JP4518245B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定保持用の外枠の開放空間を覆って前枠が装着され、この前枠の前面側に入賞装置を備えて遊技盤が取り付けられ、この遊技盤の前面の遊技領域内に遊技球を発射する発射装置が前枠に設けられ、発射装置から発射された遊技球が遊技領域内で入賞したときに払い出される遊技球を球皿に貯留するように構成される弾球遊技機に関する。
このような弾球遊技機として、例えば、特許文献1に開示のパチンコ機があり、一般的にこのようなパチンコ機が遊技ホール内に多数整列配置されて遊技に供される。遊技ホールにおいて遊技者は、多数整列配置されたパチンコ機のうちから任意のパチンコ機を選択し、遊技球を購入した後にこの遊技球を発射装置により遊技領域内に発射して、遊技領域内で遊技球を入賞装置に入賞させる遊技を楽しむようになっている。この遊技において、入賞装置に遊技球が入賞するのに応じて所定の数の遊技球が賞球として球皿に排出されて貯留されるようになっており、遊技者は球皿に貯留した球を遊技ホールが提供する景品と交換できるようになっている。
一方、遊技ホールにおいては各パチンコ機について定期的な点検整備を行い、パチンコ機を良好な状態に保って遊技者が不都合、不便なく遊技を行えるようにしている。このような点検整備に際しては、遊技領域内の入賞装置に遊技球を投入して賞球の排出が正常に行われるか否かの点検を行ったり、パチンコ機の裏面に設けられた賞球排出機構を作動させてこれらが正常に作動するか否かの点検を行ったりする。
特許第3256855号公報
ところで、上記のような遊技ホールでの点検整備に際して遊技球が球皿に排出されるが、このようにして球皿に貯留される遊技球は賞球ではないため、点検整備が終了後に球皿から回収されて球皿を空にして実際の遊技が可能な状態にする。このとき、遊技ホール内には多数のパチンコ機が配設されており、これら多数のパチンコ機の点検整備の都度、各パチンコ機毎について球皿に排出された遊技球を回収する作業が必要であり、点検整備作業が繁雑で時間がかかる作業となっているという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みたもので、点検整備において球皿に排出された遊技球を簡単に且つ手間なく回収できるような構成の弾球遊技機(パチンコ機)を提供することを目的とする。
このようなことから、本発明に係る弾球遊技機は、固定保持用の外枠と、この外枠の開放空間を覆って装着される前枠と、この前枠の前面側に入賞装置を備えて取り付けられた遊技盤と、前枠に取り付けられて遊技盤の前面の遊技領域内に遊技球を発射する発射装置と、前枠に取り付けられて発射装置から発射された遊技球が遊技領域内で入賞したときに払い出される遊技球を貯留する球皿とを有して構成され、外枠に開放空間を覆って前枠が装着された状態で、前枠より下側において前面に露出して、一枚の板状に形成される幕板部が外枠に設けられている。さらに、幕板部は、外枠に前後に移動自在に取り付けられ、幕板部全体を前後に移動させることにより、前枠より下面側における外枠の枠空間の全体を前面側から覆って閉塞させる閉塞位置と、この閉塞位置から前方に変移(移動)した開放位置とに変移可能であり、幕板部の後面に、幕板部が開放位置に位置したときに球皿から排出された遊技球を受容するとともに遊技機の背面側に排出させる球排出ガイド部材が取り付けられている。上記弾球遊技機において、幕板部は、その一端が前記外枠に連結され他端が前後に移動するように開閉揺動自在に設けられるか、または、その左右端部にガイド部材を備え、ガイド部材を介して外枠に前後方向にスライド移動自在に取り付けられることが好ましい。
このような構成の弾球遊技機において、幕板部は弾球遊技機の点検、整備等のときに開放位置に変移(移動)されて使用され、点検、整備時に球皿に排出された遊技球を球排出ガイド部材を介して弾球遊技機の背面側に排出させ、遊技中には閉塞位置に変移されて使用され、且つ遊技中において幕板部を変移させることができないようにロック保持される。
上記構成の本発明に係る弾球遊技機によれば、閉塞位置と開放位置とに変移可能な幕板の後面に球排出ガイド部材が取り付けられているので、弾球遊技機の点検整備等に際しては、幕板を開放位置に変移させれば、球皿に排出される遊技球を球皿から幕板の後面に取り付けられた球排出ガイド部材を介して遊技機の背面側に排出させることができ、遊技球の回収が簡単且つ容易となる。このため、点検整備において球皿に排出された遊技球を簡単に且つ手間なく回収でき、点検整備作業の効率化を図ることができる。また、遊技中においては、幕板を閉塞位置に位置させてロック保持すれば、幕板は従来の弾球遊技機と同一の構成となって邪魔になることもなく、従来と全く同様の遊技を何の支障もなく行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、図1〜図3に遊技ホールにおけるパチンコ機PMの配置構成を示しており、遊技ホール内においては、複数列に並んで多数のパチンコ機PMが配設されて遊技に供されるようになっている。このようにパチンコ機PMを整列配置する構造物を一般的に遊技島と称しており、パチンコ機PMを背中合わせに2列に並んで配置する両列島形式と、壁に背を向けるように1列に並んで配置する壁島形式とがあるが、ここでは両列島形式の遊技島構造を示している。
この両列遊技島構造は、背中合わせに配置されて間に球回収空間5を形成する一対の島構造体10,10を有し、各島構造体10は、天井側から順に配設された、島幕板11と、呼び出しランプ12aを有したランプ板12と、パチンコ機PMを横に1列に並んで配設する保持枠13と、球箱載せ台となる天板14と、腰板15と、床面に接する巾木16とからなり、上下に延びた状態に構成される。遊技ホール内には、このような両列遊技島構造が複数列並んで配設され、さらに、壁際には壁遊技島構造が配設されており、各遊技島構造の間に遊技者等が通る通路スペース1が形成される。
なお、通路スペース1の床面には、各パチンコ機PMの前側に位置して支柱18により支持されたシート17が設けられており、遊技者はシート17に座ってその前面のパチンコ機PMを操作して遊技を行うようになっている。また、球回収空間5内には、後述するように遊技中において入賞せずにアウト口に入り込んだアウト球をホール側に回収するための、回収通路6が設けられている。この回収通路6は各パチンコ機PMから排出された球B(アウト球)を一方の側に集めて回収できるように、遊技島構造の列が延びる方向のいずれか一方側に傾斜しており、回収通路6内に落下した球Bがこの傾斜に沿っていずれか一方側に転がって集まるようになっている。
次に、島構造体10の保持枠13に保持されて取り付けられるパチンコ機PMの構成について簡単に説明する。パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠20の前面開口に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠30が前面左側のヒンジ機構31により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、施錠装置32により常には外枠20の前面を覆った閉止状態で保持される。
上記外枠20は、木材や樹脂等で成形加工された複数本の定形尺の枠部材すなわち上下の枠板21,24および左右の枠板22,23を直角に枠組み連結するとともに、各隅角部に補強金具を固定して構成されており、保持枠13内に固定される。下枠板24の前面は左右の枠板22,23より前方に突出し、その突出部の上面に位置するとともに左右の枠板22,23の前面に位置して左右に延びる幕板71からなる球排出ガイド装置70が取り付けられている。
前枠30の前面上部側には、透明アクリル板やガラス板を有したガラス扉33が左端部のヒンジ(図示せず)を介して横開きおよび着脱が自在に取り付けられ、施錠装置32により常には前枠30の前面を覆う閉止状態に保持される。ガラス扉33の背後に位置する前枠上部には、遊技盤35を着脱自在に収容する収容枠が設けられており、この収容枠に立設姿勢で係止保持された遊技盤35がガラス扉33を通して視認されるようになっている。遊技盤35は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板を基板とし、円弧状のレール36に囲まれて略円形状の遊技領域PAが形成されている。遊技領域PAには多数本の遊技釘(図示せず)や風車とともに各種の入賞具38、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる画像表示装置37、サイドランプ等の遊技構成部品が取り付けられ、下端部にアウト口39が設けられている。
前枠30の前面における上記ガラス扉33の下側には、上球皿装置40が左端のヒンジ機構により横開きおよび着脱可能に取り付けられ、常にはガラス扉33の下側において前枠30の前面を覆った状態で係止保持されている。この上球皿装置40には、前方に突出して形成され、遊技中に払い出される入賞球を受容して貯留する上球皿部41が設けられている。なお、詳細図示しないが、上球皿部41に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、遊技盤35の遊技領域PA内に遊技球を発射する発射装置や、スピーカ等が設けられている。
さらに、図4に示すように、前枠30の前面における上球皿装置40の下側に下球皿装置50が前方に突出して設けられている。この下球皿装置50は、上球皿部41内に貯留された入賞球がオーバーフローしたときや、遊技者が上球皿装置40の球排出レバー42(図1参照)を操作して上球皿部41から入賞球が排出されたときに内部に形成された球皿通路を介して送られてくる入賞球を受容して貯留する下球皿部51と、下球皿部51の右側に位置して遊技球の発射操作を行う発射ハンドル45と、下球皿部51の左側に位置する灰皿58とから構成されている。
図7から分かるように、下球皿部51内の底面には球排出孔51aが形成されており、この球排出孔51aを下面側から開閉自在に覆う球抜き蓋53が左右にスライド移動可能に取り付けられている。球抜き蓋53は図示しないバネ等により常時は球排出孔51aを閉止する位置に位置しており、球抜き蓋53の前部に突出して設けられた操作レバー53aを操作することにより球抜き蓋53をスライド移動させて球排出孔51aを開放させ、下球皿部51内に貯留された遊技球を下方に落下させて排出させることができるように構成されている。なお、下球皿装置50の下側に上記球排出ガイド装置70を構成する幕板71が前面側に露出して位置している。
前枠30の裏面側には、球貯留タンク61、球貯留タンク61から供給された遊技球を落下移動させつつ整列させるタンクレール62、遊技盤33における入賞状態等に基づいてタンクレール62を通ってタンク61から供給される遊技球を賞球として払い出す球払出装置63、遊技中での各種制御を行うための電源基板64、主基板65、画像表示装置37の裏面側に位置して画像表示制御を行う画像制御基板66等が図示のように配設されている。なお、図示していないが、内部には、球払出装置63から払い出された賞球を上球皿部41に導く賞球通路や、遊技中において遊技盤35の入賞具38に入賞することなく落下してアウト口39に入り込んだ遊技球をパチンコ機PMの背面側に導くアウト球通路が設けられている。このアウト球通路を導かれたアウト球Bはパチンコ機PMの背面に開口したアウト球排出口39aから球回収空間5に排出され、回収通路6上に落下し、回収通路6上を転がって移動して、回収される。
以上の構成のパチンコ機PMにおいて、本発明に係る第1実施形態としての上記球排出ガイド装置70について、図4〜図7を参照して説明する。
図5および図6から分かるように、幕板71は左端部において蝶番71aを介して左枠板22の前端に連結されており、蝶番(ヒンジ)71aを中心として右端部が前後に移動するように開閉揺動自在となっている。この幕板71の後面に球排出ガイド部材72が固設されている。球排出ガイド部材72は前面壁73a、左右側面壁73b,73c、底面壁73dを有して構成されており、これら壁に囲まれて上面および後面が開孔した樋状空間72aが形成され、前面壁73aが幕板71の後面に接合されて取り付けられている。なお、右側面壁73cは図示のように円弧状に形成され、その後端に外側方に突出するストッパ突起74aが形成されており、後部および前部上端面に上方に突出する小突起74b,74cが形成されている。
一方、幕板71が蝶番71aを中心として揺動されるときにこの球排出ガイド部材72を受け入れることが可能な位置に位置して下枠板24の上面にガイド壁75が設けられている。ガイド壁75は、左右側壁部75a,75bおよび底壁部75cからなり、これら壁部75a,75b,75cに囲まれて前後に延びる上方に開放したU字状の溝空間内に球排出ガイド部材72が位置する。右側壁部75bの前端部内面には内方に突出するストッパ係合部75dが形成されている。左右側壁部75a,75bの前部上端部を繋ぐようにカバー板76がビス止め固定されており、左右および底壁部75a,75b,75cとカバー板76に囲まれた矩形状開口を通って球排出ガイド部材72がU字状の溝空間内に突出するようになっている。このカバー板76の右端部には係合小孔76aが上下に貫通して形成されている。
このように蝶番71aにより前後に揺動可能に取り付けられた幕板71の右端部を最も前に引き出した位置にあるときの状態を図6および図7(並びに図3の左側に示す島構造体10に取り付けられたパチンコ機PM)に示しており、幕板71を最も後に押し込んだ位置にあるときの状態を図5(および図3の右側に示す島構造体10に取り付けられたパチンコ機PM)に示している。ここで、図6に示すように最も引き出した状態を幕板71(および球排出ガイド部材72)が開放位置にあると称し、図6および図7に示すように最も押し込んだ状態を幕板71(および球排出ガイド部材72)が閉塞位置にあると称する。
図6から良く分かるように、幕板71および球排出ガイド部材72が前方に引き出されるときにストッパ突起74aがストッパ係合部75dと当接して開放位置に位置し、且つ後側の小突起74bが係合小孔76a内に入り込んで係合され、幕板71はこれ以上前には移動できなくなる。このように開放位置に位置した状態では、図7に示すように、球排出ガイド部材72の前面壁73aは下球皿装置50の球排出孔51aより前側に位置し、樋状空間72aの前部が球排出孔51aの下方に位置し、球排出孔51aから排出された遊技球は樋状空間72a内に落下する。球排出ガイド部材72の底面壁73cおよびガイド壁75の底壁部75cは図7に示すように後方に向かって下がるテーパ状に形成されており、樋状空間72a内に落下した遊技球はこのテーパに沿って後方に転がってパチンコ機PMの背面側に排出されるように構成されている。
図6のように開放位置にある状態から幕板71の右側前面を後方に押すと、後側の小突起74bと係合小孔76aとの係合が外れて蝶番71aを中心として幕板71を後方に揺動させることができる。このようにして幕板71を後方に揺動させると、図5に示すように、幕板71の右端後面が右枠板23の前端面に当接して幕板71が閉塞位置に位置し、これ以上後方に揺動させることがでなくなる。このとき、前側の小突起74cが係合小孔76a内に入り込んで係合され、幕板71は閉塞位置で仮止め保持される。このように幕板71が閉塞位置に位置すると幕板71が前枠20の下側において外枠20の枠空間を前面側から覆って閉塞する。
幕板71の右端部にはロックキー77が図示のように取り付けられており、前面側キー穴にキーを差し込んで回動させると、幕板71の後側に位置してロックキー77に取り付けられたロック板77aを、図4において破線で示す解錠位置と二点鎖線で示す施錠位置とに回動移動させることができるようになっている。上述のように幕板71を開放位置に位置させたり、前後に開閉揺動させたりするときにはロック板77aを解錠位置に位置させておく。一方、幕板71を閉塞位置に位置させた状態において、ロック板77aを施錠位置に移動させると、図5に示すようにロック板77aの先端が右枠板23に形成されたロック溝23a内に入り込み、幕板71を前方に引き出すことができなくなり、幕板71は閉塞位置でロック保持される。
以上の構成のパチンコ機PMにおいて、遊技ホール側における点検整備等に際しては、幕板71を前方に引き出して開放位置に位置させる。点検整備においては、入賞装置38等に遊技球を投入して賞球の払出が正常に行えるか等の点検を行ったり、試し打ちをして正常な作動を行うかの点検を行ったりするため、上球皿部41内に遊技球が払い出されて貯留される。このように貯留された遊技球は、遊技ホールを開店して遊技に供する前に回収する必要があるが、従来においては、このように上球皿部41内に貯まった遊技球を上球皿装置40の排出レバー42を操作して下球皿部51内に送り出し、さらに、下球皿部51内に貯まった遊技球を操作レバー53aを操作して球排出孔51aから排出させ、天板14上に置いた球回収箱に回収させたり、ガラス扉33を開けてアウト口39から背面側に排出させていた。
しかしながら、本発明に係る球排出ガイド装置70を取り付けたときには、点検整備に際して上球皿部41内に貯まった遊技球を、上球皿装置40の排出レバー42を操作して下球皿部51内に送り出し、さらに、下球皿部51内に貯まった遊技球を、操作レバー53aを操作して球排出孔51aから排出させると、この遊技球は開放位置に位置した幕板71の後面に取り付けられた球排出ガイド部材72の樋状空間72a内に落下し、底面壁73d上を後方に転がり移動し、ガイド壁75のU字状空間内に排出される。このとき、ガイド壁75の底壁部75cは後方に向かって下がるテーパを有して形成されており、底壁部75c上を後方に転がり移動してパチンコ機PMの背面側に排出される。そして、図3に示すように、回収通路6上に落下し、回収通路6上を転がって移動して回収される。このため、球の回収作業が簡単で楽な作業となる。すなわち、点検整備において球皿に排出された遊技球を簡単に且つ手間なく回収でき、点検整備作業の効率化を図ることができる。
点検整備を行うときには、上球皿装置40の排出レバー42を開放側に保持し、下球皿装置50の操作レバー53aも開放側に保持しておくのが好ましく、これにより点検整備時に球皿に排出される遊技球は全て背面側に自動的に排出され、球の回収作業が全く不要となる。また、長時間にわたる試し打ちを行って正常な作動の点検、出球率の点検等を行うときには、下球皿装置50の操作レバー53aのみを開放側に保持するのが好ましい。これにより、発射ハンドル45を球発射位置に固定しておけば、点検者がいなくても大当たり等が発生しても下球皿部51内に遊技球が溢れることがなく、連続的な点検が可能となる。
このようにして点検整備が完了し、且つ球の回収作業が完了すると、幕板71は後方に押し込まれて閉塞位置に位置し、パチンコ機PMは遊技に供される状態となる。これにより、遊技中には幕板71が前方に突出して邪魔になることもなく、従来と同一の遊技状態とすることができる。なお、遊技に供されるときには、ロックキー77にキーを差し込んでロック板77aを施錠位置に回動させ、球排出ガイド部材71を引き出せなくする。
なお、上記第1実施形態においては上球皿装置40と下球皿装置50とを有したパチンコ機を例にして示したが、一体型の一つの球皿を有したパチンコ機についても本発明を適用できることは無論である。また、ロックキーの形式および配設位置は上述のものに限られるものではない。
次に、本発明に係る第2実施形態としての球排出ガイド装置80について、図8〜図11を参照して説明する。
図9および図10から分かるように、幕板81は後面左右端部に後方に延びるガイドアーム82,83を一体に有する。これら左右ガイドアーム82,83の外側面には後方に延びてガイド突起82a,83aが形成されており、これらガイド突起82a,83aが左右枠板22,23の内面に前後に延びて形成されたガイド溝22a,23aと嵌合して案内され、幕板81が前後にスライド移動自在となっている。この幕板81の後面中央に球排出ガイド部材84が固設されている。球排出ガイド部材84は前面壁85、左右側面壁86,87、底面壁88および後面壁89を有して構成されている。但し、後面壁89は後面上部のみを覆う形状であり、これら壁85〜89に囲まれて上面および後面下部が開孔した樋状空間84aが形成され、前面壁85が幕板81の後面に接合されて取り付けられている。なお、後面壁89の上端は、左右側面壁86,87の上端面より上方に突出している。
一方、幕板81が上述のように前後にスライド移動されるときに球排出ガイド部材84を受け入れることが可能な位置に位置して下枠板24の上面にガイド壁93が設けられている。ガイド壁93は、左右側壁部94,95および底壁部96からなり、これら壁部94,95,96に囲まれて前後に延びる上方に開放したU字状の溝空間内に球排出ガイド部材84が位置する。左右側壁部94,95の前部上端部を繋ぐようにカバー板97がビス止め固定されており、左右および底壁部94,95,96とカバー板97に囲まれた矩形状開口を通って球排出ガイド部材84がU字状の溝空間内に突出するようになっている。このカバー板97の後端中央部には前方に窪む凹部97aが形成されている。
このように前後にスライド移動可能に取り付けられた幕板81を最も前に引き出した位置にあるときの状態を図10および図11に示しており、幕板81を最も後に押し込んだ位置にあるときの状態を図9に示している。ここで、図10および図11に示すように最も引き出した状態を幕板81(および球排出ガイド部材84)が開放位置にあると称し、図9に示すように最も押し込んだ状態を幕板81(および球排出ガイド部材84)が閉塞位置にあると称する。
図10および図11から良く分かるように、幕板81および球排出ガイド部材84が前方に引き出されるときに球排出ガイド部材84の後面壁89の上部がカバー板97の後端面と当接して開放位置に位置し、幕板81はこれ以上前には移動できなくなる。このように開放位置に位置した状態では、図11に示すように、球排出ガイド部材84の前面壁85は下球皿装置50の球排出孔51aより前側に位置し、樋状空間84aの前部が球排出孔51aの下方に位置し、球排出孔51aから排出された遊技球は樋状空間84a内に落下する。球排出ガイド部材84の底面壁88およびガイド壁93の底壁部96は図11に示すように後方に向かって下がるテーパ状に形成されており、樋状空間84a内に落下した遊技球はこのテーパに沿って後方に転がってパチンコ機PMの背面側に排出されるように構成されている。
上記のように開放位置にある状態から幕板81を後方に押すと、幕板81を後方に揺動させることができる。このようにして幕板81を後方に揺動させると、図9に示すように、幕板81の左右端後面が左右枠板22,23の前端面に当接して幕板81が閉塞位置に位置し、これ以上後方に揺動させることがでなくなる。このように幕板81が閉塞位置に位置すると幕板81が前枠20の下側において外枠20の枠空間を前面側から覆って閉塞する。
幕板81の中央上部にはロックキー90が図示のように取り付けられており、前面側キー穴にキーを差し込んで回動させると、幕板81の後側に位置してロックキー90に取り付けられたロック板91を、図8において破線で示す解錠位置と二点鎖線で示す施錠位置とに回動移動させることができるようになっている。上述のように幕板81を開放位置に位置させたり、前後に開閉揺動させたりするときにはロック板91を解錠位置に位置させておく。一方、幕板81を閉塞位置に位置させた状態において、ロック板91を施錠位置に移動させると、ロック板91の先端がカバー板97の凹部97a内に位置し、幕板81を前方に引き出すことができなくなり、幕板81は閉塞位置でロック保持される。
以上の構成のパチンコ機PMにおいて、遊技ホール側における点検整備等に際しては、幕板81を前方に引き出して開放位置に位置させる。そして、入賞装置38等に遊技球を投入して賞球の払出が正常に行えるか等の点検を行ったり、試し打ちをして正常な作動を行うかの点検を行ったりすると、上球皿部41内に遊技球が払い出されて貯留される。このように貯留された遊技球は、遊技ホールを開店して遊技に供する前に回収する必要があるため、上球皿部41内に貯まった遊技球を上球皿装置40の排出レバー42を操作して下球皿部51内に送り出し、さらに、下球皿部51内に貯まった遊技球を、操作レバー53aを操作して球排出孔51aから排出させる。このように球排出孔51aから排出された遊技球は開放位置に位置した幕板81の後面に取り付けられた球排出ガイド部材84の樋状空間84a内に落下し、底面壁88上を後方に転がり移動し、ガイド壁93のU字状空間内に排出されてその底壁部96上を後方に転がり移動してパチンコ機PMの背面側に排出される。そして、図3に示すように、回収通路6上に落下し、回収通路6上を転がって移動して回収される。このため、球の回収作業が簡単で楽な作業となる。すなわち、点検整備において球皿に排出された遊技球を簡単に且つ手間なく回収でき、点検整備作業の効率化を図ることができる。
なお、第1実施形態の場合と同様に、点検整備を行うときには、上球皿装置40の排出レバー42を開放側に保持し、下球皿装置50の操作レバー53aも開放側に保持しておくのが好ましく、これにより点検整備時に球皿に排出される遊技球は全て背面側に自動的に排出され、球の回収作業が全く不要となる。また、長時間にわたる試し打ちを行って正常な作動の点検、出球率の点検等を行うときには、下球皿装置50の操作レバー53aのみを開放側に保持しておけば、発射ハンドル45を球発射位置に固定して試し打ちを行うときに、点検者がいなくて大当たり等が発生しても下球皿部51内に遊技球が溢れることがなく、連続的な点検が可能となる。
このようにして点検整備が完了し、且つ球の回収作業が完了すると、幕板81は後方に押し込まれて閉塞位置に位置し、パチンコ機PMは遊技に供される状態となる。これにより、遊技中には幕板81が前方に突出して邪魔になることもなく、従来と同一の遊技状態とすることができる。なお、遊技に供されるときには、ロックキー90にキーを差し込んでロック板91を施錠位置に回動させ、球排出ガイド部材81を引き出せなくする。
なお、上記第1実施形態においては上球皿装置40と下球皿装置50とを有したパチンコ機を例にして示したが、一体型の一つの球皿を有したパチンコ機についても本発明を適用できることは無論である。また、ロックキーの形式および配設位置は上述のものに限られるものではない。
本発明に係るパチンコ機(弾球遊技機)を有して構成される遊技島構造を示す正面図である。 上記遊技島構造の背面図である。 上記遊技島構造の側面図である。 第1実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けた状態の上記パチンコ機の下部を示す正面図である。 第1実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を閉塞位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を示す平面断面図である。 第1実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を開放位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を示す平面断面図である。 第1実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を開放位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を図4の矢印VII−VIIに沿って示す断面図である。 第2実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けた状態の上記パチンコ機の下部を示す正面図である。 第2実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を閉塞位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を示す平面断面図である。 第2実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を開放位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を示す平面断面図である。 第2実施形態に係る球排出ガイド装置を取り付けるとともに球排出ガイド部材を開放位置に位置させた状態の上記パチンコ機の下部を図8の矢印XI−XIに沿って示す断面図である。
符号の説明
PM パチンコ機
5 球回収空間
6 回収通路
10 遊技島構造体
13 保持枠
14 天板
20 外枠
24 下枠板
30 前枠
40 上球皿装置
42 排出レバー
50 下球皿装置
51 下球皿部
51a 球排出孔
53 球抜き蓋
53a 操作レバー
70,80 球排出ガイド装置
71,81 幕板
71a 蝶番(ヒンジ)
72,84 球排出ガイド部材
72a,84a 樋状空間
75,93 ガイド壁
76,97 カバー板
77,90 ロックキー
82,83 ガイドアーム

Claims (5)

  1. 固定保持用の外枠と、前記外枠の開放空間を覆って装着される前枠と、前記前枠の前面側に入賞装置を備えて取り付けられた遊技盤と、前記前枠に取り付けられて前記遊技盤の前面の遊技領域内に遊技球を発射する発射装置と、前記前枠に取り付けられて前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内で入賞したときに払い出される遊技球を貯留する球皿とを有して構成される弾球遊技機において、
    前記外枠に前記開放空間を覆って前記前枠が装着された状態で、前記前枠より下側において前面に露出して、一枚の板状に形成される幕板部が前記外枠に設けられており、
    前記幕板部は、前記外枠に前後に移動自在に取り付けられ、前記幕板部全体を前後に移動させることにより、前記前枠より下面側における前記外枠の枠空間の全体を前面側から覆って閉塞させる閉塞位置と、前記閉塞位置から前方に変移した開放位置とに変移可能であり、
    前記幕板部の後面に、前記幕板部が前記開放位置に位置したときに前記球皿から排出された遊技球を受容するとともに遊技機の背面側に排出させる球排出ガイド部材が取り付けられていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記幕板部は、その一端が前記外枠に連結され、他端が前後に移動するように開閉揺動自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記幕板部は、その左右端部にガイド部材を備え、前記ガイド部材を介して前記外枠に前後方向にスライド移動自在に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  4. 前記幕板部は弾球遊技機の点検、整備等のときに前記開放位置に変移されて使用され、点検、整備時に前記球皿に排出された遊技球を前記球排出ガイド部材を介して弾球遊技機の背面側に排出させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機。
  5. 前記幕板部は遊技中に前記閉塞位置に変移されて使用され、且つ遊技中において前記幕板部を変移させることができないようにロック保持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機。
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