JP4523742B2 - 石炭燃焼制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、微粉炭や高濃度石炭水スラリ(CWM)などの石炭を燃料として使用する石炭焚ボイラの燃焼効率を向上できる石炭燃焼制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭燃焼に伴い発生する石炭灰のうちの約7割は未燃分の少ない石炭灰であるため、セメント原料や混和材として再利用され、残りは埋立てなどにより廃棄処分されているのが現状である。一方、石炭灰中の未燃分が多くなるとセメント混和材としての再利用が不可能となり、埋立処分する灰の量が多くなる。このため、石炭灰中の未燃分が少なくなるように燃焼を制御し、再利用できる石炭灰が得られるようにすることが従来から望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では石炭灰中の未燃分値を測定することで燃焼状態を把握するにあたり、排ガスから試料を採取して手作業により分析を行うため、計測値の時間遅れが大きく、最適な燃焼を得られるように制御することは困難であった。具体的には、排ガスから試料を採取して手分析結果を得られるまでには約20分〜120分が必要となり、この手分析結果に基づいて所定の燃焼条件を制御しても、好適な燃焼状態は得られないのが現状であった。また、燃焼状態を把握するために排ガスラインにCOガス分析計を設けて監視を行う方式が知られているが、COガス分析計の計測値の精度が低いため、制御に用いるには適当ではなかった。
【0004】
係る問題に対して、近年では特開平9−155293号公報にて本願出願人により提案されたレーザ誘起ブレークダウン方法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)が有力な計測手段として知られるようになっている。このLIBS方法の原理は、図3に示すように、レーザ光201を気体、液体、固体中に集中して計測場202をプラズマ化させ、レーザ光201により生成したプラズマ光203を検出して計測場202の成分濃度を計測すると共に、石炭灰の組成成分であるSi、Al、Fe、Ca、Cの信号強度を検出し、主成分であるSi、Al、Fe、CaとCとの強度比を計算することで石炭灰中の未燃分を算出するものである。
【0005】
図4は、そのようなLIBS装置の一例を示す構成図である。このLIBS装置300は、パルスレーザ装置301と、集光用のレンズ302と、配管303に設けた計測窓304と、プラズマ光を反射するミラー305と、プラズマ光を集光するレンズ306と、分光器307およびCCDカメラ308と、コンピューター309とから構成されている。パルスレーザ装置301から出力されたレーザ光201は、レンズ302および計測窓304を介して配管303内の計測場202に集光される。配管303内には微粉炭やファライアッシュ等の測定対象物が流れており、レーザ光201の集光により、計測場202に存在する微粒子が高温加熱されてプラズマ化し、プラズマ化した成分物質からプラズマ光203が発生する。
【0006】
発生したプラズマ光203は計測場202の計測窓304から外部に出力され、ミラー305で反射され、更にレンズ306で集光されて分光器307に入射される。この分光器307は、波長が190nm〜500nmのプラズマ光203を分光すると共に当該分光した光成分をCCDカメラ308に入力する。CCDカメラ308は高速ゲートが可能であり、分光器307にて分光された分光プラズマ光203を検出し、この分光プラズマ光203に応じた信号をコンピューター309に転送する。なお、CCDカメラ308は、同期ライン310を介してパルスレーザ装置301と接続され、これによりCCDカメラ308のゲート制御とパルスレーザ装置301との発振とが同期される。
【0007】
コンピューター309は、各成分の発光強度情報を有する信号を情報処理して、計測場202に存在する微粉炭等の発熱量、未燃分、成分組成等をリアルタイムで算出する。このように、LIBS装置300は、測定対象物の組成成分の計測をリアルタイムで行うことができるので、当該計測結果に基づいてプラント等の運転制御を行うことが可能となる。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、未燃分の最適化制御をリアルタイムで行い、燃焼効率を向上できる石炭燃焼制御システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る石炭燃焼制御システムは、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測する計測手段と、計測手段により計測した石炭灰中の未燃分に基づいて前記ミルの運転状態を制御して微粉度を調整する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
すなわち、この発明では、レーザ法による未燃分の計測結果に基づきミルの運転状態を制御し微粉度を調整する。微粉度が上がれば石炭が燃焼し易くなり石炭灰中の未燃分が減少する。一方、微粉度が下がれば過度な燃焼を抑制して未燃分を増加でき、この結果、石炭灰中の未燃分の最適化制御をリアルタイムで行うことができる。なお、ミルの運転状態を制御する場合、ミル回転分級機の回転数を制御することが好ましく、この他にミルロール荷重油圧を制御するようにしてもよい。また、レーザ法としてはLIBS法を用いるのが好ましいが、レーザ誘起蛍光法(Laser Induced Fluorescence:LIF)等の他のレーザ法を用いることもできる。更に、制御手段は、下記実施の形態に示すような未燃分偏差を入力することで制御するが、未燃分に基づいて制御するものであればこれに限定されない。
【0011】
また、請求項に係る石炭燃焼制御システムは、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測する計測手段と、計測手段により計測した石炭灰中の未燃分に基づいて、ボイラ出口ガスO2設定値を増減することにより、ボイラに空気を供給するファンの動翼開度を制御し、前記ボイラに対する空気流量を調整する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
すなわち、計測手段による未燃分の計測結果に基づいて、ボイラ出口ガスO2設定値を増減することにより、ファンの動翼開度を制御し、ボイラに対する空気流量を調整することで未燃分の最適化を行う。空気流量が増加すれば燃焼が促進されて未燃分を減少でき、空気流量を減少させれば過渡な燃焼を抑制して未燃分を増加でき、排ガス損失の低減、更にファン動力の低減によりランニングコストを抑えることができる。この結果、石炭灰中の未燃分値の最適化制御をリアルタイムで行うことができ、ボイラの燃焼効率を向上できる。また、再利用可能な灰を増やすことができる。
【0013】
また、上記石炭燃焼制御システムによれば、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測して、計測手段により計測した石炭灰中の未燃分を適正値に調整する事で、結果的にボイラに供給する石炭燃料の流量を適正に保つことができる。
【0014】
すなわち、計測手段による石炭灰中未燃分の計測結果に基づいて石炭灰中の未燃分を制御することで燃料流量の最適化が行われ、具体的には、未燃分を減少させるように制御すれば結果的に燃料流量を減少でき、ボイラの燃焼効率が向上する。また、再利用可能な灰を増やすことができる。
【0015】
さらに、請求項1に係る石炭燃焼制御システムは、微粉度を調整する制御手段と空気流量を調整する制御手段のいずれか又は二つを選択する選択部、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に係る石炭燃焼制御システムは、選択部により、微粉度を調整する制御手段と空気流量を調整する制御手段のいずれか又は二つを用いることで、制御対象を選択できる。制御対象の選択は、石炭灰の品質、ランニングコスト、ボイラ効率等の観点から適宜行うことができる。
【0017】
また、請求項1に係る石炭燃焼制御システムは、選択部により、二つの制御対象を選択し、これらを両方同時または順番で制御して未燃分値を最適化するようにしても良い。これにより、より再利用に適した石炭灰を得ることができる。
【0018】
また、請求項2に係る石炭燃焼制御システムは、石炭の種類毎に好ましい未燃分を設定して記憶しており、前記計測手段での計測値と比較して偏差を求め、補正信号を、微粉度を調整する前記制御手段、空気流量を調整する前記制御手段に送る未燃分目標値設定部を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る石炭燃焼制御システムは、未燃分目標値設定部により、未燃分目標値に近づくように、微粉度を調整する制御手段、空気流量を調整する制御手段を制御するので、未燃分の最適化を効果的に行うことが可能である。
【0020】
さらに、請求項3に係る石炭燃焼制御システムは、微粉度を調整する前記制御手段が、前記補正信号に基づいてミル回転分級器の回転数を制御するミル回転数制御部からなり、空気流量を調整する前記制御手段が、前記補正信号に基づいて前記ボイラに対する空気流量を調整する空気流量制御部からなり、補正信号を出力して前記ミルの負荷を常に制御する多炭種対応制御部を備え、前記選択部が、前記ミル回転数制御部、前記空気流量制御部のいずれか又は二つを用い、前記ミル回転数制御部の補正信号と前記多炭種対応制御部の補正信号とが干渉した場合、前記各補正信号の補正量の強弱を調整するか、または、制御対象をミル回転数制御から前記空気流量制御部による空気流量制御に切り替える、ことを特徴とする。
【0021】
さらにまた、請求項4に係る石炭燃焼制御システムは、微粉度を調整する前記制御手段が、前記補正信号に基づいてミル回転分級器の回転数を制御するミル回転数制御部と、前記補正信号に基づいて油圧系統を制御するミルロール荷重油圧制御部と、からなり、空気流量を調整する前記制御手段が、前記補正信号に基づいて前記ボイラに対する空気流量を調整する空気流量制御部からなり、補正信号を出力して前記ミルの負荷を常に制御する多炭種対応制御部を備え、前記選択部が、前記ミル回転数制御部、前記ミルロール荷重油圧制御部、前記空気流量制御部のいずれか又は二つ以上を用い、前記ミル回転数制御部の補正信号と前記多炭種対応制御部の補正信号とが干渉した場合、前記各補正信号の補正量の強弱を調整するか、または、制御対象をミル回転数制御から別のものに切り替える、ことを特徴とする。
【0022】
請求項3、4に係る石炭燃焼制御システムは、多炭種対応制御部により、ミルが過負荷になるのを避けることができ、しかも、微粉度を高くすることができる。また、請求項3、4に係る石炭燃焼制御システムは、選択部により、ミルに対する補正信号の干渉問題を回避しつつ、未燃分値の最適化制御を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、この発明の実施の形態1に係る蒸気発生・石炭灰処理装置を示す構成図である。図2は、図1に示した制御装置のブロック図である。この蒸気発生・石炭灰処理装置100は、ミル1、ボイラ2、電気集塵装置(EP)3および回転式分級機4から構成され、輸送管5にはLIBS装置6が接続されている。ボイラ2には、ファン8を含む空気供給系が設けられている。ミル1の運転、空気供給系のファン8の動翼ピッチは、制御装置9により制御される。
【0024】
LIBS装置6は、上記図4に示した構成と同様であるから詳細な説明は省略する。LIBS装置6は制御装置9に接続され、計測結果の信号を制御装置9に送出する。制御装置9は、ミル回転数制御部51、ミルロール荷重油圧制御部52、空気流量制御部53を備え、これらの制御対象を選択する選択部55、未燃分目標値設定部56、多炭種対応制御部57を更に備えている。また、この制御装置9は、専用のハードウエアにより実現されるものであっても良いし、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各部の機能を実現するためのプログラム(図示省略)をメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであっても良い。なお、前記プログラムは、図示しないハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体、RAMのような揮発性のメモリに記憶され得る。
【0025】
ミル1から供給された微粉炭がボイラ2で燃焼することにより石炭灰が生じ、この石炭灰は輸送管5を流れてEP3に至り集塵される。EP3で集塵された石炭灰は、輸送管10を経て回転式分級機4に送られ、細粉石炭灰と粗粉石炭灰とに分別される。
【0026】
輸送管5を流れる石炭灰の未燃分はLIBS装置6により計測され、その計測値は信号ライン11を介して制御装置9に送られる。制御装置9は、未燃分値に基づいてミル回転分級機(図示省略)の回転数を制御する。未燃分目標値設定部56では、石炭の種類毎に好ましい未燃分値を設定して記憶しており、LIBS装置6での計測値と比較して偏差を求め、補正信号をミル回転数制御部51に送る。ミル回転数制御部51は、補正信号に基づいてミル回転分級機の回転数を制御するが、具体的には未燃分が多い場合は燃焼が効率良く行われていないものとしてミル回転分級機の回転数を上げ、石炭の微粉度を小さくして良く燃焼できるように制御する。一方、未燃分が少ない場合は燃焼が過度に行われており、ミル動力を必要以上に消費しているものとして、ミル回転分級機の回転数を下げて目標値に近づくように制御する。
【0027】
また、灰中未燃分とミル回転分級機の回転数との関係は、実測によりその相関関係を求め、ミル回転数制御部51にてテーブル化して格納しておく。発明者らの試験研究によれば、例えばミル回転分級機の回転数を5rpm変化させたときの未燃分の変化量は約0.5%となるものと推定できており、ミル回転分級機の回転数を±5rpmの範囲で変化させてもミル負荷の許容範囲内に収まること等から、ミル回転分級機の回転数制御により未燃分の最適化を効果的に行うことが可能であると結論できた。この蒸気発生・石炭灰処理装置100では、石炭灰中未燃分値の最適化を行うことで、燃焼効率を向上できると共に灰の再利用を促進できる。なお、ミル回転分級機の回転数を上げることでミル電動機の動力が増加することになるが、ボイラ効率が向上するためトータルのランニングコストを低減できる。
【0028】
また、未燃分値の最適化制御はミル回転分級機の回転数の制御のみならず、ミルロール荷重油圧の制御、空気流量の制御によっても可能である。上記同様、発明者らの試験研究により、灰中未燃分とミルロール荷重油圧との相関関係を推定したところ、例えばミルロール荷重油圧を2MPa変化させると、未燃分の変化量が0.1%程度になることから、適正なミルロールリフトの確保を条件として未燃分の最適化が可能であると判った。なお、ミルロール荷重油圧制御は、未燃分の変化量を稼ぐために油圧を大きく変化させる必要があるため、上記ミル回転分級機の回転数制御の方が未燃分値の最適化制御に好適である。
【0029】
ミルロール荷重油圧制御部52は、未燃分目標値設定部56の目標値とLIBS装置6の未燃分値とから求めた偏差の補正信号に基づき油圧系統(図示省略)を制御し、未燃分が多い場合はミルロール荷重を増加させて石炭の微粉度を小さくし、良く燃焼できるようにする。一方、未燃分が少ない場合は燃焼が過度に行われており、ミル動力を必要以上に消費しているものとして、ミルロール荷重を下げて目標値に近づくように制御する。このようにしても、燃焼効率を向上できると共に灰の再利用を促進できる。
【0030】
次に、ボイラ出口ガスO2設定値を増減することにより、空気流量の制御により未燃分値の最適化を行う場合、空気流量制御部53は、同じく未燃分値と目標値との偏差に基づいて空気流量を制御する。具体的には、ファン8の動翼のピッチを変更する等してボイラ2内に流入する空気量を調整する。未燃分が多いときは良好な燃焼が行われていないものとして空気流量を増加し、酸素量を増やして燃焼を促進させる。一方、未燃分が少ないときは空気流量を減少させて適正な燃焼状態とする。ここで排ガス損失、ファン動力による損失は相当大きく、従来から問題となっていたため、未燃分が少ない場合にボイラ出口O2設定値を下げて排ガス損失とファン動力を低減することで、蒸気発生・石炭灰処理装置100のランニングコストを効果的に低減できるようになる。
【0031】
また、未燃分値を適正値に制御することにより結果的に燃料である石炭の流量を最適化できる。未燃分が多いときは、未燃分値を下げることにより結果的に燃料流量を減少させて燃焼状態を向上させることができ、一方、未燃分が少ないときは良好な燃焼が行われているが、必要十分な未燃分値とすることでミル負荷を下げ、補機動力の低減を行うようにできる。これにより、蒸気発生・石炭灰処理装置100のランニングコストを低減できる。
【0032】
選択部55は、上記ミル回転数制御部51、ミルロール荷重油圧制御部52、空気流量制御部53のいずれか又は二つ以上を用いることで、制御対象を選択できる。制御対象の選択は、石炭灰の品質、ランニングコスト、ボイラ効率等の観点から適宜行うことができる。また、制御対象の選択は、所定のプラグラムに基づいて自動的に行うようにしても、ユーザの手動で行うようにしても良い。
【0033】
また、選択部55により二つ以上の制御対象を選択し、これらを両方同時または順番で制御して未燃分値を最適化するようにしても良い。これにより目標値への追従性が高まり、より再利用に適した石炭灰を得ることができる。
【0034】
また、制御装置には多炭種対応制御部57が備えられており、図示しないが当該多炭種対応制御部57の補正信号によりミル1の負荷が常に制御されている。多炭種対応制御部57は、ミル電流が高い場合、ミル1が過負荷になるのを避けるためにミル回転分級機の回転数を下げ、ミル電流が低い場合、ミル負荷に余裕があるためミル回転分級機の回転数を上げるように制御し、微粉度を高くしようとするものである。
【0035】
ここで、未燃分値が低い場合、未燃分値偏差に基づきミル回転数制御部51がミル回転分級機の回転数を減少させる補正信号を出力することになるが、回転数の減少によりミル電流が低下するため多炭種対応制御部57はミル負荷に余裕があるものと判断してミル回転分級機の回転数を増加させる補正信号を出力する。この結果、ミル回転数制御部51の補正信号と、多炭種対応制御部57の補正信号とが干渉するおそれが生じるが、補正信号の干渉によって問題が生じない場合は、そのまま両方の制御を行えば良い。
【0036】
一方、補正信号が干渉して看過できない状態となる場合等は、各補正信号の効き具合(補正量の強弱)を選択部55で調整するか、または選択部55によって制御対象をミル回転数制御から別のものに切り替えるようにできる。例えばミル回転数制御部51の補正信号と多炭種対応制御部57の補正信号とが干渉して、未燃分値の最適化が進まないと判断した場合は、選択部55によって空気流量制御部53による空気流量制御に切り替える。これにより、ミル1に対する補正信号の干渉問題を回避しつつ、未燃分値の最適化制御を行うことができる。
【0037】
以上、この蒸気発生・石炭灰処理装置100によれば、LIBS装置6により灰中未燃分をリアルタイムで計測し、制御装置9がこの計測結果に基づきミル回転分級機の回転数を制御して石炭の微粉度を調整するから、石炭焚きボイラの燃焼状態を未燃分値に基づいてリアルタイムで制御することが可能となり、従来不可能であった最適化制御を実現することができる。これに伴い、灰中未燃分が適正値となるため、灰の有効利用に貢献できるといった利点がある。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項1)では、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測し、この未燃分に基づいて前記ミルの運転状態を制御して微粉度を調整することで、リアルタイムで灰中未燃分の最適化制御を行うことができる。この結果、ボイラの燃焼効率を向上でき、再利用できる灰を増やすことができる。
【0039】
また、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項)では、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測し、その未燃分に基づいて、ボイラ出口ガスO2設定値を増減することにより、ボイラに空気を供給するファンの動翼開度を制御し、前記ボイラに対する空気流量を調整するので、リアルタイムで灰中未燃分の最適化制御を行うことができる。この結果、ボイラの燃焼効率を向上でき、再利用できる灰を増やすことができる。
【0040】
また、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項1)によれば、ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測し、その未燃分を適正値に調整することにより結果的にボイラに供給する燃料流量を適正に保つことができる。この結果、ボイラの燃焼効率を向上でき、再利用できる灰を増やすことができる。
【0041】
さらに、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項1)によれば、選択部により、微粉度を調整する制御手段と空気流量を調整する制御手段のいずれか又は二つを用いることで、制御対象を選択できる。制御対象の選択は、石炭灰の品質、ランニングコスト、ボイラ効率等の観点から適宜行うことができる。
【0042】
さらにまた、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項1)によれば、選択部により、二つの制御対象を選択し、これらを両方同時または順番で制御して未燃分値を最適化するようにしても良い。これにより、より再利用に適した石炭灰を得ることができる。
【0043】
さらにまた、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項2)によれば、未燃分目標値設定部により、未燃分目標値に近づくように、微粉度を調整する制御手段、空気流量を調整する制御手段を制御するので、未燃分の最適化を効果的に行うことが可能である。
【0044】
さらにまた、この発明の石炭燃焼制御システム(請求項3、4)によれば、多炭種対応制御部により、ミルが過負荷になるのを避けることができ、しかも、微粉度を高くすることができる。また、選択部により、ミルに対する補正信号の干渉問題を回避しつつ、未燃分値の最適化制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る蒸気発生・石炭灰処理装置を示す構成図である。
【図2】 図1に示した制御装置のブロック図である。
【図3】 LIBSの原理を示す説明図である。
【図4】 LIBS装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
100 蒸気発生・石炭灰処理装置
1 ミル
2 ボイラ
3 電気集塵装置
4 回転式分級機
5 輸送管
6 LIBS装置
8 ファン
9 制御装置
10 輸送管
11 信号ライン
51 ミル回転数制御部
52 ミルロール荷重油圧制御部
53 空気流量制御部
55 選択部
56 未燃分目標値設定部
57 多炭種対応制御部

Claims (4)

  1. ミルで微粉化した石炭を燃焼させるボイラから排出される石炭灰中の未燃分をレーザ法により計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測した石炭灰中の未燃分に基づいて前記ミルの運転状態を制御して微粉度を調整する制御手段と、
    前記計測手段により計測した石炭灰中の未燃分に基づいて前記ボイラに空気を供給するファンの動翼開度を制御し、前記ボイラに対する空気流量を調整する制御手段と、
    微粉度を調整する前記制御手段と空気流量を調整する前記制御手段のいずれか又は二つを選択する選択部と、
    を備えたことを特徴とする石炭燃焼制御システム。
  2. 石炭の種類毎に好ましい未燃分を設定して記憶しており、前記計測手段での計測値と比較して偏差を求め、補正信号を、微粉度を調整する前記制御手段、空気流量を調整する前記制御手段に送る未燃分目標値設定部を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の石炭燃焼制御システム。
  3. 微粉度を調整する前記制御手段は、前記補正信号に基づいてミル回転分級器の回転数を制御するミル回転数制御部からなり、
    空気流量を調整する前記制御手段は、前記補正信号に基づいて前記ボイラに対する空気流量を調整する空気流量制御部からなり、
    補正信号を出力して前記ミルの負荷を常に制御する多炭種対応制御部を備え、
    前記選択部は、前記ミル回転数制御部、前記空気流量制御部のいずれか又は二つを用い、前記ミル回転数制御部の補正信号と前記多炭種対応制御部の補正信号とが干渉した場合、前記各補正信号の補正量の強弱を調整するか、または、制御対象をミル回転数制御から前記空気流量制御部による空気流量制御に切り替える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の石炭燃焼制御システム。
  4. 微粉度を調整する前記制御手段は、前記補正信号に基づいてミル回転分級器の回転数を制御するミル回転数制御部と、前記補正信号に基づいて油圧系統を制御するミルロール荷重油圧制御部と、からなり、
    空気流量を調整する前記制御手段は、前記補正信号に基づいて前記ボイラに対する空気流量を調整する空気流量制御部からなり、
    補正信号を出力して前記ミルの負荷を常に制御する多炭種対応制御部を備え、
    前記選択部は、前記ミル回転数制御部、前記ミルロール荷重油圧制御部、前記空気流量制御部のいずれか又は二つ以上を用い、前記ミル回転数制御部の補正信号と前記多炭種対応制御部の補正信号とが干渉した場合、前記各補正信号の補正量の強弱を調整するか、または、制御対象をミル回転数制御から別のものに切り替える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の石炭燃焼制御システム。
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