JP4525955B2 - セキュリティシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セキュリティシステムに関し、特に、双方向ケーブルテレビ(以下、CATVと略記する)システムを利用した集中監視型のセキュリティシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、戸建て住宅が多数軒を並べる大規模なニュータウンや、集合住宅群を含む複合型ニュータウンにおける新たなコミュニケーションシステムとして、双方向CATVの導入が進んでおり、同時に、地域防災に適応する情報メディアとして、このような双方向CATVを利用した集中監視型セキュリティシステム(以下、単に「セキュリティシステム」という)が知られている。
【0003】
双方向CATVシステムは、CATV管理センターと各住戸をオンラインで結び、テレビ映像だけでなく、各種データ信号の伝送を行うことができるため、このような双方向CATVシステムを利用してセキュリティシステムを構築することにより、各住戸ごとの火災、ガス漏れ、住居侵入等の異常状態の発生に関するセキュリティ(防災、防犯)情報をCATV管理センター側に設けられたセキュリティ監視装置により、集中的に監視することができるとともに、一括してシステムの制御を行うことができる。
【0004】
ここで、双方向CATVシステムを利用したセキュリティシステムの概略構成について、図面を参照して簡単に説明する。
図8は、セキュリティシステムの概略構成図である。ここで、一般に双方向CATVシステムにおいては、例えば、大規模ニュータウンの場合、数百乃至数千戸の住戸を対象にするように構築されるものであるが、図8では、便宜的に1住戸のみを示して説明するものとする。
【0005】
図8に示すように、セキュリティシステムは、大別して、感知器等のセンサや送受信機器等からなる端末装置群10aが設置された各住戸10と、CATV管理センター20内に、CATVシステムの放送設備20aとは別個に設けられたセキュリティ監視設備20bと、CATV管理センター20と各住戸10とを結ぶ共聴伝送路(ケーブル網)30と、により構成される。
各住戸10に設けられた端末装置群10aは、具体的には、共聴伝送路30に接続されるセキュリティインターフェース(セキュリティI/F)11及び保安器15、住戸内に設けられる告知放送受信機12aや住宅情報盤12b等がユニット化されたホームターミナル12や、火災感知器13a、ガス漏れ警報器13b、防犯ボタン13c等の各種センサ、テレビ受像器14等により構成されている。
【0006】
一方、CATV管理センター20は、CATVシステム本来のテレビ共聴(VHF、UHF、BS、FM放送等)、自主放送、告知放送等を共聴伝送路30を介して各住宅に供給する放送設備20aと、各住戸10からのセキュリティ情報を常時監視するとともに、告知放送の切り換え制御等を行うセキュリティ監視設備20bにより構成される。なお、放送設備20aは、例えば、テレビカメラ21、ビデオテープレコーダ22、モニタテレビ23、調整卓24、及び、地上波放送用受信アンテナ25、衛星放送用パラボラアンテナ26等を有し、また、セキュリティ監視設備20bは、セキュリティ操作卓27と、通信制御装置28等を有して構成されている。
【0007】
そして、放送設備20a及びセキュリティ監視設備20bは、ヘッドエンド29を介して伝送線30に放送信号や制御信号を多重合成して送出するとともに、各住戸10からのリクエスト信号や報知信号を受け取る双方向の伝送を行う。
共聴伝送路30は、同軸ケーブルや光ファイバーケーブルを信号線路とし、信号の減衰を補償する双方向増幅器(アンプ)31や、信号線路を分岐、分配するタップオフ32等を有して構成されている。
【0008】
このような構成を有するセキュリティシステムにおいては、各住戸10におけるセキュリティ情報の収集方法として、一般にCATV管理センター20から共聴伝送路30を介して各住戸10にポーリング制御を行い、送信(送出)したポーリング信号に対する各住戸からのレスポンス信号(応答信号)を受信、確認することにより、上記各住戸10内における異常状態の発生を監視する手法が採用されている。
【0009】
これにより、CATV管理センター20では、各住戸から伝送されたレスポンス信号を解読し、各住戸10毎のセキュリティ情報を収集して、セキュリティ監視設備に付設する表示モニタや表示パネルに随時更新表示したり、又は、プリンタにより紙出力することにより、各住戸及び対象地域を集中的に監視することができる。
なお、双方向CATVシステムを利用したセキュリティシステムは、上述した戸建て住宅が多数軒を並べるニュータウンに限らず、たとえば、マンション等の集合住宅やオフィスビル等においても適用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなセキュリティシステムにおいては、ポーリング制御に用いる送受信データとして、デジタル信号を高周波帯域(RF;例えば、上り回線40MHz帯、下り回線70MHz帯)の信号に変調して伝送しているため、稀に送受信データの伝送が一時的に遮断されて送受信データの破壊や破損が生じ、通信障害が発生することが知られている。
【0011】
このように、高周波信号を利用したデータの伝送において、通信障害が発生しやすくなる原因については、種々考えられているが、CATVシステムに用いられる共聴伝送路上に設けられたタップオフやアンプ等のコネクタ部分における接続状態や、タップオフや伝送路への水分の侵入による信号電圧(レベル)の低下、共聴伝送路(ケーブル網)が敷設された地域の季節変化や気候条件等に、大きく影響を受けることが判明している。
ここで、上述したような通信障害が発生した場合、同一の共聴伝送路を用いて多重伝送されるテレビ放送信号においても、映像や音声が一時的に遮断されることになるが、このような通信障害は極めて短い時間のみ発生し、その後自然に復旧(正常化)する場合が大半であるため、上記映像や音声の遮断の影響は、視聴者(人間)の感覚ではほとんど感知されることがなく、テレビジョン放送に支障をきたすことはほとんどない。
【0012】
これに対して、デジタル信号を用いてセキュリティ情報を伝送する場合には、伝送中の僅か一瞬でもデータの伝送が遮断されると、送受信データの一部又は全部が破壊されて、ポーリング信号及びレスポンス信号が正確に伝送されなくなるため、例えば、レスポンス信号自体が返信されない(無応答)状態や、レスポンス信号の一部が置換されて認識不可能な状態が生じる確率が極めて高くなる。
したがって、このよう通信障害が発生した場合には、CATV管理センターから各住戸側の状況を正確に把握することができなくなるため、セキュリティシステムとしての信頼性が著しく低下することになる。そのため、このような通信障害が発生した場合に、的確な対処方法を講じて迅速にシステムを復旧することがセキュリティシステムの提供業者や保守管理業者に強く求められる。
【0013】
ところが、従来のセキュリティシステムにおいては、図8に示したように、ポーリング制御により収集されたセキュリティ情報は、セキュリティ監視設備に付設されたモニタ画面上に随時表示、又は、プリンタ出力されるだけであったため、通信障害が極めて短い時間だけ発生して、正常化するような場合には、仮に通信障害の発生直後に保守管理要員を派遣したとしても、当該通信障害の履歴データが消失していたり、あるいは、紙出力された膨大な量の履歴データの中から、当該通信障害に関連するセキュリティ情報を人手により検索しなければならなかった。
【0014】
また、通信障害の原因を正確に把握するためには、セキュリティシステムに関する専門知識や経験を有する保守管理要員が、共聴伝送路にプロトコルアナライザ等の解析装置を接続して、通信障害が発生する状況を常時監視して原因を解析する必要があった。
そのため、通信障害の原因を迅速かつ正確に把握することができず、早期にシステムの復旧を図るための的確な対処方法を講じることが困難であるという問題を有していた。また、セキュリティシステムの提供業者や保守管理業者は、通信障害が発生するたびに保守管理要員を派遣しなければならず、これに伴う人的かつ時間的な負担が極めて大きいという問題も有していた。
【0015】
なお、CATVシステムの伝送路を利用したセキュリティシステムにおいて、ポーリング制御によるレスポンス信号の受信状態に基づいて、伝送路の異常であるか、各住戸側の送受信機器の異常であるかを切り分けて判定することにより、セキュリティシステムの保守管理を簡易にする技術が、たとえば、特開平10−136332号公報等に記載されている。
しかしながら、このような特開平10−136332号公報等に記載された技術においては、ポーリング制御におけるレスポンス信号の受信の有無(受信状態)や、前回及び次回のポーリング制御時の受信状態に基づいて、異常発生箇所が伝送路であるか、各住戸側の送受信機器であるかを判定するものにすぎず、通信障害の正確な原因の究明(解析)を行い、的確な対処方法を講じて迅速にシステムの復旧を図ることができるものではなかった。
【0016】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、CATVシステムの共聴伝送路を利用したセキュリティシステムにおいて、通信障害が発生した場合に、正確な原因の究明(解析)を行って、的確な対処方法を講じて迅速にシステムを復旧することができるとともに、保守管理要員の派遣に伴う人的かつ時間的な負担を軽減することができるセキュリティシステムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数の住戸とセキュリティセンターとが双方向ケーブルテレビシステムの共聴伝送路を介して接続され、各住戸内で発生する各種の異常状態に関する情報を、前記共聴伝送路を介してセキュリティセンターに伝送することにより、前記複数の住戸における異常状態の発生を集中的に監視するセキュリティシステムにおいて、前記セキュリティセンターからのポーリング制御により、前記各住戸内で発生する各種の異常状態に関する情報を収集する情報収集手段と、前記ポーリング制御の際に前記共聴伝送路を介して送受信される送受信データに基づいて、前記共聴伝送路の通信状態を監視する通信状態監視手段と、少なくとも前記共聴伝送路に通信異常が発生した際の前記送受信データを蓄積する異常情報蓄積手段と、前記異常情報蓄積手段に蓄積された前記送受信データを所定の通信回線を介して、前記セキュリティセンターとは離間して設けられた保守管理端末に転送する情報転送手段と、を備え、前記保守管理端末は、前記情報転送手段により転送された前記送受信データを、前記ポーリング制御の実行順に時系列に一括表示し、前記共聴伝送路の通信異常が発生した際の前記送受信データのみを、正常な他の前記送受信データとは異なる表示形式により表示することを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセキュリティシステムにおいて、前記保守管理端末は、前記共聴伝送路の通信異常の種類毎に、個別の前記表示形式により表示することを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のセキュリティシステムにおいて、前記保守管理端末は、前記ポーリング制御の実行時刻情報と、前記送受信データの上りデータ及び下りデータとを対応付けて、前記ポーリング制御の実行順に時系列に表示することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るセキュリティシステムについて、実施の形態を示して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るセキュリティシステムの一実施形態を示す要部概略構成図である。ここでは、説明の都合上、セキュリティ監視の対象となる複数(数百乃至数千)の住戸のうち、1住戸のみを示して説明する。また、セキュリティセンターと各住戸は、一般に共聴伝送路に設けられた多数のアンプ及びタップオフを介して接続されるものであるが、ここでは、簡略化して示す。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係るセキュリティシステムは、大別して、例えば、CATV管理センター(図示を省略)に併設されたセキュリティセンター40内に設置されたセキュリティ監視装置40Aと、CATVシステムの共聴伝送路(ケーブル網)30を介して接続された複数(数百乃至数千)の住戸(集合住宅やオフィスを含む)10と、セキュリティ監視装置40Aに汎用または専用の通信回線50を介して接続された保守管理センター60と、を有して構成されている。
【0032】
セキュリティ監視装置40Aは、例えば、CATVのテレビ放送信号とともに、セキュリティ監視動作に必要な制御信号データを、CATVシステムの共聴伝送路30を介して各住戸10に多重伝送するための伝送部41と、セキュリティセンター40の監視担当者等がセキュリティ情報の収集、監視動作を実行制御するために必要な入力操作を行う操作部42と、セキュリティ情報の収集、監視動作に関連する情報を表示する表示部43と、少なくともセキュリティ情報の収集動作において上記共聴伝送路30を介して送受信されるデータ(送受信データ)を記憶、蓄積するメモリ部(異常情報蓄積手段)44と、セキュリティ監視装置40Aの外部とのパラレルデータやシリアルデータをやり取りするためのパラレル入出力部45及びシリアル入出力部46と、電話回線等の通信回線50を介して、メモリ部44に蓄積された送受信データを保守管理センター60に転送するための通信モデム(情報転送手段)47と、上記伝送部41、操作部42、表示部43、メモリ部44等を制御して、セキュリティ情報の収集、監視動作を実行するとともに、メモリ部44および通信モデム47を制御して、メモリ部44に蓄積された所定の送受信データを保守管理センター60に転送するデータ転送動作を実行するCPU(情報収集手段、通信状態監視手段)48と、を備えている。なお、具体的な動作については後述する。
【0033】
CATVシステムを利用したセキュリティシステムに加入している各住戸10は、従来技術に示した構成と同様に、例えば、図示を省略したCATV放送用の受信機器の他、火災感知器13a、ガス漏れ警報器13b、防犯ボタン13c等の各種センサと、共聴伝送路30に接続され、セキュリティセンター40とセキュリティ情報を送受信する伝送端末部(セキュリティI/F)11Aと、各種センサからの検出信号の移報、セキュリティセンター40との通話や告知等を行う住宅情報盤等の制御ユニット12Aと、を備えている。
【0034】
保守管理センター60は、セキュリティセンター40とは、例えば、地理的に離間して設置され、少なくとも表示モニタを備えた汎用パソコン等を利用した保守管理端末61と、通信回線50を介してセキュリティセンター40との間で、上記送受信データを含む所定の情報の送受信を行う通信モデム62と、を備えている。
すなわち、セキュリティ情報の収集動作において、上記共聴伝送路30を介して各住戸10と送受信されるデータは、CATVシステムのケーブル網を介して、セキュリティセンター40により集積、監視され、該集積された送受信情報の一部または全部が通信回線50を介して、保守管理センター60に転送されるように構成されている。
【0035】
次に、上述したセキュリティ監視装置により実行されるセキュリティ情報の収集、監視動作について説明する。
セキュリティ監視装置40Aにより実行されるセキュリティ情報の収集、監視動作は、CPU48が伝送部41を制御して、CATVシステムの共聴伝送路30を介してポーリング制御を行うことにより行われる。すなわち、セキュリティセンター40から共聴伝送路30の下り回線を介して各住戸10に順次ポーリング信号が送信され、各住戸10側に設けられた伝送端末部11Aにより制御ユニット12Aからの移報の有無に基づいて、共聴伝送路30の上り回線を介してレスポンス信号が返信される。そして、CPU48は、このポーリング信号に対するレスポンス信号の有無やその内容に基づいて、各住戸10や共聴伝送路30における異常の発生を切り分けて判定する。
【0036】
ここで、セキュリティ監視装置40Aにより実行されるポーリング制御において、伝送部41を介して送受信されるデータは、例えば、アスキーコードや任意の取り決めに基づく伝送プロトコルであって、そのデータ形式は、数ビットのデジタルデータから構成されている。その具体例は後述するが、基本的には、下り回線を介して伝送されるポーリング信号は、少なくとも、各住戸毎のアドレスを規定する数ビットのアドレスデータ部と、当該アドレスの住戸側の伝送端末部に対して応答を要求する数ビットのポーリングデータ(制御データ)部とを含んで構成されている。また、上り回線を介して伝送されるレスポンス信号は、少なくとも、各住戸毎のアドレスを規定する数ビットのアドレスデータ部と、各住戸における火災や侵入等の異常状態の発生の有無を規定する数ビットのレスポンスデータ(応答データ)部とを含んで構成されている。
【0037】
このようなポーリング制御により送受信されるデータのうち、特にレスポンス信号の受信状況(有無)やセキュリティ情報を規定する各ビットデータの内容に基づいて、各住戸における異常状態の発生や共聴伝送路30における通信障害の発生が監視されるとともに、当該送受信データ(ポーリング信号およびレスポンス信号のプロトコルデータ)がポーリング制御の実行時刻に関連付けて、そのままのデータ形式でメモリ部44に常時蓄積される。
具体的には、各住戸における異常状態の監視動作は、レスポンス信号のレスポンスデータ部のビットデータの設定に基づいて、各住戸における異常状態の発生の有無、異常の種類(火災、ガス漏れ、住居侵入等)を判別することにより行われる。一方、共聴伝送路30における通信障害の監視動作は、レスポンス信号自体の無応答や受信したレスポンスデータの内容の不整合、認識不可等に基づいて、共聴伝送路30における一時的な伝送遮断やノイズの発生等の通信障害を判別することにより行われる。
【0038】
そして、このようなポーリング制御において、住戸の火災や侵入等の異常状態の発生が判別された場合には、上記送受信データに基づいて、例えば、当該住戸の関連情報や異常の種類等がセキュリティ監視装置40Aの表示部43に表示され、監視担当者に報知される。これにより、セキュリティセンター40に在駐する監視担当者は、報知された異常状態が発生した住戸に関連する情報に基づいて、警察や消防へ通報するとともに、当該住戸および近隣住戸への避難誘導等の告知を行う。
【0039】
一方、共聴伝送路30における通信障害の発生が判別された場合には、上記送受信データに基づいて、例えば、当該共聴伝送路30が接続された住戸の関連情報や通信障害の発生時刻(ポーリング制御の実行時刻に相当)がセキュリティ監視装置40Aの表示部43に表示され、監視担当者に報知される。これにより、監視担当者は、報知された異常状態が発生した共聴伝送路に関連する情報に基づいて、保守管理センターに異常の発生および通信障害の発生時刻を通報するとともに、システムの復旧を要請する。
【0040】
次に、上述したセキュリティ監視装置により実行される送受信データの転送動作について具体的説明する。
上述したように、セキュリティ情報の収集、監視動作により通信障害が検出され、セキュリティセンター40の監視担当者から通信障害の通報があった場合には、保守管理センター60の保守管理要員は、保守管理センター60に設置された保守管理端末61を操作して、例えば、電話回線等の通信回線50を介してセキュリティセンター40にアクセスし、通信障害の発生時刻を指定して、メモリ部44に蓄積された送受信データから、当該通信障害に関連する送受信データを抽出して入手する。この場合、セキュリティセンター40から転送されるデータは、少なくとも当該通信障害が発生した時刻及びその前後のポーリング制御における送受信データを含んでいることが好ましい。
そして、このようなデータ転送動作によって入手された通信障害に関連する送受信データは、保守管理端末61の表示モニタに所定の形式で表示されて、保守管理要員により閲覧される。
【0041】
なお、本実施形態においては、通信障害に関連する送受信データの転送動作を、セキュリティセンター40の監視担当者からの通報を待って、保守管理センター60の保守管理要員が通信回線50を介して当該データを入手する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、セキュリティー情報を収集する際のポーリング制御における送受信データをリアルタイムで常時通信回線50を介して保守管理センター60に転送するものであってもよいし、また、別の手法として、セキュリティセンター40のCPU48により通信障害が検出された場合に、自動的に当該送受信データを、通信回線50を介して、保守管理センター60に転送するものであってもよい。これにより、セキュリティセンターに監視担当者が不在の場合であっても、保守管理センター側で通信障害の発生状況を常時又はいち早く把握することができ、通信障害の原因究明および復旧対策を、迅速かつ的確に行われる。
【0042】
次に、上述したような構成を有するセキュリティシステムの運用方法(通信障害の発生時における復旧対処手順)について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るセキュリティシステムにおけるセキュリティ情報の収集、監視動作を示すフローチャートであり、図3は、本実施形態に係るセキュリティシステムにおける通信障害に対する復旧対処手順を示すフローチャートである。ここでは、上述したセキュリティシステムの構成(図1)を適宜参照しながら説明する。
【0043】
(S101/S102/S103)
本実施形態に係るセキュリティシステムにおけるセキュリティ情報の収集、監視動作は、図2に示すように、まず、上述したようにセキュリティ監視装置40Aにより各住戸10に対してポーリング制御を実行し、当該制御の際に送受信されるデータ(ポーリング信号及びレスポンス信号のプロトコルデータ)に基づいて、各住戸における異常状態を監視するとともに、共聴伝送路30における通信障害を監視する。ポーリング制御において送受信されたデータはそのまま、メモリ部へ記憶され、蓄積される。
そして、ポーリング制御によって収集されたセキュリティ情報に基づいて実行される異常状態の監視動作において、各住戸における火災や侵入等が検出された場合には、上述したように、当該住戸に関連する情報、及び、異常の種類等が報知される。
【0044】
(S201/S202)
一方、手順S102において、通信障害が検出された場合には、図3に示すように、復旧対処処理が実行される。すなわち、ポーリング制御において送受信されるデータに基づいて通信障害が検出された場合には、当該通信障害の発生時刻(当該ポーリング制御の時刻情報)及び共聴伝送路30を特定する情報(当該ポーリング制御の対象となった住戸に関する情報)が報知される。
このような通信障害の発生が報知されると、セキュリティセンター40に在駐する監視担当者は、保守管理センター60に対して、当該通信障害に関連する情報を電話等の通信手段を用いて通報する。
【0045】
(S203/S204)
そして、セキュリティセンター40から通信障害の通報を受けた保守管理要員は、保守管理センター60に設置された保守管理端末61により、電話回線等の通信回線50を介してセキュリティセンター40にアクセスし、メモリ部44に蓄積された送受信データの中から、当該通信障害に関連する送受信データ(具体的には、当該通信障害が発生した時刻およびその前後のポーリング制御における送受信データ)を抽出して入手する。
【0046】
(S205/S206)
セキュリティセンター40から転送された当該通信障害に関連する送受信データは、保守管理端末61に付設された表示モニタに所定の形式で表示され、保守管理要員は、表示された送受信データを閲覧することにより、当該通信障害の原因究明や障害発生の傾向等を解析して、システムの復旧や障害の再発防止のために最適な対策を講じる。
【0047】
(S207/S208)
次いで、保守管理センター60は、保守管理要員を現地に派遣して、上記最適な対策に基づいて復旧作業を行い、通信障害を解消してシステムの復旧を図る。ここで、保守管理センター60において解析された通信障害の原因が、保守管理要員と同等の専門知識や経験を必要としない比較的軽微な原因によるものであると判明した場合には、保守管理要員を現地に派遣することなく、たとえば、セキュリティセンター40の監視担当者等により復旧作業の代行を依頼する。
【0048】
このように、セキュリティセンター40において通信障害が検出された場合には、保守管理要員が現地に出向くことなく、保守管理センター60から通信回線50を介してセキュリティセンター40にアクセスし、蓄積された当該通信障害に関連する送受信データ(プロトコルデータ)を容易に入手して、保守管理要員を現地に派遣する前に、予め通信障害の発生状態を把握しておくことができるので、復旧作業を効率化して迅速に通信障害を解消することができる。また、通信障害の原因が軽微なものである場合には、現地に出向くことなく、迅速かつ的確に通信障害を解消してシステムの復旧を図ることができるので、保守管理要員の派遣に伴う人的および時間的な負担を軽減することができる。
【0049】
ここで、本実施形態に係るセキュリティシステムおよびその運用方法に適用して最適なメモリ部の構成およびその制御方法について説明する。
上述したように、セキュリティセンター40に設けられるメモリ部44には、ポーリング制御の実行時刻に関連付けて送受信データが常時蓄積されることになるが、通信障害が発生した場合には、蓄積された大量のデータの中から通信障害が発生した時刻およびその前後のポーリング制御における送受信データが保守管理センター60に転送され、例えば、レスポンス信号の有無やその内容等に基づいて、通信障害の原因究明や復旧対策が講じられる。
【0050】
すなわち、メモリ部44への送受信データの蓄積は、上述したようにポーリング制御に係るプロトコルデータの全てを常時蓄積する形態に限らず、少なくとも通信障害が生じた時刻およびその前後のポーリング制御における送受信データ(つまり、通信障害が発生した時刻を中心とした数回分の送受信データ)が蓄積されるものであればよい。
【0051】
したがって、有限の記憶容量を有するメモリ部を有効に利用するために、ポーリング制御に係る全ての送受信データを常時記憶しながら、随時記憶内容を更新(記憶容量に応じて古い時刻のデータを消去して、新しいデータを順次追加)するように、送受信データを記憶、蓄積する形態であることが好ましく、例えば、大容量の単体のメモリ部に送受信データを常時記憶しながら、随時記憶内容を更新する構成であってもよいし、大容量を有する単体のメモリ部の一部の記憶領域を使用して、比較的近時(短期間)のポーリング制御に係る全ての送受信データを常時記憶、随時更新し、通信障害が発生した場合には、記憶領域を拡大して、比較的長期間の送受信データを蓄積する構成であってもよい。
【0052】
また、例えば、複数段のメモリ部を備え、初段のメモリ部にポーリング制御に係る全ての送受信データを常時記憶、随時更新し、通信障害が発生した場合には、当該時刻及びその前後のポーリング制御における送受信データのみを次段のメモリ部に転送して蓄積するような構成であってもよい。これにより、通信障害の発生時刻に基づいて、関連する送受信データを簡易に抽出することができる。
【0053】
次に、保守管理端末に表示される送受信データの形式について、図面を参照して説明する。
図4は、送受信データとしてアスキーコードに基づくプロトコルデータを時刻単位で一括表示した場合の一例を示す概略図であり、図5は、通信障害の発生状況をリスト表示した場合の一例を示す概略図である。
【0054】
セキュリティセンター40から転送され、保守管理端末61に取り込まれた送受信データの表示方法としては、例えば、図4に示すように、モニタ画面上に、通信障害が発生した際に実行されたポーリング制御の時刻における各住戸毎のポーリング信号(下りデータ)及びレスポンス信号(上りデータ)が1対1に対応付けられて、ポーリング制御の実行順に表示される。ここで、ポーリング信号及びレスポンス信号は、アスキーコードに基づく伝送プロトコルがそのまま表示される。
【0055】
このような送受信データの表示方法において、通信障害の発生により、送受信データの一部又は全部が破壊された場合の表示方法は、例えば、ポーリング信号“071413”に対するレスポンス信号“070406”のように、反転表示や点滅表示することにより、他の共聴伝送路における送受信データと比較して、視覚的に容易に判別することができるように表示される。
【0056】
また、同様に、通信障害の発生により、レスポンス信号が受信されなかった場合の表示方法は、例えば、ポーリング信号“101404”に対するレスポンス信号を空白(ブランク)で表示することにより、他の共聴伝送路における送受信データと比較して、視覚的に容易に判別することができるように表示される。これにより、モニタ画面に表示された一連の送受信データの羅列の中から、通信障害に関連するデータを視覚的に明確に判別することができ、保守管理要員の作業の負担を削減することができるとともに、通信障害の原因をいち早く解析して迅速かつ的確に対処方法を講じることができる。
【0057】
なお、図4において、110は、ポーリング制御の実行時刻、あるいは、同一時刻における送受信データの表示範囲を変更設定するためのコマンドボタン群であって、例えば、111は、時刻を1分遡って(1分前)表示させるためのボタンであり、112、113は、連続的に表示されている送受信データのうち、同一の時刻において画面表示されていない隣接する範囲の送受信データを表示させるためのボタンであり、114は、時刻を1分進めて(1分後)表示させるためのボタンである。
【0058】
また、120は、セキュリティセンター40から転送された送受信データのうち、画面表示された障害ポイントの前後に発生した障害ポイントを順次検索して、検索された障害ポイントを含む送受信データの表示画面にスキップするためのボタン群であって、例えば、121は、現在の表示よりもポーリング制御が早い実行順の障害ポイントを検索してスキップ表示するためのボタンであり、122は、現在の表示よりもポーリング制御が遅い実行順の障害ポイントを検索してスキップ表示するためのボタンである。また、123は、セキュリティセンター40から転送された送受信データのうち、通信障害に関連する情報を検索して、一括してリスト表示するためのボタンである。
【0059】
具体的には、通信障害に関連する情報として、図5に示すように、障害発生時刻や当該障害が発生した共聴伝送路に接続された住戸アドレス、障害の状況等がリスト形式で一括して表示される。ここで、この通信障害リスト表示画面(図5)は、図4に示したプロトコルデータ表示画面の前面にポップアップ画面として表示されるようにしてもよい。また、図5において、データ表示ボタン130は、通信障害リスト表示画面にリスト表示された障害ポイントのうち、任意の障害ポイント(例えば、障害ポイント“3”)を選択して、実行することにより、当該障害ポイントの送受信データを中心にした一連の送受信データが、図4に示したプロトコルデータ表示画面と同様に表示される。
これにより、通信障害の発生時刻における送受信データのみならず、その前後のポーリング制御における送受信データを簡易に閲覧することができるとともに、通信障害に関連する情報が多面的に表示されるので、通信障害の発生状況(障害の分布や発生傾向)を把握する上で極めて有効である。
【0060】
図6は、送受信データとして、任意の取り決めに基づく伝送プロトコルを採用した場合のデータ形式を示す図であり、図7は、送受信データとして、図6に示したプロトコルデータを時刻単位で一括表示した場合の一例を示す概略図である。なお、図7に示すプロトコルデータ表示画面において、設定操作用のボタン群は、上述した表示方法と同等であるので、同一の符号を付して、その説明を簡略化する。
【0061】
セキュリティセンター40から転送され、保守管理端末61に取り込まれた送受信データの表示方法の他の例としては、例えば、図6に示すように、任意の取り決めに基づいて設定された伝送プロトコルをそのまま、図7に示すように、通信障害が発生した際に実行されたポーリング制御の時刻毎に、各住戸毎のポーリング信号(下りデータ)及びレスポンス信号(上りデータ)として、ポーリング制御の実行順に表示するものであってもよい。
【0062】
具体的には、図6に示すように、ポーリング制御において送受信されるデータは、数ビットのデジタルデータから構成され、下り回線を介して伝送されるポーリング信号は、各住戸毎のアドレスを規定する数ビット(ここでは、3ビット;001〜999)のアドレスデータ部と、当該アドレスの住戸側の伝送端末部に対して告知等の各種制御や応答の要求を規定する数ビット(ここでは、4ビット;888N、999N)のポーリングデータ部とを含んで構成されている。また、上り回線を介して伝送されるレスポンス信号は、各住戸毎のアドレスを規定する数ビット(ここでは、3ビット;001〜999)のアドレスデータ部と、当該アドレスの各住戸における火災や侵入等の異常状態の発生の有無を規定する数ビット(ここでは、4ビット;火災感知、ガス漏れ感知、非常検知、発報識別)のレスポンスデータ部とを含んで構成されている。
【0063】
なお、いずれの信号においても、上述したセキュリティ情報の監視動作や通信障害の監視動作において、異常が検出された場合には、監視結果を示すチェックコードを、上記7ビットに付加するようにしてもよい。これにより、チェックコードに基づいて障害ポイントの検索処理を行うことができるので、通信障害に関連する情報をより多面的に表示して、通信障害の発生状況を的確に把握することができる。
【0064】
このような伝送プロトコルによる送受信データを用いた場合のモニタ画面上への表示方法は、図7に示すように、図4に示した場合と同様に、通信障害が発生した際に実行されたポーリング制御の時刻における各住戸毎のポーリング信号(下りデータ)及びレスポンス信号(上りデータ)が1対1に対応付けられて、ポーリング制御の実行順に表示される。
【0065】
そして、通信障害の発生により、送受信データの一部又は全部が破壊された場合の送受信データの表示方法は、例えば、ポーリング信号“006999N”に対するレスポンス信号“006????”や、ポーリング信号“007999N”に対するレスポンス信号“007!!!!”のように、エラー状態を示す特定の記号に置き換えて(記号化)表示することにより、他の共聴伝送路における送受信データと比較して、視覚的に容易に判別することができるように表示される。
【0066】
また、同様に、通信障害の発生により、レスポンス信号が受信されなかった場合の表示方法は、例えば、ポーリング信号“009999N”に対するレスポンス信号を空白(ブランク)で表示することにより、他の共聴伝送路における送受信データと比較して、視覚的に容易に判別することができるように表示される。これにより、上述した表示方法と同様に、モニタ画面に表示された一連の送受信データの羅列の中から、通信障害に関連するデータを視覚的に明確に判別することができ、保守管理要員の作業の負担を削減することができるとともに、通信障害の原因をいち早く解析して迅速かつ的確に対処方法を講じることができる。
【0067】
以上説明したように、従来技術においては、セキュリティ監視動作により得られたセキュリティ情報を随時モニタ画面に表示出力またはプリンタにより紙出力する形態が採用されていたため、通信障害時のデータの保存性が極めて悪く、系統的な通信障害の原因の究明やシステムの復旧対策を迅速かつ的確に行うことが極めて困難であるとともに、保守管理要員を現地に派遣することに伴う人的、時間的な負担が極めて大きいという問題点を有していたのに対して、本実施形態に係るセキュリティシステムおよびその運用方法(通信障害の発生時における復旧対処方法)によれば、セキュリティ情報の収集動作に用いられるプロトコルデータが、セキュリティセンターのメモリ部にそのまま蓄積され、保守管理要員は、通信回線を介して通信障害発生時のプロトコルデータを迅速かつ簡易に入手することができるので、復旧作業のために現地に出向く前に、障害の具体的な状態を把握して、システムの復旧作業を迅速かつ的確に行うことができる。
【0068】
また、通信障害に関する一連のデータが、ポーリング制御の実行時刻に関連付けて継続的にメモリ部に蓄積されるので、通信障害の発生時点およびその前後の送受信データから、障害の発生の傾向(経時的な変化等)を把握することができ、通信障害の原因究明を的確に行うことができる。
さらに、通信障害の原因が、比較的軽微な場合には、セキュリティセンターの管理担当者等に復旧作業の代行を指示、依頼することにより、復旧作業に要する人的および時間的な負担を削減して迅速にシステムの復旧を図ることができる。
【0069】
なお、上述した実施形態においては、セキュリティセンターから保守管理センターにデータを送信する通信回線として、電話回線による場合を示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、汎用の有線、無線の通信回線のほか、専用のデータ線等を適用することもできる。これにより、保守管理要員は、保守管理センターに固定的に設置された保守管理端末に限らず、ノートパソコン等の移動端末又は移動可能な端末を用いて、他の出先からでもセキュリティセンターにアクセスして、通信障害に関連するデータを入手することができ、保守管理業務の効率化を図ることができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、各住戸におけるセキュリティ情報を収集するためのポーリング制御の際に伝送される送受信データのうち、少なくとも、通信異常(通信障害)が発生した際の送受信データそのものを異常情報蓄積手段に蓄積し、該蓄積された送受信データを必要に応じて汎用又は専用の通信回線を介して、セキュリティセンターから離間した保守管理要員の手元に転送するように構成されているので、通信障害が発生した場合には、該通信障害に関連する送受信データそのものを電話回線等の通信回線を介して保守管理要員の手元に転送することができ、該送受信データに基づいて、通信障害の原因を解析して的確な対処方法を講じ、迅速にシステムを復旧することができる。また、この場合、通信障害が保守管理要員と同等の専門知識や経験を必要としない比較的軽微な原因によるものと判明した場合には、セキュリティセンター(CATV管理センター等)の監視担当者等により復旧作業を代行させることができ、保守管理要員の派遣に伴う人的かつ時間的な負担の軽減を図ることができる。
【0071】
ここで、本発明においては、少なくとも通信障害が発生した際に異常情報蓄積手段に蓄積される送受信データは、該通信障害が発生した時間と関連付けて蓄積されるように構成することができるので、保守管理要員は、セキュリティセンターから転送された送受信データの経時的な変化や傾向に基づいて、通信障害の原因をより正確に解析することができ、より的確な対処方法を講じることができる。
【0072】
また、本発明においては、所定の記憶容量を有する異常情報蓄積手段に対して、送受信データが常時記憶されるとともに、当該記憶容量に応じて随時更新されるように構成することができるので、通信障害が発生した時点の送受信データのみならず、その前後の時間における送受信データを蓄積することができ、通信障害の発生の傾向や特性等を把握して、的確な対処方法を講じることができる。
【0073】
また、本発明においては、異常情報蓄積手段には、少なくとも通信障害の発生時のポーリング制御に係るプロトコルデータがそのまま蓄積されるように構成することができるので、レスポンス信号の有無のみに基づいて伝送線路や送受信機器の異常を監視する場合と異なり、通信障害に関するより詳細な情報を取得することができ、通信障害の具体的な原因をより正確に解析して適切な対処方法を講じることができる。
【0074】
また、本発明によれば、異常情報蓄積手段に蓄積された、少なくとも通信障害に関する送受信データが汎用又は専用の通信回線を介して保守管理要員の手元に転送されるように構成されているので、保守管理要員は、セキュリティシステムから遠く離れた場所であっても、通信障害に関する詳細な情報を取得して、通信障害の具体的な原因をより正確に解析して適切な対処方法を講じることができ、通信障害の発生のたびに保守管理要員を現地に派遣することに伴う人的及び時間的な負担を削減しつつ、セキュリティシステムの良好な保守管理体制を実現することができる。
【0075】
また、本発明においては、セキュリティセンターに対して、保守管理要員が通信障害が発生した時刻を指定してアクセスすることにより、必要とする送受信データが転送されるように構成することができるので、保守管理要員は、汎用又は専用の通信回線を介してセキュリティセンターにアクセスすることにより、任意の送受信データを転送、取得することができ、通信障害の具体的な原因をより正確に解析して適切な対処方法を講じることができる。
【0076】
また、本発明においては、通信障害が発生した場合、当該時刻及びその前後の送受信データが自動的に保守管理要員の手元に転送されるように構成することができるので、保守管理要員は、通信障害が発生した直後に、当該時刻及びその前後の送受信データを電話回線等の通信回線を介して取得することができ、該送受信データに基づいて、通信障害の原因をいち早く解析して迅速かつ的確に対処方法を講じることができる。
【0077】
そして、特に本発明によれば、通信障害が発生した際の送受信データが、保守管理端末の画面に、反転表示や点滅表示、記号化表示等の、他のデータに比較して視覚的に認識されやすい表示方法(形式)により表示されるように構成されているので、保守管理端末の画面上に表示された多数の送受信データの中から、通信障害に密接に関連する送受信データのみを目視により迅速かつ簡易に抽出することができ、通信障害の原因をいち早く解析して迅速かつ的確に対処方法を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセキュリティシステムの一実施形態を示す要部概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るセキュリティシステムにおけるセキュリティ情報の収集、監視動作を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係るセキュリティシステムにおける通信障害に対する復旧対処手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るセキュリティシステムにおいて、送受信データとしてアスキーコードに基づくプロトコルデータを時刻単位で一括表示した場合の一例を示す概略図である。
【図5】本実施形態に係るセキュリティシステムにおいて、通信障害の発生状況をリスト表示した場合の一例を示す概略図である。
【図6】送受信データとして、任意の取り決めに基づく伝送プロトコルを採用した場合のデータ形式を示す図である。
【図7】送受信データとして、図6に示したプロトコルデータを時刻単位で一括表示した場合の一例を示す概略図である。
【図8】双方向CATVシステムを利用したセキュリティシステムの概略構成図である。
【符号の説明】
10 住戸
13a 火災感知器
13b 警報器
13c 防犯ボタン
20 CATV管理センター
30 共聴伝送路
40 セキュリティセンター
40A セキュリティ監視装置
41 伝送部
44 メモリ部
47、62 通信モデム
50 通信回線
60 保守管理センター
61 保守管理端末
Claims (3)
- 複数の住戸とセキュリティセンターとが双方向ケーブルテレビシステムの共聴伝送路を介して接続され、各住戸内で発生する各種の異常状態に関する情報を、前記共聴伝送路を介してセキュリティセンターに伝送することにより、前記複数の住戸における異常状態の発生を集中的に監視するセキュリティシステムにおいて、
前記セキュリティセンターからのポーリング制御により、前記各住戸内で発生する各種の異常状態に関する情報を収集する情報収集手段と、
前記ポーリング制御の際に前記共聴伝送路を介して送受信される送受信データに基づいて、前記共聴伝送路の通信状態を監視する通信状態監視手段と、
少なくとも前記共聴伝送路に通信異常が発生した際の前記送受信データを蓄積する異常情報蓄積手段と、
前記異常情報蓄積手段に蓄積された前記送受信データを所定の通信回線を介して、前記セキュリティセンターとは離間して設けられた保守管理端末に転送する情報転送手段と、
を備え、
前記保守管理端末は、前記情報転送手段により転送された前記送受信データを、前記ポーリング制御の実行順に時系列に一括表示し、前記共聴伝送路の通信異常が発生した際の前記送受信データのみを、正常な他の前記送受信データとは異なる表示形式により表示することを特徴とするセキュリティシステム。 - 前記保守管理端末は、前記共聴伝送路の通信異常の種類毎に、個別の前記表示形式により表示することを特徴とする請求項1記載のセキュリティシステム。
- 前記保守管理端末は、前記ポーリング制御の実行時刻情報と、前記送受信データの上りデータ及び下りデータとを対応付けて、前記ポーリング制御の実行順に時系列に表示することを特徴とする請求項1又は2記載のセキュリティシステム。
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