JP4522814B2 - アレルゲン低減化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、住居内空間に浮遊するアレルゲン又はその前駆物質を容易に除去する方法、及び該方法に供されるアレルゲン低減化剤に関する。
近年、ハウスダストに起因するアレルギー疾患が増加する傾向にあり、社会的問題となっている。アレルギーの原因となるハウスダストとしては、花粉、黴の胞子、及びダニの死骸や糞を代表例として挙げることができるが、これらは数μm〜数十μm程度の非常に微細な物質であるため、人間が歩行する程度の簡単な活動でさえも容易に舞い上がり住居内空間を汚染する。このような空間に舞い上がり浮遊したハウスダストは一般の掃除行動では全く除去することができないことから、空間に浮遊するハウスダストを効果的に除去する方法が熱望されている。
特許文献1にはカチオン界面活性剤を含む組成物を空間に噴霧するアレルゲン除去剤が開示されている。特許文献2にはアレルゲンを不活性化及び/又は除去する空間噴霧型のハウスダスト処理剤が開示されている。特許文献3にはポリビニルアルコールを含有する溶液を空間に噴霧するするハウスダスト処理剤が開示されている。特許文献4には家庭環境中における浮遊粒子状物質を除去する方法が開示されている。また、特許文献5には、ダストコンロールテストにより繊維に残留するダストの量が30%以上であり、且つ摩擦率解析法によるMIU値が3.0以下のアレルゲン無害化組成物が記載されており、具体的な化合物として高分子重合体が記載されている。特許文献6には、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性の多糖類を用いて表面にアレルゲンを安定化するように、小さいダニアレルゲンを接着して、アレルゲンをコントロールする技術が記載されている。また特許文献7には、水溶性多糖ポリマー主鎖と疎水性部分を含む疎水性改質水溶性多糖ポリマーを含むビヒクル系と家事用成分を含有する家庭用配合物が記載されている。
特開2000−264837号公報 特開2002−128659 特開2002−128680号公報 特表2000−504621号公報 国際公開第02/28179号パンフレット 英国特許第GB2300122号明細書 特表2002−508438号公報
しかしながら、上記文献に記載された手段によってもアレルゲン物質の不活化や除去は十分に行うことができなかった。
本発明の課題は、アレルゲンやその前駆物質を効果的に不活化、除去できる剤及び方法を提供することにある。
本発明は、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する構成単位を有する高分子化合物のヒドロキシ基又はカルボキシ基の水素原子の少なくとも一部を、下記一般式(1)で示される基で置換した水溶性高分子化合物、及び水を含有するアレルゲン低減化剤に関する。
−R1a−(OR1bp−A−R1c (1)
[式中:R1aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、R1bは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R1cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基である。Aは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、pは0〜50(平均付加モル数)であり、p個の(OR1b)は同一でも異なっていてもよい。]
また、本発明は、スプレーデバイスを備えた容器に上記本発明のアレルゲン低減化剤を充填してなる、スプレー容器入りアレルゲン低減化剤に関する。
また、本発明は、可撓性シートに上記本発明のアレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シートに関する。
また、本発明は、上記本発明のアレルゲン低減化剤を空間に噴霧する、アレルゲン低減化方法に関する。
また、本発明は、上記本発明のアレルゲン低減化剤を対象表面に噴霧又は塗布し、乾燥するまでに吸水性物品で拭き取るアレルゲン低減化方法、更にこの方法を行なった後、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう、清掃方法に関する。
また、本発明は、可撓性シートに上記本発明のアレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シートで対象表面をふき取り、さらに、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう、清掃方法に関する。
本発明によれば、表面及び空間のアレルゲンを低減化すること、特に効率よくアレルゲンを除去することができる。
本発明に係わるアレルゲン低減化剤は、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する構成単位を有するものであり、特にこれら構成単位を主鎖として構成されている高分子化合物のヒドロキシ基又はカルボキシ基の水素原子の一部又はすべてが、下記一般式(1)で示される基で置換された水溶性高分子化合物〔以下(a)成分という〕を含有する。本発明において水溶性高分子化合物の水溶性とは、20℃の水に少なくとも1質量%以上溶解するものを指す。
−R1a−(OR1bp−A−R1c (1)
[式中:R1aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、R1bは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R1cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基である。Aは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、pは0〜50(平均付加モル数)であり、p個の(OR1b)は同一でも異なっていてもよい。]
1aは、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基、1−オキソエチレン基、1−オキソトリメチレン基、1−メチル−2−オキソエチレン基であり、特に2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基が好ましい。R1bは、好ましくはエチレン基、プロピレン基であり、R1cは、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、ステロイド骨格を有する炭化水素基(好ましくはコレステリル基)等の炭素数4〜30の炭化水素基であり、好ましくはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数5〜25、更に6〜20のアルキル基であるか、又は2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基である。Aは、好ましくは−O−であり、pは好ましくは0〜40、より好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜20、特に好ましくは10〜20の数(平均付加モル数)である。
(a)成分となる水溶性高分子としては、セルロース、スターチ、グアーガム、キサンタンガム、プルラン、デキストラン、クラスターデキストリン、フルクタン、マンナン、寒天、カラギーナン、キチン、キトサン、ペクチン、アルギン酸、ヒアルロン酸、イヌリン等の多糖類;これらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げられる。これらの置換基は、構成単糖残基中に単独で又は複数の組合せで置換することができ、多糖誘導体の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。これら多糖類又はその誘導体のうち、セルロース、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、イヌリン、キトサン、クラスターデキストリン、グアーガムが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロース、イヌリン、キトサン、クラスターデキストリン、グアーガムが好ましい。また、上記多糖誘導体の置換基は、ヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシ基に更に置換して、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することで、構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であり、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10.0、特に0.5〜5.0が好ましい。
本発明の(a)成分は、上記水溶性高分子の水酸基又はカルボキシ基の水素原子の一部又は全部を、一般式(1)の置換基で置換した高分子化合物であり、該置換基(1)の置換度は、水酸基又はカルボキシ基を含む単量体単位残基当たり(例えば、構成単糖残基当たり)、0.0001〜1、更に0.0005〜0.5、更に0.001〜0.1、特に0.001〜0.05が好ましい。また、一般式(1)においてR1cがスルホアルキル基の場合にはスルホアルキル基の置換度は、水酸基又はカルボキシ基を含む単量体単位残基当たり(例えば、構成単糖残基当たり)、0〜1、更に0〜0.8、特に0〜0.5が好ましい。
(a)成分の重量平均分子量は、好ましくは1万〜200万、より好ましくは5万〜150万、特に好ましくは10万〜60万である。なお、重量平均分子量は例えばポリエチレングリコールを指標物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
本発明の(a)成分のあるものは、WO00/73351号公報記載の方法でセルロース誘導体又は澱粉誘導体とR1d−(OR1b)p−A−R1c[R1dは炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、又はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、又はカルボキシ基若しくは炭素数2〜6のカルボキシアルキル基若しくはそれらの誘導体を示し、R1b、p、A、R1cは前記と同一の意味である。]で示される化合物と反応させ、所望により通常のスルホン化剤でスルホン化することで得られる。
他の(a)成分となる水溶性高分子化合物としては、アクリル酸、酢酸ビニル(ポリビニルアルコールの製造)、グリシドール等のヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する構成単位を形成し得る単量体から得た高分子化合物のヒドロキシ基又はカルボキシ基を、前記一般式(1)の基で置換したものが挙げられる。
また、本発明の(a)成分としては、下記(イ)又は(ロ)の高分子化合物が好適である。
(イ);水溶性高分子化合物が、下記一般式(2)のモノマー単位(a1)及び下記一般式(3)のモノマー単位(a2)を含有し、(a1)/(a2)がモル比で1/1500〜30/100であり、(a1)と(a2)の合計の比率が分子中に50〜100モル%である高分子化合物〔以下、高分子化合物(イ)という〕
Figure 0004522814
〔式中;R2aは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R2bは水素原子、又は−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R2cは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、R2dはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、R2eは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R2fはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基である。Bは−O−、−COO−、−OCO−、−CONR2g−(R2gは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基)から選ばれる基であり、Eは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、であり、qは0〜50(平均付加モル数)であり、q個の(OR2e)は同一でも異なっていてもよい。〕
Figure 0004522814
〔式中;R3aは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3bは水素原子、又は−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R3cは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、Gは−COOM、−OH、−T−(R3dO)c−H、−CON(R3e)(R3f)、−COO−R3g−N+(R3h)(R3i)(R3j)・X-、−COO−R3g−N(R3h)(R3i)、−CON(R3e)−R3g−N+(R3h)(R3i)(R3j)・X-、−CON(R3e)−R3g−N(R3h)(R3i)、又は環内にアミノ基若しくはアミド基を少なくとも1つ有する5若しくは6員環構造の複素環基である。ここで、Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子、Tは−O−、−COO−から選ばれる基であり、R3dは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R3e、R3f、R3h、R3i、R3jは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R3gは、炭素数1〜5のアルキレン基である。X-は有機又は無機の陰イオン基を示す。cは1〜50(平均付加モル数)であり、c個の(R3dO)は同一でも異なっていてもよい。〕
(ロ);下記一般式(4)の構成単位及び/又は下記一般式(5)の構成単位(a3)、並びに一般式(6)の構成単位及び/又は下記一般式(7)の構成単位(a4)を含有し、(a4)/(a3)がモル比で30/100〜1/1500であり、(a4)と(a3)の合計の比率が分子中に50〜100モル%である高分子化合物〔以下、高分子化合物(ロ)という〕
Figure 0004522814
〔式中;J、Mは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、R6a、R7aは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R6b、R7bは炭素数1〜6のアルキレン基であり、R6c、R7cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基である。L、Qは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、r、sは0〜50(平均付加モル数)であり、r個の(OR6b)、s個の(OR7b)は同一でも異なっていてもよい。〕
<高分子化合物(イ)>
一般式(2)においてR2a、R2bは水素原子が好ましく、R2cは水素原子又はメチル基が好ましい。R2fは炭素数10〜24のアルキル基、又はアルケニル基が好ましく、炭素数10〜18のアルキル基が更に好ましい。Bは−O−、−COO−又は−CONR2g−が好ましく、R2gは水素原子が好ましい。R2dはエチレン基、プロピレン基、又は−CH2CH(OH)CH2−から選ばれる基であり、R2eはエチレン基、プロピレン基、−CH2CH(OH)CH2−から選ばれる基であり、好ましくはエチレン基である。Eは−O−が好適であり、qは好ましくは0〜40、より好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜20、特に好ましくは10〜20の数(平均付加モル数)である。
一般式(3)においてR3a、R3bは水素原子が好ましく、R3cは水素原子又はメチル基が好ましい。R3e、R3f、R3h、R3i、R3jは水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、特にR3f、R3h、R3i、R3jはメチル基が最も好ましく、R3eは水素原子、又はメチル基が最も好ましい。R3gはエチレン基又はプロピレン基が好ましい。また、複素環基としては、ピロリドン基、ピリジン基、イミダゾール基、好ましくはピロリドン基を挙げることができる。X-はクロルイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオン、好ましくはクロルイオン又はエチル硫酸エステルイオンが好適である。
高分子化合物(イ)は、一般式(2)のモノマー単位(a1)及び下記一般式(3)のモノマー単位(a2)を、(a1)/(a2)=1/1500〜30/100、好ましくは1/1200〜10/100、特に好ましくは1/1000〜5/100のモル比で含有する。
高分子化合物(イ)は(a1)及び(a2)のビニル系モノマー単位の由来となる単量体(a1’)及び単量体(a2’)をラジカル重合などの公知の方法で共重合して得られることができる。また、(a1)のビニル系モノマー単位は、C(R2a)(R2b)=C(R2c)(Y’)で示される重合性単量体(a1'')を(a2)のモノマー単位の由来となる単量体と予め共重合して得られた高分子化合物に、Z−(OR2eq−E−R2fを反応させて導入することもできる。なおここで、Y’及びZは反応してB−R2d−(OR2eq−E−R2fを形成する反応基である。
(a1)の由来となるビニル系モノマー単量体(a1’)の具体例としては以下の化合物を挙げることができる。
CH2=CH−COO−C24−(OC24)q−O−R2f
CH2=CH−COO−CH2CH(OH)CH2−(OC24)q−O−R2f
CH2=C(CH3)−COO−C24−(OC24)q−O−R2f
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH(OH)CH2−(OC24)q−O−R2f
CH2=C(CH3)−CONH−C24−(OC24)q−O−R2f
また、(a2)の由来となるビニル系モノマー単位(a2’)の具体例としては以下の化合物を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、平均付加モル数2〜50、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、さらに好ましくは2〜20、特に好ましくは10〜20のポリオキシアルキレン(好ましくはエチレン)モノ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ジアルキル(炭素数1〜3)アミド、(メタ)アクリル酸モノ(ジ)アルカノール(炭素数2〜3)アミド、重合後ケン価してビニルアルコール骨格に変換出来る酢酸ビニル、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜3)−N,N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルカノール(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾ−ル、N−ビニル−2−カプロラクタム
また、(a2’)から選ばれる単量体と酢酸ビニルを共重合させた後、ケン価して得られたビニルアルコール単位のOHに
Figure 0004522814
で示されるグリシジルエーテル化合物を反応させて(a1)のモノマー単位を得ることも可能であり、(a2’)から選ばれる単量体と平均付加モル数1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50のポリオキシエチレンビニルエーテルを共重合させた後、
Figure 0004522814
とを反応させて(a1)のモノマー単位を得ることも可能である。
また、(a1)のモノマー単位は、(a2’)から選ばれる単量体と酢酸ビニルを共重合させた後、ケン価して得られたビニルアルコール単位のOHに、R2f−O−(C24O)q−CH2COX’〔式中;X’は−OH、−Cl、−OCH3、−OC24〕で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸とのエステル化反応(又はエステル交換反応)により得ることが可能であり、(a2’)から選ばれる単量体と平均付加モル数1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50のポリオキシエチレンビニルエーテルを共重合させた後、R2f−COXで示されるカルボン酸とのエステル化反応(又はエステル交換反応)により得ることも可能である。
高分子化合物(イ)は(a1)及び(a2)のビニル系モノマー単位を分子中に50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、特に好ましくは70〜100モル%含有する高分子化合物であり、(a1’)又は(a1'')と(a2’)のビニル系モノマーと共重合可能な他の単量体を共重合させることも可能である。共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエンなどの化合物を挙げることができる。
高分子化合物(イ)はラジカル重合法で製造することが特に好ましく、塊状、溶液、又は乳化系にてこれを行うことができる。ラジカル重合は加熱によりこれを開始してもよいが、開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩などのアゾ系開始剤、過酸化水素及び、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシドなどの有機過酸化物、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩等が挙げられるが、これらのラジカル開始剤以外でも、過酸化水素−Fe3+などのレドックス開始剤、光増感剤の存在/又は非存在下での光照射や、放射線照射により重合を開始させてもよい。
本発明の(イ)の高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは2000〜20万、より好ましくは3000〜15万、特に好ましくは4000〜12万である。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコールを標準として求めることができる。
<高分子化合物(ロ)>
本発明の(a)成分として好適な高分子化合物(ロ)はポリグリセリルエーテル化合物のOHの一部がJ−R6a−(OR6b)r−L−R6cである化合物である。ポリグリセリルエーテルはグリシジルエーテルの付加反応で製造することができるが、グリセロール基の1位又は3位のOHにグリシジルエーテルが付加した一般式(4)で示される構成単位、及びグリセロール基の2位のOHにグリシジルエーテルが付加した一般式(5)で示される構成単位のランダム付加体を形成する。一般式(4)、及び一般式(5)の構成単位の比率は本発明の効果に影響はなく、任意に選ぶことができる。
高分子化合物(ロ)は、一般式(4)及び一般式(5)の構成単位を含むポリグリセリルエーテル化合物のヒドロキシ基の一部とW−(OR6b)r−L−R6cとの反応で製造することができる。ここでWはポリグリセリルエーテルのOHと反応して−J−R6a−(OR6b)r−L−R6cを形成する基である。W−(OR6b)r−L−R6cの具体例としては以下の化合物を挙げることができる。
Figure 0004522814
これら化合物とポリグリセリルエーテルのOHと反応は通常知られている方法を用いることができ、例えば一般式(6−1)の化合物は、NaOH、KOHなどのアルカリを触媒として用いることで容易に反応させることができる。また、一般式(6−2)の化合物を用いる場合は、極知られたエステル化反応またはエステル交換反応を採用することができる。
本発明の(ロ)の高分子化合物において、構成単位(a3)、構成単位(a4)以外の構成単位(a5)を含んでいてもよく、(a5)の具体例としては以下のものを挙げることができる。
Figure 0004522814
高分子化合物(ロ)は(a4)/(a3)のモル比が1/1500〜30/100、好ましくは1/1200〜10/100、より好ましくは1/1000〜5/100であり、(a3)と(a4)の合計の比率が分子中に50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。また、(ロ)の高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは500〜20000、より好ましくは1000〜10000、特に好ましくは3000〜8000である。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコールを標準として求めることができる。
本発明の(a)成分は、水溶性高分子化合物でありながら部分的にR1cとして疎水性基を有する。一方アレルゲン、特にダニアレルゲンは、水溶性である。本発明の(a)成分を水に溶解させた水性組成物として用いることで、該水性組成物と接触し溶解したアレルゲンは、溶液中の(a)成分の疎水性基によって包括されたような構造をとるものと推測される。この結果、アレルゲンが高分子化合物に被覆されたような状態になり、アレルギーを発現し難くなり、これがアレルゲンの低減として捉えられるものと考えている。
本発明のアレルゲン低減化剤は、(a)成分を0.005〜10質量%、更に0.01〜5質量%、特に0.05〜1質量%含有することが好ましい。
本発明に係るアレルゲン低減化剤には、下記任意成分の他に残部として水[以下(b)成分とする]を含有する。水はなるべく純粋に近い方が好ましいが、配合成分に影響しない程度、又は不純物としてアレルゲンとなり得る化合物を実質的に含まないグレードのものを用いればよい。具体的には、塩素などで殺菌した殺菌水や微量に存在するカルシウムなどの金属成分を除去したイオン交換水等を用いることができる。
(b)成分は(a)成分等の溶媒であり、残部として配合されるが、空間噴霧する場合は(噴射剤を除いて)60質量%以上、固体表面に直接噴霧する場合は、80質量%以上、特には90質量%以上配合されることが好ましく、上限は99.995質量%以下が好ましい。
本発明に係るアレルゲン低減化剤は、対象表面に接触させた組成物の乾燥を速める目的、及び(a)成分のアレルゲン低減化剤中での安定性を高める目的から、水溶性有機溶剤〔以下(c)成分という〕を含有することが好ましく、特に水と共沸混合物を形成し、1013.25hPa(760mmHg)における水との共沸温度が100℃未満になる水溶性有機溶剤が好ましく、中でも化学便覧基礎編 改訂4版 日本化学会編 丸善(株) II−147頁 表8・43に記載の水と共沸混合物を形成する化合物のうち、共沸温度が100℃未満、好ましくは60〜90℃の化合物を用いることが好ましい。(c)成分の好ましい具体例としてはエタノール、シクロヘキサン、2−ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、ヘキサン、1−ヘプタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノールを挙げることができ、炭素数2〜7のアルコール化合物が好ましい。特にエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールがアレルゲン除去効果の点から最も好ましい。
(c)成分の含有量は、本発明のアレルゲン低減化剤中、0〜50質量%、更に0.5〜20質量%、特に1〜18質量%が好ましい。なお、フローリング等の硬質な表面に塗布又は噴霧して吸収体で拭き取るアレルゲン除去方法、或いは不織布などの可撓性シートに本発明のアレルゲン低減化剤を含浸させて用いる場合は、(c)成分は、本発明のアレルゲン低減化剤中、好ましくは8質量%以下、より好ましく5質量%以下とすることで、乾燥速度を上げるよりも、アレルゲンを水溶液に溶解させることを優先し、十分にアレルゲンを取り込み無害化する点において好ましい。一方空間のアレルゲンを除去する方法としては、噴霧して用いる場合、(c)成分は、本発明のアレルゲン低減化剤中、5質量%以上、更に8〜20質量%配合することが好ましい。
本発明では、節足動物に対する忌避剤〔以下(d)成分という〕を含有することが好ましく、(d)成分を含有する本発明のアレルゲン低減化剤を継続的に使用することにより、ダニ等の節足動物を忌避し、節足動物由来のアレルゲン物質の絶対量を低減化することができる。ここで本発明の節足動物忌避剤とは、コナヒョウヒダニに忌避効果を有する物質と定義し、下記の進入阻止法によるコナヒョウヒダニの忌避率が50%以上の物質である。
忌避率測定法(進入阻止法)
試験培地;粘着シート板に9cmのシャーレを固定し、その中にコナヒョウヒダニを培地とともに約10,000頭放つ。次いでシャーレ内に直径4cmのシャーレを中央部に置き、濾紙を同径に切り、底部に敷き、試験物質10質量%エタノール溶液0.5mlを濾紙に染み込ませる。その濾紙の中央部にマウス用粉末飼料と乾燥酵母を混合した飼料500mgを置く。
比較培地;同じ粘着シート板に別の9cmのシャーレを固定し、試験培地において濾紙に染み込ませる溶液をエタノールのみにした以外は同様の方法で比較培地を調製する。
これらを25℃、75%RHの条件下に移し、48時間後に中央部の飼料内に侵入したダニ数をカウントし、試験培地と比較培地との差から下式により忌避率(%)を算出する。ダニ数のカウントは実体顕微鏡下で測定する。
忌避率(%)=(1−試験培地のダニ侵入数/比較培地のダニ侵入数)×100
本発明の(d)成分として好ましい化合物は、安全性の点から、天然素材から得られた抽出物、天然素材抽出物中に存在する化合物を天然素材から単離して得られた化合物、あるいは天然素材抽出物中に存在する化合物を合成して得られた化合物、及びこれらの混合物が好ましく、具体的には下記の化合物が好適である。
(d−1):テトラハイドロリナロール(Tetrahydrolinalool)、ボルニルアセテート(Bornyl Acetate)、ミルセニルアセテート(Myrcenyl Acetate)、セドリルアセテート(Cedryl Acetate)、ラベンダリーアセテート(Lavandulyl Acetate)、シトロネリルイソブチレート(Citronellyl Isobutyrate)、テルピニルプロピオネート(Terpinyl Propionate)、リナリルホルメート(Linalyl Formate)、シトロネリルチグレート(Citronellyl Tigrate)、ノピルアセテート(Nopyl Acetate)、ベチベリルアセテート(Vetiveryl Acetate)、リラール(Lyral)、シトロネリルオキシアセトアルデヒド(Citronellyloxyacetaldehyde)、2,6,10−トリメチル−9−ウンデカナール(2,6,10−Trimethyl−9−Undecanal)、α−ヨノン(α−Ionone)、β−ヨノン(β−Ionone)、アイロン(Irone)、α−ダマスコン(α−Damascone)、β−ダマスコン(β−Damascone)、ヌートカトン(Nootkatone)、セドリルメチルエーテル(Cedryl Methyl Ether)、イソメントン(Isomenthone)、シトロネラール、リナロール、シトロネロール、シトラール、L−メントール、p−メンタン、α−ピネン、β−ピネン、d−リモネン、ゲラニオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、1,8−シネオール、p−メンタン−8−エン−1,2−ジオール、オイゲノール、ベンジルホーメイト、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルブチレート、ベンジルバレレート、ベンジルカプロエート、ベンジルフェニルケトン、ベンゾフェノン、リナロール、α−ヘキシルケイ皮アルデヒド、コニフェリルアルデヒド、ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチルから選ばれる合成又は単離香料の単独又は2種以上の混合物
(d−2):レモングラス油、ラベンダー油、オレンジ油ベチバー油、パチョウリ油、カナンガ油、クローブ油、カジェプット油、シトロネラ油、ナツメグ油、ペッパー油、サンダルウッド油、バルク油、ガ−ジン油、ジンジャー油、カンポー油、キュウベブュ油、レモングラス油、コーンミント油、アニス油、ラング油、シナモン油、メース油、パロマローサ油、フェンネル油、カラムス油、タイムス油、ニーム油、シナモンリーフ油、セダーウッド油から選ばれる植物精油の単独又は2種以上の混合物
(d−3):ヒノキチオール及び/又はヒノキチオール誘導体
(d−4):柿の葉、ヤツデ、ヨモギ、セロリ、及びどくだみをアルコールにより抽出した植物抽出エキス
本発明では(d−1)及び(d−2)のものが特に好ましく、(d−1)の化合物としてジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチルが特に好ましく、(d−2)の植物精油としては、カラムス油、シナモンリーフ油、クローブ油、レモングラス油、セダーウッド油が特に好ましい。
本発明に係るアレルゲン低減化剤は、(d)成分を好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.005〜1質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%含有する。なお(d)成分以外に香料成分を配合する場合は、(d)成分との合計で2質量%以下、更には1質量%以下、特には0.5質量%以下が好ましい。
本発明では殺菌剤〔以下(e)成分という〕を含有することが好ましく、アレルゲン物質として知られている空気中に浮遊するカビの胞子等に付着し、カビ等の繁殖を抑制し、菌に由来するのアレルゲン物質の絶対量を低減化することができる。
本発明の(e)成分の抗菌性化合物は、木綿金巾#2003に該化合物1質量%を均一に付着させた布を用いJIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験法」の方法で抗菌性試験を行い阻止帯が見られる化合物である。このような化合物としては「香粧品、医薬品防腐・殺菌剤の科学」(吉村孝一、滝川博文著、フレグランスジャーナル社、1990年4月10日発行)の501頁〜564頁に記載されているものから選択することができる。
本発明の(e)成分としては、特に下記(I)〜(IV)の抗菌性化合物が好ましい。
(I)20℃における水への溶解度が1g/100g以下、好ましくは0.5g/100g以下、分子量が100〜420、好ましくは150〜410、融点が40℃以上で、4級アンモニウム基を含有しない抗菌性化合物(但し、有機過酸又は有機過酸化物は除く。)
(II)0℃における水への溶解度が2g/100g以上、好ましくは5g/100g以上の、炭素数8〜16のアルキル基を少なくとも1つ有する水溶性4級アンモニウム型抗菌性化合物
(III)2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズイミダゾール、ポリリジン、ポリヘキサメチレンビグアニリド及びグルクロン酸クロルヘキシジンから選ばれる一種以上の抗菌性化合物
(IV)20℃における水への溶解度が1g/100gを超える銀、銅、亜鉛から選ばれる金属の塩
(I)の性質を満たす化合物として好ましいものはトリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、トリクロロカルバニリド、8−オキシキノリン、デヒドロ酢酸、安息香酸エステル類、クロロクレゾール類、クロロチモール、クロロフェン、ジクロロフェン、ブロモクロロフェン、ヘキサクロロフェンから選ばれる1種以上である。特にトリクロサンが本発明の課題に対して優れた効果を有するため好ましい。また、特開平11−189975号に記載されているトリクロサン類自体も良好であり、具体的にはジクロロヒドロキシジフェニリエーテル、モノクロロヒドロキシジフェニルエーテルが好ましい。
(II)の化合物としては下記一般式(8)又は(9)の4級アンモニウム化合物を使用することも好ましい。
Figure 0004522814
〔式中、R8a、R9aは、それぞれ、炭素数5〜16、好ましくは7〜16のアルキル基又はアルケニル基、好ましくはアルキル基であり、R8d、R8eは、それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Tは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、又は
Figure 0004522814
である。n1は0又は1である。R8b、R8cは、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基又は−(O−R8f)m1−である。ここでR8fはエチレン基もしくはプロピレン基、好ましくはエチレン基であり、m1は1〜10、好ましくは1〜5の数である。さらにY-は陰イオン基、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンである。〕
最も好ましい4級アンモニウム化合物としては下記のものを挙げることができる。なお、式中のY-は前記と同様の意味である。
Figure 0004522814
(III)の化合物としては特にポリリジンが好適である。
(IV)の化合物としては、化学便覧基礎編(改定3版)、II−166頁〜II−177、表8.42に記載の銀、銅、亜鉛を含有する化合物の中で20℃における水への溶解度が1g/100gを超える化合物を選ぶことができる。本発明ではこれらの中でも亜鉛塩が好ましく、特に硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛から選ばれる化合物が好適である。
本発明の(e)成分としては、トリクロサン、一般式(8)の化合物、ポリリジン、及び硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛から選ばれる1種以上が、アレルゲンの低減化に好ましい効果を有することから、最も好ましい。
(e)成分の含有量は、本発明に係るアレルゲン低減化剤中、5質量%以下、更に0.001〜3質量%以下、特に0.005〜2質量%が好ましい。
本発明のアレルゲン低減化剤は上記(a)成分及び所望により(c)〜(e)成分を(b)成分の水に溶解させた水溶液(分散する成分が存在していてもよい)の形態である。また、本発明のアレルゲン低減化剤の20℃におけるpHは、安全性や基剤損傷性の点から、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.5〜8.0である。pH調整剤としては、塩酸や硫酸などの無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルエタノールなどのアミン化合物などのアルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましい。なお本発明では(a)成分以外の乾燥することで固体化する物質、且つ30℃以下で固体状態である物質のうち粘着性やフィルム形成性のないものは乾燥時にアレルゲンを凝集し固化する性質を示すことから、物理的なアレルゲン除去性を向上させる目的で併用することが好ましい。アレルゲン無害化の観点において、これら固体化物質は0.01質量%未満であってもアレルゲン低減化効果を得ることができる。硬質表面や空間のアレルゲンに対しては、固体化物質は少な目とするのが良く、アレルゲン低減化剤中、1質量以下、さらには0.1質量%以下、特には0.05質量%以下に設計配合することが好ましく、従って前記pH調整剤も、この点を考慮して濃度を調整して用いられる。また、本発明に係るアレルゲン低減化剤中のJISK0067に記載の乾燥減量(大気圧下で加熱乾燥する方法、105℃/2時間)が95%以上、更に98%以上、更に99%以上、特に99.5%以上であることが好ましい。
本発明のアレルゲン低減化剤には、上記(a)成分〜(e)成分の他に、アルキルグリコシドなどの(e)成分以外の界面活性剤、クエン酸などのキレート剤、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール類などの水溶性溶剤、キサンタンガムなどの増粘剤、防カビ/防腐剤、(c)成分以外の香料、を配合することができるが、その使用はアレルゲン低減化剤の安定性や物性を考慮する一方で、アレルギー性にも十分な配慮が望まれる。(a)〜(e)成分以外の成分の合計の配合量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
本発明のアレルゲン低減化剤の1つの使用形態として、スプレーデバイスを備えた容器に該アレルゲン低減化剤を充填してなるスプレー容器入りアレルゲン低減化剤が挙げられる。また、他の使用形態として、可撓性シートに本発明のアレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シートが挙げられる。このアレルゲン低減化シートは、当該シートで対象表面をふき取り、さらに、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう、清掃方法に使用できる。これに関連して、本発明によれば、このような特定の清掃方法を行うために用いられるものである旨の表示を付した上記本発明のアレルゲン低減化剤、及び同様の表示を付した上記本発明のアレルゲン低減化剤シートが提供される。
前記スプレー容器入りアレルゲン低減化剤は、アレルゲンが舞っている空中に噴霧することでアレルゲンを無害化させる方法に用いる他、処理対象に直接噴霧して対象表面上のアレルゲンを無害化させる方法等に用いられる。
該スプレー容器から、アレルゲン低減化剤を空間に噴霧することで、浮遊するアレルゲン又はアレルゲン前駆物質に接触させる。アレルゲン物質は水溶性の化合物が多く、アレルゲン低減化剤の液滴に溶解し、(a)成分と接触する。本発明の(a)成分は上記凝集/沈降の作用に加えて、アレルゲンそのものを不活性化する効果を有するものであり、沈降後においても、アレルゲンと人体との接触を妨げ、効果的にアレルゲン及びその前駆物質を除去することが可能になる。このような方法に関連して、本発明によれば、空間に噴霧するアレルゲン低減化方法を行うために用いられるものである旨の表示を付した上記本発明のアレルゲン低減化剤が提供される。
本発明のアレルゲン低減化剤を処理対象に直接噴霧する方法は、特に床などの硬質表面に対して特に有効であり、その場合は噴霧後に、アレルゲン低減化剤が乾燥しないうちに、吸水性物品、例えば液体吸収性の布帛等の吸収体で拭き取ることで、アレルゲンを吸収体に吸着させ除去することができる。一般に、1つの吸収体を用いて何度も拭き取り処理を行うと、一度吸収体に吸着除去したアレルゲンが硬質表面に再付着し、十分なアレルゲン低減効果が得られない可能性も考えられる。しかし、本発明ではこのような問題がない。なぜなら、アレルゲンが処理面に再付着した場合でも、一旦本発明のアレルゲン低減化剤に溶解したアレルゲンは溶液内の(a)成分により無害化されているからである。従って、上記の方法は、アレルゲン低減化剤を吸収体に含浸させたものを用いてもよい。本発明のアレルゲン低減化剤は、対象表面に直接噴霧した後乾燥させ、掃除機による清掃を行っても差し支えない。この場合には、本発明の(a)成分により無害化されたアレルゲンは、さらに舞い上がりにくくなっているため掃除機で除去することが容易になる。一般にアレルゲンは非常に軽い物質であり、人が移動しただけでも容易に舞い散るが、本発明のアレルゲン低減化剤を用いた場合には、アレルゲンを無害化すると共に舞い散りを抑制できるという優れた効果を得ることができる。
スプレーデバイスとしては、エアゾールなどの噴射剤を用いた噴霧方法も可能であるが、本発明ではトリガー式噴霧器を用いることが好適である。トリガー式噴霧器としては1回のストロークで0.1g〜2.0g、好ましくは0.2〜1.5g、さらに好ましくは0.3g〜1.0g噴出するものが良好である。本発明で使用するトリガー式スプレー容器として特に好ましいものは、実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーが、噴霧の均一性の点で特に良好である。
噴霧特性としては、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、更に150〜600cm2になるトリガー式噴霧器が好ましい。また、本発明では(a)成分を空間1m3当たり好ましくは10〜4000mg、より好ましくは50〜4000mgになるように均一にスプレーすることで、より高いアレルゲン除去効果を得ることができる。
一方、アレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シートの、含浸用の可撓性シートとしては、セルロース系繊維を含有する繊維構造体、及び繊維構造体を積層したものを用いることが好ましい。繊維構造体としては不織布、織布及び編布などを挙げることができるが、本発明では特に不織布を用いることが清掃性の点から好ましい。セルロース系繊維としては、綿、麻等の天然繊維、及びビスコースレーヨン、テンセルやアセテート等のセルロース系化学繊維が挙げられ、本発明では特にレーヨンを用いることがアレルゲンなどの除去効果に優れるため最も好ましい。セルロース系繊維以外に用いることができる繊維としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維を挙げることができる。該可撓性シートは、乾燥状態において3g/m2の荷重下で、厚みが0.2〜10mm、更に0.4〜5mmが好ましい。また、自重に対して1〜4倍の質量の水を保持できる水保持性を有することが好ましい。含浸率は、可撓性シート、特に繊維構造体に対して、アレルゲン低減化剤を質量比で1.5倍〜5倍、特には2.2倍〜3.5倍含浸させることが好ましい。含浸量は繊維構造体の繊維径や坪量によって相違する。
本発明では、前記可撓性シートとなる繊維構造体中にセルロース系繊維を好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜90質量%含有する繊維構造体が好適である。
また、前記可撓性シートとなる繊維構造体は、密度(嵩密度)が、3.0gf/cm2荷重下で0.01〜1.0g/cm3であることが好ましく、0.05〜0.5g/cm3であることが更に好ましく、0.1〜0.3g/cm3であることが一層好ましい。また、坪量は5〜150g/m2であることが好ましく、10〜100g/m2であることが更に好ましく、20〜70g/m2であることが一層好ましい。
また、本発明では、可撓性シートに不織布を用いる場合には、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド(エアースルー)、エアーレイド等の乾式不織布の他にスパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ及び/又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド(エアースルー)、メルトブローン、又は、スパンレースから選ばれる1種以上が本発明の効果の点から有効である。また、繊維長は20mm以上、特に30〜100mm、とりわけ35〜65mmの繊維から構成される低交絡不織布を使用することが好ましい。
このような低交絡不織布としては、スパンレース不織布、エアースルー等のサーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、立体起毛不織布等が挙げられる。この場合、繊維長20mm以上の繊維から構成される低交絡不織布は、そのすべての構成繊維の繊維長が20mm以上であることを要せず、該不織布の原料中に及び/又は製造工程にて不可避的に混入及び/又は発生する繊維長20mm未満の繊維が含まれることは許容される。また、本発明の拭き取り材は熱エンボス加工によって、その表面に多数の凹凸を形成することも、清掃時の操作性を向上(摩擦抵抗を低減)させる点で好ましい。
本発明は、またアレルゲンの低減化において、次の清掃方法をも提案する。すなわち、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう前に、本発明のアレルゲン低減化剤を対象表面に噴霧又は塗布し、乾燥するまでに吸水性物品で拭き取ることを行う、清掃方法である。吸引による掃除や掃き掃除は、アレルゲンを舞い散らせることになり、清掃の後でアレルゲン低減化処理を行うよりも、予めアレルゲン低減化処理を行った方が、十分な効果を発揮することができる。本発明の清掃方法は、従来の拭き掃除と異なり、前記掃除に先だって硬質表面を本発明のアレルゲン低減化剤で処理することで、優れたアレルゲン除去性が得られることを見出した。なお、拭き取りに用いる吸水性物品には、前記可撓性シートの記述を参照できる。なお、本発明には、吸水性物品に本発明のアレルゲン低減化剤を含浸させたもので拭き取ることも含まれる。これに関連して、本発明によれば、このような特定の清掃方法を行うために用いられるものである旨の表示を付した上記本発明のアレルゲン低減化剤が提供される。
<実施例1>
床面積7.4m2、高さ2.3mの空間(容積17m2、温度23℃)を密閉し、実際の家庭で2年間使用された綿わた敷き布団に布団タタキを用いて10秒間の衝撃を与え、空間内で発塵させ、ダストを舞わせた。次いで表1のアレルゲン低減化剤を、床から1.7mの高さより45°斜め上方の空間にトリガー式スプレー(花王(株)製、アレルクリン清潔スプレーふとん用に付属のトリガー)を用いて17g噴霧した。
スプレーしてから30分後に、ガラス繊維フィルター(柴田科学(株)、GB-100R-110A)を装着したハイボリウムエアサンプラー(柴田科学(株)、HV-500F)を500L/minの条件で床面にて60分間運転し、フィルター上にダストを捕集した。ダストを捕集したガラス繊維フィルターをPBS(リン酸バッファー液:pH 7.4±0.1、KH2PO4、NaCl、Na2HPO4・7H2Oをそれぞれ0.144g/L、9.00g/L、0.795g/Lとなるように蒸留水に溶解したもの)にTween20(SIGMA)を0.05質量%含有した溶液(以下T-PBSと呼ぶ) 1cc以下中で十分に揉み、ダスト中のアレルゲンを抽出し、液中のアレルゲン(DerfII)濃度について下記サンドイッチELISA法を用いて発色を得た。
スプレーを噴霧しない場合の発色と、スプレーを噴霧した場合の発色を比較し、スプレーによるアレルゲンの低減効果について評価した。
スプレーを噴霧しない場合及び表1のアレルゲン低減化剤についての試験を順次行い、適宜順番を入れ替えながらこれを4回繰り返し、得られた4回分のアレルゲン低減効果を比較したところ、表1の配合例のアレルゲン低減化剤ではすべて優れたアレルゲン低減効果が得られた。配合例3〜5、配合例10〜15では特に良好な低減効果が得られた。また、全ての配合例について別に実施した水だけを噴霧した場合の試験結果に比べても優れていた。
<実施例2>
床面積7.4m2、高さ2.3mの空間(容積17m2、温度23℃)を密閉し、実際の家庭で2年間使用された綿わた敷き布団に布団タタキを用いて10秒間の衝撃を与え、空間内で発塵させ、ダストを舞わせた。
3時間後、床面を20秒/m2となる様に真空掃除機((株)日立製作所、CV-CD4、吸込仕事率530W)を用いて掃除した。その後、直ちに下記不織布作成方法で得た不織布に、表1のアレルゲン低減化剤を含浸率250%(質量比)となるように含浸させたシート状構造体Aをクイックルワイパー(花王(株))に装着し、床面を清拭した。
清拭した後に再び3時間静置し、市販の清掃用シート(花王(株)、フロアクイックルドライタイプ)にT-PBSを含浸率150%(質量比)となるように含浸した拭き上げシートBを用い、床面全面を拭き上げた。
シートBより、汚染されたPBSを絞り出し、下記サンドイッチELISA法を用いて発色を得た。
表1のアレルゲン低減化剤に代えて水をシートAに含浸して試験した場合(対照試験)の発色と表1に記した組成物をシートAに含浸した場合の発色を比較し、アレルゲンの低減効果について評価した。
対照試験及び表1のアレルゲン低減化剤についての試験を順次行い、適宜順番を入れ替えながらこれを4回繰り返し、得られた4回分のアレルゲン低減効果について比較したところ、表1の配合例のアレルゲン低減化剤ではすべて対照試験に比較して優れたアレルゲン低減効果が得られた。配合例3〜5、配合例10〜15では特に良好な低減効果が得られた。
<実施例3>
床面積7.4m2、高さ2.3mの空間(容積17m2、温度23℃)を密閉し、実際の家庭で2年間使用された綿わた敷き布団に布団タタキを用いて10秒間の衝撃を与え、空間内で発塵させ、ダストを舞わせた。
3時間後、下記不織布作成方法で得た不織布に、表1のアレルゲン低減化剤を含浸率250%(質量比)となるように含浸させたシート状構造体Aをワイパー装置(花王(株)、クイックルワイパー)に装着し、床面を清掃した。その後直ちに床面を20秒/m2となる様に真空掃除機((株)日立製作所、CV-CD4、吸込仕事率530W)を用いて吸引清掃した。
吸引清掃した後に再び3時間静置し、その後市販の清掃用シート(花王(株)、フロアクイックルドライタイプ)にT-PBSを含浸率150%(質量比)となるように含浸した拭き上げシートBを用い、床面全面を拭き上げた。
シートBより、汚染されたPBSを絞り出し、下記サンドイッチELISA法を用いて発色を得た。
表1のアレルゲン低減化剤に代えて水を含浸して試験した場合(対照試験)の発色と、表1のアレルゲン低減化剤を含浸して試験した場合の発色を比較し、アレルゲンの低減効果について評価した。
対照試験及び表1のアレルゲン低減化剤についての試験を順次行い、適宜順番を入れ替えながらこれを4回繰り返し、得られた4回分のアレルゲン低減効果を比較したところ、表1の配合例のアレルゲン低減化剤ではすべて優れたアレルゲン低減効果が得られた。配合例3〜5、配合例10〜15では特に良好な低減効果が得られた。また、その低減率は、すべての場合において対応する配合例で行った実施例2の場合よりも高いものであった。
<実施例4>
床面積7.4m2、高さ2.3mの空間(容積17m2、温度23℃)を密閉し、実際の家庭で2年間使用された綿わた敷き布団に布団タタキを用いて10秒間の衝撃を与え、空間内で発塵させ、ダストを舞わせた。
3時間後、表1のアレルゲン低減化剤を、床から0.6mの高さより45°斜め下方にトリガー式スプレー(花王(株)製、アレルクリン清潔スプレーふとん用に付属のトリガー)を用いて30g噴霧した。直ちに、下記不織布作成方法で得た不織布4枚を順次用い、クイックルワイパー(花王(株))に装着した状態で床面を清掃した。
3時間後、市販の清掃用シート(花王(株)、フロアクイックルドライタイプ)にT-PBSを含浸率150%(質量比)となるように含浸した拭き上げシートBを用い、床面全面を拭き上げた。
シートBより、汚染されたPBSを絞り出し、下記サンドイッチELISA法を用いて発色を得た。
表1のアレルゲン低減化剤に代えて水を噴霧して試験した場合(対照試験)の発色と、表1のアレルゲン低減化剤を噴霧して試験した場合の発色を比較し、アレルゲン低減効果について評価した。
対照試験及び表1のアレルゲン低減化剤についての試験を順次行い、適宜順番を入れ替えながらこれを4回繰り返し、得られた4回分のアレルゲン低減効果について比較したところ、表1の配合例のアレルゲン低減化剤では、すべてにおいて、より優れたアレルゲン低減効果が得られた。配合例3〜5、配合例10〜15では特に良好な低減効果が得られた。
<サンドイッチELISA法>
1.モノクローナル抗体15E11(生化学工業(株))をPBS(リン酸バッファー液: pH 7.4±0.1、KH2PO4、NaCl、Na2HPO4・7H2Oをそれぞれ0.144g/L、9.00g/L、0.795g/Lとなるように蒸留水に溶解したもの)で2μg/mlの濃度に希釈しマイクロプレート(住友ベークライトELISA PLATE H TYPE)の各ウェルに50μlずつ分注し、室温で2時間静置する。
2.プレートをPBSで3回洗浄する。
3.1%BSA(SIGMA)を含むPBS(大日本製薬 ブロックエース)を各ウェルに200μlずつ分注し室温で1時間静置し、ブロッキングを行う。
4.T-PBS(Tween20(SIGMA)を0.05質量%含有するPBS)で3回洗浄する。
5.スタンダードとしてrDer f II(生化学工業(株))を0.3μg/mlから9管T-PBSで2n倍希釈し、各々50μlを各ウェルに分注し、さらに陰性対照としてrDer f IIの替わりにT-PBSを50μl加えたウェルを用意する。測定する試料はT-PBSで適宜希釈してから各ウェルに50μlずつ分注する。室温で2時間静置する。
6.プレートをT-PBSで3回洗浄する。
7.至適濃度のHRP標識13A4(生化学工業(株))を各ウェルに50μl分注し室温で2時間静置する。
8.プレートをT-PBSで3回洗浄する。
9.ペルオキシダーゼ用発色キットT(住友ベークライト)を用いて発色を行う。まず発色剤10mLに基質液を0.1mL加えて混和して発色液とする。この発色液を各ウェルに100μlずつ分注し室温で発色させる。本法によれば、黄色の発色が強いほど液中のアレルゲンが高濃度であったことを意味する。
<不織布作製方法>
芯がポリプロピレンからなり、鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造で、立体クリンプ形状をもつ低融点繊維(2.8dtex × 51mm、鞘成分の融点130℃)を用いて坪量27g/m2のエアースルー不織布を作製した。繊維同士を温度140℃で熱接着させた。このエアースルー不織布の破断強度は、流れ方向(MD)が1660cN/25mm、幅方向(CD)が220cN/25mmであった。
一方、レーヨン繊維(1.7dtex × 40mm)とアクリル繊維(0.9dtex × 51mm)と、芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘繊維(1.0dtex × 38mm)とを、重量比50/25/25の比率で混合し、常法のカード機で作製した坪量19g/m2の繊維ウェブを、前記エアースルー不織布の上下に積層した。次いで低エネルギー条件でウォーターニードリング処理を施し、エアースルー不織布と繊維ウェブとを交絡させて繊維自由度の高い表面層を有する坪量65g/m2の複合スパンレース不織布を調製した。超音波エンボス機を用い、調製した不織布の全面にダイヤ柄の凹凸模様からなるエンボス加工を施して前記実施例で用いた不織布を得た。
Figure 0004522814
<実施例5>
表2に示す化合物0.01質量%、エタノール(SIGMA、特級)15質量%及び残部の水からなる試料溶液を調製した。これら試料溶液を用いて、下記QAS法によりそれぞれの調製液についてダニアレルゲン活性残存率Rを評価した結果を表2に示す。
<QAS法によるダニアレルゲン活性残存率の評価>
1.抗原特異IgE抗体検出用試薬 クイーデルアレルギースクリーン QAS-IV(富士レビオ(株))のアレルゲンスティック上に試料溶液を100μl含浸させ、湿潤箱中、室温で2時間静置する。
2.生理食塩水(大塚製薬(株))でアレルゲンスティックを30秒間洗浄する。その後ダニアレルゲンに対してアレルギーを有する患者の血液由来血清を50μl含浸させ、湿潤箱中、室温で18時間静置することにより、血液中の抗原特異IgE抗体と抗原とを反応させる。
3.アレルゲンスティックを生理食塩水で20秒間洗浄した後、酵素標識抗体溶液(QASキット付属、アルカリフォスファターゼ標識抗IgE抗体(マウス)0.0075mg/mLを含む)を満たした試験管に、アレルゲンスティックを室温にて30分間浸し、抗原-抗原特異IgE抗体-酵素標識抗体複合体を形成する。
4.アレルゲンスティックを水道水で2分間洗浄した後、基質液(QASキット付属、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルフォスフェイト 2.16mg/mLを含む)で満たした試験管にアレルゲンスティックを室温にて1時間浸して発色させる。
5.アレルゲンススティックをイメージスキャナ(シャープ JX350)でスキャニングし、取り込んだ画像のコナヒョウヒダニ部とヤケヒョウヒダニ部の発色をLane&Spot Analyzer(アトー(株))で定量化する。定量値は色が濃いほど大きな値を取るものとする。
陰性対照スティックとして、15質量%エタノール水溶液を含浸させたアレルゲンスティックについて同様の操作を行う。陰性対照スティックのコナヒョウヒダニ部の発色をRt、陰性コントロール部の発色をRrとし、試料溶液を含浸させたスティックのコナヒョウヒダニ部の発色をDt、陰性コントロール部の発色をDrとし、(Dt-Dr)/(Rt-Rr)×100をコナヒョウヒダニアレルゲンに対するダニアレルゲン活性残存率Rf(%)とする。同様にヤケヒョウヒダニ部についても同じ演算によりヤケヒョウヒダニに対するダニアレルゲン活性残存率Rp(%)を求める。RfとRpの平均を以て、ダニアレルゲン活性残存率R(%)とする。
Figure 0004522814
表1、2中の化合物A1、A2、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、Mは、以下の合成例により得られたものである。また、アキュリン22は、ISP社の高分子化合物アクリル酸・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ステアリルエーテル共重合体である。表1中、pHはpH調整剤として硫酸とアミノメチルプロパノールを用いて調整した。
また、表2の試料溶液に関して、化合物Kを溶解する場合にはpH調整剤として酢酸を使用し、最終的なpHは5.5であった。また、アキュリン22を溶解する場合にはpH調整剤として水酸化ナトリウムを使用し、最終的なpHは8.0であった。これ以外の化合物については、pH調整剤を使用せず、それぞれの溶液のpHは7〜8の範囲であった。これらのpHは20℃でのものである。
<合成例1(化合物A1)>
重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基の置換度が1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP100MH、ユニオンカーバイド社製)80g、80%イソプロピルアルコール(IPA)水溶液640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.34gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表されるポリオキシアルキレン化合物12.78gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物をイソプロピルアルコール500gで2回洗浄し、減圧下60℃で1昼夜乾燥し、化合物A1を72g得た。ポリオキシアルキレン基の置換度は0.004であった。
<合成例2(化合物A2)>
合成例1及びWO00/73351号公報記載の方法に準じ、重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度が2.5のヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス社製)を用い、次式
Figure 0004522814
で表されるポリオキシアルキレン化合物を加え、ポリオキシアルキレン基の置換度は0.014である化合物A2を得た。
<合成例3(化合物B)>
平均重合度2000のポリビニルアルコール20g、ジメチルスルホキシド(DMSO) 200g、粒状NaOH 1.81gを混合し70℃で撹拌した。溶液が均一になった後、冷却した。室温にて次式
Figure 0004522814
で表される化合物1.87gを添加し、80℃で8時間熟成した。冷却後、酢酸2.59mLを添加し、中和した。反応終了物をIPA中に添加した。析出した白色固体を濾過し、得られた固体をIPAで洗浄(300mL×3)した。減圧乾燥の後、下記の構成単位を含む化合物Bを19.0g得た。
Figure 0004522814
得られた化合物Bのポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.0033であった。
<合成例4(化合物C)>
Figure 0004522814
上記スキームのモノマーA 97.1g、モノマーB 20.7g、エタノール180gを混合した。この溶液中に窒素ガスを吹き込み(20mL/min、1時間)、系内を脱気した後、60℃に昇温した。その後V-65(アゾ系重合開始剤、和光純薬工業株式会社)のエタノール溶液(3質量%) 82.8gを温度60℃に保ちながら滴下した。滴下終了後60℃で12時間熟成を行った。反応終了後、得られた反応終了物をジイソプロピルエーテル2kg中に滴下した。得られた白色固体を濾別し、更にジイソプロピルエーテルで洗浄した(500g×2回)。減圧乾燥の後、化合物Cを105g得た。得られた化合物CのモノマーBの導入率をNMRより測定した結果0.025であった。また重量平均分子量は51000であった。
<合成例5(化合物D)>
Figure 0004522814
上記スキームのモノマーC 501.8g、モノマーB 20.7g及びエタノール780gを混合した。この溶液中に窒素ガスを吹き込み(40mL/min、1時間)、系内を脱気した後、60℃に昇温した。その後V-65エタノール溶液(3質量%) 82.8gを温度60℃に保ちながら滴下した。滴下終了後60℃で12時間熟成を行った。反応終了後、得られた反応終了物をジイソプロピルエーテル5kg中に滴下した。得られた白色固体を濾別し、更にジイソプロピルエーテルで洗浄した(500g×2回)。減圧乾燥の後、化合物Dを490g得た。得られた化合物DのモノマーBの導入率をNMRより測定した結果0.022であった。また重量平均分子量は110000であった。
<合成例6(化合物E)>
重量平均分子量5400のポリグリシドール3g、DMSO 100g、粒状NaOH 0.16gを混合し、70℃で撹拌した。溶液が均一になった後、冷却した。室温にて次式
Figure 0004522814
で表される化合物0.765gを添加し、80℃で8時間熟成した。冷却後、酢酸0.23mLを添加し中和した。DMSOを留去し、得られた淡黄色粘稠固体をIPAで洗浄(30mL×3)した。減圧乾燥の後、下記の構成単位を有する化合物Eを2.9g得た。
Figure 0004522814
得られた化合物Eのポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.0053であった。
<合成例7(化合物F)>
重量平均分子量約20万のヒドロキシエチルセルロース(Natrozol 250G ハーキュレス(社)製)50g、イソプロピルアルコール225g、イオン交換水40gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(F’)5.59g、48%NaOH水溶液3.06gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。反応終了物を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物F)48gを得た。得られた多糖誘導体のコレステリル基置換度は0.0033であった。
<合成例8(化合物G)>
重量平均分子量約10万のヒドロキシエチルセルロース(Natrozol 250LR ハーキュレス(社)製)50g、イソプロピルアルコール225g、イオン交換水25gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(G’)8.08g、48%NaOH水溶液3.06gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で9時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。反応終了物を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物G)45gを得た。得られた多糖誘導体のオクチルドデシル基置換度は0.0071であった。
<合成例9(化合物H)>
重量平均分子量約20万のヒドロキシエチルセルロース(Natrozol 250G ハーキュレス(社)製)50g、イソプロピルアルコール225g、イオン交換水40gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(H’)7.89g、48%NaOH水溶液3.06gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。反応終了物を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物H)47gを得た。得られた多糖誘導体のイソステアリル基置換度は0.0086であった。
<合成例10(化合物I)>
重量平均分子量約20万のヒドロキシエチルセルロース(Natrozol 250G ハーキュレス(社)製)40g、イソプロピルアルコール180g、イオン交換水32gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(I’)4.52g、48%NaOH水溶液2.45gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。反応終了物を濾過し、得られた固体をイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物I)38gを得た。得られた多糖誘導体のオレイル基置換度は0.0081であった。
<合成例11(化合物J)>
イヌリン(フジFF フジ日本精糖(株)製)50g、イソプロピルアルコール60g、イオン交換水140gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(J’)40.8g、48%NaOH水溶液5.14gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。得られた反応終了物をアセトン2000g中に徐々に添加した。析出した固体を濾過し、得られた固体をさらにアセトン400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物J)51gを得た。得られた多糖誘導体のラウリル基置換度は0.0266であった。
<合成例12(化合物K)>
キトサン10(和光純薬工業(株)製)30g、イソプロピルアルコール45g、イオン交換水105gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(K’)11.84gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。得られた反応終了物を濾過し、得られた固体をさらにイソプロピルアルコール300gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物K)31gを得た。得られた多糖誘導体のラウリル基置換度は0.013であった。
<合成例13(化合物L)>
クラスターデキストリン(日本食品加工(株)製)40g、イソプロピルアルコール72g、イオン交換水168gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(L’)6.53g、48%NaOH水溶液4.11gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。得られた反応終了物をアセトン2000g中に徐々に添加した。析出した固体を濾過し、得られた固体をさらにイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物L)39gを得た。得られた多糖誘導体のラウリル基置換度は0.0024であった。
<合成例14(化合物M)>
重量平均分子量約5万のグアーガム(MEYPRO-GUM 三晶(株)製)40g、イソプロピルアルコール40g、イオン交換水160gを混合し、窒素気流下1時間室温にて攪拌を行った。この溶液に次式
Figure 0004522814
で表される化合物(M’)19.73g、48%NaOH水溶液3.72gを添加した後、80℃に昇温した。その後80℃で8時間熟成を行った。熟成終了後室温まで冷却し、酢酸で中和を行った。得られた反応終了物を濾過し、得られた固体をさらにイソプロピルアルコール400gで2回洗浄を行った。得られた反応生成物を減圧下1昼夜乾燥し、多糖誘導体(化合物M)32gを得た。得られた多糖誘導体のラウリル基置換度は0.0038であった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(2)のモノマー単位(a1)及び下記一般式(3)のモノマー単位(a2)を含有し、(a1)/(a2)がモル比で1/1500〜30/100であり、(a1)と(a2)の合計の比率が分子中に50〜100モル%である水溶性高分子化合物、並びに水を含有するアレルゲン低減化剤。
    Figure 0004522814

    〔式中;R 2a は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R 2b は水素原子、又は−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R 2c は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、R 2d はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 2e は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 2f はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基である。Bは−O−、−COO−、−OCO−、−CONR 2g −(R 2g は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基)から選ばれる基であり、Eは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、であり、qは0〜50(平均付加モル数)であり、q個の(OR 2e )は同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0004522814

    〔式中;R 3a は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R 3b は水素原子、又は−COOM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R 3c は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、Gは−COOM、−OH、−T−(R 3d O) c −H、−CON(R 3e )(R 3f )、−COO−R 3g −N + (R 3h )(R 3i )(R 3j )・X - 、−COO−R 3g −N(R 3h )(R 3i )、−CON(R 3e )−R 3g −N + (R 3h )(R 3i )(R 3j )・X - 、−CON(R 3e )−R 3g −N(R 3h )(R 3i )、又は環内にアミノ基若しくはアミド基を少なくとも1つ有する5若しくは6員環構造の複素環基である。ここで、Mは水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子、Tは−O−、−COO−から選ばれる基であり、R 3d は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 3e 、R 3f 、R 3h 、R 3i 、R 3j は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R 3g は、炭素数1〜5のアルキレン基である。X - は有機又は無機の陰イオン基を示す。cは1〜50(平均付加モル数)であり、c個の(R 3d O)は同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 下記一般式(4)の構成単位及び/又は下記一般式(5)の構成単位(a3)、並びに一般式(6)の構成単位及び/又は下記一般式(7)の構成単位(a4)を含有し、(a4)/(a3)がモル比で1/1500〜30/100であり、(a3)と(a4)の合計の比率が分子中に50〜100モル%である水溶性高分子化合物、並びに水を含有するアレルゲン低減化剤。
    Figure 0004522814

    〔式中;J、Mは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、R 6a 、R 7a は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 6b 、R 7b は炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 6c 、R 7c はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数4〜30の炭化水素基である。L、Qは−O−、−OCO−、−COO−から選ばれる基であり、r、sは0〜50(平均付加モル数)であり、r個の(OR 6b )、s個の(OR 7b )は同一でも異なっていてもよい。〕
  3. スプレーデバイスを備えた容器に請求項1又は2記載のアレルゲン低減化剤を充填してなる、スプレー容器入りアレルゲン低減化剤。
  4. 可撓性シートに請求項1又は2記載のアレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シート。
  5. 請求項1又は2記載のアレルゲン低減化剤を空間に噴霧する、アレルゲン低減化方法。
  6. 請求項1又は2記載のアレルゲン低減化剤を対象表面に噴霧又は塗布し、乾燥するまでに吸水性物品で拭き取るアレルゲン低減化方法。
  7. 請求項の方法を行なった後、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう、清掃方法。
  8. 可撓性シートに請求項1又は2記載のアレルゲン低減化剤を含浸してなるアレルゲン低減化シートで対象表面をふき取り、さらに、吸引による掃除又は掃き掃除を行なう、清掃方法。
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