JP4526449B2 - ウェハ搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は,ウェハ搬送装置に関し,より詳細には,ウェハを吸引保持して搬送するウェハ搬送装置に関する。
研削装置等に搭載され,ウェハを保持して搬送する従来のウェハ搬送装置は,例えば,特許文献1に記載されている構成となっている。
従来のウェハ搬送装置は,例えば,保持部と,吸着パッドと,通気路と,接続口と,アームとを有して構成される。ウェハを吸引する保持部には,ウェハと接触して吸引保持する,例えばポーラス部材からなる吸着パッドを有している。この吸着パッドは,通気路,接続口を介して吸引源に連通している。このようなウェハ搬送装置は,ウェハを上方から吸着してアームを旋回動させることにより,所定の場所にウェハを搬送する。ウェハを搬送するときは,吸引源から吸引作用が施されて,ウェハは保持部により吸引保持される。一方,ウェハの搬送後は,吸引源からの吸引作用を解除してウェハを離脱し,所定の場所に載置する。
特開平8−55896号公報 特開2001−351961号公報
ウェハの搬送時に,ウェハに衝撃を与えないようにするため,特許文献1には,ウェハ搬送装置にコイルばねなどの緩衝材を使用することが記載されている。これにより,ウェハを吸着するときのウェハの破損を未然に防止することができる。
しかし,このようなウェハと吸着パッドとを接触させる接触方式のウェハ搬送装置では,ウェハは,搬送時にポーラス部材からなる吸着パッドと接触する。このため,ウェハをチップ状に分割した後,その抗折強度を測定すると,ウェハ搬送装置により搬送されたウェハから分割されたチップは,吸着パッドに接触していない搬送前のウェハから分割されたチップと比較して抗折強度が低下してしまうことが判明した。
特に,表面研削により変質したウェハの加工面を除去するストレスリリーフを行う研磨装置では,研削と研磨とによってウェハの厚さが極めて薄くなる。このため,研磨加工終了のウェハは,洗浄手段へ移動させる搬送手段により全面的に吸着されることによって,かかるウェハから分割されたチップの抗折強度は一層低下することが判明した。
これを回避するために,例えば,ベルヌーイの原理を利用した非接触搬送装置を使用することが考えられる。ところが,チャックテーブルは多孔性を有するポーラス部材のため,その孔に加工時に生じた屑が入り込んでしまう。この屑を取り除くために,チャックテーブルのポーラス部材の下側(ウェハの載置面と反対側)から水が噴出されて洗浄される。このため,チャックテーブル上には水が残留しており,その上にウェハが載置されると,表面張力によってウェハがチャックテーブルから剥離され難い状態となる。したがって,研削装置のチャックテーブルからウェハを搬送するために非接触搬送装置を使用する場合には,非接触搬送装置の吸引力が表面張力の働くウェハを剥離できるほど十分な吸引力を有していないので,非接触搬送装置を使用することができない。
また,ウェハと吸着パッドとの接触力を弱めるために,ポーラス部材からなる吸着パッドの材質を,アルミナや炭化ケイ素などの硬い物質から,柔らかい物質に変更することも検討した。しかし,吸着パッドの材質を柔らかくすると,研削によってウェハの一部が破損した場合,その破片が吸着パッドに食い込んでしまい,容易に除去することができなくなる。このような場合,吸着パッドを交換しなければ,かかる装置を使用することができないという問題があった。
このような問題に対して,吸着パッドのウェハ吸着時の真空圧力を弱めて,ウェハを搬送するウェハ搬送装置が検討された。かかるウェハ搬送装置では,ウェハの抗折強度の低下は抑制されるが,真空圧力が弱いためにウェハが落下され易い状態となり,異常事態が発生するとすぐにウェハを破損させてしまう可能性が高い。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,吸着パッドのウェハ吸着時の真空圧力を弱めることなく,ウェハの抗折強度の低下を抑制することの可能な,新規かつ改良されたウェハ搬送装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,ウェハを吸着部により吸着保持して搬送するウェハ搬送装置が提供される。吸着部は,アルミナを主成分とした材料から形成され,気孔率が34〜40%である。吸着部の表面における気孔以外の部分の表面粗さRyは,5μm以下であることを特徴とする。
表面粗さRyとは,凹凸の最小値と最大値との差によって表される値である。本発明では,表面粗さRyを5μm以下とすることにより,吸着部のウェハとの接触面の凹凸を小さくし,吸着部によりウェハを吸着したときに,吸着部の接触面の凸部によってウェハに与えるダメージを低減させることができる。
かかるウェハ搬送装置は,例えば,表面研削により変質したウェハの研削面を研磨する研磨装置に備えることができる。また,ウェハを,ウェハを保持するチャックテーブルから,ウェハを洗浄する洗浄手段へ搬送するために使用することもできる。
以上説明したように本発明によれば,吸着パッドのウェハ吸着時の真空圧力を弱めることなく,ウェハの抗折強度の低下を抑制することの可能な,ウェハ搬送装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,本発明の第1の実施形態にかかる研磨装置について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる研磨装置1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる研磨装置1は,例えば,搬送ユニットと,チャック手段20と,研磨ユニット30と,を有して構成される。この研磨装置1は,例えば,本実施形態にかかる被研磨物であるウェハWの被研磨面(例えば裏面)を研磨加工して,当該被研磨面を高精度で平坦化することが可能な装置である。
搬送ユニットは,例えば,搬入カセット102と,搬出カセット104と,搬送機構106と,仮受手段108と,搬入アーム110と,搬送アーム112と,洗浄手段114と,を有して構成される。搬送ユニットは,ウェハWを搬入してチャック手段20上に供給するとともに,研磨加工されたウェハWを回収して搬出するための装置群である。
搬入カセット102および搬出カセット104は,複数のウェハWを収容して持ち運ぶことが可能な収容ケースである。被研磨物であるウェハWは,例えば,かかる搬入カセット102に収容された状態で研磨装置1に搬入され,搬出カセット104に収容された状態で研磨装置1から搬出される。
このウェハWは,例えば,略円盤形状を有する8インチのシリコンウェハなどであり,その表面には複数の回路(半導体素子)が形成されている。かかるウェハWは,その裏面(回路が形成されていない側の面)側を上向きにした状態で,例えば,その表面側に貼り付けられた表面保護テープ(図示せず。)を介してフレーム(図示せず。)上に固着されている。なお,ウェハWは,裏面側を上向きにした状態で,例えばサブストレート(図示せず。)等の支持基材上に粘着剤等で直接固着されていてもよい。
かかるウェハWは,例えば,研磨装置1による研磨工程の前工程である裏面研削工程において,グラインダー等によって,裏面側から平面研削加工されている。この裏面研削加工により,ウェハWを例えば数十μm程度の厚さにまで薄型化することができるが,この結果,ウェハW裏面には加工歪が生じている。本実施形態では,このようなウェハWの裏面の加工歪みを除去するべく,ウェハWの裏面を被研磨面として研磨加工する例について説明する。なお,被研磨物はかかるウェハWの例に限定されるものではない。
ウェハWを収容した搬入カセット102は,研磨装置1に例えば手動で搬入され,所定領域に載置される。搬送機構106は,例えば,この搬入カセット102からウェハWを1枚ずつ取り出して,搬送し,仮受手段108上に載置する。搬入カセット102に収容されていたウェハWが全て搬出されると,空の搬入カセット102に替えて新しい搬入カセット102が載置される。
搬入アーム110および搬送アーム112は,例えば,回転動作および昇降動作が可能な搬送用のアームであり,その先端に,対象物を真空吸着可能な保持部111,113を備えている。この搬入アーム110および搬送アーム112は,保持部111,113を用いてウェハWを吸着して,搬送することができる。具体的には,搬入アーム110は,仮受手段108上に載置されたウェハWを吸着して搬送し,チャック手段20上に載置することができる。このようにチャック手段20上に載置されたウェハWは,研磨ユニット30によって研磨加工される(詳細は詳述する)。一方,搬送アーム112は,研磨加工されたウェハWを吸着して,洗浄手段114に搬送することができる。
洗浄手段114は,例えば,スピンナ洗浄装置等で構成されている。かかる洗浄手段114は,高速回転させたウェハWに対して純水等の洗浄液を噴射することによって,ウェハW裏面を洗浄して,乾燥させることができる。
このように洗浄されたウェハWは,再び搬送機構106によって搬送され,搬出カセット104に収容される。搬出カセット104に所定枚数のウェハWが収容されると,かかる搬出カセット104に替えて,新しい空の搬出カセット104が載置される。
次に,チャック手段20について説明する。チャック手段20は,例えば,チャックテーブル202と,ハウジング204と,を有して構成される。チャック手段20は,載置されたウェハWを吸着保持して,回転させることができる。
チャックテーブル202は,例えば,上面に平滑な水平面を有する略円盤形状のテーブル(下盤)であり,ハウジング204によって支持されている。このチャックテーブル202は,例えば,少なくともその上面が多孔性セラミックス等の多孔質材料で形成されており,ハウジング204内部等に形成された連通路(図示せず。)を介して,真空ポンプ(図示せず。)等に連通されている。このため,この真空ポンプを動作させて負圧を加えることで,チャックテーブル202は,例えば,その上面に載置されたウェハWを真空吸着して,保持することができる。このとき,ウェハWは,例えば,被研磨面である裏面を上向きにして,チャックテーブル202上に載置される。また,搬送アーム112によってウェハWを搬出する際には,チャックテーブル202による真空吸着を解除することにより,ウェハWを容易にピックアップすることができる。
また,このチャックテーブル202は,例えばハウジング204内等に設けられた回転用モータ(図示せず。)によって,所定の回転速度(例えば50〜500rpm)で水平方向に回転することができる。これにより,チャックテーブル202は,研磨加工中に,保持したウェハWを回転させて,被研磨面であるウェハW裏面が均等に研磨されるようにすることができる。
ハウジング204は,上記チャックテーブル202を支持するとともに,内部に回転用モータ等を収容するための筐体である。このハウジング204は,例えば,移動用モータ等で構成されるチャック手段移動機構(図示せず。)によって,搬送アーム110,112と研磨ユニット30との間で水平方向(X軸方向)に移動可能である。具体的には,ウェハWをチャックテーブル202に載置または回収するときには,ハウジング204は搬送ユニット側に移動される。一方,ウェハW裏面を研磨加工するときには,ハウジング204は研磨ユニット30の下方に移動される。
次に,研磨ユニット30について説明する。研磨ユニット30は,例えば,研磨手段300と,回転軸310と,回転機構320と,移動機構330と,を有して構成される。
研磨手段300は,上記チャック手段20の上方に配置された略円盤形状の部材(上盤)であり,その下面(チャックテーブル202と対向する面)には,研磨砥粒を含んだ研磨パッドである研磨砥石が備えられている。すなわち,研磨砥石は,その表面(被研磨面に作用する研磨面)が下向きとなるような状態で配設され,チャック手段20上のウェハW裏面と対面している。
回転軸310は,例えば,略棒状のスピンドルである。この回転軸310の下端には,上記研磨手段300が上記チャック手段20と対向するように装着される。また,回転軸310の上部は,回転機構320内に収容されている。
回転機構320は,例えば,内部に備えた電動モータ等によって,回転軸310を回転させることができる。この回転機構320によって,研磨加工時に,回転軸310を介して研磨手段300を水平方向に回転させることができる。この回転速度は,例えば,50〜500rpmなどである。
移動機構330は,例えば,電動モータ等によって,研磨ユニット30を垂直方向(Z軸方向)に移動させることができる。この移動機構330によって,研磨手段300をチャック手段20に対して昇降させることができる。これにより,研磨加工時には,下降させた研磨手段300を,チャックテーブル202上に保持されたウェハW裏面に押圧することができる。この押圧力(即ち,研磨圧)は,例えば50〜500g/cmである。
このような構成の研磨ユニット30は,チャック手段20に保持されているウェハWの裏面に対して,研磨手段300を回転させながら押圧して,ウェハW裏面を研磨加工することができる。
以上,本実施形態にかかる研磨装置1の全体構成について説明した。次に,図2に基づいて,本実施形態の特徴的部分である,ウェハ搬送装置120について説明する。ここで,図2は,本実施形態にかかるウェハ搬送装置120の断面図である。なお,図2は,図1において,研磨加工されたウェハWを吸着して洗浄手段114に搬送するウェハ搬送装置120を示したが,仮受手段108上に載置されたウェハWをチャック手段20上へ搬送するウェハ搬送装置も同様の構成とすることができる。
本実施形態にかかるウェハ搬送装置は,図2に示すように,保持部113と,吸着パッド122と,通気路123と,接続口124と,搬送アーム112とを有して構成される。ウェハWを吸着する保持部113は,ウェハWと接触して吸引保持する,例えばポーラス部材からなる吸着パッド122が備えられている。この吸着パッド122は,通気路123,接続口124を介して吸引源(図示せず。)に連通している。
保持部113は,例えば,軸部121aと,固定部121bと,円盤部121cとを有して構成される。搬送アーム112には,保持部113を取付するための取付部112aが,例えば搬送アーム112の先端付近に形成されている。この取付部112aに軸部121aが挿通され,軸部121aの上端(ウェハ保持面と反対側)を固定部121bにより固定することによって,保持部113は搬送アーム112に取付される。
また,円盤部121cは,円盤部121cの開口する部分(ウェハWを吸着する側)に,吸着部を備える。吸着部としては,例えば,ポーラス部材からなる吸着パッド122が用いられる。このような多孔質材料からなる吸着パッド122を使用することにより,ウェハWの全面を均等に吸引することができる。また,取付部112aに,軸部121aと同心に形成された凹溝112bが形成され,凹溝112bと円盤部121cの上面との間に,例えばコイルばね等の緩衝材125が介在される。緩衝材125により,ウェハWと吸着パッド122とが接触するときの衝撃が吸収されて,接触時にウェハWが損傷することを防止できる。
このようなウェハ搬送装置120は,ウェハWを上方から吸着して搬送アーム112を旋回動させることにより,所定の場所にウェハWを搬送する。ウェハWを搬送するときは,吸引源から吸引作用が施されて,ウェハWは保持部113により吸引保持される。一方,ウェハWの搬送後は,吸引源からの吸引作用を解除してウェハWを離脱し,所定の場所に載置する。
以上,本実施形態にかかるウェハ搬送装置120について説明した。ここで,ウェハWの薄層化が進むにつれ,ウェハWがチップ状に分割されたときに,十分な抗折強度を有していることが重要視されるようになった。そこで,本願発明者らは,研磨装置1についてもウェハWの抗折強度を低下させる要因を検証した。この結果,ウェハWが保持部により吸引保持されるときに,ウェハWが保持部に接触するため,ウェハWの抗折強度が低下してしまうことが判明した。
ウェハWの抗折強度の低下を軽減するための最も望ましい搬送は,ウェハWと保持部113とが接触しない非接触方式による搬送である。しかし,非接触方式の搬送装置では,上述したように,チャックテーブル上に残留した水の表面張力のため,チャックテーブル上に載置されたウェハWを剥離するのは困難である。このような理由から,非接触方式の搬送装置を使用することはできないため,本願発明者は,接触方式を使用して抗折強度の低下を抑制できる方法を検討した。
接触方式では,ウェハWを吸着する真空圧力を弱めることにより,抗折強度の低下を抑制することが検討された。しかし,真空圧力が弱いためにウェハWが落下されやすく,ウェハWが破損する可能性が高まった。
かかる理由から,真空圧力を弱めることなく抗折強度を低下させないために,ウェハWと吸着パッド122との接触面積を減少させることを考えた。すなわち,吸着パッド122の気孔率を増加させることにより,ウェハWと吸着パッド122との接触面積を減少させることを検討した。
しかし,一般的に使用される市販の吸着パッド122の種類は,性能上の理由から気孔率を大きく変化させていない。このため,吸着パッド122の種類を変更することによって気孔率を変えて,ウェハWと吸着パッド122との接触面積を大きく減少させることは困難である。念のため,吸着パッド122の孔の大きさが,抗折強度の低下の度合いに影響しているか検証した。例えば,市販の吸着パッド(京セラ社製ポーラスセラミックの#24〜#800,気孔率34〜40%,平均細孔径6μm〜85μm)について,抗折強度を測定したところ,吸着パッド122の孔の大きさによらず,ほぼ同じようにウェハWの抗折強度が低下した。すなわち,吸着パッド122の孔の大きさは,ウェハWの抗折強度の低下には影響しないことが判明した。
このような理由から,本願発明者らは,ウェハWと吸着パッド122との接触面積ではなく,吸着パッド122の孔以外の部分の表面形状に着目した。そこで,吸着パッド122の表面形状の凹凸について検討した結果,吸着パッド122の孔以外の部分の表面形状の凹凸を小さくすることによって,ウェハWの抗折強度の低下を抑制できることが判明した。以下,図3および図4に基づいて,本実施形態にかかる吸着パッド122の特徴について,詳細に説明する。なお,図3は,吸着パッドの平均表面粗さとウェハWのチップの抗折強度の平均値との関係を示すグラフである。また,図4(a)は,従来の吸着パッド122の,ウェハWとの接触面122aを一部拡大して示した断面図であり,図4(b)は,本実施形態にかかる吸着パッド122の,ウェハWとの接触面122aを一部拡大して示した断面図である。
まず,吸着パッド122について説明する。本実施形態にかかる吸着パッド122は,例えば,アルミナ(Al;酸化アルミニウム)を材料とする物質からなる。アルミナは,緻密で,硬質の物質であり,物質の硬さの尺度であるモース硬度は9と,ダイヤモンド(モース硬度10)の次ぐ硬度を有する。このように,アルミナは硬度が高いため,耐摩耗性に優れている。また,本実施形態にかかる吸着パッド122の気孔率は,約34〜40%である。吸着パッド122は,上述したように市販の吸着パッドの仕様により,その気孔率は,34〜40%である。本実施形態では,例えば,気孔率約37%で平均細孔径85μmの吸着パッドや,気孔率約38%で平均細孔径50μmの吸着パッドを使用することができる。
アルミナ等の硬度の高い物質からなる吸着パッド122は,吸着パッド122のウェハWとの接触面122aの僅かな凹凸によっても,特に薄くなったウェハWに対しては接触により大きな衝撃を与える。そこで,かかる吸着パッド122のウェハWとの接触面122aの,気孔以外の部分の表面粗さRy(すなわち,凹凸の最小値と最大値との差)を約5μm以下として,ウェハWの抗折強度の低下を抑制する。
表面粗さRyは,凹凸の最小値と最大値との差によって定められる値である。吸着パッド122によりウェハWを吸着しているときには,ウェハWを吸着パッド122に押し付けられる力が働いているため,吸着パッド122の凸部が凹部より相対的に高い方が,ウェハWにより大きな力が加わると考えられる。この考えに基づき,本発明では,表面粗さRyを評価の指標とした。
吸着パッド122のウェハWとの接触面122aの,気孔以外の部分の表面粗さRyを5μm以下とする理由は,吸着パッド122の表面粗さRyとかかる吸着パッド122により搬送されたウェハWの抗折強度との関係による。以下に,吸着パッド122の表面粗さRyを変化させたとき,それぞれの吸着パッド122により搬送されたウェハWの抗折強度を測定した結果を示す。
なお,従来のアルミナ製の吸着パッドの表面粗さRyの平均値は約8μmであったため,本測定では,吸着パッド122の平均表面粗さRyを8μmから1μmずつ小さくし,各吸着パッド122を使用して搬送されたウェハWの平均抗折強度をそれぞれ測定した。この結果を,図3および表1に示す。
Figure 0004526449
図3および表1に示すように,吸着パッド122の平均表面粗さRyの値が小さくなるにつれ,吸着パッド122による搬送後のウェハWの抗折強度は高くなる。ウェハWの抗折強度は,用途によっても異なるが,通常,平均抗折強度は約2000MPa以上であることが必要とされている。図3および表1より,平均表面粗さRyが約5μmのとき,平均抗折強度が約2000MPaであるから,吸着パッドの平均表面粗さRyを5μm以下とすることにより,ウェハWの抗折強度の低下を抑制する,十分な効果を得ることができるとした。
この結果は,吸着パッドの平均表面粗さRyを5μm以下とすることにより,吸着パッド122の表面の凹凸が小さくなることによるものと考えられる。すなわち,従来の吸着パッド122の表面122aは,図4(a)に示すように,凹凸が大きく,かつ尖った形状となっている。このため,吸着パッド122がウェハWに接触したときに,凸部により力が局所的に集中して加わるため,ウェハWに与えるダメージは大きい。一方,図4(a)の状態から吸着パッド122の平均表面粗さRyを小さくしていくと,図4(b)に示すように,凹凸の高低差が小さくなる。このため,吸着パッド122の凸部の平坦面とウェハWとが接触したときに,凸部によってウェハWに加わる力が低下してダメージが低減される。しがたって,ウェハWの抗折強度の低下を抑制できるものと考えられる。
以上,第1の実施形態にかかるウェハ搬送装置120について説明した。このように,ウェハWを吸着する吸着パッド122の平均表面粗さRyを約5μm以下とすることにより,ウェハWの抗折強度の低下が抑制される。かかるウェハ搬送装置120では,接触方式での搬送において,真空圧力を弱めることなく,ウェハWの抗折強度の低下を抑制することができ,また,搬送中にウェハWを落下させてしまうという危険性も低減させることができる。
(実施例)
次に,実施例として,従来のウェハ搬送装置と,本発明のウェハ搬送装置とについて,それぞれのウェハ搬送装置により搬送されたウェハWの抗折強度を測定し,その比較結果を示す。
本実施例では,それぞれ従来のウェハ搬送装置,本発明のウェハ搬送装置ともにアルミナ製の吸着パッドを使用し,各吸着パッドの任意の5領域(領域A〜E)における表面粗さRyを測定した。次いで,各ウェハ搬送装置を,研磨装置のチャックテーブルから洗浄装置までの移動手段として使用し,搬送されたウェハWをチップに分割したときの,チップの平均抗折強度を測定した。このとき,研磨装置の研磨手段の回転速度を約3000rpm,チャックテーブルの回転速度を約200rpmとした。また,ウェハWを吸引する真空圧力は,約−90kPa(ゲージ圧)とした。
吸着パッドの表面粗さRyの測定には,非接触式であるレーザ顕微鏡を使用し,顕微鏡倍率400倍(対物レンズは20倍),カットオフ0.25mmとした。測定位置は,ポーラスのセラミック部のみとし,空洞部は除いた。レーザ顕微鏡では,光の反射によって像を読み取るため,光を反射しない孔の部分は黒く表示され,孔以外の部分を観察することができる。このとき,単位面積当たりの凹凸の最小値と最大値との差を測定した。
また,ウェハWとして,厚さ約200μmの12インチのシリコンウェハを用いた。本実施例では,それぞれ4枚のシリコンウェハを各ウェハ搬送装置によって搬送し,搬送されたシリコンウェハを,1枚当たり45チップ(チップサイズ20×20mm)に分割した。そして,分割された各チップの抗折強度を,球抗折によって測定した。球抗折とは,図5に示すように,ウェハWを分割して形成されたチップCを,基台402上に,一対の端部のみを載置させた状態で,チップCの中央を,先端が略半球状の押圧部材404により接触点405で点押圧したときの抗折強度を測定する方法である。かかる方法はチップCの中央面のみの抗折強度を測定するものであり,面の抗折強度を測定する際に使用される測定方法である。
このような条件において測定した各吸着パッドの表面粗さRyと,各ウェハ搬送装置を用いて搬送されたウェハWから分割されたチップCの平均抗折強度とを,表2に示す。
Figure 0004526449
表2に示すように,従来のウェハ搬送装置の吸着パッドの平均表面粗さRyは,約8.27μmであり,かかるウェハ搬送装置使用時のウェハの平均抗折強度は,約1073MPaであった。一方,本発明のウェハ搬送装置の吸着パッドの平均表面粗さRyは,約3.63μmであり,かかるウェハ搬送装置使用時のウェハの平均抗折強度は,約3043MPaであった。これより,本発明のウェハ搬送装置により搬送されたウェハWの抗折強度は,2000MPa以上の十分な抗折強度があり,従来のウェハ搬送装置を使用した場合と比較して,約2.84倍向上していることがわかる。
さらに,上記実施例と同じ条件で,ウェハ搬送装置による搬送なしのウェハWの抗折強度と,ウェハ吸着時の真空圧力を約50kPaと弱くして,ウェハ搬送装置により搬送されたウェハWの抗折強度とについても測定した。この測定結果を,図6および表3に示す。ここで,図6は,ウェハ搬送装置による搬送なしのウェハW(搬送なし)と,本発明のウェハ搬送装置により搬送されたウェハW(本願パッド)と,真空圧力を弱めて搬送されたウェハW(ソフトバキューム)と,従来のウェハ搬送装置により搬送されたウェハW(従来パッド)とについての抗折強度を示したグラフである。また,表3に,各抗折強度の最大値,最小値,平均値を示す。
Figure 0004526449
図6および表3に示すように,ウェハ搬送装置による搬送なしのウェハW(搬送なし)の平均抗折強度は約3952MPa,本発明のウェハ搬送装置使用時のウェハWの平均抗折強度は約3034MPa,ソフトバキューム時のウェハWの平均抗折強度は約2911MPa,従来のウェハ搬送装置使用時のウェハWの平均抗折強度は約1073MPaであった。これより,ウェハ搬送装置を使用した場合,本発明のウェハ搬送装置使用時が最も高い平均抗折強度を示しており,ウェハWの抗折強度の低下を抑制する効果が高いことがわかる。また,本発明のウェハ搬送装置使用時と,ソフトバキュームによる搬送時とを比較した場合,本発明のウェハ搬送装置使用時の方が平均抗折強度は高く,さらに,ウェハWの真空吸着力も強いため,ウェハWの落下による破損の危険性も低減される点で優れているといえる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,ウェハ搬送装置を研磨装置に適用したが,本願発明はかかる例に限定されず,加工装置全般に適用することも可能である。
本発明は,ウェハ搬送装置に適用可能であり,特に,ウェハを吸引保持して搬送するウェハ搬送装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる研磨装置を示す斜視図である。 同実施形態にかかるウェハ搬送装置の断面図である。 吸着パッドの平均表面粗さとウェハのチップの平均抗折強度との関係を示すグラフである。 (a)は,従来の吸着パッドの一部を拡大して示した断面図であり,(b)は,本発明の吸着パッドの一部を拡大して示した断面図である。 球抗折による抗折強度測定方法を説明するために示す,断面図(a)と,上面図(b)である。 搬送なしのウェハと,本発明のウェハ搬送装置により搬送されたウェハと,真空圧力を弱めて搬送されたウェハと,従来のウェハ搬送装置により搬送されたウェハとについて,各ウェハから分割されたチップの平均抗折強度を示したグラフである。
符号の説明
1 研磨装置
110,112 搬送アーム
111,113 保持部
120 ウェハ搬送装置
122 吸着パッド
W ウェハ
C チップ

Claims (1)

  1. 表面研削により変質したウェハの研削面を研磨する研磨装置に備えられ,前記ウェハを吸着部により吸着保持して,前記ウェハを保持するチャックテーブルから前記ウェハを洗浄する洗浄手段へ搬送するウェハ搬送装置であって,
    前記吸着部は,アルミナを主成分とした材料から形成され,気孔率が34〜40%であり,
    前記吸着部の表面における気孔以外の部分の表面粗さRyは,5μm以下であることを特徴とする,ウェハ搬送装置。
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