JP4521792B2 - 内包済微小カプセルを配合した化粧料 - Google Patents

内包済微小カプセルを配合した化粧料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、内包済微小カプセルを配合した化粧料に関する。さらに詳しくは、特定のヒドロキシシランを縮重合したオルガノポリシロキサンを壁膜とする内包済微小カプセルの毛髪用や皮膚用等の化粧料への応用に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料、例えば皮膚用や毛髪用の化粧料には、紫外線吸収剤やビタミン等の機能成分が配合されることが多い。しかし、これらの機能成分が配合された化粧料を皮膚や毛髪等に適用する場合、当該機能成分の種類によってはそれが人体に吸収されたりするので人体への影響が問題とされることがある。また当該機能成分の種類によっては、
当該機能成分が化粧料中で不安定である、
水や他の化粧料成分との相溶性が低く化粧料への配合が困難である、
機能成分の添加により脂ぎってくる等化粧料の感触が低下する
等の問題が指摘されることもある。従って、化粧料に配合される機能成分の種類が限られたものとなったりまた配合量等が限られたものとなる界面活性剤の添加等他の手段が必要となる等の問題があった。
本発明者は、紫外線吸収剤等が配合された化粧料におけるこれらの問題点を解決するべく鋭意検討した。その結果、機能成分をそのまま化粧料に配合する代わりに、特定のオルガノポリシロキサンを壁膜としその機能成分を内包する微小カプセルを化粧料に配合することによりこれらの問題点が解決できることを見出し本発明を完成した。
【0003】
オルガノポリシロキサンは、一般的に、熱的、機械的に安定である、耐光性を有する、生体不活性であるなどの優れた特性を有する。そこで、マイクロカプセルやナノカプセルなどの微小カプセルの分野においても、オルガノポリシロキサンまたはそれに類する材料を壁膜として用いた微小カプセルが知られている。
例えば、本発明者らが先に行った平成10年特許願41063号において特定のオルガノポリシロキサンを壁膜とすることを特徴とする微小カプセルが提案されている。
さらに、本発明者らは、平成10年特許願322933号において、カプセル内に内包されなかった芯物質の量を最小限にし、およびその後の使用時などにカプセル内からの芯物質の経時的なしみ出し(滲出)が最小限であるような微小カプセルを提案した。
本発明は、これらの微小カプセルであって化粧料用の紫外線吸収剤等の機能成分を内包するものを化粧料へ適用することにより、機能成分を直接配合した従来の化粧料の問題点を解決するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般構造式(II)
RnSi(OH)mY(4−m−n) (II)
〔式中、mは1から4の整数、nは0から3の整数で、m+n≦4である。
Rは炭素原子が珪素原子に直接結合する有機基であり、n個のRは同じでも異なっていてもよい。
Yは、アルコキシ基、水素およびシロキシ基よりなる群から選ばれる基であり、(4−m−n)個のYは同じでも異なっていてもよい。〕
で示される化合物群の中から選ばれる1種又は数種の化合物であって、
▲1▼その内の少なくとも1種の化合物はm=2または3であり、かつ▲2▼少なくとも1種の化合物は連続相または分散相のうち少なくとも一方に親媒性であるRを少なくとも1個有する、もの(化合物(B))を縮重合して合成したオルガノポリシロキサンを壁膜とする内包済微小カプセルを配合した化粧料を提供する。
本発明において微小カプセルとは、マイクロカプセル、ナノカプセルのいずれも包含するが、一般にマイクロカプセルは粒径が1μm以上1mm未満のものをいい、ナノカプセルは粒径が1μm未満のものをいう。この微小カプセルは、壁膜の内部に樹脂マトリックス等が存在しない空間を有するものであり、この壁膜で形成される空間の内部に芯物質を内包する。本発明で用いられる微小カプセルに内包される芯物質としては化粧料用の機能成分、例えば紫外線吸収剤等が例示される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧料には、薬事法上の化粧品のみではなく、医薬部外品、皮膚用医薬等の外用薬等、皮膚や毛髪等の人体に適用されるものを広く含む。
本発明の化粧料に配合される微小カプセルは、化合物(B)を縮重合して合成したオルガノポリシロキサンを壁膜とする
化合物(B)は、一般構造式(II)で示される化合物の中から選ばれる1種又は数種の化合物(群)からなる。ただし、化合物(B)を構成する1種又は数種の化合物の内の少なくとも1種は、一般構造式(II)においてm=2または3の化合物である。さらに、化合物(B)を構成する1種又は数種の化合物の内の少なくとも1種は連続相または分散相のうち少なくとも一方に親媒性であるRを少なくとも1個有する化合物である。ここで、連続相、分散相とは、微小カプセルの壁膜形成前の分散媒および分散相をそれぞれ示すが、本明細書中においては、微小カプセルの壁膜形成後の外相、内相もそれぞれ連続相、分散相という。
【0006】
化合物(B)の縮重合とは、一般構造式(II)の中の―SiOH基が化合物(B)を構成する他の分子中の―SiL(Lは、水酸基等の脱離基を表わす。)と反応して―SiOSi―を形成する反応をいい、この縮重合反応により壁膜となるオルガノポリシロキサンが生成される。
【0007】
このようにして生成され、壁膜および後述のプレポリマーを構成するオルガノポリシロキサンの組成式は、たとえば、次の一般式(III)で表わされる。
(R3SiO1/2)h(R2SiO)i(RSiO3/2)j(SiO2)k(R’O1/2)p (III)
[式中、Rは炭素原子が珪素原子に直接結合する有機基または水素であり、2個以上のRは互いに異なっていてもよいし、また同じでもよい。h、i、j、kは0または正の整数である。R’はアルキル基または水素で、pは0または正の整数である。0≦h+p≦j+2k+2。]
上述したように、一般式(III)において、1個の珪素原子上に2個以上のRが結合する場合、Rは互いに異なっていてもよいし、また同じでもよい。また、下付文字h、i、jの直前の括弧(カッコ)内に示す組成式成分が、それぞれすべて同じであってもよいし、異なるものであってもよい。たとえば、h個の(R3SiO1/2)はすべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、プレポリマーを構成するオルガノポリシロキサンは、プレポリマー上のSiOHが別のプレポリマー上のSiL(Lは、水酸基などの脱離基)と縮合反応を起こし、さらに大きなポリマーへと成長し壁膜を構成するオルガノポリシロキサンとなる。したがって、壁膜を構成するオルガノポリシロキサンとプレポリマーを構成するオルガノポリシロキサンとはいずれも上記一般式(III)で表わされる。ただし、h、i、j、k、pの値は異なる。すなわち、h、i、j、kの範囲は上記一般式(III)が壁膜を構成するオルガノポリシロキサンを表す場合、iまたはjのうち少なくとも1以上は、微小カプセルを形成するのに充分な重合物を構成するような正の整数値である。上記一般式(III)がプレポリマーを表す場合、プレポリマーは遷移的なものであるので、経時的に変化するが、h、i、j、kの範囲は上記一般式(III)が壁膜を構成するオルガノポリシロキサンを表す場合以下の0または正の整数である。また、pについては、化合物(A)を加水分解して得られる化合物(B)の加水分解の程度や、化合物(B)の縮合反応の程度に依存し、プレポリマーや壁膜を構成するオルガノポリシロキサンを充分に形成する範囲であればよい。
上記の式より明らかなように、化合物(B)を縮重合して合成されるオルガノポリシロキサンにおいては、珪素上にアルコキシ基や水酸基などが部分的に残っていてもよいし、アルコキシ基または水酸基がまったくなくてもよい。
【0008】
化合物(B)は、通常、次の一般構造式(I)
RnSiX(4−n) (I)
〔式中、nは0から3の整数である。Rは炭素原子が珪素原子に直接結合する有機基であり、n個のRは同じでも異なっていてもよい。Xは水酸基、水素、アルコキシ基、ハロゲン基およびシロキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、(4−n)個のXは同じでも異なっていてもよい。〕で示される化合物群の中から選ばれる1種または数種の化合物であって、少なくとも1種の化合物は連続相または分散相のうち少なくとも一方に親媒性であるRを少なくとも1個有するもの(化合物(A))を加水分解して得ることができる。化合物(A)は、一般構造式(I)で示される化合物群の中から選ばれる1種または数種の化合物により構成される。
【0009】
本発明の微小カプセルの製造においては、カプセル内に内包されなかった芯物質の量を最小限にするため、または、その後の使用時などにカプセル内からの芯物質の経時的なしみ出し(滲出)を最小限にするために、好ましくは、加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物が芯物質に添加され、または、加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の加水分解物で形成された壁膜の表面が少なくとも1回処理される。
ここで、加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンとは、加水分解されシラノール基を生成するシランまたはポリシロキサンをいう。
芯物質に添加される、または、形成された壁膜の表面の処理に用いられる加水分解性シラン、または加水分解性ポリシロキサンとしては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびMe3SiO(Me2SiO)f[MeZSiO]gSiMe3(fは5〜50の整数およびgは2〜100の整数、Zは水素またはアルコキシ基)が例示される。中でも好ましいものとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリクロロシランおよびMe3SiO(Me2SiO)f[MeZSiO]gSiMe3(fは5〜50の整数およびgは2〜100の整数、f/g=0.1〜20、重量平均分子量(M.W.)=200〜10000、Zは水素、メトキシ基またはエトキシ基)等が例示される。
【0010】
本発明の化粧料に配合される微小カプセルの製造の概略をプロセス順に示すと、「▲1▼化合物(A)の加水分解による化合物(B)の製造→▲2▼化合物(B)の中和による縮重合(後述のプレポリマーを形成する場合のみこの工程を行う)→▲3▼芯物質および/または第2の液相との混合・乳化→▲4▼硬化処理」になる。さらに、好ましくは、芯物質への加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の添加、および/または「硬化処理」の前に加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の加水分解物による壁膜の処理(以後本明細書中で、この処理をオーバーコート処理と称する。)がされる。さらに、必要に応じ、「表面処理用の化合物(A)による処理」が「硬化処理」の前に追加される。
【0011】
化合物(A)としては、親水基を有する化合物(A)、疎水基を有する化合物(A)、親フルオロカーボン性基を有する化合物(A)、テトラアルコキシシラン、両親媒性基を有する化合物(A)、界面活性基を有する化合物(A)等が例示される。ここでいう両親媒性とは、互いに混じり合わない2種の媒質の両方に対して親和性を有することをいい、両親媒性基とは、たとえば親水基と疎水基のような、互いに異なる親媒性基を両有するような基である。
【0012】
この化合物(A)を加水分解して得られる化合物(B)を縮合して形成される前記のプレポリマーが連続相または分散相のうち少なくとも一方に親媒性になるように、そして形成されるプレポリマーが安定に分散するように、化合物(A)の種類、さらに複数の種類の化合物(A)を組合わせて用いる場合にはそれらの比率を選択することが好ましい。
【0013】
親水基を有する化合物(A)においては、一般構造式(I)におけるRが親水基を有することが好ましく、親水基を有するRが一の珪素原子上に一または複数結合していることが好ましい。親水基が複数結合している場合、2種以上の親水基が結合していてもよい。親水基の他に疎水基や親フルオロカーボン性基が親水基を有するRに結合していてもよい。
【0014】
親水基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーのようなポリエーテル類、プルラン、ソルビトール、キチン、キトサンのような単糖から多糖に至る糖類またはアミノ糖類、タンパク質、抗体、加水分解タンパク、ポリアミノ酸、カルボン酸またはその塩・誘導体、ポリカルボン酸またはその塩・誘導体、硫酸またはその塩・誘導体、燐酸またはその塩・誘導体、スルホン酸またはその塩・誘導体、ホスホン酸またはその塩・誘導体、第4級アンモニウム基、アミンまたはその塩、ポリアミンまたはその塩などが挙げられる。ただし、親水基としては上記例示のものに限られることはない。上記例示の親水基と結合して親水性のRを形成する基としては、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH23OCH2CH(OH)CH2−、−(CH23NHCO−、−(CH23CH(CH2COOH)CO−、−(CH23CH(COOH)CH2CO−など例示され、この部分構造式の左側に珪素原子が結合し、右側に上記親水基が結合する。
【0015】
この親水基を有する化合物(A)の具体例としては、親水基としてポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーのようなポリエーテル類を有するのポリオキシエチレン変性シリコーン〔たとえば、KF−354(商品名)〕、ポリエトキシプロピルトリメトキシシラン〔たとえば、信越化学工業(株)製、KBM−641(商品名)〕等が挙げられる。また、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまたはγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランと加水分解タンパクとから誘導されるN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパク、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパク(特開平8−67608号公報)も例示される。さらに、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物のようなシランカップリング剤と前記のような親水基を有する親水性物質とから誘導される化合物などが挙げられる。ただし、親水基を有する化合物(A)は上記例示のものに限られることはない。
【0016】
前記のポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーのようなポリエーテル類については、オキシエチレンとオキシプロピレンの数平均重合度が4〜2000、特に4〜800が好ましい。
【0017】
また、前記のN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパク、N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパクの加水分解タンパクとしては、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロイン(シルク)、セリシン(シルク)、カゼイン、コンキオリンのような動物由来タンパク質、小麦タンパク、大豆タンパク、ゴマタンパク、ツェイン(トウモロコシタンパク)のような植物由来タンパク質、酵母タンパクのような微生物由来タンパク質の加水分解物が好ましいが、これに限られるものではない。さらに、加水分解タンパクの数平均分子量は、100〜50000、特に200〜5000が好ましい。
【0018】
疎水基を有する化合物(A)においては、一般構造式(I)におけるRが疎水基を有することが好ましく、疎水基を有するRが一の珪素原子上に一または複数結合していることが好ましい。疎水基が複数結合している場合、2種以上の疎水基が結合していてもよい。また、親フルオロカーボン性基が疎水基を有するRに結合していてもよい。
【0019】
疎水基としては、たとえば、直鎖炭化水素、分岐炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族、エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種、または複数の官能基がRに結合していることが好ましい。ただし、疎水基としては上記例示のものに限られることはない。
【0020】
この疎水基を有する化合物(A)の具体例としては、メチルジエトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ステアロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル−(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ジメチルヘキサデシル−(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどが挙げられる。さらに、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物のようなシランカップリング剤と前記のような疎水基を有する疎水性物質とから誘導される化合物等が挙げられる。さらに、一般構造式(I)におけるXがシロキシ基である化合物の具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジハイドロジェンヘキサメチルシクロテトラシロキサン、トリハイドロジェンペンタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。ただし、疎水基を有する化合物(A)は上記例示のものに限られることはない。
【0021】
親フルオロカーボン性基を有する化合物(A)においては、一般構造式(I)におけるRが親フルオロカーボン性基を有することが好ましく、親フルオロカーボン性基を有するRが一の珪素原子上に一または複数結合していることが好ましい。親フルオロカーボン性基が複数結合している場合、2種以上の親フルオロカーボン性基が結合していてもよい。
【0022】
親フルオロカーボン性基を有する化合物(A)としては、たとえば、C817CH2CH2Si(OCH33、CF3CH2CH2Si(OCH33などが挙げられる。さらに、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、さらに、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等のシランカップリング剤と親フルオロカーボン性物質とから誘導される化合物が例示される。ただし、親フルオロカーボン性基を有する化合物(A)は上記例示のものに限られることはない。
【0023】
親水基と疎水基の両方の基を有する化合物(A)の具体例としては、加水分解をすることによりN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解タンパクを生じるような化合物などが例示される。
【0024】
つぎに、化合物(A)の加水分解について次に述べる。
化合物(A)の加水分解の媒質としては、通常、水が使用される。そのほか、水に可溶な少量の有機溶媒、塩類、尿素のようなタンパク変性剤などが水に添加されていてもよい。これらの添加剤を加えることは、化合物(A)の加水分解後の中和や第2の液相との混合による乳化を0℃以下の温度で行う場合などに有効であり、一つの好ましい方法である。さらに、化合物(A)の加水分解から化合物(B)を経てプレポリマーを生成するまでの過程で、縮合反応が速くなりすぎないように反応速度を制御して、プレポリマーの不溶化に伴う析出を防ぎ、溶液を安定化するためには、化合物(A)を加える前の状態で粘度が10〜2000mPa・s である媒質が好ましく用いられる。粘度が10〜2000mPa・sである媒質を調製するための増粘物質としては、たとえば、ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸アミド,カルボキシメチルセルロースナトリウム,カルボキシメチルデキストラン,ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キチン、キトサン、ポリペプタイド、ゼラチン、セリシンなどが例示される。特に、粘度が10〜2000mPa・sであるゼラチン水溶液が例示される。
【0025】
化合物(A)の加水分解は十分に攪拌しながら−5℃〜90℃、特に5℃〜75℃で行うのが好ましい。
【0026】
化合物(A)の加水分解は酸性側でも塩基性側でもよいが、どちら側で行うかは化合物(A)の性質に依存する。
化合物(A)の加水分解を酸性側で行う場合、pH1〜5、特にpH2〜4で行うのが好ましい。化合物(A)の構成や濃度にもよるが、加水分解時の酸性が強すぎると、後で芯物質を充分に取り込めなかったり、ガラス状物質が一部生成してくることがある。使用する酸としては、たとえば、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸のほか、酢酸などの有機酸を用いてもよい。特に、例えばコラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロイン(シルク)、セリシン(シルク)、カゼイン、コンキオリンのような動物由来タンパク質の加水分解物が親水基であるような化合物(A)の場合、化合物(A)の加水分解を酸性側で行う方が最終的に本発明の微小カプセルを得る際に好ましい結果が得られる。
【0027】
化合物(A)の加水分解を塩基性側で行う場合、pH7.5〜11.5、特にpH8〜10で行うのが好ましい。化合物(A)の構成や濃度にも依るが、加水分解の塩基性が強すぎると、後で芯物質を十分に取り込めなかったり、ガラス状物質が一部生成してくることがある。使用するアルカリとしては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。特に、たとえば小麦タンパク、大豆タンパク、ゴマタンパクのような植物由来タンパク質の加水分解物が親水基であるような化合物(A)の場合、化合物(A)の加水分解を塩基性側で行う方が最終的に本発明の微小カプセルを得る際に好ましい結果が得られる。
【0028】
化合物(A)の加水分解により生成した化合物(B)は、中和により縮重合される。
中和は、十分に攪拌しながら−30℃〜80℃、特に−5℃〜55℃で行うのが好ましい。中和に使用する酸またはアルカリは前記の加水分解のところで例示したものと同じものが例示される。この中和の媒質としては、水が例示される。
【0029】
本発明の微小カプセルの製造においては、芯物質および/または第2の液相、すなわち疎水性物質および/または非水性溶媒、との混合・乳化の後、中和による縮重合を行い壁膜となるオルガノポリシロキサンを生成する(硬化処理)。しかし、化合物(B)の生成と中和による縮重合を、芯物質および/または第2の液相との混合・乳化の前にある程度行い、あらかじめ化合物(B)のプレポリマーを調製しておくことが好ましい。
親水性のRを少なくとも1個有する、特に、少なくとも1個のRが数平均分子量が100〜50000のポリペプタイドまたは数平均重合度が1〜2000のポリオキシエチレンを有する化合物(B)を少なくとも1種用いる方法はこのプレポリマーを安定して存在させることができるため好ましい。
またプレポリマーが不安定ですぐに析出しやすい場合は、ゼラチン水溶液などの粘性のある溶液中で化合物(A)を加水分解してプレポリマーを調製する方法が、プレポリマーを安定して存在させることができるので好ましい。
プレポリマーの調製後、この水性溶媒中におけるプレポリマーと疎水性物質および/または非水性溶媒とを混合してエマルジョンを調製することが好ましい。
上述の方法においては、疎水性物質および/または非水性溶媒の混合後、プレポリマー同士は縮合を起こし、さらに大きなポリマーへと成長し壁膜を構成するオルガノポリシロキサンとなる。
【0030】
つぎに、芯物質および/または第2の液相との混合・乳化について述べる。
芯物質および/または第2の液相との混合・乳化の方法として、
水または親水性の分散媒に分散する微小カプセルの場合、水性の分散媒中でプレポリマーを調製した後、液状の芯物質(第2の液相)のみ、または芯物質とその溶媒(第2の液相)を加える方法が例示される。
疎水性の分散媒または非水性の分散媒に分散する微小カプセルの場合であって、芯物質が水性溶媒に可溶または親水性のとき、プレポリマーの水性溶媒分散液に、芯物質をそのまま加えるかまたは水性溶媒に溶かして加え、得られた液を、水性溶媒と混和しない溶媒(第2の液相で連続相となる)と混じて反転乳化させる方法が例示される。反転乳化した後、芯物質を加えてもよい。
【0031】
上記の方法では、中性で芯物質を入れることができるので、中性以外では不安定な物質を内包する微小カプセルを製造することができる。芯物質および/または第2の液相との混合・乳化は通常は−30℃〜95℃、特に−5℃〜60℃で行う。
【0032】
本発明に使用される微小カプセルに内包される芯物質としては、通常化粧料への配合が望まれる紫外線吸収剤、ビタミンや染料等の機能成分及びそれらを溶解するための物質が挙げられる。
例えば、「水」、「高級脂肪酸類」、「炭化水素類」、「有機溶媒」、「エステル類」、「シリコーン類」、「シラン類」、「高級アルコール類」、「多価アルコール類」、「動植物油」、「抽出成分類」、「色素類」、「紫外線吸収剤」、「ビタミン類」、「薬効成分」、「香気成分」、「塩類」、「アミノ酸、タンパク、糖類など」、「酵素」、「フルオロカーボン性物質」などが挙げられ、さらに、具体的に例示するすると、以下の通りである。
【0033】
「高級脂肪酸類」としては、たとえば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。
【0034】
「炭化水素類」としては、たとえば、流動パラフィン、イソパラフィン、オゾケライト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
【0035】
「有機溶媒」としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
【0036】
「エステル類」としては、たとえば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスリン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラノリン、イソステアリン酸メチル、ステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸−n−アルキルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリン酸グリセリル、ネオペンタン酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジ−2−へプチルウンデカン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グルセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸−2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、トリミリスチン酸グルセリル、トリオクタン酸グルセリル、トリイソパルミチン酸グルセリル、ヒマシ油脂肪酸メチル、オレイン酸オレイル、酢酸グリセリル、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸−2−ヘプチルウンデシル、ラウリン酸エチル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、コハク酸−2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
【0037】
「シリコーン類」としては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルメトキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルエトキシシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、メチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサンなどが挙げられる。
【0038】
「シラン類」としては、たとえば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
【0039】
「高級アルコール類」としては、たとえば、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリルエーテル、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキシルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘプチルウンデカノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコールなどが挙げられる。
「多価アルコール類」としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、エリスリトール等が挙げられる。
【0040】
「動植物油」としては、たとえば、アボガド油、ツバキ油、マカデミヤナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、月見草油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦杯芽油、サザンカ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、硬化綿実油、大豆油、硬化大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、シナモン油、ホホバ油、胚芽油、アーモンド油、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、馬脂、タートル油、ミンク油、スクワラン、スクワレン、オレンジラッフィー油、牛脂、硬化牛脂、牛骨脂、牛脚脂、羊脂、豚脂、鯨脂、硬化鯨脂、魚油、硬化魚油、ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、還元ラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバロウ、硬質ラノリン、モクロウ、サトウキビロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、セラックロウ、ホホバロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、ホホバアルコール、アビエチン酸、水添アビエチン酸などが挙げられる。
【0041】
「色素類」としては、たとえば、二酸化チタン、酸化亜鉛などの無色白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料、γ−酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタンなどの無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、群青、紺青などの無機青色系顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色218号、赤色220号、赤色225号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、黄色401号、緑色202号、青色404号などの有機染料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、紫色201号、青色11号などのジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキなどの有機顔料、クロロフィル、β−カロチンなどの天然色素、雲母チタン、ベンガラ処理雲母チタン、黄酸化鉄処理雲母チタン、黒酸化鉄処理雲母チタン、酸化鉄・黄酸化鉄処理雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、カーボンブラック処理雲母チタンなど。また、タルク、カオリン、雲母、キン雲母、セリサイト、白母雲、合成雲母、紅雲母、リチア雲母、バーミキュライトなど。フッ化アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、ベントナイト、フラーズアース、サンセイ白土、活性白土、モンモリロナイト、アタパルガイドなどの無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレン・アクリル酸共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末などが挙げられる。
【0042】
紫外線吸収剤としては、2―ヒドロキシー4―メトキシベンゾフェノン、2―ヒドロキシー4―メトキシベンゾフェノンー5―スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンースルホン酸ナトリウム、2,4―ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノー2―エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2―(2‘―ヒドロキシー5’―メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル及びオクチルトリアゾン等が例示される。その中でも、パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルおよび4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンが好ましく用いられるが、これらのものに限られることはない。なお、メトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル等のメトキシケイヒ酸エステルを用いる場合は、ジーt―ブチルヒドロキシトルエン等と併用することによりその安全性をより向上することができる。
【0043】
「ビタミン類」としては、たとえば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム、ビスベンチアミン、メチルメチオニンスルホニウムクロリドなどのビタミン類またはその誘導体、たとえばリン酸−L−アスコルビルマグネシウム、硫酸−L−アスコルビルマグネシウム二ナトリウム、酢酸トコフェロールなどが挙げられる。
【0044】
「薬効成分」としては、たとえば、スルファメトミジンのようなサルファ剤、ホバチン酸カルシウム、塩酸パパベリン、塩酸ジルチアゼム、レセルピンのような循環器系薬剤、塩酸トリメトキノール、塩酸ブロムヘキシン、ヒベンズ酸チペピジンのような呼吸促進、鎮咳去たん剤、ベンジルペニシリンカリウム、ベンジルペニシリンナトリウム、フェノキシメチルペニシリンカリウム、アンピシリンのような抗生物質、5−フルオロウラシル、N−(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオロウラシル、塩酸ブレオマイシンのような抗癌性腫瘍剤、臭化チメピジウム、塩酸リドカイン、塩酸クロルプロマジンのような精神神経系薬剤、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンのような抗ヒスタミン剤、アスピリン、塩酸キニーネ、スルピリンのような解熱鎮痛消炎剤、サリチル酸、ヒノキチオール、イオウ、パラベン類などの殺菌剤、防腐剤、その他、感光素類、システインおよびその誘導体、グアイアズレンおよびその誘導体、グルタチオンまたはその誘導体などが挙げられる。
【0045】
「抽出成分」としては、たとえば、油溶性アルニカエキス、アロエエキス、油溶性オドリコソウエキス、カミツレエキス、油溶性カモミラエキス、油溶性甘草エキス、クチナシエキス、油溶性クワエキス、油溶性ゴボウエキス、油溶性コラーゲンエキス、油溶性サルビアエキス、油溶性シコンエキス、油溶性シナノエキス、油溶性シラカバエキス、油溶性スギナエキス、油溶性セイヨウノコギリソウエキス、油溶性セージエキス、センブリエキス、タイムエキス、チンピエキス、油溶性テウチグルミエキス、油溶性トウキエキス、油溶性トウキンセンカエキス、油溶性ニンジンエキス、油溶性ノバラエキス、油溶性ビワ葉エキス、油溶性プラセンタエキス、油溶性ホップエキス、油溶性マロニエエキス、油溶性桃葉エキス、ヨモギエキス、油溶性ヨクイニンエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、オレンジエキス、油溶性ローズマリーエキス、油溶性ローヤルゼリーエキスなど。タンニン類、フラボノイド類などを含有する緑茶、杜仲茶、ルイボス茶、槐花、黄ごん、ソウハクヒ抽出物などの生薬成分またはその各種塩類などが挙げられる。
【0046】
「香気成分」としては、たとえば、アーモンド、アニス、カラウェー、カッシア、セダーリーフ、セダーウッド、シナモン、シトロネラ、チョウジ、ユーカリ、ゼラニウム、グレープフルーツ、ラベンダー、レモン、レモン草、バラ油、ライム、オレンジ花(ネロリ)、ナツメグ、オニオン、ガーリック、オレンジ、リガナム、オリス、ペパーミント、パイン、松葉、ローズマリー、サンドルウッド、サッサフラス、スペアミント、タイム、コーヒー、紅茶、チェリー、リンゴ、パイナップル、バナナ、ピーチ、バニラ、メントールなどの香りを有する油などが挙げられる。
【0047】
「塩類」としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼きセッコウ)、リン酸カルシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム,硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、石灰窒素、過リン酸石灰、焼成リン肥、リン酸ナトリウムなどの塩などが挙げられる。
【0048】
「アミノ酸、タンパク、糖類など」としては、たとえば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、グルタミン酸ナトリウム、塩酸リジン、グルタチオンのようなアミノ酸およびペプチド類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリンのような動物由来タンパク質、小麦タンパク、大豆タンパク、ゴマタンパクのような植物由来タンパク質、酵母タンパクのような微生物由来タンパク質またはそれらのタンパク質の加水分解物、胎盤抽出物、ムコ多糖類、尿素などが挙げられる。
【0049】
「酵素」としては、たとえば、リパーゼ、プロテアーゼ、スーパーオキサイドディスムターゼ、リゾチーム、アルカリフォスファターゼ、アミラーゼ、パンクレアチン、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素類などが挙げられる。
【0050】
「フルオロカーボン性物質」としては、 モンテフルオス社(イタリア、ミラノ)製のポリオキシパーフルオロアルカンの一種である液状パーフルオロエーテルであるフォンブリンHC/04(商品名)、フォンブリンHC/25(商品名)、フォンブリンHC/R(商品名)などが挙げられる。
以上の中から1つまたは複数を組み合わせて芯物質とすることができる。また、以上の中から選ばれる物質を芯物質として内包した微小カプセルと以上の中から選ばれる他の物質であって微小カプセル化されていないものを組み合せて化粧料に添加することもできる。芯物質は上記例示のものに限られることはない。
【0051】
形成された壁膜の表面の加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の加水分解物による処理を行う場合は、混合、乳化の後、通常は、化合物(A)等による壁膜の表面処理、すなわち凝集防止と壁膜の硬化処理の前に行われる。このオーバーコート処理は、通常、加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を連続相に添加することにより行われる。オーバーコート処理は、混合、乳化と同程度の温度において攪拌しながら行うことが好ましい。オーバーコート処理を行う場合、加水分解性のシランまたは加水分解性ポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の添加量は、壁膜の形成に使用したSiの総モル数100に対し、0.1〜30モル好ましくは0.5〜10モルである。
【0052】
連続相としては、カプセル調製プロセスを通じて液状のものが用いられる。疎水性の連続相または非水性の連続相に分散する微小カプセルの場合、連続相としては、高級脂肪酸類、炭化水素類、有機溶媒、エステル類、シリコーン類、高級アルコール類、動植物油等が例示され、その中から1または2以上の組合わせが用いられる。有機溶媒のうち、沸点が水の沸点以下のものでも水を共沸的に系外に追い出すことのできるものであればよい。
【0053】
エマルジョン調製において、たとえば、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器で、主に粒径0.3〜100μmの分布の範囲で、中心粒径が1〜20μmの範囲で粒径を調節する場合は、反応液を50〜1000rpm、特に300〜1000rpmで攪拌するのが好ましい。
【0054】
エマルジョン調製において、たとえば、メカニカルスターラで反応液を攪拌した後、ホモミキサーで主に粒径0.1〜30μmの分布の範囲で、中心粒径が0.5〜5μmの範囲で粒径を調節する場合は、反応液をホモミキサーで1000〜20000rpm、特に5000〜10000rpmで処理するのが好ましい。
【0055】
エマルジョン調製において、たとえば、メカニカルスターラで反応液を攪拌し、ホモミキサーで処理した後、マイクロフルイダイザーで主に粒径0.1〜1μmの分布の範囲で、中心粒径が0.2〜0.8μmの範囲で粒径を調節する場合は、マイクロフルイダイザーで300〜5000kg/cm2で処理するのが好ましい。
【0056】
つぎに、微小カプセルの製造中間物の化合物(A)による表面処理について次に述べる。
微小カプセルの製造中間物の化合物(A)による表面処理を行わなくても微小カプセルを製造することができる。しかし、乳化直後の未硬化カプセル表面に縮合にあずかっていないシラノール基が残っていると考えられる。このシラノール基は、新たに加えられた化合物(A)または、その加水分解物である化合物(B)と縮合してカプセル表面に新たな性質を付与する足がかりとなる。そこで、微小カプセルの凝集を防止、微小カプセルの表面をカチオン性にする、その他、微小カプセルの表面の性質を種々に修飾して種々の機能を付与するため、化合物(A)等による処理が行われる。
【0057】
硬化処理においては、化合物(A)の一種であるアルコキシシランの加水分解によって発生したアルコールを除去したり、時間経過や加熱による脱水や、反応系外への脱水などにより、縮重合反応をさらに、進行させることによって微小カプセルの壁膜の強度を増加させることができる。加熱温度としては、反応液の温度で30℃以上が好ましく、圧力により沸点を変化させてもよいが、反応系の水が沸騰する温度で加熱すると、特に好ましい。上記の時間経過による脱水とは、シロキサン縮合は中性のpHで自然に脱水縮合するので、単なる時間経過で脱水することを意味しており、また、上記の反応系外への脱水とは、たとえば留去(溶媒蒸気が冷却されてできた液を反応系に戻さず反応系外へ除去する)などを意味する。
【0058】
このようにして得られた微小カプセルにおいて、芯物質の重量は当該芯物質を化粧料に添加する目的、その性質等に応じて様々な範囲をとることができるが、通常、微小カプセル重量に対して、0.01〜99重量%の範囲である。特に、紫外線吸収剤を芯物質に含有する場合の紫外線吸収剤の重量は内包済微小カプセル重量に対して、通常5〜95重量%の範囲であり好ましくは20〜93重量%であり、より好ましくは50〜90重量%である。この内包済微小カプセルの重量に対する芯物質の重量の比率を以下「内包率」という。
【0059】
以上のようにして得られた微小カプセルは、化粧料に添加される。
本発明の化粧料には、薬事法上の化粧品のみではなく、医薬部外品、皮膚用医薬等の外用薬等、皮膚や毛髪等の人体に適用されるものを広く含む。
本発明の化粧料として、皮膚用化粧料や毛髪用化粧料が例示される。皮膚用化粧料としては、化粧水、乳液、クレーム、ジェル、エッセンス(美容液)等の基礎化粧品、固形白粉、リキッドファンデーション、固形ファンデーションと両用タイプファンデーション等のファンデーション類、口紅や乳化タイプ口紅等の口紅類、頬紅類、眉目類、美爪類等のメーキャップ化粧品、サンスクリーンローション、サンスクリーンクリーム、エモリエントクリーム等が挙げられる。毛髪用化粧料としては、シャンプー、リンス、トリートメント等の洗髪用化粧品、ヘアクリーム、ヘアトリートメント等の毛髪仕上げ用化粧品等が挙げられる。
【0060】
本発明の化粧料は、上記のようにして得られた内包済微小カプセルを化粧料の他の成分と常法により混合することにより得られる。
化粧料へ添加される他の成分としては、「新化粧品学」(光井武夫編、南山堂、1993年)中の各種化粧品の処方例に記載されている成分が例示される。例えば両用ファンデーションの場合は、シリコーン処理タルク、シリコーン処理マイカ、シリコーン処理二酸化チタン、シリコーン処理ベンガラ、シリコーン処理黄酸化鉄、シリコーン処理黒酸化鉄、スクワラン、ジメチルポリシロキサン、トリイソオクチル酸グリセリン、防腐剤、香料等が例示される(「新化粧品学」第388頁)。特に、これらの成分である粉体、例えば顔料の表面をシリコーン等の疎水性物質で処理したもの等が好ましく例示される。
また、トレハロース、シクロデキストリンなどの糖類や多糖類も、化粧料のにおいを抑制するための成分として用いることができる。
【0061】
微小カプセルの添加量は、化粧料中に添加される機能成分の所望量に対応する量、すなわち微小カプセル中に内包される機能成分の量が化粧料中に添加される機能成分の所望量となるような量であるが、機能成分をそのまま添加する場合と比べて微小カプセルに内包して添加する場合は安全性の問題や他の成分との相溶性の問題が小さいので、その添加量を幅広く選ぶことができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の内包済微小カプセルを配合した化粧料は、機能成分をそのまま配合された化粧料に比べて次のような利点を有する。
1.機能成分の皮膚や毛髪等への浸透が低減するので、化粧料の安全性が向上する。
2.従来安定に処方することが難しかった処方系で、より安定な処方が可能になる。例えば、ビタミン類を化粧料に配合する場合、本発明の微小カプセルにビタミン類を内包して配合することにより、ビタミン類をそのまま配合する場合と比べて、配合できる処方のバリエーションが増え、例えば、油溶性のビタミン類を水系処方に配合できるようになる。
3.機能成分と他の配合成分(化粧品原料、油、溶剤等)との相溶性が向上する。例えば、ローション等の水分の多い処方に紫外線吸収剤をそのまま配合する場合は、界面活性剤の添加を必要とするが、本発明によればその必要がなく紫外線吸収剤を容易に配合することができる。またメトキシブチルベンゾイルメタン等は、溶解性が悪く、さらに他の配合成分の影響で溶解度が下がるので配合が難しかったが、本発明により溶解が容易になり他の配合成分の影響も受けなくなる。
また、ビタミン類を化粧料に配合する場合も、処方調製を簡略化することができる。例えば処方によっては、煩雑な処方調整を必要としていたものが本発明により添加するだけでよくなる。
4.機能成分の安定性が向上する。例えば機能成分として紫外線吸収剤を化粧料にをそのまま配合する場合、紫外線吸収剤の黄変を防ぐため安定剤の添加を必要とする場合があったが、本発明によればその必要がない。
また、ビタミン類を化粧料に配合する場合も、本発明の微小カプセルにビタミン類を内包して配合することにより、ビタミン類の変性を防ぎ活性を保つ、製剤の着色や臭いを抑える等の効果がある。
5.化粧料の感触の低下を防ぐことができる。例えば、エチルヘキシルメトキシケイヒ酸等の紫外線吸収剤をそのまま配合するとベトツキなどが生じ、メトキシブチルベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤をそのまま配合すると結晶の析出によりざらつく等の問題があったが、本発明によりこれらの問題点が解決し化粧料の使用感が向上する。また、化粧料の密着性も向上する。
また、油溶性のビタミン類を化粧料に配合する場合も、本発明により、油性感を低減するなど使用感を向上させることができる。
6.後述の参考例に示すように、機能成分として紫外線吸収剤を配合した場合、微小カプセルに内包して配合すると、紫外線吸収効果(SPF値)が向上する。
7.紫外線吸収剤を化粧料等に配合するとき乳化させて配合することが多いが、このような化粧料を皮膚に適用するとき、水分の蒸発や汗等による水分の増加により紫外線吸収剤の乳化粒子が壊れ乳化による散乱効果が減少するため皮膚上のSPF値がSPFアナライザーで測定した値より低くなる場合が通例である。しかし、紫外線吸収剤を内包した微小カプセルを配合した本発明の化粧料では、上記のような水分量の変化があっても紫外線吸収剤内包済微小カプセルがそのまま保たれる、すなわちカプセル中の紫外線吸収剤粒子がそのまま保たれるのでこのような問題を防ぐことができる。
このように、上述の内包済微小カプセルを配合することにより、優れた化粧料が得られる。
微小カプセルにビタミン類を内包して化粧料に配合する場合、本発明の微小カプセルの壁材を変化させることによって、ビタミン類のリリースコントロールが可能になる。
【0063】
【実施例】
本発明を、以下の実施例によりより具体的に説明するが、これらに実施例は説明のためのみに示されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。また、特に単位を表示しない限り%は重量%である。
以下の実施例において使用した分析法について先ず説明する。
【0064】
分析法1
得られた微小カプセルの分散液約0.1gをとり、これに水約5mlを加える。このものの1滴をプレパラートにとりカバーガラスをした後、光学顕微鏡で1000倍の倍率で観察し、目視により粒度分布を求める。
【0065】
分析法 2
得られた微小カプセル分散液0.1gを、直径27mm高さ55mmのスクリュー管に精秤し水約5mLを加える。これにn−ヘキサン10mLを加え蓋をし、直ちに中央部を横向きに固定しモーターを用いて回転対称軸を垂直に150rpmで回転させ、遊離しているパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルを抽出する。2分間回転させた後ヘキサン層100μLを、マイクロピペッターで10mLメスフラスコに取り、n−ヘキサンを秤量線まで加える。これを試料Aとする。さらに2分間回転させ同様の処理を行う。これを試料Bとする。液体クロマトグラフィーを用いて、試料A及びBのパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル濃度を測定する。試料Aの測定結果をa、試料Bの測定結果をb、とするとき、微小カプセル分散液中の遊離パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルは分析結果aに含まれ、分析結果bから分析結果aを除いた量(b-a)を、2分間での浸み出し量と見ることができる。測定結果aには、遊離量とともに2分間での浸み出し量も含まれているため、a-(b-a)を遊離パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル量と見ることができる。
【0066】
合成例1
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン、メチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)およびフェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)、テトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)の加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水135gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(加水分解コラーゲンの分子量は数平均分子量で約2000)15gおよび18%塩酸3.6gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)45.9gとフェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)12.4g及びテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)3.6gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で6時間攪拌した。次に、攪拌しながら25%水酸化ナトリウム水溶液2.9gを滴下し、pHを7.0にした。
【0067】
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)389gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)3.9gの混合物を加え、さらに、600rpmで4時間攪拌し続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけて微粒化した。
4)壁膜のオーバーコート処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、250rpmで撹拌しながらメチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)1.28gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)6.0gの混合物を加え、さらに、250rpmで1時間撹拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液4.05gを加え中和した。中和30分経過後同様の操作を繰り返した。
5)凝集防止と壁膜の硬化処理
4)で調製した反応液を50℃、250rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)3.0gを加えた後、直ちに25%水酸化ナトリウム水溶液4.4gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに150rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
分散液中における遊離のパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量は、0.20%であった。
【0068】
合成例2
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10g及び18%塩酸3.6gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)24gとフェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)6.45gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で4時間攪拌した後20℃まで冷却し、攪拌しながら25%水酸化ナトリウム水溶液2.45gを滴下してpHを7.0にした。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を30分間攪拌した後、20℃、600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)257.4gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.6gの混合物を加え、さらに、600rpmで4時間攪拌し続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけ、元の反応容器に戻し14時間50℃、600rpmで攪拌した後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
4)壁膜のオーバーコート処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、250rpmで攪拌しながらメチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)0.67gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)3.2gの混合物を加え、さらに、250rpmで1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液2.2gを加え中和した。
5)凝集防止と壁膜の硬化処理
4)で調製した反応液を50℃、250rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)2.0gを加え1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液2.8gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに150rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
得られた微小カプセルの分散液を、上記分析法1及び2により分析したところ以下の通りであった。
直径1〜5μmの微小カプセルの水中分散液
遊離パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル量 0.210%
2分間浸み出しパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル量 0.0348%/分
【0069】
合成例 3
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン、テトラエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10g及び18%塩酸3.6gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)21.6gとフェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)5.73g及びテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)1.67gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で4時間攪拌した後20℃まで冷却し、攪拌しながら25%水酸化ナトリウム水溶液2.20gを滴下した。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を30分間攪拌した後、20℃、600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)228.2gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.3gの混合物を加え、さらに、600rpmで4時間攪拌し続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけ、元の反応容器に戻し14時間50℃、600rpmで攪拌した後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで60分間ホモミキサーにかけて微粒化した。
4)壁膜のオーバーコート処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、250rpmで攪拌しながら、25%水酸化ナトリウム水溶液0.25gを滴下した。その後、メチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)0.585gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)2.78gの混合物を滴下した。1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液1.9gを加え中和した。
5)凝集防止と壁膜の硬化処理
4)で調製した反応液を50℃、250rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)1.2gを加え1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液1.7gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに150rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
得られた微小カプセルの分散液を、上記分析法1及び2により分析したところ以下の通りであった。
直径1〜5μmのカプセルの水中分散液で水を除いた成分は、64.7%、
遊離パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル量 0.818%、
パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル量浸み出し速度は 0.0551%/分
【0070】
合成例4
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシランとフェニルトリエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10gおよび18%塩酸4.0gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)24.3gとフェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)6.6gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で4時間攪拌した。次に、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液4.0gと水40gに分散させたEDTA・2Na1.0gを滴下し、さらに、エタノール20gを加え、pHを7.0にした。
2)芯物質の添加と乳化と微粒化
1)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して50℃、9000rpmでパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)203gと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(日本ロッシュ社製パルソール1789)50.8gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.5gの混合物を滴下しながら、90分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。その後、反応液を元の反応容器で50℃、600rpmで攪拌し続けた。そして、再度反応液をホモミキサーの容器に移して50℃、6000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
3)オーバーコート処理
2)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、400rpmで攪拌しながらメチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)0.68gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)3.24gの混合物を滴下した。
1時間攪拌した後、20%水酸化ナトリウム水溶液2.7gを滴下した。
4)凝集防止と壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)2.0gを加え、1時間攪拌して20%水酸化ナトリウム水溶液3.7gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに400rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
分析法1及び2により分析した結果、
直径1〜20μm、主に1〜3μmのカプセルの水中分散液436.0gで水を除いた成分は、60.72%。
分散液中における遊離のパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量は、0.5658%であった。また、カプセル内部から浸みだす速度は、0.0427%/min。
【0071】
合成例5
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランとテトラエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10gおよび18%塩酸4.0gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)24.3g、フェニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−103)6.6g及びテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.4gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で4時間攪拌した。次に、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液4.0gと水40gに分散させたEDTA・2Na1.0gを滴下しpHを7.0にした。
2)芯物質の添加と乳化と微粒化
1)で調製した反応液を600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)202.64gと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(日本ロッシュ社製パルソール1789)50.66gの混合物を滴下し、さらに、600rpmで2時間攪拌し続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけた。そして、その後、反応液を元の反応容器に戻し50℃、600rpmで15時間攪拌し続けた。その後、再度反応液をホモミキサーの容器に移して50℃、6000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
4)オーバーコート処理及び凝集防止、壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液について、合成例4と同様にしてオーバーコート処理及び凝集防止と壁膜の硬化処理を行い微小カプセル水中分散液を得た。
分析法1及び2により分析した結果、
直径2〜20μmのカプセルの水中分散液で水を除いた成分は、59.36%。
分散液中における遊離のパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量は、0.9315%。
また、カプセル内部から浸みだす速度は、0.3521%/min。
【0072】
合成例6
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシランとオクチルトリエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10g及び18%塩酸3.6gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)24gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製A−137)7.5gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で4時間攪拌した後20℃まで冷却し、攪拌しながら25%水酸化ナトリウム水溶液2.45gを滴下しpHを7.0にした。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を30分間攪拌した後、20℃、600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(ビーエーエスエフジャパン株式会社製ユビナール MC80N)250gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.5gの混合物を加え、さらに、600rpmで4時間攪拌し続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで90分間ホモミキサーにかけ、元の反応容器に戻し14時間50℃、600rpmで攪拌した後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
4)壁膜のオーバーコート処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、250rpmで攪拌しながらメチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)0.67gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)3.2gの混合物を加え、さらに、250rpmで1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液2.2gを加え中和した。
5)凝集防止と壁膜の硬化処理
4)で調製した反応液を50℃、250rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)2.0gを加え1時間攪拌した後、25%水酸化ナトリウム水溶液2.8gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに150rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
直径5μm以下、主に1〜3μmのカプセルの水中分散液で水を除いた成分は、59.72%。
パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量は、微小カプセル水中分散液の重量に対して53.7%であった。
【0073】
合成例7
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシランとオクチルトリエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンのカプセルの製造
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'−トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10gおよび18%塩酸3.7gを入れておき、50℃で攪拌しながらメチルトリエトキシシラン(信越シリコン社製KBE−13)15.9gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製A-137)4.9gの混合物を滴下ロートから滴下した。さらに、50℃で4時間攪拌した。次に、攪拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液3.7gと水20gに分散させたEDTA・2Na1.0gを滴下し、pHを7.0にした。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を600rpmで攪拌しながらパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(ビーエーエスエフ ジャパン社製ユビナールMC80N)170.7gと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(日本ロッシュ社製パルソール1789)42.7gとテトラエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−04)2.1gの混合物滴下した。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、9000rpmで90分間ホモミキサーにかけた。そして、元の反応容器に戻して50℃、600rpmで15時間攪拌した後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、9000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
4)オーバーコート処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、400rpmで攪拌しながらメチルトリクロロシラン(信越シリコーン社製KA−13)0.67gとメチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)3.18gの混合物を滴下した。
1時間攪拌した後、20%水酸化ナトリウム水溶液2.7gを滴下した。
5)凝集防止と壁膜の硬化処理
4)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、400rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)1.9gを加え、1時間攪拌して20%水酸化ナトリウム水溶液3.6gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、さらに400rpmで攪拌しながら2時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して微小カプセル水中分散液を得た。
直径10μm以下、主に1〜3μmのカプセルの水中分散液304.3gで水を除いた成分は、59.97%になった。
パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンの合計の量は、微小カプセル水中分散液の重量に対して54.0%であった。
【0074】
分析法3 SPF値と紫外線透過率の測定
測定試料を2μl/cm2になるようサージカルテープ(TRANSPORE TAPE 3M社製)に塗布し、これに紫外線を照射し、透過する光量をSPFアナライザー UV-1000S(米国 LABSPHERE社製)で測定を行った。実施例中の数値は40回の平均値である。
SPF値の算出
Figure 0004521792
E(λ) : 太陽光の分光分布
ε(λ) : 遅延型紅斑反応の作用スペクトル
MPF(λ): 各波長における透過度の逆数
【0075】
分析法4 皮膚浸透性の測定
-80℃に冷凍保存されたYucatan Micropig皮膚(5ヶ月齢雄性、日本チャールスリバー)を室温で約30分間解凍し、皮膚についた余分な脂肪を取り除いた後、約2cm四方に切断し測定に用いた。このようにして得られた皮膚にサンプルを適用し透過試験に供した。
透過試験は、改良Franz型拡散セル(製剤適用面積 1.1cm2、レセプター相16mL)を用いて行った。ドナー相に調製した試料を0.1mL入れ、24hr、37℃に保った。24hr後、皮膚の表面のサンプルを精製水できれいに取り除いたあと、表皮と真皮にわけた。5mLのMeOHでそれぞれをホモジナイズした後、遠心分離(3000rpm,30min)し、上澄を分取し、メンブランフィルター(Cellulose Acetate 0.80μm ADAVANTEC TOYO)でろ過後、HPLCで紫外線吸収剤の濃度を測定した。
HPLCの測定条件
HPLC : 島津LC-6Aシステム(島津製作所)
カラム : TSK-GEL ODS-120T 4.6mm×150mm(東ソー)
移動相 : メタノール:水=9:1
流速 : 1.0mL/min
検出器 : 紫外分光光度計 SPD-6A(島津製作所)
検出波長: 310nm
【0076】
参考例1 微小カプセルの紫外線透過度の測定
合成例2、3及び4で得られた微小カプセル及びパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(日本ロッシュ社製パルソールMCX)の波長310nmにおける紫外線透過度を分析法3の方法により測定した。その結果を次の表に示す
【表1】
Figure 0004521792
*1 塗布量 1 : サージカルテープ 40cm2上に塗布した乾燥後の試料の量(mg)
*2 塗布量 2 : サージカルテープ 40cm2上に塗布した試料中の紫外線吸収剤の量(mg)
塗布した合成例2、3及び4の試料中の紫外線吸収剤(パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル)の量は、比較として塗布したパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量よりも少ないにもかかわらず,紫外線透過度は小さかった。
【0077】
参考例2
合成例6で得られた微小カプセル又はパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(ビーエーエスエフ ジャパン社製ユビナールMC80N)と紫外線を散乱する性質を有する物(顔料等の他、可視光線を散乱せず紫外線を散乱するものさらに紫外線の散乱能力が比較的小さく通常は紫外線散乱剤とはいわれていないものも含む。以下本明細書でUV散乱剤と略す。)とを表に示す割合で混合し、その混合物の波長310nmにおける紫外線透過度及びSPF値をを分析法3の方法により測定した。その結果を次の表に示す。
なお、本参考例及び参考例3で用いたUV散乱剤は次のとおりであり次の表および参考例3の表中で次の略号で表わした。
Figure 0004521792
また次の表及び参考例3の表では、UV散乱剤と混合されるものが微小カプセルの場合はMC、紫外線吸収剤がそのまま混合される場合はUVの記号を試料の欄に表わす。
【表2】
Figure 0004521792
*1組成比:UV散乱剤/試料中の紫外線吸収剤量(重量比)
*2塗布量 : サージカルテープ40cm2上に塗布した乾燥後の試料の量(mg)
塗布した合成例6の微小カプセル中のパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量は、比較として塗布したパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの量とほぼ同等にもかかわらず,合成例6の微小カプセルを塗布した場合、ほとんどの場合は高いSPF値、低い透過率を示し、微小カプセル化することにより紫外線吸収効果が向上することがこの結果より示されている。
【0078】
参考例3
合成例7で得られた微小カプセル及びパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル(ビーエーエスエフ ジャパン社製ユビナールMC80N)と4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(日本ロッシュ社製パルソール1789)の4:1(重量比)の混合物と次の表に示すUV散乱剤を表に示す割合で混合し、その混合物の波長310nm及び360nmにおける紫外線透過度及びSPF値をを分析法3の方法により測定した。その結果を次の表に示す。
【表3】
Figure 0004521792
*1 組成比:UV散乱剤/試料中の紫外線吸収剤量(重量比)
*2 塗布量:サージカルテープ40cm2上に塗布した乾燥後の試料の量(mg)
*3 散乱剤10:散乱剤5:試料中の紫外線吸収剤量(重量比)
*4 散乱剤4:散乱剤8:試料中の紫外線吸収剤量(重量比)
塗布した合成例7の微小カプセル中の紫外線吸収剤の量は、比較として塗布した紫外線吸収剤の量とほぼ同等にもかかわらず,合成例7の微小カプセルを塗布した場合、ほとんどの場合は高いSPF値、低い透過率を示し微小カプセル化することにより紫外線吸収効果が向上することがこの結果より示されている。
【0079】
参考例4
合成例4で得られた微小カプセルとパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルの50%ミリスチン酸イソプロピル溶液についての皮膚浸透性を分析法4により測定した。その結果を次表に示す。
【表4】
Figure 0004521792
パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルを内包する合成例4の微小カプセルは、パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルを直接皮膚に塗布する場合より皮膚浸透性がはるかに低いことがわかる。
【0080】
実施例1、比較例1:リキッドファンデーション
ステアリン酸、蜜ロウ、水素添加ラノリン、イソプロピルイソステアレート、スクワラン及びソルビタンセスキオレエートを秤り、80℃で溶解した(液1とする。)。別にトリエタノールアミン、1.3−ブチレングリコール、一部の精製水及び合成例1で得られた微小カプセル水中分散液を秤り、85℃に加熱して攪拌しながら少しずつ液1に加えた。45℃に冷却後香料を加え40℃程度まで冷却する(これを液2とする)。
別に、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、タルク及び酸化鉄を秤り良く混合しそこへ残りの精製水を加えてホモミキサーで良く分散させた後、液2を加えさらに良く攪拌分散させ、実施例1のサンプルを得た。
微小カプセル水中分散液の代わりにパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを用いた以外は同様にして比較例1のサンプルを得た。
実施例における微小カプセル水中分散液の配合量は、比較例に配合した紫外線吸収剤と同量の紫外線吸収剤を含有する量である。これは、以下の実施例、比較例においても同様である。
また、実施例や比較例中における各成分の配合量はいずれも重量部によるものであり、配合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに括弧書きで固形分濃度を示した。これも、以下の実施例および比較例でも同様である。
【表5】
Figure 0004521792
*合計量を100.0部とするために必要な量の意味である。以下本明細書中において同じ意味で用いる。
得られたリキッドファンデーションのSPF値を分析法3により測定した結果を以下に示す。
【表6】
Figure 0004521792
また、調製直後と3ヶ月後の外観を以下に示す。
【表7】
Figure 0004521792
実施例1のリキッドファンデーションは比較例1より紫外線を防止する効果に優れていた。また、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルが多量に配合されているにもかかわらず、経時的な凝集・分離が起こらず安定性が良好であった。さらに実施例1のリキッドファンデーションは皮膚に塗布したときに油性感が少なく、べたつきが抑えられた。
【0081】
実施例2、比較例2
合成例2で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の固形ファンデーションを得た。
【表8】
Figure 0004521792
得られた固形ファンデーションをオクチルドデカノールでそれぞれ4倍に希釈した試料のSPF値を分析法3により測定しその結果を以下に示す。
【表9】
Figure 0004521792
また、上記調製品を0.5gを手の甲に塗布したときの「肌への密着性」についてパネラー10人で評価を行った結果を以下に示す。
【表10】
Figure 0004521792
実施例2の固形ファンデーションは比較例2に比べて肌への密着性が良好であった。
【0082】
実施例3、比較例3
合成例5で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
【表11】
Figure 0004521792
得られたサンスクリーンローションは少量では均一な塗膜が得られにくかったため、通常の倍量(4μl/cm2)を試験に供した。以下に分析法3により得られたSPF値とUVA透過率(310nmの透過率、以下同じ)とUVB透過率(360nm透過率、以下同じ)を示す。
【表12】
Figure 0004521792
以上の結果から実施例3のサンスクリーンローションは紫外線防止効果に優れていることが明らかになった。
また、調製直後と3ヶ月後の外観を以下に示す。
【表13】
Figure 0004521792
経時変化の観察の結果、実施例3は上記のように活性剤を配合しない処方系においても安定に配合することが可能であった。
【0083】
実施例4、比較例4
合成例5で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のサンスクリーンクリームを得た。
【表14】
Figure 0004521792
*1 アキュリン22(ROHM and HAAS社製)
*2 カーボポール940 (The BF Goodrich Company社製)
得られたサンスクリーンクリームのSPF値とUVA透過率とUVB透過率を以下に示すが、比較例4は調製直後に分離し、不均一であったため、よく攪拌した直後にサンプリングを行い、試験に供した。
【表15】
Figure 0004521792
また、調製直後と3ヶ月後の外観を以下に示す。
【表16】
Figure 0004521792
以上の結果より合成例5の微小カプセルは処方中に容易に配合でき、さらに経時安定性も優れていた。このことより、従来紫外線吸収剤の配合が困難であったような化粧料においても配合が可能になった。
【0084】
実施例5、比較例5
合成例4で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の乳液を得た。
【表17】
Figure 0004521792
得られた乳液のSPF値を分析法3により測定した結果を以下に示す。
【表18】
Figure 0004521792
また、手の甲に上記調製品0.5gを塗布し「べたつき」について10名のパネラーで評価を行った結果を以下に示す。
【表19】
Figure 0004521792
以上の結果より実施例5の乳液は比較例5に比べてべたつきが少なく使用感が優れていた。
【0085】
実施例6、比較例6
合成例1で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のサンスクリーンクリームを得た。
【表20】
Figure 0004521792
得られたサンスクリーンクリームのSPF値を分析法3により測定しその結果を以下に示す。
【表21】
Figure 0004521792
また、調製直後と6ヶ月後の外観を以下に示す。
【表22】
Figure 0004521792
以上の結果より、実施例6は経時安定性に優れ、紫外線吸収剤によるクリーム処方の黄変を防止することが確認された。
【0086】
実施例7、比較例7
合成例2で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のヘアトリートメント(洗い流さないタイプ)を得た。
【表23】
Figure 0004521792
得られたヘアトリートメントのSPF値を分析法3により測定した結果を以下に示す。
【表24】
Figure 0004521792
また、予め洗浄した毛束1gに上記調製品を0.2g塗布し、ドライヤーで乾燥させたときの「指通り」について10名のパネラーで評価を行った結果を以下に示す。
【表25】
Figure 0004521792
実施例7のヘアトリートメントは比較例7に比べて指通りが優れていた。
【0087】
実施例8、比較例8
合成例3で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の口紅を得た。
【表26】
Figure 0004521792
得られた口紅を流動パラフィン#70で2倍に希釈した試料のSPF値を分析法3により測定した値を以下に示す。
【表27】
Figure 0004521792
実施例8の口紅は紫外線防止効果に優れていた。
【0088】
実施例9、比較例9
合成例4で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のクリームを得た。
【表28】
Figure 0004521792
得られたクリームのSPF値を分析法3により測定した値を以下に示す。
【表29】
Figure 0004521792
実施例2のクリームは紫外線防止効果に優れていた。
また、上記調製品の皮膚浸透性を分析法4により測定した結果を以下に示す。
【表30】
Figure 0004521792
実施例9のクリームは配合する紫外線吸収剤の皮膚への浸透が抑えられることが確認された。
【0089】
実施例10、比較例10
合成例6で得られた微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の両用タイプファンデーションを得た。
【表31】
Figure 0004521792
得られた両用タイプファンデーションのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表32】
Figure 0004521792
実施例10の両用タイプファンデーションは比較例10より紫外線を防止する効果に優れていた。
【0090】
実施例11、比較例11
合成例6及び合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のリキッドファンデーション(w/oタイプ)を得た。
【表33】
Figure 0004521792
得られたリキッドファンデーションのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表34】
Figure 0004521792
【0091】
実施例12〜15、比較例12
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
【表35】
Figure 0004521792
得られたサンスクリーンローションのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表36】
Figure 0004521792
また、実施例15と比較例12のサンスクリーンローションを0.5gを手の甲に塗布したときの「白浮き」についてパネラー10人で評価を行った結果を以下に示す。
【表37】
Figure 0004521792
微粒子酸化チタンは紫外線遮蔽の目的でサンスクリーンローション等に添加されるがいわゆる白浮きの問題があった。しかし微粒子酸化チタンの代わりに微小カプセルを用いた実施例15のサンスクリーンローションは比較例12に比べて白浮きが抑えられ紫外線防止効果も優れていた。
【0092】
実施例16、17、比較例13、14
合成例6で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
【表38】
Figure 0004521792
*1 微粒子酸化亜鉛 ZnO−350(住友大阪セメント株式会社製)
*2 ポリメチルメタアクリレート PMMA GMX-0610(日興ケムテック株式会社製)
得られたサンスクリーンローションのSPF値を以下に示す。
【表39】
Figure 0004521792
【0093】
実施例18、19、比較例15、16
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
【表40】
Figure 0004521792
*1 タルク: ソフトタルク(三好化成株式会社製)
*2 シリカ粉体: SPHERICA P-1500 (触媒化成工業株式会社製)
得られたサンスクリーンローションののSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表41】
Figure 0004521792
【0094】
実施例20、比較例17
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のサンスクリーンクリーム(揮発性シリコーン シリコーンレジン配合処方)を得た。
【表42】
Figure 0004521792
*1 セピゲル 305 (SEPPIC社製)
*2 DC593 (東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
得られたサンスクリーンクリームのSPF値とUVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表43】
Figure 0004521792
【0095】
実施例21、比較例18
合成例6で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のエモリエントクリーム(W/O型有機変成粘土鉱物油性ゲル乳化)を得た。
【表44】
Figure 0004521792
得られたエモリエントクリームのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表45】
Figure 0004521792
また、パネラー10名により手の甲に上記調製品0.5gを塗布したときの「べたつき」について評価を行った結果を以下に示す。
【表46】
Figure 0004521792
以上の結果より実施例21のエモリエントクリームは比較例18に比べてべたつきが少なく使用感が優れていた。
【0096】
実施例22、比較例19
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方の固形白粉を得た。
【表47】
Figure 0004521792
得られた固形白粉を流動パラフィンで2倍希釈した試料のSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表48】
Figure 0004521792
【0097】
実施例23、比較例20
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方の乳化タイプ口紅を得た。
【表49】
Figure 0004521792
得られた乳化タイプ口紅のSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表50】
Figure 0004521792
【0098】
実施例24、比較例21
合成例7で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のヘアクリームを得た。
【表51】
Figure 0004521792
*1 カルボキシビニルポリマー:カーボポール941(The BF Goodrich Company製)
*2 キサンタンガム : モナートガムDA(大日本製薬株式会社製)
得られたヘアクリームのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表52】
Figure 0004521792
実施例24のヘアクリームは紫外線防止効果に優れていた。
【0099】
実施例25、比較例22
合成例6で得られた微小カプセル水中分散液を用い、実施例1、比較例1と類似の製法により下記の処方のシャンプーを得た。
【表53】
Figure 0004521792
*1 Ucare Polymer JR-400 (ユニオン・カーバイド社製)
得られたシャンプーのSPF値、UVA透過率とUVB透過率を以下に示す。
【表54】
Figure 0004521792
実施例25のシャンプーは紫外線防止効果に優れていた。
また、パネラー10名でハーフヘッドで試験をし「泡立ち」について評価を行った。
【表55】
Figure 0004521792
以上の結果より実施例25のシャンプーは比較例22に比べて泡立ちが良く洗浄力に優れていた。
【0100】
実施例26、比較例23
次の製法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
パラオキシ安息香酸メチル及びパラオキシ安息香酸プロピルを1,3-ブチレングリコールに溶解し、これに、別にトレハロースを精製水の一部で溶解したものを加え混合する。更にカルボキシビニルポリマーを添加して撹拌し,水酸化ナトリウム(25%)によりpH7.0に調製する。このようにして得られた調整液に合成例7で得られた微小カプセル水中分散液(実施例26の場合)またはp-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルおよび4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン(比較例23の場合)を添加し、精製水の残量を加えて全量を100%とする。ホモミキサーで均一になるまで撹拌し,製品とする。
【表56】
Figure 0004521792
*1 カーボポール941(The BF Goodrich Co.製)
得られたサンスクリーンローションのSPF値を以下に示す。
【表57】
Figure 0004521792
実施例26のサンスクリーンローションは紫外線防止効果に優れていた。
【0101】
合成例8
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシラン加水分解共重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするレチノールとイソステアリン酸イソプロピル混合溶液のカプセル(ビタミンA内包カプセル)の製造。
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
内径12cm、容量2リットルの丸底円形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10gと18%塩酸3.5gを入れておき、メチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)23.9gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−137)7.5gの混合物を滴下ロートから滴下し50℃で4時間撹拌する。次に撹拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液3.0gを滴下し、pHを6.2にした。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を600rpmで撹拌しながら2%レチノール(BASF CORPORATION製、Retinol 50C LIQUID)のイソステアリン酸イソプロピル(株式会社成和化成製マットルーブII)溶液224.4gを滴下した。
3)微粒子化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで90分間ホモミキサーにかけて、微粒子化した。その後もとの反応容器に戻し、50℃、250rpmで15時間攪拌後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒子化した。
4)凝集防止と壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液を50℃、250rpmで撹拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)1.0gを加え、更に250rpmで1時間撹拌した後、20%水酸化ナトリウム水溶液2.0gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ、還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、更に150rpmで撹拌しながら3時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで撹拌しながら冷却して内包済み微少カプセルを得た。
粒径 主に5μ以下だが、大きなものも存在する。
水を除いた成分は、60.73%であった。
【0102】
合成例9
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン、ヘキシルトリメトキシシランおよびフェニルトリエトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるオルガノポリシロキサンを壁膜とするW/O型内包済み微小カプセル(ビタミンC内包カプセル)の製造
1)プレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水81gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(加水分解コラーゲンの分子量は数平均分子量で約400)9gおよび18%塩酸4.3gを入れておき、50℃で攪拌しながらヘキシルトリメトキシシラン71.6gとフェニルトリエトキシシラン16.7gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で6時間攪拌した後、攪拌を続けながら25%水酸化ナトリウム水溶液3.5gを滴下し、pHを7.0にした後、50℃で1時間攪拌した。
2)油相の添加と反転乳化
1)で調製した反応液を600rpmで攪拌しながらトルエン150mlと36%L−アスコルビン酸水溶液を34.4gを加え、さらに、600rpmで4時間攪拌を続け、その後50%の水を留去した。
3)微粒子化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。
4)凝集防止と壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、600rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン3gを加えた後、直ちに25%水酸化ナトリウム水溶液4.4gを滴下し、600rpmで攪拌しながら徐々に反応液の温度を上げて還流させながら85%の水を留去した。さらに150rpmで攪拌しながら6時間加熱還流させた。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して内包済み微小カプセルを得た。
直径0.3〜5μm、主に1〜2μmのカプセルのトルエン中分散液として216gが得られた。
【0103】
合成例10
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン、メチルトリエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシラン加水分解共重合体からなるポリシロキサンを壁膜とするトコフェロールとイソステアリン酸イソプロピルの混合溶液のカプセル(ビタミンE内包カプセル)の製造。
1)カプセル壁膜のプレポリマーの調製
内径12cm、容量2リットルの丸底円形ガラス製反応容器に、あらかじめ水90gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3'―トリヒドロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解セリシン(加水分解セリシンの分子量は数平均分子量で約2000)10gと18%塩酸3.5gを入れておき、メチルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製KBE−13)23.9gとオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−137)7.5gの混合物を滴下ロートから滴下し50℃で4時間撹拌する。
次に撹拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液3.0gを滴下し、pHを6.2にした。
2)芯物質の添加と乳化
1)で調製した反応液を600rpmで撹拌しながら10%トコフェロール(ロシュ・ビタミン・ジャパン製dl−α―トコフェロール)のイソステアリン酸イソプロピル(株式会社成和化成製マットルーブII)溶液224.4gを加えた。
3)微粒子化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで90分間ホモミキサーにかけて、微粒子化した。その後もとの反応容器に戻し、50℃、250rpmで15時間攪拌後、再度ホモミキサーの容器に移して、50℃、8000rpmで60分間ホモミキサーにかけて、微粒子化した。
4)凝集防止と壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液を50℃、250rpmで撹拌しながらトリメチルクロロシラン(信越シリコーン社製KA−31)1.0gを加え、更に250rpmで1時間撹拌した後、20%水酸化ナトリウム水溶液2.0gを滴下した。反応液の温度を徐々に上げ、還流させた。アルコールを含む蒸気を留去し、更に150rpmで撹拌しながら3時間加熱還流した。この反応液を室温で150rpmで撹拌しながら冷却して内包済み微少カプセルを得た。
粒径 主に10〜15μだが、大きなものも存在する。
水を除いた成分は、71.44%であった。
【0104】
合成例11
N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン、ジメチルジエトキシシランおよびヘキシルトリメトキシシランの加水分解物共縮重合体からなるオルガノポリシロキサンを壁膜とするW/O型の2−リン酸−L−アスコルビルマグネシウム内包済み微小カプセル(ビタミンC内包カプセル)の製造
1)プレポリマーの調製
上蓋に滴下ロートと還流冷却器を備え、メカニカルスターラを備えた内径12cm、容量2リットルの丸底円筒形ガラス製反応容器に、あらかじめ水81gとN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(加水分解コラーゲンの分子量は数平均分子量で約400)9gおよび18%塩酸8gを入れておき、50℃で攪拌しながらジメチルジエトキシシラン20.6gとヘキシルトリメトキシシラン57.3gの混合物を滴下ロートから滴下した。
さらに、50℃で6時間攪拌した後、攪拌を続けながら25%水酸化ナトリウム水溶液6.3gを滴下し、pHを7.0にした後、50℃で1時間攪拌した。
2)油相の添加と反転乳化
1)で調製した反応液を600rpmで攪拌しながら、ジイソブチルアジペートを235g及び2−リン酸−L−アスコルビルマグネシウムの10%水溶液106gを加え、さらに、600rpmで4時間攪拌を続けた。
3)微粒化
2)で調製した反応液をホモミキサーの容器に移して、50℃、6000rpmで90分間ホモミキサーにかけて、微粒化した。その後、ほとんどの水を40℃、減圧で留去し、さらに常圧の加熱で残りの水を留去した
4)凝集防止と壁膜の硬化処理
3)で調製した反応液を元の反応容器で50℃、600rpmで攪拌しながらトリメチルクロロシラン3gを加えた後、直ちに25%水酸化ナトリウム水溶液4.4gを滴下し、600rpmで攪拌しながら徐々に反応液の温度を上げて還流させながら85%の水を留去した。さらに150rpmで攪拌しながら6時間加熱還流させた。この反応液を室温で150rpmで攪拌しながら冷却して内包済み微小カプセルを得た。
直径0.3〜5μm、主に1〜2μmのカプセルのジイソブチルアジペート中分散液として324gが得られた。
【0105】
実施例27、比較例24
合成例10で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のフェイスクリームを得た。
【表58】
Figure 0004521792
比較例24に比べて実施例27は塗布時の油性感が強い。調製後40℃保存1ヶ月で様相の変化なし。
実施例28、比較例25
合成例8で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の乳液を得た。
【表59】
Figure 0004521792
比較例25は常温保存で調製後約2週間で分離。比較例25がわずかに黄色みをおびている。実施例28は、乾燥後の油性感は比較例25より少なく自然な感触になった。
【0106】
実施例29、比較例26、27
合成例10で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のパック(ピールオフタイプ)を得た。
【表60】
Figure 0004521792
調製後常温保存約1週間で比較例27は分離した。実施例29はわずかに黄色みを帯び粘度が高い、比較例26はやや赤味を帯び流動する程度の粘度。比較例27がもっとも白い。
比較例26は膜が堅く皮膚からはがしにくく、皮膚にかさつきをもたらした。一方、実施例29は柔らかくしなやかな膜を形成し、皮膚からの剥離が容易で皮膚にしっとりとした良好な感触を残した。比較例27も柔軟な膜を形成し剥離しやすかったが、皮膚表面にかなり油分が残り使用感が悪かった。
【0107】
実施例30、比較例28
合成例8で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方の美容液を得た。
【表61】
Figure 0004521792
実施例30、比較例28ともに調製後常温保存約1週間で様相は変化なし。明らかに実施例30より比較例28が黄色味とにおいがつよかった。塗布感は比較例28にぬるっとした感触があり不快。実施例30はぬるみが少なくさらっとした感触が得られる。
【0108】
実施例31、比較例29
合成例11で得られた内包済微小カプセル水中分散液を用い、常法により下記の処方のサンスクリーンローションを得た。
【表62】
Figure 0004521792
実施例31及び比較例29とも均一なローション状。一般にアスコルビン酸誘導体と酸化チタンを併用すると、製剤が着色することが知られているが、上記サンスクリーンローション処方では調製直後から実施例31のほうが比較例29より白く、実施例31の方が製品として優れていた。また、1ヶ月後に様相を確認したところ、比較例29は上部に水が分離していたのに対し、実施例31では分離はなく、実施例31が経時安定性に優れていた。

Claims (8)

  1. 一般構造式(II)
    RnSi(OH)mY(4−m−n) (II)
    [式中、mは1から4の整数、nは0から3の整数で、m+n≦4である。Rは炭素原子が珪素原子に直接結合する有機基であり、n個のRは同じでも異なっていてもよい。Yは、アルコキシ基、水素およびシロキシ基よりなる群から選ばれる基であり、(4−m−n)個のYは同じでも異なっていてもよい。]で示される化合物群の中から選ばれる1種又は数種の化合物であって、
    (1)その中の少なくとも1種の化合物はm=2または3であり、かつ
    (2)少なくとも1種の化合物は、数平均分子量200〜5000のポリペプタイドを有するRを少なくとも1個有する、もの(化合物(B))を縮重合して合成したオルガノポリシロキサンを壁膜とする内包済微小カプセルを配合した化粧料。
  2. 一般構造式(II)で示される化合物群の中から選ばれる1種または数種の化合物(化合物(B))が、次の一般構造式(I)
    RnSiX(4−n) (I)
    [式中、nは0から3の整数である。Rは炭素原子が珪素原子に直接結合する有機基であり、n個のRは同じでも異なっていてもよい。Xは水酸基、水素、アルコキシ基、ハロゲン基およびシロキシ基よりなる群から選ばれる基であり、(4−n)個のXは同じでも異なっていてもよい。]で示される化合物群の中から選ばれる1種または数種の化合物であって、少なくとも1種の化合物は、数平均分子量200〜5000のポリペプタイドを有するRを少なくとも1個有するもの(化合物(A))の加水分解物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. 内包済微小カプセルに紫外線吸収剤が内包されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧料。
  4. 紫外線吸収剤が、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノンー5−スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンースルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノー2−エチルヘキサン酸グリセリル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2'−ヒドロキシー5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル及びオクチルトリアゾンの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の化粧料。
  5. 内包済微小カプセルにビタミン類が内包されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧料。
  6. ビタミン類が、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム、ビスベンチアミン、メチルメチオニンスルホニウムクロリドなどのビタミン類またはその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の化粧料。
  7. 毛髪用であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化粧料。
  8. 皮膚用であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化粧料。
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