした。次に、このトヨシロの押し潰し物630部に対して、マヨネーズ(キユーピー社製)196部及び食塩、胡椒等の調味料4部を加え、均一になるまで撹拌混合し、さらに、実施例1と同様にキュウリ、ニンジン、ハム及びタマネギを加えて撹拌混合してポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
〔実施例2〕
収穫後長期間保存された「男爵芋」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
1.剥皮及び芽取り
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存された男爵芋を多数用意し、これらをスチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みの男爵芋の中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix7.6%であった。測定は、実施例1と同様の方法により行った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みの男爵芋(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
4.乾燥マッシュポテトの水戻し物の調製
実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物を調整した。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られた男爵芋の押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)を加え、実施例1と同様の方法によりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
〔比較例2〕
収穫後長期間保存された「男爵芋」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
まず、実施例2と同様の男爵芋(Brix約7.6%)を多数用意し、実施例2と同様の方法で蒸煮済みの男爵芋の押し潰し物とした。次に、この男爵芋の押し潰し物630部に対して、マヨネーズ(キユーピー社製)196部及び食塩、胡椒等の調味料4部を加え、均一になるまで撹拌混合し、さらに、実施例2と同様にキュウリ、ニンジン、ハム及びタマネギを加えて撹拌混合してポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
〔実施例3〕
収穫後長期間保存された「さやか」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
1.剥皮及び芽取り
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存されたさやかを多数用意し、これらをスチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みのさやかの中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix9.5%であった。測定は、実施例1と同様の方法により行った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みのさやか(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
4.乾燥マッシュポテトの水戻し物の調製
実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物を調整した。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られたさやかの押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)を加え、実施例1と同様の方法によりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
〔比較例3〕
収穫後長期間保存された「さやか」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
まず、実施例3と同様のさやか(Brix約9.5%)を多数用意し、実施例3と同様の方法で蒸煮済みのさやかの押し潰し物とした。次に、このさやかの押し潰し物630部に対して、マヨネーズ(キユーピー社製)196部及び食塩、胡椒等の調味料4部を加え、均一になるまで撹拌混合し、さらに、実施例3と同様にキュウリ、ニンジン、ハム及びタマネギを加えて撹拌混合してポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
〔試験例1〕
乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)と加熱処理後のジャガイモ(B)との配合量の質量比(A/B)がポテトサラダの食感に与える影響について試験した。
1.サンプルの製造
実施例1と同様のトヨシロ(Brix約7.2%)を使用し、実施例1と同様の方法によりトヨシロの押し潰し物(加熱処理後のジャガイモ)を調製した。また、実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物(水分含量76.5質量%)を調製した。次いで、得られたトヨシロの押し潰し物(B)と乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)を、表1に示す通り配合量を変更し、その他は実施例1と同様の配合・方法により5種類のポテトサラダのサンプル1−a〜1−eを製造した。尚、サンプル1−cは実施例1のポテトサラダと同等品である。
2.試験方法
よく訓練されたパネラー5名が各サンプルを試食し、その食感を9点法により評価した。評価基準は、ポテトサラダとして最も望ましい食感を9点とし、また、最低許容点数を5点とし、点数が低いほどポテトサラダの食感は悪くなっていることを表す。評価結果は、各サンプルについて5名のパネラーが評価した得点の平均値とし、これを表1に示した。また、併せて各サンプルに対するパネラーの代表的なコメントを表1に示した。
Figure 0004527026
表1より、乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)を加熱処理後のトヨシロの押し潰し物(B)に対し質量比(A/B)0.05〜0.31(約0.3)として配合してある場合(サンプル1−b〜1−d)に、ポテトサラダの食感が滑らかで良好になることが理解される。
〔試験例2〕
乾燥マッシュポテトの水戻し物の水分含量がポテトサラダの食感に与える影響について試験した。
1.試験サンプルの製造
実施例1と同様のトヨシロ(Brix約7.2%)を使用し、実施例1と同様の方法によりトヨシロの押し潰し物(加熱処理後のジャガイモ)を調製した。
また、実施例1の乾燥マッシュポテトの水戻し物の調製方法において、表2に示すとおり各原料の配合量を変更し、その他は実施例1と同様の方法により5種類の乾燥マッシュポテトの水戻し物を調製するとともに、これらの水分含量を測定した。
次いで、得られたトヨシロの押し潰し物550部に対して、上記5種類の乾燥マッシュポテトの水戻し物各80部を加え、実施例1と同様の方法により5種類のポテトサラダのサンプル2−a〜2−eを製造した。尚、サンプル2−cは実施例1のポテトサラダと同等品である。
2.試験方法
よく訓練されたパネラー5名が各サンプルを試食し、その食感を9点法により評価した。評価基準は、ポテトサラダとして最も望ましい食感を9点とし、また、最低許容点数を5点とし、点数が低いほどポテトサラダの食感は悪くなっていることを表す。評価結果は、各サンプルについて5名のパネラーが評価した得点の平均値とし、これを表2に示した。また、併せて各サンプルに対するパネラーの代表的なコメントを表2に示した。
Figure 0004527026
表2より、乾燥マッシュポテトの水戻し物の水分含量が70〜88.5(約90)質量%の場合(サンプル2−b〜2−d)に、滑らかで良好な食感のポテトサラダが得られることが理解される。

Claims (1)

  1. Brix7〜9%の男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、Brix7〜11%のさやか、キタアカリ、Brix6〜8%のトヨシロから選ばれる一種類以上のジャガイモを主原料とするポテトサラダであって、水分含量70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物を加熱処理後のジャガイモに対し質量比0.05〜0.3として配合してあることを特徴とするポテトサラダ。
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