JP4525423B2 - センサ付き転がり軸受装置 - Google Patents
センサ付き転がり軸受装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4525423B2 JP4525423B2 JP2005099144A JP2005099144A JP4525423B2 JP 4525423 B2 JP4525423 B2 JP 4525423B2 JP 2005099144 A JP2005099144 A JP 2005099144A JP 2005099144 A JP2005099144 A JP 2005099144A JP 4525423 B2 JP4525423 B2 JP 4525423B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- detected
- load
- output signal
- duration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
Description
前記回転軌道輪と一体回転可能に設けられる被検出部材と、
前記固定軌道輪側に設けられるとともに、その検出面が前記被検出部材に設けられた被検出面に対向して配置されており、前記被検出面との間の距離を検出可能なセンサとを備え、
前記被検出部材の被検出面には、前記センサの検出面との間の距離が互いに異なる第1及び第2の被検出部分が周方向に交互に設けられ、かつ、前記第1の被検出部分は径方向の位置に関わらず周方向への寸法が一定であるが、前記第2の被検出部分は径方向の位置によって周方向への寸法が変化するよう構成され、
前記センサの出力信号が入力されるとともに、当該センサが前記第1及び第2の各被検出部分に対向しているときのセンサの出力信号の大きさとその継続時間とに基づいて、前記軸受の軸方向であるY軸方向の荷重、このY軸方向に直交するX軸方向の荷重、及び前記Y軸方向及びX軸方向に直交するZ軸方向の荷重を取得する取得手段を設けたことを特徴とするものである。
この場合、上記センサが第2の被検出部分に対向しているときの時間、すなわちその出力信号の継続時間を上記所定割合に応じて変化させることができ、取得手段はこの第2の被検出部分に対応した継続時間に基づく荷重の取得を容易に行うことができる。
この場合、上記取得手段が4個の各センサの出力信号を用いることにより、当該取得手段は上記X軸方向に対する捻り荷重及びZ軸方向に対する捻り荷重を取得することができる。また、4個のセンサを軸中心に対し90°間隔で配設しているので、1個のセンサを用いる場合に比べて、上記3軸方向の各荷重をより精度よく、かつ迅速に検知することができる。
この場合、取得手段が上記X軸方向又はZ軸方向に対する捻り荷重の捻れ方向を判別しつつ、その捻り荷重の大きさを取得できることから、さらに精度よく軸受装置に作用する荷重を検知することができる。
この場合、タイヤに働いた負荷に応じた荷重が軸受装置に作用することから、取得手段が荷重を取得することによってタイヤに対する負荷も検知することができる。
この場合、上記軸受の回転速度を検知するためのセンサ等を軸受装置に別途設ける必要がなく、高機能化されたセンサ付き転がり軸受装置を構成することができる。
この場合、上記被検出部材に軸受装置に用いられている潤滑油が付着したときでも、その潤滑油の影響が(変位)センサの出力信号に現れないことから、取得手段は潤滑油に影響されることなく荷重を取得することができ、軸受装置の使用環境によって荷重検知の精度低下を生じないセンサ付き転がり軸受装置を容易に構成することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るセンサ付き転がり軸受装置の断面図である。図において、右側は車両インナー側、左側は車両アウター側(車輪側)であり、本実施の形態1のセンサ付き転がり軸受装置1は、転がり軸受装置2と、センサ装置3とによって構成されている。この転がり軸受装置2は、複列アンギュラ玉軸受タイプのものであり、外輪部材4と、内輪部材としての内軸部材(ハブホイール)5及び内輪構成部材6と、複数の玉からなる転動体7、8とを備えている。また、転がり軸受装置2には、転動体7、8をそれぞれ周方向に沿って所定間隔で保持する保持器9、10と、外輪部材4と内軸部材5との隙間に配置されたシール部材11とが設けられている。
また、外輪部材4には、径方向外側に形成されたフランジ部4dが形成されており、このフランジ部4dに形成されたボルト孔4d1に挿通されるボルト(図示せず)によって、上記車両のサスペンションに含まれるナックル部(図示せず)が当該フランジ部4dに固定される。
また、内輪構成部材6の車両インナー側には、上記センサ装置3に含まれる被検出部材14が当該内輪構成部材6と一体回転可能に取り付けられている。
上記支持部材13は、その円筒状部が内輪構成部材6の外周面に外嵌固定されており、当該円筒状部の一端において径方向外方に直角に形成されたリング状部に装着された被検出部材14とともに、内輪構成部材6と一体的に回転する。
また、制御装置16は、センサ15の出力信号から得られる、非開口部14b又は開口部14cの所定時間当たりの検出数に基づいて、上記軸受の回転速度ひいてはタイヤの回転速度を取得するよう構成されており、取得した上記3軸方向の各荷重及び回転速度を車両のABS制御やTRC制御、ESC制御等に反映し得るようになっている。
まず、内軸部材5の荷重変化による位置変化が内輪構成部材6に生じていないときには、センサ15は、軸受回転に伴い図3(a)の一点鎖線S上を走査し、例えば同図左側の開口部14c、非開口部14b、及び同図右側の開口部14cの各径方向中央箇所に対向して、それらの各中央箇所との間の距離に応じた出力信号を制御装置16に出力する。この結果、制御装置16には、図3(b)に示すように、センサ15が左右の各開口部14cに対向しているときには電圧v0の出力信号が入力され、当該センサ15が非開口部14bに対向しているときには上記電圧v0よりも大きな電圧V0の出力信号が入力される。また、出力信号における上記電圧v0及びV0の継続時間t0及びT0は、図3の点線にて示すように、センサ15が各開口部14c及び非開口部14bにそれぞれ対向している時間で規定される。つまり、これらの継続時間t0、T0は、上記中央箇所での対応する非開口部14b及び開口部14cの周方向の寸法に応じた時間となり、図3(a)に示すように、非開口部14bの周方向寸法は開口部14cのものに比べて短く構成されていることから、電圧V0の継続時間T0は電圧v0の継続時間t0よりも短い値となる。そして、制御装置16では、非開口部14b及び開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさ及び継続時間と各々予め格納されている基準値との比較を行って、各基準値と同一の値であることを判別すると、制御装置16は、位置変化が内輪構成部材6に発生していないことを判別して、車両走行等に伴う荷重の変化が内軸部材5、ひいては軸受装置2に生じていないと判断する。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の上下方向上側に作用して、被検出部材14が内輪構成部材6に生じた位置変化により同上側の方向に平行に動くと、図4(a)の一点鎖線Sに示すように、センサ15の対向箇所は被検出部材14の動きに応じて非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所から下方(径方向内方)側に平行に移動する。このため、センサ15から制御装置16に入力される出力信号は、図4(b)に示すものとなる。すなわち、センサ15と非開口部14b及び各開口部14cとの間の距離は変化していないため、出力信号の大きさは、図3(b)に示したものと同じ値となり、センサ15が非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときには電圧V0、v0の出力信号が制御装置16にそれぞれ入力される。
また、非開口部14bの周方向寸法は均一な値であるため、センサ15の非開口部14bとの対向時間、すなわち電圧V0の継続時間もまた図3(b)と同じT0となる。一方、各開口部14cの周方向寸法は径方向内方側に向かって短くなるよう構成されているため、センサ15の各開口部14cとの対向時間が当該周方向寸法に応じて短くなり、電圧v0の継続時間t1は図3(b)に示した継続時間t0よりも短い時間となる。
また、非開口部14bの周方向寸法は均一な値であるため、センサ15の非開口部14bとの対向時間、すなわち電圧V0の継続時間もまた図3(b)と同じT0となる。一方、各開口部14cの周方向寸法は径方向外方側に向かって長くなるよう構成されているため、センサ15の各開口部14cとの対向時間が当該周方向寸法に応じて長くなり、電圧v0の継続時間t2は図3(b)に示した継続時間t0よりも長い時間となる。
以上のように、Z軸方向の上下いずれかの向きに荷重が作用して被検出部材14がその向きに平行に動くと、各開口部14cに対向しているときの出力信号の継続時間のみが、その作用した荷重の大きさに応じて上記継続時間t0より短い継続時間t1又は長い継続時間t2となる。これにより、制御装置16は、Z軸方向に作用した荷重の大きさ及び向きを精度よく検知することができる。
また、荷重が内軸部材5に対し左右方向で車両の外側に作用して、被検出部材14がセンサ15に近づくように内輪構成部材6に生じた位置変化により同外側の方向に非平行に動くと、センサ15の被検出部材14との対向距離が当該被検出部材14の動きに応じて短くなる。また、被検出部材14は、センサ15に近づくように非平行に動いているので、センサ15の当該被検出部材14との対向箇所は、図5(a)の一点鎖線Sに示すように、被検出部材14の動き(接近)に応じて非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所から上方(径方向外方)側に移動して、センサ15から制御装置16に入力される出力信号は、図5(b)に示すものとなる。つまり、センサ15と非開口部14b及び各開口部14cとの間の距離が短くなっているため、センサ15が非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさは、図3(b)に示した電圧V0、v0よりもそれぞれ大きい値の電圧V1、v1となる。
また、非開口部14bの周方向寸法は均一な値であるため、センサ15の非開口部14bとの対向時間、すなわち電圧V1の継続時間もまた図3(b)と同じT0となる。一方、各開口部14cの周方向寸法は径方向外方側に向かって長くなるよう構成されているため、センサ15の各開口部14cとの対向時間が当該周方向寸法に応じて長くなり、電圧v1の継続時間t3は図3(b)に示した継続時間t0よりも長い時間となる。
また、非開口部14bの周方向寸法は均一な値であるため、センサ15の非開口部14bとの対向時間、すなわち電圧V2の継続時間もまた図3(b)と同じT0となる。一方、各開口部14cの周方向寸法は径方向内方側に向かって短くなるよう構成されているため、センサ15の各開口部14cとの対向時間が当該周方向寸法に応じて短くなり、電圧v2の継続時間t4は図3(b)に示した継続時間t0よりも短い時間となる。
尚、上記の説明では、被検出部材14がセンサ15に対し非平行に動いた場合について説明したが、被検出部材14がセンサ15に対し平行に動いた場合には、センサ15の当該被検出部材14との対向箇所は、非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所で維持される。その結果、センサ15の出力信号は、被検出部材14の対向距離(接離)の変化に応じた大きさ(電圧)のみが変化して、各開口部14cに対向しているときの継続時間は増減せずに上記継続時間t0となる。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の前後方向前側に作用して、被検出部材14が内輪構成部材6に生じた位置変化により同前側の方向に平行に動くと、図6(a)の一点鎖線Sに示すように、センサ15の対向箇所は被検出部材14の動きに応じて非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所から車両後側に平行に移動し、非開口部14b及び各開口部14cを斜めに通過する。このため、センサ15から制御装置16に入力される出力信号は、図6(b)に示すものとなる。すなわち、センサ15と非開口部14b及び各開口部14cとの間の距離は変化していないため、出力信号の大きさは、図3(b)に示したものと同じ値となり、センサ15が非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときには電圧V0、v0の出力信号が制御装置16にそれぞれ入力される。
また、非開口部14bに対してセンサ15が斜めに通過するので、そのセンサ15に対向する非開口部14bの寸法が長くなり、当該センサ15の非開口部14bとの対向時間もまた長くなる。このため、電圧V0の継続時間が図3(b)に示した継続時間T0より長い継続時間T1となる。また、図6(a)に示したように、センサ15は、左側の開口部14cに対し径方向内側に、かつ、斜めに横切るように対向することから、当該左側開口部14cに対するセンサ15の対向時間が短くなり、電圧v0の継続時間は図3(b)に示した継続時間t0よりも短い継続時間t5となる。一方、同図(a)に示したように、右側の開口部14cに対しては、センサ15は径方向外側に、かつ、斜めに横切るように対向することから、当該右側開口部14cに対するセンサ15の対向時間が長くなり、電圧v0の継続時間は図3(b)に示した継続時間t0よりも長い継続時間t6となる。
また、非開口部14bに対してセンサ15が斜めに通過するので、そのセンサ15に対向する非開口部14bの寸法が長くなり、当該センサ15の非開口部14bとの対向時間もまた長くなる。このため、電圧V0の継続時間が図3(b)に示した継続時間T0より長い継続時間T2となる。また、図6(c)に示したように、センサ15は、左側の開口部14cに対し径方向外側に、かつ、斜めに横切るように対向することから、当該左側開口部14cに対するセンサ15の対向時間が長くなり、電圧v0の継続時間は図3(b)に示した継続時間t0よりも長い継続時間t7となる。一方、同図(c)に示したように、右側の開口部14cに対しては、センサ15は径方向内側に、かつ、斜めに横切るように対向することから、当該右側開口部14cに対するセンサ15の対向時間が短くなり、電圧v0の継続時間は図3(b)に示した継続時間t0よりも短い継続時間t8となる。
図7は本発明の他の実施の形態に係るセンサ付き転がり軸受装置の断面図であり、図8は図6に示したパルサーリングと第1〜4のセンサとの位置関係を示す図である。図において、本実施の形態2と上記実施の形態1との主な相違点は、本実施の形態2では、4個の上記センサを軸受の軸中心に対し90°間隔で配設した点である。なお、実施の形態1と共通する要素については、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
図7及び図8に示されるように、本実施の形態2では、4個のセンサ15、25、35、及び45が上記軸受の軸方向周りでその軸中心に対し90°間隔で配設されている。また、センサ15及び35はZ軸方向に沿って軸中心に対し互いに180°異なる位置に設けられ、センサ25及び45はX軸方向に沿って軸中心に対し互いに180°異なる位置に設けられている。また、これらのセンサ15〜45は、上記実施の形態1と同様に、その検出面15a、25a、35a、45aが軸受軸方向で被検出部材14の被検出面14aと対向するようにカバー12に取り付けられており、各センサ15〜45は、被検出面14a(非開口部14b及び開口部14cとの各間の距離)との間の検出距離を示す出力信号を制御装置26に出力する。そして、制御装置26は、4個のセンサ15〜45の出力信号を用いて軸受装置2に作用した荷重及び軸受の回転速度を取得する。
まず、内軸部材5の荷重変化による位置変化が内輪構成部材6に生じていないときには、各センサ15〜45は、実施の形態1と同様に、軸受回転に応じて図3(a)に示した一点鎖線S上を走査し同図左側の開口部14c、非開口部14b、及び同図右側の開口部14cの各径方向中央箇所に順次対向する。その結果、制御装置26には、各センサ15〜45から図3(b)に示した出力信号が入力される。すなわち、各センサ15〜45が非開口部14bに対向しているときには、電圧V0及び継続時間T0の出力信号が各センサ15〜45から制御装置26に出力される。一方、各開口部14cに対向しているときには、電圧v0及び継続時間t0の出力信号が各センサ15〜45から制御装置26に出力される。これにより、制御装置26では、実施の形態1と同様に、非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさ及び継続時間が各々基準値(電圧V0、v0及び継続時間T0、t0)であることを判別し、制御装置26は、車両走行等に伴う荷重の変化が軸受装置2に生じていないと判断する。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の上下方向の例えば上側に作用して、被検出部材14が内輪構成部材6に生じた位置変化により同上側の方向に平行に動くと、上下方向上側に配置されたセンサ15では、図4(a)の一点鎖線Sに示したように、被検出部材14との対向箇所は当該被検出部材14の動きに応じて非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所から下方(径方向内方)側に平行に移動する。その結果、センサ15から制御装置26に入力される出力信号は、図4(b)に示した出力信号と同様なものとなる。すなわち、図9(a)に示すように、センサ15が非開口部14bに対向しているときには、電圧V0及び継続時間T0の出力信号が制御装置26に入力される。一方、センサ15が各開口部14cに対向しているときには、電圧v0の出力信号が上記継続時間t0よりも短い継続時間t9で制御装置26に入力される。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の上下方向下側に作用して被検出部材14がその向きに平行に動いたときには、被検出部材14と各センサ15〜45との位置関係が同上下方向上側に荷重が作用したときと軸受軸中心に関して点対称な関係となる。その結果、センサ15、35の出力信号はそれぞれ図9(c)及び(a)に示したセンサ35、15のものと同様となり、センサ25、45の出力信号はそれぞれ図9(d)及び(b)に示したセンサ45、25のものと同様となる。これにより、制御装置26は、車両の上下方向下側に作用した荷重をより精度よく検知することができる。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の前後方向の例えば前側に作用して、被検出部材14が内輪構成部材6に生じた位置変化により同前側の方向に平行に動くと、上下方向上側に配置されたセンサ15では、図6(a)の一点鎖線Sに示したように、その被検出部材14との対向箇所は被検出部材14の動きに応じて非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所から車両後側に平行に移動し、非開口部14b及び各開口部14cを斜めに通過する。その結果、センサ15から制御装置26に入力される出力信号は、図6(b)に示した出力信号と同様なものとなる。すなわち、図10(a)に示すように、センサ15が非開口部14bに対向しているときには、電圧V0の出力信号が上記継続時間T0よりも長い継続時間T5で制御装置26に入力される。一方、センサ15が一方の開口部14cに対向しているときには、電圧v0の出力信号が上記継続時間t0よりも短い継続時間t15で制御装置26に入力され、他方の開口部14cに対向しているときには、電圧v0の出力信号が上記継続時間t0よりも長い継続時間t16で制御装置26に入力される。
また、荷重が内軸部材5に対し車両の前後方向後側に作用して被検出部材14がその向きに平行に動いたときには、被検出部材14と各センサ15〜45との位置関係が同前後方向前側に荷重が作用したときと軸受軸中心に関して点対称な関係となる。その結果、センサ15、35の出力信号はそれぞれ図9(c)及び(a)に示したセンサ35、15のものと同様となり、センサ25、45の出力信号はそれぞれ図9(d)及び(b)に示したセンサ45、25のものと同様となる。これにより、制御装置26は、車両の前後方向後側に作用した荷重をより精度よく検知することができる。
また、荷重が内軸部材5に対し左右方向で車両の外側又は内側に作用して、被検出部材14が少なくとも一つのセンサ15〜45に接近又は離間するように内輪構成部材6に生じた位置変化によって同外側又は内側の方向に平行に動くと、当該少なくとも一つのセンサ15〜45の被検出部材14との対向距離が当該被検出部材14の動きに応じて短く又は長くなる。また、被検出部材14が上記少なくとも一つのセンサ15〜45に対し平行に動いているので、該当するセンサ15〜45の対向箇所は非開口部14b及び各開口部14cの径方向中央箇所で維持される。その結果、そのセンサ15〜45の出力信号では、その大きさ(電圧)のみが被検出部材14との対向距離の変化に応じて増減する。
すなわち、被検出部材14が少なくとも一つのセンサ15〜45に対し非平行な状態で近づくと、その該当するセンサ15〜45から制御装置26に入力される出力信号は、図5(b)に示したものと同様に、非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさが図3(b)に示した電圧V0、v0よりもそれぞれ大きい値の電圧となり、かつ、各開口部14cに対向しているときの出力信号の継続時間は同図3(b)に示した継続時間t0よりも長い時間となる。
以上のように、Y軸方向の左右いずれかの向きに荷重が作用して、被検出部材14が少なくとも一つのセンサ15〜45に対し接近又は離間すると、その該当するセンサ15〜45では、非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさが、その作用した荷重の大きさに応じて増加又は減少する。さらに、被検出部材14が非平行な状態で、上記左右いずれかの向きに動いたときには、該当するセンサ15〜45では、各開口部14cに対向しているときの出力信号の継続時間が、その作用した荷重の大きさに応じて増加又は減少する。これにより、制御装置26は、Y軸方向に作用した荷重の大きさ及び向きを精度よく検知することができる。
また、内軸部材5に対して、例えば図11(a)の矢印Mxにて示すように、X軸方向に対する捻り荷重が作用すると、被検出部材14では、例えばその中心を通るX軸方向に平行な直線周りに回動するように内輪構成部材6に生じた位置変化に応じて当該被検出部材14全体が動く。このため、センサ15、35では、その被検出部材14との対向箇所は当該被検出部材の動きに応じて同時に、かつ、非平行な状態で接近及び離間する。このため、センサ15、35から制御装置26にそれぞれ入力される出力信号は、図5(b)及び(d)に示したものと同様となる。その結果、センサ15から制御装置26には、図11(b)に示すように、非開口部14bに対向しているときには、上記電圧V0よりも大きい電圧V3の出力信号が上記継続時間T0で入力され、各開口部14cに対向しているときには、上記電圧v0よりも大きい電圧v3の出力信号が上記継続時間t0よりも長い継続時間t21で入力される。
また、センサ25、45では、被検出部材14がX軸方向に平行な上記直線周りに回動するので、その被検出部材14との対向箇所及び対向距離は変化しない。このため、センサ25、45から制御装置26にそれぞれ入力される出力信号は、図3(b)に示したものと同様なものとなる。その結果、センサ25、45から制御装置26には、それぞれ図11(c)及び(e)に示すように、非開口部14bに対向しているときには、上記電圧V0の出力信号が上記継続時間T0で入力され、各開口部14cに対向しているときには、上記電圧v0の出力信号が上記継続時間t0で入力される。
以上のように、内軸部材5に対しX軸方向に対する捻り荷重が作用したときには、例えば図11(b)〜(e)にそれぞれ示した出力信号がセンサ15〜45から制御装置26にそれぞれ入力される。そして、制御装置26では、軸受軸中心に対し互いに180°異なるセンサ15、35の出力信号の比較を行うことにより、そのX軸方向に対する捻り荷重の向きを判別しつつ、各センサ15〜45からの非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさ及び継続時間に基づいて当該捻り荷重の大きさをより精度よく検知することができる。
また、内軸部材5に対して、例えば図12(a)の矢印Mzにて示すように、Z軸方向に対する捻り荷重が作用すると、被検出部材14では、例えばその中心を通るZ軸方向に平行な直線周りに回動するように内輪構成部材6に生じた位置変化に応じて当該被検出部材14全体が動く。このため、センサ25、45では、その被検出部材14との対向箇所は当該被検出部材の動きに応じて同時に、かつ、非平行な状態で接近及び離間する。このため、センサ25、45から制御装置26にそれぞれ入力される出力信号は、図5(b)及び(d)に示したものと同様なものとなる。その結果、センサ25から制御装置26には、図12(c)に示すように、非開口部14bに対向しているときには、上記電圧V0よりも大きい電圧V5の出力信号が上記継続時間T0で入力され、各開口部14cに対向しているときには、上記電圧v0よりも大きい電圧v5の出力信号が上記継続時間t0よりも長い継続時間t23で入力される。
また、センサ15、35では、被検出部材14がZ軸方向に平行な上記直線周りに回動するので、その被検出部材14との対向箇所及び対向距離は変化しない。このため、センサ15、35から制御装置26にそれぞれ入力される出力信号は、図3(b)に示したものと同様なものとなる。その結果、センサ15、35から制御装置26には、それぞれ図12(b)及び(d)に示すように、非開口部14bに対向しているときには、上記電圧V0の出力信号が上記継続時間T0で入力され、各開口部14cに対向しているときには、上記電圧v0の出力信号が上記継続時間t0で入力される。
以上のように、内軸部材5に対しZ軸方向に対する捻り荷重が作用したときには、例えば図12(b)〜(e)にそれぞれ示した出力信号がセンサ15〜45から制御装置26にそれぞれ入力される。そして、制御装置26では、軸受軸中心に対し互いに180°異なるセンサ25、45の出力信号の比較を行うことにより、そのZ軸方向に対する捻り荷重の向きを判別しつつ、各センサ15〜45からの非開口部14b及び各開口部14cに対向しているときの出力信号の大きさ及び継続時間に基づいて当該捻り荷重の大きさをより精度よく検知することができる。
また、上記の説明では、センサとして磁気式の変位センサを使用した場合について説明したが、本発明におけるセンサは、被検出部材の第1及び第2の各被検出部分との間の距離を検出可能なものであればよく、例えば加速度ピックアップにより構成された振動センサを用いて、各被検出部分に対向しているときの加速度を検出し、取得手段に設けた積分機能によって各被検出部分との間の距離を演算により求めて荷重を算出したり、加速度の検出波形を用いて荷重を取得したりすることもできる。また、レーザ光等の所定波長の光を被検出部材の被検出面側に照射して、その反射光を入射することによって各被検出部分との距離を検出可能な光式等の他のセンシング形式の変位センサも用いることができる。但し、上記磁気式の変位センサを用いる場合の方が、軸受装置の潤滑油等により被検出部材が汚染されたときでも、その潤滑油の影響が変位センサの出力信号に現れないので、取得手段は潤滑油に影響されることなく荷重を取得することができ、軸受装置の使用環境によって荷重検知の精度低下を生じないセンサ付き転がり軸受装置を容易に構成することができる点で好ましい。
2 転がり軸受装置
3 センサ装置
4 外輪(固定軌道輪)
5 内軸部材(回転軌道輪)
6 内輪(回転軌道輪)
7、8 転動体
14 パルサーリング(被検出部材)
14a 被検出面
14b 非開口部(第1の被検出部分)
14c 開口部(第2の被検出部分)
15、25、35、45 センサ(変位センサ)
15a、25a、35a、45a 検出面
16、26 制御装置(取得手段)
Claims (7)
- 固定軌道輪及び回転軌道輪と、これらの軌道輪間に転動自在に設けられた転動体とを備えた軸受を有する転がり軸受装置であって、
前記回転軌道輪と一体回転可能に設けられる被検出部材と、
前記固定軌道輪側に設けられるとともに、その検出面が前記被検出部材に設けられた被検出面に対向して配置されており、前記被検出面との間の距離を検出可能なセンサとを備え、
前記被検出部材の被検出面には、前記センサの検出面との間の距離が互いに異なる第1及び第2の被検出部分が周方向に交互に設けられ、かつ、前記第1の被検出部分は径方向の位置に関わらず周方向への寸法が一定であるが、前記第2の被検出部分は径方向の位置によって周方向への寸法が変化するよう構成され、
前記センサの出力信号が入力されるとともに、当該センサが前記第1及び第2の各被検出部分に対向しているときのセンサの出力信号の大きさとその継続時間とに基づいて、前記軸受の軸方向であるY軸方向の荷重、このY軸方向に直交するX軸方向の荷重、及び前記Y軸方向及びX軸方向に直交するZ軸方向の荷重を取得する取得手段を設けたことを特徴とするセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記第2の被検出部分が、その周方向の寸法が一端から他端に向かう一の方向において所定割合で変化するように構成されている請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
- 前記軸受の軸方向周りには、4個の前記センサが軸中心に対し90°間隔で配設されている請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
- 前記取得手段が、前記軸受の軸中心に対し互いに180°異なる位置に配設された2個の前記センサからの出力信号の比較を行うことにより、前記X軸方向又は前記Z軸方向に対する捻り荷重の捻れ方向を判別する請求項3に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
- 前記固定軌道輪が、車両の車体側に固定される外輪により構成され、
前記回転軌道輪が、前記車両のタイヤを取付可能な内軸部材を含んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記取得手段が、前記センサの出力信号から得られる、前記第1又は第2の被検出部分の所定時間当たりの検出数に基づいて、前記軸受の回転速度を取得する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
- 前記センサが、前記被検出部材の被検出面に向かって所定の磁界を発生するとともに、前記被検出面から戻ってきた磁界に基づいて当該被検出面との間の距離を検出可能な磁気式の変位センサにより構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005099144A JP4525423B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | センサ付き転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005099144A JP4525423B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | センサ付き転がり軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006275251A JP2006275251A (ja) | 2006-10-12 |
JP4525423B2 true JP4525423B2 (ja) | 2010-08-18 |
Family
ID=37210205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005099144A Expired - Fee Related JP4525423B2 (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | センサ付き転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4525423B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008175782A (ja) * | 2007-01-22 | 2008-07-31 | Jtekt Corp | センサ付き転がり軸受装置 |
JP5007616B2 (ja) * | 2007-07-17 | 2012-08-22 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受ユニットの状態量測定装置 |
DE112019005429T5 (de) * | 2018-10-31 | 2021-07-15 | Ntn Corporation | Lagervorrichtung |
CN111998957A (zh) * | 2020-09-18 | 2020-11-27 | 淄博华源矿业有限公司 | 一种提升机天轮轴承用测温装置 |
WO2023171238A1 (ja) * | 2022-03-07 | 2023-09-14 | 株式会社デンソー | 検出装置 |
JP2023130184A (ja) * | 2022-03-07 | 2023-09-20 | 株式会社Soken | 車両用検出装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01169344U (ja) * | 1988-05-20 | 1989-11-29 | ||
JP2001315503A (ja) * | 2000-05-10 | 2001-11-13 | Koyo Seiko Co Ltd | ハブユニット |
JP2004003918A (ja) * | 2002-03-28 | 2004-01-08 | Nsk Ltd | 荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニット |
JP2004184297A (ja) * | 2002-12-05 | 2004-07-02 | Nsk Ltd | 転がり軸受ユニット用荷重測定装置 |
JP2004325134A (ja) * | 2003-04-22 | 2004-11-18 | Nsk Ltd | 状態検出装置付回転支持装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3843577B2 (ja) * | 1998-02-04 | 2006-11-08 | 日本精工株式会社 | 荷重検出装置付転がり軸受ユニット |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005099144A patent/JP4525423B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01169344U (ja) * | 1988-05-20 | 1989-11-29 | ||
JP2001315503A (ja) * | 2000-05-10 | 2001-11-13 | Koyo Seiko Co Ltd | ハブユニット |
JP2004003918A (ja) * | 2002-03-28 | 2004-01-08 | Nsk Ltd | 荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニット |
JP2004184297A (ja) * | 2002-12-05 | 2004-07-02 | Nsk Ltd | 転がり軸受ユニット用荷重測定装置 |
JP2004325134A (ja) * | 2003-04-22 | 2004-11-18 | Nsk Ltd | 状態検出装置付回転支持装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006275251A (ja) | 2006-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4940937B2 (ja) | 回転機械の状態量測定装置 | |
EP1764521B1 (en) | Sensor-equipped rolling bearing assembly | |
JP4888074B2 (ja) | 車輪用転がり軸受装置 | |
JP4525423B2 (ja) | センサ付き転がり軸受装置 | |
JP2007127253A (ja) | センサ付き転がり軸受装置 | |
JP4887882B2 (ja) | 転がり軸受ユニットの変位測定装置及び荷重測定装置 | |
JP2006057817A (ja) | センサ付車輪用軸受装置 | |
JP2007183247A (ja) | 荷重測定装置付回転支持装置 | |
KR20050093791A (ko) | 센서를 구비하는 구름 베어링 유닛 | |
KR20050088143A (ko) | 센서가 부착된 허브 유닛 | |
JP2006292489A (ja) | センサ装置およびセンサ付き転がり軸受装置 | |
JP4363103B2 (ja) | センサ付きハブユニット | |
JP4887754B2 (ja) | センサ付き転がり軸受装置 | |
JP4957390B2 (ja) | 物理量測定装置付転がり軸受ユニットの製造方法 | |
JP4779544B2 (ja) | 空気圧異常判定装置 | |
JP4269669B2 (ja) | 転がり軸受ユニット用荷重測定装置 | |
JP4239758B2 (ja) | センサ付きハブユニット | |
JP2008128812A (ja) | センサ付き転がり軸受装置 | |
JP5092393B2 (ja) | 転がり軸受ユニットの状態量測定装置の組立方法 | |
JP2007057342A (ja) | 荷重測定装置付転がり軸受ユニット | |
JP4182763B2 (ja) | センサ付きハブユニット | |
JP3988702B2 (ja) | センサ付きハブユニット | |
JP2006112595A (ja) | 転がり軸受ユニット | |
JP2006057818A (ja) | センサ付車輪用軸受装置 | |
JP2006144984A (ja) | 転がり軸受ユニット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100112 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100511 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100524 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4525423 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |