JP4524425B2 - セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子並びにその成形体、多孔質セラミックス及びそれらの製造方法 - Google Patents

セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子並びにその成形体、多孔質セラミックス及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シングルナノサイズ(1nm)以上の均一径を有するセラミックスナノ粒子に関するものであり、更に詳しくは、セラミックスナノ粒子、すなわち、シングルナノサイズ(1nm)からサブミクロンサイズ(100nm)までのセラミックス粒子(複合粒子を包含する)を水系において製造するセラミックスナノ粒子の製造方法、そのセラミックスナノ粒子により、サブミクロンサイズ以上の有機樹脂球粒子を被覆したセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法、このセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子を水系湿式成形する方法、こうして得た成形体を焼成するセラミックス多孔質体の製造方法及びこれら製造方法により得られた各製品に関するものである。本発明は、セラミックスナノ粒子の製造方法の技術分野において、成分物質、セラミックスナノ粒子の径、有機樹脂球粒子の径及びセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の被覆層の厚さを調整することにより、セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の粒子径を調整し、その均一性を高め、セラミック多孔質体の孔の形状、大きさ、分布、配置、孔間の隔壁の厚さ・強度などを高制御することを可能とするセラミックスナノ粒子の製造方法及びその製品を提供するものである。
多孔質セラミックスは、その物質吸着特性、触媒作用、大きな比表面積、小さい嵩密度(大きな気孔率)、耐熱性、耐食性、耐薬品性、複合の容易さ、形状安定性などが着目されて、触媒あるいはその担体、吸着材あるいはその担体、電極材料、電磁波吸収材、吸音材、生体材料、軽量構造部材などとして、多方面で利用されている。
従来、鋳込成形、遠心成形に代表される、セラミックスの水系による湿式成形は、ポリカルボン酸系アンモニウムイオンに代表される分散剤を用いて、セラミックス粉体を水に分散させることでスラリーを製造し、成形される。しかしながら、粒子径がサブミクロンサイズ以下のセラミックス粒子、特に、ナノサイズのセラミックス粒子は、凝集力が強く、分散剤を添加しても、水系では分散しない。このため、セラミックスのナノ粒子を用いる成形に分散剤を添加して水系で行なう湿式成形などの、一般的なセラミックス成形方法を適用することは不可能である。
また、多孔質セラミックスの製造としては、一般的には、セラミックスの練土、スラリー又は粉の中に、有機物質を混入してから成形し、焼成により有機成分を除去することで、孔を製造する方法、あるいは、成形体を焼成する際に、焼成温度を低くすることで焼結を制御して製造する方法、などがある。しかし、焼成により有機成分を除去する方法の場合、有機物質の添加量で気孔率を調節でるものの、これらの方法では、孔の形状、大きさ、分布、配置及び孔を形成する壁の厚さなどを制御することはできない。
孔の大きさ、配置を制御することができる多孔質セラミックスの製造方法の研究としては、例えば、ポリスチレン樹脂球のコロイド溶液を濾過し粒子を充填した後、セラミックス前駆体のゾルを流し込みゲル化することで成形体を得て、その成形体を焼成することで有機樹脂球を除去して多孔質セラミックスを製造する方法がある(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。しかしながら、その方法は、単に充填したポリスチレンのような有機球の成形体中にゾルを流し込むことから、製造する多孔質体の孔を形成する壁の厚さを制御することができないため、強度の点などで問題がある。また、その方法は、成形方法が濾過方法のみであり、セラミックスの成形方法に適応できないため、大量生産には難点がある。また、加水分解速度の遅いテトラエトキシシランをセラミックス前駆体として用いて、ポリスチレン球の被覆を行い、次いで成形し、焼成することにより多孔質セラミックスを製造する方法が既に報告されている(非特許文献3参照)。
S.H.Park et al.,Adv.Mater.,10(13),1045−1048(1998) B.T.Holland et al.,Science,281,538−540(1998) 堀田裕司外2名,「ポリスチレン球上へのシリカ膜形成とその被覆粒子による多孔体作製」,第41回セラミックス基礎討論会(2003年1月,鹿児島)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、以上で述べた従来技術における問題を解決することを可能とすると共に、多孔質セラミックスの製造方法において、孔の形状、大きさ、分布、配置、孔間の隔壁の厚さなどを高制御することを可能とする新しい技術を開発することを課題として、鋭意研究を積み重ねた結果、セラミックスナノ粒子の粒径及びそれで被覆した有機樹脂球粒子の粒径を調節することにより、多孔質セラミックスの孔の形状、大きさ、分布、配置、孔間の隔壁の厚さなどを高制御することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、セラミックスナノ粒子で有機樹脂球粒子に被覆をしたセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の粒径を、水系で湿式成形するのに適した粒径で均一になるように調節すること及びそれに用いるセラミックスナノ粒子の粒径を調節し、かつその均一性を高めることにより、高制御された新規の多孔質セラミックス、セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体、セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子及びセラミックスナノ粒子並びにそれらの新規な高制御製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、下記の技術的手段から構成される。
(1)セラミックス前駆体を加水分解して水に分散させた分散液を用いてセラミックスナノ粒子を製造する方法において、
セラミックス前駆体の水溶液に、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールを加えてその加水分解速度を調整し製造されるナノ粒子の合成速度を調整することにより、シングルナノサイズ(1nm)以上でサブミクロンサイズ(100nm)以下の均一径で表面電荷を有するセラミックスナノ粒子を製造する工程、及び、上記工程により製造された均一径で表面電荷を有するセラミックスナノ粒子を、粒子径が少なくとも100nmの有機樹脂球粒子表面へ均一に吸着させて被覆し、セラミックスナノ粒子層膜を形成させる工程、からなることを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
)加水分解速度の速いセラミックス前駆体のうちの1種以上に、該セラミックス前駆体と比べて加水分解速度の遅いセラミックス前駆体群のうちの1種以上を併用することで加水分解速度を調整する、前記(1)に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
)均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子をセラミックスナノ粒子層で均一に1回ないし複数回被覆することにより、有機樹脂球粒子表面のセラミックスナノ粒子層膜の膜厚を調整する、前記(1)に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
)セラミックスナノ粒子層膜を形成させる工程の後に、このセラミックスナノ粒子層膜の表面電荷と反対の電荷を有する有機物の層を積層し、更にセラミックスナノ粒子により被覆する工程を1回ないし複数回繰り返して行なうことにより、有機樹脂球粒子表面のセラミックスナノ粒子層膜の膜厚を調整する、前記(1)に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
)セラミックスナノ粒子層膜の表面電荷と反対の電荷を有する有機物がポリアクリル酸である、前記()に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法により製造されたセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子を、水系で湿式成形することを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体の製造方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載の方法により製造されてなることを特徴とする、粒子径が100nm以上の均一径有機樹脂球粒子表面が1〜100nmの均一径を有するセラミックスナノ粒で均一に1回ないし複数回被覆された構造を有する均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子。
)前記()に記載の製造方法により製造されたセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体を、焼成することを特徴とする、均一径多孔質セラミックスの製造方法。
)前記()に記載の方法により製造されてなることを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体。
10)前記()に記載の方法により製造されてなることを特徴とする、均一な大きさの、六角形の孔、あるいは六角形の孔及び九角形の孔を有する均一径多孔質セラミックス。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、セラミックスナノ粒子の合成方法として、セラミックス前駆体のゾルを原料にして、径が均一でシングルナノサイズ(1nm)以上でサブミクロンサイズ(100nm)以下であるセラミックスナノ粒子を高制御して合成し、その合成ナノ粒子を、サブミクロンサイズの径を有する有機樹脂球粒子を含む溶液中に導入し、ナノ粒子と有機樹脂球粒子との表面電荷の違いによって、ナノ粒子による有機樹脂球粒子の被覆反応を行い、更には、被覆層の厚さを調整し、サブミクロンサイズを超える径を有するセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子を高制御して製造することを特徴とするものである。
本明細書において、ナノ粒子は、径がサブミクロンサイズ以下、すなわち100nm以下の粒子であって、本発明のセラミックスナノ粒子は、シングルナノサイズ(1nm)からサブミクロン(100nm)までの径を有するセラミックス粒子である。また、本発明のセラミックスナノ粒子は、水中に存在する場合に、表面電荷を有する。このようなセラミックスナノ粒子は、本発明の方法を実施する際に、水に分散している状態でなければならない。しかしながら、ナノ粒子は、水系では凝集力が大きいため分散できない。そこで、本発明では、用いるセラミックスナノ粒子は、セラミックス前駆体を加水分解してから合成し、水に分散させる。
セラミックスナノ粒子をセラミックス前駆体から合成する際に、例えば、塩系のオキシ塩化ジルコニウム(ZrClO)、アルコキシド系のジルコニウム(IV)プロポキシド(ZrPr)、ジルコニウム(IV)エトキシドなどのような、一般的なセラミックス前駆体は、加水分解速度が速いため、様々な大きさのナノ粒子が合成される。つまり、テトラエトキシシラン(TEOS)のような、ゆっくりと加水分解するセラミックス前駆体は、2nmから5nmの、ほぼ均一なナノ粒子を形成するが、ZrClOのような前駆体は、加水分解速度が速いため、攪拌反応によって、2nmから15nm程度のバラツキのある径を有するナノ粒子が形成される。本発明では、反応速度を調整し、製造されるナノ粒子の径を制御するために、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの物質を添加して、ナノ粒子の形成速度を調整する。
この場合、ナノ粒子合成速度の調整を行わなかったナノ粒子の場合は、粒子径分布があるが、ナノ粒子合成速度の調整を行なったナノ粒子の場合は、粒子径が均一であり、ナノ粒子合成速度の調整により、均一径を有するナノ粒子を提供することができる。また、ナノ粒子の径は、合成時間を調整することで、制御することができる。本発明における、加水分解速度が速いセラミックス前駆体を用いる場合の、ナノ粒子のこのような径の均一化は、塩系又はアルコキシド系のセラミックス前駆体から合成可能なナノ粒子であれば、全てに適応でき、前記ジルコニアナノ粒子の場合に限定するものではなく、例えば、チタニアナノ粒子の前駆体などでも、同様に行なえる。更に、ナノ粒子のこのような合成は、セラミックス前駆体1種単独で合成しても、2種以上のセラミックス前駆体を併用して合成しても良い。つまり、複合ナノ粒子の調製にも、適応可能である。更に、例えば、加水分解の速いセラミックス前駆体と、テトラエトキシシラン(TEOS)のような加水分解速度の遅いセラミックス前駆体とを混合して、セラミックス前駆体の反応速度を調整しても、前述同様な、均一径のナノ粒子が得られる。
また、本発明においては、エチレングリコール又はジエチレングリコールなどの物質を用いることは、水に分散可能な粒子にするために、加水分解させたセラミックス前駆体に架橋させることで、それに表面に水となじむ水酸基を導入することにもなるという特徴がある。このような物質としては、エチレングリコール、ジエチレングリコールに限定するものではなく、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなど、水と馴染む水酸基などの官能基を有するものであれば良い。
本発明では、前記のように調製したセラミックスナノ粒子の分散液を用いて、有機樹脂球粒子に被覆膜を形成することができる。本発明で得られる被覆粒子は、ナノ粒子をサブミクロンサイズ以上の径を有する有機樹脂球表面上に均一に吸着、膜形成させた粒子である。本発明では、有機樹脂球粒子に被覆膜を形成する工程で、セラミックスナノ粒子と有機樹脂球粒子との表面電荷の違いにより、ナノ粒子の有機樹脂球粒子表面への被覆を行うことにも特徴を有する。従って、被覆有機樹脂球粒子を製造するためには、ナノ粒子の表面電荷と反対の表面電荷を有する有機樹脂球粒子を用いるべきである。ただし、表面電荷を利用した被覆膜の形成は、膜厚が最大に成長するところが存在する。また、被覆有機樹脂球粒子が、均一径を有するようにするには、サブミクロンサイズ以上の、均一径である有機樹脂球粒子を用いることにより作製することが好ましい。
前記の被覆膜形成工程によって製造した被覆有機樹脂球粒子は、溶液中で等電点が存在する。そのため、等電点を境界に、低pHでは正の表面電荷、高pHでは負の表面電荷を帯びている。そこで、被覆有機樹脂球粒子表面が正電荷を帯びている場合には、負電荷をもつポリアクリル酸(PAA)などの有機高分子助剤を吸着させ、その表面電荷を負に帯電させることが可能である。この場合に用いる助剤は、ポリアクリル酸に限らず、例えば、負の電荷を有する高分子助剤のように、吸着し、被覆有機樹脂球粒子の表面電荷を反対にすることが可能な物質であれば良い。このように負に帯電させた場合の被覆有機樹脂球粒子は、再び正の表面電荷を帯びているナノ粒子を吸着することになり、この現象を繰り返し起こすことにより、被覆膜の厚さを増加させることが可能である。したがって、本発明において、被覆有機樹脂球粒子における被覆膜の厚さを制御することによって、本発明のセラミックス多孔質材料における孔を形成する壁厚、すなわち、隣り合う孔と孔との間の隔壁の厚さ、を制御することが可能である。
こうして作製された均一径を有するセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子は、多孔質セラミックスを製造するため、型に充填される。粒子を充填する場合、一般に、均一径を有する粒子を用いると、高充填させることにより最密充填が可能である。特に、鋳込、遠心成形の湿式成形では、粒子が、均一径を有し、高分散可能であるならば、成形体に最密充填することができる。従って、本発明で、上述のように作製した、均一径の被覆有機樹脂球粒子は、セラミックスの湿式成形方法である鋳込成形、遠心成形に適応可能で、最密充填の成形体を得ることを可能にする。そして、被覆有機樹脂球粒子を高充填した成形体を得るためには、被覆有機樹脂球粒子として、均一径であるものを用いることが望ましく、更に、均一径である被覆有機粒子は、サブミクロンサイズ以上の、均一径をもつ有機樹脂球粒子を用いれば作製することができる。なお、均一径でない有機樹脂球粒子でも、セラミックスナノ粒子で被覆することができ、成形することができる。つまり、被覆有機樹脂球粒子を高充填した成形体を得るためには、有機樹脂球粒子は、均一径のものを用いることが望ましが、これに限定はされない。
このように、均一径である有機樹脂球粒子をセラミックスナノ粒子で被覆したセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子を用いて製造した成形体から、500℃以上で焼成することで、有機樹脂球粒子を除去することができ、90%以上の気孔率を有し、且つ、孔の形状及び大きさが均一で、高配列の孔を有したセラミックス多孔質材料を提供することができる。均一径である被覆有機粒子を用いて、高配列の孔を有する多孔質セラミックスとした場合に、その断面における孔の形状が、六角形であるものとし得る。
一方、例えば、径が500nm及び1000nmである、2種類のポリスチレン有機樹脂球の、それぞれの表面上にナノ粒子を被覆した、2種類の被覆有機樹脂球粒子を混合し、水系での湿式成形を行った場合は、成形体の一部分を観察すると、直径500nmの被覆粒子の周りに、6個の同径の被覆粒子が接触充填されている部分と、直径1000nmの被覆粒子の周りに、9個の直径500nm被覆粒子が接触充填されている部分が存在する(図1参照)。
上記成形体を焼成すると、9個接触の被覆有機樹脂球粒子部分は、九角形の孔となり、また、6個接触の被覆有機樹脂球粒子部分は、六角形の孔となる。すなわち、本発明は、多孔質セラミックスにおける孔の形状が、成形体に被覆粒子を充填した時点における、被覆粒子同士の接触数によって、制御可能であるという特徴を有する。そして、本発明の孔制御多孔質セラミックスは、従来の多孔質セラミックスと同様に軽量セラミックス、電池材料、ガスフィルター、液フィルター、センサー、触媒材料のような軽量・高気孔率が望まれる材料などとして利用できるというだけではなく、必要とされる比表面積、気孔率、強度などに応じて、孔の形状、大きさ、分布、配置、孔間の隔壁の厚さ・組成などを高制御して製造することが可能である。
本発明は、(1)成形体を焼成することにより、90%以上の高気孔率を有し、孔の形状、大きさ、配列などを高制御したセラミックス多孔質体を製造することができる、(2)均一な大きさの、六角形の孔を有する、高配列のセラミックス多孔質体を製造することができる、(3)孔の形状は、成形体における、被覆有機樹脂球粒子に接触する、周囲の被覆有機樹脂球粒子の接触数に依存して制御できる、(4)隣り合う孔間の壁厚を調整することができる、(5)セラミックスのナノ粒子を用いて、有機樹脂球粒子に被覆し、セラミックスの水系湿式成形をすることが可能であり、成形体の大量生産ができる、(6)鋳込成形、押出成形、遠心成形などの一般的なセラミックス成形方法を採用することができるので、微小材料から大型材料まで製造可能である、(7)セラミックスナノ粒子として、塩系、アルコキシド系のセラミックス前駆体から合成可能なナノ粒子を用いることができ、1種単独で合成しても良く、2種以上のセラミックス前駆体を併用して合成した複合ナノ粒子でも良い、(8)本発明の多孔質セラミックスは、軽量セラミックス、電池材料、ガスフィルター、液フィルター、センサー、触媒材料のような、軽量・高気孔率が望まれる材料として有効利用できる、という効果を奏する。
次に、本発明を、実施例、参考例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これら実施例などによって何ら限定されるものではない。
(ジルコニアナノ粒子の調製)
セラミックス前駆体として、塩系のオキシ塩化ジルコニウム(ZrClO)又はアルコキシド系のジルコニウム(IV)プロポキシド(ZrPr)を用いる場合は、加水分解速度が速いため、加水分解反応によって生成するナノ粒子径は、均一にならない。そのため、本実施例では、エチレングリコール又はジエチレングリコールの添加によって、架橋反応を起こさせ、加水分解速度を遅くすることで、生成するナノ粒子の径を均一にした。具体的には、ジルコニアセラミックス前駆体としてZrPrを用いた場合では、先ず、ZrClOの0.05M水溶液を調製した。その150mlに、50mlのエチレングリコールを加え、8時間攪拌反応させ、安定なジルコニア−エチレングリコールのゾル溶液を準備した。
次いで、前記ゾル溶液を、アルカリ溶液(NaOH)で、pH5に調整し、16時間攪拌を続けて加水分解反応を進め、ジルコニアナノ粒子を含む溶液を作製した。得られたジルコニアナノ粒子の粒子径は、20nmであった。また、攪拌を続けて加水分解反応を進める時間を、4〜72時間の間で変えて、同様にジルコニアナノ粒子を作製したところ、得られたジルコニアナノ粒子の粒子径は、反応時間に依存して、それが長くなるに連れ、10nmから70nmとなった。また、ジルコニアセラミックス前駆体としてZrClOを用いた場合及びジエチレングリコールを用いて架橋反応を起こさせた場合も、同様にして、ジルコニアナノ粒子を作製することができた。
(ジルコニアナノ粒子1回被覆ポリスチレン樹脂球の調製)
前記の、ジルコニアナノ粒子が含まれている、pH5の溶液においては、ジルコニアナノ粒子の表面は、正の電荷を帯びているので、有機樹脂球粒子として、pH1〜12で表面電荷が負である、均一径で、径が1000nmのポリスチレン樹脂球をジルコニアナノ粒子により被覆した。具体的には、前記ジルコニアナノ粒子(粒子径20nm)が含まれている、pH5の溶液200mlに、前記ポリスチレン有機球を8wt%分散させた分散液5mlを加え、72時間攪拌を続けて、ポリスチレン樹脂球をジルコニアナノ粒子により被覆した。次いで、被覆に使われなかったジルコニアナノ粒子を取り除くために、遠心分離で洗浄した。得られたジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の電子顕微鏡(SEM)写真を、図2に示す。図2から、粒子径が1000nmのポリスチレン樹脂球は、粒子径が1053nmの粒子となっていることが観察された。また、その樹脂球の表面状態は、おおよそ20nm程度のナノ粒子が覆っているものであることが観察され、更に、被覆ポリスチレン樹脂球は、均一径であることが観察された。
(多孔質ジルコニアセラミックスの製造)
上記のジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球を、水に分散させ、湿式成形である遠心成形を行うことによって成形体を得た。その成形体を、500℃で焼成し、ポリスチレン樹脂球を除去して、多孔質ジルコニアセラミックスを得た。こうして得た多孔質ジルコニアセラミックスの電子顕微鏡(SEM)写真を、図3に示す。図3から、得られた多孔質ジルコニアセラミックスでは、成形体における孔の形状は維持され、均一形状、高配列で90%以上の気孔率であることが観察された。
比較例1
本比較例では、実施例1に対し、ジルコニアナノ粒子の調製に際し、エチレングリコールなどによる加水分解速度調整を行なわず、また、ポリスチレン有機球として、均一径で、径が500nmのものを用いた。具体的には、ジルコニアセラミックス前駆体として、ジルコニウム(IV)プロポキシド(ZrPr)を用いた。先ず、水を塩酸水溶液でpH2に調整し、その80mlに、4mlのZrPrを加え、2時間攪拌して加水分解を行い、ジルコニアナノ粒子を製造した。このジルコニアナノ粒子の表面電荷は、pH5以下では、正の電荷を帯びる。得られたジルコニアナノ粒子分散溶液中に、表面がマイナス電荷であり、径が500nmのポリスチレン樹脂球が8wt%分散している分散液5mlを加え、24時間攪拌し、ポリスチレン樹脂球をジルコニアナノ粒子により被覆した。その後、被覆に使われなかったジルコニアナノ粒子を取り除くために、遠心分離を用いて洗浄した。
得られたジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の電子顕微鏡(SEM)写真を、図4に示す。図4から、均一径のポリスチレン樹脂球を用いたのにもかかわらず、明らかにジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の径は均一ではなく、径が525nmから741nmの範囲に分布していることが観察される。また、このことから、被覆膜の厚さも、約13nmから約121nmの範囲に分布し、均一な膜形成がなされていないことが分かる。したがって、本比較例の方法では、均一基体粒子を用いても、ナノ粒子による均一な被覆膜が形成されない。本発明の実施例1で示したように、ナノ粒子の形成速度を調整することによって、均一径の被覆有機粒子を製造することが可能である。
(ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子の調製)
ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子を製造するために、水を塩酸水溶液でpH2に調整し、その160mlに、4mlのテトラエトキシシラン(TEOS)と4mlのジルコニウム(IV)プロポキシド(ZrPr)を加え、24時間攪拌を続け、加水分解反応を行なって、径の均一なジルコニア−シリカ複合ナノ粒子を調製した。この場合、ZrPrの加水分解速度は、TEOSの加水分解速度より速いため、加水分解により生じたZr(OH)4−nにTEOSが反応することで、ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子の形成速度が調整され、径の均一なジルコニア−シリカ複合ナノ粒子が形成されると考えられる。得られたジルコニア−シリカ複合ナノ粒子の径は、10nmであった。
(ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子により被覆されたポリスチレン樹脂球の調製)
前記のように調製した、ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子が分散している溶液150mlに、表面が負電荷である、500nm径のポリスチレン樹脂球を5ml加え、24時間攪拌して、ポリスチレン樹脂球をジルコニア−シリカ複合ナノ粒子により被覆した。その後、被覆に使われなかったジルコニア−シリカ複合ナノ粒子を取り除くために、遠心分離を用いて洗浄した。得られたジルコニア-シリカ複合ナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球を、図5に示す。図5から、前記比較例1の場合の被覆ポリスチレン有機球とは異なり、被覆ポリスチレン樹脂球は、均一径の粒子となっている。その径は560nmで、被覆膜の厚さは30nmであった。
(多孔質ジルコニア-シリカ複合セラミックスの製造)
前記のように調製したジルコニア-シリカ複合ナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球を、水に分散させ、湿式成形の遠心成形法を用いて成形体を得た。その成形体を550℃で焼成することにより、ポリスチレン樹脂球を除去して、多孔質ジルコニア-シリカ複合セラミックスを得た。得られた多孔質ジルコニア-シリカ複合セラミックスの電子顕微鏡(SEM)写真を、図6に示す。図6から、孔の形状、大きさ及びそれを形成する壁厚の揃った多孔質セラミックスであることが分かる。つまり、実施例1と同様に、孔を高制御した多孔質セラミックスを、本発明の製造方法によって提供することができる。
(ジルコニアナノ粒子を2回被覆した被覆ポリスチレン樹脂球の調製)
前記実施例1に対して、調製したジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の被覆厚を厚くするために、先ず、実施例1で調製した、粒子径20nmのジルコニアナノ粒子で被覆したポリスチレン樹脂球を、0.03MNaCl水溶液100mlに加え、攪拌してから、塩酸水溶液を加え、pH4に調整した。pH調整後、4時間攪拌して、ジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球を充分に分散させた。NaCl水溶液を使用した理由は、それにより、塩強度を一定に保ち、粒子表面の電気二重層を一定に保つ効果があるためである。pH4では、ジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の表面は、正の電荷を帯びている。
こうして得られた、ジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の分散溶液100mlに、前記の、pH4に調整した、ポリアクリル酸(PAA)の0.03M水溶液100mlを加え、12時間以上攪拌を行った。ポリアクリル酸は、pH4では、負の電荷をもつ。遠心分離によって3回以上洗浄することで、被覆に使用されなかったPAAを除去した。
PAAを吸着させたジルコニアナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球を、0.03MのNaCl水溶液100mlに分散させ、実施例1で調整した、粒子径20nmのジルコニアナノ粒子の分散液100mlを加え、塩酸水溶液でpH5に調整してから、72時間攪拌を続け、ジルコニアナノ粒子による被覆を行った。被覆に使用されなかったジルコニアナノ粒子を取り除くために、遠心分離で洗浄して、ジルコニアナノ粒子による被覆を2回行なったジルコニアナノ粒子2回被覆ポリスチレン樹脂球を得た。
得られたジルコニアナノ粒子2回被覆ポリスチレン樹脂球の電子顕微鏡(SEM)写真を、図7に示す。図7から、ジルコニアナノ粒子により2回被覆したポリスチレン樹脂球の粒子径は、ジルコニアナノ粒子により1回被覆した場合の1053nmから1105nmに増大した。つまり、2回被覆させた場合に、膜厚は2倍になった。このように、ナノ粒子吸着、PAA吸着、ナノ粒子吸着と、表面電荷の調整を繰り返すことによって、ポリスチレン樹脂球に、多層膜の被覆を行なうことが可能である。また、本発明では、ポリスチレン樹脂球に、同種のナノ粒子による多層膜を被覆させるだけでなく、異種のナノ粒子による異種の層の積層化も可能である。
(多孔性ジルコニアセラミックスの製造)
本実施例で調製した、ジルコニアナノ粒子により2回被覆した被覆ポリスチレン樹脂球を、水に分散させて遠心成形した後、550℃で焼成して、多孔性ジルコニアセラミックスを製造した。このようにして製造した多孔性ジルコニアセラミックスの電子顕微鏡(SEM)写真を、図8に示す。図8から、前記実施例1及び2と同様に、多孔質構造が観察され、本実施例の、2回被覆した被覆ポリスチレン樹脂球を用いた多孔性ジルコニアセラミックスは、孔を形成する壁厚が、実施例1の、1回被覆した被覆ポリスチレン樹脂球粒子を用いた多孔性ジルコニアセラミックスのそれよりも、厚くなっていることが分かった。従って、本発明は、機械的強度を容易に調整可能であり、機械的強度が必要な多孔質の構造材料あるいは機能性材料に応用が可能である。
実施例4
(シリカナノ粒子の調製)
塩酸水溶液でpH2に調整した、エタノールの0.1vol%水溶液80mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)4mlを加え、2時間の加水分解工程により、粒子径が2〜5nm程度のシリカナノ粒子分散液を調製した。このシリカナノ粒子は、等電点が3.6で、それより低いpHでは、正の表面電荷、それより高いpHでは、負の表面電荷を帯びる。
(シリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球の調製)
こうして得られたシリカナノ粒子分散液90mlに、pH1〜12で表面が負の電荷を帯びる、粒子径が500nmのポリスチレン樹脂球又は粒子径が1000nmのポリスチレン樹脂球を8wt%分散している分散液2ml加え、72時間撹拌し、両ポリスチレン樹脂球にシリカナノ粒子による被覆を行なった。その後、遠心分離によって3回洗浄を行い、被覆に使用されなかったシリカナノ粒子を取り除いて、2種類のシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子を調製した。
(多孔質シリカセラミックスの製造)
用いたポリスチレン樹脂球の径が500nmと1000nmである、前記2種類のシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子を水に分散後、湿式成形の一つである遠心成形を行い、成形体を得た。得られた成形体の電子顕微鏡(SEM)写真を、図9に示す。図9から、混合成形では、一部分に、1000nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子のまわりに、500nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子9個が接していることが分かる。こうして得た成形体を焼成した多孔質シリカセラミックスの電子顕微鏡(SEM)写真を、図10に示す。図10から、1000nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子が、500nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子9個と接していた9接点部分は、九角形の孔となり、500nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子が、500nm径のポリスチレン樹脂球を用いたシリカナノ粒子被覆ポリスチレン樹脂球粒子6個と接していた6接点部分は、六角形の孔となったことが分かる。従って、本発明によって提供される多孔質セラミックスの孔形状は、本発明によって調製されたナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の、成形後の接点数で決定する。
以上説明したように、本発明は、セラミックスナノ粒子の水系湿式成形と高制御多孔質セラミックスの製造方法に係るものであり、本発明のセラミックスナノ粒子は、表面電荷の違いによって、サブミクロンサイズ以上の有機樹脂球表面上に被覆することができ、その被覆粒子を、従来のセラミックス成形方法に適用することができ、水系の湿式成形によるナノ粒子成形も可能である。本発明の被覆粒子を用いることにより、孔を高制御させたセラミックス多孔質体を製造することができる。被覆粒子の被覆膜厚の調整が可能であることから、機械的強度を容易に調整することが可能で、多孔質構造セラミックス材料あるいは機械的強度が必要な機能性セラミック材料としての応用が可能である。複合ナノ粒子の使用も可能であることから、バルク体の比表面積が必要な電池材料分野などにも利用が可能である。本発明の多孔質セラミックスは、高気孔率で、孔の形状、大きさ、配列などが高制御されたものであり、本発明の多孔質セラミックスは、高気孔率・軽量が望まれる、軽量セラミックス、ガスフィルター、液フィルター、センサー、触媒材料などとして利用でき、多孔質セラミックスの製造、利用分野において、有用である。
(a)均一径粒子同士が接触している場合、(b)倍の径の粒子周囲に均一径粒子が接触している場合、の被覆粒子モデルを示している図である。 ジルコニアナノ粒子で1回被覆したポリスチレン樹脂球粒子のSEM写真を示している図である。 ジルコニアナノ粒子で1回被覆したポリスチレン樹脂球粒子を湿式成形後、焼成することによって得られた多孔質ジルコニアセラミックスのSEM写真を示している図である。 ジルコニア(IV)プロポキシドをpH2で加水分解することによって製造したジルコニアナノ粒子で被覆したポリスチレン樹脂球粒子のSEM写真を示している図である。 ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子で被覆したポリスチレン樹脂球粒子のSEM写真を示している図である。 図5の、ジルコニア−シリカ複合ナノ粒子で被覆したポリスチレン樹脂球粒子を湿式成形後、焼成することによって得られた多孔質ジルコニア−シリカ複合セラミックスのSEM写真を示す図である。 ジルコニアナノ粒子で2回被覆したポリスチレン樹脂粒子のSEM写真を示す図である。 ジルコニアナノ粒子で2回被覆したポリスチレン樹脂球粒子を湿式成形後、焼成することによって得られた多孔質セラミックスのSEM写真を示す図である。 500nm及び1000nmのポリスチレン樹脂球粒子表面上のそれぞれに、シリカナノ粒子で被覆したポリスチレン樹脂球粒子を混合して湿式成形した成形体のSEM写真を示す図である。 図9の成形体を焼成した多孔質セエラミックスのSEM写真を示す図である。

Claims (10)

  1. セラミックス前駆体を加水分解して水に分散させた分散液を用いてセラミックスナノ粒子を製造する方法において、
    セラミックス前駆体の水溶液に、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールを加えてその加水分解速度を調整し製造されるナノ粒子の合成速度を調整することにより、シングルナノサイズ(1nm)以上でサブミクロンサイズ(100nm)以下の均一径で表面電荷を有するセラミックスナノ粒子を製造する工程、及び、上記工程により製造された均一径で表面電荷を有するセラミックスナノ粒子を、粒子径が少なくとも100nmの有機樹脂球粒子表面へ均一に吸着させて被覆し、セラミックスナノ粒子層膜を形成させる工程、からなることを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
  2. 加水分解速度の速いセラミックス前駆体のうちの1種以上に、該セラミックス前駆体と比べて加水分解速度の遅いセラミックス前駆体群のうちの1種以上を併用することで加水分解速度を調整する、請求項1に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
  3. 均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子をセラミックスナノ粒子層で均一に1回ないし複数回被覆することにより、有機樹脂球粒子表面のセラミックスナノ粒子層膜の膜厚を調整する、請求項1に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
  4. セラミックスナノ粒子層膜を形成させる工程の後に、このセラミックスナノ粒子層膜の表面電荷と反対の電荷を有する有機物の層を積層し、更にセラミックスナノ粒子により被覆する工程を1回ないし複数回繰り返して行なうことにより、有機樹脂球粒子表面のセラミックスナノ粒子層膜の膜厚を調整する、請求項1に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
  5. セラミックスナノ粒子層膜の表面電荷と反対の電荷を有する有機物がポリアクリル酸である、請求項に記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子の製造方法により製造されたセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子を、水系で湿式成形することを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の方法により製造されてなることを特徴とする、粒子径が100nm以上の均一径有機樹脂球粒子表面が1〜100nmの均一径を有するセラミックスナノ粒で均一に1回ないし複数回被覆された構造を有する均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子。
  8. 請求項に記載の製造方法により製造されたセラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体を、焼成することを特徴とする、均一径多孔質セラミックスの製造方法。
  9. 請求項に記載の方法により製造されてなることを特徴とする、均一径セラミックスナノ粒子被覆有機樹脂球粒子成形体。
  10. 請求項に記載の方法により製造されてなることを特徴とする、均一な大きさの、六角形の孔、あるいは六角形の孔及び九角形の孔を有する均一径多孔質セラミックス。
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