JP4522026B2 - 昇降ステップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、段床等に設置される昇降ステップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動観覧席等の通路部には、段床間の高低差を緩和すべく、各段床の中間に補助的なステップを設けたものが少なくない。しかして、収納上あるいは外観上の都合から、ステップを各段床の通路と略面一になるよう下降させ、使用時には上昇させてステップを使用可能にするための装置が種々開発されている。例えば、各段床上に起倒可能に配設された座席を一斉に起倒させる駆動軸を備えた移動観覧席に適用されるもので、この駆動軸の回転を利用し、座席の起立に従ってステップを上昇させ、座席の倒伏に従ってステップを下降させるものが知られている。このような昇降ステップ装置には、Xリンク機構が使用されていて、このXリンク機構でステップを下から支持するようにしてある。このXリンク機構を構成するリンクメンバの一端は、段床及びステップにそれぞれブラケットを固設しておき、このブラケットに設けた長孔にピンを通して前記リンクメンバの一端と連結する構造を用いて長孔の長さの範囲内でスライド可能にしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、Xリンク機構自体が、2つのリンクメンバを互いに回転可能に連結したものであり、また段床及びステップとピンなどを介して回転可能に連結してあることから、その内部機構には必然的にがたつきが存在する。特に、長孔にピンを通す構造では、長孔内をピンがスムーズに運動できるようにするため、ピンの上又は下に隙間ができるようにしなければならず、この点からもがたつきが発生してしまうことが避けられない。
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべく、上昇位置においてステップを上側から押圧し、Xリンク機構を上から押さえてがたつきを解消する手段を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に係る昇降ステップ装置は、歩行面を有するステップ本体と、段床に設けた支持部に設置されて前記ステップ本体を昇降可能に支持するXリンク機構と、前記ステップ本体を昇降させるための動力を提供する駆動軸と、前記駆動軸から提供された動力を前記Xリンク機構に伝える動作変換機構と、段床に設けたステップ固定部を具備してなり、前記Xリンク機構の動作に伴って上昇する際に、ステップ本体に設けた上向き当たり面を前記ステップ固定部に設けた下向き当たり面に当てて上昇を止めるようにし、ステップ本体の上昇幅をXリンク機構自体の最大上昇幅よりもがたつきの上下幅分だけ小さくしてがたつきを吸収すべく前記下向き当たり面のステップ固定部内での上下位置又は前記上向き当たり面のステップ本体内における上下位置を変え得るようにしているものであって、前記ステップ固定部が、上下に貫通する貫通孔を有し水平方向に延出する板体と、ネジ孔を前記貫通孔に重合させた状態で板体の下面に固定したナットとを有するとともに、前記下向き当たり面が、前記ステップ固定部のナットに螺合させた調整用雄ねじ部材の下面によって構成したものであり、前記調整用雄ねじ部材を螺進退させることにより前記ステップ本体の上昇幅を調整可能にし、前記ステップ固定部の板体の上部で該板体の下面に固定したナットとは別のナットと調整用雄ねじ部材とを螺合させてこれら2つのナットで前記板体を挟み込むことを特徴とする。
【0006】
このように構成することにより、最も上昇した位置においてステップ本体は下からXリンク機構で支持されるだけでなく、前記下向き当たり面によって上から押さえつけられているので、ステップ本体が上下から挟み込まれていることになり、また、Xリンク機構はステップ本体を介して上から押さえられているようになるのでがたつきを解消することが可能になる。なお、ここで「段床」とは、段床面を形成する構造体を意味する。
【0007】
また、ステップ本体の上昇幅をXリンク機構自体の最大上昇幅よりもがたつきの上下幅分だけ小さくしてがたつきを吸収すべく前記下向き当たり面のステップ固定部内での上下位置又は前記上向き当たり面のステップ本体内における上下位置を変え得るようにしているので、ステップの上下位置の微調整を行うこともできる。
【0008】
また、前記下向き当たり面が、前記ステップ固定部のナットに螺合させた調整用雄ねじ部材の下面によって構成したものであり、前記調整用雄ねじ部材を螺進退させることにより前記ステップ本体の上昇幅を調整可能にしているので、ステップ昇降装置の調整作業が容易にできる。
【0009】
製造工程や組み立て工程を簡略化するためには、前記Xリンク機構が、中央部で互いに回転可能に連結された駆動側リンクメンバと従動側リンクメンバとを備えてなり、前記駆動側リンクメンバの一端をステップ本体に、前記従動側リンクメンバの一端を段床に回転可能に連結し、それぞれのリンクメンバの他端に転動輪を設けてなるものにすればよい。
【0010】
部品点数を可及的に少なくしてステップに上から力を加えてもステップが下に沈まないようにするには、前記動作変換機構が、前記駆動軸の回転に伴って回転する出力ギアと、一端を前記出力ギアに設けた出力点に回転可能に連結するとともに他端を前記駆動側リンクメンバに設けた入力点に回転可能に連結した連結リンクとを備えてなるようにし、前記ステップ本体に設けた上向き当たり面を前記ステップ固定部に設けた下向き当たり面に当てて上昇を止めた際に、前記出力ギアに設けた出力点が、略前記駆動側リンクメンバの入力点と前記出力ギアの中心とを結ぶ直線上に位置するようにすればよい。
【0011】
そして、移動観覧席における椅子の起立転倒とステップの昇降を同時に行うことができるようにするには、前記駆動軸が、移動観覧席に用いられる椅子の起立転倒装置に用いられる駆動軸と共通のものであるようにすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して示す。
【0013】
本実施形態に係る昇降ステップ装置Sは、複数の段床1を設けてなる移動観覧席Kに取り付けられるものである。前記移動観覧席Kの概略斜視図を図1及び図2に示す。
【0014】
移動観覧席Kは、前記複数の段床1の他に、各段床1上に起倒可能に設けられた座席2と、これら座席2を起倒させるための動力を提供する駆動軸3と、各段床1上の相互に対応する部位に設けられた昇降用の通路部4とを備え、各段床1が積み重なった状態である収納位置(図示しない)と、各段床が雛壇状となる展開位置とに収納、展開が可能なものである。なお、図1及び図2は展開位置を示している。
【0015】
詳述すると、段床1は、その前半部分に床板11を有し、後半部分に座席ユニット12を備えている。座席ユニット12は、ユニットフレーム13に、支柱14を起倒可能に保持しておき、その支柱14に座席2を支持させてなるもので、図1に示すように支柱14を起立させた際には座席2が使用可能となり、図2に示すように支柱14を前方に回転させた場合には座席2が扁平に折り畳まれつつ倒れ込むようになっている。各支柱14の起倒動作はユニットフレーム13内に挿通させた駆動軸3の正逆回転動作によって一斉に行えるように構成している。この駆動軸3は段床1の一端から他端に亘って挿通させてあり、段床1の端部に設けた図示しないモータなどの駆動源により、例えば90度の角度範囲内で正逆回転動作を行うようにしている。通路部4は各段床1の所定箇所に設けたもので、段床1の前端に固設したフロントパネル15の上縁と略面一な歩行面4aを有する。
【0016】
このようにしてなる移動観覧席Kにおいて、本実施形態に係る昇降ステップ装置Sは、通路部4の終端部に配置したもので、ステップ本体5と、このステップ本体5を支持するXリンク機構6と、前記ステップ本体5を昇降させるための動力を提供する駆動軸3と、前記駆動軸3から提供された動力を前記Xリンク機構6に伝える動作変換機構7と、前記段床1から垂直に起立させて設けたステップ固定部9とを設けてなるものである。ステップ本体5が最大限上昇させた位置である最大上昇位置にある状態における横断端面図を図3〜図5に、縦断面図を図6に、また、ステップ本体5が最大限下降させた位置である最大下降位置にある状態における縦断面図を図7にそれぞれ示す。
【0017】
詳述すると、ステップ本体5は、その上面を歩行面5aとした下方に開口する中空箱状のものであり、その上板裏面にXリンク機構6の作用を受けるための支持フレーム51を取り付けてなる。また、図3に示すように、ステップ本体5の下端部の左右には、上向き当たり面52aを有する鍔状の突出体52を水平方向に延出してある。
【0018】
Xリンク機構6は、ピン60を介して中央部で互いに回転可能に連結した駆動側リンクメンバ61と従動側リンクメンバ62とを備えてなるものであり、段床1に設けた支持部たる昇降ベース8に支持されている。なお、この昇降ベース8は、床板11から垂直に起立させて設けた一対の起立板81と、これら起立板81間に設けたチャネル状のベース本体82とからなるものである。この昇降ベース8の平面図を図8に示す。このXリンク機構6は、左右に一対設けられてステップ本体5の左右側端部をそれぞれ下から支持するものであり、各リンクメンバは、前後方向、すなわち駆動軸3と直角になり、かつ従動側リンクメンバ62が駆動側リンクメンバ61の内側になるように配置されている。
【0019】
駆動側リンクメンバ61は、下方に開口するチャネル状部材を利用したもので、その上前端部を、左右に延びるピン610を介して前記昇降フレーム51の下面にボルトなどによって固接した上ブラケット63に回転可能に結合させてある。一方、従動側リンクメンバ62は、上方に開口するチャネル状部材を利用したもので、その下前端部を、左右に延びるピン620を介して前記ベース本体82の上面にボルトなどによって固接した下ブラケット64に、回転可能に結合させてある。
【0020】
さらに、駆動側リンクメンバ61の下後端部には、転動輪たるベアリング611を回転可能に取り付けてあり、この転動輪611を前記昇降フレーム51の下面にボルトなどによって固接した水平板状をなす上ガイドレール65の下面に前後方向に転動可能に当てている。この転動輪611の側面視中心点が駆動軸3の動力を受け取る入力点Y3である。また、従動側リンクメンバ62の上後端部には、転動輪たるベアリング621を回転可能に取り付けてあり、この転動輪621を前記ベース本体82の上面にボルトなどによって固接した水平板状をなす下ガイドレール66の上面に前後方向に転動可能に当てている。前記上ガイドレール65、及び下ガイドレール66の厚さは、その上下位置をステップ本体5が最大上昇位置にあるときステップ本体5と転動輪611、621が隙間なく接合し、かつ歩行面5aが水平になるようにしてある。
【0021】
さらに本実施形態では、左右の従動側リンクメンバ62相互間をリンクメンバ固定板67で連結し、これら左右のXリンク機構6の左右のぶれを防ぎ、またこれらが同期して動くように構成している。なお、本実施形態では従動側リンクメンバ62を内側に配置したので従動側リンクメンバ62相互間を連結したが、駆動側リンクメンバ61を内側に配置した実施態様では、駆動側リンクメンバ61相互間を連結してもよい。
【0022】
駆動軸3は、前記ステップ本体5を昇降させるための動力を提供するものであり、前記移動観覧席Kにおいて座席2を起倒させるための動力を提供するために用いられた駆動軸3を共用している。
【0023】
動作変換機構7は、前記駆動軸3から提供された動力を前記Xリンク機構6に伝えるものであり、前記駆動軸3の回転を減速して出力ギア71に伝えるための中間ギア73と、前記中間ギア73に接続され、駆動軸3の回転に伴って回転する出力ギア71と、一端部を前記出力ギア71に設けた出力点Y2に、他端部を前記駆動側リンクメンバ61に設けた入力点Y3をその中心とする転動輪611にそれぞれ回転可能に連結され、出力ギア71の回転に伴い前後に運動する連結リンク72とからなる。
【0024】
詳述すると、中間ギア73は、大小2つの歯車731、732と、前記歯車731、732を共通に支持し、起立板81間に横架させた軸733とからなり、大歯車731を駆動軸3に設けた歯車31、小歯車732を出力ギア71にそれぞれ噛み合わせてある。なお、この大小2つの歯車731、732は、一体をなしている。出力ギア71は、前記起立板81間に横架させた軸711に支持させたもので、その回転中心Y1から偏位した位置に設定した出力点Y2において、ピン710を介して連結リンク72の一端部と回転可能に連結してある。連結リンク72は、一対の平面視略長方形の板で構成してなるものでその一端部は前記したようにピン710を介して出力ギア71と接続してあり、他端部は前記転動輪611の軸と回転可能に連結してある。なお、前記中間ギア73の軸733及び出力ギア71の軸711は、その両端を前記起立板81に固定してある。
【0025】
ステップ固定部9は、床板11から垂直に起立させたものであり、ステップ本体5の左右に一対を設けてある。このものは、駆動軸3に直角な板状をなすもので、その上端部からステップ本体5側に向かって、上面が通路部4の歩行面4aと面一をなす板体91が水平方向に延出してある。この板体91には、上下に貫通する図示しない貫通孔が設けられており、ナットN1がそのネジ孔を前記貫通孔と重合させた状態で溶接などにより下面に固定してある。前記ナットN1には、雄ねじ部材B1を上からねじこんであり、前記雄ねじ部材B1の下面が下向き当たり面B1aとなるようにしてある。この下向き当たり面B1aの上下位置は、前記雄ねじ部材B1を螺進退させることによりステップ本体5が最大上昇位置に達したとき前記上向き当たり面52aに隙間なく接合し、また、ステップ本体5の上昇幅をXリンク機構6自体の最大上昇幅よりもがたつきの上下幅分だけ小さくしてがたつきを吸収するように調節してある。なお、本実施形態では、板体91の上部で前記ナットN1とは別のナットN2と雄ねじ部材B1とを螺合させて板体91を挟み込むようにしてある。
【0026】
このように構成した本実施形態に係る昇降ステップ装置Sの作用について述べると、図7に示すように座席2が倒伏しているときには、出力ギア71に設けた出力点Y2は、出力ギア71の中心Y1と前記転動輪611の中心である入力点Y3とを結ぶ直線の上側に位置し、転動輪611、621は最後方に位置する。従って、Xリンク機構6は最も縮んだ状態となるので、ステップ本体5は、最大下降位置にある。なお、この状態では、ステップ本体5の歩行面5aと前記通路部4の歩行面4aとは面一をなす。この状態から、駆動軸3を同図中A方向に回転させて座席2を起立させようとすると、それに応じて出力ギア71もA方向に回転し、出力点Y2が前方に向かって回転移動する。これに伴い、連結リンク72が前方に向かって移動することになるので、転動輪611、621も前方に移動し、Xリンク機構6の各リンクメンバ61、62が起立してステップ本体5が上昇する。
【0027】
しかして、前記Xリンク機構6の動作に伴って上昇する際に、ステップ本体5に設けた上向き当たり面52aが前記ステップ固定部41に設けた下向き当たり面B1aに当たって上昇が止まり、最大上昇位置に達して図3及び図6に示すような状態になる。この時、前記出力ギア71に設けた出力点Y2は、略前記駆動側リンクメンバ61に設けた転動輪611の中心である入力点Y3と前記出力ギア71の中心Y1とを結ぶ直線上にあることになる。そして、その結果歩行面5aから力が加わっても出力ギア71の回転力に転換されず、ステップ本体5は沈み込まない。なお、ステップ本体5が最大上昇位置に達した際には、連結リンク72の下面を、昇降ベース8に設けた上向き面、具体的には下ガイドレール66の上面に当てて、これ以上連結リンク72が動かないようにしている。
【0028】
次に、再び座席2を倒伏させるべく、駆動軸3を図6のB方向に回転させると、前述と逆の動作で、ステップ本体5は図7に示すような最も下降した位置まで下降し、図7に示す状態に戻る。
【0029】
以上、本実施形態に係る昇降ステップ装置Sによれば、ステップ本体5に設けた上向き当たり面52aを前記ステップ固定部9に設けた下向き当たり面B1aに当てて上昇を止めるようにしてあるので、その最大上昇位置において、ステップ本体5は下方からXリンク機構6、上方から下向き当たり面B1aにより挟み込まれるように支持されることとなる。一方、Xリンク機構6に着目すれば、この最大上昇位置において、Xリンク機構6は前記ステップ本体5を介して上から押さえつけられ、Xリンク機構6自体がその構造上有するがたつきが前記上からの圧力により吸収されるので、歩行面5aの上方から力を加えられた際のがたつきやそれに伴う異音が全く生じず、安定感のある歩行面5aを提供することができる。
【0030】
また、前記ステップ本体5を昇降させるための動力を提供する駆動軸3を移動観覧席Kに用いられる前記座席2を起倒させるための椅子の起立転倒装置に用いられる駆動軸3と共通にしてあるので、部品点数の増加を伴うことなく椅子2の起倒とステップ本体5の昇降を同時に行うことができる。
【0031】
さらに、前記Xリンク機構6を構成する駆動側リンクメンバ61と従動側リンクメンバ62とに設けた転動輪611、621をステップ本体5及び前記昇降ベース8にそれぞれ設けたガイドレール65、66に単に当てるだけでよいようにしてあるので、従来の長孔にピンを通す構造と異なり、ピンを通してピンの抜け止めを施す工程が省略できる。さらにこのような構成から、工場で組み立てられる部分が増大し、ユニット化が可能になるので、現場での組み立て工程を大幅に簡略化できる。
【0032】
加えて、下向き当たり面B1aの上下位置を調整できるようにしてあるので、前記Xリンク機構6をより効果的に押さえるようにできる。
【0033】
特に、前記下向き当たり面B1aの上下位置の調整を前記雄ねじ部材B1を上から螺進退させることにより行うようにしてあるので、ステップ昇降装置Sの調整作業が容易にできる。
【0034】
そして、前記最大上昇位置において、前記出力ギア71に設けた出力点Y2が、略前記駆動側リンクメンバ61に設けた転動輪611の中心である入力点Y3と前記出力ギアの中心Y1とを結ぶ直線上にあるようにしてあるので、歩行面5aから転動輪611が後退するように力が加えられても前記出力点Y2には前記出力ギア71の中心方向にしか力が加わらない。従って、前記出力ギア71は回転せず、転動輪611は後退しないので、ステップ本体5が下方に沈みこむことを防ぐことができる。
【0035】
なお、本発明に係る昇降ステップ装置は以上に説明した実施形態に限られない。例えば、転動輪611、621はベアリングである必要はなく、一般のコロ等を使用してもよい。また、転動輪611、621に代えて従来の長孔にピンを通す構造を採用してもよい。
【0036】
さらに、前記ステップ本体5に設けた突出体52に雌ネジ穴を設けて調整用雄ねじ部材B1を進退可能に螺合させるなどして上向き当たり面52aの上下位置を調整可能にしてもよく、また下向き当たり面B1a又は上向き当たり面52aの上下位置の調整機能を省略してしまってもよい。
【0037】
加えて、動作変換機構7から中間ギア73を省略してもよく、出力点Y2も出力ギア71に設ける代わりに出力ギア71の軸711から回転アーム等を延出させてその先端に設定してもよい。さらに、ステップ5が最大に上昇した状態で連結リンク72の下面がベース本体82の上面に接するようにするならば、出力点Y2が正確に前記転動輪611の中心である入力点Y3と前記出力ギアの中心Y1とを結ぶ直線上にある必要はなく、その下側にあってもよい。
【0038】
昇降ステップ装置Sを移動観覧席Kに設置し、その駆動軸3を移動観覧席Kに用いられる椅子2の起立転倒装置に用いられる駆動軸3と共通のものにして使用する以外にも、前記昇降ステップ装置Sを移動観覧席K以外に設置して専用の駆動軸を用いてステップ本体5の昇降のみ行うようにしてもよいし、または椅子2の起立転倒以外の操作に用いられる駆動軸と共用してその操作と同時にステップ本体5の昇降を行うようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、ステップ面を形成するステップ本体と、段床に設けた支持部に設置されて前記ステップ本体を昇降可能に支持するXリンク機構と、前記ステップ本体を昇降させるための動力を提供する駆動軸と、前記駆動軸から提供された動力を前記Xリンク機構に伝える動作変換機構と、段床に設けたステップ固定部を具備してなるものにし、前記Xリンク機構の動作に伴って上昇する際に、ステップ本体に設けた上向き当たり面を前記ステップ固定部に設けた下向き当たり面に当てて上昇を止めるようにしたので、Xリンク機構そのものの構造からくるがたつきを解消でき、安定感のある歩行面を提供できる。また、ステップ本体の上昇幅をXリンク機構自体の最大上昇幅よりもがたつきの上下幅分だけ小さくしてがたつきを吸収すべく前記下向き当たり面のステップ固定部内での上下位置又は前記上向き当たり面のステップ本体内における上下位置を変え得るようにしているので、ステップの上下位置の微調整を行うこともできる。そして、前記下向き当たり面が、前記ステップ固定部のナットに螺合させた調整用雄ねじ部材の下面によって構成したものであり、前記調整用雄ねじ部材を螺進退させることにより前記ステップ本体の上昇幅を調整可能にしているので、ステップ昇降装置の調整作業が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【図2】同実施形態に置いて、ステップ本体が下降したときを示す概略図。
【図3】同実施形態に係る昇降ステップ装置の横断端面図。
【図4】同実施形態に係る昇降ステップ装置の主動側リンクメンバの上端部付近の横断端面図。
【図5】同実施形態に係る昇降ステップ装置の従動側リンクメンバの上端部付近の横断端面図。
【図6】同実施形態に係る昇降ステップ装置の起立状態における縦断面図。
【図7】同実施形態に係る昇降ステップ装置の倒伏状態における縦断面図。
【図8】同実施形態に係る昇降ステップ装置を構成する昇降ベースの平面図。
【符号の説明】
S…昇降ステップ装置
1…段床
5…ステップ本体
52a…上向き当たり面
6…Xリンク機構
61…駆動側リンクメンバ
62…従動側リンクメンバ
611,621…転動輪
65…上ガイドレール
66…下ガイドレール
7…動作変換機構
71…出力ギア
72…連結リンク
8…昇降ベース(支持部)
9…ステップ固定部
Y1…出力ギアの中心
Y2…出力点
Y3…入力点
B1…調整用雄ねじ部材
B1a…下向き当たり面
K…移動観覧席
Claims (4)
- 歩行面を有するステップ本体と、段床に設けた支持部に設置されて前記ステップ本体を昇降可能に支持するXリンク機構と、前記ステップ本体を昇降させるための動力を提供する駆動軸と、前記駆動軸から提供された動力を前記Xリンク機構に伝える動作変換機構と、段床に設けたステップ固定部を具備してなり、
前記Xリンク機構の動作に伴って上昇する際に、ステップ本体に設けた上向き当たり面を前記ステップ固定部に設けた下向き当たり面に当てて上昇を止めるようにし、
ステップ本体の上昇幅をXリンク機構自体の最大上昇幅よりもがたつきの上下幅分だけ小さくしてがたつきを吸収すべく前記下向き当たり面のステップ固定部内での上下位置又は前記上向き当たり面のステップ本体内における上下位置を変え得るようにしているものであって、
前記ステップ固定部が、上下に貫通する貫通孔を有し水平方向に延出する板体と、ネジ孔を前記貫通孔に重合させた状態で板体の下面に固定したナットとを有するとともに、前記下向き当たり面が、前記ステップ固定部のナットに螺合させた調整用雄ねじ部材の下面によって構成したものであり、
前記調整用雄ねじ部材を螺進退させることにより前記ステップ本体の上昇幅を調整可能にし、
前記ステップ固定部の板体の上部で該板体の下面に固定したナットとは別のナットと調整用雄ねじ部材とを螺合させてこれら2つのナットで前記板体を挟み込むことを特徴とする昇降ステップ装置。 - 前記Xリンク機構が、中央部で互いに回転可能に連結された駆動側リンクメンバと従動側リンクメンバとを備えてなり、前記駆動側リンクメンバの一端をステップ本体に、前記従動側リンクメンバの一端部を前記支持部にそれぞれ回転可能に連結するとともに、前記各リンクメンバの他端部に転動輪を設け、これら転動輪をステップ本体及び前記支持部にそれぞれ設けたガイドレールに当ててなるものであることを特徴とする請求項1記載の昇降ステップ装置。
- 前記動作変換機構が、前記駆動軸の回転に伴って回転する出力ギアと、一端部を前記出力ギアに設けた出力点に回転可能に連結するとともに他端部を前記駆動側リンクメンバに設けた入力点に回転可能に連結した連結リンクとを備えてなるものであり、前記ステップ本体に設けた上向き当たり面を前記ステップ固定部に設けた下向き当たり面に当てて上昇を止めた際に、前記出力ギアに設けた出力点が、略前記駆動側リンクメンバに設けた入力点と前記出力ギアの回転中心とを結ぶ直線上に位置するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の昇降ステップ装置。
- 前記駆動軸が、移動観覧席に用いられる椅子の起立転倒装置に用いられる駆動軸と共通のものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の昇降ステップ装置。
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JPH0721822U (ja) * | 1993-09-29 | 1995-04-21 | ナショナル住宅産業株式会社 | 外壁支持構造 |
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2001
- 2001-07-31 JP JP2001232562A patent/JP4522026B2/ja not_active Expired - Lifetime
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