以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用システム1,1は、図1に示すように、遊技用装置(玉貸ユニット20,20’)において遊技媒体(パチンコ玉)の貸与に使用される残額を、記録媒体(ビジタコイン5)を個々に識別可能な記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対応付けて管理装置50,50’で管理(いわゆる完全ID管理)し、該管理装置50,50’と通信可能状態(オンライン状態)にある遊技用装置で記録媒体を受け付けたときには、該記録媒体に残額を記録することなく排出する一方、該管理装置50,50’と通信不可能状態(オフライン状態)にある遊技用装置で貨幣を受け付けたときにも、貸与処理(玉貸処理)を可能とすると共に、該通信不可能状態に限って、貸与処理に使用されなかった入金残額を前記記録媒体に記録して排出するものであり、特に該入金残額が記録された記録媒体を通信不可能状態にある遊技用装置に挿入(受付)して貸与処理を行った結果として当該入金残額が零になったときにも、管理残額が有る記録媒体を遊技者に確実に返却できる一方で、管理残額が無く本来返却する必要のない記録媒体の無駄な返却を防止できるようにすることを特徴とするものである。
この遊技用システム1,1’は、上記のような完全ID管理を採用したことにより、記録媒体には遊技媒体の貸与に使用される残額を記録しないので、残額が改ざんされるおそれはなく、セキュリティを担保できて、記録媒体のコストを下げることができる。即ち、例えば記録媒体がICカードやICコインである場合において、該記録媒体に残額を記録してセキュリティを担保しようとすれば、該記録媒体にCPUを搭載して記録残額の管理を行う必要があるが、本発明の如く記録媒体に残額を記録しないのであれば、該記録媒体にCPUを搭載しなくても良いので、記録媒体のコストを下げることができる。また記録媒体にCPUを搭載すると、該CPUとの間で情報のやりとりを行うために、遊技用装置側の制御プログラムが複雑になるので、システムの設計コストが高くなるが、記録媒体にCPUを搭載しないのであれば、該制御プログラムは複雑にならずに済むので、システムの設計コストを低くすることができる。
また遊技用システム1,1’には、図11〜図13に示すように、前記残額の管理を行う管理装置50,50’と通信可能な遊技用装置(玉貸ユニット20,20’)において、該管理装置50,50’で管理されている残額である管理残額を使用して遊技媒体を貸与する記録媒体貸与処理を行う際に、当該管理残額から該貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額(例えば消費税額)を減算すると共に、管理装置50,50’と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)で貨幣を受け付けたときに、受付貨幣額から税込単位額(例えば105円)の整数倍に相当する貸与対象額を特定して、遊技者の操作によることなく、該貸与対象額分の貨幣貸与処理(いわゆる一発貸し)を行うものが含まれる。
従来より、特開2002−123651号公報(図11〜図13,段落0040,0042)に示すように、パチンコ機に対応して設けられる玉貸機(本願の遊技用装置に相当)において、有価価値データ(本願の残額に相当)を特定可能な有価価値特定情報が記録されたカード(本願の記録媒体に相当)を受け付けて、該受け付けたカードに記録されている有価価値特定情報から特定される有価価値データを使用してパチンコ玉を貸与する貸与処理を行う際に、例えば500円分のパチンコ玉をパチンコ機から貸与する一方で、該パチンコ玉の貸与に使用された使用額である500円及び該使用額に対応する消費税額である25円(消費税率が5%の場合)を前記カードの有価価値データから減算する、即ち「貸与処理に使用された使用額に対応する消費税額を徴収」するシステムが知られている。ここで消費税は間接税の一例であって、遊技場において提供される遊技サービスに対して課税されるものである。
また、特開2005−13465号公報(図15,段落0053,0099)に示すように、管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに、受付貨幣額を一旦記憶した後に減算して(即ち受付貨幣額のすべてを使用して)、遊技者の操作によることなく、該受付貨幣額分の遊技媒体を貸与する、いわゆる「一発貸し」を行うシステムも知られている。
しかしながら、前記完全ID管理のシステムにおいて、貸与処理に使用された使用額に対応する間接税額を徴収し、かつ管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに一発貸しを行うと、予め定められた一単位である単位使用額(例えば100円)と該単位使用額に対応する間接税額(税率が5%の場合には5円)との合算額である税込単位額(即ち105円)未満の端数額が発生する。具体的には、1000円を受け付けて一発貸しを行うと、税込単位額である105円の9倍分の遊技媒体が貸与される一方、55円の端数額が発生する。この端数額を処理するためには、前記遊技用装置に、該端数額に相当する貨幣を払い出すための釣銭払出機能や、低額貨幣の追加入金を受け付けて該端数額が税込単位額に達するようにするための追加入金機能を設ける必要があり、遊技用装置のコストが上昇するという問題点がある。
この遊技用システム1,1’は、完全ID管理のシステムにおいて、貸与処理に使用された使用額に対応する間接税額を徴収し、かつ管理装置と通信できない通信不可能状態で遊技用装置が貨幣を受け付けたときに一発貸しを行うようにしても、該一発貸しによって発生する端数額を記録媒体に記録して排出し、該端数額の精算が可能であることを特徴とするものである。これにより、該端数額を処理するための釣銭払出機能や追加入金機能を遊技用装置に設ける必要がないので、遊技用装置のコストが上昇することがないような遊技用システム1,1’を提供することができるのである。
また遊技用システム1,1’には、図25〜図27に示すように、管理装置50,50’と通信できない通信不可能状態(オフライン状態)で貨幣を受け付けたときに、玉貸操作により玉貸処理を行うものも含まれる。
以下においては、遊技機がパチンコ機10であり、遊技媒体がパチンコ玉であり、貸与処理が玉貸処理である例について説明する。また、以下においては、間接税が、既に導入されている消費税である例について説明するが、該間接税は、今後導入の可能性もあり得る遊技税等であっても良い。ここで消費税率は、この例では5%であり、会員カード4やビジタコイン5を発行するカード会社で設定されて、遊技場に設けられた管理装置50,50’に対して配信され、玉貸ユニット20,20’に対して配信されて記憶される。さらに、以下においては、使用額及び該使用額に対応する消費税額を「使用額+消費税額」,リーダ/ライタを「R/W」,データベースを「DB」,ステップSを「S」と略記する。
また遊技用システム1,1’は、管理装置50,50’の破損又は故障等により、該管理装置50,50’で管理している残額が失われても、該残額を復帰可能なことを特徴とするものである。即ち、上記の完全ID管理において、例えば管理装置50,50’の破損又は故障等により、該管理装置50,50’で管理している残額が失われてしまうと、該残額を復帰できないという問題があったが、この遊技用システム1,1’では、管理装置50,50’において、各遊技用装置から送信されてきた処理履歴に基づいて、各記録媒体識別情報毎に、当該記録媒体識別情報の記録媒体に係わる最後の処理を特定すると共に、該最後の処理に対応する残額を特定する最後残額特定処理が行われ、該特定された残額が新たな残額として管理されるので、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、管理装置50,50’で管理している残額が失われても、該残額を復帰して、遊技者に対して該残額を保証することができるのである。
ここで遊技用システムには、図7に示すように、記録媒体に係わる最後の処理を特定するための最後処理特定情報が「処理日時」であり、精算装置での精算が可能な精算可能期間及び遊技用装置で残額の使用が可能な使用可能期間(以下「精算可能期間及び使用可能期間」を「有効期間」と総称する。)が無期限であり、玉貸ユニット20が処理履歴として記録媒体の排出の履歴を記憶し、該処理履歴が各記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対して1つのみ記憶されると共に、バックアップ情報を記憶するセンタ管理装置80を備える、第1実施形態に係る遊技用システム1(図1を参照)が含まれる。
また遊技用システムには、図18に示すように、前記最後処理特定情報が「通番」であり、前記有効期間が当日中であり、玉貸ユニット20’が処理履歴として記録媒体の受付,玉貸処理,及び入金の履歴を記憶し、該処理履歴が各記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対して複数記憶されると共に、前記センタ管理装置80を備えない、第2実施形態に係る遊技用システム1’(図1を参照)が含まれる。
以下においては、まずオフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第1実施形態に係る遊技用システム1について説明し、次にオフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第2実施形態に係る遊技用システム1’について、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、次にオフライン状態で玉貸操作により玉貸処理を行う遊技用装置を備える第1実施形態又は第2実施形態に係る遊技用システム1,1’について、オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備えるものと異なる点についてのみ説明し、最後に変形例について説明する。
[1.オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第1実施形態に係る遊技用システム1]
まず、図1〜図7を参照して、オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第1実施形態に係る遊技用システム1の構成について説明する。この遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられる玉貸ユニット20と、該玉貸ユニット20と通信可能な管理装置50と、該管理装置50と通信可能な精算装置60及びビジタコイン発行装置70を遊技場内に備えると共に、前記管理装置50と通信可能なセンタ管理装置80を遊技場外に備える。
この遊技用システム1では、紙幣2,硬貨3,会員カード4,及びビジタコイン5が使用される。紙幣2は貨幣の一例であって、図2(b)に示すように、ここでは1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類が使用される。硬貨3も貨幣の一例であって、図2(b)に示すように、ここでは500円硬貨,及び100円硬貨の2種類が使用される。
会員カード4は記録媒体の一例であって、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報である記録媒体IDとして、カードIDが記録されている。ここで会員カード4の記録媒体IDは、例えば図7(a)に示すように、会員遊技者=メンバーを示すMで始まる4桁の番号である。この遊技用システム1では完全ID管理が採用されているので、該会員カード4には、パチンコ玉の貸与に使用される残額(後述する単位使用額である100円に、対応する消費税額である5円を加算した105円以上の金額)は記録されないが、前記一発貸しによって発生する端数額(後述する単位使用額である100円に、対応する消費税額である5円を加算した105円未満の金額)が記録される。
この会員カード4は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、記録媒体ID,及び端数額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。この会員カード4は、会員登録を行った遊技者に対して発行されるものである。
このようにして発行された会員カード4を、遊技者が玉貸ユニット20のカード挿入口24aから挿入することにより、該会員カード4の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額を遊技媒体の貸与に使用可能となり、遊技者が精算装置60のカード挿入口64aから挿入することにより、該会員カード4の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額,及び該会員カード4に端数額が記録されている場合には当該端数額を精算可能となる。
なお、以下において、「ビジタ」とは、会員カード4を所持していない遊技者,あるいは会員カード4を所持していても使用しない遊技者を意味する。従って、会員カード4の発行を受けた会員遊技者であっても、会員カード4を所持していない(会員カード4を忘れてきた等)場合や、会員カード4を所持していても使用しない場合には、ビジタとなる。
ビジタコイン5は記録媒体の一例であって、該記録媒体を個々に識別可能な記録媒体識別情報である記録媒体IDとして、コインIDが記録されている。またビジタコイン5は円盤状記録媒体の一例でもあって、パチンコ玉の貸与に使用される残額を特定可能な残額特定情報が記録されるものであり、ここでは記録媒体IDが残額特定情報に相当する。ここでビジタコイン5の記録媒体IDは、例えば図7(a)に示すように、会員以外の遊技者=ビジタを示すVで始まる4桁の番号である。この遊技用システム1では完全ID管理が採用されているので、該ビジタコイン5にも、パチンコ玉の貸与に使用される残額(後述する単位使用額である100円に、対応する消費税額である5円を加算した105円以上の金額)は記録されないが、前記一発貸しによって発生する端数額(後述する単位使用額である100円に、対応する消費税額である5円を加算した105円未満の金額)が記録される。
またビジタコイン5には、該ビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理されている残額である管理残額が零でない旨を示す管理残額有り情報として、オンライン残額有りフラグも記録される。具体的には、例えば図8の左側に示す表のように、ビジタコイン5の管理残額が零であるときには、オンライン残額無しフラグである0が記録され、ビジタコイン5の管理残額が零でないときには、オンライン残額有りフラグである1が記録される。
このビジタコイン5は、円盤状を呈するプラスチック製のコインにおける所定の部位に、記録媒体ID,端数額,及びオンライン残額有りフラグ等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICコインである。このビジタコイン5は、予め記録媒体IDが記録されている一方、端数額及びオンライン残額有りフラグが記録されていない状態でカード会社から遊技場に納入されて、玉貸ユニット20の後述するコイン収納部27a,又はビジタコイン発行装置70の後述するコインストッカ75bに収納される。
そして図8に示すように、管理装置50と通信可能状態(オンライン状態)にある玉貸ユニット20において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で貨幣を受け付けた後、遊技者から排出操作(後述する返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、受付貨幣額のうちの玉貸処理に使用されていない残額が零でないことを条件として、オンライン残額有りフラグが記録されたビジタコイン5が発行(排出)される。
また図11に示すように、管理装置50と通信不可能状態(オフライン状態)にある玉貸ユニット20において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で貨幣を受け付けた後、遊技者から排出操作(後述する返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、受付貨幣額のうちの玉貸処理に使用されていない残額が零でないことを条件として、端数額が記録された(オンライン残額有りフラグが記録されていない)ビジタコイン5が発行(排出)される。
さらに図15に示すように、管理装置50と通信可能状態(オンライン状態)にあるビジタコイン発行装置70において、貨幣を受け付けた後、遊技者から発行額の選択を受け付けたことに基づいて、後述する記録媒体発行処理が行われて、オンライン残額有りフラグが記録されたビジタコイン5が発行される。
このようにして発行されたビジタコイン5を、遊技者が玉貸ユニット20のコイン投入口25から投入することにより、該ビジタコイン5の管理残額を遊技媒体の貸与に使用可能となり、遊技者が精算装置60のコイン投入口65aから投入することにより、該ビジタコイン5の管理残額,及び該ビジタコイン5に端数額が記録されている場合には当該端数額を精算可能となる。
玉貸ユニット20に対応して設けられるパチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応する玉貸ユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場に配置された遊技島(図示外)において該パチンコ機10の機種等に従って設置されている。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸ユニット20の後述する玉貸通信部21aと通信可能に接続され、後述する玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10と玉貸ユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸し出されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。ここで残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16は、パチンコ機10の前面に配置されているものであるが、前記払出制御基板12を介して玉貸ユニット20と通信可能に接続されているため、玉貸ユニット20に属するものである。
残度数表示器14は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額を税込単位額で除算した商の整数部分を残度数として表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器である。ここで税込単位額は、残額をパチンコ玉の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額と該単位使用額に対応する消費税額との合算額である。例えば単位使用額が100円であり、消費税率が5%の場合には、税込単位額は105円であり、該105円が1度数となる。
玉貸ボタン15は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額を使用した玉貸操作を遊技者から受け付けるボタンである。返却ボタン16は、後述するカード保持部24Pで保持されている会員カード4,後述する投入コイン保持部26Pで保持されているビジタコイン5,又は後述する収納コイン保持部27Pで保持されているビジタコイン5の返却操作を遊技者から受け付けるボタンである。
玉貸ユニット20は遊技用装置の一例であって、パチンコ機10に対応して設けられ、パチンコ玉を貸与するための貸与処理(玉貸処理)として、後述する記録媒体貸与処理,貨幣貸与処理,及び入金残額貸与処理を行うものである。
この玉貸ユニット20は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ29,紙幣挿入口22a,硬貨投入口23a,硬貨返却ボタン23e,残額表示器30,硬貨返却口23f,コイン投入口25,コイン返却口27,及びカード挿入口24a等を備え、図2(b)及び図2(c)に示すように、その内部に紙幣識別機22,制御部21,玉貸通信部21a,外部通信部21b,硬貨識別機23,投入コイン保持部26P(図示外)に対応する上部アンテナ26,投入コイン返却通路26d,コイン収納部27a,収納コイン保持部27P(図示外)とカード保持部24Pに対応する下部アンテナ27,収納コイン返却通路27d,及び記録媒体R/W24等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。この玉貸ユニット20は、ユニットIDにより、各玉貸ユニット20を個々に識別可能とされている。
制御部21は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸ユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部21のRAMは、管理装置50とオンライン状態では、管理装置50で管理されている残額(即ち管理残額)を含む残額通知が送信されてきたことに基づいて該残額を記憶し、管理装置50とオフライン状態では、後述する特定手段(制御部21)により特定された貸与対象額を記憶するものである。また制御部21のRAMは端数額記憶手段の一例であって、後述する特定手段(制御部21)により特定された端数額を記憶するものである。この制御部21の他の機能については後述する。
制御部21には、玉貸通信部21aと外部通信部21bが設けられている。玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。外部通信部21bは、管理装置50の後述する通信部51と通信可能に接続されており、玉貸ユニット20と管理装置50との間における通信を司るものである。この外部通信部21bは、後述する通信可否検知手段(制御部21)により通信可能状態(オンライン状態)を検知しているときに、以下のような処理を行う。
即ち外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに貨幣を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDと受付貨幣額とを含む入金要求を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で貨幣を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で貨幣を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で貨幣を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDと受付貨幣額とを含む入金要求を送信する。即ち入金要求には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この入金要求を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、該管理装置50から、入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、ここでは管理されている残額を含む残額通知が返信されてくる。
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに玉貸操作(玉貸ボタン15の操作)を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で玉貸操作を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で玉貸操作を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で玉貸操作を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知を送信する。即ち玉貸通知には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この玉貸通知を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われ、該管理装置50から、減算処理が完了した旨を示す減算完了通知が返信されてくる。
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに返却操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、記録媒体IDを含む返却通知を管理装置50に対して送信する。具体的には、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けていない状態で返却操作を受け付けたときには、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインIDを含む返却通知を送信し、会員カード4の挿入を受け付けている状態で返却操作を受け付けたときには、カード保持部24Pで保持している該会員カード4のカードIDを含む返却通知を送信し、ビジタコイン5の投入を受け付けている状態で返却操作を受け付けたときには、投入コイン保持部26Pで保持している該ビジタコイン5のコインIDを含む返却通知を送信する。即ち返却通知には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のコインID,カード保持部24Pで保持している会員カード4のカードID,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のコインIDのいずれかが、記録媒体IDとして含まれる。この返却通知を受信した管理装置50からは、返却許諾通知が返信されてくる。
また外部通信部21bは、オンライン状態を検知しているときに後述する第1の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDを含む残額取得要求を管理装置50に対して送信する。この残額取得要求を受信した管理装置50からは、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額(即ち管理残額)を含む残額通知が返信されてくる。
また外部通信部21bは端数額加算更新要求送信手段の一例であって、オンライン状態を検知しているときに後述する第2の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDと端数額とを含む端数額加算更新要求を管理装置50に対して送信する。この端数額加算更新要求を受信した管理装置50では、後述する端数額加算更新処理手段(制御部52)により、該端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額(即ち管理残額)に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理が行われ、該管理装置50から、端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算更新完了通知として、ここでは加算更新後の残額を含む残額通知が返信されてくる。
さらに外部通信部21bは処理履歴送信手段の一例であって、管理装置50から送信されてくる処理履歴送信要求に応じて、後述する処理履歴記憶手段である処理履歴DB(図7(a)を参照)で記憶している処理履歴を管理装置50に対して送信するものである(図17のS1013を参照)。
なお外部通信部21bから送信される情報(要求や通知)には前記ユニットIDが含まれるので、管理装置50では、該情報と共に受信したユニットIDに基づいて、該情報の送信元である玉貸ユニット20を特定可能である。
紙幣識別機22は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、紙幣挿入口22aから前記4種類の紙幣2の挿入を受け付けて、該受け付けた紙幣2の真贋及び金種を識別する識別機である。なお紙幣識別機22により受け付けられた紙幣2は、紙幣通路22bを通じて玉貸ユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。
硬貨識別機23も貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、硬貨投入口23aから前記2種類の硬貨3の投入を受け付けて、硬貨通路23bを通じて落下してきた硬貨3の真贋及び金種を識別する識別機である。なお硬貨識別機23により受け付けられた硬貨3も、硬貨通路23cを通じて玉貸ユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。硬貨返却ボタン23eは、硬貨識別機23や硬貨通路23bにおいて詰まった硬貨3の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン23eが押下されると、該詰まった硬貨3が硬貨通路23dを通じて硬貨返却口23fに戻る。
これら貨幣受付手段においては、管理装置50とオンライン状態では、すべての種類の貨幣を受付可能であるが、管理装置50とオフライン状態では、1000円以下の貨幣のみを受付可能である。
記録媒体R/W24は、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録情報を読み取ると共に記録媒体に対して情報を書き込むものである。この記録媒体R/W24は、前記ICカードである会員カード4及び前記ICコインであるビジタコイン5に対応したICリーダ/ライタであり、投入コイン保持部26Pに対応する上部アンテナ26と、収納コイン保持部27P及びカード保持部24Pに対応する下部アンテナ27とを備えている。これにより、コイン投入口25から投入されて投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対しては、上部アンテナ26を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。また、コイン収納部27aから排出されて収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対しては、下部アンテナ27を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。さらに、カード挿入口24aから挿入されてカード保持部24Pで保持している会員カード4に対しても、下部アンテナ27を介して情報の読み取り及び書き込みを行う。
次に図2〜図4を参照して、ビジタコイン5の取扱構造について説明する。このビジタコイン5の取扱構造には、コイン投入口25,投入コイン保持部26P,コイン収納部27a,収納コイン保持部27P,コイン返却口28,投入コイン返却通路26d,収納コイン返却通路27d,上部アンテナ26,及び下部アンテナ27が含まれる。
コイン投入口25は記録媒体投入口の一例であって、ビジタコイン5の投入を外部から受け付ける部位であり、ここでは図2(a)(b)に示すように、玉貸ユニット20の前面に形成された縦長の孔である。
投入コイン保持部26Pは第1の保持部の一例であって、コイン投入口25から投入されたビジタコイン5(以下「投入コイン」ともいう。)を保持する部位であり、ここでは図3に示すように、コイン投入口25から後方に向けて傾斜して配置された投入コイン誘導通路26aにおいて、該投入コイン誘導通路26aの終端部分が第1の投入コインストッパ26b及び第2の投入コインストッパ26cにより区画された部位である。この投入コイン保持部26Pでは、コイン投入口25から投入されて投入コイン誘導通路26aを自重により転動してきたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第1の投入コインストッパ26b及び第2の投入コインストッパ26cに堰き止められて保持される。
ここで第1の投入コインストッパ26bは、投入コイン保持部26Pと該投入コイン保持部26Pの後方に連通するコイン収納部27aとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、投入コイン保持部26Pとコイン収納部27aとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第1の投入コインストッパ26aは、通常は閉鎖状態であるが、前記投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額(即ち制御部21のRAMで記憶している残額)が零になると開放状態になり、投入コイン保持部26Pで保持していたビジタコイン5が自重により転動して、コイン収納部27aに収納される。
また第2の投入コインストッパ26cは、投入コイン保持部26Pと該投入コイン保持部26Pの下方に連通する投入コイン返却通路26dとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、投入コイン保持部26Pと投入コイン返却通路26dとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第2の投入コインストッパ26cは、通常は閉鎖状態であるが、投入コイン保持部26Pでビジタコイン5を保持しているときに遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けると開放状態になり、該投入コイン保持部26Pで保持していたビジタコイン5が投入コイン返却通路26dを自重により落下及び転動して、コイン返却口28に返却される。
コイン収納部27aは記録媒体収納部の一例であって、投入コイン保持部26Pに連通し、ビジタコイン5を一列に並べて収納する部位であり、ここでは図3に示すように、投入コイン保持部26Pから後方に向けて傾斜し、途中で下方に向けて鉛直に屈曲し、さらに途中で後方に向けて半円弧状に屈曲して配置された通路において、該通路の終端部分に設けられた第1の収納コインストッパ27bにより区画された部位である。このコイン収納部27aでは、遊技場の営業開始前に予めコイン投入口25から投入されたビジタコイン5,及び遊技場の営業中に第1の投入コインストッパ26bが開放状態となって投入コイン保持部26Pにおける保持が解除されたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第1の収納コインストッパに堰き止められて、一列に並べて収納される。ここで「一列に並べて」とは、ビジタコイン5の面同士ではなく円周同士が接するように並べての意味である。ここでのコイン収納部27aは、7枚のビジタコイン5を収納可能である。
ここで第1の収納コインストッパ27bは、コイン収納部27aと該コイン収納部27aの前方に連通する収納コイン保持部27Pとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、コイン収納部27aと収納コイン保持部27Pとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第1の収納コインストッパ27bは、通常は閉鎖状態であるが、次に述べる収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が外部に返却されると開放状態になり、コイン収納部27aに収納されているビジタコイン5が自重により転動して、収納コイン保持部27Pに排出される。従って該収納コイン保持部27Pには、常にビジタコイン5が保持された状態となる。
収納コイン保持部27Pは第2の保持部の一例であって、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5(以下「収納コイン」ともいう。)を保持する部位であり、ここでは図3に示すように、コイン収納部27aの終端側から前方に向けて傾斜して配置された収納コイン返却通路27dにおいて、該収納コイン返却通路27dの始端部分が第2の収納コインストッパ27cにより区画された部位である。この収納コイン保持部27Pでは、第1の収納コインストッパ27bが開放状態となってコイン収納部27aから排出されたビジタコイン5が、閉鎖状態にある第2の収納コインストッパ27cに堰き止められて保持される。
ここで第2の収納コインストッパ27cは、収納コイン保持部27Pと該収納コイン保持部27Pの前方に連通する収納コイン返却通路27dとの間に形成されるストッパであり、制御部21の制御によって(図1を参照)スライド又は回転することにより、収納コイン保持部27Pと収納コイン返却通路27dとの間を閉鎖状態にしたり開放状態にしたりするものである。この第2の収納コインストッパ27cは、常時は閉鎖状態であるが、投入コイン保持部26Pでビジタコイン5を保持していないときに遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けると開放状態になり、収納コイン保持部27Pで保持していたビジタコイン5が収納コイン返却通路27dを自重により転動して、コイン返却口28に返却される。
コイン返却口28は記録媒体返却口の一例であって、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5及び収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を外部に返却する部位であり、ここでは図2(a)(b)に示すように、玉貸ユニット20の前面に突出して形成され、投入コイン返却通路26dの終端側に形成された投入コイン返却通路出口26e及び収納コイン返却通路27dの終端側に形成された収納コイン返却通路出口27eから返却されたビジタコイン5を受け止める容器状の部位である。
投入コイン返却通路26dは第1の返却通路の一例であって、始端側で投入コイン保持部26Pに連通すると共に終端側でコイン返却口28に連通し、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン返却口28に導くための通路であり、ここでは図3及び図4に示すように、投入コイン保持部26Pから下方に向けて延出し、途中で前方に向けて屈曲して傾斜して配置された通路である。
収納コイン返却通路27dは第2の返却通路の一例であって、始端側で収納コイン保持部27Pに連通すると共に終端側でコイン返却口28に連通し、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5をコイン返却口28に導くための通路であり、ここでは図3及び図4に示すように、収納コイン保持部27Pから前方に向けて傾斜して配置された通路である。
上部アンテナ26は第1の読取手段の一例であって、投入コイン保持部26Pに対応して設けられ、該投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDを読み取るものであり、前述の如く記録媒体R/W24が、該上部アンテナ26を介して、ビジタコイン5に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。この上部アンテナ26は、図3に示す投入コイン保持部26Pの左側面に隣接して、図2(b)に示すように配置されている。
下部アンテナ27は第2の読取手段の一例であって、収納コイン保持部27Pに対応して設けられ、該収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDを読み取るものであり、前述の如く記録媒体R/W24が、該下部アンテナ27を介して、ビジタコイン5に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。また下部アンテナ27は、カード保持部24Pに対応して設けられ、該カード保持部24Pで保持している会員カード4の記録媒体IDを読み取るものでもあり、前述の如く記録媒体R/W24が、該下部アンテナ27を介して、会員カード4に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。この下部アンテナ27は、図3に示す収納コイン保持部27Pの右側面に隣接して、カード保持部24Pとの間に挟まれた形で配置されており、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5及びカード保持部24Pで保持している会員カード4の両方と通信できるようになっている。
以上に説明したビジタコイン5の取扱構造は、図3及び図4に示すように、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個に形成され、該投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個にコイン返却口28に連通していることを特徴とするものである。
ここで該ビジタコイン5の取扱構造に類似するものとして、特開2001−293242号公報(図4,図5,段落0044,0051)に示す玉貸し機が知られている。この玉貸し機(本願の玉貸ユニット20に相当)では、第1検知部(本願の上部アンテナ26に相当)で保持しているコイン(本願のビジタコイン5に相当)をコイン返却口に導くためのバイパス通路(本願の投入コイン返却通路26dに相当)が、第2検知部(本願の下部アンテナ27に相当)で保持しているコインをコイン返却口に導くための返却通路(本願の収納コイン返却通路27dに相当)と合流してから、コイン返却口に連通するように構成されている。
しかしながら、この従来の玉貸し機のように、コインをコイン返却口に導くための2つの通路が合流してからコイン返却口に連通するように構成すると、本願の下部アンテナ27に相当する第2検知部を、該合流地点よりも後方に設けなければならないので、玉貸し機の内部における限られた奥行きの範囲内では、コイン収納部の収納スペースが少なくなるという問題点があった。
そこで本願のビジタコイン5の取扱構造の如く、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個に形成され、該投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dとがそれぞれ別個にコイン返却口28に連通するように構成すれば、投入コイン返却通路26dと収納コイン返却通路27dが途中で合流してコイン返却口28に連通する場合と比べて、下部アンテナ27を玉貸ユニット20の内部における前方に設けることができるので、玉貸ユニット20の内部における限られた奥行きの範囲内で、コイン収納部27aの収納スペースを拡張してビジタコイン5の収納枚数を向上できる。
図2に戻り、多機能ランプ29は、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによって玉貸ユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ29は、例えば会員カード4及びビジタコイン5を受け付けていないときには青色で点灯してその旨を報知し、会員カード4を受け付けているときには緑色で点灯してその旨を報知し、ビジタコイン5を受け付けているときには黄色で点灯してその旨を報知し、異常が発生しているときには赤色で点滅してその旨を報知する。残額表示器30は、玉貸ユニット20の制御部21のRAMに記憶されている残額又は端数額を表示するための表示器であって、ここでは5桁の7セグメント表示器であり、残額や端数額が1円単位まで表示される。
ここで前記制御部21は通信可否検知手段の一例であって、管理装置50と通信できる通信可能状態(オンライン状態)であるか通信できない通信不可能状態(オフライン状態)であるかを検知するものである。具体的には、管理装置50の後述する通信部51から各玉貸ユニット20に対して定期的(例えば10秒ごと)に送信されてくる通信確認要求に基づいて、該通信確認要求の受信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち管理装置50と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認要求の受信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち管理装置50と通信できない通信不可能状態)であると判定する。
また制御部21は貸与処理手段の一例であって、前記通信可否検知手段によりオンライン状態を検知しているときに記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付け、該受け付けた記録媒体の管理残額(即ち記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定される残額)の範囲内でパチンコ玉を貸与するための記録媒体貸与処理である使用額分の玉貸処理を行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5を受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDを含む残額取得要求(図9のS202を参照)が管理装置50に対して送信され、該残額取得要求を受信した管理装置50から、前記管理残額を含む残額通知が返信されてくることにより、該管理残額が制御部21のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、後述する使用額分の玉貸処理が行われる。
この使用額分の玉貸処理としては、制御部21のRAMに記憶されている残額と予め設定された玉貸設定金額(例えば5度数分の税込単位額である525円)とを比較して、残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額を使用額+消費税額として、該使用額+消費税額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行い、残額(例えば300円)<玉貸設定金額であれば、税込単位額の整数倍の残額(ここでは210円)を使用額+消費税額として、該使用額+消費税額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。なお残額<税込単位額である105円(即ち端数額)であれば、払出制御基板12に対してパチンコ玉の払出を指示する処理は行わない。該指示を受けたパチンコ機10側では、単位使用額である100円(換言すれば税込単位額である105円)毎に25個のパチンコ玉が払い出される。
そして該使用額分の玉貸処理が行われると、制御部21のRAMに記憶されている残額から使用額+消費税額が減算更新され、該減算更新に応じて残度数表示器14における残度数の表示及び残額表示器30における残額の表示が更新されると共に、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知(図8のS123を参照),会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている場合には、該受け付けている会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む玉貸通知(図9のS213を参照)が管理装置50に対して送信され、該玉貸通知を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われ、該管理装置50から、減算処理が完了した旨を示す減算完了通知が返信されてくることにより、再び玉貸操作を受付可能となる。
また貸与処理手段として機能する制御部21は、前記通信可否検知手段によりオンライン状態を検知しているときに貨幣を受け付け、該受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内でパチンコ玉を貸与するための貨幣貸与処理を行うものであり、ここでは玉貸操作により使用額分のパチンコ玉を貸与するための第1の貸与処理(使用額分の玉貸処理)を、前記貨幣貸与処理として行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で貨幣を受け付けると、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5の記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求(図8のS112を参照),会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている場合には、該受け付けている会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求(図9のS222を参照)が管理装置50に対して送信され、該入金要求を受信した管理装置50では、後述する制御部52により、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、該管理装置50から、入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理されている残額を含む残額通知が返信されてくることにより、該管理されている残額が制御部21のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、前記使用額分の玉貸処理が行われる。
また貸与処理手段として機能する制御部21は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに貨幣を受け付け、該受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内でパチンコ玉を貸与するための貨幣貸与処理を行うものであり、ここでは遊技者の操作によることなく、後述する第1の特定処理により特定された貸与対象額分のパチンコ玉を貸与するための第2の貸与処理(いわゆる一発貸し)を、前記貨幣貸与処理として行うが、これについては後述する。
さらに貸与処理手段として機能する制御部21は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに後述する入金残額が記録された記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付け、該入金残額を使用してパチンコ玉を貸与するための入金残額貸与処理を行うものであり、ここでは遊技者の操作によることなく、後述する第2の特定処理により特定された貸与対象額分のパチンコ玉を貸与するための第2の貸与処理(いわゆる一発貸し)を、前記入金残額貸与処理として行うが、これについても後述する。
また制御部21は残額処理手段の一例であって、前記受付貨幣額から第1の貸与処理(貨幣貸与処理)に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額(消費税額)を減算した金額を前記残額として、会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)を行うものである。この実施形態では、管理装置50とオンライン状態で貨幣を受け付けたときに、記録媒体IDと受付貨幣額とを含む前記入金要求を管理装置50に対して送信する処理と、前記使用額分の玉貸処理が行われたときに、記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む前記玉貸通知を管理装置50に対して送信する処理が、残額を記録媒体IDと対応付けて管理装置50で管理するための処理(残額特定処理)に相当する。
これにより、前記入金要求を受信した管理装置50では、前述の如く、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理が行われ、また前記玉貸通知を受信した管理装置50では、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われることにより、前記受付貨幣額から第1の貸与処理(貨幣貸与処理)に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を減算した金額が前記残額として、会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて管理される。
また制御部21は、前記記録媒体貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する間接税額(消費税額)を前記管理残額から減算するための処理を行うものである。この実施形態では、前記使用額分の玉貸処理が行われたときに、記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む前記玉貸通知を管理装置50に対して送信する処理が、記録媒体貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を管理残額から減算するための処理に相当する。
これにより、前記玉貸通知を受信した管理装置50では、該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理が行われる。
また制御部21は記録媒体排出処理手段の一例であって、前記残額処理手段による処理の対象又は前記記録媒体貸与処理による処理の対象となった記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に前記残額(管理残額)を記録することなく排出する第1の排出処理を行うものであり、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、該第1の排出処理を行う。具体的には、管理装置50とオンライン状態において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けた場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に残額を記録することなく排出し(図8のS140を参照)、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けると、前記受け付けている会員カード4又はビジタコイン5に残額を記録することなく排出する(図9のS240を参照)。
また記録媒体排出処理手段として機能する制御部21は、前記記録媒体貸与処理の対象となったビジタコイン5の管理残額(即ち制御部21のRAMで記憶している残額)が零でないことを条件として、該ビジタコイン5に前記オンライン残額有りフラグを記録し、前記管理残額を記録することなく排出する前記第1の排出処理を行うものであり、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、該第1の排出処理を行う。具体的には、管理装置50とオンライン状態において、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けた場合には、制御部21のRAMで記憶している残額が零でないことを条件として、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5にオンライン残額有りフラグを記録し(図8のS135を参照)、残額を記録することなく排出し(同S140を参照)、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている状態で、貨幣を受け付けて、玉貸操作の受付に基づいて使用額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けると、制御部21のRAMで記憶している残額が零でなく、かつ前記受け付けているビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されていないことを条件として、該ビジタコイン5にオンライン残額有りフラグを記録し(図9のS235を参照)、残額を記録することなく排出する(同S240を参照)。
また記録媒体排出処理手段として機能する制御部21は、前記受付貨幣額から前記貨幣貸与処理に使用された使用額を減算した入金残額が零でないことを条件として、前記記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に該入金残額を記録して排出する第2の排出処理を行うものであり、ここでは後述する第1の特定処理により特定された端数額を前記入金残額として記録媒体に記録して排出する処理を、該第2の排出処理として行うと共に、後述する第2の特定処理により特定された端数額を前記入金残額として受け付けた記録媒体に記録して排出する処理を、該第2の排出処理として行うものであるが、これについては後述する。
また制御部21は管理残額有無管理手段の一例であって、前記通信可否検知手段によりオンライン状態を検知しているときに受け付けたビジタコイン5の管理残額が零でないか否かを、少なくとも当該ビジタコイン5の受付中において管理するものである。具体的には、前述の如く、管理装置50とオンライン状態で、ビジタコイン5を受け付けた際に、該管理装置50で管理されている管理残額を含む残額通知が送信されてきたことに基づいて、該管理残額を制御部21のRAMで記憶すると共に、前記記録媒体貸与処理に基づいて、制御部21のRAMで記憶している管理残額から使用額を減算していき、該ビジタコイン5の管理残額(即ち制御部21のRAMで記憶している残額)が零であるか否かを管理する。
そして前記記録媒体排出処理手段は、前記ビジタコイン5の受付後に前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知したときに、前記管理残額有無管理手段でビジタコイン5の管理残額が零でない旨を管理している(即ち制御部21のRAMで記憶している残額が零でない)ことを条件として、前記第1の排出処理(即ちビジタコイン5にオンライン残額有りフラグを記録し、管理残額を記録せずに排出する処理)を行う。
また制御部21は端数額消去処理手段の一例であって、前記端数額加算更新要求送信手段により端数額加算更新要求を送信したことに基づいて管理装置50から返信されてくる前記端数額加算完了通知(ここでは加算更新後の残額を含む残額通知)を受信したことを条件として、前記受け付けた記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)に記録されている端数額を消去する端数額消去処理を行うものである。具体的には、端数額の消去を記録媒体R/W24に対して指示する処理を行う。
また制御部21は特定手段の一例であって、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに貨幣を受け付けたことに基づいて、前記受付貨幣額から、前記残額をパチンコ玉の貸与に使用する際の予め定められた一単位である単位使用額(例えば100円)と該単位使用額に対応する消費税額(税率が5%の場合には5円)との合算額である税込単位額(即ち105円)の整数倍に相当する貸与対象額と、該税込単位額未満の端数額とを特定する第1の特定処理を行うものである。具体的には、管理装置50とオフライン状態で1000円を受け付けた場合には、受付貨幣額である1000円から、税込単位額である105円の9倍に相当する945円を貸与対象額として特定すると共に、55円を端数額として特定する(図11のS414,図12のS514を参照)。ここで特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される。
この第1の特定処理により貸与対象額と端数額が特定されると、遊技者の操作(玉貸ボタン15の操作)によることなく、該特定された貸与対象額分のパチンコ玉を貸与するための第2の貸与処理(一発貸し)である貸与対象額分の玉貸処理が、前記貸与処理手段により行われる。具体的には、該特定された貸与対象額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
また第1の特定処理により貸与対象額と端数額が特定されると、該特定された端数額を前記入金残額としてビジタコイン5に記録して排出する第2の排出処理が、前記記録媒体排出処理手段により行われ、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、制御部21のRAMで記憶している端数額をビジタコイン5に記録して、該第2の排出処理を行う。具体的には、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けていない状態で、貨幣を受け付けて、貸与対象額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けた場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に端数額を記録して排出する(図11のS433,S435を参照)。
また特定手段として機能する制御部21は、前記第2の貸与処理(一発貸し)である貸与対象額分の玉貸処理を行った後に貨幣を受け付けたことに基づいて、前回の貨幣の受付に基づいて特定した端数額と前記受付貨幣額との合算額から、前記貸与対象額を特定すると共に、前記端数額を新たに特定する第2の特定処理を行う。具体的には、前述の如く、管理装置50とオフライン状態で1000円を受け付け、945円が貸与対象額として特定されて該貸与対象額分の玉貸処理が行われると共に、55円が端数額として特定された(制御部21のRAMで記憶された)後に、さらに1000円を受け付けた場合に、前記特定された端数額である55円と受付貨幣額である1000円との合算額である1055円から、税込単位額である105円の10倍に相当する1050円を貸与対象額として特定すると共に、5円を端数額として新たに特定する(図11のS424,図12のS524を参照)。ここで新たに特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される(換言すれば、制御部21のRAMで記憶されていた端数額が、新たに特定された端数額に更新される)。
さらに特定手段として機能する制御部21は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに、前記第2の排出処理により排出された(即ち前記端数額が記録された)会員カード4又はビジタコイン5を受け付け、さらに貨幣を受け付けたことに基づいて、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額と前記受付貨幣額との合算額から、前記貸与対象額を特定すると共に、前記端数額を新たに特定する第2の特定処理を行う。具体的には、管理装置50とオフライン状態で、端数額として55円が記録されている会員カード4又はビジタコイン5を受け付け、さらに1000円を受け付けた場合に、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額である55円と受付貨幣額である1000円との合算額である1055円から、税込単位額である105円の10倍に相当する1050円を貸与対象額として特定すると共に、5円を端数額として新たに特定する(図13のS624を参照)。ここで新たに特定された端数額は、制御部21のRAMで記憶される(換言すれば、制御部21のRAMで記憶されていた端数額が、新たに特定された端数額に更新される)。
この第2の特定処理により貸与対象額と端数額が特定されると、遊技者の操作(玉貸ボタン15の操作)によることなく、該特定された貸与対象額分のパチンコ玉を貸与するための第2の貸与処理(一発貸し)である貸与対象額分の玉貸処理が、前記貸与処理手段により行われる。具体的には、該特定された貸与対象額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
また第2の特定処理により貸与対象額と端数額が特定されると、該特定された端数額を前記入金残額として前記受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録して排出する第2の排出処理が、前記記録媒体排出処理手段により行われ、ここでは遊技者から排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたことに基づいて、制御部21のRAMで記憶している端数額を会員カード4又はビジタコイン5に記録して、該第2の排出処理を行う。具体的には、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けている状態で、貨幣を受け付けて、貸与対象額分の玉貸処理が行われた後に、遊技者から排出操作を受け付けると、前記受け付けている会員カード4又はビジタコイン5に端数額を記録して排出する(図12のS533,S535を参照)。
また制御部21は合算額判定手段の一例であって、貨幣を受け付けたことに基づいて、前回の貨幣の受付に基づいて特定した端数額又は前記受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額と前記受付貨幣額との合算額が前記税込単位額以上であるか否かを判定するものである。
即ち合算額判定手段は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに、貨幣を受け付けたことに基づいて、前回の貨幣の受付に基づいて特定した端数額と前記受付貨幣額との合算額が前記税込単位額以上であるか否かを判定する。具体的には、オフライン状態を検知しており、前記特定手段により特定された端数額が制御部21のRAMに記憶されている状態で、貨幣を受け付けた場合に、受付貨幣額+端数額が税込単位額以上であるか否かを判定する(図11のS423,図12のS523,図13のS623)。
また合算額判定手段は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに前記第2の排出処理により排出された(即ち端数額が記録された)会員カード4又はビジタコイン5を受け付け、さらに貨幣を受け付けたことに基づいて、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額と前記受付貨幣額との合算額が前記税込単位額以上であるか否かを判定する。具体的には、オフライン状態を検知しており、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けて、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額が制御部21のRAMに記憶されている状態で、貨幣を受け付けた場合に、受付貨幣額+端数額が税込単位額以上であるか否かを判定する(図13のS613)。
ここで該合算額判定手段により税込単位額以上であると判定されたことを条件として、前記受け付けた貨幣が回収され、前記特定手段による第2の特定処理が行われる一方、前記合算額判定手段により税込単位額未満であると判定されたことを条件として、前記受け付けた貨幣が返却され、前記特定手段による第2の特定処理が行われない。例えば端数額が4円の状態で100円を受け付けた場合には、該受け付けた100円が返却され、端数額が5円の状態で100円を受け付けた場合には、該受け付けた100円が回収されて、貸与対象額105円(端数額0円)が特定される。
また制御部21は管理残額有り情報記録判定手段の一例であって、ビジタコイン5に管理残額有り情報であるオンライン残額有りフラグが記録されているか否かを判定するものである。この管理残額有り情報記録判定手段によりオンライン残額有りフラグが記録されている(即ちフラグが1)と判定されたことを条件として、端数額が零のビジタコイン5を排出する処理が前記記録媒体排出処理手段により行われる。
また制御部21のEEPROMには、図7(a)に示す処理履歴DBが設けられている。この処理履歴DBは処理履歴記憶手段の一例であって、前記貸与処理(使用額分の玉貸処理)の対象となった記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録媒体IDと、該貸与処理後の残額と、当該記録媒体に係わる最後の処理を特定するための最後処理特定情報とを対応付けて、処理履歴として所定の処理数分記憶するものである。ここでは前記使用額分の玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の排出処理が行われたことに基づいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、該排出処理時に制御部21のRAMで記憶されている記憶残額を前記貸与処理後の残額として記憶すると共に、該排出処理が行われた日時である排出日時を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記処理履歴を記憶する。即ち、この処理履歴DBでは、排出処理毎に、残額と排出日時が記憶される。なお玉貸ユニット20が故障した場合や管理装置50とオフライン状態になった場合にも、そのときの記録媒体ID,残額,日時を、前記処理履歴として緊急避難的に記憶する。この処理履歴DBでは、最大で256個の処理履歴を、前記所定の処理数分として記憶可能であり、記憶している処理履歴が256個に達すると、新たな処理履歴を記憶する際に、排出日時が最も古い処理履歴が消去されて、当該新たな処理履歴が記憶される。
また制御部21は記録媒体識別情報記憶判定手段の一例であって、前記貸与処理(使用額分の玉貸処理)の対象となった記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録媒体IDが前記処理履歴記憶手段(処理履歴DB)で既に記憶されているか否かを判定するものである。具体的には、前記使用額分の玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の排出処理が行われたことに基づいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDが処理履歴DBで既に記憶されているか否かを判定する。
さらに制御部21は処理履歴更新手段の一例であって、前記記録媒体識別情報記憶判定手段により記録媒体IDが記憶されていないと判定されたことを条件として、該記録媒体IDに対応する新たな処理履歴を処理履歴記憶手段(処理履歴DB)に記憶すると共に、記録媒体IDが既に記憶されていると判定されたことを条件として、該記録媒体IDに対応して処理履歴記憶手段で既に記憶されている処理履歴を新たな処理履歴に更新するものである。具体的には、排出される会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDが記憶されていない(即ち該記録媒体IDが処理履歴DBで既に記憶されている記録媒体IDと一致しない)と判定されると、該記録媒体IDを処理履歴DBに新たに記憶すると共に、該記録媒体IDに対応付けて、新たな残額及び排出日時を記憶する。一方、排出される会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDが記憶されている(即ち該記録媒体IDが処理履歴DBで既に記憶されている記録媒体IDと一致する)と判定されると、該記録媒体IDに対応する残額及び排出日時を新たな残額及び排出日時に更新(上書き)する。
管理装置50は、会員カード4又はビジタコイン5を個々に識別可能な記録媒体IDに対応付けてパチンコ玉の貸与に使用される残額を管理するものである。この管理装置50は、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるものであり、図1に示すように接続される通信部51,制御部52,ディスプレイ53,入力装置54,ハードディスク55,及び場外通信部56等を備えている。
記憶手段であるハードディスク55には、図7(d)に示す残額管理DBが設けられている。この残額管理DBでは、会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて残額が記憶されており、制御部52の制御により該残額が更新されて管理される。ディスプレイ53は、各種の情報を表示するための表示デバイスであり、入力装置54は、各種の入力を受け付けるための入力デバイスである。
制御部52は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク55に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、管理装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
この制御部52は、玉貸ユニット20から送信されてきた入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理を行うものである(図8のS113,図9のS223を参照)。
また制御部52は、玉貸ユニット20から送信されてきた玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を減算する減算処理を行うものである(図8のS124,図9のS214を参照)。
また制御部52は端数額加算更新処理手段の一例であって、前記端数額加算更新要求送信手段から送信されてきた端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理を行うものである(図10のS303を参照)。
また制御部52は、精算装置60から送信されてきた後述する精算要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を消去する残額消去処理を行うものである(図14(a)のS703,図14(b)のS805を参照)。
また制御部52は、ビジタコイン発行装置70から送信されてきた後述する発行要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて該発行要求に含まれる選択額を残額として記憶する選択額記憶処理を行うものである(図15のS906を参照)。
また制御部52は最後残額特定処理手段の一例であって、前記処理履歴送信手段(玉貸ユニット20の外部通信部21b)から送信されてきた処理履歴(図7(a)に示す処理履歴DBで記憶している処理履歴)に基づいて、各記録媒体ID毎に、当該記録媒体IDの会員カード4又はビジタコイン5に係わる最後の処理を特定すると共に、該最後の処理に対応する残額を特定する最後残額特定処理を行うものであり、ここでは後述する精算履歴送信手段(精算装置60の通信部61)から送信されてきた精算履歴(図7(b)に示す精算履歴DBで記憶している精算履歴),及び後述する発行履歴送信手段(ビジタコイン発行装置70の通信部71)から送信されてきた発行履歴(図7(c)に示す発行履歴DBで記憶している発行履歴)を含めて、前記最後残額特定処理を行う。この最後残額特定処理手段の具体的な機能については、図17のS1045〜S1048を参照して後述する。
さらに制御部52は残額復帰処理手段の一例であって、前記最後残額特定処理手段により各記録媒体ID毎に特定された残額を新たに管理するための残額復帰処理を行う残額復帰処理手段を行うものであり、ここでは該最後残額特定処理手段により各記録媒体ID毎に特定された残額と、後述するバックアップ情報送信手段(センタ管理装置80の通信部81)から送信されてきたバックアップ情報(図7(e)に示すバックアップDBで記憶しているバックアップ情報)に含まれる各記録媒体ID毎の残額とに基づいて、各記録媒体の最後の残額を特定し、該特定した残額を新たに管理するための残額復帰処理を行う。この残額復帰処理手段の具体的な機能についても、図17のS1044,S1049,及びS1050を参照して後述する。
通信部51は、前述の如く玉貸ユニット20の外部通信部21bと通信可能に接続されており、管理装置50と玉貸ユニット20との間における通信を司るものであると共に、精算装置60の後述する通信部61と通信可能に接続されており、管理装置50と精算装置60との間における通信を司るものである。
この通信部51は、制御部52による前記入金処理が完了したことに基づいて、該入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理している残額を含む残額通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図8のS114,図9のS224を参照)。
また通信部51は、制御部52による前記減算処理が完了したことに基づいて、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図8のS125,図9のS215を参照)。
また通信部51は、玉貸ユニット20から返却通知を受信したことに基づいて、返却許諾通知を該玉貸ユニット20に対して返信するものである(図8のS134,図9のS235を参照)。
また通信部51は、玉貸ユニット20から残額取得要求を受信したことに基づいて、該残額取得要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む残額通知を該玉貸ユニット20に対して返信するものである(図9のS203を参照)。
また通信部51は端数額加算更新完了通知返信手段の一例であって、前記端数額加算更新処理手段により端数額加算更新処理が完了したことに基づいて、該端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算完了通知として、加算更新後の残額を含む残額通知を玉貸ユニット20に対して返信するものである(図10のS304を参照)。
また通信部51は精算許諾情報送信手段の一例であって、後述する精算要求送信手段(通信部61)から送信されてきた精算要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額又は該残額と前記記録媒体に記録されている端数額との合算額を含む合算額精算許諾情報を精算装置60に対して送信するものである。具体的には、精算要求に記録媒体IDのみが含まれる場合には、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信する(図14(a)のS704を参照)。また精算要求に記録媒体IDと端数額が含まれる場合には、該記録媒体IDに対応付けて管理している残額が零であるか否かの判定が制御部52により行われる。そして、該残額が零でないと判定された場合には、該残額と端数額との合算額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信し(図14(b)のS806を参照)、該残額が零であると判定された場合には、端数額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して送信する(同S806’を参照)。
また通信部51は、制御部52による前記選択額記憶処理が完了したことに基づいて、前記管理している残額を含む発行許諾情報をビジタコイン発行装置70に対して返信するものである(図15のS907を参照)。
さらに通信部51は、管理装置50の破損又は故障等により、前記管理している残額が失われた場合(例えば残額管理DBのデータが破損やアクセス不能により使用不能となった場合)において、新しい管理装置50に取り替えられた後に、処理履歴送信要求を各玉貸ユニット20に対して送信し(図17のS1011を参照)、精算履歴送信要求を精算装置60に対して送信し(同S1021を参照)、発行履歴送信要求をビジタコイン発行装置70に対して送信するものである(同S1031を参照)。
場外通信部56は、図1に示すように、インターネットを介して、センタ管理装置80の後述する通信部81と通信可能に接続されており、管理装置50とセンタ管理装置80との間における通信を司るものである。この外部通信部56は、遊技場の営業終了後において、図7(d)に示す残額管理DBの記憶内容をセンタ管理装置80に対して送信するものである(図16のS1001を参照)。また場外通信部56は、管理装置50の破損又は故障等により、前記管理している残額が失われた場合(例えば残額管理DBのデータが破損やアクセス不能により使用不能となった場合)において、バックアップ情報送信要求をセンタ管理装置80に対して送信するものである(図17のS1041を参照)。
精算装置60は、遊技場内の所定箇所(例えば遊技島の端部や景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、図5(a)に示すように、キオスク端末型の形状を呈するものであり、その前面にディスプレイ63,会員カード挿入口64a,コイン投入口65a,紙幣払出口66a,及び硬貨払出口67a等を備え、図1に示すように、その内部に通信部61,制御部62,カードR/W64,コインR/W65,紙幣払出機66,及び硬貨払出機67等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
通信部61は、管理装置50の通信部51と通信可能に接続されており、精算装置60と管理装置50との間における通信を司るものである。この通信部61は精算要求送信手段の一例であって、会員カード4又はビジタコイン5を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDを少なくとも含む精算要求を管理装置50に対して送信するものである。具体的には、端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5を受け付けた場合には、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDを含む精算要求を管理装置50に対して送信する(図14(a)のS702を参照)。また端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5を受け付けた場合には、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと該記録されている端数額を含む精算要求を管理装置50に対して送信する(図14(b)のS803を参照)。
また通信部61は精算履歴送信手段の一例であって、管理装置50から送信されてくる精算履歴送信要求に応じて、後述する精算履歴記憶手段である精算履歴DB(図7(b)を参照)で記憶している精算履歴を管理装置50に対して送信するものである(図17のS1023を参照)。
制御部62は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、精算装置60に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部62の機能については後述する。
ディスプレイ63は、図5(b)に示すように、各種の情報を表示するための表示デバイスである。このディスプレイ63では、会員カード4又はビジタコイン5を受付可能なときに、D1に示すように、会員カード4又はビジタコイン5の挿入を促す旨が表示される。また貨幣を払い出すときに、D2に示すように、残額を返却する旨,及び会員カード4の抜き取りを指示する旨又はビジタコイン5を回収する旨が表示される。なお会員カード4又はビジタコイン5に異常があるときには、D3に示すように、その旨が表示される。
カードR/W64は記録媒体受付手段の一例であって、記録媒体を受け付けるものであり、ここではカード挿入口64aから挿入された会員カード4を受け付けて、該会員カード4に記録されている記録媒体ID及び端数額を読み取ると共に、該会員カード4から端数額を消去する、ICカードR/Wである。この精算装置60において精算が完了した会員カード4は、カード挿入口64aから排出されて、遊技者に返却される。
コインR/W65も記録媒体受付手段の一例であって、記録媒体を受け付けるものであり、ここではコイン投入口65aから投入されたビジタコイン5を受け付けて、該ビジタコイン5に記録されている記録媒体ID及び端数額を読み取ると共に、該ビジタコイン5から端数額及びオンライン残額有りフラグを消去する、ICコインR/Wである。この精算装置60において精算が完了したビジタコイン5は、コインR/W65の下部に設けられるコイン回収部65bに回収されて、遊技者には返却されない。
紙幣払出機66及び硬貨払出機67は、貨幣を払い出すものであり、具体的には、紙幣払出機66の背後に設けられる紙幣収納部66bから、所定の種類及び所定数の紙幣2を取り出して、紙幣払出口66aから払い出すと共に、硬貨払出機67の上部に設けられる硬貨収納部67bから、所定の種類及び所定数の硬貨3を取り出して、硬貨払出口67aから払い出す。この精算装置60では、1円単位で貨幣の払い出しが可能である。
ここで前記制御部62は精算処理手段の一例であって、前記記録媒体受付手段により受け付けた記録媒体の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額に相当する貨幣を払い出す精算処理を行うものである。ここで前記第1の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されていない会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたときには、前記精算処理として、該受け付けた記録媒体の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理されている残額に相当する貨幣の払出を紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67に対して指示する処理を行う。一方、前記第2の排出処理により排出された記録媒体(即ち端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)を受け付けたときには、前記精算処理として、該受け付けた記録媒体に記録されている端数額に相当する貨幣の払出を紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67に対して指示する処理を行う。そして該指示に応じた貨幣が、紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67から払い出される。
また精算処理手段として機能する制御部62は、前記精算処理として、前記精算許諾情報送信手段から送信されてきた合算額精算許諾情報から特定される前記残額と前記端数額との合算額に相当する貨幣の払出を紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67に対して指示する処理を行う。具体的には、管理装置50から送信されてきた精算許諾情報に残額のみが含まれる場合には、該残額に相当する貨幣の払出を指示する処理を行い、残額と端数額の合算額が含まれる場合には、該合算額に相当する貨幣の払出を指示する処理を行い、端数額のみが含まれる場合には、該端数額に相当する貨幣の払出を指示する処理を行う。そして該指示に応じた貨幣が、紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67から払い出される。
また制御部62は端数額判定手段の一例であって、当該精算装置60で受け付けた会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額が予め定められた所定の金額未満であるか否かを判定するものであり、ここでは該端数額が税込単位額未満であるか否かを判定する(図14(b)のS802を参照)。そして精算装置60は、該端数額判定手段により端数額が所定の金額(ここでは税込単位額)未満であると判定されたことを条件として、該端数額に相当する貨幣を払い出す。具体的には、端数額が税込単位額未満であると判定されたことを条件として、精算要求が管理装置50に対して送信され、該精算要求に応じて管理装置50から送信されてきた精算許諾情報を受信したことに基づいて、精算処理手段として機能する制御部62が、前述の如く、合算額又は端数額に相当する貨幣の払出を紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67に対して指示する処理を行う。
また制御部62のEEPROMには、図7(b)に示す精算履歴DBが設けられている。この精算履歴DBは精算履歴記憶手段の一例であって、前記精算処理の履歴である精算履歴として、該精算処理の対象となった記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録媒体IDと、前記最後処理特定情報とを対応付けて、所定の処理数分記憶するものである。ここでは精算処理が行われたことに基づいて、該精算処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、残額として0を記憶する共に、該精算処理が行われた日時である精算日時を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記精算履歴を記憶する。この精算履歴DBでは、最大で256個の精算履歴を、前記所定の処理数分として記憶可能であり、記憶している精算履歴が256個に達すると、新たな精算履歴を記憶する際に、精算日時が最も古い精算履歴が消去されて、当該新たな精算履歴が記憶される。
ビジタコイン発行装置70は、遊技場内の所定箇所(例えば遊技島の端部や景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、図6(a)に示すように、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面にタッチパネル式のディスプレイ73,紙幣挿入口74a,紙幣払出口74d,及びコイン発行口75a等を備え、図1に示すように、その内部に通信部71,制御部72,紙幣識別機74,紙幣収納部74b,紙幣払出部74c,コインR/W75,及びコインストッカ75b等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
通信部71は、管理装置50の通信部51と通信可能に接続されており、ビジタコイン発行装置70と管理装置50との間における通信を司るものである。この通信部71は、紙幣識別機74により紙幣2を受け付けた後、タッチパネル式のディスプレイ73により遊技者から発行額の選択を受け付けたことに基づいて、発行するビジタコイン5の記録媒体IDと前記選択された発行額である選択額とを含む発行要求を管理装置50に対して送信する(図15のS905を参照)。
また通信部71は発行履歴送信手段の一例であって、管理装置50から送信されてくる発行履歴送信要求に応じて、後述する発行履歴記憶手段である発行履歴DB(図7(c)を参照)で記憶している発行履歴を管理装置50に対して送信するものである(図17のS1033を参照)。
制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、ビジタコイン発行装置70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部72の機能については後述する。
タッチパネル式のディスプレイ73は、図6(b)に示すように、各種の情報を表示するための表示デバイスであると共に、各種の入力を受け付けるための入力デバイスでもある。このディスプレイ73では、紙幣2を受付可能なときに、D11に示すように、紙幣2の挿入を促す旨が表示される。ここで遊技者が紙幣2を挿入すると、D12に示すように、該挿入された紙幣2の金額が入金額として表示されると共に、ビジタコイン5の発行に供する発行額を選択するための発行額選択ボタンとして、「1000円」ボタン,「2000円」ボタン,「5000円」ボタン,及び「10000円」ボタンの4種類が表示される、発行額選択画面が表示される。ここで遊技者がいずれかの発行額選択ボタン(ここでは「5000円」ボタン)を押圧操作して前記入金額の範囲内で発行額を選択すると、D13に示すように、該選択された発行額を前記残額としてパチンコ玉の貸与に使用可能なビジタコイン5が発行されて、該ビジタコイン5が発行された旨が表示されると共に、釣銭がある場合には釣銭が払い出されて、該釣銭が払い出された旨が表示される。
紙幣識別機74は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは紙幣挿入口74aから前記4種類の紙幣2を受け付けて、該受け付けた紙幣2の真贋及び金種を識別する識別機である。なお紙幣識別機74により受け付けられた紙幣2は、該紙幣識別機74の背後に設けられている紙幣収納部74bに金種毎に収納される。そして釣銭があるときに、紙幣収納部74bに収納されている紙幣2が、該紙幣収納部74bの前方に設けられている紙幣払出部74cに搬送されて、該紙幣払出部74cの前方に設けられている紙幣払出口74dから釣銭として払い出される。
コインR/W75は、図6(b)のD12に示す発行額選択画面で発行額が選択されたときに、ビジタコイン5が収納されているコインストッカ75bから排出されて内部に保持しているビジタコイン5の記録媒体IDを読み取ると共に、該ビジタコイン5に対してオンライン残額有りフラグを記録する、ICコインR/Wである。このコインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5は、管理装置50から発行許諾情報が送信されてきたことに基づいて、該コインR/W75の前方に設けられているコイン発行口75aから排出されて発行され、該ビジタコイン5が発行されると、コインストッカ75bで収納されているビジタコイン5が排出されてコインR/W75の内部に保持される。
ここで前記制御部72は記録媒体発行処理手段の一例であって、前記貨幣受付手段(紙幣識別機74)により受け付けた貨幣(紙幣2)の金額を残額として、記録媒体(ビジタコイン5)の記録媒体IDに対応付けて管理装置50で管理するための処理を行うと共に、該記録媒体に残額を記録することなく発行する記録媒体発行処理を行うものである。具体的には、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5の記録媒体IDと図6(b)のD12に示す発行額選択画面で選択された発行額である選択額とを含む発行要求を管理装置50に対して送信する処理(図15のS905を参照)と、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5をコイン発行口75aから排出して発行する処理(同S910を参照)が、前記記録媒体発行処理に相当する。なお記録媒体発行処理手段は、記録媒体発行処理を行う際に、前記記録媒体(ビジタコイン5)に管理残額有り情報(オンライン残額有りフラグ)を記録して発行する処理を行う(同S908を参照)。
また制御部72のEEPROMには、図7(c)に示す発行履歴DBが設けられている。この発行履歴DBは発行履歴記憶手段の一例であって、前記記録媒体発行処理の履歴である発行履歴として、該記録媒体発行処理の対象となった記録媒体(ビジタコイン5)の記録媒体IDと、該記録媒体発行処理の対象となった前記残額と、前記最後処理特定情報とを対応付けて、所定の処理数分記憶するものである。ここでは記録媒体発行処理が行われたことに基づいて、該記録媒体発行処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、図6(b)のD12に示す発行額選択画面で選択された発行額である選択額を前記記録媒体発行処理の対象となった残額として記憶する共に、該記録媒体発行処理が行われた日時である発行日時を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記発行履歴を記憶する。この発行履歴DBでは、最大で256個の発行履歴を、前記所定の処理数分として記憶可能であり、記憶している発行履歴が256個に達すると、発行日時が最も古い発行履歴が消去されて、当該新たな発行履歴が記憶される。
センタ管理装置80はバックアップ装置の一例であって、遊技場外(ここではカード会社)に設けられるものであり、図1に示すように接続される通信部81,制御部82,及びハードディスク83等を備えている。この第1実施形態では、前記有効期間が無期限であるため、例えば残額がある記録媒体を持ち帰った遊技者が1ヶ月後に来店したときに、管理装置50で管理している残額が失われていると、該1ヶ月の間は当該記録媒体に係わる処理履歴,精算履歴,及び発行履歴が記憶されていないため、残額を復帰することができず、遊技者が損をしてしまうので、センタ管理装置80において所定時間毎に残額のバックアップを行うものである。
記憶手段であるハードディスク83には、図7(e)に示すバックアップDBが設けられている。このバックアップDBはバックアップ情報記憶手段の一例であって、管理装置50で記録媒体IDに対応付けて管理されている残額を該管理装置50から所定時間毎に取得してバックアップ情報として記憶するものであり、ここでは遊技場の営業終了後に管理装置50から送信されてくる残額管理DBの記憶内容(図7(d)を参照)を、バックアップ情報として記憶する。またバックアップDBは、該バックアップ情報を記憶した日時を、バックアップ日時として記憶する。
制御部82は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク83に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、センタ管理装置80に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
通信部81は、前述の如く管理装置50の外部通信部56と通信可能に接続されており、センタ管理装置80と管理装置50との間における通信を司るものである。この通信部81は、バックアップ情報の記憶が完了したことに基づいて、該バックアップ情報の記憶が完了した旨を示すバックアップ完了通知を管理装置50に対して返信するものである(図16のS1004を参照)。また通信部81はバックアップ情報送信手段の一例であって、管理装置50から送信されてくるバックアップ情報送信要求に応じて、バックアップ情報記憶手段であるバックアップ情報DB(図7(e)を参照)で記憶しているバックアップ情報を管理装置50に対して送信するものである(図17のS1043を参照)。
次に、図8〜図17を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の作用について説明する。なお各図中においては、会員カード4を「カード」,ビジタコイン5を「コイン」,管理装置50で管理されている残額を「管理残額」,制御部21のRAMで記憶されている残額を「記憶残額」,及び制御部21のRAMで記憶されている端数額を「記憶端数額」と表記する。
まず図8は、管理装置50とオンライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5を収納コイン保持部27Pで保持している。ここで収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグは記録されていない。
この状態で貨幣を受け付けると(S111)、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)と、受付貨幣額とを含む入金要求を、管理装置50に対して送信する(S112)。
該入金要求を受信した管理装置50は、該入金要求に含まれる受付貨幣額を該入金要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している管理残額に対して加算更新する入金処理を行い(S113)、該入金処理が完了した旨を示す入金完了通知として、前記管理している残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S114)。該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、該残額通知に含まれる残額を制御部21のRAMで記憶し(S115)、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S116)、玉貸操作,貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S117)。
ここで玉貸ユニット20は、S117の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S121)、前述の如く使用額分(本例では500円)の玉貸処理を行い(S122)、前記ビジタコイン5の記録媒体IDと、使用額+消費税額とを含む玉貸通知を、管理装置50に対して送信する(S123)。該玉貸通知を受信した管理装置50は、該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から減算更新する減算処理を行い(S124)、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信する(S125)。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20は、使用額+消費税額を記憶残額から減算更新し、残額表示器30における記憶残額の表示,及び残度数表示器14における残度数の表示を更新して、再びS117の状態となる。
また玉貸ユニット20は、S117の状態で貨幣を受け付けると、前記S111〜S116と同様の処理を行い、再びS117の状態となる。
さらに玉貸ユニット20は、S117の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S131)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定して、S132に進む。この図8では、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定される。S132では、記憶残額が零であるか否かを判定する。このS132で記憶残額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定されているので、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S132で記憶残額が零でない(NO)と判定された場合には、前記ビジタコイン5の記録媒体IDを含む返却通知を、管理装置50に対して送信する(S133)。該返却通知を受信した管理装置50は、返却許諾通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S134)。
該返却許諾通知を受信した玉貸ユニット20は、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対して、オンライン残額有りフラグを下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S135)、S136に進む。
S136では、前記ビジタコイン5の記録媒体IDが処理履歴DBで既に記憶されているか否かを判定する。このS136で記録媒体IDが記憶されていない(NO)と判定された場合には、処理履歴DBにおいて、該記録媒体IDを新たに記憶し(S137)、該記録媒体IDに対応付けて、新たな残額及び排出日時を記憶することにより、処理履歴を記憶して(S138)、S139に進む。一方、S136で記録媒体IDが記憶されている(YES)と判定された場合には、処理履歴DBにおいて、該記録媒体IDに対応付けて記憶されている残額及び排出日時を、新たな残額及び排出日時に更新(上書き)することにより、処理履歴を記憶して(S138)、S139に進む。これによれば、玉貸ユニット20で記憶される処理履歴は各記録媒体IDに対して1つのみであるため、玉貸ユニット20において、少ない記憶容量で効率良く処理履歴を記憶することができる。
S139では、記憶残額を消去して、第2の収納コインストッパ27dを開放状態とすることにより、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S140)。そして第2の収納コインストッパ27dを閉鎖状態とし、第1の収納コインストッパ27cを開放状態とすることにより、コイン収納部27aで保持している最下位のビジタコイン5を該コイン収納部27aから排出して収納コイン保持部27Pで保持する(S141)。
次に図9及び図10は、管理装置50とオンライン状態で記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図9に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図10に進む。
図9は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると(S201)、S202に進む。
ここでS201で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていないことから、該ビジタコイン5は、オンライン状態にある玉貸ユニット20から排出(発行)されたものか(図8を参照),端数額及びオンライン残額有りフラグが記録された状態でオフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、一発貸しが行われた結果として該端数額が零になって該玉貸ユニット20から排出されたものか(図12を参照),又はオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70から発行されたもの(図15を参照)であるため、該ビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されている。
S202では、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(カードID),又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)を含む残額取得要求を、管理装置50に対して送信する。
該残額取得要求を受信した管理装置50は、該残額取得要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S203)。該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、該残額通知に含まれる残額を制御部21のRAMで記憶し(S204)、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S205)、玉貸操作,貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S206)。
ここで玉貸ユニット20は、S206の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S211)、前述の如く使用額分の玉貸処理を行い(S212)、前記会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと、使用額+消費税額とを含む玉貸通知を、管理装置50に対して送信する(S213)。該玉貸通知を受信した管理装置50は、該玉貸通知に含まれる使用額+消費税額を該玉貸通知に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額から減算更新する減算処理を行い(S214)、該減算処理が完了した旨を示す減算完了通知を玉貸ユニット20に対して返信する(S215)。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20は、使用額+消費税額を記憶残額から減算更新し、残額表示器30における記憶残額の表示,及び残度数表示器14における残度数の表示を更新して、再びS206の状態となる。なお玉貸ユニット20において、ビジタコイン5を受付中に、記憶残額が零になったときには、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する(※1)。
また玉貸ユニット20は、S206の状態で貨幣を受け付けると(S221)、前記会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと、受付貨幣額とを含む入金要求を、管理装置50に対して送信し(S222)、以下S223〜S226で、前記S113〜S116と同様の処理を行い、再びS206の状態となる。
さらに玉貸ユニット20は、S206の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S231)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S232)。このS232で会員カード4又はビジタコイン5を受付中でない(NO)と判定された場合には、返却操作が無効とされる。一方、S232で会員カード4又はビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、会員カード4の記録媒体ID又はビジタコイン5の記録媒体IDを含む返却通知を、管理装置50に対して送信する(S233)。該返却通知を受信した管理装置50は、返却許諾通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S234)。
該返却許諾通知を受信した玉貸ユニット20は、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する。ここでビジタコイン5を受付中でない、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、S236に進み、ビジタコイン5を受付中であると判定された場合には、該ビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されているか否かを判定する。ここでオンライン残額有りフラグが記録されていると判定された場合には、S236に進み、オンライン残額有りフラグが記録されていないと判定された場合には(※2)、前記受付中であるビジタコイン5に対して、オンライン残額有りフラグを下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S235)、S236に進む。このように、玉貸ユニット20において、遊技者から排出操作を受け付けると、オンライン残額有りフラグを記録したビジタコイン5が排出されるので、玉貸処理を行う毎にオンライン残額有りフラグをビジタコイン5に記録する場合に比べて、ビジタコイン5の寿命を延ばすことができる。ここでは前述の如く、S201で受け付けたビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されているので、S235の処理は行われない。
S236では、前記会員カード4の記録媒体ID又は前記ビジタコイン5の記録媒体IDが処理履歴DBで既に記憶されているか否かを判定する。このS235で記録媒体IDが記憶されていない(NO)と判定された場合には、処理履歴DBにおいて、該記録媒体IDを新たに記憶し(S237)、該記録媒体IDに対応付けて、新たな残額及び排出日時を記憶することにより、処理履歴を記憶して(S238)、S239に進む。一方、S236で記録媒体IDが記憶されている(YES)と判定された場合には、処理履歴DBにおいて、該記録媒体IDに対応付けて記憶されている残額及び排出日時を、新たな残額及び排出日時に更新(上書き)することにより、処理履歴を記憶して(S238)、S239に進む。これによれば、玉貸ユニット20で記憶される処理履歴は各記録媒体IDに対して1つのみであるため、玉貸ユニット20において、少ない記憶容量で効率良く処理履歴を記憶することができる。
S239では、記憶残額を消去して、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却するか、又は第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S240)。即ち、ビジタコイン5の受付中に記憶残額が零になると、前述の如く該ビジタコイン5がコイン収納部27aに収納されることから、前記S232でビジタコイン5を受付中であると判定されるということは、該ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて管理されている残額が零でないということであるため、該ビジタコイン5が返却される。
また玉貸ユニット20は、会員カード4又はビジタコイン5の受け付け後にオフライン状態を検知すると(S241)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S242)。このS242でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、カード保持部24Pで保持している該会員カード4を返却する。一方、S242でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、S235以下の処理を行う。即ち、ビジタコイン5の受付中に記憶残額が零になると、前述の如く該ビジタコイン5がコイン収納部27aに収納されることから、前記S242でビジタコイン5を受付中であると判定されるということは、該ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて管理されている残額が零でないということであるため、S235以下の処理で、該ビジタコイン5が返却される。このように、ビジタコイン5の受付後にオフライン状態が発生した場合であっても、該ビジタコイン5の管理残額が零でない旨が管理されていることを条件として、当該ビジタコイン5が排出されるので、管理残額があるビジタコイン5を遊技者に確実に返却できる。
図10は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると(S301)、S302に進む。
ここでS301で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていることから、該ビジタコイン5は、オフライン状態にある玉貸ユニット20からオンライン残額有りフラグが記録されずに排出(発行)されたものか(図11を参照),又はオンライン状態にある玉貸ユニット20若しくはオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70からオンライン残額有りフラグが記録されて排出・発行された後、オフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、該玉貸ユニット20から前記オンライン残額有りフラグが記録されたままの状態で排出されたもの(図12を参照)である。この図10では、図の右側に示す管理装置50の残額管理DBで残額が管理されていることから、ビジタコイン5にはオンライン残額有りフラグ(フラグ1)が記録されている。
S302では、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(カードID)と端数額,又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った記録媒体ID(コインID)と端数額を含む端数額加算更新要求を、管理装置50に対して送信する。
該残額取得要求を受信した管理装置50は、該端数額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額に対して該端数額加算更新要求に含まれる端数額を加算更新する端数額加算更新処理を行い(S303)、該端数額加算更新処理が完了した旨を示す端数額加算更新完了通知として、前記加算更新後の残額を含む残額通知を、玉貸ユニット20に対して返信する(S304)。
該残額通知を受信した玉貸ユニット20は、前記会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去して(S305)、前記S204以下の処理を行う。このように、オンライン状態にある玉貸ユニット20において、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額が記録された会員カード4又はビジタコイン5が受け付けられると、該端数額が管理装置50で管理されている残額に対して加算更新されることにより、該端数額を精算しなくても遊技に使用できるようになるので、遊技者の利便性が向上する。
なおS301で受け付けたビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されている場合には、前記S235の処理は行われない。一方、S301で受け付けたビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されていない場合には、前記S235の処理が行われる。
次に図11は、管理装置50とオフライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5を収納コイン保持部27Pで保持している。ここで収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグは記録されていない。
この状態で貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S411)、受付貨幣額が1000円以下であるか否かを判定する(S412)。このS412で受付貨幣額が1000円以下でない(NO)と判定された場合、即ちS411で2000円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S412で受付貨幣額が1000円以下である(YES)と判定された場合には、S413に進む。
S413では、記憶端数額が零なので、受付貨幣額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS413で受付貨幣額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合、即ちS411で100円を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S413で受付貨幣額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合、即ちS411で500円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を回収して、S414に進む。
S414では、前記特定手段により、受付貨幣額(1000円)から、貸与対象額(945円)を特定すると共に、端数額(55円)を特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理である一発貸しを行い(S415)、該特定された端数額を制御部21のRAMで記憶して(S416)、記憶端数額を残額表示器30に表示し(S417)、貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S418)。
また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S421)、S422で、前記S412と同様の判定を行い、YESの場合には、S423で、記憶端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS423で合算額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合には、S421で受け付けた貨幣を返却する。一方、S423で合算額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合には、S421で受け付けた貨幣を回収して、S424に進む。このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20において、貨幣が受け付けられると、一発貸しによって発生する端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額以上であることを条件として、受け付けた貨幣が回収されて貸与対象額分の玉貸処理が行われることにより、税込単位額未満の低額貨幣も使用可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
S424では、前記特定手段により、記憶端数額と受付貨幣額との合算額(1055円)から、貸与対象額(1050円)を特定すると共に、端数額(5円)を新たに特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理を行い(S425)、新たに特定された端数額を制御部21のRAMで記憶、即ち記憶端数額を新たに特定された端数額に更新して(S426)、前記S417に進む。このように、一発貸し後さらに貨幣が受け付けられると、端数額と受付貨幣額との合算額から貸与対象額と端数額が特定され、後述するS431で遊技者から排出操作を受け付けると、端数額を記録した記録媒体が排出されることにより、一発貸しを行う毎に記録媒体を排出する場合に比べて記録媒体の節約になると共に、遊技者にとっても端数額が記録された記録媒体を複数扱う必要がなくなって利便性が向上する。
さらに玉貸ユニット20は、S418の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S431)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定して、S432に進む。この図11では、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定される。S432では、記憶端数額が零であるか否かを判定する。このS432で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定されているので、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S432で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶端数額を下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S433)、記憶端数額を消去して(S434)、第2の収納コインストッパ27dを開放状態とすることにより、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S435)。そして第2の収納コインストッパ27dを閉鎖状態とし、第1の収納コインストッパ27cを開放状態とすることにより、コイン収納部27aで保持している最下位のビジタコイン5を該コイン収納部27aから排出して収納コイン保持部27Pで保持する(S436)。このように、玉貸ユニット20において、一発貸しによって発生する端数額が記憶され、遊技者から排出操作を受け付けると、該記憶されている端数額を記録した記録媒体が排出されるので、一発貸しを行う毎に端数額を記録媒体に記録する場合に比べて、記録媒体の寿命を延ばすことができる。なおオフライン状態では、処理履歴DBの記憶内容は更新されない。
次に図12及び図13は、管理装置50とオフライン状態で記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図12に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図13に進む。
図12は、管理装置50とオフライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けて(S501)、S511に進む。
ここでS501で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていないことから、該ビジタコイン5は、オンライン状態にある玉貸ユニット20から排出(発行)されたものか(図8を参照),又はオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70から発行されたもの(図15を参照)であるため、該ビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されている。
S511では、貨幣(例えば1000円)を受け付けると、以下S512〜S518で、前記S412〜S418と同様の処理を行う。
また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S521)、以下S522〜S526で、前記S422〜S426と同様の処理を行い、S517に戻って、再びS518の状態となる。
さらに玉貸ユニット20は、S518の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S531)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定して、S532に進む。この図12では、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であると判定される。S532では、記憶端数額が零であるか否かを判定する。このS532で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、カード保持部24Pで保持している会員カード4に対して、記憶端数額を下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録するか,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶端数額を上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により記録し(S533)、記憶端数額を消去して(S534)、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却するか,又は第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S535)。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、記憶端数額がある場合に返却される。
一方、S532で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S536)。このS536でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、前記S535に進んで、カード保持部24Pで保持している該会員カード4を返却する。一方、S536でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、S537に進む。
S537では、該ビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されているか否かを判定する。このS537でオンライン残額有りフラグが記録されていない(NO)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、第1の投入コインストッパ26cを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する。一方、S537でオンライン残額有りフラグが記録されている(YES)と判定された場合には、前記S535に進んで、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、記憶端数額がない場合であっても、オンライン残額有りフラグが記録されている場合には返却される。ここでは前述の如く、S501で受け付けたビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されているので、S537では必ずYESと判定される。なおオフライン状態では、処理履歴DBの記憶内容は更新されない。
このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20で、端数額が記録されていないビジタコイン5が受け付けられ、貨幣が受け付けられて一発貸しが行われた結果として端数額が発生し、該端数額を使用した玉貸処理が行われた結果として当該端数額が零になった場合において、オンライン残額有りフラグが該ビジタコイン5に記録されていることを条件として、当該ビジタコイン5が排出されるので、管理残額があるビジタコイン5を遊技者に確実に返却できる一方で、管理残額が無く本来返却する必要のないビジタコイン5の無駄な返却を防止できる。
図13は、管理装置50とオフライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20は、端数額(55円)が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は端数額(55円)が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付ると(S601)、S602に進む。
ここでS601で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていることから、該ビジタコイン5は、オフライン状態にある玉貸ユニット20からオンライン残額有りフラグが記録されずに排出(発行)されたものか(図11を参照),又はオンライン状態にある玉貸ユニット20若しくはオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70からオンライン残額有りフラグが記録されて排出・発行された後、オフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、該玉貸ユニット20から前記オンライン残額有りフラグが記録されたままの状態で排出されたもの(図12を参照)である。この図13では、図の右側に示す管理装置50の残額管理DBで残額が管理されていることから、ビジタコイン5にはオンライン残額有りフラグ(フラグ1)が記録されている。
S602では、該受け付けた会員カード4から下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により読み取った端数額,又は投入コイン保持部26Pで保持したビジタコイン5から上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により読み取った端数額を、制御部21のRAMで記憶して、記憶端数額を残額表示器30に表示する(S603)。
そして玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(55円)を記憶している状態で1000円以下の貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S611)、受付貨幣額が1000円以下であるか否かを判定する(S612)。このS612で受付貨幣額が1000円以下でない(NO)と判定された場合、即ちS611で2000円以上を受け付けたと判定された場合には、該受け付けた貨幣を返却する。一方、S612で受付貨幣額が1000円以下である(YES)と判定された場合には、S613に進む。
S613では、記憶端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額(105円)以上であるか否かを判定する。このS613で合算額が税込単位額以上でない(NO)と判定された場合には、S611で受け付けた貨幣を返却する。一方、S613で合算額が税込単位額以上である(YES)と判定された場合には、S611で受け付けた貨幣を回収して、S614に進む。このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20において、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5が受け付けられ、さらに貨幣が受け付けられると、該端数額と受付貨幣額との合算額が税込単位額以上であることを条件として、受け付けた貨幣が回収されて貸与対象額分の玉貸処理が行われることにより、税込単位額未満の低額貨幣も使用可能となるので、遊技者の利便性が向上する。
S614では、前記特定手段により、記憶端数額と受付貨幣額との合算額(1055円)から、貸与対象額(1050円)を特定すると共に、端数額(5円)を新たに特定する。そして前述の如く、該特定された貸与対象額分の玉貸処理を行い(S615)、新たに特定された端数額を制御部21のRAMで記憶、即ち記憶端数額を新たに特定された端数額に更新して(S616)、記憶端数額を残額表示器30に表示し(S617)、貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S618)。このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20において、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額が記録された記録媒体が受け付けられ、さらに貨幣が受け付けられると、該端数額と受付貨幣額との合算額から貸与対象額と端数額が特定されることにより、オフライン状態にあった他の玉貸ユニット20で発生した端数額を遊技に使用できるようになるので、端数額が記録された記録媒体を複数扱う必要がなくなって、遊技者の利便性が向上する。
また玉貸ユニット20は、制御部21のRAMで端数額(5円)を記憶している状態で1000円以下の貨幣(例えば1000円)を受け付けると(S621)、以下S622〜S626で、前記S612〜S616と同様の処理を行い、S617に戻って、再びS618の状態となる。さらに玉貸ユニット20は、S618の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S631)、以下S632〜S637で、前記S532〜S537と同様の処理を行う。なおオフライン状態では、処理履歴DBの記憶内容は更新されない。
このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20で、端数額が記録されたビジタコイン5が受け付けられ、該端数額を使用した玉貸処理が行われた結果として当該端数額が零になった場合において、オンライン残額有りフラグが該ビジタコイン5に記録されていることを条件として、当該ビジタコイン5が排出されるので、管理残額があるビジタコイン5を遊技者に確実に返却できる一方で、管理残額が無く本来返却する必要のないビジタコイン5の無駄な返却を防止できる。
次に図14は、管理装置50とオンライン状態で記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に端数額が含まれるか否かを判定する。ここで端数額が含まれない(即ち端数額が記録されていない)と判定されると図14(a)に進み、端数額が含まれる(即ち端数額が記録されている)と判定されると図14(b)に進む。
図14(a)は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、端数額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又は端数額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると(S701)、S702に進む。
ここでS701で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていないことから、該ビジタコイン5は、オンライン状態にある玉貸ユニット20から排出(発行)されたものか(図8を参照),端数額及びオンライン残額有りフラグが記録された状態でオフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、一発貸しが行われた結果として該端数額が零になって該玉貸ユニット20から排出されたものか(図12を参照),又はオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70から発行されたもの(図15を参照)であるため、該ビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されている。
S702では、該受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った記録媒体ID,又は該受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った記録媒体IDを含む精算要求を、管理装置50に対して送信する。
該精算要求を受信した管理装置50は、該精算要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額を消去する残額消去処理を行って(S703)、該残額のみを含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S704)。
該精算許諾情報を受信した精算装置60は、該精算許諾情報に含まれる残額に相当する貨幣を払い出し(S705)、精算履歴DBにおいて、精算処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、残額として0を記憶する共に、該精算日時を記憶することにより、精算履歴を記憶し(S706)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S707)。このS707でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、カードR/W64で受け付けている該会員カード4を返却する。一方、S707でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、コインR/W65で受け付けているビジタコイン5に記録されているオンライン残額有りフラグを消去し(S708)、該ビジタコイン5をコイン回収部65bに回収する(S709)。
図14(b)は、管理装置50とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた精算装置60における処理の一例を表す図である。この精算装置60は、端数額が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口64aから受け付けるか,又は端数額が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口65aから受け付けると(S801)、S802に進む。
ここでS801で受け付けるビジタコイン5には、端数額が記録されていることから、該ビジタコイン5は、オフライン状態にある玉貸ユニット20からオンライン残額有りフラグが記録されずに排出(発行)されたものか(図11を参照),又はオンライン状態にある玉貸ユニット20若しくはオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70からオンライン残額有りフラグが記録されて排出・発行された後、オフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、該玉貸ユニット20から前記オンライン残額有りフラグが記録されたままの状態で排出されたもの(図12を参照)である。
S802では、該受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った端数額,又は該受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った端数額が、税込単位額未満であるか否かを判定する。このS802で端数額が税込単位額未満でない(NO)と判定された場合には、エラー処理として、図5(b)のD3に示す画面をディスプレイ63に表示する。一方、S802で端数額が税込単位額未満である(YES)と判定された場合には、前記受け付けた会員カード4からカードR/W64により読み取った記録媒体IDと端数額,又は前記受け付けたビジタコイン5からコインR/W65により読み取った記録媒体IDと端数額を含む精算要求を、管理装置50に対して送信する(S803)。このように、記録媒体に記録されている端数額が予め定められた所定の金額(ここでは税込単位額)未満であることを条件として端数額の精算が行われることにより、記録情報が改ざんされた記録媒体により不正に精算が行われたとしても前記所定の金額未満の貨幣しか払い出されないので、不正による被害を最小限に抑えることができる。
該精算要求を受信した管理装置50は、該精算要求に含まれる記録媒体IDと対応付けて管理されている残額が零であるか否かを判定する(S804)。このS804で該残額が零でない(NO)と判定された場合には、該残額を消去する残額消去処理を行って(S805)、該残額と前記端数額との合算額を含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S806)。一方、S804で該残額が零である(YES)と判定された場合には、前記端数額のみを含む精算許諾情報を精算装置60に対して返信する(S806’)。
該精算許諾情報を受信した精算装置60は、該精算許諾情報に含まれる合算額又は端数額に相当する貨幣を払い出して(S807)、S808に進む。このように、精算装置60において、管理装置50で管理されている残額とオフライン状態にあった玉貸ユニット20で発生した端数額との合算額に相当する貨幣が払い出されることにより、該合算額を1回で精算できるので、遊技者の利便性が向上する。
S808では、前記会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去し、精算履歴DBにおいて、精算処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、残額として0を記憶する共に、精算日時を記憶することにより、精算履歴を記憶し(S809)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S810)。このS810でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、カードR/W64で受け付けている該会員カード4を返却する。一方、S810でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、コインR/W65で受け付けているビジタコイン5に記録されているオンライン残額有りフラグを消去し(S811)、該ビジタコイン5をコイン回収部65bに回収する(S812)。
以上に説明した遊技用システム1によれば、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、玉貸処理に使用された使用額に対応する消費税額を徴収し、かつ管理装置50と通信できないオフライン状態で玉貸ユニット20が貨幣を受け付けたときにいわゆる一発貸しを行うようにしても、該一発貸しによって発生する端数額が記録媒体に記録されて排出され、該端数額の精算が行われることにより、該端数額を処理するための釣銭払出機能や追加入金機能を玉貸ユニット20に設ける必要がないので、玉貸ユニット20のコストが上昇することがない。
図15は、管理装置50とオンライン状態であり、貨幣を受け付けたビジタコイン発行装置70における処理の一例を表す図である。このビジタコイン発行装置70は、コインストッカ75bから排出されたビジタコイン5をコインR/W75の内部で保持しており、この状態で貨幣(ここでは10000円)を受け付けると(S901)、図6(b)のD12に示す発行額選択画面をタッチパネル式のディスプレイ73に表示する(S902)。この状態で発行額(ここでは5000円)の選択を受け付けると(S903)、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5から記録媒体IDを読み取り(S904)、該読み取った記録媒体ID(コインID)と、S903で選択された発行額である選択額とを含む発行要求を、管理装置50に対して送信する(S905)。該発行要求を受信した管理装置50は、該発行要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて該発行要求に含まれる選択額を残額として記憶する選択額記憶処理を行って(S906)、該残額を含む発行許諾情報を、ビジタコイン発行装置70に対して返信する(S907)。
該発行許諾情報を受信したビジタコイン発行装置70は、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5に対してオンライン残額有りフラグを記録し(S908)、発行履歴DBにおいて、記録媒体発行処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、S903の発行許諾情報に含まれる残額を前記記録媒体発行処理の対象となった残額として記憶する共に、発行日時を記憶することにより、発行履歴を記憶し(S909)、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5を発行し(S910)、釣銭がある場合には該釣銭の払い出しを行う(S911)。そしてコインストッカ75bで収納しているビジタコイン5を該コインストッカ75bから排出してコインR/W75の内部で保持する(S912)。
図16は、営業終了後における処理の一例を表す図である。管理装置50は、遊技場の営業終了後に、残額管理DBの記憶内容を、センタ管理装置80に対して送信する(S1001)。該残額管理DBの記憶内容を受信したセンタ管理装置80は、該受信した残額管理DBの記憶内容をバックアップ情報としてバックアップDBに記憶すると共に(S1002)、該バックアップ情報を記憶した日時をバックアップ日時としてバックアップDBに記憶して(S1003)、バックアップ情報の記憶が完了した旨を示すバックアップ完了通知を、管理装置50に対して返信する(S1004)。
図17は、残額管理DBのデータが使用不能となった場合における処理の一例を表す図である。管理装置50は、破損又は故障等により、前記管理している残額が失われた場合(例えば残額管理DBのデータが破損やアクセス不能により使用不能となった場合)において、新しい管理装置50に取り替えられた後に、処理履歴送信要求を各玉貸ユニット20に対して送信し(S1011)、精算履歴送信要求を精算装置60に対して送信し(S1021)、発行履歴送信要求をビジタコイン発行装置70に対して送信し(S1031)、バックアップ情報送信要求をセンタ管理装置80に対して送信する(S1041)。
処理履歴送信要求を受信した玉貸ユニット20は、図7(a)に示す処理履歴DBの記憶内容を抽出して(S1012)、該抽出した処理履歴を管理装置50に対して送信する(S1013)。また精算履歴送信要求を受信した精算装置60は、図7(b)に示す精算履歴DBの記憶内容を抽出して(S1022)、該抽出した精算履歴を管理装置50に対して送信する(S1023)。また発行履歴送信要求を受信したビジタコイン発行装置70は、図7(c)に示す発行履歴DBの記憶内容を抽出して(S1032)、該抽出した発行履歴を管理装置50に対して送信する(S1033)。さらにバックアップ情報送信要求を受信したセンタ管理装置80は、図7(e)に示すバックアップDBの記憶内容を抽出して(S1042)、該抽出したバックアップ情報及びバックアップ日時を管理装置50に対して送信する(S1043)。該バックアップ情報及びバックアップ日時を受信した管理装置50は、該受信したバックアップ情報を復旧用テーブルとして制御部52のRAMで記憶して(S1044)、S1045に進む。
ここで前記最後残額特定処理手段として機能する制御部52は、S1045〜S1048で最後残額特定処理を行う。即ち、まずS1045で、前記S1013で受信した処理履歴,前記S1023で受信した精算履歴,及び前記S1033で受信した発行履歴を統合(マージ)して、統合テーブルとして制御部52のRAMで記憶する。具体的には、前記受信した処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に含まれるすべての記録媒体IDについて、各記録媒体ID毎に、該受信した処理履歴,精算履歴,及び発行履歴から、各処理内容(排出,精算,又は発行),残額,及び処理日時(排出日時,精算日時,又は発行日時)を抽出すると共に、該抽出した各履歴を、各記録媒体ID毎に、最後処理特定情報に基づいて最後の処理日時(即ち最新の処理日時)が一番下になるように並べ替えて、統合テーブルとして記憶する。ここで玉貸ユニット20から送信されてくる処理履歴は各記録媒体IDに対して1つのみであるため、各玉貸ユニット20から処理履歴が送信されてきても、最後処理特定処理が簡素化される。次にS1046で、該統合テーブルを、記録媒体IDの昇順に並べ替える(ソートする)。このS1045及びS1046で作成された統合テーブルが、図17に示すものである。
次にS1047で、統合テーブルで記憶されている各記録媒体IDについて、バックアップ日時以降の最新の処理日時を特定することにより、各記録媒体ID毎に、当該記録媒体IDの会員カード4又はビジタコイン5に係わる最後の処理を特定する。具体的には、統合テーブルにおいて、最新の処理日時が一番下になるように、各記録媒体IDについての履歴が並べ替えられているので、該一番下の処理日時を最新の処理日時として特定する。そしてS1048で、S1047で特定した最新の処理日時(即ち最後の処理)に対応する残額を各記録媒体ID毎に特定する。このS1047及びS1048で特定された内容が、図17に示す統合テーブルにおいて太枠で囲んだ部分である。
これによれば、管理装置50において、精算装置60から送信されてきた精算履歴も含めて残額が復帰されるので、精算処理の対象となった記録媒体(会員カード4)が遊技者に返却されるシステムであっても、遊技者に対して正確な残額を保証することができる。即ち、仮に精算履歴を含めて残額を復帰しないとすれば、残額(例えば10000円)がある会員カード4を玉貸ユニット20から排出し、該残額を精算装置60で精算してから該会員カード4を遊技者に返却し、その後に管理装置50で管理している該残額が失われた場合に、実際には精算済みであるにも拘わらず、残額10000円の状態で排出された旨の処理履歴が玉貸ユニット20から管理装置50に対して送信され、該処理履歴に基づいて残額10000円が復帰されてしまうことにより、遊技場が損をしてしまうところ、本発明によれば、精算履歴を含めて残額を復帰するので、図17の統合テーブルにおけるM−0004のように、精算済みである会員カード4については残額が復帰されることがなく、遊技場が損をしてしまうおそれが減少する。
また、管理装置50において、ビジタコイン発行装置70から送信されてきた発行履歴も含めて残額が復帰されるので、ビジタコイン発行装置70で発行された記録媒体が玉貸ユニット20で玉貸処理に使用される前に管理装置50で管理している残額が失われても、記録媒体発行処理の対象となった残額を復帰して、遊技者に対して該残額を保証することができる。即ち、仮に発行履歴を含めて残額を復帰しないとすれば、ビジタコイン発行装置70でビジタコイン5を発行した後、該ビジタコイン5を玉貸ユニット20で使用する前に、管理装置50で管理している残額が失われた場合に、処理履歴がないために残額を復帰できず、遊技者が損をしてしまうところ、本発明によれば、発行履歴を含めて残額を復帰するので、図17の統合テーブルにおけるV−0234のように、発行済みであるが使用前であるビジタコイン5についても残額を復帰させることができ、遊技者が損をしてしまうおそれが減少する。
なおS1047において、バックアップ日時以降の最新の処理日時を特定するのは、以下の理由によるものである。例えば、ある記録媒体について、3月1日に記録媒体発行処理が行われて残額5000円が発行履歴DBに記憶され、同日に該残額を使用した玉貸処理が行われて残額2000円が処理履歴DBに記憶され、毎日の営業終了後にバックアップが行われ、5月1日に残額2000円の前記処理履歴が前記256個の記憶容量を超えたために消去された後に、管理装置50で管理している残額2000円が失われ、該残額の復帰が行われる場合を想定する。ここで当該記録媒体についての正しい残額は2000円であるが、仮にバックアップ日時と無関係に最新の処理日時を特定すると、前記処理履歴が消去されているので、前記記録媒体発行処理が行われた3月1日が最新の処理日時として特定されて、発行履歴にある残額5000円が復帰されてしまう。一方、バックアップ日時以降の最新の処理日時を特定すれば、記録媒体発行処理が行われた3月1日は最新の処理日時としては特定されず、バックアップされている正しい残額2000円を復帰させることができる。従って、上述の如く、バックアップ日時以降の最新の処理日時を特定するのである。
次に前記残額復帰処理手段として機能する制御部52は、前記S1044,及び次に述べるS1049〜S1050で残額復帰処理を行う。即ち、S1049で、前記S1048で各記録媒体ID毎に特定した残額を、復旧用テーブルの各記録媒体IDに対応する残額に上書きする。ここで復旧用テーブルにおけるM−0002の会員カード4に対応する残額は、統合テーブルにおいて復帰することができなかった残額(即ち処理履歴,精算履歴,発行履歴では復帰することができなかった残額)であるため、該復旧用テーブルの残額のまま(即ちバックアップ情報に含まれる残額のまま)存置される。そしてS1050で、該S1049で作成された復旧用テーブルを、図7(d)に示す残額管理DBとしてハードディスク55に記憶することにより、残額を復帰する。換言すれば、前記最後残額特定処理により各記録媒体ID毎に特定された残額と、前記バックアップ情報に含まれる各記録媒体ID毎の残額とに基づいて、各記録媒体の最後の残額が特定されて、該特定された残額を新たに管理するための残額復帰処理が行われる。このように、管理装置50において、処理履歴,精算履歴,発行履歴では復帰することができない残額を、センタ管理装置80から送信されてきたバックアップ情報に基づいて復帰することができるので、より多くの残額を復帰させて、遊技者に対して該残額を保証することができる。
以上に説明した遊技用システム1によれば、管理装置50において、各玉貸ユニット20から送信されてきた処理履歴に基づいて、各記録媒体ID毎に、当該記録媒体IDの会員カード4又はビジタコイン5に係わる最後の処理を特定すると共に、該最後の処理に対応する残額を特定する最後残額特定処理が行われ、該特定された残額が新たな残額として管理されるので、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、管理装置50で管理している残額が失われても、該残額を復帰して、遊技者に対して該残額を保証することができる。即ち、従来のように残額の保証ができなければ、該残額が失われてしまうので遊技者が損をしてしまうと共に、仮に遊技者の言うままに残額を保証したならば、遊技場が損をしてしまうという問題が生ずるところ、本発明によれば、残額を復帰することができるので、遊技者が損をしてしまうおそれが減少すると共に、正確な残額を復帰することができるので、遊技者の言うままに残額を保証してしまうことが無くなり、遊技場が損をしてしまうおそれが減少するという顕著な効果を奏する。
[2.オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に、図1〜図7,及び図18を参照して、オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置を備える第2実施形態に係る遊技用システム1’の構成について説明する。この遊技用システム1’は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられる玉貸ユニット20’と、該玉貸ユニット20’と通信可能な管理装置50’と、該管理装置50’と通信可能な精算装置60’及びビジタコイン発行装置70’を遊技場内に備える。この遊技用システム1’で、紙幣2,硬貨3,会員カード4,及びビジタコイン5が使用される点と、パチンコ機10の構成は、第1実施形態と同様である。
ただし、遊技用システム1’で使用される記録媒体である会員カード4及びビジタコイン5には、前記最後処理特定情報である通番が記憶される点が、第1実施形態と異なる。ここで通番は、各記録媒体について付与される、1から始まる通算番号であって、記録媒体のEEPROMに記憶されており、玉貸ユニット20’における該記録媒体の受付,玉貸処理,及び貨幣の受付(入金)や、精算装置60’における精算処理や、ビジタコイン発行装置70’における記録媒体発行処理が行われる毎に、1つずつ加算更新されるものである。従って、最新の(即ち数値が一番大きい)通番に対応する処理が、前記最後の処理である。
また遊技用システム1’は、有効期間が当日中である点,及びバックアップ装置であるセンタ管理装置80を備えていない点が、第1実施形態と異なる。これは、有効期間が当日中であるため、前記営業終了後にバックアップを行っても意味が無く、また所定時間毎にバックアップ装置でバックアップを行わなくても、処理履歴DB,精算履歴DB,及び発行履歴DBの記憶容量が、当日の履歴をすべて記憶可能な程度に充分に大きければ、それら処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に基づいて、残額を完全に復帰させることができるからである。以下、遊技用システム1’の各構成要素について、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態に係る玉貸ユニット20’は、第1実施形態に係る玉貸ユニット20に相当するものであり、該玉貸ユニット20の制御部21’は、玉貸ユニット20の制御部21に相当するものである。この玉貸ユニット20’は、玉貸ユニット20と比較して、制御部21’が記録媒体識別情報記憶判定手段及び処理履歴更新手段として機能しない点と、制御部21’のEEPROMに設けられている処理履歴DBの記憶内容のみが異なり、その他の点は同一である。
制御部21’のEEPROMには、図18(a)に示すように、前記処理履歴記憶手段の一例である処理履歴DBが設けられている。ここでは会員カード4又はビジタコイン5の受付が行われたことに基づいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、管理装置50’で管理されている残額(即ち図20のS203,又は図21のS304に示す残額通知に含まれる残額)を記憶すると共に、該受付に基づいて更新された通番を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記処理履歴として記録媒体の受付の履歴を記憶する。また使用額分の玉貸処理が行われたことに基づいて、該玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、制御部21’のRAMで記憶されている玉貸処理後の残額を記憶すると共に、該玉貸処理に基づいて更新された通番を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記処理履歴として玉貸処理の履歴を記憶する。さらに貨幣の受付(入金)に基づいて、該入金の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、制御部21’のRAMで記憶されている入金後の残額を記憶すると共に、該入金に基づいて更新された通番を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記処理履歴として入金の履歴を記憶する。即ち、この処理履歴DBでは、記録媒体の受付,玉貸処理,及び入金毎に、残額と通番が記憶される。
また、この処理履歴DBでは、制御部21’が記録媒体識別情報記憶判定手段及び処理履歴更新手段として機能しないことにより、各記録媒体IDに対応する処理履歴が更新(上書き)されることなく、順次記憶される。具体的には、ある記録媒体ID(例えばV−0808)について、既に処理履歴(例えば通番が789の玉貸履歴)が記憶されている状態で、次の処理が行われた場合には、既に記憶されている処理履歴の後ろに、当該次の処理についての処理履歴(即ち通番が780の玉貸履歴)が記憶される。また記録媒体IDがV−0115であるビジタコイン5が排出された後に、記録媒体IDがM−0041である会員カード4が再び受け付けられた場合には、該V−0115についての履歴の後ろに、当該M−0041についての履歴が記憶される。この処理履歴DBは、当日中の処理履歴をすべて記憶可能な程度に充分に大きい記憶容量を有しており、遊技場の営業終了後に該処理履歴が消去される。
なお前記処理履歴送信手段の一例である外部通信部21bは、管理装置50’から送信されてくる処理履歴送信要求に応じて、該図18(a)に示す処理履歴DBで記憶している処理履歴を管理装置50’に対して送信する(図24のS1013’を参照)。
第2実施形態に係る管理装置50’は、第1実施形態に係る管理装置50に相当するものであり、該管理装置50’の制御部52’,ディスプレイ53’,及び入力装置54’は、それぞれ管理装置50の制御部52,ディスプレイ53,及び入力装置54に相当するものである。この管理装置50’は、管理装置50と比較して、外部通信部56を備えていない点と、残額復帰処理手段である制御部52’がバックアップ情報に基づく残額復帰処理は行わない点と、制御部52’が通信不可能状態発生判定手段として機能する点と、ディスプレイ53’及び入力装置54’が有効期間設定手段として機能する点のみが異なり、その他の点は同一である。
ディスプレイ53’及び入力装置54’は精算可能期間設定手段の一例であって、精算装置60’での精算が可能な精算可能期間を設定するものであり、ここでは該精算可能期間及び玉貸ユニット20’で残額の使用が可能な使用可能期間(即ち有効期間)を設定する有効期間設定手段として機能する。具体的には、管理装置50’において有効期間設定モードが実行されると、有効期間設定画面(図示外)がディスプレイ53’に表示される。この有効期間設定画面では、入力装置54’の操作により、当日中,今週中,又は今月中のいずれかを、有効期間として設定可能である。以下においては、有効期間として当日中が設定された場合について説明する。
制御部52’は通信不可能状態発生判定手段の一例であって、前記精算可能期間内(即ち前記有効期間内)にオフライン状態が発生したか否かを判定するものである(図22(b)のS803a’を参照)。具体的には、通信部51から各玉貸ユニット20’に対して定期的(例えば10秒毎)に通信確認要求を送信し、該通信確認要求に応じて玉貸ユニット20’から通信部51に対して返信されてくる通信確認通知に基づいて、該通信確認通知の返信を定期的に検知している間はオンライン状態(即ち玉貸ユニット20’と通信できる通信可能状態)であると判定し、該通信確認通知の返信を一定期間(例えば1分間)検知しなくなるとオフライン状態(即ち玉貸ユニット20’と通信できない通信不可能状態)であると判定して、該オフライン状態が発生した旨をハードディスク55で記憶する。そしてハードディスク55でオフライン状態が発生した旨が記憶されている場合に、有効期間内にオフライン状態が発生したと判定する。
第2実施形態に係る精算装置60’は、第1実施形態に係る精算装置60に相当するものであり、該精算装置60’の制御部62’は、精算装置60の制御部62に相当するものである。この精算装置60’は、精算装置60と比較して、前記精算処理手段である制御部62’の機能が異なる点と、制御部62’のEEPROMに設けられている精算履歴DBの記憶内容のみが異なり、その他の点は同一である。
前記精算処理手段の一例である制御部62’は、前記制御部62における精算処理手段としての機能に加えて、前記通信不可能状態発生判定手段(管理装置50’の制御部52’)によりオフライン状態が発生したと判定されたことを条件として、前記端数額に相当する貨幣の払出を紙幣払出機66及び/又は硬貨払出機67に対して指示する処理を行う。具体的には、前記通信不可能状態発生判定手段によりオフライン状態が発生したと判定されると、前記精算許諾情報送信手段(管理装置50’の通信部51’)から精算許諾情報が送信されてくるので、該精算許諾情報が送信されてきたことに基づいて、精算が行われる。
制御部62’のEEPROMには、図18(b)に示すように、前記精算履歴記憶手段の一例である精算履歴DBが設けられている。ここでは精算処理が行われたことに基づいて、該精算処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、残額として0を記憶する共に、該精算処理に基づいて更新された通番を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記精算履歴を記憶する。この精算履歴DBでは、当日中の精算履歴をすべて記憶可能な程度に充分に大きい記憶容量を有しており、遊技場の営業終了後に該精算履歴が消去される。
なお前記精算履歴送信手段の一例である通信部61は、管理装置50’から送信されてくる精算履歴送信要求に応じて、該図18(b)に示す精算履歴DBで記憶している精算履歴を管理装置50’に対して送信する(図24のS1023’を参照)。
第2実施形態に係るビジタコイン発行装置70’は、第1実施形態に係るビジタコイン発行装置70に相当するものであり、該ビジタコイン発行装置70’の制御部72’は、ビジタコイン発行装置70の制御部72に相当するものである。このビジタコイン発行装置70’は、ビジタコイン発行装置70と比較して、制御部72’のEEPROMに設けられている発行履歴DBの記憶内容のみが異なり、その他の点は同一である。
制御部72’のEEPROMには、図18(c)に示すように、前記発行履歴記憶手段の一例である発行履歴DBが設けられている。ここでは記録媒体発行処理が行われたことに基づいて、該記録媒体発行処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、前記図6(b)のD12に示す発行額選択画面で選択された発行額である選択額を前記記録媒体発行処理の対象となった残額として記憶する共に、該記録媒体発行処理に基づいて更新された通番を前記最後処理特定情報として記憶することにより、前記発行履歴を記憶する。この発行履歴DBでは、当日中の発行履歴をすべて記憶可能な程度に充分に大きい記憶容量を有しており、遊技場の営業終了後に該発行履歴が消去される。
なお前記発行履歴送信手段の一例である通信部71は、管理装置50’から送信されてくる発行履歴送信要求に応じて、該図18(c)に示す発行履歴DBで記憶している発行履歴を管理装置50’に対して送信する(図24のS1033’を参照)。
次に、図19〜図24を参照して、第2実施形態に係る遊技用システム1’の作用について説明する。なお第2実施形態に係る遊技用システム1’において、玉貸ユニット20’と管理装置50’とがオフライン状態である場合の処理は、前述した図11〜図13と同様であるため、説明を省略する。
まず図19は、管理装置50’とオンライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20’における処理の一例を表す図である。この図19は前述した図8に相当するものであり、該図8と比較して、前記S114の後にS114a’及びS114b’の処理が行われる点と、前記S125の後にS125a’及びS125b’の処理が行われる点と、前記S136〜S138の処理が行われない点のみが異なり、その他の点は同一である。
まず前記S114の残額通知を受信した玉貸ユニット20’は、S114a’で、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、入金に基づく更新である。そしてS114b’で、処理履歴DBにおいて、該ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、前記S114の残額通知に含まれる残額と、前記S114a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として入金の履歴を記憶して、前記S115に進む。
また前記S125の減算完了通知を受信した玉貸ユニット20’は、S125a’で、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、玉貸処理に基づく更新である。そしてS125b’で、処理履歴DBにおいて、該ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、制御部21’のRAMで記憶されている玉貸処理後の残額と、前記S125a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として玉貸処理の履歴を記憶して、前記S117に進む。
また図20は、管理装置50’とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20’における処理の一例を表す図である。この図20は前述した図9に相当するものであり、該図9と比較して、前記S203の後にS203a’及びS203b’の処理が行われる点と、前記S215の後にS215a’及びS215b’の処理が行われる点と、前記S224の後にS224a’及びS224b’の処理が行われる点と、前記S236〜S238の処理が行われない点のみが異なり、その他の点は同一である。
まず前記S203の残額通知を受信した玉貸ユニット20’は、S203a’で、カード保持部24Pで保持している会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、記録媒体の受付に基づく更新である。そしてS203b’で、処理履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、前記S203の残額通知に含まれる残額と、前記S203a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として記録媒体の受付の履歴を記憶して、前記S204に進む。
また前記S215の減算完了通知を受信した玉貸ユニット20’は、S215a’で、カード保持部24Pで保持している会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、玉貸処理に基づく更新である。そしてS215b’で、処理履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、制御部21’のRAMで記憶されている玉貸処理後の残額と、前記S215a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として玉貸処理の履歴を記憶して、前記S206に進む。
さらに前記S224の残額通知を受信した玉貸ユニット20’は、S224a’で、カード保持部24Pで保持している会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、入金に基づく更新である。そしてS224b’で、処理履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、前記S224の残額通知に含まれる残額と、前記S224a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として入金の履歴を記憶して、前記S225に進む。
また図21は、管理装置50’とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20’における処理の一例を表す図である。この図21は前述した図10に相当するものであり、該図10と比較して、前記S305の後にS305a’及びS305b’の処理が行われる点のみが異なり、その他の点は同一である。
前記S305で会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去した玉貸ユニット20’は、S305a’で、カード保持部24Pで保持している会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、記録媒体の受付に基づく更新である。そしてS305b’で、処理履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、前記S304の残額通知に含まれる残額と、前記S305a’で更新された通番とを記憶することにより、処理履歴として記録媒体の受付の履歴を記憶して、前記S204に進む。
また図22(a)は、管理装置50’とオンライン状態であり、端数額が記録されていない記録媒体を受け付けた精算装置60’における処理の一例を表す図である。この図22(a)は前述した図14(a)に相当するものであり、該図14(a)と比較して、前記S705の後にS705a’の処理が行われると共に前記S706の処理に代えてS706’の処理が行われる点のみが異なり、その他の点は同一である。
前記S705で精算許諾情報に含まれる残額に相当する貨幣を払い出した精算装置60’は、S705a’で、カードR/W64で受け付けている会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又はコインR/W65で受け付けているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、精算処理に基づく更新である。そしてS706’で、精算履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、残額として0を記憶すると共に、前記S705a’で更新された通番を記憶することにより、精算履歴を記憶して、前記S707に進む。
また図22(b)は、管理装置50’とオンライン状態であり、端数額が記録されている記録媒体を受け付けた精算装置60’における処理の一例を表す図である。この図22(b)は前述した図14(b)に相当するものであり、該図14(b)と比較して、前記S803の後にS803a’の処理が行われる点と、前記S808の後にS808a’の処理が行われると共に前記S809の処理に代えてS809’の処理が行われる点のみが異なり、その他の点は同一である。
まず前記S803で精算要求を受信した管理装置50’は、S803a’で、ハードディスク55の記憶内容に基づいて、有効期間内(ここでは当日中)にオフライン状態が発生したか否かを判定する。このS803a’で当日中にオフライン状態が発生していない(NO)と判定された場合には、精算不可情報を、精算装置60’に対して返信する。一方、S803a’で当日中にオフライン状態が発生している(YES)と判定された場合には、S804以下に進んで、端数額の精算が許諾される。このように、有効期間内にオフライン状態が発生したと判定されたことを条件として端数額の精算が行われることにより、有効期間内にオフライン状態が発生しておらず記録媒体に端数額が記録されることがない状況においては端数額の精算が行われないので、セキュリティが向上する。
また前記S808で会員カード4又はビジタコイン5に記録されている端数額を消去した精算装置60’は、S808a’で、カードR/W64で受け付けている会員カード4のEEPROMに記憶されている通番,又はコインR/W65で受け付けているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、精算処理に基づく更新である。そしてS809’で、精算履歴DBにおいて、該会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、残額として0を記憶すると共に、前記S808a’で更新された通番を記憶することにより、精算履歴を記憶して、前記S810に進む。
また図23は、管理装置50’とオンライン状態であり、貨幣を受け付けたビジタコイン発行装置70’における処理の一例を表す図である。この図23は前述した図15に相当するものであり、該図15と比較して、前記S907の後にS907a’の処理が行われると共に前記S909の処理に代えてS909’の処理が行われる点のみが異なり、その他の点は同一である。
前記S907で発行許諾情報を受信したビジタコイン発行装置70’は、S907a’で、コインR/W75の内部で保持しているビジタコイン5のEEPROMに記憶されている通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、記録媒体発行処理に基づく更新である。そして前記S908の処理を行った後、S909’で、発行履歴DBにおいて、該ビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、前記S907の発行許諾情報に含まれる残額を前記記録媒体発行処理の対象となった残額として記憶すると共に、前記S907a’で更新された通番を記憶することにより、発行履歴を記憶して、前記S910に進む。
以上の処理により、図18(a)に示す処理履歴DBに処理履歴が記憶され、図18(b)に示す精算履歴DBに精算履歴が記憶され、図18(c)に示す発行履歴DBに発行履歴が記憶される。
図24は、残額管理DBのデータが使用不能となった場合における処理の一例を表す図である。管理装置50’は、破損又は故障等により、前記管理している残額が失われた場合(例えば残額管理DBのデータが破損やアクセス不能により使用不能となった場合)において、新しい管理装置50’に取り替えられた後に、処理履歴送信要求を各玉貸ユニット20’に対して送信し(S1011’)、精算履歴送信要求を精算装置60’に対して送信し(S1021’)、発行履歴送信要求をビジタコイン発行装置70’に対して送信する(S1031’)。
処理履歴送信要求を受信した玉貸ユニット20’は、図18(a)に示す処理履歴DBの記憶内容を抽出して(S1012’)、該抽出した処理履歴を管理装置50’に対して送信する(S1013’)。また精算履歴送信要求を受信した精算装置60’は、図18(b)に示す精算履歴DBの記憶内容を抽出して(S1022’)、該抽出した精算履歴を管理装置50’に対して送信する(S1023’)。また発行履歴送信要求を受信したビジタコイン発行装置70’は、図18(c)に示す発行履歴DBの記憶内容を抽出して(S1032’)、該抽出した発行履歴を管理装置50’に対して送信する(S1033’)。これら処理履歴,精算履歴,及び発行履歴を受信した管理装置50’は、S1045’以下の処理を行う。
ここで前記最後残額特定処理手段として機能する制御部52’は、S1045’〜S1048’で最後残額特定処理を行う。即ち、まずS1045’で、前記S1013’で受信した処理履歴,前記S1023’で受信した精算履歴,及び前記S1033’で受信した発行履歴を統合(マージ)して、統合テーブルとして制御部52’のRAMで記憶する。具体的には、前記受信した処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に含まれるすべての記録媒体IDについて、各記録媒体ID毎に、該受信した処理履歴,精算履歴,及び発行履歴から、各処理内容(受付,玉貸,入金,精算,又は発行),残額,及び通番を抽出すると共に、該抽出した各履歴を、各記録媒体ID毎に、最後処理特定情報に基づいて最後の通番(即ち最新の通番)が一番下になるように並べ替えて、統合テーブルとして記憶する。次にS1046’で、該統合テーブルを、記録媒体IDの昇順に並べ替える(ソートする)。このS1045’及びS1046’で作成された統合テーブルが、図24に示すものである。
次にS1047’で、統合テーブルで記憶されている各記録媒体IDについて、最新の通番を特定することにより、各記録媒体ID毎に、当該記録媒体IDの会員カード4又はビジタコイン5に係わる最後の処理を特定する。具体的には、統合テーブルにおいて、最新の通番が一番下になるように、各記録媒体IDについての履歴が並べ替えられているので、該一番下の通番を最新の通番として特定する。そしてS1048’で、S1047’で特定した最新の通番(即ち最後の処理)に対応する残額を各記録媒体ID毎に特定する。このS1047’及びS1048’で特定された内容が、図24に示す統合テーブルにおいて太枠で囲んだ部分である。
これによれば、第1実施形態と同様に、管理装置50’において、精算装置60’から送信されてきた精算履歴も含めて残額が復帰されるので、精算処理の対象となった記録媒体(会員カード4)が遊技者に返却されるシステムであっても、遊技者に対して正確な残額を保証することができる。
また、第1実施形態と同様に、管理装置50’において、ビジタコイン発行装置70’から送信されてきた発行履歴も含めて残額が復帰されるので、ビジタコイン発行装置70’で発行されたビジタコイン5が玉貸ユニット20’で玉貸処理に使用される前に管理装置50’で管理している残額が失われても、記録媒体発行処理の対象となった残額を復帰して、遊技者に対して該残額を保証することができる。
次に前記残額復帰処理手段として機能する制御部52’は、S1049’で残額復帰処理を行う。即ち、S1049’で、前記S1048’で各記録媒体ID毎に特定した残額を、各記録媒体IDに対応付けて、図18(d)に示す残額管理DBとしてハードディスク55に記憶することにより、残額を復帰する。
以上に説明した遊技用システム1’によれば、第1実施形態と同様に、管理装置50’において、各玉貸ユニット20’から送信されてきた処理履歴に基づいて、各記録媒体ID毎に、当該記録媒体IDの会員カード4又はビジタコイン5に係わる最後の処理を特定すると共に、該最後の処理に対応する残額を特定する最後残額特定処理が行われ、該特定された残額が新たな残額として管理されるので、いわゆる完全ID管理のシステムにおいて、管理装置50’で管理している残額が失われても、該残額を復帰して、遊技者に対して該残額を保証することができる。
[3.オフライン状態で玉貸操作による玉貸処理を行う遊技用装置を備える第1実施形態又は第2実施形態に係る遊技用システム1,1’]
次に、オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置に代えて、オフライン状態で玉貸操作による玉貸処理を行う遊技用装置を備える第1実施形態又は第2実施形態に係る遊技用システム1,1’の構成について説明する。この遊技用システム1,1’は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられる玉貸ユニット20’と、該玉貸ユニット20’と通信可能な管理装置50’と、該管理装置50’と通信可能な精算装置60’及びビジタコイン発行装置70’を遊技場内に備えると共に、第1実施形態に係る遊技用システム1は、前記管理装置50と通信可能なセンタ管理装置80を遊技場外に備える。この遊技用システム1,1’で、紙幣2,硬貨3,会員カード4,及びビジタコイン5が使用される点と、パチンコ機10の構成は、前記一発貸しを行うものと同様である。
ただし玉貸ユニット20,20’が、オフライン状態で玉貸操作により玉貸処理(貨幣貸与処理,入金残額貸与処理)を行い、受付貨幣額から玉貸処理に使用された使用額(及びここでは消費税額)を減算した入金残額を記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に記録して排出する点において、オフライン状態で一発貸しを行い、前記端数額を記録媒体に記録して排出する前記のものと異なる。以下、遊技用システム1,1’の各構成要素について、オフライン状態で一発貸しを行うものと異なる点についてのみ説明する。
玉貸ユニット20,20’は、オフライン状態で一発貸しを行うものと比較して、前記端数額記憶手段に代えて入金残額記憶手段を有する点と、前記端数額加算更新要求手段に代えて入金残額加算更新要求手段を有する点と、前記貸与処理手段としての機能と、前記記録媒体排出処理手段としての機能と、前記端数額消去処理手段に代えて入金残額消去処理手段を有する点と、特定手段を有しない点と、合算額判定手段を有しない点のみが異なり、その他の点は同一である。
制御部21,21’のRAMは入金残額記憶手段の一例であって、オフライン状態で、受付貨幣額を残額として記憶すると共に、受け付けた記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に記録されている入金残額を残額として記憶するものである。
外部通信部21bは入金残額加算更新要求送信手段の一例であって、オンライン状態を検知しているときに入金残額が記録された記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付けたことに基づいて、該受け付けた記録媒体に記録されている記録媒体IDと入金残額とを含む入金残額加算更新要求を管理装置50,50’に対して送信する。この入金残額加算更新要求を受信した管理装置50,50’では、後述する入金残額加算更新処理手段(制御部52,52’)により、該入金残額加算更新要求に含まれる記録媒体IDに対応付けて管理している残額(即ち管理残額)に対して該入金残額加算更新要求に含まれる入金残額を加算更新する入金残額加算更新処理が行われ、該管理装置50,50’から、入金残額加算更新処理が完了した旨を示す入金残額加算更新完了通知として、ここでは加算更新後の残額を含む残額通知が返信されてくる。
また制御部21,21’は入金残額消去処理手段の一例であって、前記入金残額加算更新要求送信手段により入金残額加算更新要求を送信したことに基づいて管理装置50,50’から返信されてくる前記入金残額加算完了通知(ここでは加算更新後の残額を含む残額通知)を受信したことを条件として、前記受け付けた記録媒体(即ち入金残額が記録されている会員カード4又はビジタコイン5)に記録されている入金残額を消去する入金残額消去処理を行うものである。具体的には、入金残額の消去を記録媒体R/W24に対して指示する処理を行う。これら入金残額加算更新要求手段及び入金残額消去処理手段が行う処理は、前記図10に示す各処理において、「端数額」を「入金残額」と読み替えたものである。
前記貸与処理手段として機能する制御部21,21’は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに貨幣を受け付け、該受け付けた貨幣の金額である受付貨幣額の範囲内でパチンコ玉を貸与するための貨幣貸与処理を行うものである。具体的には、オフライン状態で貨幣を受け付けると、受付貨幣額が制御部21,21’のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、前記使用額分の玉貸処理が行われる。
また貸与処理手段として機能する制御部21,21’は、前記通信可否検知手段によりオフライン状態を検知しているときに入金残額が記録された記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)を受け付け、該入金残額を使用してパチンコ玉を貸与するための入金残額貸与処理を行うものである。具体的には、オフライン状態で入金残額が記録された会員カード4又はビジタコイン5を受け付けると、該入金残額が制御部21,21’のRAMに記憶されて玉貸操作を受付可能となり、該玉貸操作が受け付けられた場合に、前記使用額分の玉貸処理が行われる。
前記記録媒体排出処理手段として機能する制御部21,21’は、前記受付貨幣額から前記貨幣貸与処理に使用された使用額を減算した入金残額が零でないことを条件として、前記記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に該入金残額を記録して排出する第2の排出処理を行うものである。
なお記録媒体排出処理手段として機能する制御部21,21’は、前記管理残額有り情報記録判定手段によりオンライン残額有りフラグが記録されている(即ちフラグが1)と判定されたことを条件として、入金残額が零のビジタコイン5を排出する処理を行う。
管理装置50,50’,及び精算装置60,60’は、オフライン状態で一発貸しを行うものと同様である。ただし、それらの説明における「端数額」は「入金残額」と読み替えるものとする。またビジタコイン発行装置70,70’,及びセンタ管理装置80は、オフライン状態で一発貸しを行うものと同様である。
次に、オフライン状態で一発貸しを行う遊技用装置に代えて、オフライン状態で玉貸操作による玉貸処理を行う遊技用装置を備える第1実施形態又は第2実施形態に係る遊技用システム1,1’の作用について説明する。この遊技用システム1,1’では、オフライン状態で一発貸しを行うものと同様に、図8〜図10,図14〜図17,及び図19〜図24に示す各処理が行われる。ただし図8〜図10,図14,図15,及び図19〜図23に示す各処理における「端数額」は「入金残額」と読み替えるものとする。また遊技用システム1,1’では、オフライン状態で一発貸しを行うものと異なり、図11〜図13に示す各処理に代えて、図25〜図27に示す各処理が行われる。
まず図25は、管理装置50,50’とオフライン状態であり、記録媒体を受け付けていない玉貸ユニット20,20’における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20,20’は、コイン収納部27aから排出されたビジタコイン5を収納コイン保持部27Pで保持している。ここで収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグは記録されていない。
この状態で貨幣を受け付けると(S1111)、受付貨幣額を残額として制御部21,21’のRAMで記憶し(S1112)、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S1113)、玉貸操作,貨幣受付,又は返却操作を待機する状態となる(S1114)。
ここで玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S1121)、前述の如く使用額分の玉貸処理を行い(S1122)、使用額+消費税額を記憶残額から減算更新し(S1123)、残額表示器30における記憶残額の表示,及び残度数表示器14における残度数の表示を更新して(S1124)、再びS1114の状態となる。
また玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で貨幣を受け付けると、S1112で受付貨幣額を記憶残額に加算更新し、S1113と同様の処理を行い、再びS1114の状態となる。
さらに玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S1131)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定して、S1132に進む。この図25では、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定される。S1132では、記憶残額が零であるか否かを判定する。このS1132で記憶残額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、会員カード4又はビジタコイン5を受付中でないと判定されているので、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却しない。一方、S1132で記憶残額が零でない(NO)と判定された場合には、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶残額を入金残額として記録し(S1133)、記憶残額を消去して(S1134)、第2の収納コインストッパ27dを開放状態とすることにより、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S135)。そして第2の収納コインストッパ27dを閉鎖状態とし、第1の収納コインストッパ27cを開放状態とすることにより、コイン収納部27aで保持している最下位のビジタコイン5を該コイン収納部27aから排出して収納コイン保持部27Pで保持する(S1136)。
次に図26及び図27は、管理装置50,50’とオフライン状態で記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20,20’における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20,20’は、会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又はビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると、該受け付けた会員カード4又はビジタコイン5の記録情報を読み取り、該読み取った記録情報に入金残額が含まれるか否かを判定する。ここで入金残額が含まれない(即ち入金残額が記録されていない)と判定されると図26に進み、入金残額が含まれる(即ち入金残額が記録されている)と判定されると図27に進む。
図26は、管理装置50,50’とオフライン状態であり、入金残額が記録されていない記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20,20’における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20,20’は、入金残額が記録されていない会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は入金残額が記録されていないビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けて(1211)、貨幣を受け付けると(S1111)、前記S1112〜S1113の処理を行い、前記S1114の状態になる。
ここでS1211で受け付けるビジタコイン5には、入金残額が記録されていないことから、該ビジタコイン5は、オンライン状態にある玉貸ユニット20,20’から排出(発行)されたものか(図8,図19を参照),端数額及びオンライン残額有りフラグが記録された状態でオフライン状態にある玉貸ユニット20で受け付けられ、一発貸しが行われた結果として該端数額が零になって該玉貸ユニット20,20’から排出されたものか(図12を参照),又はオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70,70’から発行されたもの(図15,図23を参照)であるため、該ビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されている。
ここで玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で玉貸ボタン15が押下されて玉貸操作を受け付けると(S1121)、前記S1122〜S1124の処理を行い、再びS1114の状態になる。
また玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で貨幣を受け付けると(S1221)、S1222で受付貨幣額を記憶残額に加算更新し、記憶残額を残額表示器30に表示すると共に、該記憶残額に基づく残度数を残度数表示器14に表示して(S1223)、再びS1114の状態となる。
さらに玉貸ユニット20,20’は、S1114の状態で返却ボタン16が押下されて返却操作を受け付けると(S1231)、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であるか否かを判定して、S1232に進む。この図26では、会員カード4又はビジタコイン5を受付中であると判定される。S1232では、記憶残額が零であるか否かを判定する。このS1232で記憶残額が零でない(NO)と判定された場合には、カード保持部24Pで保持している会員カード4に対して、記憶残額を入金残額として記録するか,又は投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶残額を入金残額として記録し(S1233)、記憶残額を消去して(S1234)、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却するか,又は第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S1235)。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、記憶残額がある場合に返却される。
一方、S1232で記憶残額が零である(YES)と判定された場合には、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S1236)。このS1236でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、前記S1235に進んで、カード保持部24Pで保持している該会員カード4を返却する。一方、S1236でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、S1237に進む。
S1237では、該ビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されているか否かを判定する(S1237)。このS1237でオンライン残額有りフラグが記録されていない(NO)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、第1の投入コインストッパ26cを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する。一方、S1237でオンライン残額有りフラグが記録されている(YES)と判定された場合には、前記S1235に進んで、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、記憶残額がない場合であっても、オンライン残額有りフラグが記録されている場合には返却される。ここでは前述の如く、S1211で受け付けたビジタコイン5には、オンライン残額有りフラグが記録されているので、S1237では必ずYESと判定される。
このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20,20’で、入金残額が記録されていないビジタコイン5が受け付けられ、貨幣が受け付けられて遊技者の操作により玉貸操作が行われた結果として入金残額が発生し、該入金残額を使用した玉貸処理が行われた結果として当該入金残額が零になった場合において、オンライン残額有りフラグが該ビジタコイン5に記録されていることを条件として、当該ビジタコイン5が排出されるので、管理残額があるビジタコイン5を遊技者に確実に返却できる一方で、管理残額が無く本来返却する必要のないビジタコイン5の無駄な返却を防止できる。
図27は、管理装置50,50’とオフライン状態であり、入金残額が記録されている記録媒体を受け付けた玉貸ユニット20,20’における処理の一例を表す図である。この玉貸ユニット20,20’は、入金残額が記録されている会員カード4の挿入をカード挿入口24aから受け付けるか,又は入金残額が記録されているビジタコイン5の投入をコイン投入口25から受け付けると(1311)、該入金残額を残額として制御部21,21’のRAMで記憶し(S1312)、前記S1113の処理を行い、前記S1114の状態になる。
ここでS1311で受け付けるビジタコイン5には、入金残額が記録されていることから、該ビジタコイン5は、オフライン状態にある玉貸ユニット20からオンライン残額有りフラグが記録されずに排出(発行)されたものか(図11,図25を参照),又はオンライン状態にある玉貸ユニット20,20’若しくはオンライン状態にあるビジタコイン発行装置70,70’からオンライン残額有りフラグが記録されて排出・発行された後、オフライン状態にある玉貸ユニット20,20’で受け付けられ、該玉貸ユニット20,20’から前記オンライン残額有りフラグが記録されたままの状態で排出されたもの(図12,図26を参照)である。
この玉貸ユニット20,20’では、以下S1121〜S1124,S1221〜S1223,及びS1231〜S1237で、図26と同様の処理が行われる。
このように、オフライン状態にある玉貸ユニット20,20’で、入金残額が記録されたビジタコイン5が受け付けられ、該入金残額を使用した玉貸処理が行われた結果として当該入金残額が零になった場合において、オンライン残額有りフラグが該ビジタコイン5に記録されていることを条件として、当該ビジタコイン5が排出されるので、管理残額があるビジタコイン5を遊技者に確実に返却できる一方で、管理残額が無く本来返却する必要のないビジタコイン5の無駄な返却を防止できる。
[4.変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、第1実施形態における最後処理特定情報が処理日時(排出日時,精算日時,発行日時)であり、第2実施形態における最後処理特定情報が通番である例について説明したが、これとは逆に、第1実施形態における最後処理特定情報を通番とし、第2実施形態における最後処理特定情報を処理日時(受付日時,玉貸日時,入金日時,精算日時,発行日時)としても良く、この場合において、第2実施形態では有効期間が当日中なので、最後処理特定情報が日付を含まない処理時刻(受付時刻,玉貸時刻,入金時刻,精算時刻,発行時刻)としても良い。
上記の第1実施形態では、図7(a)に示すように、処理履歴が記録媒体の排出の履歴である例について説明したが、これに限らず、図7(a’)に示すように、該処理履歴を玉貸処理の履歴としても良い。この玉貸処理DBでは、前記使用額分の玉貸処理が行われたことに基づいて、該玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDと対応付けて、制御部21のRAMで記憶されている玉貸処理後の残額を記憶すると共に、該玉貸処理が行われた日時である玉貸日時を前記最後処理特定情報として記憶することにより、玉貸履歴を記憶する。具体的には、前記処理履歴更新手段の作用により、玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDが玉貸履歴DBで記憶されていない場合には、該記録媒体IDを玉貸履歴DBに新たに記憶すると共に、該記録媒体IDに対応付けて、新たな残額及び玉貸日時を記憶し、玉貸処理の対象となった会員カード4又はビジタコイン5の記録媒体IDが玉貸履歴DBで既に記憶されている場合には、該記録媒体IDに対応する残額及び玉貸日時を新たな残額及び玉貸日時に更新(上書き)する。なお玉貸処理の後に記録媒体の排出が行われても残額の変動はないため、前記記憶されている玉貸処理後の残額が当該記録媒体の最後の残額に相当する。このように、玉貸処理が行われる毎に残額と玉貸日時を記憶して玉貸履歴を更新することにより、前記図7(a)の如く記録媒体の排出毎に残額と排出日時を記憶して処理履歴を更新するのに比べて、玉貸ユニット20が故障した場合や管理装置50とオフライン状態になった場合に緊急避難的に処理履歴を記憶・更新しなくても、玉貸履歴に基づいて正確な残額を復帰させることができる。
同様に、上記の第2実施形態では、図18(a)に示すように、処理履歴が記録媒体の受付,玉貸処理,及び入金の履歴である例について説明したが、これに限らず、図18(a’)に示すように、該処理履歴から、記録媒体の受付,及び入金の履歴を除いて、玉貸処理の履歴のみとしても良い。この玉貸履歴DBでは、各記録媒体IDに対応する玉貸履歴が更新(上書き)されることなく、順次記憶される。具体的には、ある記録媒体ID(例えばV−0808)について、既に玉貸履歴(例えば通番が789の玉貸履歴)が記憶されている状態で、次の玉貸処理が行われた場合には、既に記憶されている玉貸履歴の後ろに、当該次の玉貸処理についての玉貸履歴(即ち通番が780の玉貸履歴)が記憶される。また記録媒体IDがV−0808であるビジタコイン5が排出された後に、記録媒体IDがM−0041である会員カード4が再び受け付けられた場合には、該V−0808についての玉貸履歴の後ろに、当該M−0041についての玉貸履歴が記憶される。なお玉貸処理の後に記録媒体の排出が行われても残額の変動はないため、前記記憶されている玉貸処理後の残額が当該記録媒体の最後の残額に相当する。
上記の実施形態では、第1実施形態における処理履歴が記録媒体の排出の履歴であり、第2実施形態における処理履歴が記録媒体の受付,玉貸処理,及び入金の履歴である例について説明したが、これとは逆に、第1実施形態における処理履歴を記録媒体の受付,玉貸処理,及び入金の履歴とし、第2実施形態における処理履歴を記録媒体の排出の履歴としても良い。
上記の実施形態では、第1実施形態における有効期間が無期限であり、第2実施形態における有効期間が当日中である例について説明したが、これとは逆に、第1実施形態における有効期間を当日中とし、第2実施形態における有効期間を無期限としても良い。また有効期間は無期限ではなく、有限の長期(例えば最後の入金から1年,ビジタコイン5の発行から1年等)としても良い。
上記の第1実施形態では、有効期間、即ち精算可能期間と使用可能期間の両方が無期限である例について説明したが、これに限らず、精算可能期間又は使用可能期間のいずれか一方のみが無期限であっても良い。
上記の実施形態では、第1実施形態における遊技用装置(玉貸ユニット20)が記録媒体識別情報記憶判定手段及び処理履歴更新手段を備えており、第2実施形態における遊技用装置(玉貸ユニット20’)がこれらを備えていない例について説明したが、これとは逆に、第1実施形態における遊技用装置がこれらを備え、第2実施形態における遊技用装置がこれらを備えないようにしても良い。
上記の実施形態では、消費税率が5%である例について説明したが、これに限らず、該消費税率は設定変更可能である。また上記の実施形態では、消費税率がカード会社で設定される例について説明したが、遊技場において、管理装置50,50’で設定されて各玉貸ユニット20,20’に配信されて記憶されるようにしても良く、また各玉貸ユニット20,20’で設定されて記憶されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図1に示すように、玉貸ユニット20,20’と管理装置50,50’とが直接的に通信可能に接続されている例について説明したが、これに限らず、両者の間に台端末や中継コンピュータを介在させ、両者が間接的に通信可能に接続されるようにしても良い。また両者は有線で通信可能とされるものには限られず、無線で通信可能とされるものであっても良い。
上記の第1実施形態では、図1に示すように、バックアップ装置が、遊技場外のカード会社に設けられるセンタ管理装置80である例について説明したが、これに限らず、該バックアップ装置は、遊技場内に設けられるものであっても良く、また管理装置50に、前記ハードディスク55とは別体で前記バックアップ情報記憶手段として機能するハードディスク等の記憶装置を設けたり、あるいは前記バックアップ情報記憶手段として機能する外部記録メディア(例えばCD−Rやメモリカード等)に対して情報を書き込み可能なメディアライタを設け、前記図7(a)に示す残額管理DBの記憶内容が所定時間毎に該バックアップ情報記憶手段に記憶されるように構成して、該管理装置50自体をバックアップ装置として機能させるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2(a)に示すように、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16が遊技機(パチンコ機10)に設けられ、玉貸ユニット20,20’と接続されている例について説明したが、これに限らず、これら残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び返却ボタン16の一部又は全部を玉貸ユニット20,20’に設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、残度数表示器14において、玉貸ユニット20,20’の制御部21,21’のRAMに記憶されている残額を税込単位額(105円)で除算した商の整数部分が残度数として表示される例について説明したが、これに限らず、該残額を単位使用額(100円)で除算した商の整数部分が残度数として表示されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、紙幣識別機22にて受付可能な紙幣2の種類が1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な紙幣2の種類は、該4種類のうちの任意の1種類又は2種類以上でも良い。同様に、上記の実施形態では、硬貨識別機23にて受付可能な硬貨3の種類が100円硬貨,及び500円硬貨の2種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な硬貨3の種類は、該2種類のうちの任意の1種類でも良い。なお貨幣として紙幣2及び硬貨3の双方を受け付けるものには限られず、紙幣2又は硬貨3のいずれか一方のみを受け付けるものでも良い。
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)により受け付けられて回収された貨幣(紙幣2,硬貨3)が玉貸ユニット20,20’の外部に排出されて、紙幣搬送機構,硬貨搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該受け付けられて回収された貨幣は、玉貸ユニット20,20’の内部に貯留されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2(b)に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機22,硬貨識別機23)において、有体物である貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける例について説明したが、これに限らず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データや、クレジットカードから特定される与信金額や、デビットカードから特定される預金金額等)を接触又は非接触で受け付けるようにしても良く、この場合には、貨幣の回収は決済処理の実行に相当し、貨幣の返却は決済処理の中止に相当する。
上記の実施形態では、図2(a)(b)に示すように、記録媒体返却口(コイン返却口28)が遊技用装置(玉貸ユニット20,20’)の前面に突出して形成される例について説明したが、これに限らず、該記録媒体返却口は、遊技用装置の前面から陥没して形成されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図6(b)のD12に示すように、ビジタコイン発行装置70,70’で、予め定められた発行額の選択に基づいて、該発行額をパチンコ玉の貸与に使用可能なビジタコイン5が発行される例について説明したが、これに限らず、遊技者による任意の金額の指定に基づいて、該指定された金額をパチンコ玉の貸与に使用可能なビジタコイン5が発行されるようにしても良い。またビジタコイン発行装置70,70’において、貨幣として、紙幣2のみならず硬貨3を受け付けるようにしても良い。
上記の実施形態で、ビジタコイン発行装置70,70’において、会員カード4をを受け付けて、該受け付けた会員カード4の記録媒体IDと対応付けて管理装置50,50’で管理されている残額に対する価値加算ができるようにしても良く、この場合には、該価値加算も「記録媒体発行処理」に該当する。
上記の実施形態では、記録媒体発行装置がビジタコイン発行装置70,70’である例について説明したが、上記の第2実施形態に係る玉貸ユニット20’も、貨幣を受け付ける貨幣受付手段(紙幣識別機23,硬貨識別機24)と、該貨幣受付手段により受け付けた貨幣の金額を残額として、記録媒体(ビジタコイン5)の記録媒体識別情報(記録媒体ID)に対応付けて前記管理装置50’にて管理するための処理(図19のS112,図20のS222に示す入金要求)を行うと共に、該記録媒体に前記残額を記録することなく発行する記録媒体発行処理(図19のS140,図20のS239に示すコインの返却)を行う記録媒体発行処理手段(制御部21’)と、前記記録媒体発行処理の履歴(図18(a)に示す入金の履歴)である発行履歴として、該記録媒体発行処理の対象となった記録媒体の記録媒体識別情報と、該記録媒体発行処理の対象となった前記残額と、前記最後処理特定情報とを対応付けて、所定の処理数分記憶する発行履歴記憶手段(制御部21’の処理履歴DB)と、前記管理装置50’から送信されてくる発行履歴送信要求(図24のS1011’に示す処理履歴送信要求)に応じて、前記発行履歴記憶手段で記憶している発行履歴を前記管理装置50’に対して送信する発行履歴送信手段(外部通信部21b)と、を有する記録媒体発行装置に相当する。また上記の第1実施形態に係る玉貸ユニット20も、上記の第2実施形態に係る玉貸ユニット20’と同様に、処理履歴DBで入金の履歴を記憶するものであれば、記録媒体発行装置に相当する。
上記の第1実施形態では、図8のS136,図9のS235に示すように、記録媒体識別情報記憶判定手段による、貸与処理(玉貸処理)の対象となった記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)の記録媒体識別情報(記録媒体ID)が処理履歴記憶手段(処理履歴DB)に既に記憶されているか否かの判定が、返却操作の受付後に行われる例について説明したが、これに限らず、該記録媒体識別情報記憶判定手段による判定は、例えば貨幣の受付後や記録媒体の受付後に行われるようにしても良く、該判定を行うタイミングは特に限定されない。
上記の第1実施形態で、精算装置60においても、遊技用装置(玉貸ユニット20)と同様に、精算処理の対象となった記録媒体の記録媒体識別情報が精算履歴記憶手段で既に記憶されているか否かを判定する記録媒体記憶手段記憶判定手段と、該記録媒体識別情報記憶判定手段により記録媒体識別情報が記憶されていないと判定されたことを条件として、該記録媒体識別情報に対応する新たな精算履歴を前記精算履歴記憶手段に記憶すると共に、記録媒体識別情報が既に記憶されていると判定されたことを条件として、該記録媒体識別情報に対応して前記精算履歴記憶手段で既に記憶されている精算履歴を新たな精算履歴に更新する精算履歴更新手段と、を設けるようにしても良い。
上記の第1実施形態で、記録媒体発行装置(ビジタコイン発行装置70)においても、遊技用装置(玉貸ユニット20)と同様に、記録媒体発行処理の対象となった記録媒体の記録媒体識別情報が発行履歴記憶手段で既に記憶されているか否かを判定する記録媒体記憶手段記憶判定手段と、該記録媒体識別情報記憶判定手段により記録媒体識別情報が記憶されていないと判定されたことを条件として、該記録媒体識別情報に対応する新たな発行履歴を前記発行履歴記憶手段に記憶すると共に、記録媒体識別情報が既に記憶されていると判定されたことを条件として、該記録媒体識別情報に対応して前記発行履歴記憶手段で既に記憶されている発行履歴を新たな発行履歴に更新する発行履歴更新手段と、を設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、図7(b)又は図18(b)に示すように、精算履歴DBにおいて精算履歴を記憶する際に、残額として0も記憶される例について説明したが、これに限らず、精算後の残額は0以外にはないため、該残額は記憶しないようにしても良い。
上記の実施形態では、図7(d)又は図18(d)に示すように、管理装置50,50’において、記録媒体IDと対応付けて単に残額が記憶・管理されている例について説明したが、これに限らず、例えば入金金額,使用金額,精算金額等も併せて記憶・管理するようにしても良い。
上記の実施形態では、図7又は図18に示すように、記録媒体IDが、会員カード4のカードID(Mで始まる4桁の番号)とビジタコイン5のコインID(Vで始まる4桁の番号)とで区別されている例について説明したが、これに限らず、会員カード4とビジタコイン5とで区別のないIDであっても良い。
上記の第1実施形態では、処理履歴DB,精算履歴DB,及び発行履歴DBにおいて、256個の履歴を記憶可能である例について説明したが、これに限らず、より多い履歴の数,又はより少ない履歴の数を記憶可能なようにしても良い。
上記の第2実施形態では、処理履歴DB,精算履歴DB,及び発行履歴DBの記憶容量が、当日の履歴をすべて記憶可能な程度に充分に大きい記憶容量を有する例について説明したが、これに限らず、所定数(例えば256個)の履歴のみを記憶可能なようにしても良く、この場合においても、それら処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に基づいて、残額をほぼ復帰させることができる。
上記の実施形態では、例えば図8又は図19に示すように、S112の入金要求に記録媒体IDが含まれ、残額が入金時から該記録媒体IDと対応付けて管理される例について説明したが、これに限らず、S112の入金要求にユニットIDを含むようにして、残額を入金時には該ユニットIDと対応付けて管理しておき、S133の返却通知にユニットIDと記録媒体IDを含むようにして、該ユニットIDに対応する残額を返却時から該記録媒体IDと対応付けて管理するようにしても良い。この場合には、前記残額処理手段は、受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を減算した金額を、記録媒体の記録媒体IDと対応付けて管理装置50,50’で管理するための処理(即ち記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)として、管理装置50,50’とオンライン状態で貨幣を受け付けたときに、ユニットIDと受付貨幣額とを含む前記入金要求を管理装置50,50’に対して送信する処理と、前記使用額分の玉貸処理が行われたときに、ユニットIDと使用額+消費税額とを含む前記玉貸通知を管理装置50,50’に対して送信する処理と、排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたときに、ユニットIDと記録媒体IDとを含む前記返却通知を管理装置50,50’に対して送信する処理とを行う。
上記の実施形態では、玉貸ユニット20,20’において、管理装置50,50’とオンライン状態で貨幣が受け付けられたときに、該管理装置50,50’に対して入金要求が送信されて入金処理が行われる例について説明したが、これに限らず、玉貸ユニット20,20’において、管理装置50,50’とオンライン状態で貨幣が受け付けられても、該管理装置50,50’に対して入金要求を送信せずに、受付貨幣額を残額として制御部21,21’のRAMで記憶して玉貸処理に使用させ、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)が排出されるときに、管理装置50,50’に対して記録媒体IDと残額とが送信されて、管理装置50,50’において該記録媒体IDに対応付けて該残額が管理されるようにしても良い。この場合には、前記残額特定手段は、受付貨幣額から第1の貸与処理に使用された使用額及び該使用額に対応する消費税額を減算した金額(即ち制御部21,21’のRAMで記憶している前記玉貸処理に使用されなかった残額)を、記録媒体の記録媒体IDと対応付けて管理装置50,50’で管理するための処理(即ち記録媒体R/W24から読み取った記録媒体IDから特定可能にするための残額特定処理)として、排出操作(返却ボタン16の操作)を受け付けたときに、記録媒体IDと制御部21,21’のRAMで記憶している前記玉貸処理に使用されなかった残額とを含む通知を管理装置50,50’に対して送信する処理を行う。
上記の実施形態では、会員カード4が非接触式のICカードであり、ビジタコイン5が非接触式のICコインである例について説明したが、これに限らず、各記録媒体は、接触式の集積回路,磁気,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。また会員カード4の形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。さらにビジタコイン5の形状もコイン型には限られず、カード型であっても良い。
上記の実施形態では、会員用の記録媒体として会員カード4が使用される例について説明したが、これに限らず、例えば記録媒体IDを記録したICチップが搭載された携帯電話端末が該会員用の記録媒体として使用されるようにしても良く、この場合には、玉貸ユニット20,20’や精算装置60,60’において、該携帯電話端末を近接させることにより受け付ける記録媒体受付手段が設けられる。なお上記の実施形態において、会員カード4を使用しないように構成しても良い。
上記の実施形態において、ICカードである会員カード4やICコインであるビジタコイン5は、必ずしもCPUを搭載している必要はないが、CPUを搭載しているものであっても良い。
上記の実施形態では、ビジタコイン5に対してのみ管理残額有り情報(オンライン残額有りフラグ)が記録される例について説明したが、これに限らず、記録媒体貸与処理の対象となった会員カード4の管理残額が零でないことを条件として、該会員カード4に管理残額有り情報を記録し、管理残額を記録することなく排出する第1の排出処理を記録媒体排出処理手段(制御部21,21’)により行うようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体としてパチンコ玉を使用するスロットマシンであるパロット(登録商標),遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
上記の実施形態では、貸与処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該貸与処理は、前記メダルを貸与するメダル貸出処理や、前記封入式や画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて残額を遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
上記の実施形態では、玉貸処理が行われた場合に、玉貸ユニット20,20’とパチンコ機10との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて、該パチンコ機10に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて貸与される例について説明したが、これに限らず、玉貸ユニット20,20’に玉払出装置を設けて、パチンコ玉を払い出して貸与するようにしても良い。
上記の実施形態では、図8,図9,又は図19,図20に示すように、オンライン状態にある玉貸ユニット20,20’において、管理装置50,50’で管理されている残額を含む残額通知を予め受信して、該残額を残度数表示器14及び残額表示器30における表示用として制御部21,21’のRAMで記憶しておき、玉貸操作を受け付けたことに基づいて玉貸処理を行い、管理装置50,50’に対して玉貸通知を送信する例について説明したが、これに限らず、残度数表示器14及び残額表示器30における表示を考慮しないのであれば、残額通知を予め受信せず、玉貸操作を受け付けてから管理装置50,50’に対して記録媒体IDと使用額+消費税額とを含む減算要求を送信し、該減算要求に応じて前記減算処理が行われた管理装置50,50’から玉貸許諾通知を受信したことに基づいて玉貸処理を行うようにしても良い。この場合における管理装置50,50’は、図8,図19のS114や図9,図20のS224に示す残額通知に代えて、残額を含まない入金完了通知を返信すれば良く、図10,図21のS304に示す残額通知に代えて、残額を含まない端数額加算完了通知を返信すれば良い。
上記の実施形態では、図8,図9,又は図19,図20に示すように、玉貸通知に使用額と消費税額とを含めて管理装置50,50’に対して送信する例について説明したが、これに限らず、該玉貸通知に使用額のみを含めて管理装置50,50’に対して送信し、該使用額に対応する消費税額は該管理装置50,50’において算出するようにしても良く、この場合には、管理装置50,50’から玉貸ユニット20,20’に対して消費税率を配信する必要がなくなる。また管理装置50,50’が各玉貸ユニット20,20’における単位使用額を管理している場合(例えば各玉貸ユニット20,20’から送信されてきた単位使用額を各玉貸ユニット20,20’毎に管理している場合や、すべての玉貸ユニット20,20’における単位使用額が同一で該単位使用額を管理している場合や、管理装置50,50’で単位使用額を設定して管理し、該設定した単位使用額を各玉貸ユニット20,20’に配信する場合等)には、玉貸通知に玉貸操作が行われた旨のみを含めて管理装置50,50’に対して送信すれば良い。
上記の実施形態では、図8,図19のS124,又は図9,図20のS214に示す減算処理が、玉貸処理の開始後に行われる例について説明したが、これに限らず、該減算処理は、玉貸処理の開始前に行われるようにしても良い。即ち、該減算処理が行われ、減算完了通知が玉貸ユニット20,20’に対して送信されてから、該玉貸ユニット20,20’において玉貸処理が開始されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図8,図19のS124,又は図9,図20のS214に示す減算処理において、使用額+消費税額の合算額が管理残額から減算される例について説明したが、これに限らず、使用額と消費税額とを分けて管理残額から減算するようにしても良い。
上記の実施形態では、玉貸ユニット20,20’において使用額分の玉貸処理が行われた場合に、該使用額+消費税額(例えば525円)が記憶残額から一度に減算される例について説明したが、これに限らず、1度数分の玉貸処理が行われる毎に、税込単位額である105円が記憶残額から減算され、該減算が使用額分(例えば5回)繰り返し行われるようにしても良く、この場合には、残額表示器30における記憶残額の表示も105円ずつ減算更新され、残度数表示器14における残度数の表示も1度数ずつ減算更新される。
上記の実施形態では、図8のS140〜S141に示すように、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が返却されてから直ちに、コイン収納部27aで収納されている最下位のビジタコイン5が排出されて収納コイン保持部27Pに保持される例について説明したが、これに限らず、収納コイン保持部27Pで保持しているビジタコイン5が返却された後、貨幣が受け付けられたときに、コイン収納部27aで収納されている最下位のビジタコイン5が排出されて収納コイン保持部27Pに保持されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図11〜図13に示すように、返却操作を受け付けたことに基づいて、端数額が記録された記録媒体が排出される例について説明したが、これに限らず、一発貸しが行われる毎に、返却操作の受付によらずに、端数額が記録された記録媒体が排出されるようにしても良い。
上記の実施形態では、例えば図12に示すように、記憶端数額が零であるか否かの判定が行われてから(S532)、オンライン残額有りフラグの記録があるか否かの判定が行われる(S537)例について説明したが、これに限らず、オンライン残額有りフラグの記録があるか否かの判定が行われてから、記憶端数額が零であるか否かの判定が行われるようにしても良い。具体的には、玉貸ユニット20は、返却操作を受け付けると(S531)、ビジタコイン5を受付中であるか否かを判定する(S532’)。このS532’でビジタコイン5を受付中でない(NO)、即ち会員カード4を受付中であると判定された場合には、記憶端数額が零であるか否かを判定する(S533’)。このS533’で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、カード保持部24Pで保持している会員カード4に対して、記憶端数額を下部アンテナ27を介して記録媒体R/W24により記録し(S534’)、記憶端数額を消去して(S535’)、カード保持部24Pで保持している会員カード4を返却する(S536’)。一方、S533’で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、直接S536’に進む。
前記S532’でビジタコイン5を受付中である(YES)と判定された場合には、該ビジタコイン5にオンライン残額有りフラグが記録されているか否かを判定する(S537’)。S537’でオンライン残額有りフラグが記録されている(YES)と判定された場合には、記憶端数額が零であるか否かを判定する(S533’)。このS533’で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5に対して、記憶端数額を上部アンテナ26を介して記録媒体R/W24により記録し(S534’)、記憶端数額を消去して(S535’)、第2の投入コインストッパ26dを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5を返却する(S536’)。一方、S533’で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、直接S536’に進む。また前記S537’でオンライン残額有りフラグが記録されていない(NO)と判定された場合には、記憶端数額が零であるか否かを判定する(S538’)。このS538’で記憶端数額が零でない(NO)と判定された場合には、S534’に進む。一方、S538’で記憶端数額が零である(YES)と判定された場合には、返却操作が無効とされ、第1の投入コインストッパ26cを開放状態とすることにより、投入コイン保持部26Pで保持しているビジタコイン5をコイン収納部27aに収納する。即ちコイン投入口25から投入されたビジタコイン5は、オンライン残額有りフラグが記録されている場合,及びオンライン残額有りフラグが記録されていなくても記憶端数額がある場合には返却される。
なおS532’〜S538’の処理は、図13のS632〜S637,図26及び図27のS1232〜S1237に代えて行われるようにしても良い。ただし図26及び図27においては、記憶端数額を記憶残額,端数額を入金残額と読み替えるものとする。
上記の実施形態では、図14(b),図22(b)のS802に示すように、端数額が税込単位額未満であるか否かの判定が行われる例について説明したが、これに限らず、端数額が予め定められた一律の金額(例えば500円)未満であるか否かの判定が行われるようにしても良い。また該判定は、精算装置60,60’でなく管理装置50,50’で行われるようにしても良く、この場合には、精算要求に含まれる端数額が予め定められた所定の金額未満であるか否かを判定する端数額判定手段が、管理装置50,50’に備えられる。
上記の実施形態では、図14(b),図22(b)のS803やS806に示すように、精算要求に端数額が含まれ、管理装置50,50’から管理残額と該端数額との合算額を含む精算許諾情報が返信されてくる例について説明したが、これに限らず、精算要求には端数額を含めず、管理装置50,50’からは管理残額のみを含む精算許諾情報を返信し、精算装置60,60’側で該精算許諾情報に含まれる管理残額と前記端数額との合算額を算出するようにしても良い。
上記の実施形態では、精算装置60,60’において、精算が許諾された金額の全額が精算される例について説明したが、これに限らず、遊技者が希望する精算金額の入力を受け付けて、精算が許諾された金額の範囲内で該希望する精算金額が精算されるようにしても良い。
上記の第1実施形態では、図16に示すように、遊技場の営業終了後に、管理装置50からセンタ管理装置80に対して残額管理DBの記憶内容が送信されて、残額のバックアップが行われる例について説明したが、これに限らず、所定時間毎(例えば3時間毎)に、管理装置50からセンタ管理装置80に対して残額管理DBの記憶内容が送信されて、残額のバックアップが行われるようにしても良い。
上記の第1実施形態では、図17に示すように、バックアップ情報を復旧用テーブルに記憶してから(S1044)、統合テーブルで特定された残額を復旧用テーブルの残額に上書きして復帰する(S1049)例について説明したが、これとは逆に、統合テーブルで特定された残額を復帰用テーブルに記憶して復帰してから、統合テーブルで特定されなかった残額をバックアップ情報に基づいて記憶して復帰するようにしても良い。
上記の実施形態では、図25〜図27にオフライン状態で玉貸操作により玉貸処理を行う遊技用装置(玉貸ユニット20,20’)において、一発貸しを行う遊技用装置と同様に、玉貸処理に使用された使用額に対応する間接税額(消費税額)を徴収する例について説明したが、これに限らず、該オフライン状態で玉貸操作により玉貸処理を行う遊技用装置においては、間接税額を徴収しなくても、本発明は成立する。
上記の第2実施形態では、図22(b)のS803a’に示すように、管理装置50’において、精算装置60’から精算要求が送信されてくる毎に、有効期間内にオフライン状態が発生したか否かの判定が行われる例について説明したが、これに限らず、管理装置50’は、該判定を予め行っておくと共に、判定結果を予め精算装置60’に対して配信しておき、精算装置60’は、オフライン状態が発生した旨の判定結果が予め配信されてきていることを条件として端数額の精算を行うようにしても良い。なお有効期間が入金又は発行日に依存しない期間(例えば今週中又は今月中等)である場合には、第1実施形態においても、図22のS803a’と同様の処理を行うことができる。
上記の第2実施形態では、図24のS1013’に示すように、玉貸ユニット20’から管理装置50’に対して処理履歴を送信するときに、図18(a)に示す処理履歴のすべてが送信される例について説明したが、これに限らず、該図18(a)に示す処理履歴のうちの各記録媒体IDについて最後の処理に係る処理履歴(即ち最新の通番に係る処理履歴)のみを送信するようにしても良く、これによれば、玉貸ユニット20’から管理装置50’に対して送信される処理履歴は各記録媒体IDについて1つのみであるため、管理装置50’において、各玉貸ユニット20’から処理履歴が送信されてきても、最後残額特定処理が簡素化される。
上記の第2実施形態では、最後処理特定情報である通番が、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に記憶されている例について説明したが、これに限らず、例えば図28に示すように、該通番が、記録媒体には記憶されておらす、管理装置50’の残額管理DBにおいて、記録媒体ID及び残額と対応付けて記憶されているようにしても良い。
この場合における玉貸ユニット20’及び管理装置50’の処理を、図28を例にして説明する。この図28は前述した図19に相当するものであり、該図19と比較して、前記S113の後にS113a”,S114a”,及びS114b”の処理が行われてから、前記S115に進む点と、前記S124の後にS124a”,S125a”,及びS125b”の処理が行われてから、前記S117に進む点のみが異なり、その他の点は同一である。
まず前記S113の入金処理を行った管理装置50’は、S113a”で、該入金処理の対象となった記録媒体IDと対応付けて残額管理DBで記憶している通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、入金に基づく更新である。そしてS114a”で、前記管理している残額に加えて該更新された通番を含む残額通知を、玉貸ユニット20’に対して返信する。該残額通知を受信した玉貸ユニット20’は、S114b”で、処理履歴DBにおいて、入金処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、該残額通知に含まれる残額と通番とを記憶することにより、処理履歴として入金の履歴を記憶して、前記S115に進む。
また前記S124の減算処理を行った管理装置50’は、S124a”で、該減算処理の対象となった記録媒体IDと対応付けて残額管理DBで記憶している通番を1つ加算更新する。ここでの通番の更新は、玉貸処理に基づく更新である。そしてS125a”で、該更新された通番を含む減算完了通知を、玉貸ユニット20’に対して返信する。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20’は、S125b”で、処理履歴DBにおいて、玉貸処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、減算後の残額と該減算完了通知に含まれる通番とを記憶することにより、処理履歴として玉貸処理の履歴を記憶して、前記S117に進む。
なお説明は省略するが、前記図20及び図21においても、図28と同様にして、管理装置50’において、入金処理後,減算処理後,及び残額取得要求の受信後に、該管理装置50’が記憶している通番の更新が行われて、該更新された通番が玉貸ユニット20’に対して送信され、玉貸ユニット20’において、該受信した通番が処理履歴DBに記憶される。また前記図22においても、図28と同様にして、管理装置50’において、残額消去処理後に、該管理装置50’が記憶している通番の更新が行われて、該更新された通番が精算装置60’に対して送信され、精算装置60’において、該受信した通番が精算履歴DBに記憶される。さらに前記図23においても、図28と同様にして、管理装置50’において、選択額記憶処理後に、該管理装置50’が記憶している通番の更新が行われて、該更新された通番がビジタコイン発行装置70’に対して送信され、ビジタコイン発行装置70’において、該受信した通番が発行履歴DBに記憶される。そして、これら処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に含まれる通番に基づき、前記図24と同様にして、管理装置50’において最後残額特定処理が行われる。
上記の第2実施形態では、最後処理特定情報である通番が、各記録媒体について付与される、1から始まる通算番号であって、記録媒体(会員カード4,ビジタコイン5)に記憶されている例について説明したが、これに限らず、例えば図29に示すように、該通番が、すべての記録媒体について共通の共通通番であって、記録媒体には記憶されておらす、管理装置50’の残額管理DBにおいて記憶されているようにしても良い。
この場合における玉貸ユニット20’及び管理装置50’の処理を、図29を例にして説明する。この図29は前述した図19に相当するものであり、該図19と比較して、前記S113の後にS113b”,S114c”,及びS114d”の処理が行われてから、前記S115に進む点と、前記S124の後にS124b”,S125c”,及びS125d”の処理が行われてから、前記S117に進む点のみが異なり、その他の点は同一である。
まず前記S113の入金処理を行った管理装置50’は、S113b”で、残額管理DBで記憶している共通通番を1つ加算更新する。ここでの共通通番の更新は、入金に基づく更新である。そしてS114c”で、前記管理している残額に加えて該更新された共通通番を含む残額通知を、玉貸ユニット20’に対して返信する。該残額通知を受信した玉貸ユニット20’は、S114d”で、処理履歴DBにおいて、入金処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、該残額通知に含まれる残額と共通通番とを記憶することにより、処理履歴として入金の履歴を記憶して、前記S115に進む。
また前記S124の減算処理を行った管理装置50’は、S124b”で、残額管理DBで記憶している共通通番を1つ加算更新する。ここでの共通通番の更新は、玉貸処理に基づく更新である。そしてS125c”で、該更新された共通通番を含む減算完了通知を、玉貸ユニット20’に対して返信する。該減算完了通知を受信した玉貸ユニット20’は、S125d”で、処理履歴DBにおいて、玉貸処理の対象となったビジタコイン5の記録媒体IDに対応付けて、減算後の残額と該減算完了通知に含まれる共通通番とを記憶することにより、処理履歴として玉貸処理の履歴を記憶して、前記S117に進む。
なお説明は省略するが、前記図20及び図21においても、図29と同様にして、管理装置50’において、入金処理後,減算処理後,及び残額取得要求の受信後に、該管理装置50’が記憶している共通通番の更新が行われて、該更新された共通通番が玉貸ユニット20’に対して送信され、玉貸ユニット20’において、該受信した共通通番が処理履歴DBに記憶される。また前記図22においても、図29と同様にして、管理装置50’において、残額消去処理後に、該管理装置50’が記憶している共通通番の更新が行われて、該更新された共通通番が精算装置60’に対して送信され、精算装置60’において、該受信した共通通番が精算履歴DBに記憶される。さらに前記図23においても、図29と同様にして、管理装置50’において、選択額記憶処理後に、該管理装置50’が記憶している共通通番の更新が行われて、該更新された共通通番がビジタコイン発行装置70’に対して送信され、ビジタコイン発行装置70’において、該受信した共通通番が発行履歴DBに記憶される。そして、これら処理履歴,精算履歴,及び発行履歴に含まれる共通通番に基づき、前記図24と同様にして、管理装置50’において最後残額特定処理が行われる。ここでの共通通番は、各記録媒体IDについてみると、必ずしも連続はしていないが、最後残額特定処理に影響を及ぼすものではなく、前述したのと同様にして、最新の(即ち数値が一番大きい)共通通番が最後の処理として特定される。