JP4520552B2 - 流体流の流れの速度を測定する方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流れの速度と流量とを測定する方法および装置に関する。
【0002】
パイプ内の流体の循環速度とその対応する流量との正確な測定は、様々な分野で重要であり、特に化学プラント、クロマトグラフィー等において重要である。
【0003】
【従来の技術】
パイプ内を循環する流体流の速度と流量とを測定する公知の方法が、例えば、特許WO−93/14,382または米国特許第4,308,754号に開示されている。こうした方法は、本質的に、音響パルスが流れの方向に対して上流または下流に伝搬させられるかどうかにしたがって、流体供給装置に沿って互いから既知の距離をおいて配置された発信変換器と受信変換器との間の各々の音響パルスの移動時間の間の差を測定することにある。
【0004】
図1の流れの図は、例えば、互いに一定の距離をおいた2つの横断平面内において、流体が速度vでその中を循環するパイプの両側に配置されている、2つの圧電タイプの発信/受信変換器を示している。これらの変換器は互いに、他方の変換器の方向に(斜めに)、周波数f0(変換器同調周波数)で、かつ、これらの2つの変換器の間の波の移動時間よりも著しく短い持続時間t0の、超音波パルスを同時に発信する。この信号の到着時間tAB、tBAが測定され、(流れ方向の)音響移動時間(すなわち、移動時間)tv1と(反対方向の)移動時間tv2とが、較正によって得られる個々の寄生的な遅れ時間をそれから減算することによって導き出される。
【0005】
伝搬時間tv1、tv2は各々に次のように記述される。
【0006】
【数1】
上記式から次のことが容易に導き出され、
【0007】
【数2】
ここで、Δt=tv2 − tv1である。
【0008】
したがって、Sが流れの横断面積を表す場合に、流量は、Qv=v・Sで表現される。
【0009】
変換器が互いに約10cm距離をおいており、かつ、流体の波の位相速度が1500m/sである実際の例では、移動時間は約60μsである。こうした実例から、流れの速度の測定時の所要精度が10-3のオーダである場合には、数nsのオーダでの時間間隔を測定できなければならないということを指摘することができる。受信エネルギーが特定の閾値を越える時点を検出することによって伝搬時間を直接測定することによって流れの速度を測定することは、精度が一般的に不十分でありかつ数多くの平均値を算出することを意味するので、こうした測定では上記のような高い精度を実現することは非常に困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に、上記欠点を克服することを可能にすると共に、流体の流れの移動速度としたがってこの流れの流量とを測定する時に、従来の解決策を用いる場合に比較してはるかに低いコストで非常に高い精度を得ることを可能にする、流体流の流れの速度を測定する方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の、流体流の流れの速度を測定する方法は、音響パルスが流れの方向に対して上流または下流に伝搬されるかどうかにしたがって、流体の流れに沿って互いから間隔をおかれたポイントの間で別々に送信および受信される音響パルスの個々の移動時間を比較することによって、流体の流れの流速を測定することを可能にする。
本発明の、流体流の流れの速度を測定する方法は、
各々の受信音響パルスに関する周波数スペクトルを測定するステップと、
受信音響パルスの移動時間から生じる、受信音響パルスの周波数スペクトルに影響を与える相対位相遅れを正確に測定するステップと、
移動時間の間の差を相対位相遅れから測定するステップと、
受信音響パルスと同じ形態であるが、音響遅れがゼロの、したがって発信された音響パルスを再生する2つの基準信号を用い、そして2つの基準信号の相対位相遅れを用いて平均移動時間を測定するするステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
(比較的吸収性の低い流体に適している)有利な実施様態では、第1の音響パルスが各ポイントで発信され、別のポイントから発信される第2の音響パルスと、この他方のポイントにおける第1の音響パルスのエコーとを、各ポイントで連続的に検出し、検出した個々のパルスの周波数スペクトルを計算し、検出音響パルスの平均移動時間と、これら音響パルス各々の移動時間の間の差とを測定する。
【0014】
別の実施様態では、受信音響パルスの個々の移動時間の間の差を、これらの音響パルスの周波数スペクトルと、流体流れのゼロの流速に対して得られた時間差とから測定する。
【0015】
好ましい実施様態では、本発明の方法は、第1のポイントから下流の第2のポイントの方向へ流体流に沿って第1のポイントから音響パルスを伝送すると同時に、第1のポイントの方向に第2のポイントから音響パルスを反対方向に伝送することと、これらの音響パルスの共通の発信時点に対して同一の時間遅れをこうむる一定の受信窓内において、両方のポイントで受信された音響パルスを検出することとを含み、各々の周波数スペクトルに関して測定される時間遅れが、対応する受信窓内で受信される対応受信音響パルスの位置に依存している。
【0016】
位相遅れ値に関する曖昧性を排除するために、移動時間の関数として位相変動を表す直線の傾斜が、上記音響パルスの周波数スペクトルの検出部分に基づいて測定されることが好ましい。
【0017】
この方法を実行することを可能にする装置は、例えば、流体流に沿って別々の場所に配置されている少なくとも2つの送信/受信変換器と、これらの変換器に接続されている音響パルス発生器と、一定捕捉窓の間に上記変換器によって受信された信号をサンプリングしてディジタル化するようになっている信号捕捉装置と、処理装置とを含む。
該処理装置は、
各々の受信音響パルスに関する周波数スペクトルを測定し、
受信音響パルスの移動時間から生じる、受信音響パルスの周波数スペクトルに影響を与える相対位相遅れを正確に測定し、
移動時間の間の差を相対位相遅れから測定し、
受信音響パルスと同じ形態であるが、音響遅れがゼロの、したがって発信された音響パルスを再生する2つの基準信号を用い、そして前記の2つの基準信号の相対位相遅れを用いて平均移動時間を測定するように、
構成されている。
【0018】
上記処理装置は、例えば、上記窓内で捕捉される一連のサンプルから各信号のFFT周波数スペクトルを測定するようにプログラミングされている信号処理装置を含む。
【0019】
本発明による方法は、流動する流体の中を通過する波の移動時間の測定において、非常に高い精度を実現する。この方法は、許容可能な経済的条件下では正確に測定することが困難である非常に短い時間間隔が、大きな増幅を伴って大きな位相変動に変換されることを可能にする。シミュレーションでは、1%よりも高い精度が速度測定において得られることが可能であることが示された。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
本発明の方法は、例えば、一方の変換器が他方の変換器から発信される超音波を受信することが可能であるように配置されている、流体流が速度Vでその中を循環するパイプの2つの別々の横断面内の2つの超音波発信/受信変換器P1、P2を、2つのポイントPA、PB(図1)に配置することによって実施することが可能である。これらの変換器は、一方の変換器から他方の変換器に(例えば、斜めに)、これら2つの変換器の間の超音波の音響通過時間(または、移動時間)tvよりも著しく短い持続時間toの、周波数fo(変換器同調周波数)の超音波パルスを同時に発信する。信号の到着時間tABとtBAとが測定され(図2)、移動時間tv1(流れと同じ方向)とtv2(流れと逆の方向)とが、較正によって得られる個々の寄生遅延時間をこれらの移動時間から減算することによって導き出される。
【0022】
上記伝搬時間は各々に次のように記述される。
【0023】
【数3】
これから次式が容易に導き出されることが可能であり、
【0024】
【数4】
ここで、Δt=tv2 − tv1
tv1とtv2の測定は、非常に高精度でなければならない。特に、Δt=(tv2 − tv1)の値は、その装置に必要とされる精度よりも高い精度で得られなければならない。測定された時間は、電気信号を超音波に変換することと超音波を電気信号に変換することとのための発信時および受信時の圧電素子の応答時間を含む。こうした応答時間は先験的には知られておらず、製造上の変動のために装置毎に異っている可能性がある。一方、こうした応答時間は、時間的に実質的に一定不変であるとみなすことが可能である。本発明の方法は、信号伝搬に起因する、信号間に存在する位相遅れを測定することによって、高精度で時間間隔の測定を行うことを含む。当該技術で公知であるこの測定の原理については後述することにする。
【0025】
発信信号の移動時間よりも当然のことながら短い発信窓の間中に変換器A、Bのような2つの変換器から同時に発信される2つの信号S1、S2を考察する。これらの信号は、同一の時間t0に開かれかつサンプリング周波数Feでサンプリングされる単一の捕捉窓内において、反対側の変換器において別々に受信される。これら2つの信号の各々のN個のサンプル(Nは例えば2048に等しい)が捕捉される。これらの信号の複素周波数スペクトルG1(k)、G2(k)はFFTによって決定される。kは0からN−1(N=FFTのポイントの数)の範囲内のサンプリングインデックスである。
【0026】
G1(f)とG2(f)とが上記2つの信号のフーリエ変換である場合には、対応する離散フーリエ変換が、次のように、対応を有する整数シーケンスkによってfを置き換えることによって得られる。
【0027】
【数5】
ここで、Feはサンプリング周波数である。
【0028】
【数6】
これらのkの複素関数は、
【0029】
【数7】
または、
【0030】
【数8】
によって表わすことが可能である。
【0031】
遅延定理の適用によって、S2のフーリエ変換は、次のように記述できる。
【0032】
【数9】
(aは2つの受信機の間の波減衰を表す。)
離散変換の場合には、次式のようにシーケンスkによってfを置き換えるならば、
【0033】
【数10】
次式が得られる。
【0034】
【数11】
G2(k)とG1(k)
【0035】
【外1】
とによって表される場合には、式(2)は次のように記述され、
【0036】
【数12】
この式は、次のようにナピヤ対数によって記述されることも可能であり、
【0037】
【数13】
この式は直ちに次式を与える。
【0038】
【数14】
発信周波数を中心としたスペクトルの非常に狭い部分(例えば、±150kHz)に留まる時に、Δt=(t2 − t1)がkとは無関係であるので、位相間の理論差
【0039】
【数15】
の関数として知られている関数は、k=0に関する起点を通過する直線である。位相の絶対値はπラジアンを越えることがなく、振幅は極大の両側において非常に急激に減少し、相関性位相ノイズが増大する。したがって、位相の値に関する曖昧性が除去されなければならない。
位相差に関する曖昧性を除去する方法
振幅の最大値は、インデックスk(Im)を与える例えばスペクトルG1(図3)において求められる。±4ポイントが(例えば)2つのスペクトルG1、G2上のImの周囲において取られ、位相変動の単調性がこれらの9個のポイント上において復元される。この演算は、πよりも大きい絶対値の位相偏移の全てをその2π補数によって置き換える(図5(B))。AとBとに関して得られる位相値が、ポイント毎に減算される。
【0040】
したがって、(相対位相差が2nπの範囲内であることが知られているので)相対位相差、すなわち、
【0041】
【数16】
が得られ、その変動曲線は、理論上の位相差曲線とは違って、直線に近い(図6)。
【0042】
定義によって、推定位相は直線であり、すなわち、
【0043】
【数17】
である。この直線の傾斜σを求めるために、選択ポイントにおける最小2乗を通過する回帰線の計算、2つの連続するポイントの間で測定される傾斜の平均の計算等のような幾つかの方法を使用することが可能である。
【0044】
したがって、図7に示されているように、推定位相
【0045】
【外2】
と相対位相差
【0046】
【外3】
との間の差は、2nπ(nは較正係数を表す整数)でなければならない。τを計算するためには、1つのポイント、例えば、スペクトルの振幅の最大値Imに相当するポイントにおいて位相を得ることで十分である。
【0047】
この測定結果は、相対位相差の精度、すなわち、
【0048】
【外4】
が、推定位相差の精度、すなわち、
【0049】
【外5】
よりも高いことを示している。したがって、絶対(すなわち復元)位相差
【0050】
【数18】
が選択され、
である。
【0051】
この復元が誤りなしに得られるためには、
【0052】
【数19】
が必要十分であることに留意されたい。
【0053】
したがって、時間τは次式によって得られる。
【0054】
【数20】
エコー法
この方法は、本質的には、反対側の標的変換器上での反射の後に戻る、各々の変換器によって発信される信号のエコーに対応する信号を使用することである(図8)。水、または液化気体(例えばLPG)のような吸収性の低い流体の場合には、受信に切り替えられた圧電変換器が、反対側の素子からの信号を受け取るだけでなく、反対側の素子の表面上で反射されるその変換器自体の発信のエコーも受け取るということが、実験によって確認されている。
【0055】
この場合には、初期信号とエコー信号との間で測定される時間間隔は、(その2つの信号に共通である)発信遅延には依存しておらず、したがって、次の手順を行うことが可能である。
【0056】
時間Tf1と時間Tf2とに開始する2つの測定窓W1、W2が、FFTのポイントの個数を制限し、かつ(式(7)の基準を満たす)適切な較正係数nを有するように、各々の波列の発信の時間に関して区切られる。
【0057】
受信機Aと受信機Bとからの等しい形の信号の間の時間遅れである時間TABeと時間TBAeとが、窓W1内の直接信号、すなわち、SA、SBと、窓W2内の(同じ発信に関する)エコー信号、すなわち、SeA、SeBとを記録することによって測定され、4つのFFT複素スペクトル、すなわち、GA(k)、GB(k)、GeA(k)、GeB(k)がFFTによって計算される。
平均移動時間tvmの測定
上記手順が2回にわたって適用され、すなわち、
GeA(k)とGB(k)との間に適用され、これは時間τAB=TABe、すなわち、差(W1 − W2)を与え、
GeB(k)とGA(k)との間に適用され、これは時間τBA=TBAe、すなわち、差(W2 − W1)を与え、
最後に、TABe=τBA+(Tf2 − Tf1)と、TBAe=τAB+(Tf2 −Tf1)を与える。
【0058】
【外6】
の各々が、発信時の変換器A、Bの電気励起信号の音響波への遅延変換を表し、
【0059】
【外7】
とが、変換器A、Bによる受信時の対応する遅延を表す場合には、測定された時間TABとTBAとを次式によって別々に表現することが可能である。
【0060】
【数21】
合計を2で割ることによって、寄生遅延が互いに消去し合うということと、平均移動時間tvmが次式で表されることとが理解されるだろう。
【0061】
【数22】
Δtの決定
値τBAとτABとが、次式の通りに、一定誤差の範囲内でΔtを求めることを可能にする。
【0062】
【数23】
したがって、Δt=TBAe − TABe − τ0=τAB− τBA − τ0であり、
流体の速度がゼロである場合には、式(1)からΔt=0であることが知られているので、τ0を較正によって得ることが可能である。
【0063】
(V=0である場合τ0=τAB − τBA)
別の実施様態では、信号SAと信号SBとの間の時間差も、GB(k)とGA(k)との間の上記位相遅れの測定によって直接的に測定されることが可能であり、このことが時間τ=τAB − τBAを与え、
【0064】
【数24】
値
【0065】
【外8】
は、上記の通りの較正によって得られる。すなわちV=0において
【0066】
【外9】
上記の2つの方法は組み合わせることも可能であり、測定精度を向上させるために、得られたΔtの平均が、これら2つの方法で計算される。
復元基準信号方法
非常に吸収性の高い流体(乳濁液、スライム等)の速度の測定によってエコーを得ることができない可能性がある。この場合、FFTによって得られる、窓W1内で測定される、信号SAと信号SBとに対応する2つのスペクトルGA(k)、GB(k)だけが、測定時に利用可能である。
【0067】
したがって、Δtを上記の通りに容易に得ることができる。
【0068】
この場合、受信信号と同じ形であるが音響遅延がゼロでありしたがって音響波を発信された形そのままに再現する2つの基準信号が、平均移動時間tvmの測定のために必要となる。実際には、このタイプの信号は、直接アクセスすることはできない。較正段階では、適切な流体で測定システムを満たすことによって、平均移動時間tvmを上記エコー法によって測定することが可能である。所要精度を実現する別の速度測定方法を有するテストループを使用することも可能である。当然のことながら、これらの例は制限的ではない。
【0069】
スペクトルGA(k)を取り、これに
【0070】
【数25】
を乗算する。
【0071】
同じ手順がスペクトルGB(k)に適用され、こうしてスペクトルG0A(k)、スペクトルG0B(k)、すなわち、基準スペクトルが得られる。
【0072】
測定自体に関しては、「平均移動時間tvmの測定」の手順が、一方では、GA(k)とG0A(k)との間に適用され、他方では、GB(k)とG0B(k)との間に適用され、これによって、τAとτBとの値が得られる。tm=1/2(τA+ τB) + Tf1がそれから導き出される。
【0073】
振幅の最大の周辺の少数のポイントにおけるスペクトルの位相だけに着目しているので、基準スペクトルをこうしたポイントにおける位相値に限定することができる。
速度計算
移動時間tv1、tv2は、tv1=tvm+1/2Δtとtv2=tvm−1/2Δtとを計算することによって得られ、式(1)が適用可能であり、
【0074】
【数26】
または、無視可能な誤差を伴ってさらに単純に次式が適用可能である。
【0075】
【数27】
波の位相速度Cは、次式の計算によって得ることができる。
【0076】
【数28】
本発明の方法を実現する装置(図9)は、変換器P1、P2にパレスを供給するインパルス発生器Gと、信号が流体流の中を通過した後に変換器によって検出された信号を捕捉する捕捉装置Aとを含み、この捕捉装置Aは、上記方法にしたがって時間間隔と位相遅れとをリアルタイム計算するようにプログラムされた処理装置Tに接続されている。スイッチング手段(本図示)が、パルス発信用の信号発生器Gに各々の変換器を連続的に接続し、その後で、発信が完了した直後に捕捉装置Aに各々の変換器を接続することを可能にする。
【0077】
処理装置Tは、公知のタイプのDSPのような専用信号プロセッサを含むことが好ましい。
【0078】
本明細書で提案されている方法は、流体の性質としたがって発信周波数とが変化させられる場合にも、その性能を維持する。この変化に応じて、サンプリング周波数Feが適切なものとされる。
【0079】
流れの方向に関して一方のポイントが他方のポイントの下流に配置されている2つのポイントから互いに他のポイントの方向に同時に発信されるパルスによって、流体流の流れの速度の大きな位相変化を測定する、本発明の方法の実施様態を説明してきた。本発明の範囲から逸脱することなしに、同時に発信されるか連続的に発信されるかに係わらず、流れの方向または流れとは逆の方向に伝搬するパルスの移動時間を比較また累積することを可能にする、発信用と受信用の別々の変換器であってもよい、流体流に対して異った形で配置されている変換器を含む、他の任意の波発信/受信装置が使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定の原理を示す説明図である。
【図2】時間の関数として受信音響パルスの振幅Aの変動の例を示すグラフである。
【図3】サンプリングインデックスkの関数として受信パルスの周波数スペクトルの複素振幅G(k)の変動の例を示すグラフである。
【図4】スペクトル極大IMの付近の周波数スペクトルの振幅G(k)の変動を示すグラフ(図4(A))と、図4(A)に示す周波数スペクトルの振幅G(k)の変動に対応する位相変動を示すグラフ(図4(B))である。
【図5】変動の連続性の復元の後に得られるスペクトル極大IMの付近の周波数スペクトルの振幅G(k)の変動を示すグラフ(図5(A))と、図5(A)に示す周波数スペクトルの振幅G(k)の変動に対応する相対位相差を示すグラフ(図5(A))である。
【図6】周波数スペクトルに対応するサンプリングインデックスの周囲の9つのサンプルに関する相対位相の単純な変動を示すグラフである。
【図7】較正係数を計算するための原理を示す説明図である。
【図8】戻ってくる音響パルスエコーの伝搬と到着との測定の後の、音響パルスの直接到着の測定に関連する測定方法の原理を示す説明図である。
【図9】流体流に沿って間隔が開けられている2つの音響パルス発信/受信変換器を伴う、本発明の方法を実行するための装置のレイアウトの一形態を示す説明図である。
【記号の説明】
PA、PB ポイント
P1、P2 超音波発信/受信変換器
V 速度
Claims (9)
- 音響パルスが流れの方向に対して上流または下流に伝搬されるかどうかにしたがって、流体流に沿って互いに間隔がおかれているポイントの間でそれぞれ発信され受信される音響パルスの個々の移動時間(tv1、tv2)を比較することによって流体流の流れの速度を測定する方法において、
各々の受信音響パルスに関する周波数スペクトルを測定するステップと、
受信音響パルスの移動時間から生じる、受信音響パルスの周波数スペクトルに影響を与える相対位相遅れを正確に測定するステップと、
前記移動時間の間の差を前記相対位相遅れから測定するステップと、
受信音響パルスと同じ形態であるが、音響遅れがゼロの、したがって発信された音響パルスを再生する2つの基準信号を用い、そして前記の2つの基準信号の相対位相遅れを用いて平均移動時間を測定するステップと、
を有することを特徴とする流体流の流れの速度を測定する方法。 - 前記平均移動時間を測定するステップが、測定システムが、送信音響パルスのエコーを得るのを可能にする流体で満たされる較正段階の間行われる、請求項1に記載の方法。
- 第1の音響パルスを各ポイントで発信し、別のポイントから発信された第2の音響パルスと、この別のポイントにおける、前記第1の音響パルスのエコーとを、各ポイントで連続的に検出し、検出された個々の前記音響パルスの周波数スペクトルを計算し、検出された前記音響パルスの平均移動時間と、前記各音響パルスの移動時間の間の差とを測定する、請求項1に記載の方法。
- 前記受信音響パルスの各々の移動時間の間の差を、これらの音響パルスの周波数スペクトルと、前記流体流れのゼロの流速に対して得られた時間差とから求める、請求項1に記載の方法。
- 第1のポイントから下流の第2のポイントの方向へ流体流に沿って前記第1のポイントから音響パルスを伝送すると同時に、前記第1のポイントの方向に前記第2のポイントから音響パルスを反対方向に伝送することと、これらの音響パルスの発信の共通時点に対して同一の時間遅れをうける一定の受信窓(W1、W2)内において前記2つのポイントで受信された前記音響パルスを検出することとを含み、各々の周波数スペクトルに関して測定される前記時間遅れが、対応する前記受信窓内における対応する受信音響パルスの位置に依存する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記流体流の速度に関する不確定性を除去することを可能にする各々2πモジュロの位相遅れの測定を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
- 位相変動を前記音響パルスの周波数スペクトルの決められた部分における移動時間の関数として表す直線の傾斜の測定を含む、請求項6に記載の方法。
- 流体流に沿って別々の場所に配置されている少なくとも2つの送信/受信変換器(P1、P2)と、前記変換器に接続されているパルス発生器(G)と、一定の捕捉窓の間に前記変換器によって受信された信号をサンプリングしてディジタル化するようにされている信号捕捉装置(A)と、処理装置(P)とを含み、
該処理装置は、
各々の受信音響パルスに関する周波数スペクトルを測定し、
受信音響パルスの移動時間から生じる、受信音響パルスの周波数スペクトルに影響を与える相対位相遅れを正確に測定し、
前記移動時間の間の差を前記相対位相遅れから測定し、
受信音響パルスと同じ形態であるが、音響遅れがゼロの、したがって発信された音響パルスを再生する2つの基準信号を用い、そして前記の2つの基準信号の相対位相遅れを用いて平均移動時間を測定するように、
構成されている
ことを特徴とする、流体流の流れの速度を測定する装置。 - 前記処理装置(P)が、前記窓内で捕捉される一連のサンプルから各信号のFFT周波数スペクトルを測定するようにプログラムされている信号処理装置を含む、請求項8に記載の装置。
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