JP4527026B2 - ポテトサラダ - Google Patents
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Description
特に、収穫後に数ヵ月間保存したジャガイモは、澱粉の含有量が減少しており、そのようなジャガイモを用いてポテトサラダを製造すると、食感がボソボソして滑らかさに乏しいものとなり、美味しいポテトサラダを製造することができないという問題があった。
本発明のポテトサラダの主原料として使用するジャガイモの品種は、男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、さやか、キタアカリ又はトヨシロであり、何れもポテトサラダの原料として適性のある品種である。特に、春又は秋の収穫直後のものを用いてポテトサラダを製造すると、滑らかな食感でホクホクした大変美味しいポテトサラダを得ることができる。
まず、上記の特定のジャガイモを、剥皮・芽取りした後、90℃以上の水蒸気雰囲気中で60分間程度加熱し、得られた加熱処理済みのジャガイモを1〜3cm角程度の大きさになるように粗く押し潰す。次いで、温水や必要に応じて食酢等を加えて水分含量を70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物を、上記のジャガイモの押し潰し物に対し質量比0.05〜0.3として配合し、さらにマヨネーズ、ドレッシング等の水中油型乳化調味料と、必要に応じて小さくカットしたニンジン、キュウリ、タマネギ等の具材、食塩、コショウ等の調味料等を加えて撹拌混合することにより、本発明のポテトサラダを製造することができる。
収穫後長期間保存された「トヨシロ」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存されたトヨシロを多数用意し、これらを、スチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みのトヨシロの中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix7.2%であった。測定方法は、試料のトヨシロを、下ろし金を用いて摩り下ろし濾過して液汁を得て、その可溶性固形分濃度を測定器(ATAGO社製、商品名:手持屈折計N−1)により測定する方法に拠った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みのトヨシロ(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
約95℃の熱湯56部に調味酢4部と乾燥マッシュポテト(水分含量7.5質量%、原料芋の品種:主にラセット系)20部を加えてよく撹拌混合し、乾燥マッシュポテトの水戻し物を調製した。この水戻し物の水分含量を減圧加熱乾燥法により測定したところ76.5質量%であった。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られたトヨシロの押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)、マヨネーズ(キユーピー社製)196部及び食塩、胡椒等の調味料4部を加え、均一になるまで撹拌混合した。次に、輪切りのキュウリ60部、銀杏切りのニンジン(ボイル済み)50部、細切れのハム40部及び刻みタマネギ(ボイル済み)20部を加えて均一になるまで撹拌混合することによりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
収穫後長期間保存された「トヨシロ」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
収穫後長期間保存された「男爵芋」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存された男爵芋を多数用意し、これらをスチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みの男爵芋の中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix7.6%であった。測定は、実施例1と同様の方法により行った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みの男爵芋(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物を調整した。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られた男爵芋の押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)を加え、実施例1と同様の方法によりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
収穫後長期間保存された「男爵芋」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
収穫後長期間保存された「さやか」を主原料とする本発明のポテトサラダを、以下の1〜5の工程により製造した。
北海道の特定の農場で2004年10月に収穫され冷暗所で約9ヶ月間保存されたさやかを多数用意し、これらをスチームピーラーを用いて剥皮し、手作業により丁寧に芽取りを行った。
2.可溶性固形分濃度の測定
上記の剥皮・芽取り済みのさやかの中から中程度の大きさの一個を選び、可溶性固形分濃度を測定したところBrix9.5%であった。測定は、実施例1と同様の方法により行った。
3.加熱処理
上記1で得られた剥皮・芽取り済みのさやか(上記2の可溶性固形分濃度の測定用試料を除く。)を、約100℃の水蒸気雰囲気中で60分間蒸煮した後、クラッシャーに投入して1〜3cm角程度の大きさになるように押し潰した。
実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物を調整した。
5.ポテトサラダの製造
上記3で得られたさやかの押し潰し物(B)550部に対して、上記4で得られた乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)80部(質量比(A/B)約0.15)を加え、実施例1と同様の方法によりポテトサラダを製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、滑らかで良好な食感を有し風味も優れていた。
収穫後長期間保存された「さやか」を主原料とする従来技術のポテトサラダを、以下の工程により製造した。
得られたポテトサラダを試食したところ、ボソボソした食感を呈し美味しいものではなかった。
乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)と加熱処理後のジャガイモ(B)との配合量の質量比(A/B)がポテトサラダの食感に与える影響について試験した。
実施例1と同様のトヨシロ(Brix約7.2%)を使用し、実施例1と同様の方法によりトヨシロの押し潰し物(加熱処理後のジャガイモ)を調製した。また、実施例1と同様の配合及び方法により乾燥マッシュポテトの水戻し物(水分含量76.5質量%)を調製した。次いで、得られたトヨシロの押し潰し物(B)と乾燥マッシュポテトの水戻し物(A)を、表1に示す通り配合量を変更し、その他は実施例1と同様の配合・方法により5種類のポテトサラダのサンプル1−a〜1−eを製造した。尚、サンプル1−cは実施例1のポテトサラダと同等品である。
よく訓練されたパネラー5名が各サンプルを試食し、その食感を9点法により評価した。評価基準は、ポテトサラダとして最も望ましい食感を9点とし、また、最低許容点数を5点とし、点数が低いほどポテトサラダの食感は悪くなっていることを表す。評価結果は、各サンプルについて5名のパネラーが評価した得点の平均値とし、これを表1に示した。また、併せて各サンプルに対するパネラーの代表的なコメントを表1に示した。
乾燥マッシュポテトの水戻し物の水分含量がポテトサラダの食感に与える影響について試験した。
実施例1と同様のトヨシロ(Brix約7.2%)を使用し、実施例1と同様の方法によりトヨシロの押し潰し物(加熱処理後のジャガイモ)を調製した。
また、実施例1の乾燥マッシュポテトの水戻し物の調製方法において、表2に示すとおり各原料の配合量を変更し、その他は実施例1と同様の方法により5種類の乾燥マッシュポテトの水戻し物を調製するとともに、これらの水分含量を測定した。
次いで、得られたトヨシロの押し潰し物550部に対して、上記5種類の乾燥マッシュポテトの水戻し物各80部を加え、実施例1と同様の方法により5種類のポテトサラダのサンプル2−a〜2−eを製造した。尚、サンプル2−cは実施例1のポテトサラダと同等品である。
よく訓練されたパネラー5名が各サンプルを試食し、その食感を9点法により評価した。評価基準は、ポテトサラダとして最も望ましい食感を9点とし、また、最低許容点数を5点とし、点数が低いほどポテトサラダの食感は悪くなっていることを表す。評価結果は、各サンプルについて5名のパネラーが評価した得点の平均値とし、これを表2に示した。また、併せて各サンプルに対するパネラーの代表的なコメントを表2に示した。
Claims (1)
- Brix7〜9%の男爵芋、メークイン、十勝こがね、ホッカイコガネ、Brix7〜11%のさやか、キタアカリ、Brix6〜8%のトヨシロから選ばれる一種類以上のジャガイモを主原料とするポテトサラダであって、水分含量70〜90質量%に調整した乾燥マッシュポテトの水戻し物を加熱処理後のジャガイモに対し質量比0.05〜0.3として配合してあることを特徴とするポテトサラダ。
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