JP4523078B2 - 低剛性リポソーム抗菌組成物 - Google Patents
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Description
1.発明の属する技術分野
本発明は、治療剤を含むリポソーム製剤に関する。さらに、本発明は、時間をかけた治療剤の変調された放出、並びに治療剤例えば抗生物質の細菌細胞への多くの透過を許容する独創的なリポソーム製剤に関する。本発明は、さらに本発明の製剤の投与を通して動物における細菌の感染を治療することに関する。
2.従来技術の記載
天然または合成マトリックスへの生物活性化合物の封入は、過去十年間広く研究されてきた。投与のそのような戦略の利点は莫大である。第一に、生物活性化合物の不活性化または分解からの保護を提供する。第二に、化合物の放出の動力学を制御して、それにより血液濃度のプロフィールが最適化される。これにより、短い半減期の生物活性化合物の有害な作用が軽減される。さらに、毒性の危険が低下する。
リポソームは顕微鏡でしか見えない密閉された粒子であり、過剰の水の存在下においてそれらの転移温度より高い温度にてリン脂質から自発的に形成される。20ナノメーターから数マイクロメーターの範囲の直径を有する小嚢(vesicles)を調製することができる。複数ラメラリポソーム(multilamellar liposomes)は、水層により分離された濃縮リン脂質二重層から作成される。単一ラメラリポソーム(unilamellar liposomes)は、水性コアに囲まれた単一リン脂質層からなる。リポソームは、水性スペース中の親水性分子および脂質層中の親脂質性分子を収容することができる。治療剤のための小嚢としてのリポソームまたは治療用リポソーム製剤の可能性は、数人の研究者により研究されてきた。細胞内細菌に対して成功したリポソーム治療が示された(Lopez-Berestein et al., 1987, J. Clin. Oncology, 5:310-317;および、Popescu et al., 1991, 米国特許第4,981,692号)。多くの研究が示したことは、リポソームにトラップされた治療剤が、毒性、薬力学の変調および組織分配パラメーターの低下の結果として、該治療剤の治療インデックスを増加させることである
最も広く使用された抗菌剤の種類は、もっとも確かには抗生物質である。抗生物質は異なる群に分割することができ、例えば、β−ラクタム類、アミノグリコシド類、マクロリド類、リンコマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン類、クロラムフェニコール、バンコマイシン、リファンピン、キノロン類およびスルフォナミド類を含む。
アミノグリコシド類はすべてに可能性のある抗菌剤であり、同様に一般的な範囲の抗菌活性および薬力学上の挙動を示す。この群のメンバーはアミノ糖のグリコシドに連結したアミノサイクリトールの存在により種類分けされる。主な剤は2つの群:ストレプトマイシンおよびその近縁種からなる小さい群;およびネオマイシン群に細分される大きな群に分類され、カナマイシン群はさらにカナマイシン、トブラマイシンおよびそれらの半合成誘導体アミカシンおよびジベカシンおよび重要なゲンタマイシンとその近縁ネチルマイシンおよびシソマイシンの亜群に再び細分される。
アミノグリコシド類はさまざまな微生物において蛋白質合成を阻害し、他の抗生物質に抵抗性の生物、例えば限定されないがエシェリヒア、エンテロバクター、クレブシエラ、シュードモナス、サルモネラ等による感染の根本的な治療に用いられる。アミノグリコシド類は、スタフィロコッカスアウレウス、スタフィロコッカスエピダミディス、リステリアおよびミコバクテリア属の細菌に対しても異なる程度で活性を有する。
アミノグリコシド類は高極性カチオン化合物であるから、細菌の細胞膜の通過は極めて限定され、そして抗菌剤の細胞内蓄積が能動輸送によりもたらされる。多くの生物は古いアミノグリコシド類に抵抗性を示す。さらに、より最近導入されたアミノグリコシド類に対する微生物の抵抗性の増加は確実に上昇している。増大した証拠からは、獲得された抗生物質抵抗性がしばしば外膜透過速度と引き続く酵素不活性化速度のバランスに起因することが示される。即ち、外膜バリアーと抗生物質分解酵素は強固に相乗する。さらに、より新しいアミノグリコシド類は細菌分解酵素に対する非感受性のためにこの群の古いメンバーに抵抗性の株に対して活性を有するが、顕著な数の株の相対的不透過性の点からは一般的に活性を予測するために使用され得ない。
アミノグリコシド類は感染の治療に有効であるが、その用途は毒性および副作用を伴い得る。もっとも重要な毒性作用は耳毒性および腎毒性である。アミノグリコシド類は濃度に連動した耳毒性および腎毒性を生じ得るから、それらのプラズマ濃度が毒性レベルを越えないことを保証することが重要である。毒性の恐れにより治療上不十分な投薬量がもたらされないことを保証することも等しく重要である。
脱水−再水和小嚢(DRV)法によるアミノグリコシド類およびβ−ラクタム抗生物質のリポソーム製剤への封入は、
et al., 1991, J. Microencapsulation 8:53-61に記載されている。ジステロイルホスファチジル−コリン(DSPC)およびジミリストイルホスファチジル−グリセロール(DMPG)の2つの合成リン脂質をモル比10:1および脂質濃度16.5umol/mlにて使用した。同じリポソーム製剤を、シュードモナスエルギノーサによる慢性肺感染の動物モデルにおいてインサイチュで試験して、肺における抗生物質滞在時間を顕著に増加させ、並びに体系化された抗菌剤吸着を減少させた。にもかかわらず、このリポソームアミノグリコシド製剤は遊離抗生物質および他の対照に比して殺菌活性の改良を示さなかった(Omri et al., 1994. Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095)。他のグループはアミノグリコシドのリポソーム製剤を開示した(Da Cruz et al., 1993, 国際公開第93/23015号、およびProffitt et al., 1994, 国際公開第94/12155号)。にもかかわらず、この開示された製剤はその遊離型の活性に比して抗生物質の治療活性の顕著な増大は示さない。事実、Da Cruzらの好ましいアミノグリコシド(ネチルマイシン)リポソーム製剤はホスファチジルコリン(PC)、コレステロールおよびホスファチジル−イノシトール(PI)からなるが、リポソーム製剤の一部としてアミノグリコシドを用いた場合に、(3つの因子のせいぜい)遊離アミノグリコシドに比してやや増加した活性をインビボにおいて示したにすぎない。Proffittらは、PC、コレステロールおよびジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)からなる別のアミノグリコシド(アミカシン)リポソーム製剤を開示する。Proffittらの製剤はDa Cruzの製剤に比してアミノグリコシドのインビボ治療活性が高められていることに関して優秀であるらしいが、この増加は相対的に低く、組織に依存する(脾臓において10倍の増加、肝臓において5倍、そして肺においてはたった2倍)。重要なことは、細菌感染の治療に使用される利用可能なリポソーム製剤は、細菌膜の治療剤の通過を顕著に増加させないらしい。
嚢胞性繊維症(CF)はヒトにおける最も共通の致死性遺伝疾患である。CFの進行中、患者から患者への大きな変化は肺の受難(involvement)の程度により大きく決定される。CFにおいて、悪化は回避し難く、そして結局死に至る。CFの患者の予後はこの半世紀において劇的に改善されたが、平均生存年齢はたった30歳である。重要なことは、シュードモナスの初期コロニー化とCF患者の不良な予後の相関が観察されたことである。さらに、シュードモナスエルギノーサによる慢性肺感染が、嚢胞性繊維症患者の罹患と死亡の主要な原因である(Omri et al., 1994. Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095;およびMerckマニュアル、1992, 第16版、Merck Res. Lab.)。CF患者において、スタフィロコッカスアウレウスおよびヘモフィルスインフルエンザおよび他のグラム陰性株は一般的に初期に単離された病原体である。CF患者におけるそのような細菌感染は、多くの場合、抗生物質により効果的に治療される。多くの抗生物質が単独または化合されて抗菌治療に使用される。特定の抗生物質養生法の選択は多くの要因に依存しており、感染部位および感染重度並びに微生物の抵抗性/感受性プロフィールを含む。重要なのは、高投薬量の抗生物質、特にアミノグリコシド類、並びに長時間の抗生物質処理がしばしばCF患者に指示される。
シュードモナスエルギノーサは90%以上のCF青年期にコロニー化する。シュードモナスエルギノーサを標的とする効果的な治療には困難が残っており、議論の余地がある(Omri et al., 1994. Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095)。この微生物のコロニー化を伴うCF患者の通常の標準治療法は、アミノグリコシドまたはβ−ラクタムの単独または化合による使用を包含する。これらの治療剤は、血清中、特にシュードモナスエルギノーサのムコイド表現型により形成されるバイオフィルム細胞に対しての治療有効濃度を達成するために、高投薬量の常習的非経口投与を要する。シュードモナスエルギノーサの外膜(OM)透過が大腸菌の約1−8%であることは抗生物質透過速度により評価されるとおりである(Yoshimura et al., 1982, J. Bacteriol. 152:636-642;Nicas et al., 1983, J. Bacteriol. 153:281-285;および、Angus et al., 1984, Antimicrob. Agents Chemother. 14:349-357)。抗生物質の延長された処理または繰り返された処理が、この生物の感受性の次第の低下と関連すること、並びにこれら患者における抗生物質の浄化値の上昇と関連することも報告された(Omri et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095;およびその中の文献)。即ち、抗生物質のための小嚢としてのリポソームの使用がシュードモナスエルギノーサの処理のための約束された手段であるとしてインビトロ実験において示されたが
抗生物質の活性の顕著な改良並びに細菌細胞中の顕著に改良された透過を許容するリポソーム製剤のデザインが、なお浮かび上がる。そのようなリポソーム製剤のデザインは、この処理および/またはCF患者における細菌感染の予防において、そしておそらくこれら患者の予後に非常に重要なことなはずである。
抗生物質への微生物の抵抗性は長い間認識されてきたが、全世界における重要な健康上の問題であり続ける。さらに、抗生物質への莫大な株の相対的不透過性に基づくと、株に基づく酵素分解に打ち勝つことができるより新しい効果的なバージョンのデザインは、抗生物質が不透過性膜を越えるかまたは細菌の外部ポリサッカライド層を越えて作用部位に至る重要な障害をまだ解決しない。さらに、抗生物質に対する増加した抵抗性の問題は、この剤の誤使用により倍加する(Merckマニュアル、1992, 第16版、Merck Res. Lab.)。例えば、古い種類の抗生物質にはより鋭敏な微生物の抗生物質抵抗性のために、開業医はしばしばより新しい世代の抗生物質を使用するように促され、それにより、より新しい世代の抗生物質に対する増加した微生物抵抗性に貢献する。動物における抗生物質の大規模の使用も、限定されないが毎日のウシ、およびミルク中および環境中のこれら抗生物質の存在を含み、抗生物質への微生物の抵抗性の増加に寄与する。
Chris W. M. Grant et al.(1989, Biochimica et Biophysica Acta 984(1):11-20)は、0-25モル%のアンフォテリンBを含むDPPCおよびDEPCに比較した場合の、DMPC/DMPGから作成されたアンフォテリシンBリポソームを特徴付けるために、温度力学(35℃および22℃において)および凍結−食刻電子顕微鏡研究の結果を記載する。この論文において証明されたことは、Tcが23℃のDMPC/DMPGから作成された流体リポソームは特に高い投薬量において顕著な破壊を示したことである。次に、Grantらは、剛性リン脂質とアンフォテリシンBの相対的な不混和性により引き起こされる問題を解決することを試みた。最後に、かれらの研究は、流動性のみではアンフォテリシンBの毒性に対するリン脂質2層の保護特性を説明できないことを暗示した。
臨床医にとって抗生物質の活性を増加させうることは重要なはずであり、それにより目指す殺菌作用を達成するのに必要な投薬量を減らすことが潜在的に可能になる。さらに、抗菌活性のそのような増加は古い世代の抗生物質のより効果的な使用を許容し、それにより、新しい世代の抗生物質に対する微生物の抵抗性の増加を変調する。
臨床医、獣医等にとって最も重要な利点は、抗菌剤例えば抗生物質を含むリポソーム製剤を使用できることであり、リポソーム製剤は循環時間の増加および毒性の低下のみならず細菌細胞への該製剤の透過を顕著に改良するリン脂質を含むために、該製剤の抗菌活性を顕著に改良する。外膜(OM)およびムコイド外部ポリサッカライド例えばシュードモナスエルギノーサ等のさまざまな細菌のムコイド変種により分泌されるものへの抗菌剤の透過性の顕著な増加も許容するのならば、さらなる利点となりうるはずである。さらに、外膜組成物中に顕著な変異をもって存在する莫大な細菌株にたいして効果的な抗菌リポソーム製剤を提供することは有利なはずである。
最後に、製剤の組成が治療剤の偏重された放出を許容して、それにより副作用を軽減して製剤の作用を延長させるような治療用リポソーム製剤に接近することは、極めて重要なはずである。
発明の概要
リン脂質の物理−化学特性に基づき、多くの新しいリポソーム製剤がデザインされることにより、封入効率、標的器官における延長された抗生物質滞在時間、および低い毒性を保持しながらリポソームのアミノグリコシドの「インビボ」殺菌活性を増進した。これらの新しいリポソーム製剤は異なる「インビトロ」および「インビボ」試験に供された。
本発明は、一つの態様においてアミノグリコシドを含み、遊離の抗生物質に比して極めて効果的な「インビボ」殺菌活性を示し、そして他の以下の要求:時間をかけての治療剤の変調された放出、治療剤封入効率の保持、標的器官内での延長された滞在時間および低い毒性を実行するリポソーム製剤の成功したデザインに関する。
本発明はさらに、治療剤を含むリポソームに関し、細菌細胞中へそして細菌のムコイド外部ポリサッカライドを通る治療剤の高透過性を許容する独創的な製剤により特徴付けられる。治療剤の例は抗生物質であるが、限定されない。細菌細胞への高められた透過性を通して、本発明のリポソーム製剤は顕著に改良された「インビボ」殺菌活性を示したのに対し、遊離抗生物質は全くまたは殆ど殺菌活性を示さなかった。
さらに、本発明は、細菌感染の治療または予防における本発明のリポソーム製剤の薬学上または獣医学上の使用に関する。
本発明の目的は、治療剤を含む低剛性リポソーム製剤を提供することであり、製剤成分間の相互作用により、ゆっくりとしてはいるが一定の治療剤の放出並びに細菌細胞内部への該製剤の透過が高められる。
本発明の別の目的は、リポソーム製剤が脂質と共に治療剤を含む細菌感染治療用リポソーム製剤を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、外部膜および/または細菌壁組成に顕著な変化を有する細菌株に対して効果的な抗菌リポソーム製剤を提供することである。
本発明のリポソーム製剤は先行技術文献において特に記載されていない。そのような製剤は、広義には国際公開第93/23015号、国際公開第94/12155号、米国特許第4,235,871号および米国特許第4,981,692号のクレームに含まれるように見えるが、該製剤はそれらクレーム中で特定されてはおらず、またあらゆる特別固有の活性を示唆してはいない。
さらに、本発明の固有の製剤を達成する前に、国際公開第93/23015号、国際公開第94/12155号、米国特許第4,235,871号および米国特許第4,981,692号に一般的に記載された多数の製剤も製造された。これらはDSPC:DMPG, DSPC:DPPC, DPPC:DMPCを15:1から10:1のモル比で含み、コレステロールを含むかまたは含まない(モル比1、即ち:10:1:1)。トブラマイシンを含むこれら製剤のいずれもが遊離トブラマイシンに比して顕著に改良された抗菌活性を示さなかった。さらに、これらの実験が示唆することは、治療用リポソーム製剤中のコレステロールの存在が、製剤の所望の治療活性に反対する方法でリポソームの安定性を改良することである。
即ち、本発明の目的は、製剤の所望な治療活性およびリポソームから放出される治療剤の所望な動力学に影響する安定化剤を含まないリポソーム製剤を提供することである。
本発明の一つの側面によれば、コレステロールを含まず、中性脂質、アニオン性脂質および少なくとも一つの治療剤を含む低剛性の複数ラメラのリポソーム製剤が提供され、該リポソーム製剤は細菌細胞内部への治療剤の透過性を高める。
本発明の他の側面によれば、薬学上または獣医学上適切な量のリポソーム製剤を投与することからなる、動物の細菌感染治療方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、トラップされた治療剤を細菌の外部ポリサッカライドを通して透過するリポソーム製剤が提供される。したがって、本発明のリポソーム製剤は、ムコイド細菌の処理において高められた効果を提供する。
本発明のさらに別の側面によれば、薬学上または獣医学上適切な量のリポソーム製剤を投与することからなる、動物の細菌感染の治療、予防または診断のためのリポソーム製剤の使用法が提供される。
複数の治療剤を本発明のリポソームにトラップできるから、明細書および請求の範囲において、治療剤なる用語は限定されないが、抗生物質、生物活性分子、例えば蛋白質またはその一部、核酸またはその一部、アミノ酸類似体またはヌクレオシド類似体、並びに他の医学上または獣医学上有用な薬剤、例えばコントラスト物質(例えば、染料)および診断用物質並びに成長因子、ホルモン例えばコルチコステロイド等を含むことは理解されよう。さらに、治療剤なる用語は広い意味で捕らえるべきであり、少なくとも2つの治療剤の化合物を含む。
明細書および請求の範囲において、脂質なる用語は限定されないが、脂質治療剤組成物が細菌内部への治療剤の透過および/または変調された放出と適合性の流動性/安定性を示す限り、飽和または非飽和脂質、または合成または天然源由来である。
同様に、細菌感染なる用語は限定されないが、グラム陰性細菌例えばサルモネラ属、またはシュードモナス属からグラム陽性細菌例えばミコバクテリア属を含む。
本発明の他の特徴および利点は以下の好ましい態様の記載から明らかであろう。しかしながら、本発明の精神および範囲内のさまざまな変化および修飾は当業者には明らかであるから、本発明の好ましい態様を示唆する詳細な説明は例示の目的としてのみ与えられることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
図1は、異なる条件下におけるプロテオースペプトン(MIC>60μg/ml)中のシュードモナスエルギノーサ(429)の細菌数を示す図であり、
図2は、異なる条件下におけるプロテオースペプトン(MIC>26μg/ml)中のブルクホルデリアセパシア(LSPQ ID 28369)の細菌数を示す図であり、
図3は、異なる条件下におけるプロテオースペプトン(MIC>5μg/ml)中のエシェリヒアコリ(nm 881061)の細菌数を示す図であり、
図4は、異なる条件下におけるプロテオースペプトン(MIC>9μg/ml)中のスタフィロコッカスアウレウス(LSPQ 2499)の細菌数を示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、治療剤を細菌細胞へと至らせそして細菌のムコイド外部ポリサッカライドを通るように透過性を高める治療用リポソーム製剤を提供する。リポソーム製剤は、凍結、水和および圧力下の押出により製造される。リポソームは、好ましい態様において、平均サイズ0.6μmから0.2μmであり、そして中性脂質および陰性荷電脂質からなる。陰性荷電脂質のモル量は全脂質の6.5%から11%であり、封入の効率は典型的には20%より大きい。「インサイチュ」にての動物への投与の場合、リポソーム治療製剤は治療剤滞在時間を延長させて治療剤の毒性を低下させるのみならず、治療活性を上昇させる。そのような製剤の一つの態様は、治療剤として抗生物質を含む。他の態様において、リポソーム製剤は細菌感染治療用として機能して、ホスファチジルコリンである中性リン脂質、およびホスファチジルグリセロールであるアニオン性リン脂質の組み合わせを比率10:1から15:1にて、治療剤と共に含む。
他の好ましい態様において、製剤はアミノグリコシドを抗生物質として含む。アミノグリコシドの例はトブラマイシンである。そのようなリポソームアミノグリコシド製剤は、1)哺乳動物の抗生物質治療の間抵抗性である微生物に対する高い殺菌活性;2)治療剤封入の高い効率;3)標的器官における抗生物質の延長された滞在時間;4)低毒性;および5)封入された治療剤の時間をかけた変調徐放性を示す。
本発明は、時間をかけた治療剤の変調された放出を許容し、したがって治療剤のうまく制御された放出を許容する治療用リポソーム製剤も提供する。本発明は、診断器具として機能し得るリポソーム製剤も提供する。特定の組織または細胞種を標的とするためには、莫大な種類の生物活性剤例えば抗生物質を本発明のリポソームとカップリングさせることができる。標的の検出は公知の方法により評価することができ、例えば、放射性または非放射性標識の使用、リポソームにトラップされた染料の使用を含む。本発明のリポソーム製剤の診断用途の莫大な例の一つは、転移の存在を検出、定量または分析するために腫瘍抗原に特異的な抗体を用いて腫瘍抗原を標的とすることである。
選択される治療剤は感染を引き起こす生物に依存する。適切な抗生物質は限定されないが、ペニシリン、アンピシリン、ネタシリン、カルベンシリン、テトラサイクリン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オクステトラサイクリン、塩酸クロロテトラサイクリン、7-クロロ-6-ジメチルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ドキシサイクリン1水和物、塩酸メタサイクリン、塩酸ミノサイクリン、ロリテトラサイクリン、ジヒドロストレプトサイクリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、エリスロマイシン、カルボマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ポリマイシンB、コリスチン、セファロチンナトリウム、セファロリジン、セファログリシン脱水物、およびセファレキシン1水和物を含む。
感染または病気の部位が外部であるかまたは接近可能ならば、リポソームにトラップされた治療剤は局所適用できる。
本明細書にて意図する細菌は、限定されないが、モラクセラ種、クロストリジウム種、コリネバクテリウム種、ジプロコッカス種、フラボバクテリウム種、ヘモフィルス種、クレブシエラ種、レプトスピラ種、ミコバクテリウム種、ナイセリア種、プロピオニバクテリウム種、プロテウス種、シュードモナス種、セラチア種、エシェリヒア種、スタフィロコッカス種、ストレプトコッカス種、および細菌様生物例えばマイコプラズマ種およびリケッチア種を含む。
アミノグリコシドとは、アミノグリコシド類およびそれらの類似体および誘導体であり、ストレプトマイシン、デヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシンB、パロマイシン、リボストラマイシン、リビドマイシン、カナマイシンAおよびB、ビオマイシン、ゲンタマイシン(C1、C1aおよびC2を含む)、シソマイシン、ネチリマイシンおよびアミカシンを意味するものと理解されよう。
β−ラクタムは、合成、半合成および天然ペニシリン類、セファロスポリン類、モノバクタム類、およびチナマイシン類、例えばオキサシリン、セファピリン、アズトレオナムおよびイミペネムを指すことは理解されよう。
送達の目的に依存して、リポソーム製剤は多くのルートで投与される:ヒトおよび動物においては、限定されないが、注射(例えば、静脈内、腹腔内、乳房内、尿道内等)、局所適用(例えば、病気の部位上)、および上皮または皮膚粘膜内層(例えば、眼上皮、口粘膜、直腸および膣粘膜内層、呼吸道内層、鼻咽頭粘膜、腸粘膜等)を通した吸収によることを含む。
透過性投与の様式は化合物が到達する生物内部位および細胞を決定する。リポソームは単独で投与することができるが、通常は意図された投与ルートおよび標準の薬学上の習慣に関して選択された薬剤キャリアーと混同して投与される。製造物は、非経口注射、例えば腹腔内、動脈内または静脈内注射される。製造物は、口、皮下、筋肉内およびもちろん乳房内のルートを通して投与される。非経口投与に関しては、製剤は例えば滅菌水性溶液の形態で使用することができ、他の溶質、例えば溶液を等張にするのに十分な塩またはグルコースを含んでよい。製造物の特定の目的に依存した他の用途は当業者には想像されるであろう。エアロゾルによるリポソーム製剤の送達は投与の好ましい方法として意図される。例えば、限定されないが、本発明の製剤は呼吸器疾患の治療において使用することができる。喘息はこれらの製剤が使用できる多くの疾患のひとつである。
疾患状態の治療におけるヒトを含む動物への投与に関しては、処方する医学専門家が最終的には与えられた対象に対する適切な投薬量を決定し、そしてこれは薬剤、体重、および動物の応答並びに疾患の症状および重度に応じて変更することが期待され得る。リポソーム形態における治療剤の投薬量は、本発明によれば、遊離の治療剤に関して用いられるよりも低くすることができる。いくつかの場合は、しかしながら、等量かまたは高い量で投与されることが必要になるかもしれない。定期的な処置または異なるサイクルの処置が利益を生じるかもしれないことも意図される。
リポソームの送達のルートは体内の分配にも影響しうる。リポソームの受動的な送達はさまざまなルートの使用、例えば、静脈内、皮下および口からの投与を含む。各々のルートはリポソームの位置において差異を生じる。選択された標的領域へ積極的にリポソームを差し向けるのに使用される2つの共通方法は、リポソームの表面への抗体または特異的受容体リガンドのいずれかの結合である。抗体は対応する抗原に高い特異性を有してリポソーム表面に結合させること、即ちリポソームに封入された薬剤の標的特異性を高めることが可能なことが示されている。
本発明はさらに、リポソームアミノグリコシドまたはβ-ラクタム製剤を提供するが、好ましくは以下の合成脂質:ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およびジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)を含む。他の適切なホスファチジルコリンおよびホスファチジルグリセロールは、大豆、卵または植物起源から得られたものまたは部分合成されたものを含む。
所望の応用、送達目的、送達ルート、標的、および製剤の使用に関連した他のパラメーターに依存して、リポソームの大きさはよく知られた方法に従い適合されうる。例えば、大きなリポソームは局所投与に適しており、小さなリポソームは静脈投与に好ましいことがよく知られている。さらに、リポソームの大きさはマクロファージにより食べられる容量に影響する。即ち、投与のルートを重視するか、細網内皮器官における残存を重視するか、または食作用(phagocytosis)を重視して(例えばマクロファージ内部で細菌を処理する)、リポソームの大きさは適合されうる。リポソームの大きさはナノメーターからミクロンの範囲、好ましくは100nmから1μmの間である。好ましい態様においては、リポソームの大きさは約200nmから600nmである。そのようなリポソーム製剤は、動物の肺への送達のために、製剤のエアロゾル投与を使用できる。
好ましい製剤は、封入されたアミノグリコシドを含むリポソームであり、0.2μmから0.6μmの範囲の平均サイズを有する複数ラメラ小嚢である。DPPC:DMPGの好ましい比率は約5:1から20:1であり、そして全脂質に対する好ましい治療剤の比率は約1:1から1:10である。他の好ましい製剤は、個別または混合物中モル比約0.01から20の間で存在するホスファチジルコリンおよびまたはホスファチジルグリセロールのような適切な脂質を含む。他の好ましい製剤は、全脂質に対する治療剤の比が1:10から1:1の製剤である。
本発明によれば、複数ラメラのリポソームの製造方法は5つの主要工程に分割されうる。脂質をクロロホルムに溶解して(約1mg脂質/mlクロロホルムまたはそれ以上)、溶液を脱気して室温から60℃の間で脂質フィルムを形成する。脂質混合物は陰性電荷が好ましく、その結果得られる脂質濃度は約5mMから130mMの範囲である。リポソーム製造物は典型的には2またはそれ以上の成分の混合物であり、ホスファチジルコリンおよび陰性荷電分子例えばホスファチジルグリセロールをそれぞれ40-90%および5-60%のモル比でリポソーム製造物成分として含む。好ましい組み合わせは、比率10:1から15:1のジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC):ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)であり、全脂質濃度5から85mMである。その結果得られる陰性荷電脂質は抗生物質の高封入効率を誘導するが、該脂質製剤は細菌細胞への抗生物質の透過性を高めることを促進する。脂質フィルムは抗生物質の水性溶液または1:20に希釈されたリン酸緩衝塩(PBS)で水和する。抗生物質の濃度は0.01mg/mlから150mg/mlの間で変更しうる。好ましい濃度は10mg/mlから40mg/mlである。抗生物質は好ましくは、本明細書で言うアミノグリコシドであるかまたはβ-ラクタムであるが、他の抗生物質および非抗生物質治療剤も本発明の方法から利益を得る。
脂質フィルムの水和および複数ラメラのリポソームの形成に続き、製造物は液体窒素中(−170℃)またはディープフリーザー(−70℃)中で2時間凍結され、次いで5mtorrにて24時間、フリーズドライヤー中で凍結乾燥される。凍結乾燥されたサンプルは使用まで−70℃または−20℃に保たれる。使用に際し、粉末を初期体積の1/8部分にて抗生物質溶液(10mg/mlから40mg/ml)で水和して、65℃において60分間インキュベートした。次に、緩衝塩溶液を用いて懸濁液を初期体積の50%にして再び激しく振盪した。好ましくは、複数ラメラ小嚢は小さい孔のポリカーボネート膜1μmから0.2μmに連続して通過させて押出すか、または所望なようにリポソームサイズを徐々に低下させる。最終的には、大きさを決めた混合物を2回、20分間、5,000gにて遠心分離して、沈殿物を塩溶液に懸濁した。リポソーム中のトブロマイシンの測定は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により実施した。
本発明の特に重要な態様は、細菌細胞へ抗生物質を顕著に高く透過するリポソーム/アミノグリコシド製剤を生成する。この態様において、脂質混合物は、比率10:1から15:1のジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC):ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)であり、全脂質濃度5から85mMである。最終的なリポソーム/アミノグリコシド製剤は、約0.4μmの直径を有し、20%の封入効率並びに1:1の治療剤脂質比を有していた。改良された殺菌効率は、治療剤がリポソームに取り込まれるにとどまらず治療剤の細菌細胞への透過およびシュードモナスエルギノーサにより分泌されるムコイド外部ポリサッカライドへの通過を顕著に改良する独創的なリン脂質混合物に取り込まれるという事実に関係する。
本発明のリポソーム/抗生物質製剤は、モノクローナル抗体または他の分子を用いて特定の組織または細胞例えば細菌細胞を標的とすることができる。
本発明のアミノグリコシド封入方法は封入されたアミノグリコシドを用いた以前のプロトコルを超える極めて顕著な改良をもたらすが、それは遊離抗生物質が107c. f. u. を数えるのに対して低濃度の封入アミノグリコシドが細菌を殺傷するからである(以下参照)。
実施例1
トブロマイシンリポソーム製剤
以下の実施例は、上記リポソームアミノグリコシド製剤の分析を記載するが、但し、アミノグリコシドはトブロマイシンであり、脂質混合物は比率10:1から15:1のジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC):ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)であり、全脂質濃度5から85mMである。水和は、1:20に希釈されたリン酸緩衝塩を用いて−70℃において凍結して凍結乾燥することにより生じた。再水和は、初期体積の1/8部分において抗生物質溶液(10mg/ml)を加えて、初期体積の50%までリン酸緩衝塩を加えることにより行った。リポソームは、最初に1μmフィルターを通して押出し、0.6から0.4μmのポリカーボネート膜を通して押出しそして5,000×gにて20分間2回遠心分離して、PBSに再懸濁した。
実施例2
異なるトブロマイシン−リポソーム製剤の物理学および生物学上の特性
異なるリポソーム製剤を実施例1に従い製造して分光スキャンにより分析した。分光スキャンを用いて、表1にリストされたトブロマイシン−リポソーム製剤に関して相転移温度(Tc)を計算した。これら全ての製剤は、リポソームからの遊離の抗生物質動力学を評価するためにインビトロにて試験された。さらに、これら製剤は、肺中のリポソームの永続を評価するために前記(Omri et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095)の方法により非感染マウスモデルにおいて試験された。DPPC/DMPG 10:1、15:1およびDSPC(ジステロイルホスファチジルコリン)/DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン)15:1のリポソーム製剤(表1に示す)は、以下の特性:流動性/安定性による都合の良い量の抗生物質の徐々の遊離を示した。これらのリポソーム製剤は、殺菌効率を審査するために、慢性肺感染の動物モデルにおいてさらに試験された。2つのDPPC/DMPGとは対照的に、DSPC/DMPC製剤はこの動物モデルにおいて不活性を示した。さらに、所望の流動性/安定性は示すが2つのDPPC/DMPGと同等の相転移温度を示す幾つかの製剤は、非感染動物モデルにおいて効果を示さなかった。注目すべきは、表1に記載された製剤へのコレステロールの添加がTcを最小値60℃にまでもたらした。そのような製剤は、徐々の抗生物質遊離と細菌との適切な相互作用と両立しなかった。即ち、リポソーム製剤の所望の特性を維持するためには、低剛性リポソームが必要らしい。この低剛性は、低い相転移温度(製剤が投与される動物の体温より低い)を維持して製剤中のコレステロールの使用を避けることにより達成できる。
実施例3
治療剤の肺における残存
実施例2において簡単に言及されたとおり、肺における残存の研究は、実施例1において製造されたとおりに、10:1のDPPC:DMPGモル比にて、BALB/cマウス(Charles River)中で製造して、遊離トブラマイシンを対照として用いた。前記のとおり(Omri et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095)、遊離およびリポソームトブラマイシン製造物50μlを1投薬量として動物体内に注射し、そして肺、腎臓および血液を決められた時間に回収した(表2)。肺と腎臓は無菌で取り出し、重量を測り、そして冷滅菌PBS(40%[重量/体積])中で30秒ポリトロンホモジェナイザーを用いてホモジェナイズした。両者のホモジェナイズした組織並びに血清中のトブラマイシンのレベルはHPLCにより測定した。3つのマウス群を各時間値に関して用いた。
本発明に従い製造されたリポソームアミノグリコシド製剤の投与は、遊離の治療剤に比して、肺中でのトブラマイシン封入形態の延長された肺残存時間をもたらした。注目すべきは、しかしながら、表2に示すとおり、トブラマイシンの濃度がDPPC:DMPG製剤を用いて時間と共に低下することである。この結果は、一定濃度のトブラマイシンを示したDSPC:DMPG(10:1)製剤とは対照的であり、即ち、リポソームは高度に安定であった(Omri et al., 1994, Antimicrob. Agents Chemother. 38:1090-1095、以下も参照)。
実施例4
リポソーム封入されたトブラマイシンの殺菌活性のインビボ分析
本発明に従い生成されたリポソームアミノグリコシド製剤の殺菌効率を評価するために、病原体を持たない、体重175から225gのオスのSprague-Dawleyラット(Charles River)を用いた。肺中の慢性の感染は、アガービーズ中に調製した5×105のシュードモナスエルギノーサPA 508(ムコイド表現型)の気管内投与により確立した。慢性肺感染のこのラットモデルは、ヒトCF患者における慢性肺感染の最も適切な動物モデルとして広く認識されることは指摘されるべきである。3日後、3投薬量(600μg)の遊離またはリポソーム封入トブラマイシンを16時間おきに気管内投与した。脂質混合物は、モル比10:1のDPPC:DMPC(製剤番号1)およびモル比15:1のDPPC:DMPC(製剤番号2)であった。最後の処理の16時間後、動物を犠牲にして、全肺を無菌で取り出し、重量を測り、マウスに関して前記されたとおりにホモジェナイズした。冷PBS中のホモジェネートの連続10倍希釈液を作成して、プロテオースペプトンアガープレート上に3分配した。シュードモナスエルギノーサの同定は、特定の培養物により確認した。5% CO2下にて24時間37℃にてインンキュベーション後、CFUを計数した。計数値は、肺2つあたりのlog CFUにて表現された。PBSおよびPBSリポソームを対照として用いた。これらの結果を表3に示す。
本発明に従い生成されたリポソームトブラマイシンの殺菌作用を研究するための第2の実験は表3に関して以下の修飾を加えて実施した:1)リポソームをモル比15:1のDPPC:DMPG(製剤番号3)で製造し;そして2)2投薬量のみの240μgの遊離またはリポソーム封入トブラマイシンをラットに投与した。
この実験の結果は、肺への低投薬量のトブラマイシンの「インサイチュ」投与が、遊離治療剤に比して封入アミノグリコシドの殺菌作用を劇的に増加させることを示す。封入トブラマイシンの殺菌効率の非常に大きな増大は、リポソーム製剤が細菌細胞膜を通した拡散の増大および治療剤の細胞内蓄積の増大をもたらすことを示す。リポソーム製剤の一部としての相対的に低投薬量の殺菌活性の劇的な増加は、さらに、製剤の脂質がリポソームと細菌細胞の間の拡散を促進することを示唆する。本発明に従い製造された特定のリポソーム製剤は、他の以前のリポソーム製剤には無かった独創的な特性を示す。適例は、使用されたムコイドシュードモナスエルギノーサに対するトブラマイシンリポソーム製剤の顕著な殺菌活性である。即ち、本発明の製剤は、細菌のOMのみならず外部ポリサッカライドを通した抗生物質の通過を高めるらしい。即ち、本発明のリポソーム製剤は細菌の非ムコイドおよびムコイド形態を処理するのに連続的に使用されうる。低投薬量のアミノグリコシドが強固な殺菌効率を示すのに十分であるという事実は、治療剤の毒性を減じる。事実、表3および4の結果は、動物kgあたりほんの1.37mgの抗生物質−リポソーム製剤の劇的な殺菌活性を示した。以前に開示された製剤は、実質的に低い殺菌活性の35-120mg/kgの抗生物質を用いた(国際公開第94/12155号および米国特許第4,981,692号)。さらに、本発明の治療用リポソーム製剤は、Popescuら(米国特許第4,981,692号)のような細胞内感染に特異的にデザインされた製剤のように、マクロファージによる食作用に厳密に依存しない。さらに、封入された抗生物質が遊離抗生物質と同等に使用される場合に、腎臓において観察されるトブラマイシン濃度を低下させた事実は、低下した毒性を示す。
CF患者において、ブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)は、最も抵抗性の細菌として認識される。ブルクホルデリアセパシア(以前のシュードモナス)は、1980年代初頭に肺機能の急速且つ致命的な悪化、発熱、壊死性肺炎、そして幾つかの場合には敗血症を膵嚢胞性繊維症患者において引き起こすことが報告された(Govan et al., 1993, Royal Soc. Med. Suppl. No. 20, 86:11-18)。ブルクホルデリアセパシアの臨床上最も重要な特徴の一つは、構造上関連性のない抗菌剤に対する内在の抵抗性である(Gotoh et al., 1984, Microbiol. 140:3285-3291)。外膜に関する重要な相違が、シュードモナスエルギノーサとブルクホルデリアセパシアの間に観察された(Gotoh et al., 1994)。
キサントモナスマルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)は、慣用的な治療に対して極めて治癒しにくい他の種の細菌である。抗菌剤に対する内在の抵抗性に関して、キサントモナスマルトフィリアとブルクホルデリアセパシアの間に平行線が引かれうる。相対的に不透過性であるから、キサントモナスマルトフィリアに対する感染はしばしば死に至る。
エシェリヒアコリおよびスタフィロコッカスアウレウスの細菌の壁は、安定化部位の比較において極めて異なる特徴を示す。エシェリヒアコリのような腸内細菌の外膜は明確なポリン(porin)を有し、リポポリサッカライド側鎖は架橋されており、それにより、異常に低い透過性を疎水性溶質に対する外膜の脂質二層領域に授ける(Nikaido, 1988, Rev. Infect. Dis. 10, Sup. 2:S279-S281)。スタフィロコッカスアウレウスのようなグラム陽性細菌の細胞壁は、ペプチドグリカン、ポリサッカライドおよびポリマー例えばテイコイル酸からなる。脂質物質を含むグラム陰性細菌の細胞壁と対照的に区別して、グラム陽性細胞例えばスタフィロコッカスアウレウスの細胞壁は脂質物質を含まない。グラム陽性細胞壁製造物の孔性は近代技術を用いて明確に分析されていないが、完全孔性であると推測するのが道理に合う(Nikaido, 1994, J.-M. Ghuysen and R. Hakenbeck(Eds.)Bacterial Cell Wall)。
グラム陰性細菌のすべての種の外膜は、ポリンチャンネルを含むことが示されている。与えられた排除限界以下の大きさの親水性分子はポリンと呼ばれる蛋白質の水充填チャンネルを通過することができる。ポリカチオン性抗生物質であるアミノグリコシドの場合、外膜を通した取り込み機構は、シュードモナスエルギノーサおよびエシェリヒアコリとは異なると提案されている。シュードモナスエルギノーサに関して、アミノグリコシドは自己制御取り込みルートにより取り込まれる(Hancock et al., 1981, Antimicrob. Agents Chemother. 19:777-785;および、Nicas et al., 1980, J. Bacteriol. 143:872-878)。この経路において、ポリカチオンはリポポリサッカライド(LPS)分子に隣接して架橋ブリッジする二価のカチオンを競争置換するように作用して、即ちこれらの重要な外膜安定化部位を破壊する。本発明は、特定の理論に限定されないが、外膜を透過して透過性ポリカチオンの他の分子の取り込みを促進すると信じられる。このことは、3から5の陽性荷電を有するアミノグリコシドのポリカチオン性と一致する。エシェリヒアコリのポリンは特に複雑らしいが、それはトリマーの配列が単一水充填チャンネルに集中する3つの小さな孔を形成するからである(Engel et al., 1985, Nature(London)317:643-645)。アミノグリコシド透過の2つの様式がエシェリヒアコリに関して示唆されている:(1)アミノグリコシドはポリン経路により取り込まれる;そして(2)アミノグリコシドの透過はOmpF上の二価カチオン結合部位における相互作用により介在されるOmpF(ポリンF)の凝集−脱凝集によるらしい(Hancock et al., 1981, Antimicrob. Agents Chemother. 35:1309-1314)。
本発明に従い生成されたリポソーム製剤が広い範囲の細菌株に有効であることを証明するために、シュードモナスエルギノーサ、ブルクホルデリアセパシア、エシェリヒアコリ、スタフィロコッカスアウレウスおよびキサントモナスマルトフィリアを用いて殺菌試験を実施した。
実施例5
異なる細菌ファミリーに対するインビトロ殺菌活性
本発明に従い生成されたリポソームトブラマイシン製剤(DPPC/DMPG)の殺菌効果を評価するために、異なる臨床株:シュードモナスエルギノーサ(株429)MIC≧60μg/ml、ブルクホルデリアセパシア(株ID-28369)MIC≧27μg/ml、エシェリヒアコリ(株1061 mn 88)MIC≧5μg/ml、スタフィロコッカスアウレウス(株LSPQ 2499)MIC≧9μg/ml、およびキサントモナスマルトフィリアMIC>5μg/mlを用いてインビトロ試験を実施した。プロテオースペプトン(29ml)を含む培養チューブに、対数相の最小数108cfuの細菌(1ml)および以下の調製物(100μl)を0時間において加えた:遊離トブラマイシン、リポソーム封入トブラマイシン、対照リポソームまたはPBSである。実験は3分割して行った。抗生物質または対照の添加から1、3、6および16時間後に、2mlのサンプルを回収して、連続10倍希釈液を作成して、グラム陰性株についてはプロテオースペプトンアガープレート上に、そしてシュードモナスエルギノーサについてはMacConkeyアガープレート上に3分割して撒いた。CFUは、5%CO2下37℃において24時間および48時間後に数えた。計数は培地mlあたりのlog CFUとして表された。これらの結果を図1−4および表5に示す。すべての5(5)細菌ファミリーにおいて観察されうるとおり、各実験において封入されたトブラマイシンの量は用いられた細菌のMICより劣った。
図1−4および表5に示された結果は、5つの異なる細菌を用いて遊離トブラマイシンに比した場合のリポソームトブラマイシン製剤の顕著な殺菌効果を示し、この製剤の殺菌特性が特定の細菌細胞種に限定され得ないことを示し、そして本発明のリポソーム製剤が一般的に細菌感染治療に有効に使用されうることを示唆する。
要約すれば、本発明のリポソーム製剤は従来の製剤に比して治療剤の送達における極めて顕著な改良を提供する。これらの製剤は、細菌感染した多くの動物系において使用できる。図1−4および表5に示されたとおり異なる細菌ファミリーに対するリポソーム封入トブラマイシンの殺菌効果は、本発明のリポソーム製剤が外膜中において重要な変更を提示する多数の細菌に対して有効でありうることを示す。さらに、本発明のリポソーム製剤は、膵嚢胞性繊維症患者における慢性肺感染の治療のための約束された別法を提供する。
本発明は例示された態様を特に参照して記載されたが、多くの修飾がなされてよいことは当業者には理解されよう。したがって、上記記載および図面は本発明の例示として認識されるべきであり、限定の意味で認識されるべきではない。
Claims (6)
- 相転移温度(Tc)の平均値が35℃以下であり、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)およびジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)をモル比10:1から15:1で含み且つ少なくとも一つの治療剤を含む、直接の相互作用により細菌内への治療剤の透過を増強する、低剛性の複数ラメラの、コレステロールを含まないリポソーム製剤。
- 治療剤が1μg/mlから50mg/mlの濃度のトブラマイシンである、請求項1記載のリポソーム製剤。
- 製剤が少なくとも一つの細菌外膜および外部ポリサッカライド層を通した少なくとも一つの治療剤の細菌との直接の相互作用による通過を高める、請求項1記載のリポソーム製剤。
- 細菌感染の治療または予防のために抗菌投薬量で請求項1記載のリポソーム製剤を含む、抗菌製剤。
- 細菌がシュードモナス、ブルクホルデリア、エシェリヒア、スタフィロコッカスおよびキサントモナスからなる群から選択される、請求項4記載の抗菌製剤。
- 細菌がシュードモナスエルギノーサ、ブルクホルデリアセパシア、エシェリヒアコリ、スタフィロコッカスアウレウスおよびキサントモナスマルトフィリアからなる群から選択される、請求項5記載の抗菌製剤。
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