JP2703594B2 - リポソーム含有ニスタチン - Google Patents

リポソーム含有ニスタチン

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の進展の一部は、ナショナル・インスチチュー
ト・オブ・ヘルス(National Institute of Health)の
デパートメント・オブ・ヘルス・アンド・ヒューマン・
サービス(Department of Health and Human Service)
からの契約番号NIAID−NO1−AI42547の援助を受けてい
る。
本発明はリポソーム含有ニスタチンの投与による全身
性菌類感染症の治療に関する。
臨床的診断及び動物実験が宿主−菌類相互作用の理解
に蓄積されてきている。菌類病に対する宿主の防御は多
くの要素を含み、かつ病因に依存して変化し得ることが
認識されてきている。殆んどの場合、耐性メカニズムは
明確となっていないが、種々の本来の障壁及び細胞性免
疫応答が第一に重要であるようだ。今の時点では耐性に
おける抗体の役割は明確ではない。本来の防御及び細胞
性免疫応答の衰弱がヒストプラズマカプスラタム(Hist
oplasmacapsulatum)及びコッシジオイデスイミチス(C
occideoidisimmitis)などの菌類病原同様、クリプトコ
ッカスネオホルマンス(Cryptococcus neoformans)及
びキャンディダ(Candida)及びアスペルギラス(Asper
gillus)種などの日和見的病因に由来する重い菌類病へ
の感染性を増加し得る。さらに、重要な宿主防御を完全
に理解することの困難さは、菌類が逆に種々の宿主免疫
機能に影響し得ることを示す多くの研究により複雑なも
のとなった。これらの多くの実験的知見の臨床的重要性
を評価するには早すぎるけれども、研究者達は菌類が好
中球機能を阻害し、IgE応答を誘導し、また細胞性免疫
応答を抑制することを示してきた。
感染性増加と関連する宿主の変化は、外傷(火傷又は
刺し傷など)におけるように偶発的に、慢性アルコール
中毒症におけるように自己誘導的に、糖尿病、種々の先
天性免疫不全性、膠原病、リンパ細網組織悪性症及びそ
の他のタイプの腫瘍におけるように自然発生的に、又は
装置(カテーテルなど)、外科手術(心臓切開手術な
ど)又は細胞毒性薬剤(移植拒否反応の防止及び悪性病
の治療におけるように)及びコルチコステロイドの使用
及び広域抗体の長期使用による医療的に誘導され得る。
菌類病に対する防衛を助ける化学的因子はあまり分っ
ていない。これらの物質の知識は基本的に臨床レベルで
の状況証拠及び実験レベルでのインビトロ観察に基づい
ている。思春期に起きる皮膚における脂質及び脂肪酸含
量のホルモン依存の増加は、思春期における変化が防御
の唯一の要素ではないが、皮膚寄生真菌ミクロスポラム
オウドウイニイ(Microsporum audouinii)により起こ
る頭部白鮮に対する耐性の増加と相関関係をもってい
る。血清、脳脊髄液及び唾液中の物質はクリプトコッカ
スネオホルマンス(Cryptococcus neoformans)の増殖
を制限し、また体液中の基本的ペプチドがカンディダア
ルビカンス(Candida albicans)を阻害することが示さ
れた。
臨床及び実験的研究の結果は、C.アルビカンス(albi
cans)、C.ネオホルマンス(neoformans)、アスペンル
ギラスフミガタス(Aspergillus fumigatus)及びC.イ
ミチス(immitis)は、補体カスケードの別の経路を活
性化することを示している。菌類細胞壁の多糖類性のた
め、全ての医学的に重要な菌類は補体を活性化すること
が期待される。このような活性化は、ある糸状菌病に対
する防御に重要である。すなわち後期作用補体成分(C3
〜C9)及びC.ネオホルマンス(neoformans)及びC.アル
ビカンス(albicans)などの菌類に対する感染性の増大
の間に正の相関が示されている。菌類に対する耐性に食
細胞が重要な役割を果していると仮定すると、補体活性
化は補体フラグメントC3a及びC5aの発生に際し、急性炎
症応答を引き起こすことにより、また食細胞による貧食
のために、オプソニンフラグメントC3b及びC3dで菌体要
素をコーティングすることにより役割を果している。
ヒト及びその他の動物の全身性糸状菌病は、病因性で
かつ健康な宿主に病気を起こすある菌類により、及び通
常無害であるが免疫不全の患者に病気を引き起こす別の
菌類(日和見的病原)により発生する。これらの菌類の
中のいくつかは天然に腐生性(汚物、鳥の糞)である
が、その他のものは正常人菌相の一部として存在する
(共生性)。いずれの場合もヒトが唯一又は必須の宿主
ではない。汚物腐生性生物の例にはヒストプラズマカプ
スラタム(Histoplasma capsulatum)があり、これは一
般に一地方特有の感染を起こす。遅延皮膚過敏症テスト
において成人の80〜90%はヒストプラスミンと反応す
る。日和見的病原の例には通常口腔内、胃腸内、及びお
そらく皮膚内に存在するカンディダアルビカンス(Cand
ida albicans)がある。しかし急性白血病患者におい
て、C.アルビカンス(albicans)は一般に血液中に存在
し、電撃性で、通常致命的な敗血症を引き起こす。他の
日和見的感染は糖尿病酸性症(毛菌症)及びホジキン病
(例えば酵母菌症、及びヒストプラズマ症)患者に見ら
れる。これらのメカニズムの病因は不明確であるが細胞
性免疫は良好な予後には必須であると思われる。
有効なワクチン又は受動免疫血清は市販調製物が出来
る程十分な成功をおさめていない。
活発な病いの治療には症候的なもの(例えば鎮痛)、
ときには外科的なもの(不治の損傷組織の切除及び脳水
腫の修正)及び殆んど成功する化学療法(第1表)があ
る。一般に使用される薬剤にはヒドロキシスチルバミジ
ンイセチオネート、アンホテリシンB、5−フルオロシ
トシン(フルシトシン)、ミクロナゾール及びケトコナ
ゾールがある。これら薬剤に対する応答は、菌類、病気
のタイプ及び病状に従がい変化する。例えば殆んどのB
・デルマチチジス(dermatitidis)感染においては応答
は良いが、A.フミガタス(fumigatus)により起こる殆
んどの病気については応答は弱い。B・デルマチチジス
(dermatitidis)による皮膚損傷に対する応答は、C.イ
ミチス(immitis)による髄膜炎よりも良く、また慢性
酵母菌症の応答は電撃性のカンジダ症よりも良い。第1
表はいくつかの全身性糸状菌病及び一般に受け入れられ
ている化学療法薬剤のリストを示している。
リンパ腫患者の51%及び白血病患者の75%の死亡の原
因は感染である。バクテリアはこれらの感染の原因生物
であるが、リンパ腫患者の致命的感染の13%及び白血病
患者の20%以上は菌類による。菌類カンディダアルビカ
ンス(Candida albicans)はこれらの感染の80%以上を
引き起こし、またアスペルギラス(Aspergillus)spp.
もしばしばこれら感染の原因となる。さらに類感染は先
天性及び後天性免疫不全患者の病状及び死亡の主要な原
因である。非常に協調のとれた努力がヒトの菌類感染の
治療に有効な薬剤の探索に費やされてきた。その結果、
多くの化合物が単離され抗真菌活性を有することが示さ
れてきたが、溶解度、安定性、吸着及び毒性に関する問
題はヒトの感染に関するそれらの薬剤の殆んどの治療効
果を制限している。殆んどの有用な抗真菌性抗生物質は
2つのカテゴリーの1つに分類される。すなわち菌類細
胞膜に作用するものと細胞に取り込まれ、RNA、DNA又は
タンパク質の合成などの生細胞プロセスを阻害するもの
である。第2表にはいくつかの有用な抗真菌性薬剤及び
それらの作用メカニズムをリストしてある。
ポリエンマクロリド抗生物質は種々のストレプトマイ
セス種により生産される二次代謝産物である。これらの
化合物のいくつかの共通する性質は単離されている80種
以上のポリエンを分類するのに役立つ。全ての化合物は
26〜38個の炭素原子を含み、かつ一連の不飽和炭素原子
及び水酸基を含むマクロリド環で特徴づけられる。この
化合物のこれらの特徴はポリエンの両親媒性(例えば親
水性及び疎水性など異なる性質をもつ官能基を含む化合
物に関する性質)に帰因する。この環状構造は内部エス
テル又はラクトン結合の形成により閉じられている(第
1図)。共役二重結合数は各ポリエンにより異なり、ま
たこの化合物は一般的に不飽和度により分類される。
ポリエンマクロリドの毒性効果は細胞膜ステロールへ
の結合に依存しているようである。従ってそれらは菌類
細胞並びにその他の真核細胞(ヒト、植物及び原生動
物)の膜に結合するが膜ステロールを含まないバクテリ
アの細胞膜には結合しない。ポリエンマクロリドとホ乳
類及び菌類の膜ステロールとの相互作用は細胞内成分を
流出させ細胞死を招くトランスメンブレンチャンネルを
生成する。
通常、抗生物質の有用性は病原及び宿主の感受性の差
によって測定される。2つの薬剤、ニスタチン及びアン
ホテリシンBは比較的菌類に特異的であり、ヒトの治療
に有用である。これら2つのポリエンマクロリドの相対
的特異性は、ヒトの細胞膜の主要なステロールであるコ
レステロールと比較した菌類膜の主要ステロールである
エルゴステロールのより大きい結合活性に基づいてい
る。
アンホテリシンBは7個の共役炭素結合をもつヘプタ
エンマクロリドである(第1図参照)。この化合物は19
56年にS.ノドサム(nodosum)の培地濾液から初めて単
離された。他のポリエンマクロリド抗生物質と同様に、
アンホテリシンBは水に不溶性である。この溶解度の問
題はその抗生物質をデオキシコール酸ナトリウム及びリ
ン酸ナトリウムと混ぜ、この混合物を5%デキストロー
ス溶液で水和することにより克服される。アンホテリシ
ンBはヒトに対し十分に非毒性であるポリエン抗生物質
であるので、種々の菌類に対して効果的な量を非経口的
に使用し得る。
最初にS.ノウルセイ(noursei)から単離されたニス
タチンはアンホテリシンBと構造的に関連しているが、
その環の共役部分が分断されており、従ってテトラエン
及びジエンを形成していることからヘプタエンに分類さ
れない(第1図参照)。この薬剤は経口的及び局所的に
は許容されるが、高い毒性及び水不溶性が予想されるこ
とから静脈注射による使用は行ない得ない。ニスタチン
は経口錠剤(500,000ユニット)又は局所的に使用する
軟膏(100,000ユニット/g)として使用し得る。これは
皮膚及び粘膜の糸状菌症の治療に用いられる。
最近、患者投与前の特定薬物のリポソームへのカプセ
ル化がこれら化合物の薬理動力学、組織分布、代謝及び
治療効果を著しく変化し得ることが示された。リポソー
ムは乾燥脂質フィルムに水溶液を添加することにより自
然に形成する脂質小胞と定義し得る。さらにこの薬剤は
分布及び薬理動力学はそれらがカプセル化しているリポ
ソームの脂質組成、サイズ、荷電及び膜流動性を変化さ
せることにより修正し得る。
最近リポソームはネズミのレーシュマニア症(ニュー
(New)、R.R.C.等“リポソーム中にトラップしたアン
ホテリシン及び他の抗菌類剤の抗レーシュマニア活性”
ジャーナル・オブ・アンチマイクロ−ビアル・ケモセラ
ピー(J.Anti−microb.Chemother.),(1981)371−
381)、ヒストプラズマ症(テイラー(Taylor),R.L.
等、“リポソール中のアンホテリシンB:ヒストプラズマ
症の新治療法”アメリカン・レビュー・オブ・レスピラ
トリー・ディシーズ(Am.Rev.Respir.Dis.),125(198
2)610−611)、酵母菌症(グレイビル(Graybill)J.
R.等“リポソーム含有アンホテリシンBによるネズミ酵
母菌症の治療”ジャーナル・オブ・インフェクシャス.
ディシーズ(J.Infect.Dis.),145(1982),748−75
2)及び糸状菌症(トレンブレー(Tremblay),C.等“マ
ウスにおける全身性糸状菌症に対するアンホテリシンB
(AMB)及びリポソームAMB(lip−AMB)の効果の比較”
アブストラクト、1983ICAAC,755号(1983)222)の治療
に対するアンホテリシンBのキャリヤーとしてリポソー
ムが用いられている。またリポソームカプセル化アンホ
テリシンBは日本赤毛猿のコクシジオイデス症の治療に
も使用された(グレービル(Graybill)J.R.等、“リポ
ソーム含有アンホテリシンB(lipo−AMB)を用いた霊
長動物におけるコクシジオイデス症の治療”アブストラ
クト1982ICCAC,492号(1982)152)。
最近、本発明者は、リポソームカプセル化アンホテリ
シンB(Amp B)が実験マウス糸状菌症の治療(ロベス
・ベレスタイン(Lopez−Berestein)等、“ジャーナル
・オブ・インフェクシャス.ディシーズ(J.Infect.Di
s.),120,278−283(1984))及び白血病及びリンパ腫
患者における菌類感染の治療(ロベス・ベレスタイン
(Lopez−Berestein)等、“ジャーナル・オブ・インフ
ェクシャス.ディシーズ(J.Infect.Dis.),151,704−
71−(1985))に使用し得ることを示した。
ポリエンなどの効果的抗真菌性薬剤の使用にもかかわ
らず菌類感染の治療は依然として大きな問題となってい
る。使用し得る殆んどのポリエン抗生物質はその臨床的
応用を制限する毒性副作用を有している。テトラエン−
ジエンポリエンマクロリド抗生物質ニスタチンは非常に
高い疎水性を有し、これが効果的な全身的投与を妨害し
ている。それは種々の方法で調製したサスペンジョンと
して用いられ、また患者に経口的に投与される。しか
し、一般にこれらの研究は全身性の菌類感染に対するニ
スタチン投与の有効性を示すには至らなかった。
本発明は動物中の伝染による菌類感染の治療のための
リポソーム剤に関する。このリポソーム剤は脂質及びポ
リエンマクロリド抗真菌性化合物ニスタチンを含んでい
る。このニスタチンは全身性菌類感染に有効な治療のた
めにリポソームに組込むか又はカプセル化される。
ニスタチンを含有するリポソームは多重ラメラ小胞で
あることが望ましい。リポソームはホスホモノグリセリ
ド、ホスファチジル酸及びスフィンゴ脂質からなる群か
ら選ばれる1個以上の脂質、好ましくはリン脂質を広く
含んでいる。この脂質は1個以上のホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセリ
ン、スフィンゴミエリン又はホスファチジル酸であるこ
とがさらに好ましい。またこの脂質はジミリストイルホ
スファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルグ
リセリン、ホスファチジルコリン及びホスファチジルグ
リセリンからなる群から選ばれることが最も好ましい。
本発明のリポソームはコレステロールなどのステロール
を含み得る。
本発明の重要な特徴は、動物における播種性(dissem
inated)菌類感染の治療法に関する。この方法は、リポ
ソーム内にカプセル化した殺菌効果量のニスタチンを伝
染性菌類感染した動物に投与することを含む。リポソー
ムは上述のように構築する。投与は殆んどの場合非経口
的に行なわれることが好ましいが、もし特異的菌類コロ
ニーに直接到達し得るならば、経口的又は局所的に行な
うこともできる。その動物が伝染性菌類感染を受けたヒ
トである場合は非経口的治療が最も有効である。治療方
法には、体重kg当り約1mgから約20mgのニスタチン、よ
り好ましくは体重kg当り約2.5mgから約6mgのニスタチン
の範囲にある抗菌性効果量のリポソーム含有ニスタチン
の投与を含む。殆んどの好ましい態様において、その治
療法は基本的に約7:3の比のジミリストイルホスファチ
ジルコリンとジミリストイルホスファチジルグリセリン
及び約1:20の比のニスタチンとリン脂質からなるリポソ
ームの使用を含んでいる。
第1図は、いくつかの水酸基と共役二重結合性をもつ
マクロリド環の共通した構造的特徴を有するアンホテリ
シンB及びニスタチンの化学構造を示している。ニスタ
チンは、環の共役部分がジエンとテトラエンに分割され
ている点でアンホテリシンBと構造的に異なる。
第2図は、ニスタチンの高速液体クロマトグラフを示
している(レダールLederle))。10分の位置のピーク
は3μgのニスタチンに相当する。
第3図はヒトRBCに対する遊離NysとL−Nysのインビ
トロ毒性を示している。ヒトRBCを37℃で45分間、遊離N
ys(◇)、L−Nys(●)、空リポソーム(○)又は空
リポソーム+遊離Nys(◎)とインキュベーションし
た。
第4図はインビボにおける遊離NysとL−Nysの急性毒
性を示している。マウスに遊離Nys(○)、L−Nys
(●)、5%DMSO(△)又は空リポソーム(★)を静脈
注射した。全脂質投与量は400mg/kg/マウスであった。
第5図はマウスにおける遊離Nysの抗真菌性活性を示
している。C.アルビカンス(albicans)感染2日後、薬
剤なし(●)又は遊離Nys投与量1mg/kg(△)、2mg/kg
(□)、4mg/kg(○)の静脈注射をマウスに行った。
第6図はマウスの単一投与処理におけるNys抗真菌性
活性に関するリポソーム化効果を示している。
C.アルビカンス(albicans)感染2日後、その動物を
薬剤なし(●)、遊離Nys、4mg/kg(○)又はL−Nys、
2mg/kg(▽)、4mg/kg(△)、8mg/kg(□)及び12mg/k
g(■)で処理した。
第7図はC.アルビカンス(albicans)感染マウスの生
存率に関する多重投与処理のL−Nysの効果を示してい
る。この動物を薬剤なし(●)、遊離Nys4mg/kg、5回
(○)又はL−Nys単一投与12mg/kg(○)、16mg/kg
(▽)及びL−Nys多重投与2.4mg/kg5回(◇)、6mk/k
g、5回(▲)、8mg/kg、5回 12mg/kg、5回(■)、16mg/kg、5回(−−△)で処理
した。
伝染性菌類感染の治療用の、リポソームカプセル化ニ
スタチン(Nys)の使用は、特に全身性又は伝染性菌類
感染の治療に有効な新しい有効治療法としてここに報告
されている。リポソームカプセル化ニスタチン(L−Ny
s)は低い全身性毒性を有し、かつ遊離Nysに比べて高い
治療効果を有している。
遊離Nysはインビトロにおいて抗真菌活性を有してい
るが、静脈注射した場合に毒性があり、かつ効果がな
い。L−Nysについては低いインビボ毒性が観測される
一方、抗真菌性は維持されていた。これらの効果は、リ
ポソームアンホテリシンBに関する以前の観測と類似し
ていた。インビボにおいてL−Nysは遊離Nys(MTD=4mg
/kg)の4分の1の毒性を有することが分り(平均毒物
投与量(MTD)=16mg/kg)、かつ多重投与したときでさ
え(80mg/kgまでの積算投与量)非毒性であった。4mg/k
gのL−Nysは、インビボで治療効果を示さない等投与量
の遊離Nysに比較してマウス生存率を増加する効果があ
る。さらにより多い投与量のL−Nysを多重投与様式で
投与すると、生存時間の増加が到達される。
リポソームは既知活性薬剤の治療指標を修正するのに
よく用いられてきた。殆んどのカプセル化薬剤を用いた
観察によると、治療的指標の改善はカプセル化後遊離薬
剤の毒性の減少に関している。一方ニスタチンは経口的
に活性であることが示されてきたが、その疎水的性質が
非経口的投与を排除している。全身的抗真菌性物質とし
ての遊離Nysに見られる無効性は、作用部位への薬剤の
不適当な配給によるのかもしれない。リポソームへのト
ラップ化はNysの全身的投与、並びに抗真菌性薬剤とし
ての使用を可能にする。本発明はリポソームが感染部位
へのアンホテリシンBの配給を増加し、従って全身性菌
類と薬剤−薬剤キャリヤとの相互作用を増加させること
を示した(ロペス−ベレスタイン(Lopez−Berestein)
等、キャンサー・ドラッグ・デリバリー(Cancer Drug
Delivery),,199−205(1986))。
本発明の最も重要な特徴は、リン脂質、場合によって
はコレステロールなどの脂肪物質及びニスタチンを含む
リポソーム、これらリポソームの調製法及びその使用に
関する。本発明のリポソームは、好ましいNys/pl重量比
約0.01/10から約0.7/10、より好ましい範囲約0.02/10か
ら約0.08/10のニスタチン及びリン脂質を含んでいる。N
ysはリン脂質ラメラの一部、カプセル化リポソーム内液
の一部又はその両方として存在し得る。これらのリポソ
ームの好ましいリン脂質にはホスファチジルグリセリ
ン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホス
ファチジル酸又はホスファチジルセリンが含まれ、より
好ましいリン脂質はホスファチジルグリセリン、ホスフ
ァチジルコリン又はそれらの組合せ物である。最も好ま
しいホスファチジルグリセリンは、基本的にジミリスト
イルホスファチジルグリセロールからなるものであり、
また最も好ましいホスファチジルコリンは基本的にジミ
リストイルホスファチジルコリンからなるものである。
本発明のリポソームがジミリストイルホスファチジルグ
リセリン及びジミリストイルホスファジルコリンを含む
場合、それらは約1−10から10−1の、より好ましくは
約3から7の比であることが望ましい。
本発明のリポソームは多重ラメラ、単一ラメラ又は不
定形ラメラ構造のものである。本発明のリポソーム及び
医薬的に許容し得るキャリヤーまたは希釈剤を含む医薬
組成物は局所的又は全身的菌類感染に関する病状の治療
に用いられる。
このようなリポソームは、非経口的、局部的又は経口
的に投与され、また全身性又は伝染性菌類感染には非経
口的投与が望ましい。一般にL−Nysの非経口的投与量
は、殆んどの状態で適当と考えられている、約1mgNys/k
g−体重から約20mg Nys/kg−体重の範囲の殺菌効果量が
採用される。最も好ましい投与量範囲は約2.5mg/kgから
約6mg/kgである。もし感染した人を治療する場合、患者
の症状、菌類感染のタイプ及び程度及び担当医師の診断
に応じた各々のケースにより投与量は変化し得る。
本発明の重要な点は菌類感染した宿主動物の治療法を
含んでいる。この方法には、宿主に、リン脂質及び菌類
阻害効果量のニスタチンを含む、ある量の本発明のリポ
ソームを投与することが含まれる。投与法は非経口的で
あることが好ましく、静脈、動脈、筋肉、リンパ腺、腹
膜、皮下、胸膜又は胞膜注射又は局部的塗布又は経口投
与により行なわれ得る。これらの投与は、例えば2週間
にわたり毎日2回など、タイムスケジュールに従って反
復されることが望ましい。この治療はその菌類が排除さ
れるまで維持され、また他の型の抗真菌治療又は補助治
療と組合せて採用される。このような非経口的投与物に
は、無菌等張水溶液などの医薬的に許容し得る溶液中の
L−Nysサスペンジョンが含まれる。これらのサスペン
ジョンは全体的に調合することもできるし、また予め調
製した成分から調合することもできる。当業者には知ら
れているように、L−Nysを調製し、医薬的に許容し得
る溶液と混合して、非経口投与用のサスペンジョンを生
成し得る。
L−Nysの局部的投与物にはサスペンジョン、クリー
ム又は軟膏など、全体的に調合されるか、ペレットなど
のL−Nys前駆体から調合しうる医薬組成物が含まれ
る。このような局部的投与は、例えば上皮又は粘膜など
局所的菌類感染部位付近に行なわれる。Nysは局部的に
使用しても、L−Nysは菌類増殖をより効果的に阻害す
るはずである。
L−Nysの経口投与はL−Nysのカプセル化を含み、そ
れによりカプセルからの放出以前に胃及び腸の消化活性
からL−Nysを保護することが望ましい。
後に例で述べるL−Nysの調製法及び化学療法は、適
当な脂質又は方法の単純な置換により、同様のリポソー
ムの生産及びその使用法に容易に適当し得る。
ここに述べるNys含有リポソームは天然又は合成リン
脂質を含む種々の両親媒性物質から調製し得る。リポソ
ームを生成し得ないリン脂質は多数あり、また一般に当
分野ではよく知られているのでここでは全てをリストし
ない。これらのリン脂質には、これだけではないが、次
のようなものが含まれる;レシチン、ホスファチジルエ
タノールアミン、リソレクチン、リソファチジルエタノ
ールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイ
ノシトール、スフィゴミエリン、カルジオリピン、ホス
ファチジル酸及びセレブロシド類。本発明の特徴の態様
に最も適したリン脂質には、ジミリストイルホスファチ
ジルグリセリン(DMPG)及びジミリストイルホスファチ
ジルコリン(DMPC)が含まれる。1%以下から約50%の
範囲のコレステロール等のステロールをリン脂質及びニ
スタチンと共に含む、本発明のリポソームを生成し得
る。DMPG及びDMPCの組合せの比は1:10及び10:1の間の範
囲が満足とされると考えられているが、これに限定され
る訳ではないが約3〜7の比が好ましいことが分った。
本発明の態様においては、単一ラメラ又は多重ラメラ
又はその他のニスタチン含有リポソームが用いられる。
本発明のNysは実質的に水に不溶性であるので、多重ラ
メラリポソームが好ましい。Nysはそのリポソームラメ
ラのリン脂質二重層内に取込まれているようだ。
また本発明のリポソームカプセル化ニスタチンはHTLV
−III/LAVと命名されるヒトTリンパ球指向レトロウイ
ルスによる病気の予防及び、又は治療に有効であること
が分った。ガロ(Gallo)が最近指摘したように、イン
ビボにおいてHTLV−III/LAVは単球及びマクロファージ
により運搬され得る(サイエンティフィックアメリカン
(Scientific American)、1987年1月、47−56、51頁
参照)。従ってこれらの細胞は潜在的感染性及び致命的
なHTLV−III/LAVのリザーバーの役割を果す。
最近報告された研究中の中で、シャフナー(Schaffne
r)等(バイオケミカルフォーマコロジー(Biochem.Pha
rmacol.)、35、4110−4113(1986))は単球関連細胞
系列H9におけるHTLV−III/LAVの複製は、いくつかの抗
真菌性ポリエンマクロリドにより阻害されるというデー
タを示した。これらのポリエンマクロリドにはアンホテ
リシンB及びアンホテリシンBのアスコルビン酸メチル
エステルが含まれる。
単球、マクロファージ及び多形核白白球などの血液食
細胞は免疫応答以前にさえ、異物と特徴的に結合し、か
つこれを摂取する。またこれらの食細胞は循環リポソー
ムを取り込む最初の細胞の1つである。例えば、動物へ
のニスタチンなどのポリエンマクロリドを含むリポソー
ムの非経口投与は、細胞内HTLV−III/LAVの増殖を阻害
するのに有効であると思われる。リポソーム依存のニス
タチン生活性の増加はHTLV−III/LAV感染による病気の
コントロールに重要である。
以下の例は本発明の好ましい態様及び使用法を説明す
るものであり請求の範囲に述べていない限り本発明を制
限するものではない。例えば、ジミリストイルホスファ
チジルコリン及びジミリストイルホスファチジルコリン
がリポソームを形成するのに用いられているが、これら
特定の脂質が当分野で知られている唯一の使用可能な脂
質であるということでは決してない。またこれらの例の
中で用いているリポソームの特定の生成法及びリポソー
ムタイプが唯一の使用可能な方法又はリポソームタイプ
を表わしている訳ではない。
例 1 (薬剤、脂質及び試薬) ニスタチン(粉末)はレダールラボラトリース社(パ
ールリバー、N.Y.)から入手した。クロマトグラフ的に
純粋なジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)及
びジミリストイルホスファチジルグリセリン(DMPG)は
アバンチポーラーリピッズ社(バーミンガム、Ala州)
から購入した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用
メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びN,N
−ジメチルホルムアミド(DMFA)はフィッシャーサイエ
ンティフィック社(フェアローン、N.J.州)から購入し
た。ヒトAB血清はMAバイオプロダクツ社(ウォーカーズ
ビル、Md州)から入手し、ヒトRBCは正常なボランティ
アから入手した。
例 2 (ニスタチンの特徴) Nysの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)はU6Kユニ
バーサルLCインジェクター、ウォーターズ自動グラジェ
ントコントローラー及びプログラマー、モデル441波長
固定吸収ディテクター及びヒューストンインスツルメン
ト社オムニスクライブレコーダーを使用したウォーター
M6000A及びM45溶媒配給システムからなるシステムで行
った。分析にはウォーターズμボンダパク(Bondapak)
C−18逆相カラム(0.45mm×30cm)を用いた。移動相は
2ml/minの流速でメタノール:水(70:30)を用い、溶出
液は280nmの吸光度(0.02AUFS)をモニターした。純度
は、各クロマトグラムにおいて全ピーク面積でNys相当
ピーク面積を割った割合として計算した。
ニスタチン(レダール(Lederle)はメタノール(1mg
/ml)、DMFA(15mg/ml)及びDMSO(40mg/ml)に可溶性
である。NysのHPLC分析の典型クロマトグラフを第2図
に示す。この薬剤の至適分離は移動相として70%メタノ
ール(v/v)及びその他の指定された条件を用いて達成
された。Nysの保持時間は10分であり、またその純度は7
2%であると計算された。
例 3 (リポソームの調製及び標準化) 多重ラメラ小胞(MLV)は先に報告されているように
調製した(ロベス−ベレスタイン(Lopez−Berestein)
等、ジャーナル・オブ・インフェクシャス.ディシーズ
(J.Infect.)、120、278−283(1984))。ニスタチン
はメタノールに溶かし(1mg/ml)、4℃で、暗所に保存
した。一定量のリン脂質、DMPC:DMPG(7:3)を種々の量
の薬剤と混合し、ついで溶媒をロータリーエバポレータ
ーを用い減圧下でエボパレートした。乾燥脂質−薬剤フ
ィルムをリン酸緩衝液(PBS)に懸濁し、振盪すること
によりそのフィルムをリポソーム化した。その後このサ
スペンジョンをフラスコから回収し、20,000rpmで1時
間遠心した。このペレットをPBSに再懸濁し、リポソー
ム中に含まれているNysを306nmの吸収で測定した。同様
に9:1の比のリン脂質及びステロールを含むリポソーム
も調製した。Nysリポソームの安定性はPBS及びヒトAB血
清と等量のL−Nysを37℃でインキュベートすることに
より評価した。指示した時間間隔でサンプルを取り出
し、10,000×gで15分間遠心しペレット中のNys濃度を
測定した。
例 4 (リポソーム中のニスタチンカプセル化効率) 固定量のリン脂質及び種々のNysで調製したバッチ毎
のリポソームのカプセル化効率を第3表に示す。最高の
取込み量は600μgNys/10mgリン脂質(薬剤/リン脂質比
=1:16.7)のとき得られ、以後減少した。
例 5 (リポソーム含有ニスタチン(L−Nys)の安定性) 例4で述べたように500μgニスタチン/10mgリン脂質
を含むリポソームを調製し、等部分標本に分割した後PB
S又はヒトAB血清と種々の時間インキュベーションし
た。各時間のインキュベーション後遠心ペレット中に回
収された薬剤の量を第4表に示す。リポソームはPBS中
では72時間まで安定であり、また血清中では24時間まで
安定であったが、72時間インキュベーション後のペレッ
ト中に回収された薬剤はわずか30%であった。
例 6 (インビトロにおける菌類阻害) インビトロにおける生物、培養、及び抗真菌性の検
定。サボラウドテキストロース寒天(SDA)プレート
上、37℃で一晩イーストを増殖した。胞子採取前3〜10
日間、SDA上、30℃で全カビを増殖した。その後この接
種物を先に述べたように感受性テスト用に処理した(ホ
プファー(Hopfer)等、アンチマイクロービアルエージ
ェントケモセラピー(Antimicrob.Agents Chemothera
p.)、25、387−389(1984))。マイクロプレートを使
用した連続2倍希釈法(シャドミー(Shadomy)等、E.
H.レネト(Lennette)等編、マニュアルオプクリニカル
マイクロバイオロジー(Manual of Clinical Microbiol
ogy)第3編、アメリカンソサイアティー・オブ・マイ
クロバイオロジー(American Society for Microbiolog
y)、ワシントンD.C.、647−653(1980)をその薬剤の
最小阻害濃度(MIC)の測定に使用した。L−NysのMIC
を遊離NysのMICと比較した。空リポソーム及び5%ジメ
チルスルホキシド(DMSO)をコントロールとして使用し
た。
C.アルビカンス(albicans)336株に対する遊離及び
L−NysのMICを第5表に示した。Nysをステロール有無
条件のリポソームにトラップした後に抗真菌性は維持さ
れていた。薬剤サンプルに使用したものと同じ濃度の空
リポソーム及びDMSOは増殖を阻害しなかった。
第6表に示されているように、遊離ニスタチンと比較
して、リポソームニスタチン(L−Nys)の最小阻害濃
度(MIC)は通常有意に低い。驚くべきことにL−Nysは
広範囲の菌類に対する抗真菌性毒として有効である。L
−Nysを調製し、一般に種々新しい菌類を用いた以外は
本例又は先の例で述べたのと同様にテストした。対照的
に遊離アンホテリシンB及びリポソームカプセル化アン
ホテリシンBに関する先の同様の結果は、菌類に対する
ほぼ同じ毒性を示すか、もしくはカプセル化がアンホテ
リシンの毒性を減少したことを示した。(ホプファー
(Hopfer)等、アンチバクテリアルエイジェントアンド
ケモセラピー(Antibacterial Agents and Chemotherap
y)25、3、387−389(1984))。
例 7 (インビトロにおけるヒトRBCに対する遊離Nys及びL−
Nysの毒性) 先に報告されているように(メタ(Mehta)等、バイ
オケム、バイオフィズ、アクタ(Biochem.Bioplys.Act
a)、770、230−234(1984))、ヒト赤血球(RBC)の
溶解は、上清中へのヘモグロビンの放出を550nmの測定
で定量した。種々の量のL−Nysを洗浄した新鮮なヒトR
BCと37℃で45分間インキュベートした。ジメチルホルム
アミド(DMFA)に溶解した遊離Nysを最終溶媒濃度が3
%となるよう検定物に添加した。適当な溶媒コントロー
ル、空リポソーム及び空リポソーム+遊離薬剤も各実験
に含めた。水を用いた同数のヒトRBCの低張溶解による
ヘモグロビンの放出を100%ボジティブコントロールと
して測定し、一方PBSで処理した細胞をネガティブコン
トロールとして測定した。
60から120μg/mlの範囲の遊離Nysについて、ヒトRBC
の溶解に線型的増加が観測され、120μg/mlで100%溶解
が見られた(第3図)。一方、L−Nysは500μg/mlまで
溶解を起こさなかった。空リポソーム単独ではヒトRBC
には影響を与えず、またそれらはいくぶん遊離Nysの効
果を防いだ。空リポソームとともに遊離Nys375μg/mlを
用いるとわずか15%の溶解であり一方、空リポソームの
存在下500μg/mlの遊離Nysでは30%の溶解が観測され
た。遊離Nysに使用したものと等濃度のジメチルホルム
アミドはヒトRBCに影響しなかった。
例 8 (インビボにおけるNys及びL−Nysの毒性) 各々8匹のホール−ストナーマウス(週令6〜8、体
重20〜25g)、ユニバーシティー・オブ・テキサスサイ
エンスパーク(Univ.of TX Science Park)、バストロ
ップ、TX州)のグループに種々の投与量の遊離Nys(食
塩水で希釈した5%DMSO中)、L−Nys、空リポソーム
又はコントロールとしての5%DMSOを注射した。急性、
亜急性及び慢性毒性についてマウスを観察し、各グルー
プ中の各動物の生存時間を記録した。45日後、生存する
動物を殺し、血液及び組織サンプルを得た。血液の生化
学試験には血中尿素窒素、アルカリホスファターゼ及び
乳酸デヒドロゲナーゼが含まれる。器官(肝臓、脾臓、
肺及び腎臓)を採取し10%ホルマリン中に保存した。組
織断片はヘマトキシリン−エオシン染色及びゴメリメテ
ンアミン銀染色の処理を行った。
遊離Nysの最大許容投与量(MTD)は4mg/kg(体重)で
あり、4.4mg/kgの投与で全ての動物は直ちに死亡した
(第4図、遊離Nys=( )、L−Nys( )。一方、リ
ポソーム−Nysは16mg=スタチン/kg(体重)の最大許容
投与量を示した。遊離Nysの最高投与量に等しいDMSO及
び空リポソーム(400mg/kg)は毒性効果を示さず、かつ
実験が終了するまでその動物は生存した(すなわち45日
間)。生存動物には亜急性又は慢性毒性反応は見られな
かった。血液の生化学的パターンにも有意な変化は見ら
れなかった。組織病理学的研究ではこれらの動物の死因
を示すことができなかった。
例 5 (カンディダアルビカンスによる伝染性菌類感染に対す
る遊離Nys単一投与による治療) 週令6〜8才のホール−ストナーマウス(体重20〜25
g)をユニバーシティーオブテキサスサイエンスパーク
(University of Texas Science Park)(バストロッ
プ、TX州)から購入した。そのマウス(グループ当り8
匹)に尾の静脈を介して、7×105コロニー形成単位(c
fu)を含む0.2mlのC.アルビカンス細胞サスペンジョン
を注射した。
この細胞濃度は48時間後に伝染性感染を起こし、主に
肝臓、脾臓、肺及び腎臓に影響する濃度である。感染マ
ウスを1mg〜4mg/kg(体重)の遊離Nysで処理した(第5
図)。これらの投与は、未処理コントロールグループと
比べて感染マウスの生存率を改善しなかった。5パーセ
ントDMSOはマウスの生存率に影響しなかった。
例 10 (カンディダアルビカンスによる伝染性菌類感染に対す
る遊離Nys又はL−Nysの単一投与による治療) 例9で述べたようにC.アルビカンスをマウスに感染さ
せた。
C.アルビカンス(albicans)注入2日後、各8匹のマ
ウスグループに種々の投与量の遊離Nys、L−Nys、空リ
ポソーム又は5%DMSOを注射した。各グループ中の動物
の生存率を記録し、未処理コントロールグループと比較
した。
マウスグループを種々の投与量のL−Nys(範囲2〜1
2mg/kg)、遊離Nys(1−4mg/kg)、空リポソーム(400
mg脂質/kg)で処理した(第6図)。空リポソームはマ
ウスの生存率に影響を与えなかった。遊離Nysと比較し
て、2mg/kgL−Nysはマウス生存率の差は見られなかった
が、4mg/kg及び8mg/kgの投与量は生存率の改善を示した
(P各々0.01以下及び0.02以下)。さらに12mg/kgの投
与は遊離NysのMTDと比較した時、生存率に有意な改善を
示した(P0.003以下)、しかし、全てのマウスは処理と
無関係に18日以内に死亡した。
例 11 (C.アルビカンス(albicans)による伝染性菌類感染に
対するNys又はL−Nysの多重投与による治療) C.アルビカンス(albicans)の静脈注射から2日後
(例9及び10で述べたように)、そのマウスを種々の投
与量の遊離Nys、L−Nys、空リポソームまたは5%DMSO
コントロールで連続する5日間処理した。また多重投与
グループを適当に増加する単一投与グループと比較した
(例10参照)。その後、この動物について、5日投与処
理の場合の生存率又は毒性を観察した。
これらの実験は60日間で終了し、生存する動物を殺し
て血液及び組織サンプルを採取した。
生存曲線をカプラン(Kaplan)及びメイアー(Meie
r)(ジャーナル・オブ・アメリカン・スタティスカル
・アソシエート(J.Amer.Stat.Assoc.)53、457−462
(1953))の方法で計算し、また生存分布の差のテスト
は一般ウイルコクソン(Wilcoxon)テスト(ゲハン(ge
han)バイオメトリカ(Biometria)、52、203−223(19
65))に基づいている。グループ間の応答速度の差に対
する線型性及びX2テスト及びペアードt−テストを平均
値の比較に用いた。
マウスのグループに連続する5日間、指示した投与量
の遊離Nys(MTD)及びL−Nysを注射した。これら多重
投与を、単一投与の遊離−又はL−NysのMTDと比較し
た。またこの実験には未処理コントロール同様、連続す
る5日間の注射による毎日等投与量の空リポソーム又は
5%DMSOを投与した動物のグループが含まれる(第7
図)。遊離Nysの単一又は多重投与処理した全てのグル
ープの動物は、未処理コントロールと同様にすみやかに
死亡した。一方、L−Nysはマウス生存率を有意に改善
した。1回又は分割投与(2.4mg×5)で与えられた12m
g/kgの投与は同じパターンの生存率を示した。すなわ
ち、遊離薬剤で処理したグループよりも有意な改善が観
測された(P0.003以下)。5回与えられた場合、12mg/k
g投与(全投与量60mg/kg)は生存率の著しく増加させ
(P0.007以下)、L−Nysの単一投与及び単一又は多重
投与の遊離Nysの処理の場合の各々18日間及び10日間の
存在時間に比べて、この条件では60日間で7%の生存率
を示した。中程度の連続投与(6mgNys×5)も、生存率
を著しく改善した(P0.001以下)。生存時間の増加はリ
ポソーム薬剤の全投与量に比例した。またマウスは5日
間の16mg/kg(体重)の投与に耐え得るが、(計80mgNys
/kg)、それは低速度で与えられた時のみである。この
投与ではこの実験を終えた60日間でマウスの100%生存
を示した。
以下の請求の範囲で定義した本発明の概念及び範囲を
逸脱することなしに、ここで述べた要素及び方法又はこ
こで述べた方法のステップ又はこのステップの配列を変
化し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホッパー ロイ エル アメリカ合衆国 テキサス州 77096 ヒューストン メイプル 5427 (72)発明者 ジュリアーノ ルドルフ エル アメリカ合衆国 テキサス州 77091 ヒューストン ジャックウッド 5222 (56)参考文献 特開 昭63−66123(JP,A) 特表 昭59−500952(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多重ラメラリポソーム内に組込まれたニス
    タチン及び医薬的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を
    含む動物の播種性菌類感染の治療用医薬組成物であっ
    て、該リポソームが、ホスファチジルグリセリン、ホス
    ファチジルグリセリンとホスファチジルコリンの混合
    物、ジミリストイルホスファチジルグリセリン、並びに
    ジミリストイルホスファチジルコリン及びジミリストイ
    ルホスファチジルグリセリンの混合物からなる群から選
    ばれるリン脂質を含み、かつニスタチンとリン脂質の重
    量比が0.01/1.0〜1.0/10である医薬組成物。
  2. 【請求項2】前記重量比が0.02/10から0.08/10の範囲に
    ある請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】前記脂質が、ジミリストイルホスファチジ
    ルコリン及ジミリストイルホスファチジルグリセリンを
    1/10〜10/1の比で含む請求項1又は2の組成物。
  4. 【請求項4】ジミリストイルホスファチジルコリンとジ
    ミリストイルホスファチジルグリセリンとの比が約7対
    3である請求項3の組成物。
  5. 【請求項5】さらにステロールを含む請求項1記載の組
    成物。
  6. 【請求項6】ステロールがコレステロールである請求項
    5記載の組成物。
  7. 【請求項7】動物に対し、経口的、局部的又は非経口的
    に投与できる請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】非経口的に投与できる請求項7記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】ニスタチンの投与量が1mg〜20mg/kg体重の
    範囲となるように形成した請求項7記載の組成物。
  10. 【請求項10】ニスタチンの投与量が2.5mg〜6mg/kg体
    重の範囲となるように形成した請求項8記載の組成物。
  11. 【請求項11】静脈、動脈、皮下、筋肉、リンパ腺、腹
    膜又は胸膜注射により投与できる請求項1記載の組成
    物。
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