JP4524031B2 - 重量物吊上げ材の取外し機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防波堤や護岸の根固めや保護に用いられるテトラポッド((株)テトラの商標名)等の重量物を吊上げるワイヤ、ケーブル、化学繊維系ロープ、チェーン等の重量物吊上げ材を重量物から取外す機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートブロック製のテトラポッドを吊上げるには、図9〜図12に示すように、主ワイヤ1及び巻付ワイヤ4を介して吊上げ装置6により吊上げ、所定の場所に下ろしたときに自動的に巻付ワイヤ4を取外せる機構が知られている。このワイヤ取外し機構では、主ワイヤ1の下端にはロアリング1aが形成され、上端にはアッパリング1bが形成される。また巻付ワイヤ4の基端には基端リング4aが形成され、先端には先端リング4bが形成される。吊上げ装置6はクレーン(図示せず)と、このクレーンのビームの先端から吊下げられたクレーン用フック7と、このクレーン用フック7に係脱用ワイヤ8を介して吊下げられたワイヤ係脱手段9とを有する。ワイヤ係脱手段9は係脱用ワイヤ8の下端に取付けられた支軸9aと、中央が支軸9aに回動可能に保持され基部9c及びフック本体9dからなる係脱フック9bと、この係脱フック9bの基部9cに設けられた重り9eとからなる。
【0003】
また主ワイヤ1のロアリング1aはシャックル5を介して巻付ワイヤ4の基端リング4aに係合し、主ワイヤ1のアッパリング1bはクレーン用フック7に係合し、更に巻付ワイヤ4の先端リング4bは係脱フック9bのフック本体9dに係合可能に構成される。更にワイヤ係脱手段9は係脱フック9bを支軸9aを中心に回転させて重り9eを上昇させかつフック本体9dを下降させた状態で、張力の掛った巻付ワイヤ4の先端リング4bがフック本体9dに係合し、巻付ワイヤ4への張力が解除されたときに、重り9eが下降しかつフック本体9dが上昇する方向に係脱フック9bが支軸9aを中心に自動的に回転し、先端リング4bがフック本体9dの先端から外れて自動的に解放されるように構成される。
【0004】
このように構成されたワイヤ取外し機構を用いて、テトラポッド3を吊上げるには、先ずクレーン用フック7に主ワイヤ1のアッパリング1bを係合し、かつ係脱用ワイヤ8を介してワイヤ係脱手段9を吊下げる。このとき主ワイヤ1のロアリング1aには巻付ワイヤ4の基端リング4aをシャックル5を介して係合させる。この状態でクレーン用フック7がテトラポッド3の上方に位置しかつ巻付ワイヤ4の下部がテトラポッド3近傍の地面に着地するようにクレーンを操作する。次に巻付ワイヤ4をテトラポッド3に巻付け、シャックル5に通した後に、先端リング4bを係脱フック9bのフック本体9dに係合する。このとき巻付ワイヤ4には所定の張力が掛っているので、先端リング4bはフック本体9dに係合した状態に保持される(図9)。この状態でクレーンを操作してクレーン用フック7を上昇させることにより、テトラポッド3を吊上げることができる。
【0005】
テトラポッド3が所定の場所の上方に位置するようにクレーンを操作して、クレーン用フック7を下降させると、テトラポッド3が所定の場所に着地する(図9)。クレーン用フック7を更に下降させて主ワイヤ1及び巻付ワイヤ4を緩めると、係脱フック9bが重り9eの重力により支軸9aを中心に自動的に回転する、即ち重り9eが下降しかつフック本体9dが上昇するので、先端リング4bが自動的にフック本体9dの先端から外れて解放される(図10)。この状態でクレーン用フック7を上昇させて主ワイヤ1を引上げると、巻付ワイヤ4がシャックル5内を抜ける方向に摺動する(図11)。主ワイヤ1を更に引上げると、巻付ワイヤ4がシャックル5から抜けた後に(図12)、巻付ワイヤ4をテトラポッド3から引抜くことができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のワイヤ取外し機構では、巻付ワイヤのテトラポッドからの引抜き距離が長いため、巻付ワイヤの引抜き時間が長くなり、かつクレーン用フックの引上げ高さが高くなる不具合があった。このため、揚程の短いクレーンではテトラポッドから巻付ワイヤを引抜くことができない問題点があった。
また、上記従来のワイヤ取外し機構では、巻付ワイヤが長いため、巻付ワイヤを重量物から引抜くときに巻付ワイヤが突起物等に引っ掛かる確率が高くなり、巻付ワイヤをテトラポッドから引抜くときの摩擦抵抗が大きくなる。このため、巻付ワイヤが損傷し易い問題点もあった。
更に、上記従来のワイヤ取外し機構では、交換頻度の高い巻付ワイヤが長いため、巻付ワイヤの単価が高く、メンテナンス費用が増大する問題点もあった。
【0007】
本発明の第1の目的は、巻付吊上げ材の重量物からの引抜き距離を短くすることができ、これにより巻付吊上げ材の引抜き時間を短縮できるとともに、揚程の短い吊上げ装置でも重量物から巻付吊上げ材を引抜くことができる、重量物吊上げ材の取外し機構を提供することにある。
本発明の第2の目的は、巻付吊上げ材の全長を短くすることにより巻付吊上げ材を重量物から引抜くときに巻付吊上げ材が突起物等に引っ掛かる確率を低減することができ、これにより巻付吊上げ材の損傷を少なくすることができる、重量物吊上げ材の取外し機構を提供することにある。
本発明の第3の目的は、交換頻度の高い巻付吊上げ材の全長を短くすることができ、これによりメンテナンス費用を低減できる、重量物吊上げ材の取外し機構を提供することにある。
本発明の第4の目的は、重量物を吊上げるときにこの重量物に巻付けた巻付吊上げ材の先端リングをレバーに速やかに遊嵌できる、重量物吊上げ材の取外し機構を提供することにある。
本発明の第5の目的は、第2吊上げ材、レバー及びレバー用リングを個々に交換することができる、重量物吊上げ材の取外し機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、両端に基端リング14a及び先端リング14bが形成され重量物13に巻付けられる巻付吊上げ材14と、下端に第1ロアリング11aが形成され上端に第1アッパリング11bが形成され第1ロアリング11aが基端リング14aに係合し第1アッパリング11bが吊上げ装置16に係合する第1吊上げ材11と、下端に第2ロアリング12aが形成され上端に第2アッパリング12bが形成され第2ロアリング12aがレバー23を介して第1ロアリング11aに係合する第2吊上げ材12と、吊上げ装置16に設けられ張力の掛った第2吊上げ材12の第2アッパリング12bが係合し第2吊上げ材12への張力が解除されたときに第2アッパリング12bを自動的に解放する吊上げ材係脱手段19とを備えた重量物吊上げ材の取外し機構であって、レバー23に先端リング14bが遊嵌されたことを特徴とする重量物吊上げ材の取外し機構である。
【0009】
この請求項1に記載された重量物吊上げ材の取外し機構では、重量物13を吊上げ装置16及び各吊上げ材11,12,14を用いて吊上げ所定の場所に下ろした後に、第1及び第2吊上げ材11,12を緩めると、第2吊上げ材12の第2アッパリング12bが吊上げ材係脱手段19から自動的に解放される。この状態で吊上げ装置16により第1吊上げ材11を引上げると、第2吊上げ材12が巻付吊上げ材14の先端リング14b内を抜ける方向に摺動し、第1吊上げ材11を更に引上げると、第2吊上げ材12が巻付吊上げ材14の先端リング14bから抜けた後に、巻付吊上げ材14が重量物13から引抜かれる。この結果、巻付吊上げ材14の重量物13からの引抜き距離を短くすることができるとともに、巻付吊上げ材14の全長を短くすることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1に示すように、第1吊上げ材11の第1ロアリング11aにレバー用フック24が取付けられ、レバー23の一端23aにレバー用リング26が取付けられ、レバー用リング26がレバー用フック24に離脱可能に係止するように構成されたことを特徴とする。
この請求項2に記載された重量物吊上げ材の取外し機構では、重量物13に巻付けた巻付吊上げ材14の先端リング14bをレバー用リング26側からレバー23に遊嵌した後に、レバー用リング26をレバー用フック24に係止し、更に第2吊上げ材12の第2アッパリング12bを吊上げ材係脱手段19に係合するという、比較的簡単な作業で重量物13の吊上げ作業を開始できる。このとき巻付吊上げ材14の先端リング14bをレバー用リング26側からレバー23に遊嵌することにより、巻付吊上げ材14の先端リング14bをレバー23に速やかに遊嵌できる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図5〜図7に示すように、レバー用リング26がレバー23の一端23aに取外し可能に取付けられ、第2吊上げ材12の第2ロアリング12aがレバー23の他端23bに取外し可能に取付けられたことを特徴とする。
この請求項3に記載された重量物吊上げ材の取外し機構では、第2吊上げ材12の第2ロアリング12a及びレバー用リング26をレバー23からそれぞれ取外すことができるので、第2吊上げ材12、レバー23及びレバー用リング26を個々に交換することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施の形態では重量物13は中心から四方に脚13aが突出するコンクリートブロック製のテトラポッド((株)テトラの商標名)である。このテトラポッド13には巻付ワイヤ14が巻付けられ、この巻付ワイヤ14は第1及び第2ワイヤ11,12を介して吊上げ装置16により吊上げられるように構成される。巻付ワイヤ14の基端には基端リング14aが形成され、先端には先端リング14bが形成される。また第1ワイヤ11の下端には第1ロアリング11aが形成され、上端には第1アッパリング11bが形成される。更に第2ワイヤ12の下端には第2ロアリング12aが形成され、上端には第2アッパリング12bが形成される。
【0013】
吊上げ装置16はクレーン(図示せず)と、このクレーンのビームの先端から吊下げられたクレーン用フック17と、このクレーン用フック17に係脱用ワイヤ18を介して吊下げられたワイヤ係脱手段19とを有する。ワイヤ係脱手段19は係脱用ワイヤ18の下端に取付けられた支軸19aと、中央が支軸19aに回動可能に保持され基部19c及びフック本体19dからなる係脱フック19bと、この係脱フック19bの基部19cに設けられた重り19eとにより構成される。
【0014】
第1ワイヤ11の第1ロアリング11aは巻付ワイヤ14の基端リング14aに係合し、第1ワイヤ11の第1アッパリング11bはクレーン用フック17に係合する。上記第1ロアリング11aと基端リング14aとの間には第1シャックル21が介装される。また第2ワイヤ12の第2ロアリング12aはレバー23を介して第1ワイヤ11の第1ロアリング11aに係合し、第2ワイヤ12の第2アッパリング12bは係脱フック19bのフック本体19dに係合し、更にレバー23には巻付ワイヤ14の先端リング14bが遊嵌される。第1ロアリング11aには第2シャックル22を介してレバー用フック24が取付けられ、レバー23の一端23aにはレバー用リング26が取付けられる。レバー用リング26はレバー用フック24に離脱可能に係止するように構成される。
【0015】
巻付ワイヤ14の長さはこのワイヤ14をテトラポッド13に巻付けたときに1周する長さに又はそれよりも僅かに長く設定される(図1及び図2)。また第2ワイヤ12の長さはこの実施の形態では、第1ワイヤ11の下端に第2ワイヤ12(第2シャックル22、レバー用フック24、レバー用リング26及びレバー23を含む。)及び巻付ワイヤ14(第1シャックル21を含む。)を吊下げた状態で、第2ワイヤ12の下端の方が巻付ワイヤ14の下端より上方に位置するように設定される。これは巻付ワイヤ14をテトラポッド13から引抜くときに先端リング14bに遊挿されている第2ワイヤ12が先端リング14bから抜ける前にテトラポッド13の下に潜り込むのを阻止するためである。なお、巻付ワイヤ14をテトラポッド13から引抜くときに先端リング14bに遊挿されている第2ワイヤ12が先端リング14bから抜ける前にテトラポッド13の下方に潜り込むのを阻止できれば、 第1ワイヤ11の下端に第2ワイヤ12(第2シャックル22、レバー用フック24、レバー用リング26及びレバー23を含む。)及び巻付ワイヤ14(第1シャックル21を含む。)を吊下げた状態で、第2ワイヤ12の下端が巻付ワイヤ14の下端とほぼ同一レベル(ほぼ同一高さ)になるように第2ワイヤ12の長さを設定してもよい。
【0016】
上記レバー23は図5〜図7に示すように略く字状に屈曲して形成され、レバー23の他端23bは一端23aより厚く形成される。レバー23の他端23b近傍にはテーパ部23cが設けられ、このテーパ部23cによりレバー23はその中央から他端23bに向って次第に厚くなるように形成される。レバー23の一端にはレバー用リング26を挿入可能な第1凹溝23dと、第1ボルト31aを挿通可能な一対の第1通孔23e,23eが形成される。またレバー23の他端23bには第2ワイヤ12の第2ロアリング12aを挿入可能な第2凹溝23fと、第2ボルト32aを挿通可能な一対の第2通孔23g,23gと、第2ボルト32aの頭部を挿入可能なボルト挿入穴23hと、第2ナット32bを挿入可能なナット挿入凹部23iとが形成される。
【0017】
第1凹溝23dにレバー用リング26を挿入した状態で一対の第1通孔23e,23eに第1ボルト31aを挿通してその先端に第1ナット31bを螺合することにより、レバー用リング26がレバー23の一端23aに取外し可能に取付けられる。また第2凹溝23fに第2ワイヤ12の第2ロアリング12aを挿入した状態で一対の第2通孔23g,23gに第2ボルト32aを挿通してその先端に第2ナット32bを螺合することにより、第2ロアリング12aがレバー23の他端23bに取外し可能に取付けられる。なお、第2ボルト32aの頭部はボルト挿入穴23hに没入し、第2ナット32bはナット挿入凹部23iに没入するため、レバー23に遊嵌された巻付ワイヤ14の先端リング14bがレバー23から第2ワイヤ12に移動するときに、先端リング14bが第2ボルト32aの頭部や第2ナット32bに引っ掛かることを阻止できるようになっている。
【0018】
図1に戻って、ワイヤ係脱手段19は係脱フック19bを支軸19aを中心に回転させて重り19eを上昇させかつフック本体19dを下降させた状態で、張力の掛った第2ワイヤ12の第2アッパリング12bがフック本体19dに係合可能に構成され、かつこの係合状態が保持されるように構成される。またワイヤ係脱手段19は第2ワイヤ12への張力が解除されたときに、重り19eが下降しかつフック本体19dが上昇する方向に係脱フック19bが支軸19aを中心に自動的に回転し、第2アッパリング12bがフック本体19dの先端から外れて自動的に解放されるように構成される。
【0019】
このように構成されたワイヤの取外し機構の動作を図1〜図4に基づいて説明する。
テトラポッド13を吊上げるには、先ずクレーン用フック17に第1ワイヤ11の第1アッパリング11bを係合し、かつ係脱用ワイヤ18を介してワイヤ係脱手段19を吊下げる。このとき第1ワイヤ11の第1ロアリング11aには巻付ワイヤ14の基端リング14aを第1シャックル21を介して係合させる。この状態でクレーン用フック17がテトラポッド13の上方に位置しかつ巻付ワイヤ14がテトラポッド13近傍の地面に着地するようにクレーンを操作する。次に巻付ワイヤ14をテトラポッド13に巻付け、第2ワイヤ12の第2ロアリング12aにレバー23を介して取付けられたレバー用リング26を巻付ワイヤ14の先端リング14bに遊挿した後に、第1ワイヤ11の第1ロアリング11aに第2シャックル22を介して取付けられたレバー用フック24に係合する。このとき先端リング14bはレバー23に遊嵌された状態に保持される。更に第2ワイヤ12の第2アッパリング12bを係脱フック19bのフック本体19dに係合する。このとき第2ワイヤ12には所定の張力が掛っているので、第2アッパリング12bはフック本体19dに係合した状態に保持される(図1)。この状態でクレーンを操作してクレーン用フック17を上昇させることにより、テトラポッド13を吊上げることができる。このように比較的簡単な作業でテトラポッド13を吊上げるための準備は完了し、テトラポッド13の吊上げ作業を開始できる。
【0020】
クレーンを操作し、テトラポッド13を吊上げ所定の場所の上方に位置させて、クレーン用フック17を下降させると、テトラポッド13が所定の場所に着地する(図1)。クレーン用フック17を更に下降させて第1及び第2ワイヤ11,12を緩めると、係脱フック19bが重り19eの重力により支軸19aを中心に自動的に回転する、即ち重り19eが下降しかつフック本体19dが上昇するので、第2アッパリング12bが自動的にフック本体19dの先端から外れて解放される(図2)。この状態でクレーン用フック17を上昇させて第1ワイヤ11を引上げると、第2ワイヤ12が巻付ワイヤ14の先端リング14b内を抜ける方向に摺動する(図3)。第1ワイヤ11を更に引上げると、第2ワイヤ12が巻付ワイヤ14の先端リング14bから抜けた後に(図4)、巻付ワイヤ14がテトラポッド13から引抜かれる。
【0021】
この結果、巻付ワイヤ14のテトラポッド13からの引抜き距離を短くすることができるので、巻付ワイヤ14の引抜き時間を短縮できるとともに、揚程の短いクレーンでもテトラポッド13から巻付ワイヤ14を引抜くことができる。また巻付ワイヤ14を短くすることができるので、巻付ワイヤ14がテトラポッド13と地面との間の突起物に引っ掛かる確率が少なくなり、巻付ワイヤ14をテトラポッド13から引抜くときの摩擦抵抗が低減され、これにより巻付ワイヤ14の損傷を少なくすることができる。一方、交換頻度の高い巻付ワイヤ14の全長を短くすることができるので、巻付ワイヤ14の単価が安くなり、これによりメンテナンス費用を低減することができる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、吊上げ材としてワイヤを挙げたが、ケーブル、化学繊維系ロープ、チェーン又はその他の吊上げ材を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、第1ワイヤの第1アッパリングをクレーンのフックに係合したが、第1ワイヤの第1アッパリングをワイヤ係脱手段の支軸に係合してもよい。
また、上記実施の形態では、重量物としてコンクリートブロック製のテトラポッドを挙げたが、立方体状又は直方体状のコンクリートブロック、魚礁、ケーソン(潜函)、金属製若しくはコンクリート製の構造物、又はその他の重量物でもよい。ここで、重量物には大型の重量物の他に小型の重量物も含まれる。
また、上記実施の形態では、吊上げ装置により1個のテトラポッドを吊上げたが、2個又は3個以上のテトラポッド等の重量物を同時に吊上げてもよい。
【0023】
また、上記実施の形態では、比較的小型のテトラポッドを巻付ワイヤ、第1及び第2ワイヤを1本ずつ用いて吊上げたが(いわゆる斜吊り)、数十トンにも及ぶ極めて重いテトラポッド等の重量物を吊上げる場合には、巻付ワイヤ、第1及び第2ワイヤをそれぞれ同数の複数本ずつ(例えば、2本ずつ、4本ずつ、6本ずつ)用いて吊上げてもよい(いわゆる蝶々吊りなど)。
また、上記実施の形態では、レバーの一端をレバー用リング及びレバー用フックを介して第2シャックルに取付けたが、図8に示すように、レバー23の一端を直接第2シャックル22に取付けてもよい。
【0024】
更に、上記実施の形態では、ワイヤ係脱手段として、係脱用ワイヤの下端に取付けられた支軸と、中央が支軸に支持され基部とフック本体からなる係脱フックと、この係脱フックの基部に設けられた重りとにより構成されたものを挙げたが、特開平2000−153986号公報や特開平7−25578号公報に示される装置を用いてもよい。
前者(特開平2000−153986号公報に示される装置)は第1ワイヤの第1アッパリングがベースに係合しかつ第2ワイヤの第2アッパリングがマストに嵌入され、マストに上下動可能に設けられたスライダの上端が無荷重状態でスライダ用弾性体により少なくともマストの上端に一致するように押上げられ、スライダ下降手段がスライダを下降させ、ロック手段が下降状態でスライダを固定し、更にロック解除手段がスライダの固定を解除するように構成された重量物吊上げ材の取外し装置である。この装置では、ベース内に上下動可能に挿入されたセンサロッドがスライダに緊張材を介して連絡し、ベースに枢着されたハンドルの先端がセンサロッドに係止しかつ基端にベース外方に位置する操作部が設けられる。また上記ハンドルの操作時にセンサロッドが上昇することによりスライダが下降するように構成される。
【0025】
後者(特開平7−25578号公報に示される装置)はベースとクレーンのフックとの間に上部ワイヤが設けられ、第1ワイヤの第1アッパリングがベースに取付けられ、第2ワイヤの第2アッパリングがベースに立設されたマストに嵌入された重量物吊上げ材の取外し装置である。この装置では、マストに摺動可能に嵌入されたスライダが無荷重状態で第1弾性体によりその上端が少なくともマストの上端に一致するように押上げられ、スライダ下降手段が第1弾性体の弾性力に打勝ってスライダを下降させるように構成される。またロック手段がスライダの下降した状態でスライダ下降手段を一時的に固定し、ロック解除手段がロック手段を解除するように構成される。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、第1吊上げ材の第1ロアリングが巻付吊上げ材の基端リングに係合し、第1アッパリングが吊上げ装置に係合し、第2吊上げ材の第2ロアリングがレバーを介して第1ロアリングに係合し、張力の掛った第2吊上げ材の第2アッパリングが係合する吊上げ材係脱手段が第2吊上げ材への張力が解除されたときに第2アッパリングを自動的に解放し、更にレバーに先端リングを遊嵌したので、重量物を所定の場所に下ろして第1及び第2吊上げ材を緩めると、第2吊上げ材の第2アッパリングが吊上げ材係脱手段から自動的に解放され、この状態で吊上げ装置により第1吊上げ材を引上げると、第2吊上げ材が巻付吊上げ材の先端リングから抜けた後に、巻付吊上げ材が重量物から引抜かれる。この結果、巻付吊上げ材の重量物からの引抜き距離を短くすることができるので、巻付吊上げ材の引抜き時間を短縮できるとともに、揚程の短い吊上げ装置でも重量物から巻付吊上げ材を引抜くことができる。
また巻付吊上げ材の全長を短くすることにより巻付吊上げ材を重量物から引抜くときに巻付吊上げ材が突起物等に引っ掛かる確率を低減することができるので、巻付吊上げ材の損傷を少なくすることができる。一方、交換頻度の高い巻付吊上げ材の全長を短くすることで、メンテナンス費用を低減することができる。
【0027】
また第1吊上げ材の第1ロアリングにレバー用フックを取付け、レバーの一端にレバー用リングを取付け、レバー用リングがレバー用フックに離脱可能に係止するように構成すれば、重量物に巻付けた巻付吊上げ材の先端リングをレバー用リング側からレバーに遊嵌することにより、上記先端リングをレバーに速やかに遊嵌できる。
更にレバー用リングをレバーの一端に取外し可能に取付け、第2吊上げ材の第2ロアリングをレバーの他端に取外し可能に取付ければ、第2吊上げ材の第2ロアリング及びレバー用リングをレバーからそれぞれ取外すことができるので、第2吊上げ材、レバー及びレバー用リングを個々に交換することができ、メンテナンス費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のテトラポッドを吊上げ装置及び各ワイヤを用いて吊上げる直前及び所定の場所に下ろした直後の状態を示す正面図。
【図2】第1及び第2ワイヤを緩めて第2ワイヤの第2アッパリングがワイヤ係脱手段から外れた状態を示す図1に対応する正面図。
【図3】吊上げ装置により第1ワイヤを引上げて、第2ワイヤが巻付ワイヤの先端リング内を抜ける方向に摺動している状態を示す図1に対応する正面図。
【図4】吊上げ装置により第1ワイヤを更に引上げて、第2ワイヤが巻付ワイヤの先端リングから抜けた状態を示す図1に対応する正面図。
【図5】レバー及びその周辺のワイヤを示す要部拡大図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】図5のB−B線断面図。
【図8】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する正面図。
【図9】従来例のテトラポッドを吊上げ装置及び各ワイヤを用いて吊上げる直前及び所定の場所に下ろした直後の状態を示す正面図。
【図10】主ワイヤ及び巻付ワイヤを緩めて巻付ワイヤの巻付用アッパリングがワイヤ係脱手段から外れた状態を示す図9に対応する正面図。
【図11】吊上げ装置により主ワイヤを引上げて、巻付ワイヤがシャックル内を抜ける方向に摺動している状態を示す図9に対応する正面図。
【図12】吊上げ装置により主ワイヤを更に引上げて、巻付ワイヤがシャックルから抜けた状態を示す図9に対応する正面図。
【符号の説明】
11 第1ワイヤ(第1吊上げ材)
11a 第1ロアリング
11b 第1アッパリング
12 第2ワイヤ(第2吊上げ材)
12a 第2ロアリング
12b 第2アッパリング
13 テトラポッド(重量物)
14 巻付ワイヤ(巻付吊上げ材)
14a 基端リング
14b 先端リング
16 吊上げ装置
19 ワイヤ係脱手段(吊上げ材係脱手段)
23 レバー
23a レバーの一端
23b レバーの他端
24 レバー用フック
26 レバー用リング

Claims (3)

  1. 両端に基端リング(14a)及び先端リング(14b)が形成され重量物(13)に巻付けられる巻付吊上げ材(14)と、
    下端に第1ロアリング(11a)が形成され上端に第1アッパリング(11b)が形成され前記第1ロアリング(11a)が前記基端リング(14a)に係合し前記第1アッパリング(11b)が吊上げ装置(16)に係合する第1吊上げ材(11)と、
    下端に第2ロアリング(12a)が形成され上端に第2アッパリング(12b)が形成され前記第2ロアリング(12a)がレバー(23)を介して前記第1ロアリング(11a)に係合する第2吊上げ材(12)と、
    前記吊上げ装置(16)に設けられ張力の掛った前記第2吊上げ材(12)の第2アッパリング(12b)が係合し前記第2吊上げ材(12)への張力が解除されたときに前記第2アッパリング(12b)を自動的に解放する吊上げ材係脱手段(19)と
    を備えた重量物吊上げ材の取外し機構であって、
    前記レバー(23)に前記先端リング(14b)が遊嵌されたことを特徴とする重量物吊上げ材の取外し機構。
  2. 第1吊上げ材(11)の第1ロアリング(11a)にレバー用フック(24)が取付けられ、
    レバー(23)の一端(23a)にレバー用リング(26)が取付けられ、
    前記レバー用リング(26)が前記レバー用フック(24)に離脱可能に係止するように構成された請求項1記載の重量物吊上げ材の取外し機構。
  3. レバー用リング(26)がレバー(23)の一端(23a)に取外し可能に取付けられ、第2吊上げ材(12)の第2ロアリング(12a)が前記レバー(23)の他端(23b)に取外し可能に取付けられた請求項1又は2記載の重量物吊上げ材の取外し機構。
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