JP4521579B2 - サブポルフィリン化合物およびその製造法並びにその応用 - Google Patents
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Description
更に、近年、記録媒体の高容量化のため、記録媒体に記録層を2層作成することによって記録容量の倍増を図った2層記録媒体の作成が検討されている。
本発明はまた、このサブポルフィリン化合物を含む光学記録媒体の記録層形成用色素と、この色素を用いた記録層を有する光学記録媒体およびその記録方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
置換基群A:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基)
置換基群A:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基)
[6] 前記一般式(2)において、R 10 〜R 12 が水素原子である、[5]に記載のサブポルフィリン化合物。
[7] 前記一般式(2)において、X 1 R 25 が、−OH、−OCH 3 、−OEt、−O−C 6 H 4 −(オルト位)CONEt 2 及び−O−サブポルフィリン(2量体を形成)から選ばれる、[5]または[6]に記載のサブポルフィリン化合物。
本発明のサブポルフィリン化合物は下記一般式(1)ないし下記一般式(2)で表されるものである。なお、一般式(2)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物に含まれる。
本発明において「芳香環」とは、芳香族性を有する環、すなわち(4n+2)π電子系(nは自然数)を有する環を意味し、従って、「芳香族炭化水素環」と「芳香族複素環」とを含み、「炭化水素環」とは「芳香族炭化水素環」と「非芳香族炭化水素環」の両方を意味し、「複素環」とは、「芳香族複素環」と「非芳香族複素環」の両方を意味する。芳香環の骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合環も含まれる。「芳香環基」等の「………環基」とは、このような芳香環等の環から水素原子を1個取った1価の置換基である。
また、「(ヘテロ)アリール」とは「アリール」と「ヘテロアリール」の両方を意味し、「(ヘテロ)アラルキル」とは「アラルキル」と「ヘテロアラルキル」の両方を意味する。
また、本発明において、「置換基を有していても良い」とは置換基を1以上有していても良いことを意味する。
前記一般式(1)中のR1〜R9、前記一般式(2)中のR10〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、もしくは置換基を有していても良い炭素数0〜20の非芳香環置換基を表す。
(芳香環の骨格構造)
R1〜R9,R10〜R25が芳香環基である場合、その芳香環の骨格構造の具体例としては、5員環単環としてフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、縮合環としてナフタレン環、フェナンスレン環、アズレン環、ピレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、アントラセン環等が挙げられる。これらのうち、合成上の理由から単環が好ましく、更に好ましくは6員環の単環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
R1〜R9,R10〜R25が芳香環基である場合、該芳香環基は更に置換基を有していても良い。
該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、炭化水素環基、複素環基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、(ヘテロ)アリールオキシ基、(ヘテロ)アラルキルオキシ基、更に置換基を有していても良いアミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、水酸基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基などである。
炭素数2〜20のアルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の炭化水素環基としてはシクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、テトラデカヒドロアントラニル基、フェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フェロセニル基などが挙げられる。
5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、キノリニル基、2−ピペリジニル基、2−ピペラジニル基、オクタヒドロキノリニル基などが挙げられる。
炭素数1〜9のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2〜18のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基や、2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基、2−キノリルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基などが挙げられる。
炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基や、2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等のヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキルアミノ基の例としては、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジル基などが挙げられる。
炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアリールアミノ基や、ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基、フェニル(2−チエニル)アミノ基等のヘテロアリールアミノ基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−エチル−N−シクロヘキシルカルバモイル基などが挙げられる。
炭素数2〜20のエステル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などが挙げられる。
また、該芳香環基に対する置換基の置換位置については、よりサブポルフィリン骨格に近接するように置換することが溶解性および膜性向上の面で好ましいが、離れている方が合成上の理由から好ましい。
R1〜R9,R10〜R25が炭素数0〜20の非芳香環置換基、即ち、芳香環基以下の置換基である場合、その具体例としては、上述のR1〜R9,R10〜R25の芳香環基が有していても良い置換基として挙げた具体例のうち、芳香環基以外の官能基が、それぞれ相当する。
上述の例示置換基のうち、R1〜R3,R10〜R12はそれぞれ独立に、水素原子であることが合成面で好ましく、R4〜R9はそれぞれ独立に、水素原子、もしくはR4およびR5、R6およびR7、R8およびR9がそれぞれ結合して環を形成していることが合成面で好ましく、形成された環が置換基を有していても良いベンゼン環であることが特に好ましい。
また、R13〜R24は水素原子であることが好ましく、X1R25は、後述のカウンターアニオンであることが好ましい。
R1〜R9の分子量は吸光度低下による記録感度低下を防止する観点から、更に置換基を有する場合はその置換基も含めて、合計で1,500以下であることが好ましい。
同様に、R10〜R25の分子量も吸光度低下による記録感度低下を防止する観点から、更に置換基を有する場合はその置換基も含めて、合計で1,500以下であることが好ましい。
Mは、2個の水素原子もしくは2価以上のカチオン原子を表す。Mとして挙げられるカチオン原子はサブポルフィリン骨格の窒素原子に結合し得るものであれば何でも良く、具体例としてはBe、B、Mg、Al、Si、P、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、Zn等が挙げられる。
Mは、前記一般式(1)で表される化合物の安定性の面から2個の水素原子もしくは周期表第2周期の原子、特にBであることが好ましい。
X1は周期表第16族原子であり、好ましくは酸素原子、硫黄原子である。
前記一般式(1)ないし一般式(2)で表される本発明のサブポルフィリン化合物は、吸光度低下による感度低下防止の点から、カウンターイオンが存在する場合はそれも含めて、通常分子量2,000以下、中でも1,500以下であることが好ましい。
尚、一般式(1)または一般式(2)で表される本発明のサブポルフィリン化合物は、通常水不溶性であることが好ましい。
前記一般式(1)ないし一般式(2)で表わされる本発明のサブポルフィリン化合物の具体例を以下に例示するが、本発明はその要旨をこえない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下においてEtはエチル基を、Acはアセチル基を表す。
一般式(1)または一般式(1)で表される本発明のサブポルフィリン化合物のうち、Mがホウ素であるものは、本発明の製造法に従って、次のようにして製造される。
2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体、好ましくはイソインドリノン−3−酢酸誘導体、およびホウ素化合物を混合し、窒素やアルゴンなどの不活性ガス下で加熱する。ここで、2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体は1種のみを用いても良く、2種以上を用いてもよい。また、ホウ素化合物についても、1種のみを用いても良く、2種以上を用いてもよい。
(1)2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体およびホウ素化合物を乳鉢などで混合し、溶媒の非存在下常圧もしくは10MPa以下程度の加圧条件下で加熱する。
(2)常圧もしくは加圧条件下で300℃以上の沸点を有する溶媒を用いる。
(3)マイクロ波などで一時的に急加熱する。
反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜24時間程度である。
溶媒を用いる場合、常圧もしくは加圧条件下で沸点が300℃以上の溶媒であれば特に限定されず、例えば、スルホラン、高級炭化水素、高級アルコール、ポリエチレングリコール、油脂等の常圧で高沸点である溶媒の他、ニトロベンゼンやクロロベンゼンなど加圧条件で沸点が300℃を超える溶媒等の中から1種又は2種以上を用いることができ、その使用量は2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体に対して重量比で5〜1000倍程度であることが好ましい。
前記一般式(1)ないし一般式(2)で表される本発明のサブポルフィリン化合物は吸光係数、吸収極大波長および吸収形状に優れるという特徴がある。ここで、吸光係数に優れるとは、後述の如くモル吸光係数が大きいことを言い、吸収極大波長に優れるとは、吸収極大波長が300〜380nmの範囲であることを言い、吸収形状に優れるとは、塩化メチレンやクロロホルムなどの非極性溶媒中で測定した紫外可視吸収スペクトルにおいて、吸収極大波長と長波長側の裾野(吸収極大の5%の吸収を有する点)の波長との波長差が40nm以内であることを言う。
本発明の光学記録媒体の記録層形成用色素は、上述のような本発明の新規サブポルフィリン化合物を含むものである。
なお、本発明の記録層形成用色素中には、本発明の新規サブポルフィリン化合物の1種が単独で含まれていても良く、2種以上が混合して含まれていても良い。
本発明の記録層形成用色素を用いて光学記録媒体の記録層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の一般に行われている薄膜形成法を用いることができる。これらのうち、量産性、コスト面からスピンコート法が好ましい。スピンコート法により記録層を成膜する場合、回転数は500〜5000rpmが好ましく、スピンコート後、必要に応じて、加熱または溶媒蒸気にさらす等の処理を行っても良い。記録層の膜厚は、特に限定されないが、通常10nm〜5μm、好ましくは20nm〜2μmである。
本発明の光学記録媒体は、本発明の記録層形成用色素を用いて上述のようにして形成された記録層を有するものである。
これらのうち、中心波長405nmの青色レーザー光を使用することが特に好ましい。
前記一般式(1)ないし一般式(2)で表される本発明の新規サブポルフィリン化合物は、波長350nmおよび510nm前後に鋭い吸収ピークを持つことから、光学記録媒体用途以外にも、UV−B紫外光を選択的に除去するフィルタ材料用途、2光子吸収材料やホログラム材料などの情報材料用途、フォトダイナミックセラピーなどの医療材料用途、有機半導体レーザー材料用途、光触媒や有機太陽電池などの触媒材料用途等にも好適である。また、該サブポルフィリン化合物がカウンターアニオンを有する場合、アニオンを交換させる性質を利用して、分子キャリア材料用途や分子捕集・貯蔵材料用途にも適用可能である。
<実施例1:例示化合物(A−1)の合成>
イソインドリノン−3−酢酸(3.0g:0.016モル)およびホウ酸(0.47g:0.006モル)を、乳鉢用いて粉砕、混合した後、該粉体を窒素雰囲気下、350℃で3時間加熱した。反応生成物を放冷した後、反応生成物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄した後、塩化メチレン/ジエチルエーテル(混合容量比1:1)混合溶媒に溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することでサブポルフィリン−ヒドロキシホウ素錯体(前記例示化合物(A−1))の橙色粉末(30mg)を得た。
化合物の同定は1H NMR、13C NMR、11B NMR、X線結晶構造解析およびESI TOF−MSにより行った。
1H NMR(600MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=9.44(s、3H)、8.86(dd、J=5.9、3.2Hz、6H)、7.88(dd、J=5.9、3.2Hz、6H)、−2.6(br、1H)
13C NMR(150MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=137.0、131.6、127.2、121.5、97.3
11B NMR(193MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=−14.6
ESI TOF−MS(ポジティブモード) 実測値:409.1387、計算値:409.1386
X線結晶構造解析:図5に示す。
化合物(A−1)を窒素雰囲気下、メタノール中で30分加熱還流させることにより前記例示化合物(A−2)を定量的に得た。
1H NMR(600MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=9.43(s、3H)、8.86(dd、J=5.9、2.8Hz、6H)、7.87(dd、J=5.9、2.8Hz、6H)、0.81(br、s、3H)
13C NMR(150MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=137.7、131.5、127.2、97.5、46.9
11B NMR(193MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=−14.1
ESI TOF−MS(ポジティブモード) 実測値:423.1543、計算値:423.1542
X線結晶構造解析:図6に示す。
化合物(A−1)を無水クロロホルム中に溶解させ過剰量(3当量以上)のトリフルオロ酢酸をクロロホルムで10倍に希釈した溶液を滴下した。この溶液に少量のヘキサンを加え、減圧下でゆっくりと溶媒を留去することで定量的に化合物(A−3)を得た。
化合物の同定は1H NMR、13C NMR、11B NMR、19F NMR、ESI TOF−MSおよびX線結晶構造解析により行った。
1H NMR(600MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=9.59(s、3H)、8.91(dd、J=5.9、3.2Hz、6H)、7.92(dd、J=6.0、2.8Hz、6H)
13C NMR(150MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=137.6、131.4、127.7、121.7、98.7
11B NMR(193MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=−13.7
19F NMR(565MHz、CDCl3、298K):δ(ppm)=−78.0
ESI TOF−MS(ポジティブモード) 実測値:505.1210、計算値:505.1209
X線結晶構造解析:図7に示す。
比較のため、下記構造式で表されるテトラフェニルポルフィリン化合物(B−1)と、オクタエチルポルフィリン化合物(B−2)を準備した。化合物(B−1)の紫外可視吸収スペクトルを図3に、化合物(B−2)の紫外可視吸収スペクトルを図4に示す。
化合物(A−1)、(B−1)、(B−2)の吸収極大波長(λmax)、λmaxにおけるモル吸光係数ε、波長405nmにおける吸光強度のλmaxにおける吸光強度に対する比率、裾野までの波長差(吸収極大から長波長側であって、吸収強度が吸収極大の5%となる波長と吸収極大波長との波長差)を表1にまとめて示した。
表1より、化合物(B−1)および(B−2)に比して、化合物(A−1)が、吸光係数、吸収極大波長および吸収形状の全ての面において好ましい範囲に収まっており、青色レーザー光を用いた光学記録媒体に好適であることが明らかである。
Claims (10)
- 下記一般式(2)で表されるサブポルフィリン化合物を製造する方法であって、2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体およびホウ素化合物を混合して反応させる工程を含むことを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。
置換基群A:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基) - 請求項1に記載の製造法において、反応温度が300℃以上であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。
- 請求項1または2に記載の製造法において、ホウ素化合物が置換または無置換のホウ酸であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の製造法において、2−(5−オキソ−1H−ピロール−2−イル)酢酸誘導体がイソインドリノン−3−酢酸誘導体であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。
- 下記一般式(2)で表されるサブポルフィリン化合物。
置換基群A:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基) - 前記一般式(2)において、R 10 〜R 12 が水素原子である、請求項5に記載のサブポルフィリン化合物。
- 前記一般式(2)において、X 1 R 25 が、−OH、−OCH 3 、−OEt、−O−C 6 H 4 −(オルト位)CONEt 2 及び−O−サブポルフィリン(2量体を形成)から選ばれる、請求項5または請求項6に記載のサブポルフィリン化合物。
- 請求項5ないし7のいずれか1項に記載のサブポルフィリン化合物を含むことを特徴とする光学記録媒体の記録層形成用色素。
- 請求項8に記載の記録層形成用色素を含む記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。
- 波長350〜530nmのレーザー光を用いて記録することを特徴とする請求項9に記載の光学記録媒体の記録方法。
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JP2005226900A JP4521579B2 (ja) | 2005-08-04 | 2005-08-04 | サブポルフィリン化合物およびその製造法並びにその応用 |
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