JP4521303B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルヘッドを用いて画像の記録をおこなう感熱記録材料に関する。
感熱記録はその記録装置が簡便で信頼性が高くメンテナンスが不要であることから近来発展している。その感熱記録材料としては従来から電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したものなどが広く知られている。
サーマルヘッドを用いて画像の記録をおこなう感熱記録材料、特に高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう多色の感熱記録材料の場合、サーマルヘッドの保護膜の材質や形状等に適合したヘッドマッチング性を有するだけでなく、さらにヘッド汚れやヘッド磨耗を発生させずに高品質の画像を安定して記録できることが重要である。
通常、感熱記録材料の印画最表面には保護層が設けられることが多いため、感熱記録材料のサーマルヘッド適性は保護層の性能によって決定づけられることが多い。
また、感熱記録材料の光沢度を向上させるためには、印画最表面である保護層の平滑度を向上させることが有効である。しかし、保護層の平滑度を上げるとサーマルヘッドとの摩擦力が増大し印画トルクが大きくなってしまう。印画トルクとは、サーマルヘッドを用いて印画する際の動摩擦係数を意味し、該印画トルクが大きいと、印画時に発色濃度のムラ、いわゆる負荷変動ムラを生じ、画質の低下につながってしまう。
このため、高画質な画像を記録するためには、印画トルクの低減を図ることが必須となる。上記印画トルクは潤滑剤を多く用いたり保護層の硬度を上げたりすることである程度低減させることができる。しかし、潤滑剤を多く用いると、印画時に感熱記録材料表面の可塑化による変形が大きく、感熱記録材料表面の光沢性が低下してしまう。また、バインダーの硬化剤等を多く用いると保護層の硬度を上げることはできるが、保護層の疎水性が低下し、印画時に保護層表面の潤滑剤が拡散しやすくなり、感熱記録材料表面に潤滑剤を保持しにくくなる。
これに対し、保護層に高級脂肪酸金属塩を含有させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、保護層又は感熱記録層に、高級脂肪酸金属塩と共にリチウム塩を含有させる方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。また、潤滑剤としてではないものの、感熱記録層に高級脂肪酸銀塩を含有させる方法(例えば、特許文献3参照。)も提案されている。しかし、上記印画トルクの低減は未だ完全ではなく、更に1価の金属塩(アルカリ金属など)はサーマルヘッドの金属部分を腐食させ、記録装置の耐久性を下げるという欠点もあり、更なる改良が望まれていた。
特開平6−135148号公報 特開2003−320752号公報 特開2003−191646号公報
したがって、本発明の目的は、高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう場合であっても、濃度ムラの発生を低減させることができ、それによって高画質な画像を記録することができる感熱記録材料を提供することにある。
本発明者は前記印画トルク、特に印画エネルギーが18mJ/mm2前後の印画トルクを、保護層中に不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を加えることにより、低減できることを見出し、本発明をなすに至った。即ち、前記課題を解決する手段は、以下の通りである。
<1> 支持体上に感熱記録層と保護層とを有する感熱記録材料であって、前記保護層に炭素数が18〜22の不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を、前記保護層のバインダーの量に対して5〜40質量%含むことを特徴とする感熱記録材料である。
<2> 前記不飽和高級脂肪酸が、オレイン酸及びエルカ酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> サーマルヘッドにより加熱印字されることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の感熱記録材料である。
<4> 前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩が亜鉛塩であることを特徴とする前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の感熱記録材料である。
<5> 前記保護層のバインダーが、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記<1>〜<4>の何れか1項に記載の感熱記録材料である。
本発明によれば、高速・高エネルギーで同一面に複数回印画をおこなう感熱記録材料において、濃度ムラの発生を低減させることができ、それによって高画質な画像を記録することができる感熱記録材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず本発明の主要な要件である、特定の化合物について述べ、続いて本発明の感熱記録材料の層構成について述べる。
<不飽和高級脂肪酸の多価金属塩>
本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層と保護層とを有する感熱記録材料であって、前記保護層に炭素数が18〜22の不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を、前記保護層のバインダーの量に対して5〜40質量%含むことを特徴とする。
前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩は、スティッキングなどによる印画故障のないスムーズな印画をおこなうための熱可融性潤滑剤として好適であり、これにより印画時に感熱記録材料の表面とサーマルヘッドとの摩擦を飛躍的に低下させることができる。
尚、前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩は、保護層に含有させることができ
前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩中の不飽和脂肪酸としては、炭素数が1822のものが用いられる。また、不飽和高級脂肪酸の多価金属塩の不飽和度は、2以下が好ましく、1がより好ましい。
また、前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩中の金属としては、Al3+、Ni2+、Fe2+、Sn2+、Pb2+、Zn2+、Ca2+等が好ましく、中でもZn2+が特に好ましい。
ここで、前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩の具体例としては、オレイン酸亜鉛、エルカ酸亜鉛、ミルストレイン酸亜鉛、パルミトレイン酸亜鉛、ペトロセリン酸亜鉛、エライジン酸亜鉛、アスクレピン酸亜鉛、ゴンドイン酸亜鉛、セラコレイン酸亜鉛、キシメン酸亜鉛、ルメクエン酸亜鉛、パルミトレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、エルカ酸カルシウム、パルミトレイン酸錫、オレイン酸錫、エルカ酸錫、パルミトレイン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、エルカ酸アルミニウム等のうち炭素数が18〜22のものを挙げることができる。
前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を保護層中に含むことにより、印画トルクを低減することができ、印画時に感熱記録材料の表面とサーマルヘッドとの摩擦を低減し、スティッキングなどによる印画故障のないスムーズな印画を行うことができる。
また、前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を更に感熱記録層中に含む場合も、感熱記録層から保護層に該不飽和高級脂肪酸の多価金属塩が浸出し、その結果として同様の効果を得ることができる。
特に、印画エネルギーが18mJ/mm2前後の印画トルクは、印画において最大値を示すが、本発明によればこのトルクピークを効果的に低下させることができ、所謂負荷変動ムラと呼ばれる濃度ムラを低減でき、高画質な画像を記録するができる。
本発明において、保護層に含有される前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩の含有量としては、後記の保護層のバインダー量に対して5〜40質量%であり、15〜25質量%が特に好ましい。含有量が上記範囲にあることにより、印画トルクを十分に低減することができる。
<感熱記録材料>
本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱記録層と保護層と有する感熱記録材料であって、前記保護層に炭素数が18〜22の不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を、前記保護層のバインダーの量に対して5〜40質量%含むことを特徴とする。本発明においては、前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩は、上記の通り保護層に含まれている。
なお、本発明の感熱記録材料においては、前記支持体と前記保護層の間には、目的に応じて適宜選択したその他の層、例えば、前記支持体と前記感熱記録層との間に設ける下塗り層、前記感熱記録層同士の間に設ける中間層、前記感熱記録層と前記保護層との間に設ける光透過率調整層などを有していてもよい。
〔保護層〕
保護層は、感熱記録層のスティッキングや感熱記録層を溶剤等から保護するために設けられる層であり、また本発明においては、上記の通り不飽和高級脂肪酸の多価金属塩が含まれる。
前記保護層は、バインダー、無機超微粒子、熱可融性潤滑剤及びシリコーン変性アクリルエマルションを含んで構成されることが好ましく、その他必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
前記バインダーとしては、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。上記保護層に用いるバインダーとしては、公知の樹脂から適宜選定して用いることができるが、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いることによって、不飽和高級脂肪酸多価金属塩の分散性を向上させることができる。
上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数8〜20のアルキル基を有するアルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
これらの長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールのTgとしては、50℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましい。Tg(ガラス転移点)が50℃未満の場合、耐傷性が低下する場合があるため好ましくない。
前記保護層中に、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは50質量%以上含有されることが好ましく、80質量%以上含有されることがさらに好ましい。長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールの含有量が50質量%未満だと、上述の長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールによる特性が十分に発揮されないことがある。
上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールを用いた保護層の表面には長鎖アルキル基が配向され易い。このような表面は印画トルクを低減させるため、印画故障が無くなり、印画面の平滑性(光沢性)向上及び発色濃度の向上が可能となる。また、表面の静摩擦及び動摩擦の低下はプリンターでのメディアの走行性を良好なものとする。さらに、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール系の特徴である耐光性、被膜強度に優れるという特性を発揮するとともに、表面に疎水性基が配向していることから耐水性も向上する。
上記保護層においては、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールの他に必要に応じ他のバインダーを併用してもよい。該他のバインダーとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等の合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョン等が挙げられる。
上記バインダーの中でも、ポリビニルアルコール又はその誘導体(以下、総称して「ポリビニルアルコール」という場合がある。)が好ましく、具体的には、特開2000−118133号公報に記載のもの等が挙げられる。
上記バインダーを構成する高分子のTg(ガラス転移点)は、150℃以下、好ましくは0℃〜130℃,特に好ましくは40℃〜100℃である。
上記保護層中のバインダーの含有量としては、保護層全体に対して25〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がさらに好ましい。
前記保護層には、該保護層の硬化度を高める目的で、上記バインダーと硬化剤とを併用するのが好ましい。該硬化剤としては、例えばビニルスルホン系化合物、アルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等)、エポキシ化合物、オキサジン系化合物、トリアジン系化合物、メチル化メラミン、ブロックイソシアネート、メチロール化合物、カルボジイミド樹脂、ホウ素化合物等を使用することができる。
これら硬化剤の中では反応促進剤の添加や高温での処理などを必要とせずにポリビニルアルコールと速やかに架橋反応を起こす点からホウ素化合物が好ましく、該ホウ素化合物の中でも、ホウ酸、ホウ砂等が特に好ましい。
ここで、保護層や感熱記録層等を重層塗布(同時塗布)等する場合には、硬化剤は必ずしも保護層用の塗布液に含める必要はなく、中間層用塗布液に含めてもよい。また、上記ホウ酸を硬化剤として用いる場合には、上記長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールや保護層のバインダーとして用いるポリビニルアルコール、並びに、後述する感熱記録層及び中間層等に含まれるポリビニルアルコールの総量(感熱記録材料の記録面側に設けられている層に含まれるポリビニルアルコールの総量)に対して18〜30質量%含まれているのが好ましく、20〜27質量%含まれているのがさらに好ましい。ホウ酸が感熱記録材料に用いられたポリビニルアルコールの総含有量に対して18質量%未満であると、上記保護層等を十分に硬化できない場合があり、30質量%を超えると、潤滑剤が印画時に拡散しやすくなり、結果として保護層表面の疎水性が低下し、画質の低下や光沢度の低下の原因となる場合がある。
保護層には、更に無機超微粒子を含有するのが好ましい。粒径の微小な無機超微粒子を用いることにより、表面の平滑性を変化させずに高い硬度を保持することができる。
ここで、「無機超微粒子」とは、平均一次粒径が0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.15μm以下の無機微粒子をいい、このような無機微粒子であれば特に制限はないが、分散液での最大粒子径(分散液中での粒径分布の大きい方でのしきい値)が0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.35μm以下が特に好ましい。また、分散液での平均粒径が0.35μm以上の(凝集)粒子の頻度が5%以下、好ましくは1%以下であり、0.25μm以上の(凝集)粒子の頻度が5%以下であることが特に好ましい。なお、粒子径は公知の方法、例えばCOULTER N4型サブミクロン粒径分析装置(日科機)などにより測定することができる。
上記無機超微粒子としては、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、アルミナ等が挙げられ、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、アルミナが好ましく、コロイダルシリカ、硫酸バリウムが特に好ましい。
本発明に好適に使用しうる無機超微粒子としては、具体的に、例えば、硫酸バリウム(商品名:BARIFINE BF−21、BF−20、堺化学工業製)、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO、日産化学(株)製)、酸化ジルコニウム(商品名:NZR−A、日産化学製)、酸化亜鉛(商品名:FINEX−75、堺化学工業製)、酸化チタン(TTO−55、石原産業製)、シリカ(日本アエロジル製)が挙げられる。
本発明における保護層は、粒径の異なる2種以上の無機超微粒子を含有するのが好ましく、該2種の無機超微粒子としては、硫酸バリウムとコロイダルシリカとの組合せが好ましい。粒径の微小なコロイダルシリカを用いることにより、表面の平滑性を変化させずに高い硬度を保持することができる。更に、コロイダルシリカのみでは、親水性が高いため、潤滑剤が拡散して感熱記録材料表面に潤滑剤が保持できなくなる場合があるが、硫酸バリウムを併用することにより必要量の潤滑剤を感熱記録材料表面に安定して存在させることができる。これにより、本発明の感熱記録材料は、その表面の平滑性を維持して高光沢であると共に、その表面が高い硬度を保持し、かつその表面に潤滑剤が安定して存在することにより、ヘッドの汚れを防止して、高画質な画像を安定して出力することができる。
上記硫酸バリウムの平均粒径は、0.05〜0.20μmが好ましく、0.10〜0.15μmがさらに好ましく、コロイダルシリカの平均粒径は、10〜50nmが好ましく、10〜30nmがさらに好ましく、15〜25nmが特に好ましい。また、保護層中のコロイダルシリカの含有量は、硫酸バリウムに対して8〜24質量%が好ましく、8〜16質量%がさらに好ましく、8〜10質量%が特に好ましい。硫酸バリウム又はコロイダルシリカの粒径が上記範囲にない、或いは硫酸バリウム又はコロイダルシリカの含有割合が上記範囲にない場合には、高光沢を維持できない場合が生じたり、また、ヘッド汚れが顕著となって、多数の画像を支障なく形成することが困難となる場合がある。
上記硫酸バリウム及びコロイダルシリカは、全無機超微粒子中、60質量%以上含まれていることが好ましく、75質量%以上含まれていることがより好ましく、85質量%以上含まれていることが更に好ましい。該硫酸バリウム及びコロイダルシリカが60質量%以上含まれていることにより、上記効果を有効に発揮することができる。
上記無機超微粒子を添加する方法としては、微粒子同士の凝集を防止し、樹脂粒子表面への均一な吸着を達成するために、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコールのような水性分散樹脂とともに樹脂溶液として添加する方法、コロイド分散物を各種ミル等で調製したのち添加する方法などを採用することが、効果及び製造上の観点から好ましい。
また、上記バインダーと無機超微粒子との配合割合(バインダー/無機超微粒子)は、質量比で、0.8/0.5〜0.8/0.15が好ましく、0.8/0.45〜0.8/0.3がより好ましい。
なお、上記保護層には、雲母等を含む無機質の層状化合物、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等の顔料を添加してもよい。
本発明における保護層には、保護層表面の疎水性を維持する目的で、シリコーン変性アクリルエマルションを含むのが好ましい。
上記シリコーン変性アクリルエマルションは種々の方法で得ることができるが、好ましくは分子中に重合性不飽和基と加水分解性基とを有する有機ケイ素単量体とアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルとからなる単量体混合物を水性媒体中で乳化重合して得られる。
上記アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルとしては、アルキルエステルが好ましく、特に好ましくは炭素数が1〜10のアルキル基を有するアルキルエステルである。
上記ケイ素単量体としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等を挙げることができる。
前記保護層中のシリコーン変性アクリルエマルションの含有量は、上記熱可融性潤滑剤に対して10〜40質量%が好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。上記保護層中のシリコーン変性アクリルエマルションの含有量が、上記熱可融性潤滑剤に対して10〜40質量%の範囲においては、保護層印画面の十分な疎水性が維持でき、且つ印画時の潤滑性も十分確保できる。
また、本発明における保護層には、界面活性剤を含有させることができる。
該界面活性剤としては、例えば、陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の他、スルフォコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等を用いることができ、その中でも特に、陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤が、ヘッドとの摩擦係数を効果的に下げることができる点で好ましい。
上記界面活性剤の保護層における含有量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
また、本発明における保護層には、マット剤を含有させることができる。
該マット剤としては、例えば、小麦澱粉、ポリメチルメタクリレート、架橋型ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂等のようなビーズ状ポリマーパウダーや、SiO2、Al23、タルク、カオリン等のような無機質微粒子を挙げることができ、その中でも特に、小麦澱粉が好ましい。
上記マット剤の含有量としては、保護層におけるバインダーの含有量に対して、0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。
(保護層の形成方法)
本発明における保護層は、バインダー及び無機超微粒子等からなる保護層用塗布液を、後述する感熱記録層等の上にバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の装置を用いて塗布、乾燥して得る。但し、保護層は感熱記録層等と同時に重畳法により塗布しても構わないし、また感熱記録層等の塗布後、一旦感熱記録層等を乾燥させ、その上に塗布しても構わない。保護層の乾燥塗布量は、0.1〜3g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。塗設量が多いと著しく熱感度が低下してしまうし、あまりに少ない塗設量では保護層としての機能(耐摩擦性、潤滑性、耐傷性等)を発揮できない。また、保護層塗布後、必要に応じてキャレンダー処理を施してもよい。
〔感熱記録層〕
前記感熱記録層は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよく、目的に応じて適宜選択した層構成とすることができる。
前記感熱記録層は、発色成分を含み、該発色成分の発色反応により所望の色画像を形成し得るように設計される。前記発色成分としては、特に制限はなく、従来から公知のものが好適に使用することができる。前記発色反応としては、特に制限はなく、例えば、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの発色反応、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との発色反応、などが好適に挙げられる。
また、複数の光定着型感熱記録層を有する場合においては、各光定着型感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料が得られる。すなわち、各光定着型感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選べばフルカラーの画像記録が可能となる。この場合、支持体面に直接積層(光定着型感熱記録層の最下層)される光定着型感熱記録層の発色機構は、電子供与性染料と、電子受容性染料との組み合わせに限らず、例えば、ジアゾニウム塩と該ジアゾニウム塩と反応呈色するカプラーとからなるジアゾ発色系、塩基性化合物と接触して発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反応して脱離反応を起こし発色する発色系等のいずれでもよく、この光定着型感熱記録層上に最大吸収波長が異なるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と反応し呈色するカプラーとを各々含有する光定着型感熱記録層を2層以上設けるのが好ましい。
前記光定着型感熱記録層に用いられる発色成分としては、従来公知のものが使用できるが、特にジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用したもの、又は電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用したものが好ましく、ジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーを含有する光定着型感熱記録層に用いられる化合物は、ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と反応して色素を形成しうるカプラー及びジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を促進する塩基性物質等が挙げられる。これらジアゾニウム塩化合物、カプラー、塩基などは、特公平4−75147号公報、特公平6−55546号公報、特公平6−79867号公報、特開平4−201483号公報、特開昭60−49991号公報、特開昭60−242094号公報、特開昭61−5983号公報、特開昭63−87125号公報、特開平4−59287号公報、特開平5−185717号公報、特開平7−88356号公報、特開平7−96671号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−38389号公報、特開平5−185736号公報、特開平5−8544号公報、特開昭59−190866号公報、特開昭62−55190号公報、特開昭60−6493号公報、特開昭60−259492号公報、特開昭63−318546号公報、特開平4−65291号公報、特開平5−185736号公報、特開平5−204089号公報、特開平8−310133号公報、特開平8−324129号公報、特開平9−156229号公報、特開平9−175017号公報、などに具体的に詳しく記載されている。
電子供与性無色染料及び電子受容性化合物などは、特開平6−328860号公報、特開平7−290826号公報、特開平7−314904号公報、特開平8−324116号公報、特開平3−37727号公報、特開平9−31345号公報、特開平9−111136号公報、特開平9−118073号公報、特開平11−157221号公報、などに具体的に詳しく記載されている。
(マイクロカプセル)
本発明において、前記ジアゾニウム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラー、塩基性物質、及び電子供与性無色染料、電子受容性化合物、その他増感剤等の使用形態については、特に限定されず、(1)固体分散して使用する方法、(2)乳化分散して使用する方法、(3)ポリマー分散して使用する方法、(4)ラテックス分散して使用する方法、(5)マイクロカプセル化して使用する方法などがあるが、このなかでも特に保存性の観点から、マイクロカプセル化して使用する方法が好ましく、特にジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した発色系ではジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセル化した場合が、電子供与性無色染料と電子受容性化合物との反応を利用した発色系では電子供与性無色染料をマイクロカプセル化した場合が好ましい。
マイクロカプセルの形成方法は既に公知の方法を用いて行うことができる。このマイクロカプセル壁を形成する高分子物質は常温では不透過性であり、加熱時に透過性となることが必要で有り、特にガラス転移温度が60〜200℃の範囲にあるものが好ましい。これらの例として、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン・アクリレート共重合体及びこれらの混合系を挙げることができる。
マイクロカプセルの形成法としては、界面重合法及び内部重合法が適しており、これら詳細及びリアクタントの具体例については、米国特許第3,726,804号、同第3,796,669号等の明細書に記載がある。例えば、ポリウレア、ポリウレタンをカプセル壁材として用いる場合は、ポリイソシアネート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えばポリオール、ポリアミン)を水性媒体又はカプセル化すべき油性媒体中に混合し、水中でこれらを乳化分散し次に加温することにより油滴界面で高分子形成反応を起こし、マイクロカプセル壁を形成する。尚、上記第2物質の添加を省略した場合もポリウレアを生成することができる。
本発明において、マイクロカプセル壁を形成する高分子物質は、ポリウレタンやポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。
(多色感熱記録材料)
本発明において、感熱記録材料は感熱記録層を複数積層してもよく、各光定着型感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録材料を得ることもできる。その層構成は特に限定されるものではないが、特に感光波長の異なる2種のジアゾニウム塩化合物とそれぞれのジアゾニウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカプラーとを組み合わせた光定着型感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを組み合わせた光定着型感熱記録層とを積層した多色感熱記録材料が好ましい。すなわち、支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを含む第1の光定着型感熱記録層、最大吸収波長が365±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーとを含有する第2の光定着型感熱記録層、最大吸収波長が425±40nmであるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーとを含有する第3の光定着型感熱記録層とするものである。この例において、各光定着型感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの画像記録が可能となる。
この多色感熱記録材料の記録方法は、まず第3の光定着型感熱記録層を加熱し、該層に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーを発色させる。次に425±40nmの光を照射して第3の光定着型感熱記録層中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化合物を分解させたのち、第2の光定着型感熱記録層が発色するのに十分な熱を加え、該層に含まれているジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このとき第3の光定着型感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。さらに365±40nmの光を照射して第2の光定着型感熱記録層に含まれているジアゾニウム塩化合物を分解し、最後に第1の光定着型感熱記録層が発色するのに十分な熱を加えて発色させる。このとき第3、第2の光定着型感熱記録層も同時に強く加熱されるが、すでにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失われているので発色しない。
(その他の添加剤等)
本発明において、耐光性を向上させるために以下に示す公知の酸化防止剤を用いることができ、例えばヨーロッパ公開特許第310551号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開昭63−163351号公報、アメリカ特許第4814262号、特開昭54−48535号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開昭63−113536号公報、特開昭62−262047号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ公開特許第309401号公報等に記載のものが挙げられる。
さらにすでに感熱記録材料、感圧記録材料として公知の各種添加剤を用いることも有効である。これらの酸化防止剤の一部を示すならば、特開昭60−125470号公報、特開昭60−125471号公報、特開昭60−125472号公報、特開昭60−287485号公報、特開昭60−287486号公報、特開昭60−287487号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭60−287488号公報、特開昭62−282885号公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−88380号公報、特開昭63−088381号公報、特開平01−239282号公報、特開平04−291685号公報、特開平04−291684号公報、特開平05−188687号公報、特開平05−188686号公報、特開平05−110490号公報、特開平05−1108437号公報、特開平05−170361号公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−224989号公報、特開昭63−267594号公報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−107384号公報、特開昭60−107383号公報、特開昭61−160287号公報、特開昭61−185483号公報、特開昭61−211079号公報、特開昭63−251282号公報、特開昭63−051174号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭48−033212号公報等に記載の化合物が挙げられる。
感熱記録層に用いるバインダーとしては、従来公知のものを使用することができ、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性高分子やポリマーラテックスなどを挙げることができる。
〔光透過率調整層〕
本発明の感熱記録材料には、耐光性を向上させるために光透過率調整層を設けるのが好ましい。
光透過率調整層は、紫外線吸収剤前駆体を含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫外線吸収剤として機能しないので光透過率が高く、光定着型感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分に透過させ、しかも可視光線の透過率も高いので、感熱記録層の定着に支障を来すこともない。この紫外線吸収剤前駆体は、マイクロカプセル中に含ませることが好ましい。
また、光透過率調整層に含有する化合物としては、特開平9−1928号公報に記載の化合物が挙げられる。
上記紫外線吸収剤前駆体は、感熱記録層の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了した後、光又は熱などで反応することにより紫外線吸収剤として機能するようになり、紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は紫外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらない。
光透過率調整層は感熱記録材料中に少なくとも1層設けることができ、最も望ましくは感熱記録層と最外保護層との間に形成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用するようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録層の特性に応じて任意に選定することができる。
光透過率調整層形成用の塗布液(光透過率調整層用塗布液)は、上記各成分を混合して得られる。該光透過率調整層塗布液を、例えばバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の公知の塗布方法により塗布して形成することができる。光透過率調整層は、感熱記録層等と同時塗布してもよく、例えば感熱記録層形成用の塗布液を塗布し一旦感熱記録層を乾燥させた後、該層上に塗布形成してもよい。
光透過率調整層の乾燥塗布量としては、0.8〜4.0g/m2が好ましい。
〔中間層〕
感熱記録層を複数積層する場合、各感熱記録層間には中間層を設けることが好ましい。該中間層には、上記保護層と同様、各種バインダーに更に顔料、滑剤、界面活性剤、分散剤、蛍光増白剤、金属石鹸、紫外線吸収剤等を含ませることができる。上記バインダーとしては、保護層と同様のバインダーが使用できる。また、感熱記録材料の膜硬度を向上させるために、中間層用塗布液には、例えば、ホウ酸等保護層のバインダーと架橋反応する架橋剤などの硬化剤を添加してもよい。
〔支持体〕
上記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)トリアセチルセルロース(TAC)、紙、プラスチック樹脂ラミネート紙、合成紙等が挙げられる。また、透明な感熱記録材料を得る場合には、透明支持体を使用する必要があり、該透明支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられる。
上記支持体は、単独であるいは貼り合わせて使用することができる。
上記合成高分子フィルムの厚さとしては、25〜300μmが好ましく、100〜250μmがより好ましい。
上記合成高分子フィルムは任意の色相に着色されていてもよく、高分子フィルムを着色する方法としては、フィルム成形前に予め樹脂に染料を混練しフィルム状に成形する方法、染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調製しこれを透明無色な樹脂フィルム上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラーコート法、ワイヤーコート法等により塗布、乾燥する方法等が挙げられる。中でも、青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィルム状に成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
上記感熱記録層、保護層、光透過率調整層、中間層等は、支持体上に、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗布し、乾燥して形成することができる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は、特に断りのない限り総て「質量部」及び「質量%」を意味する。
(実施例1)
<フタル化ゼラチン水溶液の調製>
フタル化ゼラチン(商品名;#801ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)32部、イオン交換水368部を混合し、40℃にて溶解し、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
<アルカリ処理ゼラチン水溶液の調製>
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン,新田ゼラチン (株)製)25.5部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.7286部、水酸化カルシウム0.153部、イオン交換水143.6部を混合し、50℃にて溶解し、乳化物作成用のアルカリ処理ゼラチン水溶液を得た。
(1)イエロー感熱記録層用塗布液(a)の調製
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>
酢酸エチル1.92部に、下記ジアゾニウム化合物(A)0.12部、下記ジアゾニウム化合物(B)0.36部、モノイソプロピルビフェニル1.14部、フタル酸ジフェニル0.19部、2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル0.19部及びジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO,BASFジャパン(株)製)0.05部を添加し40℃に加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材として、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),三井武田ケミカル(株)製)0.335部と、キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名;タケネートD119N(50%酢酸エチル溶液),三井武田ケミカル(株)製)0.520部を添加し、均一に攪拌し混合液(I)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液6.50部にイオン交換水1.26部、Scraph AG−8(50%)日本精化(株)製)0.038部添加し、混合液(II)を得た。
混合液(II)に混合液(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて30℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水2.57部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.038部、イオン交換樹脂アンバーライトSWA100−HG(オルガノ(株)製)0.64部、アンバーライトIRA67(ROHM AND HAAS(UK)LIMITED製)0.32部を加え、更に1.5時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液((15%)ネオペレックスG−15 花王(株)製)を0.46部添加した。
その後、カプセル液の固形分濃度が23.0%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.46μmであった。
Figure 0004521303
<カプラー化合物乳化液(a)の調製>
酢酸エチル3.67部に下記カプラー化合物(C)1.10部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)1.15部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))2.31部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’、6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン0.37部、4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)1.51部、4−n−ペンチルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)製)0.76部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)0.47部を溶解し、混合液(III)を得た。
別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液22.92部にイオン交換水11.29部を混合し、混合液(IV)を得た。
混合液(IV)に混合液(III)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が26.5%になるように濃度調節を行った。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.21μmであった。
更に上記カプラー化合物乳化物100部に対して、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、日本エイアンドエル(株)製)を26.5%に濃度調整したものを9部添加して均一に攪拌してカプラー化合物乳化液(a)を得た。
Figure 0004521303
<塗布液(a)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプラー化合物乳化液(a)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が2.2/1になるように混合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た。
(2)マゼンタ感熱記録層用塗布液(b)の調製
<ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)の調製>
酢酸エチル1.77部に、下記ジアゾニウム化合物(D)0.525部、イソプロピルビフェニル0.88部、りん酸トリクレジル0.23部、硫酸ジブチル0.30部、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸エチルエステル(商品名ルシリンTPO−L BASF(株)製)0.106部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)0.01部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)1.50部を添加し、均一に攪拌し混合液(V)を得た。
別途、前記フタル化ゼラチン水溶液8.25部にイオン交換水3.15部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25%水溶液(商品名;ネオペレックスG−15、花王(株)製)0.072部を添加、混合し、混合液(VI)を得た。
混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて30℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水4.0部を加え均一化した後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら2時間カプセル化反応を行った。その後1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.038部を添加した。
この後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA67(オルガノ(株)製)0.53部、SWA100−HG(オルガノ(株)製)1.07部を加え、更に45分間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が18.5%になるように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.57μmであった。
Figure 0004521303
<カプラー化合物乳化液(b)の調製>
酢酸エチル4.10部に下記カプラー化合物(E)0.70部とトリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)1.56部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名;ビスフェノールM(三井石油化学(株)製))1.56部、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン1.56部、3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’、6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−1,1’−スピロビスインダン0.39部、下記化合物(F)0.39部、リン酸トリクレジル0.186部、マレイン酸ジエチル0.094部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C 70%メタノール溶液,竹本油脂(株)製)0.447部を溶解し、混合液(VII)を得た。
別途、前記アルカリ処理ゼラチン水溶液19.21部にイオン交換水16.1部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.329部を混合し、混合液(VIII)を得た。
混合液(VIII)に混合液(VII)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、固形分濃度が24.5%になるように濃度調節を行い、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られたカプラー化合物乳化液の粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.26μmであった。
Figure 0004521303
<塗布液(b)の調製>
前記ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)および前記カプラー化合物乳化液(b)を、内包しているカプラー化合物/ジアゾ化合物の質量比が1.9/1になるように混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5%)をカプセル液量10部に対し、0.21部になるように混合し、感熱記録層用塗布液(b)を得た。
(3)シアン感熱記録層用塗布液(c)の調製
<電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>
フタル化ゼラチン(商品名;#801ゼラチン,新田ゼラチン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、マイクロカプセル液(c)用フタル化ゼラチン水溶液を得た。
酢酸エチル18.1部に、電子供与性染料として化合物(G)7.6部、トリメチロールプロパントリメタアクリレート(商品名;ライトエステルTMP、共栄社油脂化学(株)製)6.0部、ジイソプロピルナフタレン(商品名;KMC113、呉羽化学工業(株)製)6.0部、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ハイドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(商品名;アデカクルーズDH−37、旭電化工業(株)製)4.0部を添加し加熱して均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液)、三井武田ケミカル(株)製)7.1部、フェニルイソシアネートのホルマリン縮合物(商品名;ミリオネートMR−200、日本ポリウレタン工業(株)製)5.3部、キシリレンジイソシアネート/下記化合物(H)付加物(50%酢酸エチル溶液)3.1部を添加し、均一に攪拌し混合液(IX)を得た。
別途、前記マイクロカプセル液(c)用フタル化ゼラチン水溶液57.6部にイオン交換水9.5部、Scraph AG−8(50%、日本精化(株)製)0.17部およびドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(10%水溶液)4.3部を添加混合し、混合液(X)を得た。
混合液(X)に混合液(IX)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られた乳化液に水21.2部、テトラエチレンペンタミン0.12部を加え均一化し、65℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間カプセル化反応を行ないカプセル液の固形分濃度が35.5%になるように濃度調節しマイクロカプセル液を得た。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で1.13μmであった。
更に上記マイクロカプセル液100部に対して、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム15%水溶液(商品名;ネオペレックスG−15、花王(株)製)6.2部と4,4'−ビストリアジニルアミノスチルベン−2,2’−ジスルフォン誘導体(商品名;Kaycall BXNL、日本曹達(株)製)4.9部、SBRラテックス(商品名SN−307,48%液、日本エイアンドエル(株)製)0.74部を添加して均一に攪拌してマイクロカプセル液(c)を得た。
Figure 0004521303
<電子受容性化合物分散液(c)の調製>
フタル化ゼラチン(商品名;MGPゼラチン,ニッピコラーゲン(株)製)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)0.9143部、イオン交換水367.1部を混合し、40℃にて溶解し、電子受容性化合物分散液(c)用フタル化ゼラチン水溶液を得た。
前記電子受容性化合物分散液(c)用フタル化ゼラチン水溶液8.5部、及びダイセル社製PGLE,ML10(6%水溶液)11.3部にイオン交換水30.1部、4、4’−(P−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(商品名:ビスフェノールP,三井化学社製)7.5部、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(本州化学社製、商品名:Bisp−Ap)7.5部、2%−スルホコハク酸2−エチルヘキシル3.8部、及び2%β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩水溶液(商品名:デモールNL(花王(株)製))1.0部を加えて、ダイノミルにて一晩分散した後、分散液を得た。得られた分散液の粒径は粒径測定(LA−500,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.55μmであった。
この分散液の固形分濃度は、26.6%であった。
上記分散液100部に、前記アルカリ処理ゼラチン水溶液31.6部を加え、30分攪拌した後、分散液の固形分濃度23.5%となるようにイオン交換水を加えて、電子受容性化合物分散液(c)を得た。
<塗布液(c)の調製>
前記電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)および前記電子受容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子供与性染料前駆体の質量比が10/1になるように混合し、シアンの感熱記録層用塗布液(c)を得た。
(4)中間層用塗布液の調製
アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラチン、新田ゼラチン(株)製)100部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)4.8部、水酸化カルシウム0.3部、硼酸6.9部、イオン交換水510部を混合し、50℃にて溶解し中間層用ゼラチン水溶液を得た。
前記中間層用ゼラチン水溶液100部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製 2.0%水溶液)0.5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中和型)水溶液(5%)0.6部、下記化合物(I)(和光純薬(株)製)の4%水溶液10部、下記化合物(I’)の4%水溶液3.3部、イオン交換水23部を混合し、中間層用塗布液とした。
Figure 0004521303
(5)光透過率調整層用塗布液の調製
<紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調製>
酢酸エチル2.09部に紫外線吸収剤前駆体として[2−アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート0.06部、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−3−オクチロキシフェニルベンゼンスルホナート0.06部、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェニルベンゼンスルホナート0.15部、2−t−ブチル−6−(5−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェニルベンゼンスルホナート0.11部、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン0.13部、燐酸トリクレジル0.05部、α−メチルスチレンダイマー(商品名:MSD−100,三井化学(株)製)0.15部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品名パイオニンA−41−C(70%メタノール溶液),竹本油脂(株)製)0.1部を均一に溶解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品名;タケネートD110N(75%酢酸エチル溶液),武田薬品工業(株)製)0.75部を添加し、均一に攪拌し紫外線吸収剤前駆体混合液(XI)を得た。
別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコール(商品名:KL−318,クラレ(株)製)0.834部、シリカ変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130,クラレ(株)製)0.469部に30%燐酸水溶液0.14部、イオン交換水13.9部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液を調製した。
前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液用PVA水溶液に前記紫外線吸収剤前駆体混合液(XI)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて20℃の下で乳化分散した。得られた乳化液にイオン交換水3.1部を加え均一化した後、40℃下で攪拌しながら3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アンバーライトMB−3(オルガノ(株)製)0.83部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過して取り除きカプセル液の固形分濃度が13%になるように濃度調節した。得られたマイクロカプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.23±0.05μmであった。このカプセル液1602部に、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスOL(20%水溶液),日産化学工業(株)製)41部、カルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(商品名:SN−307,(48%水溶液)日本エイアンドエル(株)製)4.3部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液を得た。
<光透過率調整層用塗布液の調製>
前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液1000部に、イオン交換水296.4部、4%水酸化ナトリウム水溶液19.5部、(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製 2.0%水溶液)51.43部を混合し、光透過率調整層用塗布液を得た。
(7)下塗り層つき支持体の作製
<下塗り層用塗布液の調製>
アセトアセチル変性PVA(重合度:約1000,商品名:ゴーセファイマーZ−210、日本合成化学工業性)を12.85部、水87.15部を加え90℃以上で攪拌溶解した。
このアセトアセチル変性PVA溶液100部を攪拌しながら、水2.58部加え、次にコープケミカル社製の水膨潤性合成雲母分散液MEB−3(アスペクト比:約1000、平均粒子径約2.0μmの雲母分散液)を18.90部加え、充分に攪拌した後、メタノールを84.90部徐々に攪拌しながら加え、更にメタノール溶解の1.66%ポリエチレンオキサイド系界面活性剤3.10部加え、最後に1Nの水酸化ナトリウム0.45部加え6.87%の下塗り層用塗布液を得た。
<支持体の作製>
1種以上のLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)100部からなる木材パルプをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300ccまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部をいずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し長網抄紙機により抄紙し、更にその原紙両面をサイズプレス機にて塩化カルシウム、水溶性蛍光増白剤を含むポリビニルアルコール溶液を塗布して、坪量114g/m2の原紙を抄造しキャレンダー処理によって厚み100μmに調整した。
次に原紙の両面にコロナ放電処理を行った後、溶融押し出し機を用いてポリエチレンを樹脂厚36μmとなるようにコーティングしマット面からなる樹脂層を形成した(この面をウラ面と呼ぶ)。次に上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10%及び微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚50μmとなるようにコーティングし光沢面からなる樹脂層を形成した(この面をオモテ面と呼ぶ)。ウラ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(商品名;アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)/二酸化珪素(商品名;スノーテックスO、日産化学工業(株)製)=1/2(質量比)を水に分散させて乾燥後の質量で0.2g/m2塗布した。次にオモテ面のポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、得られた下塗り層用塗布液を40℃にて保温し、斜線グラビアロール100メッシュにて塗布し乾燥した。その時の乾燥前塗布量は12.5g/m2であった。
(8)バック層の作製
<最外バック層用塗布液の調製>
ポリビニルアルコール(PVA105、(株)クラレ製)の12.5%水溶液100部に対し、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を6部、合成雲母分散液(商品名:ソマシフMEB−3L、コープケミカル(株)製)を33部、水酸化アルミ分散液(ハイジライトH42S(昭和軽金属(株)製)100部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部、水150部を混合し、ボールミルなどの湿式分散機で分散した分散液(LA−700,堀場製作所(株)製で実施の結果、メジアン径で平均粒径0.5±0.1μm)20部を添加・攪拌して、合成雲母・水酸化アルミおよびポリビニルアルコール含有の最外バック層用塗布液を得た。
<中間バック層用塗布液の調製>
15%アルカリ処理ゼラチン水溶液300部と、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステル(ラピゾールB−90、日本油脂(株)製)の2%水溶液を100部と、水1800部とを混合して、中間バック層用塗布液を得た。
<バックコート層の塗布>
上記より得た支持体のウラ面に、支持体側から中間バック層塗布液、最外バック層用塗布液を、乾燥後の固形分塗布量がそれぞれ9.5g/m2、2.2g/m2となるように塗布、乾燥して、支持体上に中間バック層及び最外バック層の2層からなるバックコート層を形成した。
(9)保護層用塗布液の調製
−高級脂肪酸の亜鉛塩の製造−
「新版 脂肪酸化学 第2版(稲葉恵一ら編著/幸書房、1990年、131頁5行目〜132頁7行目)」に記載されている「直接法」により、オレイン酸と当量の酸化亜鉛を反応させることにより、オレイン酸亜鉛塩を得た。次いで、上記オレイン酸亜鉛塩100部に対し、25%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王(株)製、商品名:ネオペレックスF−25)40部、イオン交換水360部を入れ、ボールミルで一晩攪拌した後、イオン交換水で濃度調整を行い、20%オレイン酸亜鉛塩分散液を得た。
−保護層用顔料分散液の作製−
硫酸バリウム(商品名:BF−21F、堺化学工業(株)製)4部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分子活性剤(商品名:ポイズ532A(40%水溶液)、花王(株)製)0.1部、イオン交換水15.9部を混合し、ダイノミルにて分散して硫酸バリウム分散液を作製した。この分散液は、粒径測定(LA−910、堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.15μm以下であった。
上記硫酸バリウム分散液46部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20%水分散液)、日産化学(株)製)4部を添加して目的の保護層用顔料分散液を得た。
−保護層マット剤分散液の調製−
小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S、新進食料工業(株)製)220部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I(株)製)3.5部、イオン交換水1950部を混合し、均一に分散して保護層用マット剤分散液を得た。
−保護層用塗布ブレンド液の調製−
4%のビニルアルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−130、電気化学工業(株)製)水溶液1000部に(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製(2.0%水溶液))30部、N−(パーフルオロ−1−オクタンスルホニル)−N−プロピルアミノ酢酸カリウム塩(商品名:メガファックF−120(2%水溶液)大日本インキ化学工業(株))30部、前記保護層用顔料分散液90部、前記保護層用マット剤分散液7部、前記オレイン酸亜鉛塩分散液45部を均一に混合して保護層用塗布ブレンド液を得た。
(10)各感熱記録層用塗布液の塗布
前記下塗り層上に、前記感熱記録層用塗布液(a)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(b)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録層用塗布液(c)、前記光透過率調整層用塗布液、前記保護層用塗布ブレンド液の順に、60m/minの塗布速度で、7層連続で塗布し、30℃、湿度30%、及び40℃、湿度30%の条件で、それぞれ乾燥して、実施例1の多色感熱記録材料を得た。
固形分塗布量は、感熱記録層(a)が6.0g/m2、感熱記録層(a)上に形成される中間層が3.0g/m2、感熱記録層(b)が6.0g/m2、感熱記録層(b)上に形成される中間層が3.0g/m2、感熱記録層(c)が5.0g/m2、光透過率調整層が3.0g/m2、保護層が1.5g/m2、となるように調整して塗布した。
(実施例2)
実施例1における「高級脂肪酸の亜鉛塩の製造」において、オレイン酸をエルカ酸に代えてエルカ酸亜鉛分散液を調製し、「保護層用塗布ブレンド液の調製」にて、オレイン酸亜鉛塩分散液の代わりに上記エルカ酸亜鉛分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にし、実施例2の多色感熱記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1における「保護層用塗布ブレンド液の調製」において使用した、オレイン酸亜鉛分散液に代えて、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:L111(21%水溶液)中京油脂(株)製)を添加したこと以外は実施例1と同様にし、比較例1の多色感熱記録材料を得た。
(比較例2)
実施例1における「高級脂肪酸の亜鉛塩の製造」において、オレイン酸をベヘン酸に代えてベヘン酸亜鉛塩分散液を調製し、「保護層用塗布ブレンド液の調製」にて、オレイン酸亜鉛塩分散液の代わりに上記ベヘン酸亜鉛塩分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にし、比較例2の多色感熱記録材料を得た。
実施例1、2、及び比較例1、2により得られた感熱記録材料について、以下に示す測定を行った。
<印画トルクの測定>
ブラテン径12φ、硬さ40°、押圧6kg/cmの治具プリンター((株)マチレス社製「GX−3機」)にA5サーマルヘッド(TDK製、型式LV4403)を取り付けて、ライン周期5.29ms、電力0.32W、最大印画エネルギー105.6mJ/mm2、搬送速度16mm/sの印画条件で階調印画をおこなった。その際に、感熱記録材料とブラテンロールとの間に生じるトルクを印画エネルギーが18mJ/mm2の際に測定し、これを動摩擦係数に換算した。結果を表1に示す。
<濃度ムラの評価>
図1に示すような、グレー画像部分1と白地部分2とを有する画像を、プリンター(富士写真フイルム(株)製、商品名:NC−600D)を用いて各感熱記録材料4に印字し、矢印Aで示される主走査方向に全幅グレー画像である上下の領域と、主走査方向に白地部分2で挟まれた領域との境目におけるグレー画像部(測定位置3)にて、濃度ムラをミクロフォトメーター(UnionOpticla社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004521303
表1によれば、本発明である実施例1、2の印画トルクの動摩擦係数は0.21〜0.26と、比較例1、2の印画トルクの動摩擦係数0.36〜0.40に対し大幅に低い値を示し、また濃度ムラも、比較例1、2が0.07〜0.08であるのに対し、実施例1、2の値が0.01〜0.02と飛躍的に抑制できることがわかる。
濃度ムラの評価における、感熱記録材料への印字パターンを示すイメージ図である。
符号の説明
1 グレー画像部分
2 白地部分
3 測定位置
4 感熱記録材料
A 主走査方向

Claims (5)

  1. 支持体上に感熱記録層と保護層とを有する感熱記録材料であって、前記保護層に炭素数が18〜22の不飽和高級脂肪酸の多価金属塩を、前記保護層のバインダーの量に対して5〜40質量%含むことを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記不飽和高級脂肪酸が、オレイン酸及びエルカ酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. サーマルヘッドにより加熱印字されることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 前記不飽和高級脂肪酸の多価金属塩が亜鉛塩であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の感熱記録材料。
  5. 前記保護層のバインダーが、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の感熱記録材料。
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