JP4520547B2 - 多機能型発音体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やペイジャー等の移動体通信機に組み込んで、着信を音響あるいは振動により使用者に知らせる多機能型発音体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような携帯機器は、一般に、使用者に着信を知らせるのにブザー音やメロディ音を発することと、音は出さずに振動することを切り替えて使えるよう構成されており、そのため小型スピーカーに類する音響発生用の発音体と、偏心重りを小型モータで回転させて振動を発生する振動体を内蔵させる構造が取られてきた。このように発音体と振動体の両方を組み込むのは機器の小型化や低価格化の上で不利であったが、近年、1個の発音体で音響と振動の両方を発生するものが出現している。このような発音体はハンズフリー状態での会話時の音声出力用にも使用できる多機能なものである。
【0003】
図6は特開平10−229596号公報に開示された発音体で、同図(A)は断面図、(B)は下面図であり、(A)は(B)のV−V断面である。カバー1と底板2で構成したケースの上面に、円形の第1振動板3の外周が接着され、第1振動板3の下面にはコイル4が固定されている。また、カバー1の下部には第2振動板5が外周を固定されていて、第2振動板5の中央部にトッププレート8を備えた磁石6とヨーク7が固定されている。磁石6、ヨーク7、トッププレート8は磁気回路を形成し、トッププレート8の外周とヨーク7の凹部の内周とで作る磁気ギャップ内にコイル4が位置している。コイル巻き線の端末9はカバー1に設けた穴を通って発音体の外部に導かれている。
【0004】
第2振動板5とこれに固定された磁石6とトッププレート8およびヨーク7は、磁気回路を形成するとともに振動部を構成し、図6(B)に見るように第2振動板5には切り込み10をいくつか設けて振動系の特性を調整している。ある周波数を持つ電気信号がコイル4に供給されると、コイル4と上記の磁気回路の間に電磁気力が働いて互いに振動を始める。この時、電気信号の周波数がある程度高くて可聴周波数領域であれば、コイル4が固定された第1振動板3の振動が大きくなり、信号の種類に応じてブザー音やメロディ音あるいは音声を発生し、一方、第2振動板5の方は固有振動数が低いためほとんど振動しない。可聴周波数帯を下回る比較的低い周波数の信号が加えられると、第1振動板3からは音が出なくなり、代わりに磁石6とヨーク7を固定した第2振動板5の振動が大きくなって、この振動がカバー1を介して発音体を組み込んだ携帯機器に伝わり、使用者に着信を知らせる。このようにして、1個の発音体が発音と振動の二通りの動作をする。
【0005】
また、図7は特開平10−215499号公報に開示された発音体で、同図(A)は断面図、(B)は下面図であり、(A)は(B)のVI−VI断面である。第1振動板13がカバー11の上面側で外周を固定され、一方、カバー11の下面に第2振動板15の外周が固定されている。第2振動板15には深皿状の重り18が固定してあり、重り18の内側にはヨーク17が取り付けられ、ヨーク17の中央部の扁平な円柱状のセンターポールの外周にコイル14、その外側に円環状の磁石16が固定してある。さらに、重り18の上面に第3振動板19が固定してあって、重り18およびこれと一体になっている部品をカバー11に対し支持している。従ってコイル14、磁石16、ヨーク17は磁気回路を形成する一方、重り18とともに第2振動板15、第3振動板19で支持されて振動系をなしている。第2振動板15と第3振動板19は、図7(B)にそれぞれ実線と破線で画いたような腕を持つサスペンションで、腕はほぼ同形状であるが逆の向きに取り付けて、振動部の支持状態のバランスを取っている。
【0006】
コイル14に可聴周波数の信号電流が流れると、第1振動板13がコイル14、磁石16、ヨーク17による磁気回路の吸引力を受けて振動し、ブザー音、メロディ音あるいは音声などを発生する。信号の周波数が低くて機械振動領域であると、第1振動板13からは音が出なくなる一方、第2振動板15、第3振動板19、コイル14、磁石16、ヨーク17、重り18からなる振動系が振動して使用者に着信を知らせる。重り18は電磁作用には関係ないが、振動部の質量を増して振動エネルギーを大きくするためのものであり、発音体内部の空気の出入りをよくして音圧や振動の低下を防止するように空気抜き穴20を設けてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来例はそれぞれ有用ではあっても、次のような問題を有している。
図6の従来例では、磁石6やヨーク7を搭載している第2振動板5が下面近くにあり、一方、コイル4は上方にあって両者の断面配置が段違いになっている。このため、低周波の電気信号を受けて第2振動板5とそれに乗っている部品からなる振動部が行う振動は、基本的には単純な上下運動であっても、部品形状や寸法の僅かなアンバランスなどのために傾きを生じやすい。すなわち図8に示すように、静止時に破線の位置にあるヨーク7は振動時には実線のように傾いて動く。すると図6(A)にて、ヨーク7の上部やトッププレート8が左右に振れ、コイル4に当たって異音を生じたり、動作が乱れたりする。
また、コイルの端末9をカバー1の壁の穴から外に出した構成は、振動体を機器に組み込む際にコイル端末を相手方の回路基板に半田付けしなければならず、組み立てに手間がかかる。
【0008】
図7の従来例は、第2振動板15と第3振動板19の2枚で重り18の上下面を挟んで振動部を支持しているので両面懸垂などと呼ばれ、図6のものと違って振動部が図8のヨーク7のように傾くことは防がれる。図6の発音体が動電型であるのに対し図7の発音体は電磁型であるが、図7のように振動部の上下を2枚の振動板で支持する構造は、もとより図6のような動電型の発音体にも適用できる。この構成によれば振動部の傾きは回避されるが、振動板を2枚用いることから部品の製造費、管理費がかさみ、製品のコスト増となる。また、図6のものと同様、コイル端末を組み込み先の回路に半田付けしなければならないという問題もある。
本発明はこれらの問題を解決し、構造簡潔で信頼性の高い多機能型発音体と、これを能率的に製造する方法を実現するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明ではまず、機械振動を発生する振動部を支持する第2振動板を、図6の従来例のように断面的にコイルとずれた位置でなく、コイルとほぼ同じ高さに移す。これにより振動部が動作中に傾く傾向を生じても、第2振動板に搭載された磁石やヨーク等の部品の横方向変位はコイルの近辺では僅かとなり、振動部とコイルが接触したりしなくなる。
【0010】
次いで、第2振動板が従来あった場所に、可撓性の横振れ防止膜を設けて外周を発音体のカバーに固定し、ヨークなどを含む振動部の中央部をこの横振れ防止膜に係止する。これにより振動部は横振れ防止膜によって横振れが規制され、傾くことがほぼ完全になくなる。横振れ防止膜は材質がプラスチック等で、通気をよくするためにメッシュクロスにしたり小穴を多く設けたりした可撓性の膜部品であり、金属材料の第2振動板などと違ってばね性は低いから、振動特性に対する影響は小さい。
【0011】
また、本発明の別の事項として、発音体のカバーにばね性のある接続端子を設け、コイル巻き線の端末をこの接続端子に半田付けしておく。こうすれば組み込み時に接続端子を機器の回路パターンに当接させるだけで電気接続が得られ、機器の回路に発音体のコイル端末を半田付けすることが不要になる。
【0012】
また、本発明のさらに別の事項として、前記の第2振動板および接続端子は一部をカバーに埋設した構造にする。これによりこれらの部品をカバーに固定するために接着したり熱かしめしたりすることが不要になる。
【0013】
また、本発明のさらに別の事項は上記発音体の製造方法であって、帯材を用い順送プレス加工によって第2振動板と接続端子を連続的に製作する。第2振動板と接続端子をインサートする形で帯材のままプラスチックのカバーを成形するので、非常に能率よく発音体を製作できる。コイル巻き線の端末を半田付けする接続端子の半田付け部や、相手パターンと当接する接点部分に金メッキを施す仕様の場合は、接続端子を形成してからメッキするか、あるいは帯材段階で該当個所に金メッキしておく。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明による発音体の第1の実施形態の図面で、同図(A)は一部の部品を除去した上面図、同図(B)は(A)のB−B断面図である。図(B)にて、プラスチックのカバーA(21)とカバーB(22)を接合してケースにしてある。上面側ではポリイミド、ポリエステル等で成形し断面の湾曲した円板状の第1振動板23の外周を、カバーB(22)の内周の肩部33に接着してあり、第1振動板23の下面にはコイル24が固定してある。コイル24とほぼ同じ高さにステンレス鋼等の金属製の第2振動板25があり、これは平面形状が図1(A)に見るように4本の腕を持つサスペンション部材である。なお、図1(A)は分かりやすくするために同図(B)の第1振動板23を省いて画いてある。
【0015】
第2振動板25は4本の腕の外端部をカバーB(22)に埋設して固定してある。第2振動板25の下面に純鉄やパーマロイの磁性材料のヨーク27が点溶接等で結合してあり、ヨーク27は形状が深皿状で、凹部に磁石26を固定し、磁石26の上面に磁性材料のトッププレート28を設けてある。トッププレート28の外周とヨーク27の内周で作る磁気ギャップ内に、コイル24が位置している。ヨーク27の外周の円筒部を肉厚にしてあるのは、振動部の質量を増して十分大きな振動エネルギーを得るためである。ヨーク外周には鍔部31が形成してあり、鍔部31はケースの肩部32と33の間の凹部34に入り込んでいる。
【0016】
発音体の下面側には円形の横振れ防止膜29を設けてあり、これはプラスチック材料などをメッシュクロスや多くの小穴を備えた多孔膜にして通気性を持たせたもので、外周をカバーA(21)の内周の肩部32に接着し、中央部にヨーク27の中央の凸部30を接着剤や両面テープなどで接着してある。
【0017】
この発音体には、ステンレス材などばね性のある接続端子35が一部をカバーB(22)に埋設して設けてあり、コイル巻き線の端末37を接続端子35の半田付け部38に半田付けしてある。接続端子35の端部には回路パターンと点接触するよう隆起させた接点部36を設けてある。半田付け部38の半田の濡れ性をよくし接点部36の接触抵抗を下げたるために、接続端子35には金メッキなどを施す。
【0018】
図2は図1の発音体の下面図で、横振れ防止膜29を大きく除去して示してある。ヨーク27の鍔部31は連続した形状でなく、ヨーク外周の数カ所に分散して設けてある(図2では4箇所)。同様に、カバーA(21)の肩部32も連続したものでなく、ヨーク22の鍔部31と重なる位置に部分的に設けてある。
【0019】
図1、図2の発音体の基本的な動作は従来のものと同じで、コイル24に可聴周波数の信号電流を流すと、第1振動板23が振動してブザー音、メロディ、音声等の可聴音を発し、それより周波数の低い信号を用いると、ヨーク27や磁石26が一体になった第2振動板25が振動し、この振動はカバーA(21)とカバーB(22)を経て発音体を組み込んだ携帯機器に伝わる。振動部は僅かなアンバランスなどのために振動中に前出の図8のように傾く傾向があるが、図1(B)の断面図に見るようにコイル24と第2振動板25やトッププレート28が断面配置上ほぼ同じ高さであるから、振動部が傾いてもこれらの部品の平面的な位置関係は僅かしか変わらず、部品が擦れ合って異音を発したり、動作を乱したりすることが少なくなる。
【0020】
さらに振動部の下面中央部を横振れ防止膜29に係止したことで、振動部の傾斜がさらに抑制される。振動部の下面は第2振動板25と違う高さにあるから、振動部が傾くと上部のトッププレート28などより横振れが大きくなるが、ヨーク27の中央の凸部30を横振れ防止膜29に係止してあり、横振れ防止膜29は可撓性であって振動部の上下振動を格別妨げない一方、振動部の下面が平面的にほとんど振れないように規制する。この結果、振動部の傾斜はほぼ完全になくなる。
【0021】
図1(B)に見るように、ヨーク21の外周の鍔部31はケース内周の凹部34に入り込んでいる。発音体や発音体を組み込んだ機器を使用者が誤って取り落とした時などに、振動部が衝撃で大きく変位しようとしても、鍔部31が凹部32の上下の肩部32、33に当たって止まるので、第2振動板25が永久変形したり、あるいはヨーク27やトッププレート28が第1振動板23やこれに固定したコイル24に衝突して、部品の変形や破損を生じることが防がれる。横振れ防止膜29がヨーク27の下面を支えていることも緩衝に役立つ。
【0022】
第2振動板25、ヨーク27その他の部品からなる振動部は、カバーA(21)
、カバーB(22)、第1振動板23、および横振れ防止膜29で囲まれた空間に納まっている。この空間の密閉度が高いと、第1振動板23や鍔部31を持つヨーク27の動きに対し大きな流体抵抗を生じて、所望の音圧や振動勢力が得られない。そこで横振れ防止膜29にはメッシュクロスや多孔膜を用いて内外の通気をよくする。また、図2に示すように鍔部31や肩部32を不連続で分散した形状にしたのも、その間を開口させて空気の流通をよくするためである。
【0023】
図3は本発明の第2の実施形態の断面図である。図1(B)と異なるのはヨーク27と横振れ防止膜29の接合部で、図1(B)ではヨークの下面中央に凸部30を設けてあったが、図3ではヨーク27の下面は平らにし、代わりに横振れ防止膜29の中央部を39のごとく皿状に窪ませて成形し、この部分にヨーク27の下面を接合している。振動部に自由な振動させるためにはヨーク27と横振れ防止膜29の接合を中央部に限り、それ以外の部分では図1(B)や図3に見るように両者の間に隙間のあることが肝要で、仮にこの隙間がなかったりヨーク27と横振れ防止膜29を全面で接合したりすると、振動部は強く拘束されて自由に振動しなくなる。
【0024】
前述のように、図1にて、発音体には一部をカバーB(22)に埋設した接続端子35を設けてあり、コイル巻き線の端末37を接続端子35に半田付け部38で半田付けしてある。接続端子35の端部には隆起した接点部36を設けてある。接続端子35はばね性を持っているから、発音体を相手機器に組み込んだ時に接点部36が相手回路の所定のパターンに弾性的に当接するように構成すれば、それだけで所要の電気接続を得ることができる。
【0025】
次に、上述のような多機能型発音体の製造方法について、図4により説明する。右側に平面図を示し、平面図のA−A断面を左側に示す。
本発明においては前記の第2振動板25および接続端子35を、ステレンレス鋼等の帯材41を用いて順送プレス加工により製作する。帯材41には送りと位置決めのためのパイロット穴42が等間隔に設けてある。帯材41は窓43のあるリードフレーム状をなし、窓43の中に4本の腕のある第2振動板25と2個の接続端子35を形成し、接続端子35には曲げ加工や接点部36の絞り加工を施して、これらをつなぎ部44により周囲の枠部分につないで保持している。これらは順送型のいくつかのステージで加工を重ねて形成する。
【0026】
このようになった帯材41を、次に図1に見られるカバーB(22)の成形工程に移して帯材のままプラスチックの成形型に通し、図4に2点鎖線で示すように、カバーB(22)を第2振動板25と接続端子35をインサートした状態で連続的に成形する。そして接続端子35への所要の金メッキ、洗浄等を行い、カバーB(22)の輪郭に沿ってプレスでつなぎ部44を切断して窓43内の部分を抜き落とせば、カバーB(22)に第2振動板25と2個の接続端子35をインサートした部品が得られる。なお、図4の第2振動板25は4本の腕の端部をカバーB(22)に埋設するが、設計によっては第2振動板25の最外周に環状部を設けて4本の腕の外端をこれに接続したような第2振動板を用い、プレス加工ではこの環状部をつなぎ部44で帯材41に連結しておく場合もある。そのようなものでは第2振動板の最外周の環状部全体をカバーB(22)にインサートする。
【0027】
一方、図1の実施形態に示される他の構成部品を、上記の順送プレス加工とは別に準備する。そしてヨーク27に磁石26とトッププレート28を接着し、これを前記の順送プレス加工とインサート成型によって得られたカバーB(22)と一体の第2振動板25に溶接する。カバーA(21)の肩部32に横振れ防止膜29を接着したものを、ヨーク27にかぶせてカバーB(22)に接着するとともに、横振れ防止膜29の中央部をヨーク27の凸部30に接着する。また第1振動板25の下面にコイル24を接着したものを、カバーB(22)の肩部33に接着する。そしてコイル巻き線の端末37を接続端子35の半田付け部38に半田付けして、本発明の多機能型発音体が完成する。
【0028】
図4の接続端子35の接点部36や半田付け部38への金メッキは、第2振動板25や接続端子35の順送プレス加工とカバーB(22)のインサート成形の後に行うこともできるが、これらの加工に先立って帯材に対し行っておくのが便利である。すなわち図5に示すように帯材41の全長に亘って、両面にある幅で金メッキ45を施しておく。図4にも金メッキ45の領域を示してあるが、これは接続端子35を形成する範囲である。このように予め帯材に金メッキしておけば、順送プレス加工とインサート成形を終えた時に接続端子35の両面が金メッキされていて生産性が上がる。
【0029】
このように帯材の幅の一部にメッキするのは、帯材のメッキ不要部分をマスキングテープで覆って溶融メッキ槽に通しながら巻き取ることで行い、メッキ範囲の精度を0.2mm以下にできる。治具を用いてマスクなしで部分的にメッキする方法もあるが、その場合は精度が1〜2mmに下がる。なお、図4では金メッキ45の範囲は下辺が直線で、上辺は接続端子35と第2振動板25の腕の間を縫って通る波型であるが、簡単のために上辺も直線にしてもよい。その場合は第2振動板25の腕の一部にも金メッキがかかる。これは必要ないことであるが障害にはならない。
【0030】
以上の実施形態では発音体はばね性のある接続端子35を備えており、接続端子35と回路パターンの弾性接触により電気的接続が行われるが、製品仕様によってはコイル巻き線の端末を回路パターンに半田付けするように指定されて、接続端子35は不要なこともある。そのような場合、図4において接続端子35を形成しないように順送プレス加工を構成すればいいのであるが、接続端子つきのものを多数作り接続端子なしのものを少数作るような生産形態においては、接続端子35つきで製作してカバーB(22)の輪郭に沿って接続端子35を切り落とす方が便利なこともある。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば多機能型発音体の振動部をコイルとほぼ同じ高さの箇所で第2振動板により振動可能に支え、振動部の反対側の面を横振れ防止膜に係止して横振れを規制するから、振動部の傾きが確実に防がれ、部品同士が接触して異音を生じたり振動が乱れたりすることがなくなる。これによってばね部品を二重に用いたりすることなく安定した振動が得られる。
【0032】
また、本発明の多機能型発音体はばね性のある接続端子を備えていて、機器への組み込みに当たってこの接続端子を相手機器の回路パターンに当接させればいいから、回路パターンへの半田付けが不要である。
【0033】
また、本発明の多機能型発音体の製造方法としては、ステンレス等の帯材を用いてプレス加工と樹脂のインサート成形を連続的に行うことにより、カバーに第2振動板と接続端子を埋設した部品を極めて能率よく生産することができ、これは接続端子のないものにも容易に対応できる。
このように、本発明によれば発音と振動の二つの作用をする多機能型発音体であって、簡潔な構造で高性能、高信頼性のものが廉価に提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多機能型発音体の実施形態で(A)は上面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図2】図1の多機能型発音体の下面図である。
【図3】本発明の多機能型発音体の別の実施形態の断面図である。
【図4】本発明の多機能型発音体の製造方法を示す図面である。
【図5】本発明の多機能型発音体の製造に用いる帯材の斜視図である。
【図6】従来の多機能型発音体で(A)は断面図、(B)は下面図である。
【図7】従来の別の多機能型発音体で(A)は断面図、(B)は下面図である。
【図8】従来の多機能型発音体の動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1、11 カバー
3、13、23 第1振動板
4、14、24 コイル
5、15、25 第2振動板
6、16、26 磁石
7、17、27 ヨーク
8、28 トッププレート
18 重り
19 第3振動板
21 カバーA
22 カバーB
29 横振れ防止膜
31 鍔部
32、33 肩部
34 凹部
35 接続端子
41 帯材
44 つなぎ部
45 金メッキ
Claims (9)
- コイルを固定した第1振動板と、ヨークおよび磁石を含む振動部を固定した第2振動板をカバー内に収容した多機能型発音体において、
第2振動板を断面的にコイルとほぼ同じ高さに配置し、振動部を挟んで第2振動板と反対の側に可撓性かつ通気性のある横振れ防止膜を設けて外周をカバーに固定し、振動部の中央部を該横振れ防止膜に固定したことを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項1に記載の多機能型発音体において、
横振れ防止膜と振動部の間は互いの固定部を除き若干の隙間を設けてあることを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項1に記載の多機能型発音体において、
横振れ防止膜はメッシュクロスまたは多孔質の膜部品であることを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項1に記載の多機能型発音体において、
ヨーク外周の鍔部およびカバー内周の肩部は不連続に設けることにより通気性をよくしたことを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項1に記載の多機能型発音体において、
ばね性のある接続端子をカバーに設け、コイル巻き線の端末をこれに半田付けしたことを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項1に記載の多機能型発音体において、
第2振動板は一部をカバーに埋設したことを特徴とする多機能型発音体。 - 請求項5に記載の多機能型発音体において、
接続端子は一部をカバーに埋設したことを特徴とする多機能型発音体。 - コイルを固定した第1振動板と、ヨークおよび磁石を含む振動部を固定した第2振動板をカバー内に収容した多機能型発音体の製造方法であって、
帯材を用い順送プレス加工によって帯材の窓内に第2振動板と接続端子をそれぞれつなぎ部で保持して形成し、第2振動板の一部または全周部、および接続端子の一部をカバーにインサートするプラスチック成形を帯材のまま行い、プレスでつなぎ部を切断して成形品を抜き落とすことにより、第2振動板と接続端子をカバーと一体化した部品を製作することを特徴とする多機能型発音体の製造方法。 - 請求項8に記載の多機能型発音体の製造方法において、
帯材の全長に亘って接続端子を形成する領域に金メッキした帯材を用いることを特徴とする多機能型発音体の製造方法。
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