JP4084846B2 - 抗生物質処方物および薬物耐性感染症への使用 - Google Patents

抗生物質処方物および薬物耐性感染症への使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は生化学および医学の分野に関し、特にリポソーム処方物に関する。更に具体的には、本発明はアミノグリコシドを含むリポソーム処方物、その製造法およびその使用に関する。本発明は、毒性が低く、安定性が長く、効力に優れた処方物にも関する。本発明は、アミカシンを含むリポソーム処方物および薬物感受性および薬物耐性株の細菌感染症でのその使用にも関する。
発明の背景
アミノグリコシドの発見は、1940年代にStreptomyces griseusからストレプトマイシンを単離したことに始まった。1940年代以来、他のアミノグリコシドが発見され、合成されてきた。これらには、Streptomyces fradiaeから得られるまたは単離されるネオマイシン、Streptomyces kanamyceticusから単離されるカナマイシン、Micromonospora purpureaから単離されるゲンタマイシン、Streptomyces tenedrariusから単離されるトブラマイシン、Micromonspora inyoesisから単離されるシソマイシン、カナマイシンAの半合成誘導体であるアミカシン、およびシソマイシンの半合成誘導体であるネチルマイシンが挙げられる。アミカシンは、総てのアミノグリコシドのうちで最も広い抗微生物活性スペクトルを有する。これは、免疫グリコシド不活性化酵素に対する独特な耐性も有する。
アミノグリコシドは、通常は中心部にあるヘキソース核にグリコシド結合で結合した2個以上のアミノ糖からなる極性カチオンである。アミノグリコシドは、グラム陰性菌によって引き起こされる感染症を治療するのに主として用いられる。しかしながら、アミノグリコシドは近年はMycobacteria属の細菌を扱うのに用いられてきた。例えば、アミカシンはMycobacterium tuberculosisに対して有効であることが示されている。アミノグリコシドは、M. tuberculosisよりもごく僅かだけ速く成長し多数のセロタイプに分割することができる関連した抗酸生物の群であるM. avium-intracellulare合併症(MAC)などのM. avium感染症に対しても試験されてきた。20世紀の初頭には、結核が米国における最も大きな死因であった。1940年代後半までに、ストレプトマイシンの出現により結核感染症は実質的に減少した。1980年代中期以来、後天性免疫不全症候群の出現と共に、結核は再び主要な健康上の問題として現れた。更に、その新しい結核の症例は、利用可能な抗生物質療法の多くに耐性を示していた。同様に、MACはかつては希であると考えられていたが、現在では後天性免疫不全症候群に掛かっている患者では極めて普通に見られる全身性の細菌型感染症である。従って、有効な抗生物質が強く求められている。
アミノグリコシドは感染症の治療に有用であったが、これらの抗生物質を使用すると毒性および副作用から免れることはできない。アミノグリコシドは、不可逆性の前庭、蝸牛殻および腎臓の毒性を生じることがある。アミノグリコシドの2つの主要な毒性作用は耳毒性と腎毒性である。アミノグリコシド抗生物質は、多尿症、尿浸透圧の減少、タンパク尿、酵素尿、糖尿、および糸球体の濾過速度の減少を引起こすことが、研究により判っている。幾人かの研究者は、腎毒性は、その組織での薬剤の半減期が長いため、腎皮質にアミノグリコシドが蓄積することによって引き起こされると考えている。
リポソームは、部分的にリン脂質から作られている微視的な小胞であり、水に分散させると粒体を満たした閉鎖球を形成する。リン脂質分子は極性であり、親水性のイオン化可能な頭と長鎖の脂肪酸鎖からなる2本の疎水性の尾とを有する。従って、十分なリン脂質分子が水と一緒に存在すると、尾同志が自然に提携して水を排除し、一方親水性のリン酸塩の頭は水と相互作用する。その結果、脂肪酸の尾は新たに形成された膜の内側に収束し、極性の頭は水性媒質に向かって反対方向を向いている二重層膜を生じる。これらの二重層膜は、リポソームとして知られる閉鎖球を形成することができる。膜の内部表面の極性の頭は、リポソームの水性内側に向いている。球状膜の反対側の表面では、極性の頭は周囲の水性媒質と相互作用している。リポソームが形成されるので、水溶性分子を水性内側に取り込むことができ、親油性分子は脂質二重層に取り込まれ易くなる。リポソームはマルチラメラ状であって、液体が多くの脂質二重層を隔てているような玉葱状であるか、またはユニラメラ状であって全体的に液状の中心を取り巻いている単一二重層であることもできる。
多くの種類のリポソーム製剤技術があり、これを用いて様々な種類のリポソームを製造することができる。これらは、用途、取り込もうとする化合物、および二重層膜を形成するのに用いられる脂質の種類によって選択することができる。リポソーム製剤の製造において考慮しなければならない要件は、他の制御放出機構の要件と同じである。それらの要件は次のようなものである。(1)高率の化合物の取り込み、(2)化学的安定性の増加、(3)化学的毒性が低い、(4)速やかな製造法、および(5)粒度分布の再現性がある。
リポソームに化合物を取り込むのに記載した第一の方法は、マルチラメラ小胞(MLV)の製造を含んでいる。MLVに化合物を取り込む方法は、当該技術分野で知られている。
リポソームはユニラメラ小胞(UV)として形成させることもでき、これは一般的には粒度が1μm未満である。ユニラメラリポソームを製造するのに用いられる数種類の手法が当該技術分野で知られている。
更に小さなユニラメラ小胞は、様々な手法を用いて形成させることができる。エタノールにリン脂質を溶解させ、これを緩衝液に注入することによって、脂質は自然に再配列してユニラメラ小胞となる。これにより、超音波処理によって製造されるのと同様な内部容積(0.2〜0.5リットル/モル/脂質)を有するUVを製造するための簡単な方法が提供される。MLVの超音波処理または(フィルターを介する)押し出しでも、直径が0.2μmまでのUVの分散液が得られ、これは透明または半透明の懸濁液のように見える。
小さなUVを製造するもう一つの常法は、洗剤除去法である。リン脂質を、コール酸塩、トライトンXまたはn−アルキルグルコシドのようなイオン性または非イオン性の洗剤に可溶化する。次いで、薬剤を、可溶化した脂質−洗剤ミセルと混合する。次に、洗剤を、透析、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィ、遠心分離、限外濾過などの数種類の手法の一つによって除去する。この方法によって製造されたUVの粒度分布および取り込み効率は、用いる手法の詳細によって変化する。
リポソームの治療用の用途としては、遊離の形態では通常は毒性を有する薬剤の輸送が挙げられる。リポソームの形態では、毒性を有する薬剤は感受性を有する組織から離され、選択された部位に向けられる。リポソームは治療に用いて、長時間に亙って薬剤を放出し、投与の回数を減少させることもできる。更に、リポソームは、静脈内の輸送を行なうための疎水性薬剤の水性分散液を形成する方法を提供することができる。
リポソームを用いて、取り込んだ薬剤を選択された宿主組織へ向け、感受性を有する組織から離す場合には、数種類の方法を用いることができる。これらの手法は、リポソームの粒度、その真の表面電荷ならびに投与経路の操作を含んでいる。更に具体的な操作としては、リポソームを体内の特定の部位のレセプターまたは抗体で標識することが挙げられる。
リポソームの輸送経路は、体内でのその分布に影響を与えることもある。リポソームの受動輸送は、様々な投与経路、例えば静脈内、皮下および局所投与を用いることを含んでいる。それぞれの経路によって、リポソームの局在化に差が生じる。リポソームを選択された標的部位に能動的に向けるのに用いる二つの良く用いられる方法は、抗体または特異レセプターリガンドをリポソームの表面へ結合させることである。抗体は相当する抗原に対して高い特異性を有することが知られており、リポソームの表面に結合されて、リポソームに取り込まれた薬剤の標的特異性を増加させることができることが示されている。
多くの薬剤の化学組成はそれらを静脈内投与することを妨げているので、リポソームはこれらの薬剤を静脈内輸送に適合させるのに極めて有用であるということができる。シクロスポリンのような多くの疎水性の薬剤は、水を基材とする媒質に容易に溶解することができず、またアルコールや界面活性剤のようにイン・ビボで毒性反応を引起こすことが示されているものに溶解しなければならないので、この範疇のものに包含される。コレステロールを含むまたは含まない脂質からなるリポソームは、毒性を持たない。更に、リポソームは両親媒性分子から作られているので、それらはその内部空間に親水性薬剤を取り込むことができ、その脂質二重層に疎水性分子を取り込むことができる。リポソームの製造法は当該技術分野で周知であるが、過度の実験を行なうことなく実用処方を決定することは常に可能とは限らない。
アミノグリコシドを含むリポソーム処方物は製造されている。その製剤の多くは、MLVを用いるエアゾール処方を包含している。他の処方物は多量の負に帯電した脂質を、通常は20%より多く含んでおり、保持時間または循環半減期を増加させる。アミノグリコシドリポソーム処方物に関する問題点は、RES吸収により系の保持時間が短いことが挙げられる。当該技術分野で試みられた処方でも、リポソームアミノグリコシドは保存時および血清中のいずれでも不安定であった。
従って、哺乳動物の系においてアミノグリコシドの保持時間を増加しかつ更に薬剤を極めて効率的にかつ遊離の薬剤よりも低い毒性で輸送することができる新規な処方を提供することが望まれる。また、平均粒度が100nm未満であり、好ましくは総脂質に対する薬剤の比率が高い治療上有効なアミノグリコシドユニラメラリポソーム処方物を製造することは通常の技術を有する者にはできないので、透明で安定かつ効果的なアミノグリコシドリポソーム懸濁液を製造することができる方法を提供することも望まれる。
発明の要約
アミノグリコシドを含んでなるリポソームであって、平均粒度が100nm以下のユニラメラ状であるリポソームが本発明で提供される。アミノグリコシドを含んでなるリポソーム処方物であって、そのリポソームが中性脂質、ステロールおよび負に帯電した脂質からなるものが提供される。小さなユニラメラ状小胞であって、負に帯電した脂質のモル量が総脂質の20%未満であるものも提供される。好ましい処方物は、アミノグリコシドを有するリポソームであって、平均粒度が30nm〜100nmであり且つホスファチジルコリン、コレステロールおよびホスファチジルグリセロールをも含んで成り、ホスファチジルグリセロールのモル量が5%未満、好ましくは約3%であるリポソームである。薬剤対総脂質の比率は1:9〜1:3であり、好ましい比率は約1:4である。アミノグリコシドを含むリポソームを含んで成る好ましい処方であって、そのリポソームのユニラメラ状小胞の粒度が100nm未満であり、脂質が水素化した大豆ホスファチジルコリン、コレステロールおよびジステアロイルホスファチジルグリセロールを約2:1:0.1のモル比で含むものも提供される。
本発明は、アミノグリコシドリポソームの製造法も含んでいる。この方法は、中性リン脂質、ステロールおよび負に帯電した脂質からなる脂質粉末を形成させ、この粉末を水性緩衝液中でアミノグリコシドと混合し、この脂質混合物の転移温度より十分低い温度でこの混合物を水和させ、リポソームの粒度を減少させて平均粒度を100nm未満とすることを含んでなる。
本発明は、哺乳動物における細菌感染症の治療法であって、アミノグリコシドを含むリポソーム処方物であって、リポソームが前記したものであり且つ哺乳動物に治療上有効量のリポソームを導入することによって感染症を治療するのに用いられるものを製造することから成る治療法も提供する。従って、本発明は、細菌感染症を治療するためのリポソームアミノグリコシド処方物の用法を提供する。治療される細菌感染症としては、Pseudomonas属などの日和見好気性グラム陰性菌が挙げられる。本発明のもう一つの特徴としては、P. aeruginosaによって引き起こされる細菌感染症の治療におけるリポソーム処方物の使用が挙げられる。細菌感染症の治療法は、グラム陰性菌の感染症に限定されない。リポソーム処方物は、Mycobacterium属のようなグラム陽性菌を含む細菌感染症を治療するのに用いることができる。本発明は、結核様疾患を引き起こすミコバクテリアを治療するのに特に有用である。前記リポソームを用いて多数の細菌を治療することができる。これらの細菌としては、M. tuberculosis、M. leprae、M. intracellulare、M. smegmatis、M. boris、M. kansasii、M. avium、M. scrofulciumまたはM. africanumが挙げられる。アミノグリコシドのリポソーム処方物も、MACの治療に特に有用である。
本発明の特に有用な態様は、カプセル封入したアミノグリコシドを含んでなるリポソームの有効量を患者に輸送することを含む患者における薬物耐性菌感染症を治療する方法であって、リポソームが、中性脂質、コレステロールおよび負に帯電した脂質とからなり、平均粒度が100nm未満であるユニラメラ状小胞からなる、方法である。イン・ビトロで行なった実験により、リポソーム性アミカシンは薬物耐性のM. tuberculosisを抑制して減殺することが確かめられている。行なった実験では、リポソーム性アミカシンはM. tuberculosisを減殺するが、遊離の薬剤は同じ投与濃度では菌の成長を抑制するだけであることも確かめられている。減殺とは、以前の時点に比較して細菌のコロニー形成単位の数の減少として定義される。抑制とは、以前の時点と比較して細菌のコロニー形成単位が増加するまたは同数であるが、同じ時点での未処理培養物について示されたコロニー形成単位の数よりも少ないこととして定義される。従って、本発明は、細菌がアミノグリコシドおよび他の抗生物質に耐性を有する場合または遊離の薬剤がせいぜい抑制効果しか持たない場合に、許容可能な毒性を持たない濃度で細菌を減殺することができる。
本発明は、リポソーム性アミカシンが遊離のアミカシンよりかなり長時間血漿中に保持されることも示している。本発明によりピーク血清濃度は高くなり、血清中半減期は長くなり、マクロファージによる吸収および保持は増加するので、本発明では従順でない患者を断続的に治療することができる。
本発明は、有効量のリポソーム性アミカシンを患者に投与することによる薬物感受性のM. tuberculosisの治療法であって、この投与水準で遊離のアミカシンと同等またはそれ以上の水準で抑制または減殺が起こる方法も提供する。従って、リポソーム性アミカシンによって輸送されるアミカシンの毒性が減少し、血清濃度が増加することによって提供される利点により、遊離の(カプセル封入されていない)アミカシンによって提供される治療法の好ましく且つ有用な代替法が提供される。
前記のミコバクテリア感染症の総てではないにしても多くは治療が困難であるが、これはこの細菌がマクロファージのような貪食細胞を侵襲するからである。アミノグリコシドを含むリポソーム処方物を適用すると、遊離の薬物の輸送では通常は起こらない薬物の細胞内輸送が起こる。従って、本発明は、平均粒度が100nm以下のユニラメラ状リポソームを用いて治療または有効量のアミノグリコシドをマクロファージ中に輸送することによる、哺乳動物における感染した貪食細胞の治療法を提供する。
ここに、哺乳動物に投与することができ、且つ遊離のアミカシンと比較して(1)感染部位に輸送されるアミカシンの投与量が著しく高くなる、(2)毒性が実質的に低い、(3)かなり長時間血漿中に保持されるという利点を示すリポソーム性アミカシン処方物が提供される。
発明の詳細な説明
本明細書で用いられる、リポソームという用語は、米国特許第4,753,788号および第4,935,171号明細書に記載されているようなユニラメラ状小胞またはマルチラメラ状小胞を表し、前記特許明細書の内容は参照により本明細書中に導入される。
本発明は、好ましくはホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、コレステロール(CHOL)およびアミカシンのような中性脂質を含むリポソーム性アミノグリコシド処方物を提供する。好ましい脂質としては、化学的に純粋でおよび/または完全に飽和されている脂質が挙げられる。好ましい中性脂質は、水素化卵ホスファチジルコリン(HEPC)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のような飽和脂質である。この中性脂質の好ましい炭素鎖長はC16〜C18である。好ましい負に帯電した脂質は、水素化大豆ホスファチジルグリセロール(HSPG)、水素化卵ホスファチジルグリセロール(HEPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジミリストイルホスファチジルコリンのような飽和脂質である。水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)は、本発明で用いるのに好ましい脂質である。他の好適なホスファチジルコリンとしては、卵または植物源から得られるもの、または部分もしくは全合成によって得られるものが挙げられる。用いることができる他のホスファチジルグリセロールは炭素鎖長がC12〜C18である飽和の半合成脂質であり、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびジラウリルホスファチジルグリセロール(DLPG)が挙げられる。
好ましい処方物としては、カプセル封入されたアミノグリコシドを含んでなるリポソームであって、平均粒度が100nm未満のユニラメラ状小胞であり且つ22℃で少なくとも2週間安定で、粒度がほとんど変化せず、またはカプセル封入されたアミノグリコシドが10%より多く失われないものが挙げられる。一般的には、リポソームの粒度は30%を越えては変化せず、最も好ましくは20%を越えては変化しない。HSPC;CHOL;DSPGの好ましい比率は約2:1:0.1であり、薬剤対総脂質の比率は約1:4である。他の好ましい処方物としては、モル量が0〜20%、最も好ましくはモル量が5%未満のDSPGが挙げられる。他の好ましい処方物としては、薬剤対総脂質の割合が1:9〜1:3である処方物が挙げられる。
本発明の方法は、リポソームを形成する溶液の製造から開始する。所定量のホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロールおよびコレステロールを有機溶媒、好ましくはクロロホルムとメタノールの1:1(容量)混合物に溶解して、透明な溶液を形成させる。エーテル、エタノールおよび他のアルコールのような他の溶媒(およびその混合物)を用いることもできる。脂質を溶解するのに好ましい温度は、室温〜60℃の間であり、好ましくは室温である。溶液を蒸発させて、脂質フィルムまたは脂質粉末を形成させる。脂質フィルムを形成させるには、溶媒を窒素雰囲気下にて室温〜60℃、好ましくは室温で蒸発させる。脂質粉末を形成させるには、前記のような溶液状の脂質の混合物をスプレードライヤーで噴霧する。好ましくは、噴霧は窒素雰囲気下で行なう。
アミノグリコシド、例えばアミカシンの遊離塩基を9%スクロースを含むリン酸緩衝水溶液に溶解し、pHを6〜8の間、好ましくは6〜7.5の間、最も好ましくは6.2〜6.6の間に調整する。好ましいpHは約6.4である。緩衝液は、約7.4のpHに調整することもできる。緩衝液のpHを希酸および塩基、好ましくは6N HClおよび2.5N NaOHで調整する。好ましい緩衝液は、10mMリン酸緩衝液である。しかしながら、他の水性緩衝液、例えばコハク酸緩衝液(コハク酸二ナトリウム六水和物)を用いることもできる。アミノグリコシド溶液を脂質フィルムまたは脂質粉末と混合して、好ましくは40℃〜65℃、最も好ましくは45℃〜65℃の間で水和させる。溶液は少なくとも10分間水和させるものとする。
水和した溶液に、押し出し、超音波処理、またはGaulinホモゲナイザーまたはFrenchプレスのようなホモゲナイズ装置を用いて剪断力を加えることによってユニラメラ状小胞を形成させる。剪断力は、注入、凍結および溶解、脂質から洗剤溶液の透析による除去、またはリポソームを製造するのに用いられる他の既知の方法を用いて加えることもできる。リポソームの粒度は、剪断力の期間などの各種の既知の手法を用いて制御することができる。好ましくは、米国特許第4,753,788号明細書に記載されている改良Gaulinホモゲナイズ装置を用いて、圧が7,000〜13,000psiおよび脂質の転移温度よりかなり低い温度で直径が100nm未満のユニラメラ状小胞を形成する。
前記処方物は、MACおよびPseudomonas aeruginosaの感染症の治療に特に有用である。前記処方物を用いることによって、MACは、遊離薬剤で治療するよりもリポソーム処方物中で輸送されるアミカシンを用いて一層顕著に治療することができることを示している。例えば、50%を越えるマウス体重1kg当たりアミカシン320mgまでの量を遊離薬剤で投与可能であることが示されている。前記処方物を用いると、リポソーム状処方物はP. aeruginosaの治療において遊離薬剤よりもかなり多量のアミカシンを哺乳動物に投与することができることも示している。
リポソーム処方物により輸送されるアミカシンは、遊離のアミカシンよりも長時間血漿中でも保持される。
前記の処方物は、イン・ビトロての試験で確かめられているように、薬剤耐性および薬剤感受性のM. tuberculosisのいずれをも抑制および減殺するのにも有効である。一つの実験では、M. tuberculosisの薬剤耐性株Vertullaを試験した。もう一つの実験では、薬剤感受性株H37RVを試験した。これらの実験は、実施例6に記載した方法で行なった。簡単に説明すれば、ヒト単球から誘導されたマクロファージ培養物を成育させ、薬剤耐性株または薬剤感受性株のいずれかを感染させた。リポソーム性アミカシンは、下記の実施例1に記載した方法で製造した。リポソームはHSPC、コレステロールおよびDMPGを約2:1:0.1のモル比で含んでいた。薬剤対総脂質の比率は1:4(約25%)であった。リポソームの平均粒度は100nm未満であった。
感受性株で行なった実験では、リポソーム性および遊離のアミカシンを、1、2および4(μg/ml)の濃度で培養物に加えた。未処理培養物およびリポソームだけで処理した培養物を、コントロールとして用いた。これらの培養物は、感染後0、4および7日目に分析した。遊離アミカシンおよびリポソーム性アミカシンではいずれも1μg/mlで細菌の成長を抑制したが、リポソーム性アミカシンの方が大きな抑制を示し、4日目には減殺も示した。遊離アミカシンおよびリポソーム性アミカシンはいずれも2μg/mlの濃度でも感染症の治療に有効であり、リポソーム性アミカシンは4日目には減殺を示し、遊離薬剤は抑制を示した。リポソーム性および遊離アミカシンはいずれでも4μg/mlの濃度では、4日目には減殺を示し、リポソーム性アミカシンの方が更に大きな減殺を示した。従ってリポソーム性アミカシンはM. tuberculosisの好ましい治療法を提供するのであり、これは、本発明が遊離アミカシンと比較して同濃度では少なくとも同等な抑制および減殺を示し、毒性は低く且つ血漿中保持時間が長いからである。
耐性株で行なった実験では、リポソーム性および遊離アミカシンを4、8および16μg/mlの濃度で培養物に加えた。未処理培養物およびリポソームだけで処理した培養物をコントロールとして用いた。培養物は、感染後0、4および7日目に分析した。4日目には、リポソーム性アミカシンでは、細菌の成長はそれぞれ4μg/ml、8μg/mlおよび16μg/mlの濃度では未処理コントロールの少なくとも21分の1、64分の1および数百分の1(例えば,563分の1)となった。この活性は、それぞれ遊離アミカシンの濃度について8.7倍、12.9倍および130倍有効であった。
7日目には、リポソーム性アミカシンでは細菌の成長は、未処理コントロールの場合の少なくとも100分の1(例えば、133分の1)、1000分の1(例えば、1110分の1)および数千分の1(例えば5880分の1)となった。この活性は、それぞれのアミカシンの濃度について、41、11.9および46倍有効であった。
これらの結果は、遊離のアミカシンは試験を行なった濃度では感染症の進行を抑制するだけで減殺はしなかったことを示している。リポソーム性アミカシンでは、総ての濃度で4日目には薬剤耐性菌を減殺した。従って、リポソーム性アミカシンでは、薬剤耐性株に対して抑制効果だけが期待された場合に高度の減殺を生じた。
アミノグリコシドの投与範囲は医師には周知であるので、哺乳動物特にヒトにおける感染症の治療に有効なリポソーム性アミノグリコシド処方物の量は当業者には明らかであろう。
本発明は、下記の例を参照することによって更に完全に理解されるであろうが、これらの例は発明を例示するためのものであり、制限するためのものではない。例1〜6では、処方物、および本発明のリポソーム性アミカシン処方物の化学的および生物学的試験を詳細に説明する。
例1
水素化大豆PC、コレステロールおよびジステアロイルホスファチジルグリセロールのモル比がそれぞれ2:1:0.1の脂質混合物を準備した。これらの脂質をクロロホルムおよびメタノール(1:1、容量)に溶解した。生成する溶液を攪拌して、脂質を溶解させ、透明な溶液を得た。混合は、室温で行なうのが最良である。脂質フィルムは、有機溶媒を窒素雰囲気下で室温で蒸発させることによって得た。
アミカシンの遊離塩基を9%スクロースを含む10mMリン酸緩衝液に溶解させ、pHを6.0M HClで7.4に調整した。脂質フィルムとアミカシン溶液を混合して、薬剤の濃度が約250mg/mlであり、脂質の濃度が約100mg/mlとなるようにした。生成する溶液を攪拌して、65℃で10〜15分間水和させた。溶液をプローブ超音波発生器(Model 500 Sonic & Material)を用いて20分間超音波処理を行なった。溶液を65℃に10分間保持した。溶液を室温にまで冷却し、3600rpmで10分間遠心分離した。上清を集めて、Sephadex G-50カラムに入れ、遊離薬剤からリポソーム性処方物を分離した。アミカシンと脂質成分の濃度をHPLC分析によって測定した。粒度は、光学的粒度測定によって測定した。リポソームの粒度は、実験毎に約40〜100nmで変化した。例えば、一つの実験では62.1nmの平均直径が観察された。もう一つの実験では、47.4nmの平均直径が観察された。好ましい処方物は、薬剤対脂質の比率が1:4である。
例2
例1に記載したのと同じメタノールおよびクロロホルムの脂質溶液を調製した。脂質粉末は噴霧乾燥機(Yamato Pulvis Basic Unit, Model GB-21)で得た。下記の設定値を用いた。(1)ポンプダイアル3〜4.5;(2)アスピレーターダイアル6;(3)圧1.5〜2Kgf/cm2s;(4)入口温度50℃;および(5)出口温度40℃。噴霧は窒素雰囲気下で2時間行った。粉末を集めて、アミカシン薬剤溶液(実施例1で調製したものと同じ)と一緒にした。生成する溶液を、1000rpmの高剪断ミキサー(Virtishear)を用いて2分間混合した。溶液をビーカーに入れ、40℃の水槽に入れて、溶液が40℃に達するまで(約25分間)混合して水和させた。次いで、溶液をホモゲナイザー(Gaulin 15M)に、入口温度を40℃に保持しながら、10,000psiで入れて約30往復させた。生成する溶液を0.8ミクロンのナイロンフィルターで濾過した。溶液を限外濾過して、カプセル封入されていない薬剤を新たな緩衝液に置き換えた。溶液を7〜10倍容の緩衝液で洗浄した。生成物を40℃に加熱し、0.8、0.45および0.22ミクロン(細孔度)のフィルターで連続して濾過した。従って、本発明の予想外の特徴は、リポソームの水和が処方物の転移温度(約52℃)よりかなり下で起きたことである。
例3
MACの治療を目的とするリポソームでカプセル封入下アミカシンの試験をネズミモデルを用いて行なった。ベージュマウス(C57B1/6bgj/bgj)をMAC(101、1型)に感染させた。マウスの尾静脈に、1×107個のコロニー形成単位(cfu)を注入して(i.v.)、マウスを感染させた。3種類の実験を行なった。第一の実験では、マウス体重1kg当たり40、80および120mgのアミカシン(リポソーム性および遊離)を、感染後7日目に投与開始して5日間毎日i.v.投与した。動物を治療が完了した後5日目に屠殺して、肝臓、肺および脾臓組織を培養した。肝臓、脾臓および肺の組織における生物の定量を行なった。Middlebrook 7h11寒天プレート上で成長させて、cfuを測定した。未処理および空リポソームをコントロールとして用いた。
リポソームは、例1と同様にして調製した。この実験は2つの同一の部で行なった。第一の部におけるリポソームは平均粒度が49.8nmであり、第二の部におけるリポソームの平均粒度は73.7nm(平均直径)であった。アミカシン濃度は15.0mg/mlまたは13.21mg/mlであり、総脂質濃度はそれぞれ121mg/mlまたは55.7mg/ml(薬剤対脂質の比率:0.123,0.24)であった。総ての実験での遊離薬剤は、リポソーム性処方物が含まれている同一緩衝液で調製した。結果を、表1に示す。表1には、脾臓および肝臓の組織での結果を示している。
Figure 0004084846
肺の研究についての結果は次の通りであった。(1) 未処理群では、2.86×107cfu/g(log=7.46);(2) 空のリポソームでは、2.95×107cfu/g(log=7.47);(3) 遊離のアミカシン(40mg/kg,80mg/kgおよび120mg/kg)では、それぞれ1.44×106(log=6.16)、1.29×106(log6.11)および9.94×105(log=6.00);(4) リポソーム性アミカシン(40mg/kg,80mg/kgおよび120mg/kg)では、2.28×105(log=5.36)、3.02×105(log=5.48)および4.15×105(log=5.62)であった。
もう一つの実験は、薬剤での治療を感染後5日目に開始したことを除いて、前記と同様に(2つの部で)行なった。薬剤は3回/週で21日間i.v.投与した。治療を停止した後1〜2日目にマウスを屠殺した。治療期間中に、1群のマウスには40mg/kg、80mg/kgおよび150mg/kgの遊離アミカシンを投与し、もう一つの群には40mg/kg、80mg/kgおよび160mg/kgのリポソーム性アミカシンを投与した。肺組織は試験しなかった。前記と同様なコントロールを用いた。リポソームを例1に記載の方法で調製した。リポソームの平均粒度は66.5nmまたは79.6nm(平均直径)であった。アミカシンの濃度は15.98mg/mlまたは6.74mg/mlであった。総脂質は実験の第二部のみで測定し、これは27.0mg/ml(薬剤対脂質の比率: 1:4.167)であった。結果を表2に示す。
Figure 0004084846
第三の実験は、リポソーム性アミカシンで治療したマウスでは、120mg/kg、240mg/kgおよび320mg/kgを投与され、遊離のアミカシンで治療したマウスでは、120mg/kgだけを投与されたこと以外は、第二の実験と同様に行なった。リポソームは例2と同様にして調製し、リポソームの平均粒度は81.8nm(メディアン直径)であった。アミカシン濃度は32.02mg/mlであり、総脂質濃度は91.5mg/ml(薬剤対脂質の比率: 1:2.941)であった。結果を表3に示す。
Figure 0004084846
総ての実験の結果から、アミカシンの投与量がかなり高くなっても、毒性が増加することなく輸送することができ、優れた効果を示すことが確かめられている。アミカシン150mg/kgでは、注射を行なったマウスの多くを殺すことが当該技術分野で知られている。従って、アミカシン320mg/kgの投与は、致死毒性を示すことなく投与される薬物の量が著しく増加していることである。
例4
Pseudomonasに感染したマウスでのリポソーム性アミカシンの効果および毒性を試験した。CF−1マウスを用いた(雌性、6〜8週齢)。マウスはJackson Labsから入手した。Pseudomonas aeruginosaの臨床単離物は、Mueller Hinton/MacConkey血液寒天プレート上で得た。この生物をMueller Hintonプレートに移し、24時間培養した。コロニーを食塩水に移して、48時間成長させた。これらの試料を、15%子牛胎児血清を含む食塩水中で1×108個/mlで凍結した(MacFarland Standard)。これらのコロニーを−70℃で保存した。これらのコロニーを融解して、Mueller Hintonプレートで24時間培養した。これらの細菌を、タルク(62.5mg/ml)を含む食塩水中で8×106個/mlに調整し、1mlを腹腔内に注射した。接種物をMH寒天上で24時間培養したところ、輸送されたcfuはマウス当たり約7×106となった。リポソーム性アミカシンおよび空リポソームは、例2に記載したのと同じ方法で調製した。アミカシン処方物のリポソームの平均粒度(メディアン直径)は62.4ナノメーターであった。脂質濃度は95.31mg/mlであり、アミカシン濃度は23.54mg/mlであった(薬剤/脂質比0.25)。処方物を含む溶液のpHは、7.31であった。空リポソームの平均粒度は66.8ナノメーターであり、脂質は92.05mg/mlであった。遊離アミカシン溶液の濃度は、23.54mg/mlであった。リポソームを含む溶液のpHは7.33であった。
マウスに、リポソーム性アミカシン40mg/kg(薬剤/体重)、80mg/kg、120mg/kgおよび240mg/kgを投与した。マウスに、遊離アミカシン40mg/kg、80mg/kgおよび120mg/kgも投与した。薬剤は、尾静脈に静脈内注射した。投与は、感染後4時間日に1回と、感染後24時間日に1回の、2回行なった。結果を表4に示す。これらの結果から、リポソーム処方物を用いるとアミカシンを240mg/kgまで投与することができ、総ての被験動物は死亡しないことが判った。
Figure 0004084846
例5
遊離アミカシンまたはリポソーム性アミカシン(100mg/kg)を注射(i.v.)後、マウス(C57B1/6、雌性、2〜3月齢)血漿中のアミカシン濃度を測定した。リポソーム性アミカシンは、例2に記載したのと同様の方法で調製した。血液試料を各種の時間間隔で得た。試料は、無麻酔マウスの眼窩後部から血液100マイクロリットルを採取して集めた。試料は、ヘパリン処理した毛細管ピペットに集めて、工作用粘土で栓をした。試料を3250rpm(20cmローター)で10分間遠心分離した。試料をラジオイムノアッセイ(Diagnostic Products)を用いて分析した。リポソーム性アミカシン処方物は、平均粒度が43.6nm(メディアン直径)のリポソームを含んでいた。アミカシン濃度は10.09mg/mlであり、総脂質濃度は56.8mg/ml(薬剤対脂質比1:5.556)であった。結果を表5に示す。
Figure 0004084846
これらの結果は、リポソーム性アミカシンは、遊離アミカシンよりもかなり長期間血漿中に保持されることを示している。
本明細書は特定の応用に関して開示し例示して来たが、包含される原理が多くの他の用途に適用することができることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、請求の範囲によって示唆されることによってだけ制限されるものである。
例6
リポソームにカプセル封入されたアミカシンを、M. tuberculosisの薬剤耐性株および薬剤感受性株に対して試験した。リポソームは、例1に記載の方法で調製した。
M. tuberculosisの2種類の試験株はGen-Pro(San Diego)法によって同定した。一方の菌株はVertulloとして知られている薬剤耐性株であった。他の菌株はH37RVとして知られている。両菌株は、コロラド州、デンバーのNational Jewish Center for Immunology and Respiratory Medicineに保管されている。それぞれの実験のため、7H9ブロス中でサブカルチャーを凍結菌株から作成した。定速で回転するローラードラム上で37℃でインキュベーションを1〜2週間行なった後、それぞれの菌株についての菌懸濁液を27ゲージの針に入れた後、20×gで5分間遠心分離して、菌の大きな集塊を除いた。健康な、精製タンパク誘導体に陰性のドナーからの末梢血を、ヘパリン10,0001U/mlを含む防腐剤を含まない溶液約0.06mlで前処理した60mlシリンジに採取した(GIBCO Laboratories、ニューヨーク州、グランド・アイランド)。この前処理では、血液10IU/mlとなった。60mlの血液試料を、Ficoll-Hypaqueグラディエント(Sigma Diagnostics、セントルイス、ミズーリー州)を含む試験管に入れ、800×gで15分間室温にて製造業者の指示に従って遠心分離した。単核細胞のバンドを採取し、50mlのFalcon試験管に移し、1ml当たり10IUのヘパリンを含むRPMI 1640(GIBCO)で希釈して、総容積を40.0mlとした。懸濁液を250×gで10分間室温にて遠心分離した。菌体を、ヘパリンを含むRPMI 1640 10mlで1回洗浄し、ペレットをRPMI 1640に再懸濁し、107個の菌体/mlに調整した。懸濁液を35mmのプラスチック製のペトリ皿(Becton Dickinson Labware、リンカーン・パーク、ニュージャージー州)に2スポット、それぞれのスポットには1滴(約0.05ml)ずつで入れ、約5×105個の菌体を含む単層を得た。ペトリ皿を37℃で1時間インキュベーションして、菌体を付着させた後、RPMI 1640で2回洗浄した。次いで、3%のヒト由来の未加熱の新鮮な血清を含むPRMI 1640 1.5mlをそれぞれのペトリ皿に加え、7%CO2の存在下で37℃で7日間インキュベーションした。培地のpHは7.2〜7.3であった。
前記の細菌懸濁液を冷凍遠心機で3,500×gで30分間遠心分離し、ペレットをRPMI 1640 2.0mlに再懸濁した。この懸濁液1ml当たりの抗酸性バチルス属の数を計算するため、懸濁液の0.01ml試料をサークル当たり既知の数の電界で(倍率1,000)Reigh計数スライド(Bellco Biotechnology、バインランド、ニュージャージー州)に置いた。スライドを固定して、染色した。これらのスライド上でのカウント数から計算したミリリットル当たりの抗酸性のバチルスの数は、前記のように、精確であることが確かめられた。これらのカウント数に基づいて、RPMI 1640中の細菌懸濁液を調整して、106個の抗酸性バチルス/mlを含むようにした。
7日間インキュベーションした後、単球は成熟してマクロファージ単層となったと考えた。ペトリ皿から培地を取りだし、ペトリ皿当たり1.5mlの細菌懸濁液に置き換えた。1時間インキュベーションした後、ペトリ皿を3回洗浄して、細胞外細菌を除去した。感染したマクロファージを1%ヒト由来の血清を補足したRPMI 1640中でインキュベーションした。リポソーム性および遊離アミカシンを、感受性株には1、2および4(μg/mlRPMI)の濃度で、耐性株には4、8および16の濃度で、培養物に加えた。薬剤を含まないリポソームおよび未処理培養物をコントロールとして用いた。実験は2回行なった。下記の実験で用いた細菌のカウント数は、細胞内細菌だけを表していた。0、4および7日目に、代わりのペトリ皿からの培地を捨てて、単層をペトリ皿当たり1.0mlでのドデシル硫酸ナトリウムの0.25%溶液に10分間暴露することによってリーシスした。懸濁液を試験管に移した後、ペトリ皿を20%ウシアルブミンを含む7H9ブロス1.0mlで洗浄し、次に洗浄液を同じ試験管に加えた。10倍連続希釈液を作成して7H11寒天プレートに接種した後、コロニーを計数した。結果を、単層当たりのcfuの数として表した。初期のcfu(0日目)は、リポソームのみの尺度として示す(4.3×103)。実験の結果を表6および7に示す。
Figure 0004084846
表6の結果から、リポソーム性アミカシンは薬剤耐性M. tuberculosisの有効な治療手段となることは明らかである。薬剤耐性株の成長に対する活性の水準は、遊離アミカシンの少なくとも約8倍以上であり、高投与量(16μg/ml)では遊離アミカシンの少なくとも130倍以上である。検討を行なった投与量でのリポソーム性アミカシンではそれぞれの濃度で減殺が得られたが、遊離アミカシンではせいぜい抑制しか得られなかった。
Figure 0004084846
表7の結果は、リポソーム性アミカシンが、同等な投与量でM. tuberculosis抑制または減殺に同じ程度またはそれ以上有効であることを示している。

Claims (6)

  1. カプセル封入されたアミカシンを含んでなるリポソームであって、中性脂質、コレステロールおよび負に帯電した脂質からなり且つ平均粒度が100nm未満であり、液体の形態で22℃では少なくとも2週間安定であり、粒度が著しく変化せずまたカプセル封入されたアミカシンの10%より多く喪失することがなく、負に帯電した脂質のモル量が総脂質の5%未満であるユニラメラ状小胞である、薬剤耐性Mycobacterium tuberculosisによる感染症の治療用リポソーム。
  2. 負に帯電した脂質がホスファチジルグリセロールである、請求項1に記載のリポソーム。
  3. 負に帯電した脂質がジステアロイルホスファチジルグリセロールである、請求項2に記載のリポソーム。
  4. ホスファチジルグリセロールのモル量が総脂質モル数の3%である、請求項3に記載のリポソーム。
  5. 水素化大豆ホスファチジルコリン、コレステロールおよびジステアロイルホスファチジルグリセロールのモル比が2:1:0.1であり、アミノグリコシドの比率が1:9〜1:3である、請求項3に記載のリポソーム。
  6. (a)中性リン脂質、コレステロールおよび負に帯電した脂質からなる脂質粉末を形成させ、
    (b)この粉末を緩衝液中でアミカシンと混合し、
    (c)脂質混合物の転移温度よりかなり低い温度で混合物を水和させ、
    (d)せん断力を加えることによって、リポソームの粒度を100nm未満の平均粒度まで減少させることを含む、請求項1に記載のリポソームの製造法。
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