JP4518134B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異なる色成分に対応した複数のラインセンサが、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置をそれぞれ同時に読み取る画像処理装置及びこの画像処理装置を用いた画像処理方法に関する。
スキャナ装置やコピー装置などの画像処理装置は、例えば紙に印刷された原稿を読み取ってデジタルデータに変換して画像データを保存したり、保存した画像データを出力したりするようになっている。画像処理装置は、例えば、原稿に向けて照射した光の反射光をラインセンサで受光し、その受光量に基づいて生成される読取データに対して画像処理を行うようになっている。
ラインセンサを備える画像処理装置は、例えば赤成分(R成分)、緑成分(G成分)、青成分(B成分)をそれぞれ個別に読み取るためのラインセンサを有し、これらラインセンサから得た電圧値に基づいて画像データを生成する(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
RGBの各ラインセンサは、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置を読み取るように配置されている。そのため、各ラインセンサは、同時に原稿上のそれぞれ異なる読取位置で原稿を読み取ることになる。そこで、通常は、各ラインセンサから取得した読取データは、読取データメモリに順次蓄積しておく。そして、各ラインセンサで読み取った読取データのうち、読取位置が一致する読取データを読取データメモリから読み出して合成することにより同一ラインにおけるRGB形式のピクセルデータを生成する。さらに、合成されたRGB形式のピクセルデータを組み合わせることで、原稿の画像データが生成される。
ところで、原稿を読み取る際の倍率は、ラインセンサのサンプリング周期が一定の場合には、原稿と上記各ラインセンサとの相対的な副走査方向への走査速度により決まる。例えば原稿を拡大する場合には走査速度を遅くし、原稿を縮小する場合には走査速度を速くする。
このように、原稿を読み取る変倍率によって、走査速度が変化するので、走査速度によってはそれぞれのラインセンサが原稿上の同一のライン上の画像を読み取れないことがある。このように各ラインセンサの読取位置がずれてしまった場合には、各ラインセンサから取得した読取データを合成してピクセルデータを生成すると、ピクセルデータの黒から白に変化する境界部分に偽色が発生し、画質が悪くなってしまう。こうした変倍時に読み取りラインのずれが生じた場合のピクセルデータを補正する技術として、例えば、特許文献1や特許文献2に開示された技術がある。
特許文献1では、無彩色、有彩色の判定は、A/D変換後の各色の信号のうち、最も大きな値と最も小さな値を求め、これら、最大値と最小値の二次元分布に基づいて閾値を求めることにより、無彩色の判定を行うようになっている。特許文献1では、最大値=最小値のとき、無彩色となるので、最大値と最小値の二次元分布において、実験的に求めた閾値曲線と最大値=最小値の直線とで囲まれる範囲を無彩色の範囲としている。
特許文献2では、各ラインセンサのうち、G成分を読み取るラインセンサで読み取った読取データを基準として、他のラインセンサで読み取ったR成分とB成分の読取データのそれぞれに対して線形補間処理を行うようになっている。線形補間処理は、R成分を読み取るラインセンサと、B成分を読み取るラインセンサのそれぞれが小数点以下を含むオフセットライン数での読み取りとなる場合、即ち、各ラインセンサで読み取る間隔が整数ライン分の間隔でなくなった場合に行う。具体的には、R成分とB成分の読取データのそれぞれに対して、小数点以下を含むオフセットライン数の前後の整数のオフセットライン数で読み取った2つの読取データを用いて線形補間処理を行うようにしている。そして、線形補間処理を行ったR成分とB成分の読取データと、線形補間処理を行っていないG成分の読取データとを合成している。
このとき、G成分については、線形補間処理は行わず、R成分、B成分については、線形補間処理が行われるので、G成分に対するR成分とB成分のコントラスト差が大きくなり、G成分は、C(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロー)の色の三原色に変換させたとき、マゼンダとなるため、読取データを合成したときに、コントラストの強いG成分のマゼンダが強く出る。
そこで、特許文献2の発明では、色差データに基づく彩度分布図において、無彩色と判定する領域を設定する際、この無彩色判定領域をマゼンダ方向に拡大して色の判定を行うようにしている。
特開平3−53670号公報 特開2000−22895号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2のいずれの無彩色の判定方法においても、十分に偽色を抑制することはできなかった。
しかも、特許文献1の無彩色の判定では、最大値と最小値の二次元分布において、実験的に求めた閾値曲線は、変倍率にともなって変化するため、変倍率を1%ごとに変更できる画像処理装置の場合には、閾値曲線を求める実験数が多大となるし、閾値曲線の種類も多大となるため画像処理装置に保存する閾値のデータ量が多くなるという不具合が生じる。
また、特許文献2の無彩色の判定では、G成分の読取データを基準として、他のR成分とB成分の読取データに対して変倍率に応じて線形補間処理を行うという煩雑な作業を要する。
本発明の目的は、変倍率に応じて各色のラインセンサによる画像読取位置にずれが生じても、変倍率に合わせて実験的に閾値を設定したり、線形補間処理などの煩雑な処理を行ったりしなくても、後述するように偽色が規則的に変化して発生することを利用して、無彩色の判定を確実に行える画像処理装置を提供することにある。
第1の本発明による画像処理装置は、異なる色成分に対応した複数のラインセンサが、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置をそれぞれ同時に読み取る画像処理装置において、設定される読取解像度に基づいて、上記読取位置の副走査方向への走査速度を制御する走査速度制御部と、上記ラインセンサから出力される各読取データのうち、色成分が異なる読取データを読取位置に基づいて合成してピクセルデータを生成する読取データ合成部と、上記ピクセルデータを第1及び第2の色度データにそれぞれ変換する色空間変換部と、上記ピクセルデータが無彩色か否かを判定する無彩色判定部とを備え、上記無彩色判定部は、上記第1及び第2の色度データを座標軸とする直交座標からなる色空間における上記ピクセルデータを無彩色判定領域と比較する比較部を有し、上記無彩色判定領域は、原稿上の無彩色のピクセルデータが分布する領域であって、上記色空間の座標原点を含み上記座標原点から互いに反対方向へそれぞれ伸びる細長い領域からなり、上記無彩色判定領域の長手方向の傾きを上記走査速度に基づいて異ならせたように構成される。
本発明者は、後に詳細に説明するが、変倍率によって、R、G、Bの3つのラインセンサで読み取った読取位置にずれが生じ、このずれが生じた読取位置の読取データを合成してピクセルデータを生成したときに発生する黒から白に変化する境界部分の偽色の状態が、倍率の変化、即ち、上記走査速度に基づいて規則的に変化することを見出した。例えば、RGBの順番にラインセンサで画像を読み取った場合、偽色は倍率に応じて、赤色(R)と黄色(Y)の混色及び青色(B)とシアン(C)の混色が生じる場合と、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色及び緑色(G)とシアン(C)の混色が生じる場合とがあった。
そこで、上記細長い無彩色判定領域の長手方向の向きは、上記色空間における赤色(R)と黄色(Y)の混色及び青色(B)とシアン(C)の混色が発生する場合と、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色及び緑色(G)とシアン(C)の混色が発生する場合とによって決定することができる。このような構成によれば、注目画素に対して有彩色か無彩色かの判定を行う場合に、変倍率に伴って各ラインセンサの画像読取位置に位置ずれが生じて、合成されたピクセルデータの黒から白に変化する境界部分に偽色が発生しても、上記した混色の発生状態に基づいて上記細長い無彩色判定領域を設定するので、簡単、かつ、確実に、この偽色部分を無彩色と判定することができ、品質の高い画像処理を行うことができる。
また、本発明者は、上記色空間における上記混色の割合が、上記走査速度に基づいて規則的に変化することも見出した。即ち、上記走査速度に応じた各色成分の読取位置のずれの大きさ及び位置によって上記混色の割合が変化することを見出した。このように、変倍率に応じて発生する混色のうち、上記色空間の直交座標の座標原点に対してそれぞれ反対方向に位置し、かつ、それぞれの最も遠い位置の混色は、上記走査速度に応じて上記色空間での位置が異なる。従って、これら上記座標原点から最も遠い混色の位置が上記無彩色判定領域の長手方向の端部となるように、上記走査速度に応じて、上記長手方向の傾きを設定することができる。
このような構成によれば、上記無彩色判定領域の長手方向の傾きを上記走査速度に応じて異なる混色状態に合わせて設定することができるので、無彩色の判定をより確実に行うことができる。
第2の本発明による画像処理装置は、異なる色成分に対応した複数のラインセンサが、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置をそれぞれ同時に読み取る画像処理装置において、設定される読取解像度に基づいて、上記読取位置の副走査方向への走査速度を制御する走査速度制御部と、上記ラインセンサから出力される各読取データのうち、色成分が異なる読取データを読取位置に基づいて合成してピクセルデータを生成する読取データ合成部と、上記ピクセルデータを第1及び第2の色度データにそれぞれ変換する色空間変換部と、上記ピクセルデータが無彩色か否かを判定する無彩色判定部とを備え、上記無彩色判定部は、上記第1及び第2の色度データを座標軸とする直交座標からなる色空間における上記ピクセルデータを無彩色判定領域と比較する比較部を有し、上記無彩色判定領域は、原稿上の無彩色のピクセルデータが分布する領域であって、上記色空間の座標原点を含み、上記座標原点から互いに反対方向へそれぞれ伸びる細長い領域からなり、上記無彩色判定領域の長手方向の長さを上記走査速度に基づいて異ならせたように構成される。
本発明者は、上記したように上記色空間における上記混色の割合が、上記走査速度に応じた各色成分の読取位置のずれの大きさ及び位置によって規則的に変化することを見出した。このように、変倍率に応じて発生する混色のうち、上記色空間の直交座標の座標原点に対してそれぞれ反対方向に位置し、かつ、それぞれの最も遠い位置の混色は、上記走査速度に応じて上記色空間での位置が異なる。従って、これら上記座標原点から最も遠い混色の位置が上記無彩色判定領域の長手方向の端部となるように、上記走査速度に応じて、上記長手方向の長さを設定することができる。
このような構成によれば、上記無彩色判定領域の長手方向の長さを上記走査速度に応じて異なる混色状態に合わせて設定することができるので、無彩色の判定をより確実に行うことができる。
本発明によれば、変倍率に伴って各ラインセンサの読取位置に位置ずれが生じて、上記ピクセルデータの黒から白に変化する境界部分に偽色が発生しても、変倍率に応じた偽色の混色状態に基づいて、発生した偽色部分が含まれるような上記細長い無彩色判定領域を簡単に設定することができる。その結果、この細長い無彩色判定領域に基づいて、発生した偽色の部分を無彩色と確実に判定することができ、品質の高い画像処理を行うことができる。
また、本発明によれば、変倍率に伴って各ラインセンサの読取位置に位置ずれが生じて、上記ピクセルデータの黒から白に変化する境界部分に偽色が発生しても、上記走査速度に応じた各色成分の読取位置のずれの大きさ及び位置に基づいて混色状態が求められるので、この求められる混色状態を偽色と判断することにより、発生した偽色の部分を無彩色と確実に判定することができ、品質の高い画像処理を行うことができる。
本発明者は、例えば原稿の黒色の画像について黒から白に変化する境界部分を、変倍率に応じてRGBのラインセンサで読み取って各読取データを合成してピクセルデータを生成し、さらに、ピクセルデータの各色成分信号を、第1及び第2の色差データに変換し、これら色差データに基づく色空間の直交座標を求めて彩度分布状態をみた。その結果、前述したように、変倍率によって、R、G、Bの3つのラインセンサで読み取った読取位置にずれが生じ、このずれが生じた読取データを合成したときに発生するピクセルデータの黒から白に変化する境界部分の偽色の状態が、倍率の変化に伴って規則的に変化することを見出した。
偽色の発生状態を具体的に説明する。まず、画像処理装置は、図1に示すように、R成分を読み取るRラインセンサ21と、G成分を読み取るGラインセンサ22と、B成分を読み取るBラインセンサ23とを、主走査方向と平行で、副走査方向に所定の間隔(図1においてaで示す範囲)をおいて配置している。そして、同じタイミングで、各ラインセンサ21,22,23は、原稿100の異なる位置をライン状に読み取るようになっている。
なお、図1のラインセンサによる読み取り状態を示す図において、原稿100上に描かれた主走査方向に伸びる直線状の長尺な黒い部分は、画像の読取位置を示しており、説明を容易にするために、これら黒い部分は副走査方向に所定の長さを持たせている。
図1に示すように、これら読取位置の間隔(黒い部分の副走査方向長さの中心間の距離b)は、ラインセンサ間の距離(ラインセンサの副走査方向長さの中心間の距離a)の1/4であって、100%の倍率で原稿を読み取ったときの長さを示している。図1では、ラインセンサ間の距離は、オフセットライン数が4本である場合を示している。
また、図1に示す画像処理装置は、原稿100に対するラインセンサの副走査方向への読み取り周期は一定としており、倍率100%のときには、距離bずつ読取位置を移動させて画像を読み取るように、走査速度を制御する。
なお、原稿100を読み取る際の倍率は、ラインセンサ21,22,23の読み取り周期が一定であるので、例えば、原稿のラインセンサに対する単位時間あたりの送り量など、原稿100に対するラインセンサ21,22,23の読取位置の相対的な走査速度を変化させることにより決定する。
さらに、各ラインセンサから取得した読取データは、図示していないが、順次メモリに蓄積していき、原稿の送り量である走査速度に基づいて各ラインセンサで読み取った同じ読取位置または近似する読取位置となる読取データを一致させるための遅延量を求める。そして、この遅延量に基づいて、各ラインセンサで読み取った読取データをメモリから読み出して、R成分の読取データとG成分の読取データとB成分の読取データとを合成して、ピクセルデータを生成し、さらに、複数のピクセルデータを合成して原稿の画像データを生成する。
原稿100は、各ラインセンサ21,22,23に対して、図1の矢印xで示す方向(副走査方向)に相対的に移動させられて、画像が読み取られる。以下、ラインセンサ21,22,23に対する原稿100の移動方向の後側(Rラインセンサ21側)を上流側、同方向前側(Bラインセンサ23側)を下流側という。
次に、各ラインセンサの画像読取状態を示す図と、そのときの、RGBの読取データの色の重なり状態を示す図に基づいて偽色の発生状態を説明する。まず、偽色が発生しない倍率100%の場合の状態について説明する。
図2は、倍率100%の場合の各ラインセンサ21,22,23による色成分ごとの読取位置を示している。図2では、同じ原稿100に対して、R成分をRラインセンサ21で読み取っている状態を左端に示し、この原稿100をRラインセンサ21に対して副走査方向に距離a(4ライン分)だけ移動させてG成分をGラインセンサ22で読み取っている状態を中央に示し、この原稿100をGラインセンサ22に対してさらに副走査方向に距離aだけ移動させてB成分をBラインセンサ23で読み取っている状態を右端に示している。図2では、各ラインセンサ21,22,23の位置は固定された状態としている。
図2に示すように、原稿100における最初の読取位置(図2の点線四角の枠cで囲まれた部分)は、まず、Rラインセンサ21でR成分の読取データが読み取られ、次に、原稿を副走査方向に距離a移動させて、Gラインセンサ22でG成分の読取データが読み取られ、さらに、原稿を副走査方向に距離a移動させて、Bラインセンサ23でB成分の読取データが読み取られる。Bラインセンサ23で読み取られたB成分の読取データは、R成分の読取データの読取時から距離aの2倍である8ライン移動後に読み取れることになる。
なお、図2において点線四角の枠cで囲まれた部分の副走査方向長さの中心を通る線zは、各ラインセンサの中心線となっている。以下、他の倍率での説明図である図4、図7、図10、図13においても同様である。
さらに、各ラインセンサ21,22,23での読取位置が異なることから、各ラインセンサ21,22,23で読み取った読取データは、読取データ蓄積メモリに蓄積しておき、Rラインセンサ21に対するGラインセンサ22およびBラインセンサ23の遅延量を求めて、同じ読取位置の各色の読取データをこのメモリから読み出して読取データを合成する。
このとき、各ラインセンサ21,22,23で読み取った図2において点線四角の枠cで囲まれた読取位置の読取データを合成した状態を図3に示すと、倍率100%で読み取る場合は、各ラインセンサ21,22,23の読取位置にずれは生じないので、各色成分の読取データの黒から白に変化する境界部分は、全て同じ位置となり、3色は完全に重なり合ってピクセルデータが生成され、重なった部分が黒色(K)となり、その外側が白色(W)となって、偽色は発生しない。
ところが、上記したように、ラインセンサの間隔を4ライン分とした場合には、倍率101%から124%の間で原稿100を読み取ると、各ラインセンサ21,22,23の読取位置にずれが生じて、合成されたピクセルデータの黒から白に変化する境界部分に偽色が発生した。
例えば倍率106%で読み取った場合には、図4に示すように、読取位置の間隔b2の長さが、ラインセンサ間の距離aの1/4の長さ、即ち、図2に示す倍率100%のときの読取位置の間隔bよりも小さくなる。
ここで、図4に示す点線枠c内の各色成分の読取位置が、ラインセンサの中心線zに対してどのように配置されているかを図5に示す。
そして、図5に示すように、各色成分の読取位置は一致しておらず、R成分の読取位置をラインセンサの中心線zと一致させた場合、この中心線zを基準にすると、G成分の読取位置はR成分の読取位置よりも上流側に位置し、B成分の読取位置は、G成分の読取位置よりもよりもさらに上流側に位置した。
従って、倍率106%で画像を読み取った場合に、3色の読取データを合成してピクセルデータを生成すると、図6に示すように、3色の重なりにずれが生じ、3色が重なっている黒色(K)の部分の外側で上流側に赤色(R)が発生し、下流側に青色(B)が発生し、さらにこれら偽色の外側の上流側に黄色(Y)が発生し、下流側にシアン(C)が発生した。そして、このピクセルデータに対して、RGBの各色成分信号を第1及び第2の色差データを表す信号に変換し、これら第1及び第2の色差データに基づいて彩度分布を求めると、このピクセルデータは、偽色の発生により、読取位置の副走査方向上流側に、赤色(R)と黄色(Y)の混色が発生し、下流側に、青色(B)とシアン(C)の混色が発生した。
倍率106%で生じた彩度分布状態は、101%から106%の倍率で同じように起こり、さらに、倍率の増加に伴って、赤色(R)と黄色(Y)の混色に対しては、赤色(R)と黄色(Y)が増加し、青色(B)とシアン(C)の混色に対しては、青色(B)とシアン(C)が増加することが分かった。
また、例えば倍率112%で読み取る場合には、図7に示すように、読取位置の間隔b3の長さが、図2に示す倍率100%のときの読取位置の間隔bよりも小さくなる。
そして、上記した図4に示した場合と同様に図7に示す点線枠c内の各色成分の読取位置がラインセンサの中心線zに対してどのように配置されているかを図8に示すと、図8に示すように、各色成分の読取位置は一致していない。R成分の読取位置と一致するラインセンサの中心線zを基準にすると、G成分の読取位置はR成分の読取位置よりも下流側に位置し、B成分の読取位置はR成分の読取位置よりも上流側に位置した。
従って、倍率112%で画像を読み取った場合も、3色の読取データを合成してピクセルデータを生成すると、図9に示すように、3色の重なりにずれが生じた。この場合は、3色が重なっている黒色(K)の部分の外側で、上流側に緑色(G)が発生し、下流側に赤色(R)が発生し、さらにこれらの偽色の外側の上流側にシアン(C)が発生し、下流側にマゼンダ(M)が発生した。そして、このピクセルデータに対して、前記同様に第1及び第2の色差データに基づく彩度分布を求めると、このピクセルデータは、この偽色の発生により、読取位置の副走査方向上流側に、緑色(G)とシアン(C)の混色が発生し、下流側に、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色が発生した。
倍率112%で生じた彩度分布状態は、107%から112%の倍率で同じように起こり、さらに、倍率の増加に伴って、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色に対しては、赤色(R)が減少し、マゼンダ(M)が増加し、緑色(G)とシアン(C)の混色に対しては、緑色(G)が増加し、シアン(C)が減少した。
さらに、例えば倍率118%で読み取る場合には、図10に示すように、読取位置の間隔b4の長さが、図2に示す倍率100%のときの読取位置の間隔bよりも小さくなる。
そして、上記した図4に示した場合と同様に図10に示す点線枠c内の各色成分の読取位置がラインセンサの中心線zに対してどのように配置されているかを図11に示すと、図11に示すように、各色成分の読取位置は一致していない。R成分の読取位置と一致するラインセンサの中心線zを基準にすると、G成分の読取位置はR成分の読取位置よりも上流側に位置し、B成分の読取位置はR成分の読取位置よりも下流側に位置した。
従って、倍率118%で画像を読み取った場合も、3色の読取データを合成してピクセルデータを生成すると、図12に示すように、3色の重なりにずれが生じた。この場合は、3色が重なっている黒色(K)の部分の外側で上流側に赤色(R)が発生し、下流側に緑色(G)が発生し、さらにこれら偽色の外側の上流側にマゼンダ(M)が発生し、下流側にシアン(C)が発生した。そして、このピクセルデータに対して、前記同様に第1及び第2の色差データに基づく彩度分布を求めると、このピクセルデータは、この偽色の発生により、読取位置の副走査方向上流側に、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色が発生し、下流側に、緑色(G)とシアン(C)の混色が発生した。
倍率118%で生じた彩度分布状態は、113%から118%の倍率で同じように起こり、さらに、倍率の増加に伴って、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色に対しては、赤色(R)が増加し、マゼンダ(M)が減少し、緑色(G)とシアン(C)の混色に対しては、緑色(G)が減少し、シアン(C)が増加した。なお、113%から118%の倍率では、107%から112%で発生した偽色の各色の発生位置がライン幅方向に対して逆となっており、赤色(R)とマゼンダ(M)との混色が上流側に発生し、緑色(G)とシアン(C)の混色が下流側に発生した。
また、例えば倍率123%で読み取る場合には、図13に示すように、読取位置の間隔b5の長さが、図2に示す倍率100%のときの読取位置の間隔bよりも小さくなる。
そして、上記した図4に示した場合と同様に図13に示す点線枠c内の各色成分の読取位置がラインセンサの中心線zに対してどのように配置されているかを図14に示すと、図14に示すように、各色成分の読取位置は一致していない。R成分の読取位置と一致するラインセンサの中心線zを基準にすると、G成分の読取位置はR成分の読取位置よりも下流側に位置し、B成分の読取位置はG成分の読取位置よりもさらに下流側に位置した。
従って、倍率123%で画像を読み取った場合も、3色の読取データを合成してピクセルデータを生成すると、図15に示すように、3色の重なりにずれが生じ、3色が重なっている黒色(K)の部分の外側で上流側に青色(B)が発生し、下流側に赤色(R)が発生し、さらにこれら偽色の外側の上流側にシアン(C)が発生し、下流側に黄色(Y)が発生した。そして、このピクセルデータに対して、前記同様に第1及び第2の色差データに基づく彩度分布を求めると、このピクセルデータは、この偽色の発生により、読取位置の副走査方向上流側に、青色(B)とシアン(C)の混色が発生し、下流側に、赤色(R)と黄色(Y)との混色が発生した。
倍率123%で生じた彩度分布状態は、119%から124%の倍率で同じように起こり、さらに、倍率の増加に伴って、赤色(R)と黄色(Y)の混色に対しては、赤色(R)と黄色(Y)が減少し、青色(B)とシアン(C)の混色に対しては、青色(B)とシアン(C)が減少することが分かった。
上記した偽色の発生は、126%から149%においてもほぼ同じ状態で発生し、倍率の変化に伴って規則的に偽色の状態が変化することがわかった。なお、前記した偽色の発生状態は、ラインセンサのオフセットライン数などによって、異なるが、いずれの状態においても、倍率の変化に伴って規則的な偽色の変化が起こることが分かった。
次に、上記した変倍率に応じて規則的に変化する偽色の発生状態を利用した無彩色の判定を行う画像処理装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
図16は、本発明の実施の形態による画像処理装置1の一例を示したブロック図である。この画像処理装置1は、R成分、G成分、B成分を読み取る3つのラインセンサを用いて画像データを生成する画像処理装置である。
本実施形態の画像処理装置1は、スキャナ部2、走査速度制御部3、A/D変換部4、読取データ蓄積メモリ5、読取データ合成部6、無彩色判定部7、画像処理部8、画像メモリ9及び印字装置10を備えている。
スキャナ部2には、原稿に向けて光を照射する光源20と、原稿からの反射光を受光するRラインセンサ21、Gラインセンサ22、及びBラインセンサ23とが備えられている。各ラインセンサ21,22,23は、赤、緑、青の各色に対応した3つのライン型光電変換素子を備えたCCDイメージセンサで構成されている。Rラインセンサ21により原稿の画像のR成分を読み取り、Gラインセンサ22により原稿の画像のG成分を読み取り、Bラインセンサ23により原稿の画像のB成分を読み取るようになっている。このように、各ラインセンサ21,22,23は、原稿からの反射光を受光することにより、原稿画像を1ラインごとにRGB3原色の各色のカラー読取データとして読み取る。
各ラインセンサ21,22,23は、一直線状に並べられた複数の受光素子(光電変換素子)からなり、ライン方向が主走査方向となるように、各ラインセンサ21,22,23を所定の距離をおいて等間隔に配置させている。各ラインセンサ21,22,23の間隔は、100%の倍率で画像を読み取る場合の読取位置の副走査方向への移動量の整数倍に設定されており、本実施形態では、4ライン分の間隔をおいて各ラインセンサ21,22,23を配置している(オフセットライン数が4本)。各ラインセンサ21,22,23は副走査方向の上流側から、Rラインセンサ21、Gラインセンサ22、そしてBラインセンサ23の順に配置されている。
そして、各ラインセンサ21,22,23の受光素子で受光したアナログ信号は、スキャナ部2からA/D変換部4へと送られてデジタルデータに変換される。各ラインセンサ21,22,23での原稿読取は、各ラインセンサ21,22,23の各受光素子から所定の順序に従って信号が出力されることにより主走査の画像読み取りが行われ、主走査方向と直交する方向に原稿が相対移動することにより副走査の画像読み取りが行われるようになっている。
原稿に対する副走査は、静止した用紙に対して光源20及び各ラインセンサ21,22,23を移動させることにより行うようにしてもよいし、光源20及び各ラインセンサ21,22,23を静止させておいて、用紙を移動させることにより行うようにしてもよい。
例えば、スキャナ部2が、透明板上に載置された原稿に対して、透明板を透過させて光源からの光を照射し、その反射光を各ラインセンサ21,22,23で受光するようなフラットベッド読取部(FBS:Flat Bed Scanner)である場合には、透明板上に静止した用紙に対して光源20及び各ラインセンサ21,22,23を移動させることにより副走査を行うことができる。一方、スキャナ部2が、原稿を1枚ずつ分離して自動的に送り出す自動原稿供給部(ADF:Automatic Document Feeder)を備えているような場合には、静止させた光源20及び各ラインセンサ21,22,23に対して自動原稿供給部から原稿を送り出すことにより副走査を行うことができる。
さらに、本実施形態の画像処理装置1は、原稿を読み取る倍率を100%を中心に1%刻みで拡大・縮小することができるようになっている。本実施形態では、スキャナ部2において、原稿と各ラインセンサ21,22,23との副走査方向の相対的な走査速度を拡大・縮小率に応じて変えることにより、拡大・縮小の画像読み取りを行うようになっている。上記走査速度は、走査速度制御部3において制御される。なお、読取倍率が変わっても各ラインセンサ21,22,23による原稿の読み取り周期は変わらないように設定されている。
そして、A/D変換部4で変換された各ラインセンサ21,22,23の色成分信号のデータを色成分ごとの読取データとして読取データ蓄積メモリ5に蓄積する。読取データ蓄積メモリ5には、各ラインセンサ21,22,23の所定の読み取り周期で読取データが蓄積されるとともに、蓄積された時間も書き込まれる。
読取データ合成部6では、各ラインセンサ21,22,23から出力される読取データのうち、原稿における画像読取位置が近似する読取データを合成する。即ち、読取データ合成部6では、読取データ蓄積メモリ5に蓄積された読取データから、原稿上の同一または近似する読取位置での各色成分の読取データを読み出して3色の読取データを合成してピクセルデータを生成する。
さらに、読取データ合成部6では、原稿上の同一または近似する読取位置での各色成分の読取データを読み出すために、変倍率に基づいて、基準となるRラインセンサ21からGラインセンサ22及びBラインセンサ23までのオフセットライン数を求めることより合成する読取データを決定するようにしている。
読取データ合成部6で生成されたピクセルデータは、無彩色判定部7において、無彩色であるかまたは有彩色であるかの判定が行われる。さらに無彩色判定部7は、読取データ合成部6で合成されたピクセルデータのRGB信号に基づく各色成分信号を第1の色差データ(Cr)、第2の色差データ(Cb)を表す信号に変換する色空間変換部71と、無彩色判定領域設定部72と、第1及び第2の色差データを座標軸とする直交座標からなる色空間における上記ピクセルデータを無彩色判定領域と比較する比較部75とを有する。
無彩色判定領域設定部72は、色空間変換部71で変換された各色差データ(Cr,Cb)を表す信号に基づいて求められる彩度の分布を示す色空間座標であって、各色差データ(Cr,Cb)を座標軸とする直交座標において、無彩色判定領域を設定する。この無彩色判定領域は、各ラインセンサ21,22,23の画像読取位置が一致する場合に合成されたピクセルデータを基準とする第一無彩色判定領域73と、各ラインセンサ21,22,23の画像読取位置がずれた場合の無彩色判定領域となる細長い第二無彩色判定領域74とから構成される。
第一無彩色判定領域73は、図17の(a)、(b)に示すように、座標原点を中心にもつ矩形枠73aの内部となり、第二無彩色判定領域74は、図17の(a)、(b)に示すように、色空間座標の座標原点を含み、長手方向が、上記座標原点から反対方向に向けてそれぞれ伸びるように設定された長細い領域の内部となる。図17の(a)、(b)では、クロスハッチングで示した領域が第一無彩色判定領域73となり、この第一無彩色判定領域73を含み、さらに斜めに延びる領域が第二無彩色判定領域74となる。第二無彩色判定領域74は、その長手方向端部が第一無彩色判定領域73からはみ出すように設定されている。
第二無彩色判定領域74は、図17の(a)、(b)に示すように、所定の倍率で長手方向の向きを変更するようになっている。本実施形態のように、各ラインセンサ21,22,23の間隔を4ライン分で設定している場合で、例えば変倍率の範囲を100%から150%とした場合には、101%〜124%、126%〜149%の範囲でラインセンサの読取位置にずれが生じる。
そこで、本実施形態では、101%〜106%、119%〜124%、126%〜131%、144%〜149%の範囲の倍率のときには図17の(a)で示す状態の第二無彩色判定領域74を設定し、107%〜118%、132%〜143%の範囲の倍率のときには図17の(b)で示す状態の第二無彩色判定領域74を設定するようになっている。
第二無彩色判定領域74の設定は、画像処理装置1をユーザが操作する際に数値設定する倍率で制御される走査速度に基づいて設定することもできるし、紙サイズを選択することにより自動的に読取解像度が設定されて制御される走査速度に基づいて設定することもできる。さらに、偽色の発生状態は、前述したように、走査速度に応じて規則的に変化するので、走査速度制御部3で設定する走査速度に応じて変更される読取位置の間隔に基づいて各ラインセンサでの読取位置のずれ量を求め、このずれ量から、各色成分の読取データを合成したときの各色成分のずれ量を求めて偽色となる各色の発生量を求めて、この求めた偽色の発生量に基づいて、第二無彩色判定領域74の長手方向の向き(傾き)や大きさを設定することもできる。
図17の(a)で示す状態の第二無彩色判定領域74は、赤色(R)と黄色(Y)の混色と、青色(B)とシアン(C)の混色を補色するように第一無彩色判定領域73に対して無彩色判定領域を拡大している。また、図17の(b)で示す状態の第二無彩色判定領域74は、赤色(R)とマゼンダ(M)の混色と、緑色(G)とシアン(C)の混色を補色するように第一無彩色判定領域73に対して無彩色判定領域を拡大している。
なお、図17に示すように、第二無彩色判定領域74は、長手方向における座標原点からそれぞれ反対方向に向けて伸びる距離A,Bが、この第二無彩色判定領域74の長手方向と直交する方向における座標原点からそれぞれ反対方向に向けて伸びる距離C,Dよりも長くなるように設定している。また、上記距離A,Bのそれぞれの長さは等しくしてもよいし、異なるようにしてもよい。但し、距離A,Bのそれぞれの長さが異なる場合でも、短い側の距離が、前記距離C,Dよりも長くなるように設定する。
無彩色判定部7の比較部75において、倍率100%、125%、150%など、各ラインセンサ21,22,23の読取位置が一致する場合には、読取データ合成部6で合成したピクセルデータを第一無彩色判定領域73と比較して無彩色の判定を行い、読取位置にずれが生じる場合には、読取データ合成部6で合成したピクセルデータを第二無彩色判定領域74と比較して無彩色の判定を行う。
無彩色判定部7で無彩色か否かが判定されたピクセルデータは、画像処理部8において無彩色判定部7の判定結果に基づいて無彩色または有彩色の画像処理が行われる。即ち、無彩色判定部7で無彩色と判定されたピクセルデータは、偽色が発生している場合には、この偽色部分を無彩色とする補正を行って、無彩色の画像処理が行われる。また、無彩色判定部7で有彩色と判定されたピクセルデータは、判定された有彩色に従って画像処理が行われる。
さらに、画像処理部8では、画像処理された複数のピクセルデータを合成して画像データを生成する。生成された画像データは画像メモリ9に格納することもできるし、印字装置10に入力してその画像データに基づく画像を用紙上に記録することもできる。印字装置10は、感光体ドラム、帯電器、現像装置、転写装置及び定着装置などからなる周知の構成とすることができる。
また、以上の実施の形態では、第二無彩色判定領域74を図17の(a)及び(b)に示す領域に設定したが、第二無彩色判定領域74の領域の設定はこれに限らず、倍率の範囲を狭くして、それぞれの範囲に対応させて第二無彩色判定領域74を設定し、各範囲で生じる偽色の発生状態、即ち、混色の状態に応じて、第二無彩色判定領域74の形状、大きさ(長さ)、長手方向の向き(傾き)を細かく変化させて設定することができる。このように、第二無彩色判定領域74を倍率の範囲を狭くして設定することにより、より確実に無彩色の判定が行える。
また、第二無彩色判定領域74を設定する場合、図17に示す色空間座標を45度回転させて、図18(a)(b)に示すような長方形の第二無彩色判定領域74を設定して、無彩色の判定を行うようにしてもよい。この場合は、色空間座標を所定の計算式に基づいて回転させる。このように、第二無彩色判定領域74を長方形に設定することにより、無彩色の判定が行いやすくなる。
なお、偽色の発生状態は、CCDによる色の読み取りの順番と、各CCDの配置間隔と、走査速度に応じて変化するので、これらの条件に合わせて無彩色判定領域を設定する。さらに、上記実施形態では、ピクセルデータの各色成分信号を、第1及び第2の色差データに変換し、これら色差データに基づく色空間の直交座標を求めて彩度分布状態をみたが、その他の色空間座標を用いて無彩色の判定を行うこともできる。
3色のラインセンサで、副走査方向に等間隔で原稿を読み取る場合の動作説明図である。 3色のラインセンサで、原稿を倍率100%で読み取ったときの各色成分の画像読取位置を示す説明図である。 図2の場合において、原稿の同一ライン上で合成した各色成分の読取データの重なり状態を示す説明図である。 3色のラインセンサで、原稿を倍率106%で読み取ったときの各色成分の画像読取位置を示す説明図である。 図4の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取位置の位置関係を示す説明図である。 図4の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取データの重なり状態を示す説明図である。 3色のラインセンサで、原稿を倍率112%で読み取ったときの各色成分の画像読取位置を示す説明図である。 図7の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取位置の位置関係を示す説明図である。 図7の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取データの重なり状態を示す説明図である。 3色のラインセンサで、原稿を倍率118%で読み取ったときの各色成分の画像読取位置を示す説明図である。 図10の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取位置の位置関係を示す説明図である。 図10の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取データの重なり状態を示す説明図である。 3色のラインセンサで、原稿を倍率123%で読み取ったときの各色成分の画像読取位置を示す説明図である。 図13の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取位置の位置関係を示す説明図である。 図13の場合において、原稿のほぼ同一ライン上となる各色成分の読取データの重なり状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態による画像処理装置の一例を示したブロック図である。 無彩色判定領域を示した色空間座標を示し、(a)は、101%〜106%、119%〜124%、126%〜131%、144%〜149%の範囲の倍率のときの第二無彩色判定領域が示された状態を示し、(b)は、107%〜118%、132%〜143%の範囲の倍率のときの第二無彩色判定領域が示された状態を示す。 色空間座標を45度回転させて第二無彩色判定領域を示した色空間座標を示し、a)は、101%〜106%、119%〜124%、126%〜131%、144%〜149%の範囲の倍率のときの第二無彩色判定領域が示された状態を示し、(b)は、107%〜118%、132%〜143%の範囲の倍率のときの第二無彩色判定領域が示された状態を示す。
符号の説明
1 画像処理装置
2 スキャナ部
20 光源
21 Rラインセンサ
22 Gラインセンサ
23 Bラインセンサ
3 走査速度制御部
4 A/D変換部
5 読取データ蓄積メモリ
6 読取データ合成部
7 無彩色判定部
71 色空間変換部
72 無彩色判定領域設定部
73 第一無彩色判定領域
73a 矩形枠
74 第二無彩色判定領域
75 比較部
8 画像処理部
9 画像メモリ
10 印字装置
100 原稿

Claims (2)

  1. 異なる色成分に対応した複数のラインセンサが、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置をそれぞれ同時に読み取る画像処理装置において、
    設定される読取解像度に基づいて、上記読取位置の副走査方向への走査速度を制御する走査速度制御部と、
    上記ラインセンサから出力される各読取データのうち、色成分が異なる読取データを読取位置に基づいて合成してピクセルデータを生成する読取データ合成部と、
    上記ピクセルデータを第1及び第2の色度データにそれぞれ変換する色空間変換部と、
    上記ピクセルデータが無彩色か否かを判定する無彩色判定部とを備え、
    上記無彩色判定部は、
    上記第1及び第2の色度データを座標軸とする直交座標からなる色空間における上記ピクセルデータを無彩色判定領域と比較する比較部を有し、
    上記無彩色判定領域は、原稿上の無彩色のピクセルデータが分布する領域であって、上記色空間の座標原点を含み上記座標原点から互いに反対方向へそれぞれ伸びる細長い領域からなり、
    上記無彩色判定領域の長手方向の傾きを上記走査速度に基づいて異ならせたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 異なる色成分に対応した複数のラインセンサが、副走査方向に予め定められた間隔をおいて原稿上の異なる読取位置をそれぞれ同時に読み取る画像処理装置において、
    設定される読取解像度に基づいて、上記読取位置の副走査方向への走査速度を制御する走査速度制御部と、
    上記ラインセンサから出力される各読取データのうち、色成分が異なる読取データを読取位置に基づいて合成してピクセルデータを生成する読取データ合成部と、
    上記ピクセルデータを第1及び第2の色度データにそれぞれ変換する色空間変換部と、
    上記ピクセルデータが無彩色か否かを判定する無彩色判定部とを備え、
    上記無彩色判定部は、
    上記第1及び第2の色度データを座標軸とする直交座標からなる色空間における上記ピクセルデータを無彩色判定領域と比較する比較部を有し、
    上記無彩色判定領域は、原稿上の無彩色のピクセルデータが分布する領域であって、上記色空間の座標原点を含み、上記座標原点から互いに反対方向へそれぞれ伸びる細長い領域からなり、
    上記無彩色判定領域の長手方向の長さを上記走査速度に基づいて異ならせたことを特徴とする画像処理装置。
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