JP4523763B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン系樹脂に関し、より詳細には、接着剤、シーラント、塗料等の用途に好適な、特にプラスチックとの接着性、湿潤面への接着性に優れたシリコーン系樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン反応性基がアルコキシシリル基であって、主鎖がポリエーテル構造であるシリコーン系樹脂は、変成シリコーン樹脂と呼ばれ、シーラント、接着剤、塗料等のベースポリマーとして広く用いられている。この変成シリコーン樹脂は、シリコーン反応性基であるアルコキシシリル基が大気中の水分で加水分解し架橋する、いわゆる湿気硬化型ポリマーである。この変成シリコーン樹脂は、1液硬化型シーラント、接着剤、塗料等として工業的に利用することが多いため深部硬化性が要求され、そのため、主鎖に親水性を備えたポリエーテル構造を与えている。
【0003】
この変成シリコーン樹脂は、通常、特開昭52−73998号公報に記載されているように、ポリエーテルポリオールの水酸基を一旦アリル化した後、このアリル化末端ポリエーテルにヒドロキシメチルジクロロシラン、ヒドロキシトリクロロシランのようなシリル化剤を付加させ、更にアルコールによりアルコキシ化反応を行い製造される。しかし、これらの製造工程は複雑で、製造に長時間を要する難点がある。これらの工程により製造された変成シリコーン樹脂は広く市販されているが、このポリマーは主鎖のポリエーテル構造がポリオキシプロピレンに限られており、湿潤面への接着性は良好ではない。
【0004】
又、深部硬化性を与えるために主鎖にポリエーテル構造を付与することにより、その構造に由来して接着性が乏しいことが大きな難点になっている。そのため、変成シリコーン樹脂にアクリル樹脂を配合する等して、その接着性を改良する提案が数多くなされている。例えば、特開昭63−112642号公報に記載されているようにアクリルポリマーを配合する技術、特開平9−255874号公報に記載されているように特殊なアクリロイル基含有化合物を配合する技術等が知られている。これらの技術では、全体的な接着性は改良されるが、深部硬化性は低下する難点を生じる。更に、その主鎖が依然として接着性に乏しいポリエーテル構造であるために、プラスチック等の難接着といわれる材料に対する接着性が本質的に改良される水準に至っていない。
【0005】
従って、変成シリコーン樹脂のように深部硬化性が良好な特性を維持し、難接着材料であるプラスチック等に本質的に優れた接着性と高い接着強さを示し、なおかつ湿潤面への接着に優れた液状ポリマーが合成できれば、これらポリマーの狙いである環境に優しい無溶剤タイプの接着剤等の品質・性能への信頼性が飛躍的に向上し、産業上の有用性は格段に向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シリコーン反応性基がアルコキシシリル基であって、主鎖構造がポリエーテルであるシリコーン系樹脂において、難接着材料であるプラスチック等に優れた接着性と高い接着強さを示し、更に湿潤面への接着性にも優れたシリコーン系樹脂を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
元来、アクリルガラス等のアクリル樹脂は接着の難しい素材であることで知られているが、本発明の命題は、この素材に対して優れた接着強さと共に、優れた接着性(接着層の破壊状態が凝集破壊となること)を発現させる処方を見いだすことである。この命題を解決するため、本発明者らはあらゆる角度から多面的に研究を重ねた。
【0008】
その結果、末端に加水分解性珪素官能基を有し、主鎖ポリエーテル構造中のオキシエチレンを除くポリオキシアルキレンからなるポリエーテル構造にポリオキシエチレン構造を導入したポリマーに、シリコーン系樹脂の硬化剤を添加し、アクリル樹脂に塗布したところ、その硬化物は密着性が非常に良く、爪でこすった程度では剥離しないことを見出だした。ポリオキシエチレンもポリオキシアルキレン同様にポリエーテル構造であり、接着性の乏しいことが知られているにも関わらず、接着試験を行ったところ、接着強さに優れ、かつ破壊状態が理想とする接着剤層の凝集破壊を示すことが認められた。ポリオキシエチレンはポリエーテル構造の中でも親水性が最も高いことから、疎水性のアクリル樹脂への親和性が最も乏しいと予想されるが、実験事実は、この構造を組み入れることで、接着性が飛躍的に改善されたことは驚くべきことである。しかも、このような事実は未知のことであった。
【0009】
又、従来の変成シリコーン樹脂は、湿潤面に対しては優れた接着性能を示さない。そこで、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー系接着剤において、主鎖中に親水性のポリオキシエチレン構造を導入することで、湿潤面への接着性の改良が計られていることを参考に、湿潤面への接着性の検討を行った。その結果、湿潤面への接着性が改良されることのみならず、アクリル樹脂等のプラスチックへの接着性が良好になることが認められた。
【0010】
そこで、このポリエーテル構造に着目し、本質的に主鎖構造がオキシエチレンを除くポリオキシアルキレン構造を有するポリエーテル単位とポリオキシエチレン単位の比率について検討したところ、ポリエーテル構造中に少なくともポリオキシエチレン単位を存在させることにより、プラスチック材料、特にアクリル樹脂材料に対して本発明に示す性能を示すことを確認した。更に、主鎖構造がポリエーテルでアルコキシシリル基と主鎖との結合が炭化水素基を介してなされている変成シリコーン樹脂の領域でも、この技術手段によりプラスチック材料への接着性が充分改良できることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、末端にアルコキシシリル基を有し、オキシプロピレンの繰り返し単位とオキシエチレンの繰り返し単位とを含む主鎖構造からなるポリエーテルを主体とするシリコーン系樹脂であって、該オキシエチレンの繰り返し単位が両繰り返し単位の2.5〜80重量%であり、該アルコキシシリル基と上記主鎖構造は炭化水素基を介して結合していることを特徴とするシリコーン系樹脂(以下、このシリコーン系樹脂をシリコーン系樹脂Zという。)、炭酸カルシウム、ビニルアルコキシシラン、アミノシラン、有機錫を含むアクリル樹脂材料へ適用するための接着剤組成物を要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコーン系樹脂は、末端にアルコキシシリル基を有し、オキシプロピレンの繰り返し単位とオキシエチレンの繰り返し単位とを含む主鎖構造からなるポリエーテルを主体とするシリコーン系樹脂であって、該オキシエチレンの繰り返し単位が両繰り返し単位の2.5〜80重量%であり、該アルコキシシリル基と上記主鎖構造は炭化水素基を介して結合している構成からなることを特徴とする。
【0013】
上記該オキシプロピレンの繰り返し単位とオキシエチレンの繰り返し単位とを含む構成からなるシリコーン系樹脂においては、該オキシプロピレンの繰り返し単位と該オキシエチレンの繰り返し単位は、該オキシプロピレン単位と該オキシエチレン単位がランダム及び/又はブロックに結合していても良い。該オキシエチレンの繰り返し単位は上記両繰り返し単位の2.5〜80重量%である。
上記主鎖構造は上記の構成からなるが、該主鎖構造内に弗素原子、硫黄原子、窒素原子、珪素原子、燐原子等を含んでいても良い。主鎖構造を上記のような構成にするには、シリコーン系樹脂の出発原料として、そのような構成からなるポリオールを用いるか、そのような構成になるように複数のポリオールを組み合わせて用いることにより達成される。
【0014】
本発明の樹脂Zにおけるアルコキシシリル基としては、式−Si(OR16 n 3-n 17 n で表されるアルコキシシリル基が望ましい。上記式において、R16は炭素数1〜12個のアルキル基若しくは炭素数6〜12個のアリール基、R17は水素原子、炭素数1〜12個のアルキル基若しくは炭素数6〜12個のアリール基、nは1〜3を示すが、R16は炭素数1〜6個のアルキル基、R17は水素原子若しくは炭素数1〜6個のアルキル基が、それぞれ望ましい。又、この樹脂Zにおける炭化水素基としては、炭素数1〜10個の側鎖が有っても良いアルキレン基又はアリーレン基が挙げられる。
【0015】
このシリコーン系樹脂Zは、変成シリコーン樹脂の通常の製造法、例えば前記の特開昭52−73998号公報に記載されているような方法を応用することにより製造することができる。この場合用いられるポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ソルビトール等、更にアンモニア、エチレンジアミン、尿素、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン等のアミン類の1種又は2種以上の存在下、エチレンオキサイド開環重合して得られる重合体(化合物(a−1))、上記ジオール類、トリオール類、アンモニア、アミン類の1種又は2種以上の存在下、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを開環重合して得られるランダム又はブロック共重合体(化合物(a−2))等が挙げられ、通常分子量が50〜25,000のものが使用される。上記化合物(a−1)及び化合物(a−2)の内でも、化合物(a−1)は一般に結晶度が高いことから、固状であるものが多く、従って、取り扱いが容易な通常液体である化合物(a−2)が好ましい。
【0016】
上記化合物(a−1)及び化合物(a−2)を含むポリエーテルポリオールは通常市販されており、その具体例として、旭硝子社製の商品名:プレミノール5005、7001、7003、7005、7012、旭電化工業社製の商品名:アデカポリエーテルCM−43、CM−111、CM−211、CM−224、CM−252、CM−294、CM−381、AM−30、AM−302、AM−502、AM−505、AM−602、AM−702、PR−3007、PR−5007、GR−2505、GR−3308、GR−5507、アデカカーポールPH−80、PH−255、PH−340、PH−800、PH−2000、アデカカーポールGH−5、GH−10、GH−200、住友バイエルウレタン社製の商品名:SBU−Polyol 0319、0320、0262、0260、0248、0265、0363、0480、0350、Sumiphen3900、3063、三洋化成工業社製の商品名:ニューポールPE−61、PE−62、PE−64、PE−68、PE−71、PE−74、PE−75、PE−78、PE−108、PE−128、日本乳化剤社製の商品名:PNT−40、PNT−60、リオンデル社製の商品名:アクレーム3201、3205、2220、4220、6320等が挙げられる。
【0017】
上記の他に、特にビスフェノールA骨格を有する化合物を出発原料とするポリエーテルポリオールとして、旭電化工業社製の商品名:アデカポリエーテルEM−53、三洋化成工業社製の商品名:ニューポールBPE−20、BPE−20F、BPE−20NK、BPE−20T、BPE−40、BPE−60、BPE−100、BPE−180、日本乳化剤社製の商品名:BA−3 グリコール、BA−4 グリコール、BA−6 グリコール、BA−8 グリコール、BA−10 グリコール、BA−17 グリコール、日本油脂社製のポリエチレングリコール類、ビスフェノールF骨格を有する化合物を出発原料とするポリエーテルポリオールとして、日本乳化剤社製の商品名:グリコールBPF−4等が挙げられる。
【0018】
主鎖構造中に、窒素原子を含むポリエーテルポリオールとしては、旭電化工業社製の商品名:アデカポリエーテルBM−34、BM−42、BM−54、BM−402、住友バイエルウレタン社製の商品名:SBU−Polyol 0476、0870、H309、H463等が挙げられる。又、主鎖構造中に、硫黄原子を含むポリエーテルポリオーとしては、日曹丸善ケミカル社製の1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン等を出発物質とするポリエーテルポリオール等が挙げられる。
【0019】
その他、ポリエーテルモノオール、アリル基含有のポリエーテルモノオールも使用可能であるが、このものを単独で用いる場合、得られるシリコンーン系樹脂は物性にやや難があるので、上記ポリエーテルポリオールやポリアミン化合物と併用するのが望ましい。ポリアミン化合物としては、三井テキサコケミカル社製の商品名:ジェファーミンED−600、ED−900、ED−2003等が挙げられる。
【0020】
ポリエーテルモノオールとしては、日本乳化剤社製の商品名:MPG−081、MPG−130、フェニルグリコール、フェニルグリコールH、フェニルグリコール20、フェニルグリコール23、フェニルグリコール40、フェニルグリコール55、旭電化工業社製の商品名:MH−20、MH−50、MH−70、MH−150、MH−500、MH−1000等が、アリル基含有のポリエーテルモノオールとしては、日本乳化剤社製の商品名:アリルグリコール、アリルグリコールH、旭電化工業社製の商品名:アデカカーポルAE−400、アデカカーポルAE−550、MRA−2000等が挙げられる。
【0021】
上記ポリエーテルポリオール及びポリアミン化合物は、上記例示のものの中から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。勿論、2種以上使用する場合、得られるシリコーン系樹脂の主鎖構造が前記構成となるように、それらの使用割合を調整することが肝要である。
【0022】
本発明のシリコーン系樹脂は、特に接着剤、シーラント、塗料等に好適であるが、それら接着剤、シーラント、塗料等にするには、更に、硬化触媒、充填材、可塑剤、各種添加剤、溶剤、脱水剤等を目的性能に応じて添加混合すれば良い。
【0023】
硬化触媒としては、有機錫、金属錯体、アミン等の塩基及び有機燐酸化合物及び水(空気中の湿気)が使用できる。
具体的には、有機錫としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫メトキシド、ジブチル錫ジアセチルアセテート、ジブチル錫ジバーサテート等が挙げられる。
【0024】
金属錯体としては、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミンチタネート等のチタネート化合物類、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸金属塩、アルミニウムアセチルアセトナート錯体、バナジウムアセチルアセトナート錯体等の金属アセチルアセトナート錯体等が挙げられる。
塩基としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩類、三共エアプロダクツ社製のDABCO(登録商標)シリーズ、DABCO BLシリーズ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン等の複数の窒素を含む直鎖或いは環状の第三級アミン及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
有機燐酸化合物としては、モノメチル燐酸、ジ−n−ブチル燐酸、燐酸トリフェニル等が挙げられる。
充填材としては、炭酸カルシウム、各種処理炭酸カルシウム、フュームドシリカ、クレー、タルク、各種バルーン等が挙げられる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族カルボン酸エステル等を用いることができる。
添加剤としては、老化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、各種タッキファイアー、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
【0025】
溶剤としては、上記シリコーン系樹脂と相溶性がよく水分含有率が500ppm以下であればいずれを用いても良い。
脱水剤としては、生石灰、酸化マグネシウム、オルト珪酸エステル、無水硫酸ナトリウム、ゼオライト、メチルシリケート、エチルシリケート、ビニルアルコキシシラン、各種アルキルアルコキシシラン(通称:シランカップリング剤)等が挙げられる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
【0027】
(実施例1)
(1)1グラムモルの数平均分子量5,000のポリエーテルポリオール(アデカポリエーテルPR5007、商品名:旭電化工業社製、オキシプロピレン/オキシエチレン(重量比)=3/7)に、窒素雰囲気下、2.5グラム原子の金属ナトリウムを加え、60℃で3時間反応させて反応物(21−1)を得た。
(2)反応物(21−1)を1モル、塩化アリルを2モルの割合で、雰囲気下40℃で3時間反応させて反応物(21−2)を得た。
(3)反応物(21−2)を1モル、メチルジクロロシランを2モル、塩化白金酸0.01モルとイソプロパノール0.1mlからなる溶液を17mlの割合で、雰囲気下90℃で3時間反応させて反応物(21−3)を得た。
(4)−40℃に冷却した反応物(21−3)を1モル、メタノールを20モルの割合で、−40℃5時間反応させた後、50℃で減圧蒸留して液状のシリコーン系樹脂(21)を得た。
シリコーン系樹脂(21)10gにスタンBL(商品名:三共有機合成社製、錫触媒)0.1gを添加したものを用いて、被着材である樺材とアクリル板を貼り合わせ、これらの引張剪断接着強さをJIS K 6850に準じて測定したところ、該樹脂の樺材/アクリル板の接着性評価は○(凝集破壊)であった。
【0028】
(比較例1)
この例は、特開昭52−73998号公報に記載の方法に準じるものである。
(1)1グラムモルのプレミノール4010(商品名、旭硝子社製、数平均分子量10,000のポリオキシプロピレンジオール)に窒素雰囲気下2.5グラム原子の金属ナトリウムを加え、60℃で5時間反応させて反応物(23−1)を得た。
(2)反応物(23−1)を1モル、塩化アリルを2モルの割合で、窒素雰囲気下40℃で3時間反応させて、反応物(23−2)を得た。
(3)反応物(23−2)を1モル、メチルジクロロシランを2モル、塩化白金酸0.01モルとイソプロパノール0.1mlからなる溶液を17mlの割合で、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させて、反応物(23−3)を得た。
(4)−40℃に冷却した反応物(23−3)を1モル、メタノールを20モルの割合で、−40℃で5時間反応させた後、50℃で減圧蒸留して液状のシリコーン系樹脂(35)を得た。該樹脂の樺材/アクリル板の接着性評価は×(界面破壊)であった。
【0029】
湿潤面への接着性の評価
(適用例1)
実施例1で得られたシリコーン系樹脂(21)100g及び炭酸カルシウム(日東粉化工業社製、商品名:NS2300)40gをプラネタリーミキサーに入れ、100〜120℃で加熱脱水した後冷却し、KBM1003(商品名:信越化学工業社製、ビニルトリメトキシシラン)を3g、KBM903を1g、KBM403(商品名:信越化学工業社製、γ−グルシドキシプロピルトリメトキシシラン)を1.5g、スタンBLを3g混練して接着剤を調製した。
【0030】
(適用例2)
実施例1で得られたシリコーン系樹脂(21)の代りに、比較例1で得られたシリコーン系樹脂(35)を用いた以外は、適用例1と同様にして接着剤を調製した。
【0031】
上記適用例1又は2で得られた接着剤を用い、水中に24時間余り浸漬した被着材である樺材/樺材を貼り合わせ、23℃の水に7日間浸漬、養生した後、それらの引張剪断接着強さ(N/cm2 )を、JIS K 6850に則り測定した。その結果、適用例1で得られた接着剤の引張剪断接着強さは54N/cm2であったのに対して、適用例2で得られた接着剤の引張剪断接着強さは5N/cm2であった。
【0032】
上の結果から、本発明のシリコーン系樹脂を用いて調製した接着剤は、通常のポリオキシプロピレン等のオキシエチレンを除くオキシアルキレンの繰り返し単位から構成されるポリエーテルポリオールを用いて得られるシリコーン系樹脂と比較し、湿潤面への接着性も優れていることが判る。これにより、シリコーン系樹脂の主鎖構造中のオキシエチレン繰り返し単位が、湿潤面への接着性向上に寄与していることが判る。
【0033】
【発明の効果】
本発明のシリコーン系樹脂は、主鎖構造中にオキシエチレンの繰り返し単位を有するにも関わらず、アクリル樹脂に対して優れた接着性能を示すと共に、湿潤面へも優れた接着性を発揮する。

Claims (1)

  1. 末端にアルコキシシリル基を有し、オキシプロピレンの繰り返し単位とオキシエチレンの繰り返し単位とを含む主鎖構造からなるポリエーテルを主体とするシリコーン系樹脂であって、該オキシエチレンの繰り返し単位が両繰り返し単位の2.5〜80重量%であり、該アルコキシシリル基と上記主鎖構造は炭化水素基を介して結合していることを特徴とするシリコーン系樹脂、炭酸カルシウム、ビニルアルコキシシラン、アミノシラン、有機錫を含むアクリル樹脂材料へ適用するための接着剤組成物。
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