JP2003300983A - 置換基導入ポルフィリン化合物およびその用途 - Google Patents

置換基導入ポルフィリン化合物およびその用途

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JP2003300983A
JP2003300983A JP2002106940A JP2002106940A JP2003300983A JP 2003300983 A JP2003300983 A JP 2003300983A JP 2002106940 A JP2002106940 A JP 2002106940A JP 2002106940 A JP2002106940 A JP 2002106940A JP 2003300983 A JP2003300983 A JP 2003300983A
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alkyl
alkoxy
cyano
nitro
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Application number
JP2002106940A
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English (en)
Inventor
Shiyoshi Yokoyama
士吉 横山
Toshiya Uekado
敏也 上門
Noburo Masuko
信郎 益子
Takashi Yokoyama
崇 横山
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Communications Research Laboratory
National Institute for Materials Science
Original Assignee
Communications Research Laboratory
National Institute for Materials Science
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポルフィリン化合物は、種々の用途に利用さ
れているが、さらなる利用可能性のある新規ポルフィリ
ン化合物が期待されていた。また、金属などの固体表面
上に集合するポルフィリン化合物の構造を制御すること
で、新たなデバイスの創作が期待されていた。 【解決手段】下記一般式(I)で表されるポルフィリン化
合物。 (式中、Mは、2個の水素原子、金属誘導体を表し、
R’は、シアノ基、イソシアノ基、ニトロソ基、ニトロ
基、などを表し、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素
原子などを表し、m1は、1〜4の整数を表し、m2〜m
4は、それぞれ独立に1〜5の整数を表し、R5〜R
12は、それぞれ独立に水素原子などを表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ポルフィリン類化
合物および当該化合物を用いた分子集合体、触媒、記録
媒体、電子写真感光体、電界発光素子などの光機能性材
料、電子機能性材料、液晶材料、レジスト材料、記憶材
料、触媒材料などに関する。
【0002】
【従来の技術】ポルフィリン誘導体は、動植物生体内の
代謝過程で重要な役割を演じていることが知られてい
る。例えば、ヘモグロビン、チトクローム系酵素、クロ
ロフィル等は、いずれも生体内での酸化還元過程に関与
している。この事実に基づいて、機能性材料分野や触媒
分野等への応用として、多くのポルフィリン誘導体やそ
れらを触媒として用いた酸化方法の開発が手がけられて
いる。しかしながら、従来のポルフィリン誘導体は、こ
れらの適用範囲が制限され、機能の面で充分満足できる
ものではなかった。
【0003】また、ナノレベルで原子・分子を制御し、
その物質の特性を活かすナノ材料・加工技術により、新
素材の開発やそれまで限界とされていた技術開発が可能
になり、その応用は材料・デバイスのみならず、光、IT
・エレクトロニクス、医療、バイオ、環境・エネルギー
など幅広い分野に及ぶことが期待されている。そして、
近年、分子デバイス開発を目指した、金属表面上でポル
フィリン類化合物分子の自己組織化を利用して分子配列
を制御する試みが行われている。
【0004】従来から、例えば、5,10,15,20
−テトラキス−(3,5−ジ−ターシャリーブチルフェ
ニル)ポルフィリン(H2−TBPP)などは、金(1
11)表面上に規則正しく集合することが知られている
(Barth. J. V. et. Al., Pys. Rev. B42, 9307-9318
(1990))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ポルフィ
リン類は、種々の用途に利用されているが、さらなる利
用可能性のある新規ポルフィリン化合物が期待されてい
た。また、金属などの固体表面上に集合するポルフィリ
ン化合物の構造を制御することで、新たなデバイスの創
作が期待されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、一般式
(I)〜(VI)で表される本発明の新規ポルフィリン化
合物、又は当該化合物の分子集合体などにより解決され
る。例えば、一般式(I)〜(VI)で表される本発明の
新規ポルフィリン化合物は、従来観られなかった結合様
式をもって規則正しい集合体を形成するため、ボトムア
ップ型の分子デバイスを構築するために有用である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポルフィリン化合物とし
ては、以下の一般式(I)〜(VI)に記載の化合物が挙
げられる。
【0008】下記一般式(I)で表されるポルフィリン
化合物を以下説明する。
【化7】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
ロゲンのいずれかを表し、R1〜R4は、それぞれ独立し
て、水素原子、C1-12アルキル基、C1-12ハロゲン化ア
ルキル、C2-12アルケニル基、C2-30アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-30
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-30アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C 1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルキコ
キシイミノメチル基、スルファモイルイミノメチル基、
1-12アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルフ
ァモイルイミノメチル基、C1-12アルキル置換シリール
オキシ基、C6-12アリール置換シリールオキシ基、ハロ
ゲンのいずれかを表し、m1は、1〜4の整数を表し、
2〜m4は、それぞれ独立に1〜5の整数を表し、R5
〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ア
ミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有して
も良いC1−C3アルキル基を表わす。)
【0009】R’としての置換基のより詳細な例を、以
下説明する。C2-12アルケニル基としては、ビニル基
(CH2=CH-)、1-プロペニル基(CH3CH 2=CH-)、アリル
基(CH2=CHCH2-)、3-メチル-2-ブテニル基(CH3-C(CH
3)=CHCH2-)などが挙げられる。C2-12アルケニル基と
しては、C2-8アルケニル基が好ましく、C2-6アルケニ
ル基がさらに好ましく、C2-4アルケニル基が特に好ま
しい。C2-12アルケニルオキシ基としては、2−プロペ
ニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3-ブテニルオキシ、4
-ペンテニルオキシ、9-デセン-1-イルオキシ、11−ド
デセン−1−イルオキシ、9,12−テトラデカジェン
−1−イルオキシ、9−ヘキサデセン−1−イルオキ
シ、9,12−テトラデカジェン−1−イルオキシ、1
0,12−ペンタジェン−1−イルオキシなどが挙げら
れる。C2-12アルケニルオキシ基としては、C2-10アル
ケニルオキシ基が好ましく、C2-8アルケニルオキシ基
がさらに好ましく、C2-6アルケニルオキシ基がより好
ましく、C2 -4アルケニルオキシ基が特に好ましい。C
3-6ジエニル基としては、1,3-ブタジエニル基(CH3=CHC
H=CH-)などが挙げられる。
【0010】C2-12アルキニル基としては、エチニル基
(CH≡C-)、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチ
ニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-プロピニル
基、2-プロピニル基、3-プロピニル基、4-プロピニル
基、1-メチル-2-プロピニル基などが挙げられる。C
2-12アルキニル基としては、C2-8アルキニル基が好ま
しく、C2-6アルキニル基がさらに好ましく、C2-4アル
キニル基が特に好ましい。C2-12アルキニルオキシ基と
しては、エチニルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-
プロピニルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニル
オキシ基、3-ブチニルオキシ基、1-プロピニルオキシ
基、2-プロピニルオキシ基、3-プロピニルオキシ基、4-
プロピニルオキシ基、1-メチル-2-プロピニルオキシ
基、5−ヘキシン−1−イルオキシ基、9−デシン−1
−イルオキシ基、11−ドデシン−1−イルオキシ基、
10,12−ペタコサンジイル−1−イルオキシ基など
が挙げられる。C1-12アルコキシ基(CnH2n+1O-)とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピオキシ基、
イソプロピオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ
基、iso−ブトキシ基、ter-ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、アミルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキ
シ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ドコ
サン−1−イル基、ペンタコサン−1−イル基、トリア
コンタン−1−イル基などが挙げられる。C1-12アルコ
キシ基としては、C1-10アルコキシ基がより好ましく、
1-8アルコキシ基がさらに好ましく、C1-6アルコキシ
基が特に好ましい。C1-12アシル基(RCO-)としては、ホ
ルミル基(CHO-)、アセチル基(CH3CO-)、プロピオニル基
(C2H5CO-)、イソブチリル基、バレリル基(C4H9CO-)、ピ
バロイル基((CH3)3CCO-)、オクタノニル基(CH3 (CH2)6C
O-)、ラウロイル基(CH3 (CH2)10CO-)などが挙げられ
る。
【0011】C1-30アシルオキシ基(RCHOO-)としては、
ホルミルオキシ基、メトキシカルボニル(アセチルオキ
シ)基(CH3COO-)、エトキシカルボニル基(C2H5COO-)、プ
ロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノ
イルオキシ基、ラウロイルオキシ基、パルミトイルオキ
シ基、ステアロイルオキシ基、ペンタコサイノイルオキ
シ基、トリアコンタノイルオキシ基、メタクリロイルオ
キシ基、9−デセノイルオキシ基、9−オクタデセノイ
ルオキシ基、9,12−オクタデカジェノイルオキシ
基、10,12−ペンタコサジェノイルオキシ基、プロ
ピオイルオキシ基、9−デシノイルオキシ基、2,4−
ペンタデカジイノイルオキシ基、10,12−ペンタコ
サジイノイルオキシ基などが挙げられる。C1-30アシル
オキシ基としては、C1-10アシルオキシ基が好ましく、
1-8アシルオキシ基がより好ましく、C1-6アシルオキ
シ基がさらに好ましく、C1-4アシルオキシ基が特に好
ましい。C1-12アルコキシカルボニル基としては、C
1-6アルコキシカルボニル基(ROCO-)が好ましく、C1-6
アルコキシカルボニル基(ROCO-)としては、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
なお、特に断らない限り、本明細書においてRは、アル
キル基を意味する。
【0012】C1-12アルキルカルバモイル基としては、
1-6アルキルカルバモイル基(R2NCO-)が好ましく、
1-6アルキルカルバモイル基(R2NCO-)としては、メ
チルカルバモイル基(CH3NHCO-)、ジメチルカルバモイル
基((CH3) 2NCO-)、エチルカルバモイル基、ジエチルカ
ルバモイル基、メチルエチルカルバモイル基などが挙げ
られる。C1-12アルキルアミノ基としては、C1-6アル
キルアミノ基が好ましく、C1-6アルキルアミノ基とし
ては、メチルアミノ基、エチルアミノ基などの二級C
1-6アルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、メチルエチルアミノ基などの三級C1-6アルキ
ルアミノ基などが挙げられる。C1-12アシルアミノ基と
しては、C1-6アシルアミノ基(RCONH-)が好ましく、C
1-6アシルアミノ基(RCONH-)としては、アセチルアミノ
基(CH3CONH-)などが挙げられる。
【0013】C1-12アルキルチオ基としては、C1-6
ルキルチオ基が好ましく、C1-6アルキルチオ基として
は、メチルチオ基(CH3S-)、エチルチオ基、プロピル
チオ基などが挙げられる。C1-12アルキルスルホニル基
としては、C1-6アルキルスルホニル基が好ましく、C
1-6アルキルスルホニル基としては、メシル基(CH3SO
2-)、エチルスルホニル基、プロピルスルホニルなどが
挙げられる。C1-12アルキルスルファモイル基として
は、C1-6アルキルスルファモイル基が好ましく、C1-6
アルキルスルファモイル基としては、メチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基が挙げられる。C1-12
アルコキシイミノメチル基としては、C1-6アルコキシ
イミノメチル基が好ましく、メチトキシイミノメチル
基、エトキシイミノメチル基がより好ましい。C1-12
ルケニルオキシイミノメチル基としては、C1-6アルケ
ニルオキシイミノメチル基が好ましい。C1-12アルキニ
ルオキシイミノメチル基としては、C1-6アルキニルオ
キシイミノメチル基が好ましい。C1-12アルキルイミノ
メチル基としては、C1-6アルキルイミノメチル基が好
ましい。C1-12アルキルスルファモイルイミノメチル基
としては、C1-6アルキルスルファモイルイミノメチル
基が好ましい。アルコキシアミノカルボニル基として
は、C1-6アルコキシアミノカルボニル基が好ましい。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、硫黄などが挙
げられる。
【0014】R1〜R4としての置換基のより詳細な例を
以下説明する。C1-12アルキル基としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、ter-ブチル基、
などのC1-6アルキル基がこのましい。C1-12ハロゲン
化アルキルとしては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、iso−ブチル基、ter-ブチル基、などのC1-6アルキ
ル基のハロゲン化物が好ましく、ハロゲンとしては塩素
が好ましい。C2-12アルケニル基としては、ビニル基
(CH2=CH-)、1-プロペニル基(CH3CH2=CH-)、アリル
基(CH2=CHCH2-)、3-メチル-2-ブテニル基(CH3-C(CH
3)=CHCH2-)などが挙げられる。C2-12アルケニル基と
しては、C2-8アルケニル基が好ましく、C2-6アルケニ
ル基がさらに好ましく、C2-4アルケニル基が特に好ま
しい。C2-30アルケニルオキシ基としては、C2-12アル
ケニルオキシ基が好ましく、2−プロペニルオキシ、2−
ブテニルオキシ、3-ブテニルオキシ、4-ペンテニルオキ
シ、9-デセン-1-イルオキシ、11−ドデセン−1−イ
ルオキシ、9,12−テトラデカジェン−1−イルオキ
シ、9−ヘキサデセン−1−イルオキシ、9,12−テ
トラデカジェン−1−イルオキシ、10,12−ペンタ
ジェン−1−イルオキシなどが挙げられる。C2-12アル
ケニルオキシ基としては、C2-10アルケニルオキシ基が
好ましく、C2-8アルケニルオキシ基がさらに好まし
く、C2-6アルケニルオキシ基がより好ましく、C2-4
ルケニルオキシ基が特に好ましい。C3-6ジエニル基と
しては、1,3-ブタジエニル基(CH3=CHCH=CH-)などが挙
げられる。
【0015】C2-12アルキニル基としては、エチニル基
(CH≡C-)、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチ
ニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-プロピニル
基、2-プロピニル基、3-プロピニル基、4-プロピニル
基、1-メチル-2-プロピニル基などが挙げられる。C
2-12アルキニル基としては、C2-8アルキニル基が好ま
しく、C2-6アルキニル基がさらに好ましく、C2-4アル
キニル基が特に好ましい。C2-30アルキニルオキシ基と
しては、C2-12アルキニルオキシ基が好ましく、エチニ
ルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニルオキ
シ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブ
チニルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニル
オキシ基、3-プロピニルオキシ基、4-プロピニルオキシ
基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、5−ヘキシン−
1−イルオキシ基、9−デシン−1−イルオキシ基、1
1−ドデシン−1−イルオキシ基、10,12−ペタコ
サンジイル−1−イルオキシ基などが挙げられる。C
1-30アルコキシ基としては、C1-12アルコキシ基が好ま
しく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピオキシ基、
イソプロピオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ
基、iso−ブトキシ基、ter-ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、アミルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキ
シ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ドコ
サン−1−イル基、ペンタコサン−1−イル基、トリア
コンタン−1−イル基などが挙げられる。C1-12アルコ
キシ基としては、C1-10アルコキシ基がより好ましく、
1-8アルコキシ基がさらに好ましく、C1-6アルコキシ
基が特に好ましい。C1-12アシル基(RCO-)としては、ホ
ルミル基(CHO-)、アセチル基(CH3CO-)、プロピオニル基
(C2H5CO-)、イソブチリル基、バレリル基(C4H9CO-)、ピ
バロイル基((CH3)3CCO-)、オクタノニル基(CH3 (CH2)6C
O-)、ラウロイル基(CH3 (CH2)10CO-)などが挙げられ
る。
【0016】C1-30アシルオキシ基(RCHOO-)としては、
ホルミルオキシ基、メトキシカルボニル(アセチルオキ
シ)基(CH3COO-)、エトキシカルボニル基(C2H5COO-)、プ
ロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノ
イルオキシ基、ラウロイルオキシ基、パルミトイルオキ
シ基、ステアロイルオキシ基、ペンタコサイノイルオキ
シ基、トリアコンタノイルオキシ基、メタクリロイルオ
キシ基、9−デセノイルオキシ基、9−オクタデセノイ
ルオキシ基、9,12−オクタデカジェノイルオキシ
基、10,12−ペンタコサジェノイルオキシ基、プロ
ピオイルオキシ基、9−デシノイルオキシ基、2,4−
ペンタデカジイノイルオキシ基、10,12−ペンタコ
サジイノイルオキシ基などが挙げられる。C1-30アシル
オキシ基としては、C1-10アシルオキシ基が好ましく、
1-8アシルオキシ基がより好ましく、C1-6アシルオキ
シ基がさらに好ましく、C1-4アシルオキシ基が特に好
ましい。C1-12アルコキシカルボニル基としては、C
1-6アルコキシカルボニル基(ROCO-)が好ましく、C1-6
アルコキシカルボニル基(ROCO-)としては、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0017】C1-12アルキルカルバモイル基としては、
1-6アルキルカルバモイル基(R2NCO-)が好ましく、
1-6アルキルカルバモイル基(R2NCO-)としては、メ
チルカルバモイル基(CH3NHCO-)、ジメチルカルバモイル
基((CH3) 2NCO-)、エチルカルバモイル基、ジエチルカ
ルバモイル基、メチルエチルカルバモイル基などが挙げ
られる。C1-12アルキルアミノ基としては、C1-6アル
キルアミノ基が好ましく、C1-6アルキルアミノ基とし
ては、メチルアミノ基、エチルアミノ基などの二級C
1-6アルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、メチルエチルアミノ基などの三級C1-6アルキ
ルアミノ基などが挙げられる。C1-12アシルアミノ基と
しては、C1-6アシルアミノ基(RCONH-)が好ましく、C
1-6アシルアミノ基(RCONH-)としては、アセチルアミノ
基(CH3CONH-)などが挙げられる。
【0018】C1-12アルキルチオ基としては、C1-6
ルキルチオ基が好ましく、C1-6アルキルチオ基として
は、メチルチオ基(CH3S-)、エチルチオ基、プロピル
チオ基などが挙げられる。C1-12アルキルスルホニル基
としては、C1-6アルキルスルホニル基が好ましく、C
1-6アルキルスルホニル基としては、メシル基(CH3SO
2-)、エチルスルホニル基、プロピルスルホニルなどが
挙げられる。C1-12アルキルスルファモイル基として
は、C1-6アルキルスルファモイル基が好ましく、C1-6
アルキルスルファモイル基としては、メチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基が挙げられる。C1-12
アルコキシイミノメチル基としては、C1-6アルコキシ
イミノメチル基が好ましく、メチトキシイミノメチル
基、エトキシイミノメチル基がより好ましい。C1-12
ルキルイミノメチル基としては、C1-6アルキルイミノ
メチル基が好ましい。C1-12アルキルスルファモイルイ
ミノメチル基としては、C1-6アルキルスルファモイル
イミノメチル基が好ましい。C1-12アルキル置換シリー
ルオキシ基としては、C1-6アルキル置換シリールオキ
シ基が好ましく、C1-3アルキル置換シリールオキシ基
がさらに好ましい。C6-12アリール置換シリールオキシ
基としては、C6-8アリール置換シリールオキシ基が好
ましく、C6-7アリール置換シリールオキシ基がさらに
好ましい。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、硫
黄などが挙げられる。R’としては、電子吸引性基また
は電子供与性基であることが好ましく、さらに分子に分
極をもたらす基、または水素結合を形成しやすい置換基
が特に好ましい。より具体的には、シアノ基、水酸基、
カルボキシル基、アミノ基、ホルミル基、カルバモイル
基、ニトロ基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH≡N
OH)、又はC1-6アルキルイミノメチル基、C1-6スル
ファモイルイミノメチル基のいずれかであることが更に
好ましい。
【0019】〔一般式(I)中のR5〜R12〕一般式(I)
中、R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基
を有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。これらの
中でも水素原子がより好ましい。
【0020】次に、下記一般式(II)で表されるポルフ
ィリン化合物について説明する。
【化8】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
ロゲンのいずれかを表し、R1〜R4は、それぞれ独立し
て、水素原子、C1-12アルキル基、C1-12ハロゲン化ア
ルキル、C2-12アルケニル基、C2-30アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-30
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-30アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C 1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルキコ
キシイミノメチル基、スルファモイルイミノメチル基、
1-12アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルフ
ァモイルイミノメチル基、C1-12アルキル置換シリール
オキシ基、C6-12アリール置換シリールオキシ基、ハロ
ゲンのいずれかを表し、m1およびm2は、それぞれ独立
に1〜4の整数を表し、m3およびm4は、それぞれ独立
に1〜5の整数を表し、R5〜R12は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3アルキル
基を表わす。)
【0021】一般式(II)において、M、R1〜R4、R
5〜R12、R’は一般式(I)と同様であり、m1〜m4
しては、1、2または3が好ましい。
【0022】次に下記一般式(III)で表されるポルフィ
リン化合物について説明する。
【化9】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C1-6アルキル基、C2-12アルケニル基、C3-6
ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-30アルキニルオ
キシ基、水酸基、C1-30アルコキシ基、C1-12アシル
基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル基、C1-6
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C1-6アルキ
ルカルバモイル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、C
1-6アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、カルバモ
イル基、メルカプト基、C1-6アルキルチオ基、スルホ
基、スルヒノ基、メシル基、C1-6アルキルスルホニル
基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、チオカルボ
ニル基、スルファモイル基、ヒドロキシイミノメチル基
(−CH=NOH)、C1-12アルコキシイミノメチル
基、C 1-12アルケニルオキシイミノメチル基、C1-12
ルキニルオキシイミノメチル基、C1-6アルキルイミノ
メチル基、C1-6スルファモイルイミノメチル基、ハロ
ゲンのいずれかを表し、Xは、C1-8アルキル基、C1-8
アルコキシ基、トリアルキルシリールオキシ基、フェニ
ルジアルキルシリールオキシ基のいずれかを表し、Y
は、水素原子、C1-30アルコキシ基、C2-30アルケニル
オキシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C1-30アシルオ
キシ基のいずれかを表し、R5〜R12は、それぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3アルキル
基を表わす。)
【0023】一般式(II)において、M、R1〜R4、R
5〜R12、R’は一般式(I)と同様であり、m1〜m4
しては、1、2または3が好ましい。
【0024】次に、下記一般式(IV)で表される化合物に
ついて説明する。
【化10】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
ロゲンのいずれかを表し、Xは、C1-12アルキル基、C
1-12アルコキシ基、トリアルキルシリールオキシ基、フ
ェニルジアルキルシリールオキシ基、アルキルジフェニ
ルシリールオキシ基のいずれかを表し、Yは、水素原
子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30アルケニルオ
キシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C1-30アシルオキ
シ基のいずれかを表し、R5〜R12は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3アルキル
基を表わす。)
【0025】一般式(IV)において、R’、M、R5〜R
12は一般式(I)と同様である。Xとしては、C1-8アルキ
ル基、C1-8アルコキシ基、トリアルキルシリールオキ
シ基、フェニルジアルキルシリールオキシ基のいずれか
を表す。C1-8アルキル基としては、C1-6アルキル基が
好ましい。C1-8アルコキシ基としては、C1- 6アルコキ
シ基が好ましい。Xとしては、ターシャリーブチル基が
好ましい。
【0026】YにおけるC1-30アルコキシ基(CnH2n+1O
-)としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピオ
キシ基、イソプロピオキシ基、n−ブトキシ基、sec−
ブトキシ基、iso−ブトキシ基、ter-ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、アミルオキシ基、オクチルオキシ基、デ
シルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ
基、ドコサン−1−イル基、ペンタコサン−1−イル
基、トリアコンタン−1−イル基などが挙げられる。C
1-30アルコキシ基としては、C1-30アルコキシ基が好ま
しく、C1-10アルコキシ基がより好ましく、C1-8アル
コキシ基がさらに好ましく、C1-6アルコキシ基が特に
好ましい。C2-30アルケニルオキシ基としては、2−プ
ロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3-ブテニルオキ
シ、4-ペンテニルオキシ、9-デセン-1-イルオキシ、1
1−ドデセン−1−イルオキシ、9,12−テトラデカ
ジェン−1−イルオキシ、9−ヘキサデセン−1−イル
オキシ、9,12−テトラデカジェン−1−イルオキ
シ、10,12−ペンタジェン−1−イルオキシなどが
挙げられる。C2-30アルケニルオキシ基としては、C
2-10アルケニルオキシ基が好ましく、C2-8アルケニル
オキシ基がさらに好ましく、C2-6アルケニルオキシ基
がより好ましく、C2 -4アルケニルオキシ基が特に好ま
しい。C2-30アルキニルオキシ基としては、エチニルオ
キシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニルオキシ
基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチ
ニルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニルオ
キシ基、3-プロピニルオキシ基、4-プロピニルオキシ
基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、5−ヘキシン−
1−イルオキシ基、9−デシン−1−イルオキシ基、1
1−ドデシン−1−イルオキシ基、10,12−ペタコ
サンジイル−1−イルオキシ基、2,9−トリアコンテ
ィン−1−イルオキシ基などが挙げられる。C1-30アシ
ルオキシ基(RCHOO-)としては、ホルミルオキシ基、メト
キシカルボニル(アセチルオキシ)基(CH3COO-)、エトキ
シカルボニル基(C2H5COO-)、プロピオニルオキシ基、ヘ
キサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ラウロイ
ルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキ
シ基、ペンタコサイノイルオキシ基、トリアコンタノイ
ルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、9−デセノイル
オキシ基、9−オクタデセノイルオキシ基、9,12−
オクタデカジェノイルオキシ基、10,12−ペンタコ
サジェノイルオキシ基、プロピオイルオキシ基、9−デ
シノイルオキシ基、2,4−ペンタデカジイノイルオキ
シ基、10,12−ペンタコサジイノイルオキシ基など
が挙げられる。C1-30アシルオキシ基としては、C1-10
アシルオキシ基が好ましく、C1-8アシルオキシ基がよ
り好ましく、C1-6アシルオキシ基がさらに好ましく、
1-4アシルオキシ基が特に好ましい。
【0027】一般式(IV)中、Mが2個の水素原子、C
u、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、P
d、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、AlCl、
InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、GeC
2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、SnC≡
C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、R’が、分子
に分極をもたらす基、または非共有結合を形成する基で
あることが、より好ましい。本明細書において、分子に
分極をもたらす基とは、電子吸引基、電子供与基、共鳴
効果を表す基をいい、具体的には、ニトロ基、シアノ
基、ホルミル基、スルホ基、スルファモイル基、アミノ
基、アルコキシ基、エチニル基、ニトロソ基、アルキル
スルホニル基、アシル基、ハロゲンなどが挙げられ、こ
れらのうちでも、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル
基、ホルミル基、アミノ基、エチニル基などが好まし
い。また、本明細書において、非共有結合を形成する基
とは、水素結合、配位結合、イオン結合を形成する基、
または双極子相互作用、π−π相互作用などの分子間相
互作用を誘起する基をいい、具体的には、水酸基、カル
ボキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル
基、ヒドロキシイミノメチル基、ヒドロキシアミノカル
ボニル基、シアノ基、イソシアノ基、ホルミル基、スル
ホ基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうちで
も、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ホ
ルミル基、カルバモイル基、ヒドロキシイミノメチル
基、ヒドロキシアミノカルボニル基が好ましい。
【0028】さらには、一般式(IV)中、Mが2個の水素
原子であり、R’が、シアノ基、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトロ
基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH=NOH)、エ
チニル基、ヒドロキシアミノカルボニル基、又はスルフ
ァモイル基のいずれかであることがより好ましい。
【0029】次に下記一般式(V)で表される化合物につ
いて説明する。
【化11】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
ロゲンのいずれかを表し、Xは、C1-12アルキル基、C
1-12アルコキシ基、トリアルキルシリールオキシ基、ア
ルキルジフェニルシリールオキシ基、フェニルジアルキ
ルシリールオキシ基のいずれかを表し、Yは、水素原
子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30アルケニルオ
キシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C1-30アシルオキ
シ基のいずれかを表し、R5〜R12は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3アルキル
基を表わす。)
【0030】一般式(V)において、M、R’、R5〜R12
は、一般式(I)と同様である。また、X及びYは、一般
式(IV)と同様である。一般式(V)中、Mが2個の水素原
子、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、R
h、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al
Cl、InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、G
eCl2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、Sn
C≡C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、R’が、
分子に分極をもたらす基、または非共有結合を形成する
基であるものが好ましい。
【0031】さらには、一般式(V)中、Mが2個の水素
原子であり、R’が、それぞれ独立してシアノ基、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基、ホルミル基、カルバモ
イル基、ニトロ基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH
=NOH)、エチニル基、ヒドロキシアミノカルボニル
基、又はスルファモイル基のいずれかであることがより
好ましい。二つのR’が、同一であることはさらに好ま
しい。
【0032】次に下記一般式(VI)で表される化合物につ
いて説明する。
【化12】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、
R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
ロゲンのいずれかを表し、Xは、C1-12アルキル基、C
1-12アルコキシ基、トリアルキルシリールオキシ基、ア
ルキルジフェニルシリールオキシ基、フェニルジアルキ
ルシリールオキシ基のいずれかを表し、Yは、水素原
子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30アルケニルオ
キシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C1-30アシルオキ
シ基のいずれかを表し、R5〜R12は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、ニトロ
基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3アルキル
基を表わす。)
【0033】一般式(VI)において、M、R’、R5〜R
12は、一般式(I)と同様である。また、X及びYは、一
般式(IV)と同様である。一般式(VI)中、Mが2個の水素
原子、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、R
h、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al
Cl、InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、G
eCl2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、Sn
C≡C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、R’が、
分子に分極をもたらす基、または非共有結合を形成する
基であるものが好ましい。
【0034】さらに、一般式(VI)中、Mが2個の水素原
子であり、R’が、それぞれ独立してシアノ基、水酸
基、カルボキシル基、アミノ基、ホルミル基、カルバモ
イル基、ニトロ基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH
=NOH)、エチニル基、ヒドロキシアミノカルボニル
基、又はスルファモイル基のいずれかであることがより
好ましい。二つのR’が、同一であることはさらに好ま
しい。
【0035】具体的なポルフィリン化合物としては、5
−(4−アセトキシフェニル)−10、15、20−ト
リス (3、5−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ポ
ルフィリン 、5−(4−ヒドロキシフェニル)−1
0、15、20−トリス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル) ポルフィリン、5−(4−シアノフェニ
ル)−10、15、20−トリス(3,5−ジターシャ
リーブチルフェニル)ポルフィリン、5、15−ビス
(4−シアノフェニル)−10、20、−ビス(3,5−
ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリン、5、1
0−ビス(4−シアノフェニル)−15、20、−ビス
(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリ
ン、(2) 5-[4-(5,5-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-イ
ル)フェニル]-10,15,20-トリス(3,5-ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン、5,15-ビス[4-(5,5-ジメ
チル-1,3-ジオキサン-2-イル)フェニル]-10,20-ビス
(3,5-ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリン、
5,10-ビス[4-(5,5-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-イル)フ
ェニル]-15,20-ビス(3,5-ジターシャリーブチルフェニ
ル)ポルフィリン、5−(4−ホルミルフェニル)−1
0,15,20−トリス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル)ポルフィリン、5,10-ビス−(4−ホル
ミルフェニル)−15,20−ビス(3,5−ジターシャ
リーブチルフェニル)ポルフィリン、5−(4−シアノ
フェニルフェニル)−10,15,20−トリス(3,
5−ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリン、C
u(II)−5−(4−シアノフェニルフェニル)−10,1
5,20−トリス(3,5−ジターシャリーブチルフェ
ニル)ポルフィリン、5,15−ビス(4−ニトロフェ
ニル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン、5,10−ビス(4−ニ
トロフェニル)−15,20−ビス(3,5−ジターシ
ャリーブチルフェニル)ポルフィリン、5,15−ビス
(4−メトキシカルボニルフェニル)−10,20−ビス
(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリ
ン、5,10−ビス(4−メトキシカルボニルフェニル)
−15,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチルフ
ェニル)ポルフィリン、5,15−ビス(4−シアノフ
ェニル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリー
ブチル−4−プロパルギルオキシフェニル)ポルフィリ
ン、5,10−ビス(4−シアノフェニル)−15,20
−ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−プロパル
ギルオキシフェニル)ポルフィリン、5,15−ビス
(4−カルボキシフェニル)−10,20−ビス(3,5
−ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリンなどが
挙げられる。
【0036】〔ポルフィリン化合物の製造方法〕以下
に、本発明のポルフィリン化合物の製造方法の例を挙げ
て説明する。これらはあくまで、例示であり、当業者の
有する知識を用いて種々の変更を加え、本発明のポルフ
ィリン化合物を製造することもできる。
【0037】〔ルートA:アルデヒドとピロロメタン誘
導体からの製造〕一般式(I)におけるR’が、シアノ
基、ニトロ基、水酸基、アシル基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、エチニル基
(-C≡CH)又は下記式(7a)〜(7c)で表され
る基であり、Mが2つの水素原子である場合について
は、アルデヒドとピロロメタン誘導体からの本発明のポ
ルフィリン化合物を製造することができる。
【0038】
【化13】 (式中、RnおよびR’nは、それぞれ独立して、C
1-6アルキル基を表す。)この合成に必要な条件は、例
えばTetrahedron Vol. 50, No. 39, pp. 11427-11440,
1994 に記載された条件を採用することができる。ルー
トAを用いた場合としては、一般式(I)中、R’がシア
ノ基、ニトロ基、メトキシカルボニル基など電子吸引性
のものが好ましく、さらに、R5〜R12が水素原子であ
るものがより好ましく合成できる。
【0039】〔ルートB:2種のアルデヒドとピロ−ル
からの製造〕一般式(I)におけるMが2つの水素原子で
ある場合については、2種のアルデヒドとピロ−ルを用
いて製造することができる。この合成に必要な条件は、
例えばTetrahedron Vol. 53, No. 37, pp. 12339-1236
0, 1997 、または Bull. Chem. Soc. Jpn., 59, 2371 -
2373 (1986)に記載された条件を採用することができ
る。上記2つのアルデヒドとしては、置換基を有するフ
ェニルアルデヒド基があげられ、当該置換基が、一般式
(II)の(R1)m1〜(R4)m4に対応していてもよい。
ルートBを用いた場合としては、一般式(I)中、R5〜R
12が水素原子であるものがより好ましく合成できる。
【0040】一般式(I)において、R’が、水酸基、カ
ルボキシル基、カルバモイル基、ホルミル基、アミノ
基、エチニル基であるものは、R’が、シアノ基、ニト
ロ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、一般
式(7a)〜(7c)表される基であるものを中間体と
して定法により合成することもできる。
【0041】〔Mが金属または金属の誘導体である化合
物の製造〕一般式(I)において、Mが金属またはその誘
導体であるものは、上記で説明したMが2個の水素原子
であるポルフィリン化合物に、当該金属Mまたはその誘
導体のジアセチルオキシ化合物、またはジハロゲン化物
を用い、定法に従って導入することができる。
【0042】〔分子集合体〕上記一般式(I)〜(VI)で表
される化合物は、触媒や顔料として用いることができ
る。その他、金属表面において上記化合物を集合させる
ことができ、その際の集合様式を分子レベル(又は、ナ
ノレベル)で制御することが可能である。このような、
金属表面に集合した分子集合体は、触媒や記憶媒体とし
て利用可能である。
【0043】[基板]本発明では、例えば、金属表面上に
試料の分子集合体が形成される。金属は、雲母やガラス
などの基板の上に金属が蒸着等により形成されたもので
あっても良い。試料が形成される基板としては、雲母や
ガラスなどが挙げられる。これらのうちでも、雲母が好
ましく、さらに雲母の表面粗さが、50nm以下、より
好ましくは1nm以下、さらに好ましくは0.5nm以
下であれば、金属表面を平らにすることができ、試料分
子が金属表面上の凹凸に入りこむ事態を避けることがで
きるためより好ましい。ここで表面粗さとは、2乗平均
粗さ(Rs)を意味する。
【0044】[金属]金属表面を構成する金属としては、
金、銅、白金、銀、タングステン、などが挙げられる。
これらのうちでも、金が好ましく、金の(111)表面
に試料が形成されることがより好ましい。金(111)
表面であれば、不活性であり試料分子との化学反応等を
防止することができるからである。さらに、その基板に
金属薄膜が形成された場合その表面の粗さが、50nm
以下であれば好ましく、10nm以下であればより好ま
しく、5nmであればさらに好ましく、1nm以下であ
ればさらに好ましく、0.5nm以下でれば特に好まし
い。このように基板上に形成された金属薄膜の表面粗さ
が小さければ、金属膜上に試料膜を形成した際に、試料
分子が金属膜上の窪みにはまる事態を回避することがで
き、より均一な試料膜を得ることができる結果、好適な
測定状況を得ることができるのである。
【0045】[試料]分子集合体を形成する試料分子とし
ては、上記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が挙げら
れる。これらの中でも、分子に電子吸引性または電子供
与性のある置換基を有する分子を用いることが好まし
い。
【0046】[分子集合体の製造方法]以下に、本発明の
分子集合体の製造方法の例を説明する。本発明における
分子集合体の製造方法の一例としては、基板に金属膜を
形成する金属膜形成工程と、基板上に試料分子からなる
分子集合体を形成する分子集合体形成工程とを含む。
【0047】[金属膜形成工程]基板上に金属膜を形成す
る方法としては、固体反応法、沈殿法、塗布法、液相エ
ピタキシー法、融液エピタキシー法、ゾルゲル法、陽極
酸化法や、真空蒸着、スパッター法、イオンプレーティ
ング法などの物理蒸着法や、CVD法、MOCVD法、
プラズマCVD法などの化学蒸着(CVD)法など、公
知の金属膜形成方法を用いることができる。これらの中
でも金属膜形成方法としては、物理蒸着法が好ましく、
スパッター法がより好ましく、超高真空中で行われるス
パッター法が特に好ましい。
【0048】分子集合体が理想的に形成するためには、
金属膜の凹凸に分子が入り込んだり、不規則な分子−金
属表面の相互作用を避けるためにも金属膜が平らな方が
好ましい。表面を平らにするためには、例えば、雲母な
どの基板の上に、金属膜を蒸着し、その後焼きなまし
(加熱工程)を加え、ゆっくり冷やすこと(アニールす
ること)で、金の再結晶化を図る方法が挙げられる。こ
のようにすることで、原子配列が整った金属膜を形成す
ることができる。加熱としては、例えば、ガスバーナー
で1秒から10分程度(好ましくは、10秒から1分程
度)加熱する方法が挙げられるが、金属膜の温度を上げ
ることができる方法であれば限定されない。
【0049】[分子集合体形成工程]金属表面上に試料分
子からなる分子集合体を形成する方法としては、固体反
応法、沈殿法、塗布法、液相エピタキシー法、融液エピ
タキシー法、ゾルゲル法、陽極酸化法や、真空蒸着、ス
パッター法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法
や、CVD法、MOCVD法、プラズマCVD法などの
化学蒸着(CVD)法など、公知の膜形成方法や、ガス
中蒸発法、プラズマ中蒸発法、水素プラズマ反応法、ハ
イブリッドプラズマ法などの気相化学反応法、通電加熱
蒸発法などの気相法や、沈殿法、アルコキシド法、還元
法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法など液相法などを用いるこ
とができる。これらの中でもガス中蒸発法、プラズマ中
蒸発法、水素プラズマ反応法、ハイブリッドプラズマ法
などの気相化学反応法が真空を破らずに作業できるため
好ましく、ガス中蒸発法がより好ましく、クヌーセンセ
ルやるつぼを用いたガス中蒸発法が特に好ましい。
【0050】5−(4−シアノフェニル)−10、15、
20−トリス(3,5−ジターシャリーブチルフェニ
ル)ポルフィリンなど、H2−TBPPにシアノ基を1
つまたは2つ導入した化合物と金(111)表面との組
合せが特に好ましい。H2−TBPPは、ポルフィリン
のコアの他に、ジターシャリーブチルフェニル基(t−
BP)を有しており、t−BP基がポルフィリン平面に
対して、20度の角度を持って存在するという立体構造
をもつ。この、t−BPが金表面と相互作用し、ポルフ
ィリン表面は、金表面と接しない。したがって、ポリフ
ィリンコアはフリーの状態で存在しており、フリーなポ
ルフィリンコアを用いて触媒作用が得られる。
【0051】〔顔料〕ポルフィリンは、光記録媒体(CD
-ROMなど)や、電子写真感光体など様々な用途に利用さ
れる顔料であるが、本発明の化合物を新規顔料として用
いることができる。そして、顔料の色は、ポルフィリン
の置換基などを調整することにより制御することができ
る。
【0052】〔記録媒体〕記録媒体は、たとえば、基板
上に、記録層、反射層、保護層をこの順に形成させたも
のであり、例えばCD-Rなどの光記録媒体が挙げられる。
一般式(I)〜(VI)で示される化合物や、その分子集合体
を記録層に含めて記録媒体を形成する。この光記録媒体
の記録層に半導体レーザー等のレーザー光を高パワーで
照射すると、記録層が物理的あるいは化学的変化を起こ
し、ピットの形で情報を記録する。形成されたピットに
低パワーのレーザー光を照射し、反射光の変化を検出す
ることにより、ピットの情報を再生することができる。
【0053】基板や、反射層、保護層については、光記
録媒体に用いられているものを適宜利用することができ
る。記録層における一般式(I)〜(VI)で示される化合物
や、その分子集合体の含有量は、30%以上、好ましく
は60%以上である。尚、実質的に100%であること
も好ましい。
【0054】記録層を設ける方法は、例えば、スピンコ
ート法、スプレー法、キャスト法、浸漬法などの塗布
法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法などが挙げら
れるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0055】スピンコート法などの塗布法を用いる場合
には、一般式(I)〜(VI)で示される化合物や、その分子
集合体を1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%と
なるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用い
るが、この際、溶媒は基板にダメージを与えないものを
選ぶことが好ましい。
【0056】〔電子写真感光体〕本発明の一般式(I)〜
(VI)で示される化合物や、その分子集合体を電荷発生物
質とし、電荷輸送物質と組み合わせて分散型もしくは機
能分離型の電子写真用感光体が作成できる。電荷発生物
質は、上記以外のものが含まれていてもよい。層構成と
しては分散型の場合、導電性基体の上に、結着剤中に電
荷発生物質、電荷輸送物質を分散させた感光層を設け
る。機能分離型の場合は、基体上に電荷発生物質及び結
着剤を含む電荷発生層、その上に電荷輸送物質及び結着
剤を含む電荷輸送層を形成するものであるが、正帯電型
とする場合には、電荷発生層、電荷輸送層を逆に積層し
てもよい。
【0057】以上のような層構成、物質を用いて感光体
を作成する場合には、膜厚、物質の割合に好ましい範囲
がある。負帯電型(基体/電荷発生層/電荷輸送層の積
層)の場合、電荷発生層において、結着剤に対する電荷
発生物質の割合は10〜80重量%が好ましく、20〜
70重量%であればより好ましい。また、膜厚は0.0
1〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましい。電
荷輸送層においては結着剤に対する電荷輸送物質の割合
は20〜200重量%以上、膜厚は5〜100μmとす
るのが好ましい。正帯電型の場合、電荷輸送層において
は結着剤に対する電荷輸送物質の割合は20〜200重
量%以上、膜厚は5〜100μmとするのが好ましい。
【0058】電荷発生物質の分散方法としては、例えば
ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げられ、また
塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレード塗工
法、スプレー塗工法等が挙げられる。
【0059】電荷輸送物質には正孔輸送物資と電子輸送
物質がある。正孔輸送物質としては、例えばポリ−N−
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、などが挙げ
られる。
【0060】電荷発生層あるいは電荷輸送層の分散液あ
るいは溶液を調整する際に使用する溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレ
ン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、
1,1,1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、1,
1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テト
ラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル
等を挙げることができる。
【0061】接着性、電荷ブロッキング性を向上させる
ために、感光層と基体との間に中間層(下引き層)を設
けても良い。さらに耐摩擦性など、機械的耐久性を向上
させるために、感光層上に保護層を設けても良い。電荷
発生物質は適当な溶媒に、必要に応じて結着(バイン
ダ)樹脂と共に溶解もしくは分散せしめ、塗布し乾燥さ
せることにより設けることができる。
【0062】電荷発生層、電荷輸送層および分散型感光
層形成時に用いる結着剤としては、絶縁性がよい従来か
ら知られている電子写真感光体用結着剤であれば何でも
使用でき、特に限定はない。例えばポリエチレン、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレ
ン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂並
びにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む
共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほ
か、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導
体が挙げられる。これらのバインダは単独または2種類
以上の混合物として用いることができる。
【0063】感光層中には分散型、機能分離型ともに、
帯電性の向上や酸化防止などのために、フェノール化合
物、ハイドロキノン化合物、ヒンダードフェノール化合
物、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードアミンとヒン
ダードフェノールが同一分子中に存在する化合物などを
添加してもよい。
【0064】導電性基体としては、アルミニウム、ニッ
ケル、銅、チタン、金、ステンレス等の金属板、金属ド
ラム又は金属箔、アルミニウム、ニッケル、銅、チタ
ン、金、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラス
チックフィルムあるいは導電性物質を塗布した紙、プラ
スチックなどのフィルムまたはドラム等が挙げられる。
これらのなかで、アルミニウムのドラムが解くに好まし
い。
【0065】下引き層の材料としては、前記バインダ樹
脂として挙げたものの他に、ポリアミド樹脂、ポリビニ
ルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、
N−アルコキシメチルナイロン等に樹脂をそのまま、又
は酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ
素、あるいは酸化インジウムなどを分散させたもの、酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、あるいは酸化
ケイ素などの蒸着膜、アルマイト等が挙げられる。
【0066】[有機電界発光素子]陽極と、陽極と接して
積層された有機化合物からなる正孔注入層と、有機化合
物からなる発光層と、有機化合物からなる電子輸送層及
び陰極が積層されて得られる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子であって、正孔注入層は一般式(I)〜(VI)で示
される化合物や、その分子集合体を用いることにより有
機電界発光素子として用いることができる。電場により
注入されたキャリア電子、正孔が再結合する際に励起状
態になり、基底状態に落ちる際に発光する。およそ、こ
のような原理を用いて有機電界発光素子とすることがで
きる。正孔注入層の製造方法としては、例えば蒸着によ
るものが挙げられるが、耕地の製造方法を用いることが
できる。正孔注入層の膜厚としては、10nmから10
0nmが好ましく、20nmから30nmであればさら
に好ましい。正孔注入層の成分としては、一般式(I)〜
(VI)で示される化合物や、その分子集合体のみで構成さ
れているものが好ましく、結着樹脂などを含んでいても
よい。陽極、発光層、電子輸送層、陰極については、公
知のものを適宜用いることができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 (1) 5−(4−アセトキシフェニル)− 10、1
5、20−トリス (3、5−ジ−ターシャリーブチル
フェニル)ポルフィリン 〔5- (4-Acetoxyphenyl)-10,1
5,20 -tris (3,5-di-tertiarybutylphenyl )porphyri
n〕の製造 ジクロロメタン90mlに3,5-ジ-タ-シャリーブチルベンズ
アルデヒド 818mg,ピロール336mg, 4-アセトキシベンズ
アルデヒド 205mg, ベンジルトリブチル-アンモニウム
クロリド 5mgを溶解した。フラスコ内に窒素ガス導入
しながら10分撹拌した後、21〜23℃でボロントリフルオ
リド・エーテレートの1モル/1 溶液0.5mlを滴下し
た。10分間撹拌した後、この反応液に2,3-ジクロロ-5,6
-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を加えた。反応液
をさらに1時間10分撹拌した後、トリエチルアミン0.
65mlを加え、液量約30ml程度になるまで減圧濃縮した。
ついでこれを、アルミナをつめたカラム(φ55×110m
m)の上に注ぎ、ジクロルメタンで溶出した、晴赤紫色
のフラクションを集め、濃縮すると、粗ポルフィリン混
合物の結晶1.4gが得られた。この粗ポルフィリン結晶を
シリカゲルカラムクロロトグラフィー(φ70×220m
m、シクロヘキサン+ジクロルメタンの混合溶媒、2:1
→3:2で溶出)で精製して目的の化合物252mgを得た。
収率は20%であった。得られた化合物の飛行時間型質量
分析器による質量分析の結果及び、重クロロホルム中で
のプロトンNMRの結果を以下に示す。
【0068】TOF-MSスペクトル:m/z=1007.79 (計算
値:MH+ = 1009.67) NMR (300MHz):1H, δ= -2.727 (2H, s ), 1.526 (54H,
s ), 2.495 (3H, s ) 7.492 (2H, d, J=6.6Hz), 7.777, 7.787, 7.792, 7.79
2, 8.070, 8.077, 8.082,8.090, 8.237 (2H, d, J=6.6H
z), 8.856-8.907(8H, m.)
【0069】(2)5−(4−ヒドロキシフェニル)−
10、15、20−トリス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル) ポルフィリン〔5- (4-Hydroxyphenyl)
-10, 15, 20- tris (3,5-di-tertiarybutylphenyl) por
phyrin〕の製造 実験1-(1)で得たアセチル体をトリフルオロ酢酸5mlに溶
解し、これに10%H2SO420滴を加えた。この溶液を室温で
45分間撹拌した後、加熱し、2時間環流させた。冷却
し、ジクロルメタン50mlを加え、水洗(2回)後、5%NaH
CO3水で洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥後、減圧下
溶媒を留去して粗結晶を得た。これをシリカゲルカラム
クロロトグラフィー(φ44×250mm, シクロヘキサンナジ
クロルメタン混合溶媒, 1:3で溶出) で精製して目的の
化合物の結晶92.3mgを得た。収率は95.5%であった。得
られた化合物の飛行時間型質量分析器による質量分析の
結果及び、重クロロホルム中でのプロトンNMRの結果
を以下に示す。
【0070】TOF-MSスペクトル:m/z = 967.37 (計算
値:MH+ = 967.63) NMR (300MHz) 1H, δ= -2.717 (2H, br.s), 1.523 + 1.
516 (54H) 7.177 (2H, d, J = 8.7Hz), 7.785 (3H, d, J = 1.5H
z), 8.072, 8.077, 8.085,8.090, 8.099, 8.861, 8.87
8, 8.888, 8.905.
【0071】実施例2 (1) メソ−(4−シアノフェニル)ジピロメタン〔Mes
o- (4-cyanophenyl) dipyrromethane〕の製造 200mlの三口フラスコに4−シアノベンズアルデヒド(4
-cyanobenzaldehyde)5.25g および ピロ-ル(pyrrol
e) 107gを加え、窒素ガスを流しつつ10分間撹拌。冷
却、撹拌下トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)
0.46gを滴下した。その後25-26℃で20分撹拌した後、
反応液をジクロルメタン350mlにとかし、0.1規定NaOH、
ついで水で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃
縮した。残留物を温かいうちにジクロルメタン20mlにと
かし、冷却すると結晶が析出した。これらをろ過して5.
86gの結晶を得た。ろ液をふたたび濃縮した後ジクロル
メタン8mlにとかし、冷却して結晶をろ取してさらに1.6
gを得た。収率は75.4%融点は168-169.5℃であった。得
られた化合物のガスクロマトグラフィー分析器による質
量分析の結果及び、重クロロホルム中でのプロトンNM
Rの結果を以下に示す。
【0072】GC-MS m/z: 247(M+), 181, 145., NMR(300
MHz):1Hδ5.522(1H, s), 5,860(2H, J=2.1Hz), 6.151,
6.161, 6.171, 6.181, 6.718, 6.723, 6.727, 6.732,
6.742,7.255, 7.289, 7.296, 7.316, 7.323, 7.572, 7.
579, 7.601, 7.606, 7.614, 7.945.
【0073】(2)5−(4−シアノフェニル)−10、1
5、20−トリス(3,5−ジターシャリーブチルフェ
ニル)ポルフィリン(A)、〔 5-(4-Cyanophenyl) -1
0,15,20-tris (3,5-di-tertiarybuthylphenyl) porphyr
in(A)〕、5、15−ビス(4−シアノフェニル)−1
0、20、−ビス(3,5−ジターシャリーブチルフェ
ニル)ポルフィリン(B)、〔5,15-Bis (4-cyanopheny
l)-10,20-bis (3,5-di-tertiarybuthylphenyl) porphyr
in (B)〕、及び5、10−ビス(4−シアノフェニル)−
15、20、−ビス(3,5−ジターシャリーブチルフ
ェニル)ポルフィリン(C)、〔5,10-Bis (4-cyanophe
nyl) 15,20-bis(3,5-di-tertiarybuthyphenyl) porphyr
in (C)〕の製造 200ml三口フラスコに上記2−1で製造した、meso (4-c
yanophenyl) dipyrromethane 989mg, 及び、3,5−ジ
ターシャリーブチル−ベンズアルデヒド(3,5-ditertia
rybutyl- benzaldehyde) 873mg, トリブチルべンジル
アンモニウムクロライド(tributhylbenzylammonium ch
loride) 7.5mg を入れ、ジクロルメタン80mlを加えて
溶かした。窒素ガスを流しつつ10分間撹拌したのち、ド
ロントリフルオリド・エーテレート(borontrifluoride
etherate:BF3・OEt2) の1M溶液を0.8mlを滴下
した。この溶液を24-25℃で10分間撹拌した後、DDQ1.4g
を加え、24-25℃で1時間撹拌した。トリエチルアミン
0.65ml を加えて濃縮し、液量約30mlにした。これをア
ルミナをつめたカラム(内径 55x105mm)の上に注ぎ、
ジクロルメタンで溶出した。つぎにジクロルメタン+エ
ーテル 10:1 の溶媒で溶出した。後者の溶媒による溶
出物が0.6g得られ、化合物A,B,Cの混合物であった。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し
(溶媒:シクロヘキサン+ジクロルメタン 5:4, 5:5,
4:5, 1:2 の混合比に順次かえた。)、溶出される順に
化合物A 125mg(収率9.6%), 化合物B 146.9mg(8.26%),
化合物C 165.4mg(9.3%) を得た。融点:300℃でA,B,C
ともに溶融、分解しなかった。得られた化合物の飛行時
間型質量分析器による質量分析の結果及び、重クロロホ
ルム中でのプロトンNMRの結果を以下に示す。
【0074】化合物A TOF-MS m/z: 977.10 (計算値 MH+ =976.63). NMR(300MHz): δ-2.700(2H, br.s), 1.518(54H, s ),
7.804(3H, s ), 8.041-8.077(8H, m), 8.360(2H, d,J=
8.1), 8.716(2H, d, J=5.1Hz), 8.902-8.919(6H, m).
【0075】化合物B TOF-MS m/z: 889.28 (計算値 MH+ =889.50). NMR(300MHz): δ-2.766(2H, br.s), 1.533(36H, s ),
7.826(2H, t, J=1.8Hz),8.050-8.075(8H, m), 8.350(4
H, d,J=8.1Hz), 8.738(4H, d, J=5.1Hz), 8.937(4H, d,
J=4.5).
【0076】化合物C TOF-MS m/z: 888.15 (計算値 MH+ =889.50). NMR(300Hz): δ-2.758(2H, s), 1.526(36H, s ), 7.816
(2H, t J=1.8Hz), 8.058-8.087(8H, m), 8.350(4H, d,J
=8.1Hz), 8.733(2H, d, J=5.1Hz), 8.763(2H, s), 8.92
9-8.941(4H, m).
【0077】実施例3 (1)メソ−(3,5−ジターシャリーブチルフェニ
ル)ジピロロメタンの製造 3,5−ジターシャリーブチルベンズアルデヒド15.
3g、ピロ−ル167.8g、トリフルオロ酢酸0.9
1gを用いて実験例2−1と同様に反応後、処理して粗
油状物28gを得た。これをアルミナカラムクロマトグ
ラフィー(メルク社製Basic Alumina 9
0、溶出液:シクロヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒)
で、精製を3回繰り返し、得られた結晶を石油エーテル
から再結晶して目的の結晶10.48gを得た。収率
は、44.98%、融点105℃〜107℃、ガスクロ
マトグラフィーによる質量分析による質量分析の結果
(m/z)は、344(計算値333.49)であっ
た。重クロロホルム中でのプロトンNMRの結果を以下
に示す。 NMR(300MHz,DMSO):1H δ1.216(18H, s), 5.283(1H, s),
5.654(2H, s), 5.876(2H, s), 6.581(2H, s), 7.023(2
H, s), 7.196(1H, s), 10.514(2H, s).
【0078】(2) 5-[4-(5,5-ジメチル-1,3-ジオキ
サン-2-イル)フェニル]-10,15,20-トリス(3,5-ジター
シャリーブチルフェニル)ポルフィリン(D)、5,15-ビ
ス[4-(5,5-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-イル)フェニル]
-10,20-ビス(3,5-ジターシャリーブチルフェニル)ポ
ルフィリン(E)、5,10-ビス[4-(5,5-ジメチル-1,3-ジオ
キサン-2-イル)フェニル]-15,20-ビス(3,5-ジターシャ
リーブチルフェニル)ポルフィリン(F)の製造 メソ−(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ジピ
ロロメタン533.6mg、4−(5,5−ジメチル−
1,3−ジオキサン−2−イル)ベンズアルデヒド35
2.4mg、トリブチルベンズアンモニウムクロライド
3mg、ボロントリフルオライドエチレート1M溶液
0.32ml、DDQ563mgを用いて、実施例2−
2と同様に反応後処理し、アルミナのショートカラムに
かけ、ジクロロメタンとエーテル10:1の溶媒で溶出
して、ポルフィリン混合物を0.3g得た。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し(溶媒;
シクロヘキサン+クロロホルム 1:1 → 1:1
1)、溶出される順に化合物D71.5mg(収率1
2.6%)、化合物E45.1mg(収率5.3%)、
化合物Fと他の化合物の混合物約100mを得た。いず
れもジクロロメタン+メタノールから再結晶をした。融
点はいずれも300℃以上であった。
【0079】得られた化合物の飛行時間型質量分析器に
よる質量分析の結果及び、重クロロホルム中でのプロト
ンNMRの結果を以下に示す。 化合物D TOF-MS m/z: 1065.65 (計算値 MH+ =1065.70). NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.717(2H, s), 0.917(3H, s
), 1.462(3H,s), 3.845(2H, d, J=11Hz), 3.957(2H,
d, J=10.2Hz), 5.746(1H, s), 7.784(3H, s), 7.900(2
H, d, J=8.1Hz), 8.077(6H, br. s), 8.254(24H, d, J=
6.6Hz) , 8.836-8.890(8H, m). 化合物E NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.758(2H, s), 0.917(6H, s
), 1.470(6H,s), 1.535(36H, s), 3.861(4H, d, J=11H
z), 3.965(4H, d, J=10.4Hz), 5.759(2H, s), 7.8(2H,
t, j=1.9), 7.907(4H, d, J=7.7Hz), 8.075(4H, t, j=
1.6), 8.249(4H, d, J=8.3Hz) , 8.833(4H, d, J=4.38
Hz), 8.862(4H, d, J=4.38Hz).
【0080】(3)5−(4−ホルミルフェニル)−1
0,15,20−トリス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル)ポルフィリン(G)の製造 化合物D117.2mgをトリフルオロ酢酸5mlに溶
解させ、これに10%硫酸を14滴加えた。混合物を室
温にて15分間攪拌した後、過熱し、1時間還流した。
冷却後、ジクロロメタン80mlに溶解し、水洗後、つ
いで5%重曹水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮して得た結晶をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(φ44×280mm、溶媒;シクロヘ
キサン+ジクロロメタン 1:1)で精製し、目的物の
結晶103mgを得た。収率は、95.6%、融点は3
00℃以上であった。
【0081】得られた化合物の重クロロホルム中でのプ
ロトンNMRの結果を以下に示す。 化合物G NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.700(2H, s),1.523(54H, s
), 7.792-7.804(3H, m), 8.07-8.085(6H, m), 8.279(2
H, d, J=8.1Hz), 8.426(2H, d, J=8.1), 8.776(2H, d,
j=4.5), 8.912-8.924(6H, m), 10.382(1H, s).
【0082】(4)5,15-ビス−(4−ホルミルフェ
ニル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン(H)の製造 化合物E52mgを実施例3−3と同様にして加水分解
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目
的物の結晶37.8mgを得た。収率は86.7%、融
点は300℃以上であった。 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。化合物H NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.708(2H, s), 1.542(36H,
s ), 7.829(2H, t, j=1.6), 8.093(4H, t, J=1.6), 8.2
83(4H, d, J=8.28Hz), 8.420(4H, d, J=8.28), 8.800(4
H, d, j=4.4), 10.944(4H, d, J=4.4).
【0083】(5)5,10-ビス−(4−ホルミルフェ
ニル)−15,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル)ポルフィリン(I)の製造 化合物F含むポルフィリン化合物100mgを実施例3
−3と同様にして加水分解し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(φ50×280mm、クロロホルムで溶
出)で精製し、目的物の結晶33.5mgを得た。融点
は300℃以上であった。得られた化合物の重クロロホ
ルム中でのプロトンNMRの結果を以下に示す。 化合物I NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.703(2H, s), 1.548(36H,
s ), 7.823(2H, t, J=0.8), 8.084(4H, t, J=0.8), 8.2
89(4H, d, J=4.14Hz), 8.420(4H, d, J=4.14), 8.796(2
H, d, j=4.98), 8.812(2H, s), 8.916-8.967(4H, m).
【0084】実施例4 5−(4−シアノフェニル)−10,15,20−トリス
(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ポルフィリ
ン(A)の製造−2− 実施例3−3で得られた化合物G22mg、ヒドロキシ
ルアミン塩酸塩59mg、蟻酸ナトリウム61mgを蟻
酸4mlに溶解し、室温で30分間攪拌した後、過熱し19
時間還流させた。反応液を冷却後、ジクロロメタン約5
0mlにと化し、水洗し、ついで炭酸ナトリウム水溶液
で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮して得た固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(φ30×115mm、シクロヘキサン+ジクロロメ
タン 1:2 の混合溶媒で溶出)で精製して、目的化
合物Aの結晶15.2mgを得た。収率は69.2%で
あった。得られた化合物の飛行時間型質量分析と、重ク
ロロホルム中でのプロトンNMRの結果は、実施例2−
2と同様であった。
【0085】実施例5 5−(4−シアノフェニルフェニル)−10,15,20
−トリス(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ポ
ルフィリン(J)の製造 ルートAの方法で合成したメチルエステル100.9m
gをテトラヒドロフラン40mlに溶解し、これに10
%水酸化カリウム5mlとセチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド15mgとを加えて室温で15分間攪拌し
た後、加熱し、6時間還流した。反応液を濃縮し、残留
液に水を加え、中和してpH5〜6とした後、クロロホ
ルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、濃縮した。得られた固形物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(φ45×115mm、ク
ロロホルム+エタノール 100:7で溶出)で精製
し、目的物92.7mを得た。収率は、93.2%であ
った。融点は、300℃以上であった。化合物D11
7.2mgをトリフルオロ酢酸5mlさせ、これに10
%硫酸を14滴加えた。混合物を室温にて15分間攪拌
した後、過熱し、1時間還流した。冷却後、ジクロロメ
タン80mlに溶解し、水洗後、ついで5%重曹水で洗
浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
て得た結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ
44×280mm、溶媒;シクロヘキサン+ジクロロメ
タン 1:1)で精製し、目的物の結晶103mgを得
た。収率は、95.6%、融点は300℃以上であっ
た。
【0086】得られた化合物の重クロロホルム中でのプ
ロトンNMRの結果を以下に示す。化合物J NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.684(2H, s), 1.53(54H, s
), 7.79-7.812(3H, m),8.077-8.098(6H, m), 8.393(2
H, d, J=8.4Hz), 8.548(2H, d, J=8.4), 8.818(2H, d,
j=4.8), 8.915-8.936(6H, m).
【0087】実施例6 Cu(II)−5−(4−シアノフェニルフェニル)−10,
15,20−トリス(3,5−ジターシャリーブチルフ
ェニル)ポルフィリン(K)の製造 化合物A29.3mgをクロロホルム20mlに溶解
し、酢酸銅(II)一水和物18mgをメタノール3m
lに溶解した溶液を加え、室温で2時間攪拌した。半応
益をジクロロメタン100mlで薄め、水で2回洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、残
留した固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製(φ30×235mm、シクロヘキサン+ジクロロ
メタン 4:3 の混合溶媒で溶出)に目的の銅錯体の
結晶30mgを得た。収率は96.5%であった。得ら
れた化合物の飛行時間型質量分析器による質量分析の結
果はm/z 1035.30(計算値1036.54)
であった。
【0088】実施例7 ルートAを用いて合成した化合
物 ルートAを用いて以下の化合物を合成した。 (1)5−(4−ニトロフェニル)−10,15,20−
トリス(3,5−ジターシャリーブチルフェニル)ポル
フィリン(A) 得られた化合物の飛行時間型質量分析器による質量分析
の結果及び、重クロロホルム中でのプロトンNMRの結
果を以下に示す。 TOF-MSスペクトル:m/z=997.01 (計算値:MH+ = 996.6
2) NMR (300MHz):1H, δ= -2.710 (2H, s ), 1.528 (54H,
s ), 7.802 (3H,br. S), 8.070-8.085(6H, m), 8.427
(2H, d, J=8.43), 8.63(2H, d, J=8.1), 8.743(2H, d,
J=2.4), 8.924-8.946(6H, m).
【0089】(2)5,15−ビス(4−ニトロフェニ
ル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の飛行時間型質量分析器による質量分析
の結果及び、重クロロホルム中でのプロトンNMRの結
果を以下に示す。 TOF-MSスペクトル:m/z=929.50 (計算値:MH+ = 929.4
8) NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.751(2H, s), 1.535(36H,
s ), 7.828(2H, t, j=1.6), 8.079(4H, t, J=2.1), 8.4
07(4H, d, J=8.7Hz), 8.638(4H, d, J=8.1), 8.756(4H,
d, J=4.2), 8.956(4H, d, J=4.2).
【0090】(3)5,10−ビス(4−ニトロフェニ
ル)−15,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチ
ルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の飛行時間型質量分析器による質量分析
の結果及び、重クロロホルム中でのプロトンNMRの結
果を以下に示す。 TOF-MSスペクトル:m/z=930.08 (計算値:MH+ = 929.4
8) NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.731(2H, s), 1.528(36H,
s ), 7.821(2H, t, j=1.68), 8.065(4H, t, J=1.62),
8.413(4H, d, J=8.82Hz), 8.650(4H, d, J=8.82),8.749
(2H, d, J=4.4), 8.784(2H,s), 8.9361-8.951(4H, m).
【0091】(4)5,15−ビス(4−メトキシカル
ボニルフェニル)−10,20−ビス(3,5−ジター
シャリーブチルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.720(2H, s), 1.541(36H,
s ), 7.823(2H, t, j=1.7), 8.092(4H, t, J=2.1), 8.3
30(4H, d, J=8.28Hz), 8.450(4H, d, J=8.22),8.806(4
H, d, J=4.44), 8.9256(4H, d, J=4.38).
【0092】(5)5,10−ビス(4−メトキシカル
ボニルフェニル)−15,20−ビス(3,5−ジター
シャリーブチルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.717(2H, s), 1.559(36H,
s), 4.120(6H, s), 7.818(2H, t, j=1.65), 8.084(4H,
t, J=1.62), 8.328(4H, d, J=8.28Hz), 8.452(4H, d, J
=8.82), 8.808(4H, br. d, J=6.6), 8.926(4H, br.d, J
=5.52).
【0093】(6)5,15−ビス(4−シアノフェニ
ル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチ
ル−4−プロパルギルオキシフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.782(2H, s), 1.647(36H,
s ),2.676(2H, s), 4.746(4H, s), 8.080(4H, t, J=6.0
6), 8.355(4H, d, J=6.60), 8.118(4H, s), 8.753(4H,
d, J=4.38), 8.924(4H, br. s).
【0094】(7)5,10−ビス(4−シアノフェニ
ル)−15,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチ
ル−4−プロパルギルオキシフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ-2.777(2H, s), 1.640(36H,
s), 2.676(2H, s), 4.738(4H, s), 8.081(4H, d, J=8.2
8), 8.108(4H, s), 8.348(4H, d, J=8.22), 8.746(2H,
d. J=6.6), 8.763(2H, s), 8.929(4H, br. s).
【0095】(8)5,15−ビス(4−カルボキシフ
ェニル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリー
ブチルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(600MHz,CDCl3): 1H δ 1.779(18H, s), 1.805(18H,
s), 8.393(2H, br. d,J=5.5), 8.585(4H, br. d, J=7.
1), 8.864-8.996(16H, m), 11.614, 11.626.
【0096】実施例8 ルートBの方法で合成した化合
物 (1)5,15−ビス(4−エトキシシフェニル)−1
0,20−ビス(3,5−ジターシャリーブチルフェニ
ル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.753(2H, s), 1.529(36H,
s), 3.313(2H, s), 7.806(2H, t, J=1.83), 7.887(4H,
d, J=8.22), 8.077(4H, d, J=1.83), 8.194(4H,d, J=8.
25), 8.820(4H, d, J=4.95), 8.905(4H, d, J=4.92).
【0097】(2)5,10−ビス(4−エトキシフェ
ニル)−15,20−ビス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.747(2H, s), 1.521(36H,
s), 3.314(2H, s), 7.798(2H, t, J=3.66), 7.888(2H,
d, J=6.6), 7.893(2H, d, J=6.42), 8.065(4H,d, J=1.8
3), 8.19(2H, d, J=8.25), 8.196(2H, d, J=6.42), 8.8
19(2H, d, J=5.13), 8.827(2H, s), 8.891-8.906(4H,
m).
【0098】(3)5,15−ビス(4−ビニルフェニ
ル)−10,20−ビス(3,5−ジターシャリブチル
フェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.716(2H, s), 1.522(36H,
s), 5.486(2H, d, J=10.98), 6.064(2H, d, J=17.76),
7.060(2H, d, d, J1=10.98, J2=17.76), 7.784-7.811(6
H, m), 8.072-8.91(4H, m), 8.191(4H, d, J=8.04), 8.
863-8.903(8H, m).
【0099】(4)5,10,15−テトラキス(3,
5−ジターシャリブチルフェニル)−20−(4−ビニ
ルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.698(2H, s), 1.519(54H,
s), 5.481(1H, d, J=10.98), 6.061(1H, d, J=17.60),
7.059(1H, d, d, J1=10.98, J2=17.76), 7.780-7.806(5
H, m), 8.067-8.085(6H, m), 8.195(2H, d, J=7.86),
8.879-8.895(8H, m).
【0100】(5)5,15−ビス(4−ヨードフェニ
ル)−10,20−ビス(3,5−ジ−ターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン 得られた化合物の重クロロホルム中でのプロトンNMR
の結果を以下に示す。 NMR(300MHz,CDCl3): 1H δ-2.773(2H, s), 1.531(54H,
s), 7.799(2H, t, J=3.6), 7.951(4H, d, J=8.70), 8.0
6-8.104(8H, m), 8.820(2H, d, J=5.7), 8.829(2H, s),
8.890-8.907(4H, m).
【0101】実施例9 〔分子集合体の形成〕この実施例は、超高真空チャンバ
ー中での低温STM(走査型トンネル顕微鏡)を用いて
行った。低温STMでは、プローブとして電気化学的に
エッチングしたタングステン(W)チップを用いた。S
TMは、63Kに維持した。実験に用いた装置は、試料
導入室、試料処理室、低温STM観察室の3室から構成
されており、全て超高真空(10-9 Pa以下)を維持する
ことができ、試料や探針を真空移動することが出来る装
置である。試料導入室は、試料や探針を大気から導入す
ることが可能である。導入後、ポンプなどを用いて超高
真空を得ることができる。そして、試料導入室は、分子
蒸着源も備えている。試料処理室は、スパッタリング法
による金属表面清浄化が可能である。低温STM観察室
は、室温から低温(液体窒素温度や液体ヘリウム温度)
でのSTM観察が可能である。
【0102】〔参考例1〕基板として、表面に金(11
1)の薄膜を形成した雲母を用いた。金薄膜は、金イオ
ンをスパッタリングすることにより雲母の上に形成し、
700Kでアニールした。500〜590Kに維持した
クヌーセンセルを用いて5,10,15,20−テトラ
キス−(3,5−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ポ
ルフィリン(H2−TBPP)を、常温の金薄膜上に蒸
着した。蒸着時間は5分から20分であった。蒸着中の
真空度は、10-6Pa程度であった。形成された試料
を、冷却STMを用いて測定した。
【0103】〔実施例9−1〕1個のシアノ基を導入し
たH2−TBPPである、5−(4−シアノフェニル)−
10、15、20−トリス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン(化合物A)を用いた以外
は参考例1と同様にして金(111)薄膜表面上に試料
を蒸着した。電子吸引性のシアノ基を導入したことによ
り化合物(A)の分子内に双極子モーメントが生じ、そ
の結果分子集合体を構成する化合物(A)の立体構造も
変化し、金(111)薄膜表面上で特異的な集合体を形
成することがわかった。その化合物(A)の三量体は、
シアノベンゼンの真空中での三量体のようにシアノフェ
ニル基のCNそれぞれ規則正しく提供し合った構造をと
っていた。
【0104】〔実施例9−2〕2個のシアノ基を導入し
たH2−TBPP(5、15−ビス(4−シアノフェニ
ル)−10、20、−ビス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン(化合物B))を用いた以
外は参考例1と同様にして金(111)薄膜表面上に試
料を蒸着した。化合物Bは、金(111)薄膜表面上
で、分子ワイヤーのような集合形式をとることがわかっ
た。この分子ワイヤーは長いもので100nm以上であ
った。
【0105】〔実施例9−3〕2個のシアノ基を導入し
たH2−TBPP(5、10−ビス(4−シアノフェニ
ル)−15、20、−ビス(3,5−ジターシャリーブ
チルフェニル)ポルフィリン(化合物C))を用いた以
外は参考例1と同様にして金(111)薄膜表面上に試
料を形成した。化合物Cは、金(111)薄膜表面上で
4量体の分子集合体を形成していた。この四量体は、四
量体中心に分子環を形成した形で集合していることがわ
かる。
【0106】分子集合体の集合様式を制御することがで
きれば、金属表面上に分子レベルで模様を形成し、記録
媒体として用いることができる他、集合様式を制御する
ことにより分子集合体の光特性や磁気特性などを制御
し、記録媒体として用いることが可能となる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、新規なポルフィリン化
合物を提供することができる。本発明のポルフィリン化
合物は、従来のポルフィリン化合物と同様に触媒や染料
として利用することができる。本発明のポルフィリン化
合物は、その置換基を選択することにより金属薄膜表面
上などで分子集合体を形成できる。また、本発明のポル
フィリン化合物は、その置換基を制御することにより、
集合様式を制御することができ、記録媒体などとして用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/22 D 33/22 B41M 5/26 Y (72)発明者 上門 敏也 東京都小金井市貫井北町4−2−1 独立 行政法人通信総合研究所内 (72)発明者 益子 信郎 東京都小金井市貫井北町4−2−1 独立 行政法人通信総合研究所内 (72)発明者 横山 崇 茨城県つくば市千現一丁目2番1号 独立 行政法人物質・材料研究機構内 Fターム(参考) 2H111 EA03 FA01 FB42 3K007 DB03 FA01 4C050 PA05 4H048 AA01 AB92 VA32 VB10 VB40

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表されるポルフィリン
    化合物。 【化1】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、C1-12アル
    キル基、C1-12ハロゲン化アルキル、C2-12アルケニル
    基、C2-30アルケニルオキシ基、C3-6ジエニル基、C
    2-12アルキニル基、C2-30アルキニルオキシ基、水酸
    基、C1-30アルコキシ基、C1-12アシル基、C1-30アシ
    ルオキシ基、カルボキシル基、C1-12アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基、C1-12アルキルカルバモイル
    基、アミノ基、C1-12アルキルアミノ基、アリールアミ
    ノ基、シアノ基、イソシアノ基、C 1-12アシルアミノ
    基、ニトロソ基、ニトロ基、メルカプト基、C1-12アル
    キルチオ基、スルホ基、スルヒノ基、C1-12アルキルス
    ルホニル基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、チ
    オカルボニル基、スルファモイル基、C1-12アルキルス
    ルファモイル基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH=
    NOH)、C1-12アルキコキシイミノメチル基、スルフ
    ァモイルイミノメチル基、C1-12アルキルイミノメチル
    基、C1-12アルキルスルファモイルイミノメチル基、C
    1-12アルキル置換シリールオキシ基、C6-12アリール置
    換シリールオキシ基、ハロゲンのいずれかを表し、 m1は、1〜4の整数を表し、 m2〜m4は、それぞれ独立に1〜5の整数を表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、 ニトロ基、シアノ基、置換基を有しても良いC1−C3
    ルキル基を表わす。)
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で表されるポルフィリン
    化合物。 【化2】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、C1-12アル
    キル基、C1-12ハロゲン化アルキル、C2-12アルケニル
    基、C2-30アルケニルオキシ基、C3-6ジエニル基、C
    2-12アルキニル基、C2-30アルキニルオキシ基、水酸
    基、C1-30アルコキシ基、C1-12アシル基、C1-30アシ
    ルオキシ基、カルボキシル基、C1-12アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基、C1-12アルキルカルバモイル
    基、アミノ基、C1-12アルキルアミノ基、アリールアミ
    ノ基、シアノ基、イソシアノ基、C 1-12アシルアミノ
    基、ニトロソ基、ニトロ基、メルカプト基、C1-12アル
    キルチオ基、スルホ基、スルヒノ基、C1-12アルキルス
    ルホニル基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、チ
    オカルボニル基、スルファモイル基、C1-12アルキルス
    ルファモイル基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH=
    NOH)、C1-12アルキコキシイミノメチル基、スルフ
    ァモイルイミノメチル基、C1-12アルキルイミノメチル
    基、C1-12アルキルスルファモイルイミノメチル基、C
    1-12アルキル置換シリールオキシ基、C6-12アリール置
    換シリールオキシ基、ハロゲンのいずれかを表し、 m1およびm2は、それぞれ独立に1〜4の整数を表し、 m3およびm4は、それぞれ独立に1〜5の整数を表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を
    有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。)
  3. 【請求項3】下記一般式(III)で表されるポルフィリ
    ン化合物。 【化3】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、C1-12アル
    キル基、C1-12ハロゲン化アルキル、C2-12アルケニル
    基、C2-30アルケニルオキシ基、C3-6ジエニル基、C
    2-12アルキニル基、C2-30アルキニルオキシ基、水酸
    基、C1-30アルコキシ基、C1-12アシル基、C1-30アシ
    ルオキシ基、カルボキシル基、C1-12アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基、C1-12アルキルカルバモイル
    基、アミノ基、C1-12アルキルアミノ基、アリールアミ
    ノ基、シアノ基、イソシアノ基、C 1-12アシルアミノ
    基、ニトロソ基、ニトロ基、メルカプト基、C1-12アル
    キルチオ基、スルホ基、スルヒノ基、C1-12アルキルス
    ルホニル基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、チ
    オカルボニル基、スルファモイル基、C1-12アルキルス
    ルファモイル基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH=
    NOH)、C1-12アルキコキシイミノメチル基、スルフ
    ァモイルイミノメチル基、C1-12アルキルイミノメチル
    基、C1-12アルキルスルファモイルイミノメチル基、C
    1-12アルキル置換シリールオキシ基、C6-12アリール置
    換シリールオキシ基、ハロゲンのいずれかを表し、 m1およびm3は、それぞれ独立に1〜4の整数を表し、 m2およびm4は、それぞれ独立に1〜5の整数を表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を
    有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。)
  4. 【請求項4】下記一般式(IV)で表されるポルフィリン
    化合物。 【化4】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 Xは、C1-12アルキル基、C1-12アルコキシ基、トリア
    ルキルシリールオキシ基、フェニルジアルキルシリール
    オキシ基、アルキルジフェニルシリールオキシ基のいず
    れかを表し、 Yは、水素原子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30
    アルケニルオキシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C
    1-30アシルオキシ基のいずれかを表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を
    有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。)
  5. 【請求項5】一般式(IV)において、Xが、ターシャリー
    ブチル基である請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】一般式(IV)中、Mが2個の水素原子、C
    u、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、P
    d、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、AlCl、
    InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、GeC
    2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、SnC≡
    C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、 R’が、分子に分極をもたらす基、または非共有結合を
    形成する基である請求項4または請求項5に記載の化合
    物。
  7. 【請求項7】一般式(IV)中、Mが2個の水素原子であ
    り、 R’が、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ
    基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトロ基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、エチニル基、ヒ
    ドロキシアミノカルボニル基、又はスルファモイル基の
    いずれかである請求項4または請求項5に記載の化合
    物。
  8. 【請求項8】下記一般式(V)で表される化合物。 【化5】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 Xは、C1-12アルキル基、C1-12アルコキシ基、トリア
    ルキルシリールオキシ基、アルキルジフェニルシリール
    オキシ基、フェニルジアルキルシリールオキシ基のいず
    れかを表し、 Yは、水素原子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30
    アルケニルオキシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C
    1-30アシルオキシ基のいずれかを表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を
    有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。)
  9. 【請求項9】一般式(V)において、Xが、ターシャリー
    ブチル基である請求項8に記載の化合物。
  10. 【請求項10】一般式(V)中、Mが2個の水素原子、C
    u、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、P
    d、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、AlCl、
    InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、GeC
    2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、SnC≡
    C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、 R’が、分子に分極をもたらす基、または非共有結合を
    形成する基である請求項8または請求項9に記載の化合
    物。
  11. 【請求項11】一般式(V)中、Mが2個の水素原子であ
    り、 R’が、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ
    基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトロ基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、エチニル基、ヒ
    ドロキシアミノカルボニル基、又はスルファモイル基の
    いずれかである請求項8または請求項9に記載の化合
    物。
  12. 【請求項12】下記一般式(VI)で表される化合物。 【化6】 (式中、Mは、2個の水素原子、2価の金属、3価の金
    属誘導体、又は4価の金属誘導体のいずれかを表し、 R’は、C2-12アルケニル基、C2-12アルケニルオキシ
    基、C3-6ジエニル基、C2-12アルキニル基、C2-12
    ルキニルオキシ基、水酸基、C1-12アルコキシ基、C
    1-12アシル基、C1-30アシルオキシ基、カルボキシル
    基、C1-12アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
    1-12アルキルカルバモイル基、アミノ基、C1-12アル
    キルアミノ基、アリールアミノ基、シアノ基、イソシア
    ノ基、C1-12アシルアミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、
    メルカプト基、C1-12アルキルチオ基、スルホ基、スル
    ヒノ基、C1-12アルキルスルホニル基、チオシアナト
    基、イソチオシアナト基、チオカルボニル基、スルファ
    モイル基、C1-12アルキルスルファモイル基、ヒドロキ
    シイミノメチル基(−CH=NOH)、C1-12アルコキ
    シイミノメチル基、C1-12アルケニルオキシイミノメチ
    ル基、C1-12アルキニルオキシイミノメチル基、C1-12
    アルキルイミノメチル基、C1-12アルキルスルファモイ
    ルイミノメチル基、チオカルボキシル基、ヒドロキシア
    ミノカルボニル基、アルコキシアミノカルボニル基、ハ
    ロゲンのいずれかを表し、 Xは、C1-12アルキル基、C1-12アルコキシ基、トリア
    ルキルシリールオキシ基、アルキルジフェニルシリール
    オキシ基、フェニルジアルキルシリールオキシ基のいず
    れかを表し、 Yは、水素原子、水酸基、C1-30アルコキシ基、C2-30
    アルケニルオキシ基、C2-30アルキニルオキシ基、C
    1-30アシルオキシ基のいずれかを表し、 R5〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を
    有しても良いC1−C3アルキル基を表わす。)
  13. 【請求項13】一般式(VI)において、Xが、ターシャリ
    ーブチル基である請求項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】一般式(VI)中、Mが2個の水素原子、C
    u、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、P
    d、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、AlCl、
    InCl、FeCl、MnCl、SiCl2、GeC
    2、Vo、TiO、SnCl2、Fe−Ph、SnC≡
    C−Ph,Rh−Clのいずれかであり、 R’が、分子に分極をもたらす基、または非共有結合を
    形成する基である請求項12または請求項13に記載の
    化合物。
  15. 【請求項15】一般式(VI)中、Mが2個の水素原子であ
    り、 R’は、それぞれ独立してシアノ基、水酸基、カルボキ
    シル基、アミノ基、ホルミル基、カルバモイル基、ニト
    ロ基、ヒドロキシイミノメチル基(−CH=NOH)、
    エチニル基、ヒドロキシアミノカルボニル基、又はスル
    ファモイル基のいずれかである請求項12または請求項
    13に記載の化合物。
  16. 【請求項16】固体表面上に金属薄膜を形成する工程
    と、 前記金属薄膜上に分子を蒸着させる工程とを含む分子集
    合体の製造方法であって、 前記金属薄膜上に蒸着される分子が、請求項1〜15の
    いずれかに記載の化合物である分子集合体の製造方法。
  17. 【請求項17】固体表面上に請求項1〜15のいずれか
    に記載の化合物を蒸着させる工程を経て製造される分子
    集合体であって、 前記分子集合体を構成する分子が3つ若しくは4つ集合
    し、その集合が規則正しく配列したもの、または前記分
    子集合体を構成する分子が直線状に配列したものである
    分子集合体。
  18. 【請求項18】固体表面上に金属薄膜を形成する工程
    と、 前記金属膜表面上に請求項1〜15のいずれかに記載の
    化合物を蒸着させる工程を経て製造される分子集合体で
    あって、 前記分子集合体を構成する分子が3つ若しくは4つ集合
    し、その集合が規則正しく配列したもの、または前記分
    子集合体を構成する分子が直線状に配列したものである
    分子集合体。
  19. 【請求項19】請求項1〜15のいずれかに記載の化合
    物、又は請求項17若しくは請求項18に記載の分子集
    合体を用いた触媒。
  20. 【請求項20】請求項1〜15のいずれかに記載の化合
    物、又は請求項17若しくは請求項18に記載の分子集
    合体を用いた記録媒体。
  21. 【請求項21】請求項1〜15のいずれかに記載の化合
    物、又は請求項17若しくは請求項18に記載の分子集
    合体を用いた電子写真感光体。
  22. 【請求項22】請求項1〜15のいずれかに記載の化合
    物、又は請求項17若しくは請求項18に記載の分子集
    合体を用いた有機電界発光素子。
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