JP4517668B2 - 精プロパン−1−オール化合物の製造方法 - Google Patents

精プロパン−1−オール化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粗プロパン−1−オール化合物から精プロパン−1−オール化合物の結晶を製造する方法に関する。
従来、式(I)
Figure 0004517668
(式中、Rは、ハロゲン原子が結合していてもよいベンジル基、または、3,3−ジハロ−2−プロペニル基を表す。)
で示される化合物が農薬の中間体として有用であることは、特許文献1及び2に記載されている。同公報には、該化合物を主成分とする粗プロパン−1−オール化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して精プロパン−1−オール化合物を製造する方法も開示されている。しかしながら、この方法では大量に精プロパン−1−オール化合物を製造することは困難であった。
特開平8−337549号公報(公開日:平成8年12月24日) 特開平9−151172号公報(公開日:平成9年6月10日)
本発明の目的は、式(I)で表される化合物を主成分とする粗プロパン−1−オール化合物から精プロパン−1−オール化合物を大量かつ簡便に製造する方法及び該製造方法に好適な結晶化槽を提供することである。
本発明は、式(I)
Figure 0004517668
(式中、Rは、ハロゲン原子が結合していてもよいベンジル基、または、3,3−ジハロ−2−プロペニル基を表す。)
で示される化合物を主成分とする粗プロパン−1−オール化合物を融解又は良溶媒に溶解し、得られる液を貧溶媒と混合して、結晶を析出させる精プロパン−1−オール化合物の製造方法;及び
式(I)で示される化合物を主成分とする粗プロパン−1−オール化合物を融解又は良溶媒に溶解し、得られる液を貧溶媒と混合して、結晶を析出させる際に用いる精プロパン−1−オール化合物の結晶化槽であって、
該結晶化槽は、粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液の注入口と、攪拌翼とを具備し、
該結晶化槽の内径がT、攪拌の中心から該注入口までの距離がLであり、LとTとが下記式で表される精プロパン−1−オール化合物の結晶化槽である。
3/20≦L/T≦7/20
本発明によれば、純分が高い精プロパン−1−オール化合物を大量かつ簡便に製造することができる。
中でも、良溶媒として芳香族炭化水素、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒を用いると、精プロパン−1−オール化合物を一層、純分高く、一層大量に製造することができる。また、貧溶媒として、脂肪族炭化水素及び/又は脂環式炭化水素を用いると、精プロパン−1−オール化合物を一層、純分高く、一層大量に製造することができる。
粗プロパン−1−オール化合物を融解又は良溶媒に溶解して得られた液を貧溶媒とパドル翼で混合すると、純分が高い精プロパン−1−オール化合物を一層、大量かつ簡便に製造することができる。
また、本発明の結晶化槽を用いると、フラスコ、バッフル、攪拌軸などの結晶化槽の装置に精プロパン−1−オール化合物が付着する割合が著しく低減させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は式(I)で表される化合物を主成分とする粗プロパン−1−オール化合物を融解又は良溶媒に溶解し、得られた液を貧溶媒と混合し、結晶を析出させ、濾過して得られる精プロパン−1−オール化合物の製造方法である。中でも、得られた液に、さらに貧溶媒が存在することが好ましい。
ここで、式(I)中、Rは3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジブロモ−2−プロペニル基等の3,3−ジハロ−2−プロペニル基;ハロゲン原子が結合していてもよいベンジル基を表す。
ハロゲン原子が結合していてもよいベンジル基としては、例えば、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよいベンジル基が挙げられ、具体的には例えばベンジル基、4−クロロベンジル基等が挙げられる。
粗プロパン−1−オール化合物の純分は、通常、70%以上であり、好ましくは80〜99%程度である。70%以上であると、得られる精プロパン−1−オール化合物における純分の占める割合が向上し、精プロパン−1−オール化合物の得量が向上する傾向にあることから好ましい。
ここで純分とは、高速液体クロマトグラフィ(LC)を用いて内標準法によって、粗プロパン−1−オール化合物の不揮発分に対してプロパン−1−オール化合物(I)のみが占める重量百分率である。尚、不揮発分は、JIS K2410に準じて求めることができる。
粗プロパン−1−オール化合物の製造方法としては、前記特許文献1および2に記載の方法に準じて製造すればよく、具体的には、式(II)
Figure 0004517668
(式中、Rは、前記と同じ意味を示し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を示す。)
で示される化合物に、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機酸のアルカリ金属塩を反応させてアシル化反応させ、次いで、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いて加水分解する方法などが挙げられる。
本発明で用いられる貧溶媒とは、化合物(I)を分解することなく、かつ、化合物(I)を溶解し難い溶媒であり、具体的には、化合物の溶解度が5g(化合物(I))/100g(貧溶媒)以下、好ましくは1g(化合物(I))/100g(貧溶媒)程度の溶媒を用いる。
貧溶媒の具体例としては、ペンタン、3-メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2,2,4−トリメチルペンタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素などが挙げられる。
貧溶媒の炭素数は、通常、4〜12程度、好ましくは、5〜8程度である。貧溶媒として異なる2種類以上の溶媒を用いてもよい。
貧溶媒の使用量は、精プロパン−1−オール化合物の結晶が分散し得るのに十分な量であればよく、好ましくは、粗プロパン−1−オール化合物に含まれるプロパン−1−オール化合物の純分に対して、100〜3000%程度である。
粗プロパン−1−オール化合物は、粗プロパン−1−オール化合物を融解して溶液としてもよいが、粗プロパン−1−オール化合物を良溶媒に溶解する方法が好適である。
本発明で用いられる良溶媒とは、化合物を分解することなく化合物を溶解し得る溶媒であり、化合物の溶解度が10g(化合物)/100g(良溶媒)以上、好ましくは30g(化合物)/100g(良溶媒)以上の溶媒を用いる。
良溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素;1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン等のケトン系化合物等が挙げられる。
良溶媒として異なる2種類以上の溶媒を用いてもよい。
良溶媒の使用量は、粗プロパン−1−オール化合物のほとんどが溶解する量であり、中でも精プロパン−1−オール化合物の得量を増加させるため、少ない量であることが好ましい。具体的には、粗プロパン−1−オール化合物における化合物(I)の重量に対し、良溶媒は0.1〜40重量倍程度であり、好ましくは0.1〜10重量倍程度である。
本発明の製造方法について図1を用いて具体的に説明すると、結晶化槽101は、回転モータ104からの駆動力が攪拌軸103を介して伝達される攪拌翼102と、滴下槽107から流量調整バルブ109を介して粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液202を滴下する注入口108と、結晶と溶媒とからなるスラリーを抜き出すための抜き出し口110と、ジャケット106を具備する。
結晶化槽101を窒素などの不活性ガスで置換したのち、101の内部に貧溶媒を仕込み、続いて、108から粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた溶液202を30分から24時間かけて混合させる。
ここで、結晶化槽には、攪拌翼102による攪拌方向に対して邪魔板として作用するバッフル105があってもよい。バッフル(邪魔板)とは、結晶化槽内の溶媒および結晶からなるスラリー201を十分に攪拌させるために、201の周方向流れを妨げ、上下流を発生させるものであり、結晶化槽の内径(T)に対して1〜20%の幅を有するバッフルが1〜4本程度設置されていることが好ましい。
貧溶媒と、粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた溶液202とからなるスラリー201は、ジャケット106によって、−30〜60℃程度、好ましくは−20〜30℃程度、更に好ましくは−10〜10℃程度に保温される。60℃以下であると精プロパン−1−オール化合物の得量が向上する傾向にあることから好ましく、−30℃以上であると、精プロパン−1−オール化合物における純分が向上する傾向にあることから好ましい。
用いられる攪拌翼102の翼形状としては、例えば、ピッチドパドル翼、フラットパドル翼、ピッチドタービン翼、フラットタービン翼、プロペラ翼などの低粘度液の乱流攪拌用攪拌翼が、バッフル、結晶化槽の内壁、攪拌機の攪拌軸及び攪拌翼等への結晶の付着を抑制する傾向にあることから好適に用いられる。
さらに好ましい翼形状としては、ピッチドパドル翼が挙げられる。ピッチドパドル翼の直径(D)と結晶化槽の内径(T)との比は、通常、D/T=3/10〜6/10である。また、ピッチドパドル翼の傾斜角度としては、通常、40°〜60°程度であり、ピッチドパドル翼の翼の段数は、通常、1〜3段程度であり、ピッチドパドル翼の翼の枚数は、通常、1段あたり2〜4枚程度である。
攪拌動力は、貧溶媒の単位体積当たり、通常、10〜2000W/m程度であり、好ましくは、50〜1500W/m程度である。
攪拌翼の回転方向は、攪拌槽底部への結晶の沈降を防ぐため、結晶化槽内の溶液が、攪拌軸の下方向の吐出となる方が好ましい。
攪拌翼102の底部と結晶化槽101の底部との間隔(クリアランス、C)は、通常、結晶化槽の内径(T)に対し、10〜50%程度である。
攪拌軸103には、結晶化槽の排出口110から、結晶の排出を助ける為の補助的な攪拌翼が設置されていてもよい(図1には図示せず)。
結晶化槽における注入口108の設置位置を攪拌翼の設置位置からの距離Lと結晶化槽の内径Tを用いて表すと、
3/20≦L/T≦7/20 (II)
と表すことができる円周上の位置に設置することが好ましく、とりわけ、L/Tが4/20〜6/20の範囲であることから好ましい。L/Tが上記範囲であると、結晶化槽の内壁、攪拌翼、バッフル等への結晶の付着を抑制する傾向にあることから好ましい。
図1では注入口を1本の管で表記しているが、複数の管であっても、粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた溶液を滴下し得る孔を有する円周状の管であってもよい。
粗プロパン−1−オール化合物を良溶媒に溶解して得られた液を貧溶媒に混合する前に、貧溶媒に予め、化合物(I)を含む結晶、通常は精プロパン−1−オール化合物をそのまま、種晶として混合させてもよい。種晶の添加量は、粗プロパン−1−オール化合物に含まれる化合物(I)100重量部に対して、0.1〜10重量部程度、好ましくは0.1〜0.5重量部程度である。
粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液202を全て混合したスラリー201は、さらに、−30〜60℃程度、好ましくは−20〜30℃程度、更に好ましくは−10〜10℃程度に保温しながら、さらに、30分から24時間程度攪拌する。
かくして精プロパン−1−オール化合物が結晶として得られ、排出口(5)から、濾過器、遠心分離器などの固液分離装置に移送されて、精プロパン−1−オール化合物を得ることができる。
精プロパン−1−オール化合物における純分は、通常、90%以上であり、好ましくは94%以上である。ここで純分は前記の粗プロパン−1−オール化合物における純分と同様にして求めることができる。
精プロパン−1−オール化合物は、必要に応じて、さらに貧溶媒での洗浄及び又は乾燥してもよい。
固液分離して得られる貧溶媒と良溶媒の混合液は、精留等を実施し、新たに良溶媒と貧溶媒に分離して、再利用に供することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(純分の測定法)
本実施例の粗プロパン−1−オール化合物または精プロパン−1−オール化合物におけるプロパン−1−オール化合物(I)の純分、すなわち、本実施例の粗プロパン−1−オール化合物または精プロパン−1−オール化合物における3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの占める重量百分率は、粗プロパン−1−オール化合物または精プロパン−1−オール化合物をトルエンで溶解した試料を下記条件で測定し、内標準法によって求めた値である。
内標準物質:安息香酸イソアミル
検出:紫外吸収(290nm)
カラム:L-カラム(化学品検査協会製)
移動相:水/アセトニトリルの混合溶媒
移動相流速:1.0ml/分
(実験例1)
45°ピッチドパドル翼(2枚、2段、翼の長さ:D=50mm、D/T=0.44、クリアランス:C=25mm)、パイプ状バッフル(バッフル幅:6mm)1本及び冷却装置を備えた内径(T)114mmのセパラブルフラスコ(結晶化槽)に、ノルマルヘプタン367gを仕込んだ。0℃までノルマルヘプタンを冷却した後、3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの結晶(純分96%)0.29gを仕込んだ。586回転/分(貧溶媒単位体積当たりの攪拌動力の計算値は200W/m程度)で攪拌しながら、前記特許文献1の中間体製造例10に記載の方法に準じて得られた粗プロパン−1−オール化合物(3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの純分92%を含む)74.45gをトルエンに溶解した溶液210.57gを5時間かけて結晶化槽に滴下した。この際、結晶化槽内のスラリーは約0〜2℃に保持された。また、粗プロパン−1−オール化合物の滴下位置は、結晶化槽の中心から結晶化槽の内径の3/10の円周上(L/T=3/10)の位置であった。滴下終了後、さらに同温度程度で1時間保温し、スラリーを取り出し、濾過し、結晶を含むケークとろ液とに分離した。結晶を含むケークを、減圧乾燥し、精プロパン−1−オール化合物64.41gを得た。精プロパン−1−オール化合物における3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの純分は、95.7%であった(回収率89.4%)。
実験終了後、フラスコを解体しても、フラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶はほとんど見あたらなかった。
(実験例2)
45°ピッチドパドル翼(4枚、1段、翼の長さ:D=55mm、D/T=0.48、クリアランス:C=28mm)、板状のバッフル(バッフル幅:11mm)4枚及び冷却装置を備えた内径(T)114mmの1Lセパラブルフラスコ(結晶化槽)にノルマルヘキサン451gを仕込み、0℃まで冷却した。これに3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの結晶(純分96%)0.32gを仕込んだ。339回転/分(貧溶媒単位体積当たりの攪拌動力の計算値は130W/m程度))で攪拌しながら、前記特許文献1の中間体製造例10に記載の方法に準じて得られた粗プロパン−1−オール化合物(3−[2,6―ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの純分91%を含む)91.7gをトルエンに溶解した溶液191.12gを5時間かけて結晶化槽に滴下した。 この際、結晶化槽内のスラリーは約0〜2℃に保持された。また、粗プロパン−1−オール化合物の滴下位置は、フラスコの中心からフラスコの内径の1/4の円周上(L/T=1/4)の位置であった。滴下終了後、さらに同温度程度で1時間保温し、スラリーを取り出し、析出した結晶を濾過し、乾燥して、実験例1と同等程度の純分の精プロパン−1−オール化合物を得た。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥した。付着した精プロパン−1−オール化合物量3.41g(回収率として4.1%)であった。尚、攪拌軸への付着はほとんど確認されなかった。
(実験例3)
実験例2と同様の実験装置に同様の仕込み量、実験条件にて、滴下位置のみフラスコの中心からフラスコの内径の4/10の円周上(L/T=4/10)の点と変えて実験を実施した。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥して、実験例1と同等程度の純分の精プロパン−1−オール化合物を得た。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ及びバッフルへ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥した。付着した精プロパン−1−オール化合物量は20.73g(回収率として24.9%)であった。尚、攪拌軸への付着はほとんど確認されなかった。
(実験例4)
実験例2と同様の実験装置に同様の仕込み量、実験条件にて、滴下位置のみフラスコの中心からフラスコの内径の7/20の円周上(L/T=7/20)の点と変えて実験を実施した。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥して、実験例1と同等程度の純分の精プロパン−1−オール化合物79.1gを得た。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥した。付着した精プロパン−1−オール化合物量は4.05g(回収率として4.9%)であった。尚、攪拌軸への付着はほとんど確認されなかった。
(実験例5)
実験例2と同様の実験装置に同様の仕込み量、実験条件にて、滴下位置のみフラスコの中心からフラスコの内径の13/100の円周上(L/T=13/100)の点と変えて実験を実施した。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥して、実験例1と同等程度の純分の精プロパン−1−オール化合物を得た。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥した。付着した精プロパン−1−オール化合物量は3.23g(回収率として3.9%)であった。しかし、攪拌軸に結晶がドーナツ状の塊となって付着し、その塊の幅は、軸径の0.62倍にもなった。
(実験例6)
実験例2と同様の実験装置に同様の仕込み量、実験条件にて、滴下位置のみフラスコの中心からフラスコの内径の3/20の円周上(L/T=3/20)の点と変えて実験を実施した。実験終了後、フラスコを解体してフラスコ、バッフル及び攪拌軸へ付着した結晶をスパチュラでかき取り出し、乾燥して、実験例1と同等程度の純分の精プロパン−1−オール化合物を得た。付着した精プロパン−1−オール化合物量は2.21g(回収率として2.6%)であった。また、攪拌軸に結晶がドーナツ状の塊となって付着したが、その塊の幅は、軸径の0.25倍であった。
本発明は、式(I)で表されるプロパン−1−オール化合物の結晶を製造する方法及び該化合物(I)の結晶化の装置に好適である。
本発明の製造方法に用いられる結晶化槽である。
符号の説明
101:結晶化槽
102:攪拌翼(ピッチドパドル翼)
103:攪拌軸
104:回転モーター
105:邪魔板
106:ジャケット
107:滴下槽
108:粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液の
注入口
109:粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液の
滴下速度調整バルブ
110:排出口
201:貧溶媒またはスラリー
202:粗プロパン−1−オール化合物を融解又は溶解して得られた液
T:結晶化槽101の内径
D:攪拌翼102の内径
L:結晶化槽の中心線と注入口108との距離
C:クリアランス(攪拌翼102の底部と結晶化槽101底部との間隔)

Claims (5)

  1. 式(I)
    Figure 0004517668
    (式中、Rは、ハロゲン原子が結合していてもよいベンジル基、または、3,3−ジハロ−2−プロペニル基を表す。)
    で示される化合物を70重量%以上含有する粗プロパン−1−オール化合物を、芳香族炭化水素、アルコール溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒及びケトン溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一種の良溶媒に溶解し、得られる液を結晶化槽にて、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも一種の貧溶媒と混合して、結晶を析出させる精プロパン−1−オール化合物の製造方法であり、
    該結晶化槽は、注入口と攪拌翼とを具備し、該結晶化槽の内径がT、攪拌の中心から該注入口までの距離がLであり、LとTとは下記式
    3/20≦L/T≦7/20
    を充足する結晶化槽であり、該結晶化槽に仕込まれた貧溶媒に、
    粗プロパン−1−オール化合物を良溶媒に溶解して得られた液を該注入口から滴下することを特徴とする精プロパン−1−オール化合物の製造方法。
  2. 該結晶化槽における攪拌翼の攪拌動力が、貧溶媒の単位体積当たり、10〜2000W/m であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 粗プロパン−1−オール化合物を良溶媒に溶解して得られた液を貧溶媒とパドル翼で混合する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 該結晶化槽が、バッフルを具備する結晶化槽であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. LとTとが下記式で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
    4/20≦L/T≦7/20
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