JP2007254549A - 光学記録媒体及びその記録層形成用色素 - Google Patents
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Abstract
【課題】OD係数、塗布溶媒への溶解性、及び耐光性に優れ、青色レーザー光を用いた光記録にも対応可能な光学記録媒体の記録層形成用色素、及びそれを用いた光学記録媒体、その光学記録媒体の記録方法を提供する。
【解決手段】特定のヒドラゾンリガンドと遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体を最低1種類含むことを特徴とする光学記録媒体の記録層形成用色素。
【選択図】なし
【解決手段】特定のヒドラゾンリガンドと遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体を最低1種類含むことを特徴とする光学記録媒体の記録層形成用色素。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学記録媒体の記録層の形成に用いられるヒドラゾン金属キレート錯体系色素に関するものである。特に、本発明は青色レーザー光対応の光学記録媒体に用いられる色素に関するものである。本発明はまた、このような色素を用いた記録層を有する光学記録媒体に関する。
近年、高密度での情報の記録保存/再生が可能なことから、レーザー光を用いた光学記録媒体、特に光ディスクについての開発が取り進められている。光ディスクの中でも最近注目を集めているものに、書き込み型コンパクトディスク(CD−R)がある。CD−Rは、通常、案内溝を有する円形のプラスチック基板上に、色素を主成分とする記録層、金属反射膜および保護膜が順次積層された構造をしている。CD−Rへの情報の記録は、レーザー光を照射し、その照射エネルギーが記録層で吸収されることにより、レーザー光照射部分の記録層、反射層または基板に分解、蒸発、溶解等の熱的変形を生じさせる方法(ヒートモード)や、レーザー光照射部分の記録層に含まれる色素の構造を可逆的に変化させる方法(フォトンモード)などにより行なわれる。また、記録された情報の再生は、レーザー光照射による熱的変形や色素構造の変化が起きている部分と起きていない部分のレーザー光に対する反射率の差を読み取ることにより行われる。従って、光学記録媒体の記録層はレーザー光のエネルギーを効率よく吸収する必要があり、記録層には一般的にレーザー光吸収色素が用いられている。
レーザー光吸収色素として有機色素を利用した光学記録媒体は、有機色素溶液を塗布するという簡単な方法で記録層を形成し得るため、安価な光学記録媒体として今後益々普及することが期待されている。
また、近年、記録の高密度化のため、記録に用いるレーザー光の波長を従来の半導体レーザーの発光波長である780nmを中心としたものから、405nm前後以下の青色光領域へと短波長化することが検討されつつある。
さらに、近年、記録媒体の高容量化のため、記録媒体に記録層を2層作成することによって記憶容量の倍化を図った2層記録媒体の作成が検討されている。
光学記録媒体では、記録データの形成、すなわち記録前後における記録層の反射率変化を、一般的に記録レーザー照射前後において色素の吸収強度が低下することに起因する反射率の上昇を用いる方法(吸収変化方式)もしくは記録レーザー照射前後において色素の複素屈折率強度が低下することに起因する反射率の低下を用いる方法(屈折率変化方式)によって行うが、これらのうち、屈折率変化方式による記録が2層記録媒体には有利である。一般的に、吸収変化方式では、未記録状態の記録層はレーザー光をよく吸収するため、1層目の記録層を透過し、2層目に至るレーザー光の強度が低くなる。従って、2層目の記録層には低いレーザー光強度で記録可能な著しく高い記録感度が求められる。さらに、1層目でレーザー光がよく吸収され、2層目に至るレーザー光の強度が低くなるということは、照射光量に対するレーザー光反射率が未記録部・記録部の別なく極端に小さくなることを意味するため、記録後の反射率変化の低下を招き、記録信号の信頼性を低下させる要因ともなる。一方、屈折率変化方式では、色素の吸収極大近傍に存在する複素屈折率極大を用いるため、色素によるレーザー光の吸収はあまりなく、1層目の記録層を透過し2層目に至る光の量はそれほど低減しない。このことから、2層記録媒体であっても2層目に用いられる記録層用色素化合物のレーザー光に対する記録感度は吸収変化方式で用いられる色素ほど高くなくてよく、また、2層目における記録後の反射率変化が著しく小さくなる懸念はない。さらに、色素によるレーザー光の吸収があまりないということは、再生光劣化に強いことも併せて意味するため、記録媒体に好適である。
さらに、近年、記録媒体の高容量化のため、記録媒体に記録層を2層作成することによって記憶容量の倍化を図った2層記録媒体の作成が検討されている。
光学記録媒体では、記録データの形成、すなわち記録前後における記録層の反射率変化を、一般的に記録レーザー照射前後において色素の吸収強度が低下することに起因する反射率の上昇を用いる方法(吸収変化方式)もしくは記録レーザー照射前後において色素の複素屈折率強度が低下することに起因する反射率の低下を用いる方法(屈折率変化方式)によって行うが、これらのうち、屈折率変化方式による記録が2層記録媒体には有利である。一般的に、吸収変化方式では、未記録状態の記録層はレーザー光をよく吸収するため、1層目の記録層を透過し、2層目に至るレーザー光の強度が低くなる。従って、2層目の記録層には低いレーザー光強度で記録可能な著しく高い記録感度が求められる。さらに、1層目でレーザー光がよく吸収され、2層目に至るレーザー光の強度が低くなるということは、照射光量に対するレーザー光反射率が未記録部・記録部の別なく極端に小さくなることを意味するため、記録後の反射率変化の低下を招き、記録信号の信頼性を低下させる要因ともなる。一方、屈折率変化方式では、色素の吸収極大近傍に存在する複素屈折率極大を用いるため、色素によるレーザー光の吸収はあまりなく、1層目の記録層を透過し2層目に至る光の量はそれほど低減しない。このことから、2層記録媒体であっても2層目に用いられる記録層用色素化合物のレーザー光に対する記録感度は吸収変化方式で用いられる色素ほど高くなくてよく、また、2層目における記録後の反射率変化が著しく小さくなる懸念はない。さらに、色素によるレーザー光の吸収があまりないということは、再生光劣化に強いことも併せて意味するため、記録媒体に好適である。
先述したように、屈折率変化方式による記録の際には色素の吸収極大近傍に存在する複素屈折率極大を用いるが、特に記録前後の反射率変化を大きくとるには、吸収極大より長波長側に存在する正の屈折率極大を用いることが好ましい。従って、405nm前後の青色レーザー光を記録光として用いる場合、その吸収極大は405nm以下、特に380〜390nm以下である必要がある。さらに、吸収極大近傍における複素屈折率は該吸収極大における吸光度が大きいほど増大するため、記録層用色素は重量あたりの吸光度(OD係数)が大きいことが必須である。また、屈折率変化方式による記録の際には、記録前後における色素の光吸収変化に伴う反射率変化が無視できるほど小さいことが記録前後の反射率変化を大きくとるために好ましく、従って上記のレーザー光を記録光として用いる場合、405nmにおける色素の光吸収が極大吸収波長における吸収強度にくらべ大幅に小さいことが好ましい。
また、一般的にデータの記録および読み出しをともにレーザー光によって行い、読み出しレーザー強度は記録レーザー強度より弱い。従って、光学記録媒体の記録層を形成する色素が読み出し光である弱いレーザー光照射によって分解されてしまうほど該色素の耐光性が低いと、記録データの読み出しを行う際にデータエラーを生じる原因となる。また、光学記録媒体はその性質上記録面に太陽光や照明等が長時間照射される機会が多いため、色素が耐光性に劣ると光学記録媒体の記録データを長期保存することが困難になる。
さらに、色素を記録層に用いる場合、一般的にスピンコート法を用いて基板へ塗布することがコスト面で真空蒸着法に比べ有利であるため、光学記録媒体用色素は塗布溶媒に高い溶解性を示すことが必須である。
さらに、色素を記録層に用いる場合、一般的にスピンコート法を用いて基板へ塗布することがコスト面で真空蒸着法に比べ有利であるため、光学記録媒体用色素は塗布溶媒に高い溶解性を示すことが必須である。
金属キレート錯体は基本的に長波長化が容易であり、光に安定であることから、特に青色レーザー光を用いた光学記録媒体への応用が期待される化合物の1つである。例えば特許文献1では、ベンゾオキサゾールとフェノールの縮合環系化合物のキレート錯体が報告されている。
特開2004−74504
しかしながら、金属錯体は一般的に剛直な構造を有するため溶剤溶解性に劣り、かつ波長調整が困難である場合が多い。さらに、金属錯体は金属カチオンによって分子内の電子的な偏りが崩されるため、吸収がブロードになり結果OD係数に劣る場合が多い。例えば特許文献1には化合物の吸収波長の記載がなく、また、色素の基板への塗布をスピンコート法ではなく真空蒸着法にて行っている。特許文献1に例示化合物として記載の化合物(4)を用意し、発明者による検討を行ったところ塗布溶媒への溶解性が悪く、さらにその吸収スペクトルは370〜380nmの波長領域に極大吸収を有するものの、青色レーザー光の波長である405nmに大きな吸収を有するため、青色レーザー光対応2層光学記録媒体には不適であることが明らかとなった。
このようなことから、金属キレート錯体は青色レーザー光対応2層光学記録媒体として期待されながらも、現在まで用いることはできないと考えられていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、OD係数、塗布溶剤への溶解性および耐光性のいずれにも優れ、青色レーザー光を用いた光記録にも対応可能な光学記録媒体の記録層形成用の金属キレート錯体を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるヒドラゾンリガンドを含む金属キレート錯体化合物が、OD係数、塗布溶剤への溶解性および薄膜状態での耐光性に優れ、かつこれを記録層に用いた光学記録媒体が青色レーザー光で良好に記録できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
[1]下記一般式(1)〜(3)のいずれかに記載のヒドラゾンリガンドと遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体を最低1種類含むことを特徴とする光学記録媒体の記録層形成用色素
(一般式(1)〜(3)中、環A〜Fは置換基を有していても良い含窒素複素芳香環を表し、R1〜R18はそれぞれ独立に水素原子もしくは炭素数20以下の1価の置換基を
表す。)
[2] 遷移金属カチオンが第4周期の元素からなることを特徴とする[1]に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[3] 遷移金属カチオンがコバルトからなることを特徴とする[2]に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[4] 溶液中での300〜380nmに吸収極大を有し、かつ該吸収極大の吸光度(OD係数)が70(g/L)以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[5] 基板と、該基板上に形成された記録層とを少なくとも有し、 該記録層が、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の光学記録媒体の記録層形成用色素を用いて形成されたものであることを特徴とする光学記録媒体。
[6] [5]に記載の光学記録媒体に対し、波長350〜530nmのレーザー光を用いて記録を行なうことを特徴とする光学記録媒体の記録方法。
表す。)
[2] 遷移金属カチオンが第4周期の元素からなることを特徴とする[1]に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[3] 遷移金属カチオンがコバルトからなることを特徴とする[2]に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[4] 溶液中での300〜380nmに吸収極大を有し、かつ該吸収極大の吸光度(OD係数)が70(g/L)以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
[5] 基板と、該基板上に形成された記録層とを少なくとも有し、 該記録層が、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の光学記録媒体の記録層形成用色素を用いて形成されたものであることを特徴とする光学記録媒体。
[6] [5]に記載の光学記録媒体に対し、波長350〜530nmのレーザー光を用いて記録を行なうことを特徴とする光学記録媒体の記録方法。
本発明の光学記録媒体の記録層形成用色素は、OD係数、溶解性、耐光性および青色レーザー記録感度に優れている。従って、この色素を光学記録媒体の記録層に用いることにより、青色レーザー光による記録特性に優れ、かつ耐光性も良好な高密度光学記録媒体を、良好な膜性のもとに、安価に提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
[記録層形成用色素]
本発明に係る光学記録媒体の記録層形成用色素は下記一般式(1)〜(3)のいずれかに記載のヒドラゾンリガンドと遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体を最低1種類含む。
本発明に係る光学記録媒体の記録層形成用色素は下記一般式(1)〜(3)のいずれかに記載のヒドラゾンリガンドと遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体を最低1種類含む。
(一般式(1)〜(3)中、環A〜Fは置換基を有していても良い含窒素複素芳香環を表し、R1〜R18はそれぞれ独立に水素原子もしくは炭素数20以下の1価の置換基を表す。)
{語句の説明}
本発明において芳香環とは、芳香族性を有する環、すなわち(4n+2)π電子系(nは自然数)を有する環を意味する。その骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなる芳香環であり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合環も含まれる。
また、「(ヘテロ)アリール」とは「アリール」と「ヘテロアリール」の両方を意味し、「(ヘテロ)アラルキル」とは「アラルキル」と「ヘテロアラルキル」の両方を意味する。
また、本発明において、「置換基を有していても良い」とは置換基を1以上有していて
も良いことを意味する。
{語句の説明}
本発明において芳香環とは、芳香族性を有する環、すなわち(4n+2)π電子系(nは自然数)を有する環を意味する。その骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなる芳香環であり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合環も含まれる。
また、「(ヘテロ)アリール」とは「アリール」と「ヘテロアリール」の両方を意味し、「(ヘテロ)アラルキル」とは「アラルキル」と「ヘテロアラルキル」の両方を意味する。
また、本発明において、「置換基を有していても良い」とは置換基を1以上有していて
も良いことを意味する。
なお、本発明に係る製造法によって製造される化合物中には、本発明に係るヒドラゾン金属キレート化合物の1種が単独で含まれていても良く、2種以上が混合して含まれていても良い。
以下に、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体について詳細に説明する。
{R1〜R18}
(1)〜(3)式中、R1〜R18は、各々独立に水素原子もしくは炭素数20以下の1価の置換基を表す。
以下に、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよび炭素数20以下のアニオンからなるキレート錯体について詳細に説明する。
{R1〜R18}
(1)〜(3)式中、R1〜R18は、各々独立に水素原子もしくは炭素数20以下の1価の置換基を表す。
該置換基としては、鎖状アルキル基、鎖状アルケニル基、鎖状アルキニル基、炭化水素環基、複素環基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、(ヘテロ)アリールオキシ基、(ヘテロ)アラルキルオキシ基、置換基を有していても良いアミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、置換基を有していても良いカルバモイル基、ハロゲン原子、水酸基などが挙げられる。
鎖状アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などの炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜10の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。
鎖状アルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。
鎖状アルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。
炭化水素環基としてはシクロプロピル基、シクロヘキシル基、テトラデカヒドロアントラニル基などの炭素数が通常3〜20、好ましくは5〜10のシクロアルキル基、シクロヘキセニル基などの炭素数が通常3〜20、好ましくは5〜10のシクロアルケニル基、フェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フェロセニル基などの炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられる。
鎖状アルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。
鎖状アルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10の直鎖又は分岐状のものが挙げられる。
炭化水素環基としてはシクロプロピル基、シクロヘキシル基、テトラデカヒドロアントラニル基などの炭素数が通常3〜20、好ましくは5〜10のシクロアルキル基、シクロヘキセニル基などの炭素数が通常3〜20、好ましくは5〜10のシクロアルケニル基、フェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フェロセニル基などの炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられる。
複素環としては、5〜6員環の単環または2〜6縮合環からなるヘテロアリール基、5〜6員環の単環または2〜6縮合環からなるヘテロシクロアルキル基が挙げられ、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。具体的には、チエニル基などの5員環、ピリジル基、2−ピペリジニル基、2−ピペラジニル基などの6員環、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、キノリニル基、、オクタヒドロキノリニル基などの5または6員環の2〜6縮合環が挙げられる。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基などの炭素数が通常1〜9、好ましくは2〜8のものが挙げられる。
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基などの炭素数が通常1〜9、好ましくは2〜8のものが挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基などの炭素数が通常2〜18、好ましくは2〜8のものが挙げられる。
(ヘテロ)アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10のアリールオキシ基や、2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基、2−キノリルオキシ基等の炭素数が通常5〜18、好ましくは5〜10で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアリールオキシ基などが挙げられる。
(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等の炭素数が通常7〜18、好ましくは7〜12のアラルキルオキシ基や、2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等の炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。
置換基を有していても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、(ヘテロ)アリールアミノ基などが挙げられる。
(ヘテロ)アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10のアリールオキシ基や、2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基、2−キノリルオキシ基等の炭素数が通常5〜18、好ましくは5〜10で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアリールオキシ基などが挙げられる。
(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等の炭素数が通常7〜18、好ましくは7〜12のアラルキルオキシ基や、2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等の炭素数が通常6〜18、好ましくは6〜10で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。
置換基を有していても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、(ヘテロ)アリールアミノ基などが挙げられる。
アルキルアミノ基の例としては、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジル基などの炭素数が2〜20、好ましくは3〜10のものが挙げられる。
(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の炭素数が6〜30、好ましくは6〜15のアリールアミノ基や、ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基などの炭素数が5〜30、好ましくは6〜15で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアリールアミノ基、フェニル(2−チエニル)アミノ基等の炭素数が11〜30、好ましくは12〜16のアリールヘテロアリールアミノ基などが挙げられる。
置換基を有していても良いカルバモイル基としては、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基などが挙げられる。
アルキルカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−エチル−N−シクロヘキシルカルバモイル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
エステル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数が2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の炭素数が6〜30、好ましくは6〜15のアリールアミノ基や、ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基などの炭素数が5〜30、好ましくは6〜15で、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、硫黄原子などから選ばれるものを含むヘテロアリールアミノ基、フェニル(2−チエニル)アミノ基等の炭素数が11〜30、好ましくは12〜16のアリールヘテロアリールアミノ基などが挙げられる。
置換基を有していても良いカルバモイル基としては、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基などが挙げられる。
アルキルカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−エチル−N−シクロヘキシルカルバモイル基などの炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
エステル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数が2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などが挙げられる。
なお、化合物の耐湿熱性向上のためR1〜R4、R7〜R10、R13〜R16は合計でそれぞれ2以上の炭素原子を含むことが好ましく、合成上の理由からR5およびR6、R9およびR10、R17およびR18はそれぞれ水素原子であることが好ましい。
なお、化合物の耐湿熱性向上のためR1〜R4、R7〜R10、R13〜R16は合計でそれぞれ2以上の炭素原子を含むことが好ましく、合成上の理由からR5およびR6、R9およびR10、R17およびR18はそれぞれ水素原子であることが好ましい。
<R1〜R18の分子量>
R1〜R18の分子量は、分子量増大に伴う吸光係数低下を防止する観点から、R1〜R6、R7〜R12、R13〜R18それぞれについて合計1,000以下であることが好ましい。
{環A〜F}
環A〜Fはそれぞれ置換基を有していても良い含窒素複素芳香環を表す。環A〜環Fの具体例としては、5員環単環としてイミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてピリジン環、ピラジン環、縮合環としてキノリン環、イソキノリン環、キノキサリン、ベンズイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環等が挙げられる。これらのうち、化合物の合成上の理由から、式(1)においては環AおよびBのいずれか、式(2)においては環CおよびDのいずれか、式(3)においては環EおよびFのいずれかが6員環単環であることが好ましい。
なお、環A〜Fが有していても良い置換基の具体例は、上述のR1〜R18が有していても良い置換基の具体例が相当する。
R1〜R18の分子量は、分子量増大に伴う吸光係数低下を防止する観点から、R1〜R6、R7〜R12、R13〜R18それぞれについて合計1,000以下であることが好ましい。
{環A〜F}
環A〜Fはそれぞれ置換基を有していても良い含窒素複素芳香環を表す。環A〜環Fの具体例としては、5員環単環としてイミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてピリジン環、ピラジン環、縮合環としてキノリン環、イソキノリン環、キノキサリン、ベンズイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環等が挙げられる。これらのうち、化合物の合成上の理由から、式(1)においては環AおよびBのいずれか、式(2)においては環CおよびDのいずれか、式(3)においては環EおよびFのいずれかが6員環単環であることが好ましい。
なお、環A〜Fが有していても良い置換基の具体例は、上述のR1〜R18が有していても良い置換基の具体例が相当する。
なお、環A〜Fが2つ以上の置換基を有する場合、該置換基同士が結合してヘテロ原子を含んでいても良い環状構造をなしてもよい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。例えば、環Aおよび/または環Bがピリジン環由来の基である場合、該ピリジン環が有する置換基同士が結合してヘテロ原子を含んでいても良い環状構造を形成している例として以下に示す構造が挙げられる。なお、以下において、aがヒドラゾン骨格への結合位置である。
なお、環A〜Fがこれらの置換基を有している方が記録層を形成する際に用いる溶剤に対する色素の溶解性が向上するので好ましいが、有していない方が合成が容易となるので好ましい。
また、環Aおよび環Bがこれらの置換基を有している場合、溶媒としてテトラフルオロプロパノールやメチルセロソルブなどの極性溶媒を用いる場合には、N,N−二置換カルバモイル基やエステル基などの極性置換基が含まれるのが好ましく、溶媒として塩化メチレン、ジブチルエーテルやメチルシクロヘキサンなどの非極性溶媒を用いる場合には、アルキル基やアルコキシ基などの非極性置換基が含まれることが好ましい。
{遷移金属カチオン}
遷移金属カチオンとして挙げられる金属元素はヒドラゾンリガンドと金属錯体を形成し得るものであれば何でもよく、具体例としてはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Pt,Au,Er等が挙げられる。
また、環Aおよび環Bがこれらの置換基を有している場合、溶媒としてテトラフルオロプロパノールやメチルセロソルブなどの極性溶媒を用いる場合には、N,N−二置換カルバモイル基やエステル基などの極性置換基が含まれるのが好ましく、溶媒として塩化メチレン、ジブチルエーテルやメチルシクロヘキサンなどの非極性溶媒を用いる場合には、アルキル基やアルコキシ基などの非極性置換基が含まれることが好ましい。
{遷移金属カチオン}
遷移金属カチオンとして挙げられる金属元素はヒドラゾンリガンドと金属錯体を形成し得るものであれば何でもよく、具体例としてはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Pt,Au,Er等が挙げられる。
遷移金属カチオンは経済面から第4周期元素であることが好ましく、耐光性向上の面からCoであることが特に好ましい。また、遷移金属カチオンの価数は特に規定されないが、キレート錯体の安定性を向上させる面から2〜4価、特に2価であることが好ましい。
{カウンターアニオン}
炭素数20以下のカウンターアニオンの具体例としては、アルコール、フェノール、カルボン酸、ホスホン酸、ハロゲン、過塩素酸、過沃素酸、シアン酸、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、硝酸、炭酸、炭酸水素酸、置換または無置換の硫酸(硫酸、硫酸
水素酸、メチル硫酸など)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、置換または無置換のリン酸(リン酸、リン酸水素酸、リン酸二水素酸、フェニルリン酸など)、六フッ化リン、六フッ化アンチモン、置換または無置換のホスフィン酸(ホスフィン酸、メチルホスフィン酸など)、置換または無置換のボロン酸(テトラフェニルボロン酸など)、ベンゼンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸それぞれをアニオン化したもの等が挙げられる。これらのうち、吸光度低下による記録感度低下を防止する観点から、分子量300以下のものが好ましく、水不溶性とするために、過塩素酸アニオン、四フッ化ホウ素アニオン、六フッ化リンアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等が含まれることが特に好ましい。
炭素数20以下のカウンターアニオンの具体例としては、アルコール、フェノール、カルボン酸、ホスホン酸、ハロゲン、過塩素酸、過沃素酸、シアン酸、イソシアン酸、イソチオシアン酸、アジド、硝酸、炭酸、炭酸水素酸、置換または無置換の硫酸(硫酸、硫酸
水素酸、メチル硫酸など)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トシル酸、置換または無置換のリン酸(リン酸、リン酸水素酸、リン酸二水素酸、フェニルリン酸など)、六フッ化リン、六フッ化アンチモン、置換または無置換のホスフィン酸(ホスフィン酸、メチルホスフィン酸など)、置換または無置換のボロン酸(テトラフェニルボロン酸など)、ベンゼンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸それぞれをアニオン化したもの等が挙げられる。これらのうち、吸光度低下による記録感度低下を防止する観点から、分子量300以下のものが好ましく、水不溶性とするために、過塩素酸アニオン、四フッ化ホウ素アニオン、六フッ化リンアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等が含まれることが特に好ましい。
{キレート錯体の構成形態}
以上説明したヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンそれぞれの金属キレート錯体1分子中における構成数に関しては、金属キレート錯体として中性であれば特に規定されないが、金属カチオン1に対してヒドラゾンリガンドの構成数が1〜2であり、アニオンの構成数が該金属カチオンの価数であることが好ましい。また、ヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンの構成数のいずれかが2以上である場合、それぞれヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンは同じでもよく、異なっていても良い。たとえば、金属キレート錯体1分子中に遷移金属カチオンが2つ含まれている場合、該遷移金属カチオンがCr3+およびCu2+であっても良い。
以上説明したヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンそれぞれの金属キレート錯体1分子中における構成数に関しては、金属キレート錯体として中性であれば特に規定されないが、金属カチオン1に対してヒドラゾンリガンドの構成数が1〜2であり、アニオンの構成数が該金属カチオンの価数であることが好ましい。また、ヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンの構成数のいずれかが2以上である場合、それぞれヒドラゾンリガンド、遷移金属カチオンおよびカウンターアニオンは同じでもよく、異なっていても良い。たとえば、金属キレート錯体1分子中に遷移金属カチオンが2つ含まれている場合、該遷移金属カチオンがCr3+およびCu2+であっても良い。
{分子量}
以上に説明した一般式(1)、好ましくは一般式(2)で表されるリガンドを含むキレート錯体は、吸光度低下による感度低下防止の点から、金属カチオンおよびアニオンを含めて、通常分子量2,500以下、中でも2,000以下であることが好ましい。
尚、一般式(1)で表される化合物は、記録媒体の保存安定性の向上させる理由から、通常水不溶性であることが好ましい。ここで「水不溶性」とは、25℃、1気圧の条件下における水に対する溶解度が、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを言う。
以上に説明した一般式(1)、好ましくは一般式(2)で表されるリガンドを含むキレート錯体は、吸光度低下による感度低下防止の点から、金属カチオンおよびアニオンを含めて、通常分子量2,500以下、中でも2,000以下であることが好ましい。
尚、一般式(1)で表される化合物は、記録媒体の保存安定性の向上させる理由から、通常水不溶性であることが好ましい。ここで「水不溶性」とは、25℃、1気圧の条件下における水に対する溶解度が、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを言う。
{具体例}
一般式(1)〜(3)で表わされるヒドラゾンリガンドの具体例を以下に例示するが、本発明はその要旨をこえない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下においてEtはエチル基を、Acはアセチル基を表す。
一般式(1)〜(3)で表わされるヒドラゾンリガンドの具体例を以下に例示するが、本発明はその要旨をこえない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下においてEtはエチル基を、Acはアセチル基を表す。
{合成法}
一般式(1)〜(3)で表されるヒドラゾンリガンドは、例えば“Tetrahedron Lett.,2005年,46巻,6349−53頁”や“Chem.Eur.J.,2005年,11巻,2549−65頁”に記載された方法を参考に、例えば以下のような経路を経て容易に合成できる。
一般式(1)〜(3)で表されるヒドラゾンリガンドは、例えば“Tetrahedron Lett.,2005年,46巻,6349−53頁”や“Chem.Eur.J.,2005年,11巻,2549−65頁”に記載された方法を参考に、例えば以下のような経路を経て容易に合成できる。
この際、反応系に溶媒が存在しても、しなくても良い。反応溶媒を用いる場合、該溶媒としてはエタノール、アセトニトリルなどの極性溶媒やトルエン、キシレンなどの非極性溶媒を用いることができ、さらに触媒として塩酸、酢酸、硫酸などの酸を添加しても良い。この場合の触媒の添加量は反応が進行すれば特に規定されないが、試薬に対して1/100〜1モル倍程度であることが好ましい。反応温度は室温から溶媒が還流する程度であることが好ましく、反応時間は1分〜48時間程度であることが好ましい。反応後の精製手段としては、分留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーなど有機合成で一般的に用いられている種々の精製手段を用いることができる。
また、本発明におけるキレート錯体は、一般式(1)〜(3)で表されるヒドラゾンリガンドと、遷移金属塩を、溶媒の存在下もしくは非存在下、室温から溶媒が還流する程度加熱反応することで得られる。反応溶媒を用いる場合、該溶媒としては水、エタノール、アセトニトリルなどの極性溶媒やクロロホルム、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒を用いることができる。なお、生成したキレート錯体に含まれるアニオンは、溶媒中にてさらに別の塩を添加することにより変更することができる。
また、本発明におけるキレート錯体は、一般式(1)〜(3)で表されるヒドラゾンリガンドと、遷移金属塩を、溶媒の存在下もしくは非存在下、室温から溶媒が還流する程度加熱反応することで得られる。反応溶媒を用いる場合、該溶媒としては水、エタノール、アセトニトリルなどの極性溶媒やクロロホルム、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒を用いることができる。なお、生成したキレート錯体に含まれるアニオンは、溶媒中にてさらに別の塩を添加することにより変更することができる。
{OD係数、耐光性および塗布溶剤への溶解性}
本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を含む本発明の記録層形成用色素のうち好ましいものは、OD係数、耐光性および塗布溶剤への溶解性に優れ、さらに光学記録媒体の記録層形成に用いたときの膜性、耐光性および記録感度に優れるという特徴がある。この場合のOD係数に優れるとは、溶液中において300〜380nmに存在する吸収極大のOD係数が70(g/L)以上であることを言う。用いる溶媒は極性溶媒、好ましくはアセトニトリルである。該OD係数は、紫外分光光度計などによって測定可能である。耐光性に優れるとは、約50nmの膜厚になるように塗布したヒドラゾン金属キレート錯体薄膜に対し、温度58℃、湿度50%、キセノンランプ(強度0.55W/m2)照射条件の耐光性試験を40時間行っても当該ヒドラゾン金属キレート錯体薄膜の通常70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上が劣化せずに残存することを言う。ここで、劣化の度合いは300〜500nmにおける吸収極大の吸収減少率によって判定する。このような耐光性の試験は、まず、乾燥後の膜厚が約50nmとなるように、色素を含む溶液をプラスチック基板上に塗布した後、乾燥し、色素を含む層を得る。得られた色素を含む層に対して、温度58℃、湿度50%の条件下、キセノンランプ(強度0.55W/m2)の照射を所定時間行い、照射前後の吸収極大波長における吸光度を比較し、色素残存率を求める。また、塗布溶剤への溶解性に優れるとは、20℃、常圧条件においてTFPに0.7重量%以上、好ましくは1.0重量%以上、更に好ましくは1.5重量%以上溶解することを示す。溶解の判定は特定の濃度で化合物とTFPを混合したときに、溶媒中に化合物の結晶残渣が残存するか否かで行う。なお、本発明の用途においては、溶解度の上限は特に制限されるものではないが、通常20重量%以下、中でも10重量%以下程度である。
本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を含む本発明の記録層形成用色素のうち好ましいものは、OD係数、耐光性および塗布溶剤への溶解性に優れ、さらに光学記録媒体の記録層形成に用いたときの膜性、耐光性および記録感度に優れるという特徴がある。この場合のOD係数に優れるとは、溶液中において300〜380nmに存在する吸収極大のOD係数が70(g/L)以上であることを言う。用いる溶媒は極性溶媒、好ましくはアセトニトリルである。該OD係数は、紫外分光光度計などによって測定可能である。耐光性に優れるとは、約50nmの膜厚になるように塗布したヒドラゾン金属キレート錯体薄膜に対し、温度58℃、湿度50%、キセノンランプ(強度0.55W/m2)照射条件の耐光性試験を40時間行っても当該ヒドラゾン金属キレート錯体薄膜の通常70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上が劣化せずに残存することを言う。ここで、劣化の度合いは300〜500nmにおける吸収極大の吸収減少率によって判定する。このような耐光性の試験は、まず、乾燥後の膜厚が約50nmとなるように、色素を含む溶液をプラスチック基板上に塗布した後、乾燥し、色素を含む層を得る。得られた色素を含む層に対して、温度58℃、湿度50%の条件下、キセノンランプ(強度0.55W/m2)の照射を所定時間行い、照射前後の吸収極大波長における吸光度を比較し、色素残存率を求める。また、塗布溶剤への溶解性に優れるとは、20℃、常圧条件においてTFPに0.7重量%以上、好ましくは1.0重量%以上、更に好ましくは1.5重量%以上溶解することを示す。溶解の判定は特定の濃度で化合物とTFPを混合したときに、溶媒中に化合物の結晶残渣が残存するか否かで行う。なお、本発明の用途においては、溶解度の上限は特に制限されるものではないが、通常20重量%以下、中でも10重量%以下程度である。
なお、本発明のヒドラゾン金属錯体化合物がOD係数に優れる理由としては、リガンド同士が金属を介して近接することによるリガンド間相互作用が一因として考えられる。また、耐光性および塗布溶剤への溶解性に優れる理由は、金属キレート化によりヒドラゾンリガンドが安定化し、かつカウンターアニオンを有するため化合物全体の極性が増大したためであると考えられる。
[光学記録媒体]
{記録層}
本発明の光学記録媒体が有する記録層は、一般式(1)〜(3)で表わされるヒドラゾン化合物をリガンドとして含む金属キレート錯体を少なくとも一種含有する色素(これを適宜「本発明の光記録媒体の記録層形成用色素」或いは単に「本発明の色素」という。)を用いて形成されたものである。 即ち、本発明の光学記録媒体の記録層は、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を少なくとも1種類以上含有することになる。
本発明の光学記録媒体が有する記録層は、記録層形成用色素として本発明で表されるヒドラゾン金属キレート錯体を最低1種類含む。
本発明の光学記録媒体の記録層形成に用いる色素(本発明の色素)としては、本発明の
ヒドラゾン金属キレート錯体を一種類のみ用いてもよく、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を二種類以上、任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、一種又は二種以上の本発明のヒドラゾン金属キレート錯体に加えて、他の色素を一種又は二種以上併用してもよい。但し、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体以外の色素を併用する場合には、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体の優れた特性を十分に発揮させる観点から、全色素の合計に対する本発明のヒドラゾン金属キレート錯体が占める比率を、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上とすることが好ましい。
{記録層}
本発明の光学記録媒体が有する記録層は、一般式(1)〜(3)で表わされるヒドラゾン化合物をリガンドとして含む金属キレート錯体を少なくとも一種含有する色素(これを適宜「本発明の光記録媒体の記録層形成用色素」或いは単に「本発明の色素」という。)を用いて形成されたものである。 即ち、本発明の光学記録媒体の記録層は、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を少なくとも1種類以上含有することになる。
本発明の光学記録媒体が有する記録層は、記録層形成用色素として本発明で表されるヒドラゾン金属キレート錯体を最低1種類含む。
本発明の光学記録媒体の記録層形成に用いる色素(本発明の色素)としては、本発明の
ヒドラゾン金属キレート錯体を一種類のみ用いてもよく、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を二種類以上、任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、一種又は二種以上の本発明のヒドラゾン金属キレート錯体に加えて、他の色素を一種又は二種以上併用してもよい。但し、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体以外の色素を併用する場合には、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体の優れた特性を十分に発揮させる観点から、全色素の合計に対する本発明のヒドラゾン金属キレート錯体が占める比率を、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上とすることが好ましい。
本発明のヒドラゾン金属キレート錯体と併用可能な他系統の色素としては、記録用のレーザー光波長域に吸収を有し、照射されたレーザー光のエネルギーを吸収して、照射部分の記録層、反射層または基板に、分解、蒸発、溶解等の熱的変形を伴うピットを形成させるものが好ましい。また、CD−R向けの770〜830nmの範囲から選ばれた波長の近赤外レーザー光やDVD−R向けの620〜690nmの範囲から選ばれた赤色レーザー光での記録に適する色素を併用して、複数の波長域のレーザー光での記録に対応する光学記録材料とすることもできる。他系統の色素としては、具体的には、含金属アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、これら他系統の色素のうち、CD−R向けの770〜830nmの範囲から選ばれた波長の近赤外レーザー光やDVD−R向けの620〜690nmの範囲から選ばれた赤色レーザー光での記録に適する色素を併用して、複数の波長域のレーザー光での記録に対応する光学記録材料とすることもできる。
なお、これら他系統の色素のうち、CD−R向けの770〜830nmの範囲から選ばれた波長の近赤外レーザー光やDVD−R向けの620〜690nmの範囲から選ばれた赤色レーザー光での記録に適する色素を併用して、複数の波長域のレーザー光での記録に対応する光学記録材料とすることもできる。
記録層に占める本発明の記録層形成用色素の割合は、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
色素の割合が少なすぎると、記録感度が著しく低下するので好ましくない。本発明の色素として2種類以上の色素を併用する場合には、その合計が上記範囲を満たすようにする。また、後述のバインダーや各種の添加剤を用いる場合には、形成された記録層に占める本発明の色素の割合が上記の範囲内となるように、バインダーや添加剤の使用量を調整することが好ましい。なお、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体の優れた特性を十分に発揮させる観点から、バインダーや添加剤が使用されないことが特に好ましい。
色素の割合が少なすぎると、記録感度が著しく低下するので好ましくない。本発明の色素として2種類以上の色素を併用する場合には、その合計が上記範囲を満たすようにする。また、後述のバインダーや各種の添加剤を用いる場合には、形成された記録層に占める本発明の色素の割合が上記の範囲内となるように、バインダーや添加剤の使用量を調整することが好ましい。なお、本発明のヒドラゾン金属キレート錯体の優れた特性を十分に発揮させる観点から、バインダーや添加剤が使用されないことが特に好ましい。
記録層は成膜性を向上させるためにバインダーを含有していてもよい。バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ケトン樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート等既知のものが1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いられる。記録層に占めるバインダーの割合が高すぎると記録感度が著しく低下するので、バインダー、更には後述の各種添加剤を用いる場合、形成された記録層に占める本発明の記録層形成用色素の割合が、上記の範囲となるような量を用いる。
また、記録層は、安定性や耐光性向上のための一重項酸素クエンチャーや記録感度向上剤などを含有していてもよい。
一重項酸素クエンチャーとしては、アセチルアセトナート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α−ジケトン等と遷移金属とのキレート化合物などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
記録感度向上剤としては、遷移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化合
物に含まれる金属系化合物等が挙げられ、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体のような有機金属化合物などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。金属原子の種類は特に限定されないが、遷移金属が好ましい。
なお、一重項酸素クエンチャーは色素に対して通常5〜30重量%程度、記録感度向上剤は色素に対して通常10〜30重量%程度用いられる。
二種以上の一重項酸素クエンチャーを併用する場合や、二種以上の記録感度向上剤を併用する場合には、各々、その合計が上記範囲を満たすようにする。
物に含まれる金属系化合物等が挙げられ、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体のような有機金属化合物などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。金属原子の種類は特に限定されないが、遷移金属が好ましい。
なお、一重項酸素クエンチャーは色素に対して通常5〜30重量%程度、記録感度向上剤は色素に対して通常10〜30重量%程度用いられる。
二種以上の一重項酸素クエンチャーを併用する場合や、二種以上の記録感度向上剤を併用する場合には、各々、その合計が上記範囲を満たすようにする。
本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を用いて光学記録媒体の記録層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の一般に行われている薄膜形成法を用いることができる。これらのうち、量産性、コスト面からスピンコート法が好ましい。スピンコート法により記録層を成膜する場合、回転数は500〜5000rpmが好ましく、スピンコート後、必要に応じて、加熱または溶媒蒸気にさらす等の処理を行ってもよい。記録層の膜厚は、特に限定されないが、通常10nm〜5μm、好ましくは20nm〜2μm、更に好ましくは50nm以上300nm以下である。色素層の膜厚が前記の下限値より大きい場合は、熱拡散の影響を抑えることができ、良好な記録がしやすい。また、記録信号に歪みが発生しにくいため、信号振幅を大きくしやすい。色素層の膜厚が前記の上限値より小さい場合は、反射率を高くしやすく、再生信号特性を良好としやすい。
記録層をドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等により形成する場合には、まず、本発明の記録層形成用色素、バインダー、一重項酸素クエンチャー、記録感度向上剤および他の色素等を溶媒に溶解させ、塗布液を作成する。溶媒としては、TFPを用いることが工業面で特に好ましいが、基板を侵さない溶媒であればTFPに限定されるものではなく、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒、OFP、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル系溶媒等を用いることもできる。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、工業面からは1種を単独で用いることが好ましい。
塗布液中の本発明の記録層形成用色素の濃度は、その溶媒溶解性に応じて適宜決定されるが、通常0.7重量%以上、好ましくは1.0重量%以上で、通常10重量%以下、好ましくは3.0重量%以下とされる。塗布液中の色素濃度が過度に低いと、記録層の形成効率が悪くなる。塗布液中の色素濃度が過度に高いと成膜工程において、色素の結晶化等の問題が発生する。
また、スピンコート後の余剰色素を効率的に回収するためには、通常塗布液の濃度の1.5倍以上、好ましくは2倍以上の濃度であっても、色素化合物が塗布溶媒に溶解可能であることが好ましい。
また、スピンコート後の余剰色素を効率的に回収するためには、通常塗布液の濃度の1.5倍以上、好ましくは2倍以上の濃度であっても、色素化合物が塗布溶媒に溶解可能であることが好ましい。
{光学記録媒体}
本発明の光学記録媒体とは、本発明の記録層形成用色素を用いて上述のようにして形成された記録層を有するものである。
本発明の光学記録媒体とは、本発明の記録層形成用色素を用いて上述のようにして形成された記録層を有するものである。
記録層を形成する光学記録媒体の基板としては、ガラスや種々のプラスチックなど、使用するレーザー光に対して透明なものが好ましく用いられる。プラスチックとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられるが、生産性、コスト、耐吸湿性などの点からポリカーボネート樹脂を射出成形したものが好ましい。
通常、基板上には、必要に応じて更に、反射層、保護層、下引き層などの記録層以外の層が設けられ、光学記録媒体として使用される。
反射層としては、金、銀、アルミニウムまたはそれらの合金のような金属からなるもの等が挙げられるが、550nm以下の波長のレーザー光に対する反射率から、金やアルミニウムより、銀の方が好ましい。金属反射層は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などによって記録層上に成膜される。ここで、金属反射層と記録層との間に層間の密着力を向上させるため、または、反射率を高める等の目的で中間層を設けてもよい。反射層の膜厚は、通常50nm以上、300nm以下の範囲である。
反射層の上に形成する保護層の材料は、反射層を外力から保護するものであれば特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV(紫外線)硬化性樹脂等の有機物質、SiO2、SiN4、MgF2、SnO2等の無機物質などが挙げられる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で又は混合して用いてもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもよい。
保護層の形成の方法としては、記録層と同様に、スピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、通常、0.1μm以上、100μm以下の範囲である。
なお、各層間の接着力を高めるために、各層間に下引き層を用いても良い。下引き層の種類としては、各層の接着力を高め、かつ各層の性質に影響を与えない物であれば特に限定されないが、取扱いの容易さから有機層であることが好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で又は混合して用いてもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもよい。
保護層の形成の方法としては、記録層と同様に、スピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、通常、0.1μm以上、100μm以下の範囲である。
なお、各層間の接着力を高めるために、各層間に下引き層を用いても良い。下引き層の種類としては、各層の接着力を高め、かつ各層の性質に影響を与えない物であれば特に限定されないが、取扱いの容易さから有機層であることが好ましい。
また、上記構成の光学記録媒体を接着層を介して2枚貼りあわせ、或いは、基板の片面だけでなく両面に反射層、記録層、保護層等を設けることにより、両面記録型光学記録媒体としてもよい。更には、基板上に反射層及び記録層の組を、中間層を介して二組以上形成し、その上に保護層を設けることにより、多層型光記録媒体としてもよい。
[光学記録媒体の記録方法]
上述のようにして得られた光学記録媒体への情報の記録は、通常、記録層に0.4〜0.6μm程度に集束したレーザー光を照射することにより行う。記録層がレーザー光のエネルギーを吸収すると、レーザー光照射部分では、分解、発熱、溶融等の熱的変形が起こる。記録された情報の再生は、レーザー光による上記熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行う。
上述のようにして得られた光学記録媒体への情報の記録は、通常、記録層に0.4〜0.6μm程度に集束したレーザー光を照射することにより行う。記録層がレーザー光のエネルギーを吸収すると、レーザー光照射部分では、分解、発熱、溶融等の熱的変形が起こる。記録された情報の再生は、レーザー光による上記熱的変形が起きている部分と起きていない部分の反射率の差を読み取ることにより行う。
高密度記録のためには、記録時に使用するレーザー光の波長が短いほど好ましく、特に、本発明の光学記録媒体は、その記録層に上述した本発明のヒドラゾン金属キレート錯体を含有することから、その利点を十分に発揮させる観点から、波長350nm〜530nmのレーザー光が好ましい(これを以下適宜「本発明の光学記録媒体の記録方法」或いは単に「本発明の記録方法」という。)。
かかるレーザー光の代表例としては、例えば、中心波長405nm、410nmなどの青色レーザー光、中心波長515nmの青緑色の高出力半導体レーザー光が挙げられる。これら以外にも(a)基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レーザー光、または(b)半導体レーザー光によって励起されかつ基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な固体レーザー光のいずれかを、第二高調波発生素子(SHG)により波長変換することによって得られる光なども挙げられる。
かかるレーザー光の代表例としては、例えば、中心波長405nm、410nmなどの青色レーザー光、中心波長515nmの青緑色の高出力半導体レーザー光が挙げられる。これら以外にも(a)基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レーザー光、または(b)半導体レーザー光によって励起されかつ基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な固体レーザー光のいずれかを、第二高調波発生素子(SHG)により波長変換することによって得られる光なども挙げられる。
上記のSHGとしては、反射対称性を欠くピエゾ素子であればいかなるものでもよいが、KDP(KH2PO4)、ADP(NH4H2PO4)、BNN(Ba2NaNb5O15)、KN(KNbO3)、LBO(LiB3O5)、化合物半導体などが好ましい。第二高調波の具体例としては、基本発振波長が860nmの半導体レーザーの場合は、その倍波の波長430nm、また半導体レーザー励起の固体レーザーの場合は、CrドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の波長430nmなどが挙げられる。
これらのうち、中心波長405nmの青色レーザー光を使用することが特に好ましい。
これらのうち、中心波長405nmの青色レーザー光を使用することが特に好ましい。
{記録感度}
本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体系化合物を含む色素は、記録レーザー感度に優れる。具体的には、本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体系化合物を記録層に含んだ光学記録媒体のうち好ましいものは、中心波長404nm、NA=0.85の青色レーザー光を照射した場合に、レーザー強度12mW以下、好ましくは10mW以下、特に好ましくは7.5mW以下においても良好な記録ピットの形成が可能である。なおここで良
好な記録ピットの形成が可能であるとは、特定のレーザー強度の青色レーザー光を光学記録媒体の記録面に照射した場合に、目視もしくは光学顕微鏡を用いてピットの形成を確認できることを言う。
本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体系化合物を含む色素は、記録レーザー感度に優れる。具体的には、本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体系化合物を記録層に含んだ光学記録媒体のうち好ましいものは、中心波長404nm、NA=0.85の青色レーザー光を照射した場合に、レーザー強度12mW以下、好ましくは10mW以下、特に好ましくは7.5mW以下においても良好な記録ピットの形成が可能である。なおここで良
好な記録ピットの形成が可能であるとは、特定のレーザー強度の青色レーザー光を光学記録媒体の記録面に照射した場合に、目視もしくは光学顕微鏡を用いてピットの形成を確認できることを言う。
{膜性}
また、本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体は、膜性に優れている。すなわち、スピンコート法により記録層を形成後、ディスク表面に化合物の結晶化に由来する白化現象が認められない点においても、工業的に有利である。
また、本発明に係るヒドラゾン金属キレート錯体は、膜性に優れている。すなわち、スピンコート法により記録層を形成後、ディスク表面に化合物の結晶化に由来する白化現象が認められない点においても、工業的に有利である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、プロトンNMR分析にはBruker社製AV400M核磁気共鳴分光測定装置(400MHz)を用い、重クロロホルム溶媒中で分析した。
紫外可視吸収スペクトルは、島津株式会社製UV−3150紫外−可視−近赤外分光光度計によって分析した。
また、TG分析はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製示差熱熱重量分析装置 EXSTAR6000 TG−DTAを用い、試料量:1.0mg、温度上昇:10℃/分、窒素流量:0.2L/分、アルミニウムパンの条件で行った。
熱分解温度は上記TG条件にて化合物重量が10%減少する温度とした。
なお、以下において、プロトンNMR分析にはBruker社製AV400M核磁気共鳴分光測定装置(400MHz)を用い、重クロロホルム溶媒中で分析した。
紫外可視吸収スペクトルは、島津株式会社製UV−3150紫外−可視−近赤外分光光度計によって分析した。
また、TG分析はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製示差熱熱重量分析装置 EXSTAR6000 TG−DTAを用い、試料量:1.0mg、温度上昇:10℃/分、窒素流量:0.2L/分、アルミニウムパンの条件で行った。
熱分解温度は上記TG条件にて化合物重量が10%減少する温度とした。
[実施例1]
<例示化合物(A−1)の合成>
4,6−ビス(1−メチルヒドラジノ)ピリミジン(1.0g)およびピリジンカルバルデヒド(1.4g)をアセトニトリル(20ml)中で30分加熱還流した。生成した
固体を濾過し、アセトニトリル(10ml)で洗浄することで目的化合物の白色固体(1.5g、収率73%)を得た。
得られた化合物の同定はプロトンNMRにより行った。
1H NMR(ppm)δ:8.61(d,J=5.0Hz,2H)、8.47(s,1H)、8.17(d,J=8.0Hz,2H)、7.92(s,1H)、7.88(s,2H)、7.74(t,J=8.0Hz,2H)、7.27(d,J=8.0Hz,2H)、3.70(s,6H)
<例示化合物(A−1)の合成>
4,6−ビス(1−メチルヒドラジノ)ピリミジン(1.0g)およびピリジンカルバルデヒド(1.4g)をアセトニトリル(20ml)中で30分加熱還流した。生成した
固体を濾過し、アセトニトリル(10ml)で洗浄することで目的化合物の白色固体(1.5g、収率73%)を得た。
得られた化合物の同定はプロトンNMRにより行った。
1H NMR(ppm)δ:8.61(d,J=5.0Hz,2H)、8.47(s,1H)、8.17(d,J=8.0Hz,2H)、7.92(s,1H)、7.88(s,2H)、7.74(t,J=8.0Hz,2H)、7.27(d,J=8.0Hz,2H)、3.70(s,6H)
<例示化合物(A−1)の金属キレート錯体(金属カチオン:Co2+、カウンターアニオン:PF6 −)の合成>
化合物(A−1)(0.22g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に酢酸コバルト(II)四水和物(0.16g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。さらに六フッ化リンアンモニウム(0.50g)のメタノール溶液(1ml)を加え、生成した沈殿を濾別し、クロロホルム(10ml)およびメタノール(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで橙色の目的化合物(0.28g、収率63%)を得た。
TG熱分解温度:330℃
得られたヒドラゾン金属キレート錯体について、アセトニトリル中における紫外可視吸収スペクトルを図1に示す。図1からは、シャープで裾切れが良い吸収形状が確認され、得られたヒドラゾン金属キレート錯体が、記録感度向上に寄与する特性を有することが明らかである。得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、365nm、OD係数は91g/Lであった。
化合物(A−1)(0.22g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に酢酸コバルト(II)四水和物(0.16g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。さらに六フッ化リンアンモニウム(0.50g)のメタノール溶液(1ml)を加え、生成した沈殿を濾別し、クロロホルム(10ml)およびメタノール(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで橙色の目的化合物(0.28g、収率63%)を得た。
TG熱分解温度:330℃
得られたヒドラゾン金属キレート錯体について、アセトニトリル中における紫外可視吸収スペクトルを図1に示す。図1からは、シャープで裾切れが良い吸収形状が確認され、得られたヒドラゾン金属キレート錯体が、記録感度向上に寄与する特性を有することが明らかである。得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、365nm、OD係数は91g/Lであった。
[実施例2]
<例示化合物(A−1)の金属キレート錯体(金属カチオン:Co2+、カウンターアニオン:BF4 −)の合成>
化合物(A−1)(0.22g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に更に四フッ化ホウ素コバルト(II)六水和物(0.15g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。生成した沈殿を濾別し、クロロホルム(10ml)およびメタノール(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで黄色の目的化合物(0.29g、収率79%)を得た。
TG熱分解温度:360℃
得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、364nm、OD係数は82g/Lであった。
<例示化合物(A−1)の金属キレート錯体(金属カチオン:Co2+、カウンターアニオン:BF4 −)の合成>
化合物(A−1)(0.22g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に更に四フッ化ホウ素コバルト(II)六水和物(0.15g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。生成した沈殿を濾別し、クロロホルム(10ml)およびメタノール(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで黄色の目的化合物(0.29g、収率79%)を得た。
TG熱分解温度:360℃
得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、364nm、OD係数は82g/Lであった。
[実施例3]
<例示化合物(A−1)の金属キレート錯体(金属カチオン:Co2+、カウンターアニオン:TfO−)の合成>
化合物(A−1)(0.19g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に塩化コバルト(II)六水和物(0.13g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。さらにトリフルオロメタンスルホン酸アンモニウム(0.20g)のメタノール溶液(1ml)を加え、生成した沈殿を濾別し、酢酸エチル(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで橙色の目的化合物(0.20g、収率52%)を得た。
TG熱分解温度:320℃
得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、365nm、OD係数は78g/Lであった。
<例示化合物(A−1)の金属キレート錯体(金属カチオン:Co2+、カウンターアニオン:TfO−)の合成>
化合物(A−1)(0.19g)をクロロホルム(10ml)に溶解させた。該溶液に塩化コバルト(II)六水和物(0.13g)のメタノール溶液(0.5ml)を加えた。さらにトリフルオロメタンスルホン酸アンモニウム(0.20g)のメタノール溶液(1ml)を加え、生成した沈殿を濾別し、酢酸エチル(10ml)で洗浄した。さらに乾燥させることで橙色の目的化合物(0.20g、収率52%)を得た。
TG熱分解温度:320℃
得られた錯体のアセトニトリル中における吸収極大は、365nm、OD係数は78g/Lであった。
[比較例]
比較のため、特許文献1に記載の化合物(4)を用意した。化合物(4)のアセトニトリル中における吸収極大は、391nm、OD係数は45g/Lであった。
実施例1〜3および比較例において示した、化合物の吸収極大およびOD係数について
、表1にまとめて示す。この表から、本発明の化合物がOD係数に優れることが明らかである。
比較のため、特許文献1に記載の化合物(4)を用意した。化合物(4)のアセトニトリル中における吸収極大は、391nm、OD係数は45g/Lであった。
実施例1〜3および比較例において示した、化合物の吸収極大およびOD係数について
、表1にまとめて示す。この表から、本発明の化合物がOD係数に優れることが明らかである。
[実施例4]
<記録媒体の作製>
実施例3において得られた錯体をTFPに1.0重量%溶解させ、濾過によって微細なゴミを取り除いた後に、得られた溶液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート基板上に滴下し、スピンコート法(4900rpm)により塗布し、80℃で30分間乾燥することにより、厚さ約50nmの透明な塗布膜(光学記録媒体)を作製した。
得られた光学記録媒体には、化合物の結晶化に由来する白化現象は確認されず、膜性は良好であった。
また、得られた光学記録媒体について、以下に示す方法で記録感度を試験したところ、記録ピットの形成が確認された最高記録感度は7.5mWであった。
<記録感度試験>
中心波長404nm、NA=0.85の半導体レーザー光を照射し、光学顕微鏡により記録ピットの形成が確認された最高記録感度を測定した。
更に、得られた光学記録媒体について、以下に示す方法で耐光性を試験したところ、色素残存率は89%であり、本発明を用いて作成された光学記録媒体が耐光性の面で優れていることが明らかとなった。
<耐光性試験>
温度58℃、湿度50%の条件下で、0.55W/m2の照射強度でキセノンランプを
40時間照射した後の記録層について、吸収極大波長における照射前後の吸光度に基づいて色素残存率を求めた。
<記録媒体の作製>
実施例3において得られた錯体をTFPに1.0重量%溶解させ、濾過によって微細なゴミを取り除いた後に、得られた溶液を直径120mm、厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート基板上に滴下し、スピンコート法(4900rpm)により塗布し、80℃で30分間乾燥することにより、厚さ約50nmの透明な塗布膜(光学記録媒体)を作製した。
得られた光学記録媒体には、化合物の結晶化に由来する白化現象は確認されず、膜性は良好であった。
また、得られた光学記録媒体について、以下に示す方法で記録感度を試験したところ、記録ピットの形成が確認された最高記録感度は7.5mWであった。
<記録感度試験>
中心波長404nm、NA=0.85の半導体レーザー光を照射し、光学顕微鏡により記録ピットの形成が確認された最高記録感度を測定した。
更に、得られた光学記録媒体について、以下に示す方法で耐光性を試験したところ、色素残存率は89%であり、本発明を用いて作成された光学記録媒体が耐光性の面で優れていることが明らかとなった。
<耐光性試験>
温度58℃、湿度50%の条件下で、0.55W/m2の照射強度でキセノンランプを
40時間照射した後の記録層について、吸収極大波長における照射前後の吸光度に基づいて色素残存率を求めた。
Claims (6)
- 遷移金属カチオンが第4周期の元素からなることを特徴とする請求項1に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
- 遷移金属カチオンがコバルトからなることを特徴とする請求項2に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
- 溶液中での300〜380nmに吸収極大を有し、かつ該吸収極大の吸光度(OD係数)が70(g/L)以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素。
- 基板と、該基板上に形成された記録層とを少なくとも有し、 該記録層が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学記録媒体の記録層形成用色素を用いて形成されたものであることを特徴とする光学記録媒体。
- 請求項5記載の光学記録媒体に対し、波長350〜530nmのレーザー光を用いて記録を行なうことを特徴とする光学記録媒体の記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006079199A JP2007254549A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 光学記録媒体及びその記録層形成用色素 |
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