JP4517514B2 - 内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気又は排気バルブの開閉作動タイミングを可変とする油圧作動式可変バルブタイミング機構への給油装置に関し、特に、シリンダヘッド上のカム軸受部の近傍に油圧制御弁を配設するときの該油圧制御弁の配置構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の給油装置における油圧制御弁の配置構造として、例えば、特開平9−236002号公報に開示されるように、DOHC型エンジンの吸気側カム軸の前端部に可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing:以下、単にVVTともいう)を取り付けたものにおいて、このエンジンのシリンダヘッド前端の仕切壁とその付近の複数のカム軸受部のキャップ部とを一体として、大型のカムキャップユニットを構成し、このカムキャップユニットに対して油圧制御弁をシリンダヘッドの左右方向に寝かせて取り付けたものが知られている。このものでは、複数のキャップ部と仕切壁とを一体構造とすることで、部品点数の削減が図られるとともに、大型のカムキャップユニットによりシリンダヘッドの前端部が補強されて、この部分の剛性が高められる。
【0003】
また、特開平11−148426号公報に開示される内燃機関のシリンダヘッド構造では、DOHC型エンジンの吸気側及び排気側カム軸の各前端部にそれぞれVVTを取り付けたものにおいて、シリンダヘッドの前端壁部の上側部分を別体のブロック部材により構成し、このブロック部材の上部に吸気側及び排気側カム軸の1番ジャーナル受け部(各カム軸の最前位置にある1番ジャーナル部を受ける軸受部)を並べて設けるとともに、該ブロック部材に上下方向に長い収容孔を設けて、油圧制御弁を上下に立てて配置するようにしている。そして、前記ブロック部材を、平面視で、シリンダヘッドのヘッドボルト貫通孔にオーバーラップするように配置することにより、VVTのシリンダヘッド前方へのオーバーハングを減少させて、エンジン長さの短縮を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、エンジンの製造工程においてシリンダヘッド上にカム軸受部を設けるときには、まず、予めシリンダヘッド上に複数のヘッド側軸受構成部を形成しておき、該ヘッド側軸受構成部にそれぞれカムキャップの構成部材を取り付けて、締結ボルトにより規定トルクで締結する。そして、それらを1本のドリルによって一度に穿孔して、カム軸の複数のジャーナル部に対応する複数のジャーナル受け部を一度に形成するようにしている。
【0005】
しかし、上述した従来例の如き構造を有するエンジンの場合、前記の一般的なカム軸受部の製造方法を適用することが結果的に工数の増大を招き、コストアップの要因となっている。すなわち、前記前者の従来例(特開平9−236002号)では、大型のカムキャップユニットがシリンダヘッド前端部のヘッドボルト貫通孔を覆うという構造になっており、また、後者の従来例(特開平11−148426号)では、シリンダヘッド前端部のブロック部材がヘッドボルト貫通孔にオーバーラップしているので、両者は、いずれもシリンダヘッド上にカム軸受部を設けた後に、該シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付ける前に、一旦、カムキャップ部材やブロック部材を取り外さなくてはならず、このことが無用の工数増大を招くものである。
【0006】
しかも、前記前者の従来例の場合、カムキャップユニット自体がかなり大型になる上に、このユニットに対して油圧制御弁をシリンダヘッドの左右方向に寝かせて取り付けていることから、シリンダヘッドの前端部の寸法が大きくなり易く、パワープラントのコンパクト化という近年の要請に反するという問題がある。
【0007】
一方、前記後者の従来例の場合は、シリンダヘッド上に別体のブロック部材とカムキャップ部材とを取り付ける構造なので、部品点数が増大することは避けられず、さらに、一般的に1番ジャーナル受部にはカム軸を上下にこじるような力が加わるものなので、この1番ジャーナル受け部をシリンダヘッドと別体のブロック部材上に設けるという構造では、荷重に対して十分な剛性を確保することが難しく、信頼性の低下を招くという問題もある。
【0008】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の吸気側又は排気側カム軸の少なくとも一方に可変バルブタイミング機構(VVT)を取り付けるとともに、そのカム軸を支持する軸受部の近傍に油圧制御弁を配置する構造において、該軸受部のキャップ部材や油圧制御弁の配置に工夫を凝らして、エンジンの前後ないし左右方向の寸法増大を防止しつつ、カムキャップ部材とヘッドボルトとの干渉を生じないようにして、生産性の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、カム軸軸受部のキャップ部材をシリンダヘッド上のヘッドボルト貫通孔に近接しかつ干渉しないように配置するとともに、このキャップ部材に油圧制御弁の収容孔を設けて、該油圧制御弁をシリンダヘッドの左右方向について内方の位置において立てて収容するようにした。
【0010】
具体的に、請求項1の発明では、内燃機関のシリンダヘッドに、気筒列方向である前後方向に延びるように配設され、それぞれクランク軸と同期回転して吸気及び排気バルブを開閉作動させる2本のカム軸と、該2本のカム軸のうちの少なくとも一方に取り付けられて、該カム軸のクランク軸に対する回転位相を可変とする油圧作動式の可変バルブタイミング機構とを備え、この可変バルブタイミング機構の取り付けられた一方のカム軸を支持する軸受部の近傍に油圧制御弁を配設するとともに、この軸受部ないしカム軸の内部に油路を形成して、前記油圧制御弁から可変バルブタイミング機構に作動油を供給するように構成した可変バルブタイミング機構への給油装置を前提とする。
【0011】
このものにおいて、前記軸受部に対し左右方向に隣り合うように、他方のカム軸を支持する別の軸受部が並設され、該2つの軸受部がそれぞれシリンダヘッドに設けられたヘッド側軸受部及びこれとは別体のカムキャップ部からなり、かつその2つのカムキャップ部が中間連結部により連結されて、前記2つのヘッド側軸受部に亘って取り付けられた一体型のキャップ部材とされているものとする。
【0012】
そして、前記ヘッド側軸受部をシリンダヘッドの前端壁部の上部に形成し、該前端壁部とその後方の気筒の点火プラグボス部との間には両者を連結する連結壁部を形成するとともに、前記前端壁部の後方に隣接してシリンダヘッドの上下方向の中間にあるミドルデッキ上に、ヘッドボルトの挿通される左右一対のヘッドボルト貫通孔が開口しているものとし、一方、前記キャップ部材は、平面視で、前記一対のヘッドボルト貫通孔と干渉せずにその前方に隣接するように前記ヘッド側軸受部上に配置し、各カムキャップ部の左右両側に形成した4つの締結ボルト貫通孔にそれぞれ挿通させた締結ボルトによって、シリンダヘッドに締結する。
【0013】
また、該キャップ部材の中間連結部に、左右のカムキャップ部よりも後方に膨出しつつも、平面視で、前記一対のヘッドボルト貫通孔と干渉せずにそれらの中間に挟まれるように位置し、かつ該中間連結部を上下方向に貫通して内部に前記油圧制御弁を収容する制御弁収容孔と、該制御弁収容孔から少なくとも一方のカムキャップ部に至る、前記油圧制御弁よりも下流側の制御弁下流側油路と、を設ける。
【0014】
その上で、前記制御弁収容孔を、シリンダヘッドの前後方向から見て、前記4つの締結ボルト貫通孔のうちの中央寄りの2つの中間に配置するとともに、平面視では、該2つの締結ボルト貫通孔よりも後方に配置し、かつシリンダヘッドの前記連結壁部の左右、少なくとも一側に配置して、該制御弁収容孔に収容した油圧制御弁の下端部を該制御弁収容孔の下端部よりも下方に突出させ、シリンダヘッドのミドルデッキ上方の空間に位置づけた構成とする。
【0015】
前記の構成により、まず、内燃機関のシリンダヘッド上に左右方向に並設された2つのヘッド側軸受部に亘って、一体型のキャップ部材が取り付けられることによって、吸気側及び排気側の2本のカム軸をそれぞれ支持する2つの軸受部が構成される。この際、前記キャップ部材が、シリンダヘッドの左右方向に延びていて、平面視で、ヘッドボルト貫通孔に対してシリンダヘッドの前方に隣接するように、即ち該ヘッドボルト貫通孔にできるだけ近接しかつ干渉しないように配置されているので、シリンダヘッドの前後長の増大が抑制されるとともに、該キャップ部材を取り外さなくても、ヘッドボルトを締め付けて、シリンダヘッドをシリンダブロックに締結することができるようになり、このことで、上述した従来例の如き構造のエンジンに比べて、生産性が大きく向上する。
【0016】
また、前記キャップ部材の中間連結部に、平面視で、前記一対のヘッドボルト貫通孔の中間に挟まれるように位置しかつ該中間連結部を上下方向に貫通するように制御弁収容孔が設けられていて、この制御弁収容孔に油圧制御弁が収容されるので、該油圧制御弁はシリンダヘッドの左右方向についてヘッドボルト貫通孔よりも内方の位置において上下方向に立てて配置されることになり、このことで、エンジンの前後ないし左右方向寸法の増大を防止できる。
【0017】
また、前記制御弁収容孔が、シリンダヘッドの前後方向から見て、左右方向の中央寄りの2つの締結ボルト貫通孔の中間、即ちシリンダヘッドの中央付近に位置することになるから、油圧制御弁をシリンダヘッドの中央付近にコンパクトに配置することができる。
【0018】
さらに、シリンダヘッドの前端壁部とこれに近い気筒の点火プラグボス部との間に設けられた連結壁部により、該前端壁部の剛性が高められる。また、その前端壁部の上部から連結壁部の上部に亘ってキャップ部材が配置されるようになっているので、ヘッド側軸受部とキャップ部材との結合剛性が高められ、軸受部の信頼性が向上する。
【0019】
その上さらに、前記中間連結部の制御弁収容孔に油圧制御弁を収容したとき、該油圧制御弁の下端部が制御弁収容孔の下端部よりも下方に突出するように位置づけられる。つまり、油圧制御弁を、シリンダヘッド前端壁部に近接するようにキャップ部材の制御弁収容孔に立てて収容しながら、かつ、該油圧制御弁を相対的に下方に位置づけて、その上方への突出量を少なくすることができ、このことによって、エンジンの上下方向寸法の増大も抑制できる。
【0020】
請求項2の発明では、前記キャップ部材の中間連結部に、シリンダヘッドの前後方向から見て、前記中央寄りの2つの締結ボルト貫通孔の中間において上下方向に延びるように、油圧制御弁よりも上流側の制御弁上流側油路を形成するとともに、この制御弁上流側油路を前記制御弁収容孔の上下方向の中間部に連通させる連通路も形成した。
【0021】
この構成では、油圧制御弁に作動油を供給する上流側の油路もシリンダヘッドの幅方向中央付近に位置するので、この油路から油圧制御弁を介してシリンダヘッドの吸気側ないし排気側に作動油を供給する油路を簡単な構成とすることができる。また、制御弁収容孔や油路等がキャップ部材に集中的に形成されているので、このキャップ部材の仕様を変更するだけで、可変バルブタイミング機構に関するエンジンの仕様変更に対応できるようになり、このことで、エンジン部品の共通化による大幅なコスト低減が可能となる。
【0022】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、キャップ部材の中間連結部の下部にシリンダヘッドの前端壁部ないし連結壁部との接合面を形成し、この接合面に制御弁上流側油路の下端部を開口させる一方、シリンダヘッドの前端壁部の上部から前記連結壁部の上部に亘って、前記中間連結部の接合面と接合されるヘッド側接合面を形成するとともに、このヘッド側接合面において前記制御弁上流側油路の下端開口部に連通するようにヘッド側油路を形成した。
【0023】
この構成によれば、シリンダヘッド内のヘッド側油路を流通した作動油は、該シリンダヘッドとキャップ部材との接合部分においてキャップ部材内の制御弁上流側油路に流入し、この制御弁上流側油路と連通路とによって制御弁収容孔に導かれるようになる。つまり、該制御弁収容孔に収容された油圧制御弁に作動油を確実に供給できる。
【0024】
しかも、シリンダヘッドの前端壁部の上部から連結壁部の上部に亘ってヘッド側接合面が形成され、そこにキャップ部材が配置されて結合剛性が高められており、そのように剛性の高いところで、キャップ部材内の制御弁上流側油路とヘッド側油路とが連通されているので、オイル漏れの低減が図られる。
【0025】
請求項5の発明では、キャップ部材の中間連結部に、シリンダヘッドの前後方向から見て、左右のカムキャップ部の間に挟まれるように2つの制御弁収容孔を設けるとともに、該2つの制御弁収容孔からそれぞれ近い方のカムキャップ部に至るように制御弁下流側油路を個別に設ける構成とする。
【0026】
この構成によれば、エンジンの吸気側及び排気側カム軸の両方に可変バルブタイミング機構を設けて、それぞれに供給する作動油圧を2つの油圧制御弁で調整するようにしたものにおいて、該2つの油圧制御弁をいずれもシリンダヘッドの内方にコンパクトに配置することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
(エンジン全体構成)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るエンジン1(内燃機関)の外観を示し、このエンジン1は、クランク軸2の軸線X方向に第1〜第4の4つのシリンダs1〜s4(気筒:図5参照)が直線的に並ぶように設けられた直列4気筒ガソリンエンジンである。このエンジン1は、アルミニウム合金製のシリンダブロック3の上部に、同じくアルミニウム合金製のシリンダヘッド4が組み付けられて、エンジン本体が構成されており、該シリンダヘッド4の上部にシリンダヘッドカバー5が組み付けられる一方、シリンダブロック3の下部にはオイルパン6が組み付けられている。
【0028】
また、前記シリンダブロック3及びシリンダヘッド4からなるエンジン本体の前端部(図2の左側の端部)には、図6や図11にも示すように、シリンダブロック3の下端からシリンダヘッド4の上端に亘ってチェーンケース7が組み付けられている。このチェーンケース7は、その上側略1/4くらいの部分がシリンダヘッド4に、また、残りの下側の部分がシリンダブロック3にそれぞれ取り付けられて、エンジン本体の前端部にタイミングチェーンを収容する空間部を形成している。さらに、前記チェーンケース7の上側部分の前面には、図示しないエンジンマウント部材の取り付けられるマウント部材取付部7aが一体に形成されている。
【0029】
そして、このエンジン1は、前記4つのシリンダの並ぶシリンダ列方向、即ちクランク軸2の延びる方向が、図示しない車両の車幅方向に概略一致するよう、該車両のエンジンルームに横置きに搭載されるものである。すなわち、前記図1における左側が車両の前側に、また右側が車両の後側にそれぞれ対応し、図2においては左側が車両の右側に、また図の右側が車両の左側にそれぞれ対応している。
【0030】
尚、この明細書では、前記シリンダブロック3及びシリンダヘッド4の長手方向、即ちクランク軸2の軸線Xの方向をエンジン前後方向とし、このクランク軸2の出力端側(図2の右側、図1の紙面手前側)をエンジン1の後側と呼ぶ一方、その反対側(図2の左側、図1の紙面奥側)をエンジン1の前側と呼ぶ。また、図1に示すようにエンジン1の後側から前側を見て、右側をエンジン1の右側と呼び、その反対側をエンジン1の左側と呼ぶものとする。
【0031】
前記図1及び図2に示すように、エンジン1の左側面における略中央部には、各シリンダs1,s2,…内の燃焼室へ空気を供給するための樹脂製吸気マニホルド8が配設され、また、図2にのみ示すが、エンジン前側の部位にはそれぞれVリブドベルト9により駆動されるパワステポンプ10、ウォータポンプ11等の補記類が配置される一方、エンジン後側の部位にはスタータモータ12やオイルフィルタ13が配置されている。さらに、このエンジン左側面におけるエンジン前側の部位には、シリンダブロック3の上端部近傍において外方に膨出するようにサーモスタットハウジング14が設けられており、このサーモスタットハウジング14の蓋部に一体的に設けられた冷却水導入管15には、図示しないが、ウォータホースが接続されて、車両のラジエータから供給される冷却水をシリンダブロック3内のウォータジャケットに導入するようになっている。
【0032】
尚、そのようにしてシリンダブロック3内のウォータジャケットに導入された冷却水は、さらにシリンダヘッド4内のウォータジャケットw(図8参照)に流通し、その後、該シリンダヘッド4の後端部に設けられた冷却水導出部16から排出されて、図示しないウォータホースにより車両のラジエータに戻されるようになっている。
【0033】
前記吸気マニホルド8は、大きく湾曲する4本の分岐管18,18,…を有し、これらの分岐管18,18,…の各下流端部に亘るように設けられた取付フランジ部(図示せず)がシリンダヘッド4の吸気側側壁部4aに取り付けられる一方、該4本の分岐管18,18,…の各上流端部がサージタンク19に集合していて、そこからエンジン後側の斜め上方に向かって直線的に延びる共通吸気管20が設けられている。該共通吸気管20の上流端部には、図外のエアフィルタを介して吸入される空気の流通量を調整するためのスロットル弁21が配設されているとともに、該スロットル弁21の弁体21aをバイパスする吸気の流通量を調節するために、電磁弁からなるアイドルスピードコントロール弁22が配設されている。
【0034】
また、前記吸気マニホルド8の分岐管18,18,…の上方に近接して、図1にのみ示すが、各分岐管18,18,…に略直交するようにエンジン前後方向に延びるフューエルディスパイプ23が配設されている。このフューエルディスパイプ23のエンジン後側の端部には図示しない燃料供給ホースが接続されていて、この燃料供給ホースにより図外の燃料ポンプから送給される高圧の燃料がフューエルディスパイプ23を介して、各シリンダs1〜s4毎のインジェクタに分配供給されるようになっている。また、このフューエルディスパイプ23内の燃料の圧力状態を検出するための燃圧センサ24と、設定圧以上となった高圧の燃料を逃がして、燃料タンクに戻すためのリリーフ弁25とが配設されている。
【0035】
一方、エンジン1の本体右側には、図示しないが、各シリンダs1〜s4内の燃焼室から既燃ガスを排出させる排気マニホルドが取り付けられており、この排気マニホルドの下流端部にはパイプ部材からなる排気管が接続され、この排気管の下流端側が車体のフロア下まで延びていて、そこに排気浄化用の触媒が接続されるようになっている。
【0036】
また、図1に示すように、前記エンジン本体の後端部における冷却水導出部16の上方に近接して、各シリンダs1,s2,…毎の点火プラグ26,26,…に対して高圧電流を供給する点火コイルユニット27が配置され、さらに、該冷却水導出部16に隣接して、吸気系への排気の還流量を制御するためのEGR弁28(Exhaust Gas Recirculation valve)が配置されている。すなわち、図示しないが、シリンダヘッド4の内部にはその後端部付近において排気マニホルドから吸気マニホルド8に至るようにEGR通路が形成されており、EGR弁28は、該EGR通路の途中に介在されて、この通路を流通する排気の流通量を調節するようになっている。
【0037】
尚、図1における符号29は、クランク軸2の出力端部に締結固定されるとともに、図外のオートマチックトランスミッション(AT)のトルクコンバータに締結されて、エンジン1の出力をATに伝達するドライブプレートである。
【0038】
(シリンダブロックの構造)
次に、前記シリンダブロック3の構成について、図3〜5に基づいて説明する。尚、図3及び図4は、吸気マニホルド8やウォータポンプ11等の補機類を全て取り除いた状態で、それぞれシリンダブロック3の吸気側側壁部3a及び前端壁部3bを示すものである。また、図5は、シリンダブロック3の水平断面構造を示す前記図4のA−A線断面図である。
【0039】
前記図3に示すように、シリンダブロック3の吸気側側壁部3aには、その前端部の上端部近傍においてエンジン1外方に向かって膨出するように、ウォータポンプ11を収容するウォータポンプ収容部30が設けられ、さらに、このウォータポンプ収容部30の後側に連続するように、前記したサーモスタットハウジング14が設けられている。一方、前記吸気側側壁部3aの後端側の下端部近傍にはオイルフィルタ13の取付台座部31が設けられている。
【0040】
また、シリンダブロック3の前端壁部3bには、図4に示すように、左右両側でエンジン前方に突出する突出壁部32,32が設けられている。この突出壁部32,32は、それぞれ、シリンダブロック前端壁部3bの左右両側の端部に沿うように上端部から下端部に亘って設けられており、この各突出壁部32,32に対しては前記チェーンケース7の下側部分の左右両側部分がそれぞれ締結されるようになっている。また、該突出壁部32,32のうちの吸気側のものにはウォータポンプ収容部30内に連通する円形の開口部が形成されており、さらにその下方には、該突出壁部32の内側にオイルポンプ33を収容する収容空間が形成されている。
【0041】
前記図4において明らかなように、このシリンダブロック3は、吸気側側壁部3a及び排気側側壁部の各下側部分がそれぞれクランク軸2(この図には示さない)の軸線Xよりも下方まで延びているディープスカートタイプのものであり、それらの両スカート部に囲まれた部分がクランク軸2を収容するクランク室34とされている。このクランク室34には、クランク軸2を回転可能に支持する主軸受部35と軸受キャップ36とが設けられ、該主軸受部35はシリンダブロック3に形成される一方、軸受キャップ36はボルト37,37により前記主軸受部35に対して締結されるようになっている。尚、図4における符号38,38は、シリンダブロック3にシリンダヘッド4を締結するためのヘッドボルト孔である。
【0042】
次に、シリンダブロック3におけるオイル通路の構造について説明する。
【0043】
前記図3〜5に示すように、シリンダブロック3の吸気側側壁部3aにおける上下方向の中間部には、シリンダブロック3の前端部から後端部に亘って直線的に延びるようにメインギャラリ39が形成されるとともに、オイルポンプ33から吐出されるエンジンオイルをオイルフィルタ13に導く第1供給路40と、このオイルフィルタ13により濾過されたエンジンオイルを前記メインギャラリ39に導く第2供給路41とが形成されている。
【0044】
詳しくは、前記第1供給路40の上流端部は、オイルポンプ33の吐出孔と連通する一方、下流端部は、オイルフィルタ13の取付台座部31に開口して、オイルフィルタ13のオイル取入孔に連通している。また、前記第2供給路の上流端部も前記取付台座部31に開口して、オイルフィルタ13のオイル吐出孔と連通する一方、下流端部は、図5にも示すようにメインギャラリ39に連通している。該メインギャラリ39は、前端部及び後端部がそれぞれプラグ39a,39bにより閉止される一方、シリンダブロック3の前端壁部3bに対応する前端側の部分に、第3供給路42が分岐接続されている。
【0045】
前記第3供給路42は、図4にも示すように、シリンダブロック3の吸気側側壁部4aからドリル等により穿孔されて、前端壁部3bの内部においてエンジン1の左右方向に延びており、その上流端部がプラグにより閉止される一方、下流端部はオイル溜まり43に開口して、図示しない油圧式チェーンテンショナに接続されるようになっている。また、この第3供給路42の中間部には、後述の如くチェーンケース7の内部に形成された油路へオイルを供給するための連通路44が分岐接続されている。
【0046】
(シリンダヘッドの構造)
次に、シリンダヘッド4の構成について、図6〜10を参照しながら説明する。尚、図6は、シリンダヘッド4の左側前方からの斜視図であり、同図ではタイミングチェーン及び一部のカムキャップを省略して示している。また、図7は、吸気及び排気バルブやカム軸等を全て取り除いた状態で、シリンダヘッド4の前端側の部分を平面視で、即ちシリンダ軸線zに沿って上方から見たものである。さらに、図8は、エンジン前側からシリンダヘッド4の前端壁部4bを見たものであり、図9は、図8の上面図である。また、図10は、シリンダヘッド4前端部の左右方向略中央部における垂直断面構造を示す前記図7のB−B線断面図である。
【0047】
前記図6,7に示すように、シリンダヘッド4には上下方向の略中央部付近にミドルデッキ4cが形成されていて、このミドルデッキ4cの上部には吸気及び排気カム軸47,48等が配設される一方、該ミドルデッキ4cの下方には、図10にのみ示すが、各シリンダs1,s2,…毎の燃焼室天井部を囲むようにウォータジャケットwが形成されている。また、各シリンダs1,s2,…毎に、点火プラグ26が収容されるプラグ孔45,45,…がシリンダ軸線zに沿うように設けられるとともに、この各プラグ孔45の吸気側及び排気側にそれぞれ吸気及び排気バルブを配設するための配設孔46,46,…が2つずつ設けられている。
【0048】
そして、図示しない吸気及び排気バルブをそれぞれ開閉作動させる吸気側カム軸47と排気側カム軸48とが、前記配設孔46,46,…の上方に対応する位置においてエンジン前後方向に延びるように互いに平行に配置されている。すなわち、シリンダヘッド4の前端壁部4b上には、吸気側及び排気側の各々最前位置の軸受部(1番ジャーナル受け部)49,49が配設され、また、各シリンダs1,s2,…毎に、プラグ孔45を挟む左右両側にもそれぞれ軸受部50,50が配設されていて、これらの吸気側及び排気側それぞれ5つずつの軸受部49,50,…によって、吸気及び排気側カム軸47,48が軸支されるようになっている。さらに、前記各カム軸47,48の下方には、各シリンダs1,s2,…の四隅を取り囲むように、図示しないヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト貫通孔51,51,…が開口されている。
【0049】
前記吸気側及び排気側カム軸47,48の前端部には、それぞれ、カムスプロケット52,52と可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing:以下、単にVVTという)53,53とが取り付けられており、図示しないが、該2つのカムスプロケット52,52とクランク軸2上のスプロケットとの間には、タイミングチェーンが張架されている。そして、詳しくは後述するが、VVT53,53に供給されるエンジンオイルの油圧調整によって、各スプロケット52がカム軸47,48に対し相対的に回動されることにより、該カム軸47,48のクランク軸2に対する回転位相が所定角度範囲内で無段階に変更されるようになっている。
【0050】
図6に示すように、前記各シリンダs1,s2,…毎のプラグ孔45,45,…のうち、第1シリンダs1のプラグ孔45の上方には、平面視で、該第1プラグ孔45を囲む略矩形状の壁部からなる第1プラグボス部55が形成されている。この第1プラグボス部55は、ミドルデッキ4cの上面からシリンダヘッドカバー5の裏面に至るように延びていて、点火プラグ26をプラグ孔45へ導くように下端側がややすぼんだ形状とされている。また、その第1プラグボス部55の後方には、第2、第3シリンダs2,s3のプラグ孔45,45を一緒に囲むように、エンジン前後方向に長い第2プラグボス部56が形成されていて、この第2プラグボス部56と前記第1プラブボス部55との間に、該2つのプラグボス部55,56の左右両側の壁部同士をそれぞれ連結するように、プラグボス間壁58,58が設けられている。
【0051】
また、前記シリンダヘッド4の前端壁部4bと第1プラグボス部55との間には、それらを連結して補強する連結壁部57が設けられている。この連結壁部57は、シリンダヘッド4のミドルデッキ4c上において左右方向について略中央部に位置し、図10に示すように、上側の部分が前端壁部4bから第1プラグボス部55にまで連続するように形成される一方、下側の部分には左右方向に貫通する略矩形状の孔部57aが設けられている。また、該連結壁部57の左右両側においてそれぞれシリンダヘッド前端壁部4bの後面から斜め下方に延びて、ミドルデッキ4cの上面に至る補強リブ60,60が形成されている。
【0052】
一方、ミドルデッキ4cよりも下方では、前端壁部4bから後方のウォータジャケットw内へ膨出するように厚肉部61が形成されている。この厚肉部61は、図8に示すようにエンジン前方から見て、シリンダヘッド前端壁部4bの左右方向中央部における下側略半分を占め、チェーンケース7との締結部位の剛性を確保するとともに、該チェーンケース7を締結するための3つのボルト孔64,64,…が形成されるボス部となるものである。また、この厚肉部61の後面からミドルデッキ4cの下面に亘って、それらをウォータジャケットw内において連結するように補強リブ62が設けられ、さらに、該厚肉部61とロアデッキ4dとの間にもそれらを連結するように補強リブ63が設けられている。
【0053】
そして、そのように連結壁部57や厚肉部61等によって補強されたシリンダヘッド4の前端壁部4bに、チェーンケース7のマウント部材取付部7aが締結されるようになっている。すなわち、図8に示すように、シリンダヘッド前端壁部4bの前面における前記厚肉部61に対応する部位には、平坦面61aが形成されていて、この平坦面61aに前記した3つのボルト孔64,64,…がそれぞれ開口している。そして、図6に示すように、チェーンケース7がエンジン本体の前端部に組み付けられた状態で、該チェーンケース7のマウント部材取付部7aの裏面が前記厚肉部61の平坦面61aに接合され、この状態で該マウント部材取付部7aをエンジン前方から貫通する3本のボルト(図示せず)が前記各ボルト孔64,64,…にそれぞれ螺入されて、マウント部材取付部7aと厚肉部61とが強固に締結されるようになっている。さらに、該前端壁部4bの左右両側の端部にはそれぞれ上端部から下端部に亘って前方へ突出する突出壁部65,65が設けられていて、この突出壁部65,65にチェーンケース7の上側の左右両側の部分がそれぞれ締結される。
【0054】
(1番ジャーナル受け部の構造)
次に、前記シリンダヘッド前端壁部4bの上部に設けられた軸受部49,49の構成について詳細に説明する。図7に示すように、シリンダヘッド前端壁部4bの上部には左右方向に隣り合うように2つの半割り状のジャーナル受け面67,67が形成されており、図6,8,9に示すように、それら2つのジャーナル受け面67,67に亘って、該前端壁部4bの上部に左右方向に長い吸排気一体型のキャップ部材68が取り付けられている。そして、このキャップ部材68とシリンダヘッド前端壁部4bとの間に、吸気側及び排気側カム軸47,48の1番ジャーナル部を受ける軸受部である1番ジャーナル受け部49,49がそれぞれ形成されている。
【0055】
前記キャップ部材68は、図12、図16〜18にも示すように、吸気側及び排気側の2つのカムキャップ部69,69が中間連結部70により連結されて、一体とされたものであり、該各カムキャップ部69,69には、それぞれ、前記各ジャーナル受け面67,67に対応する半割り状のジャーナル受け面71,71が形成されている。言い換えると、前記吸気側及び排気側の1番ジャーナル受け部49,49は、それぞれ上下に2分割されていて、そのうちの下側の半分、即ち吸気側及び排気側の各ヘッド側軸受部がシリンダヘッド4の前端壁部4b上に一体に形成されており、一方、上側の半分、即ち吸気側及び排気側の各カムキャップ部69,69が前記キャップ部材68に一体に設けられている。
【0056】
前記キャップ部材68には、吸気側及び排気側の各カムキャップ部69,69においてジャーナル受け面71,71を挟む左右両側の部位に、それぞれ、キャップボルト73(締結ボルト)が挿通されるように、4つのキャップボルト貫通孔72,72,…(締結ボルト貫通孔)が設けられている。また、中間連結部70における左右方向の略中央部には上下方向に延びる円柱状ボス部74が形成され、このボス部74内を上下方向に貫通するように、5本目のキャップボルト73が挿通される中央貫通孔75が形成されている。
【0057】
一方、図7,8に示すように、シリンダヘッド前端壁部4bの上部には、前記キャップボルト貫通孔72,72,…及び中央貫通孔75にそれぞれ対応するように、キャップボルト孔76,76,…が形成されていて、キャップ部材68の上側から前記各貫通孔72,72,…,75に対してそれぞれ挿通されたキャップボルト73が該各キャップボルト孔76に螺入されることによって、キャップ部材68がシリンダヘッド前端壁部4b上に締結されるようになっている。
【0058】
また、図12にも示すように、前記キャップ部材68には、吸気側及び排気側のVVT53,53の作動制御のために、それらへ作動油として供給するエンジンオイルの圧力を調整する2つのオイルコントロールバルブ78,78(Oil Control Valve:以下、単にOCVという)が配設されている。すなわち、前記キャップ部材68の中間連結部70には、吸気側及び排気側の各カムキャップ部69,69に対しそれぞれシリンダヘッド4の内方側に隣接しかつ上下方向に延びるように、円筒状のOCV収容部79,79が一体成形されている。このOCV収容部79,79は、それぞれカムキャップ部69,69よりもエンジン後方に膨出するように設けられていて、その内部が、OCV78のケーシング116(図15参照)を収容して保持するOCV収容孔79a,79a(制御弁収容孔)とされている。
【0059】
一方、前記図7に示すように、シリンダヘッド4の前端壁部4bの後面には、前記各OCV収容孔79a,79aの下方に対応する部位に凹部80,80が形成されており、この凹部80,80は、シリンダヘッド4の略中央部に位置する連結壁部57を挟むようにその左右両側にそれぞれ隣接して設けられている。そして、シリンダヘッド前端壁部4bの上部にキャップ部材68を締結して、図9に示すようにシリンダ軸線zに沿って上方から見ると(平面視で)、該キャップ部材68は、左右両側のカムキャップ部69,69の後側面がミドルデッキ4cに開口するヘッドボルト貫通孔51,51に対してエンジン前方に接するように配置されている。また、このとき、該キャップ部材68の2つのOCV収容部79,79は、それぞれ、前記ヘッドボルト貫通孔51,51のエンジン内方側に接するように位置している。言い換えると、2つのOCV収容孔79a,79aが前記ヘッドボルト貫通孔51,51の中間に挟まれるように位置している。
【0060】
つまり、前記キャップ部材68は、ヘッドボルト貫通孔51,51に干渉しない範囲で、できるだけ該ヘッドボルト貫通孔51,51に近付くように配置されており、このことで、VVT53,53の配設に伴うエンジン1前後長の増大を抑制できるとともに、該キャップ部材68とヘッドボルトとが干渉しないので、キャップ部材68を取り外さなくても、シリンダヘッド4をシリンダブロック3に締結することができるものである。
【0061】
さらに、図8に示すようにエンジン前方から見ると、前記キャップ部材68に形成された2つのOCV収容孔79a,79aは、該キャップ部材68の4つのキャップボルト貫通孔72,72,…のうち、中央寄りの2つのキャップボルト貫通孔72,72の中間に位置している。このため、該2つのOCV収容孔79a,79aに対しそれぞれOCV78の下側のケーシング部112を挿入して、該OCV収容孔79aに内嵌合させたとき、該2つのOCV78,78は、シリンダヘッド4の左右方向の中央付近において左右に並んで立てられた状態になる。つまり、シリンダヘッド4の左右方向中央部付近に2つのOCVを前後及び左右方向についてコンパクトに配置することができる。
【0062】
ここで、前記図9に明らかなように、キャップ部材68においてOCV収容孔79aが、隣り合うキャップボルト貫通孔72に対して極めて近接していることから、前記OCV78の上端に位置するカバー116(大径部)は、図12等に示すようにキャップボルト73の頭部から上方には離間している一方で、上下方向から見ると、図9において仮想線で示すように、OCV78の上端部、即ち前記カバー116は、該キャップボルト73の頭部に重なるように位置している。つまり、キャップ部材68においてキャップボルト73とOCV78との干渉を避けながら、尚かつそれらを互いに近接させて、コンパクトに配置することができる。
【0063】
また、そのようにOCV78,78をキャップ部材68のOCV収容孔79a,79aに収容した状態で、該各OCV78の下端部、即ちケーシング部112の下端部がOCV収容孔79aの下端部よりも下方に突出し、ミドルデッキ4cよりも上方の空間に位置づけらて、シリンダヘッド前端壁部4bの後面に形成された凹部80に包含された状態になる。このことで、該OCV78をできるだけ下方に位置づけて、その上方への突出量を少なくすることができ、よって、エンジン1の上下方向寸法の増大も抑制することができる。
【0064】
(OCVへの油路の構造)
前記キャップ部材68には、シリンダヘッド4を介してシリンダブロック3側から供給されるエンジンオイル(作動油)をOCV78,78に供給するための上流側の油路と、このOCV78,78により圧力調整したオイルをカム軸47,48内の油路を介してVVT53,53に供給するための下流側の油路とがそれぞれ形成されている。
【0065】
具体的には、図16〜18に示すように、前記キャップ部材68の内部には、各OCV収容孔79a,79aからそれぞれ隣接するカムキャップ部69,69のジャーナル受け面71,71に至るよう、OCV下流側油路81,82(制御弁下流側油路)が各々2つずつ設けられており、一方、この各ジャーナル受け面71及びシリンダヘッド4側のジャーナル受け面67には、それらの全周に亘って、2本の環状溝83,84が設けられている。そして、前記OCV下流側油路81,82の端部が、それぞれ、前記環状溝83,84の内部に開口されていて、この各環状溝83,84を介して、カム軸47,48内の油路109,106(図13参照)に連通されるようになっている。尚、前記OCV下流側油路81,82の詳細な構造については、後述する。
【0066】
一方、前記OCV収容孔79a,79aにオイルを供給する上流側の油路は、キャップ部材68の中間連結部70に設けられている。すなわち、図8〜10や16〜18にも示すように、キャップ部材68の中間連結部70には、ボス部74に対してエンジン1の後方左側に接するように、上下方向に延びる円柱状の縦油路形成部85が設けられていて、この縦油路形成部85の内部に上下方向に延びるようにOCV上流側油路86(制御弁上流側油路)が形成されている。前記縦油路形成部85の上端部は半球状の壁部とされる一方、下端部は平面とされ、ここに前記OCV上流側油路86の下端部が開口されている。また、図8に示すようにエンジン前方から見ると、OCV上流側油路86は、4つのキャップボルト貫通孔72,72,…のうちの中央寄りの2つの中間に位置している。
【0067】
前記図6,10や図16,17にも示すように、前記キャップ部材68の後側には、排気側(エンジン右側)のOCV収容部79の側壁から吸気側(エンジン左側)のやや斜め後方に向かって、前記縦油路形成部85と吸気側のOCV収容部79とを繋ぐように延びる円柱状の横油路形成部87が設けられている。この横通路形成部87の内部には、その先端から基端、即ち前記排気側のOCV収容部79に向かって穿孔されて、排気側のOCV収容孔79aに至る横方向の油路88が形成されている。この油路88は、途中で前記OCV上流側油路86と前記吸気側のOCV収容孔79aとにそれぞれ連通されるとともに、先端の開口部がプラグにより閉止されていて、この横方向の油路88により前記OCV上流側油路86を吸気側及び排気側OCV収容孔79a,79aの上下方向の中間部にそれぞれ連通させる連通路が構成されている。尚、図8,図9では該油路88は図示省略している。
【0068】
そして、そのようにキャップ部材68の内部に形成されているOCV上流側油路86に対して、シリンダブロック3から圧送されてくるオイルを供給できるように、シリンダヘッド4の内部にヘッド側油路90が形成されている。すなわち、図8,10に示すように、前記キャップ部材68の縦通路形成部85の下端面は、シリンダヘッド4の前端壁部4bに連続する連結壁部57の上面に接合されており、この連結壁部57上面に、前記OCV上流側油路86の下端部と連通するように、ヘッド側油路90の上端部が開口されている。言い換えると、この実施形態では、一体型のキャップ部材68が、シリンダヘッド前端壁部4bから連結壁部57の上部に亘って配置されていて、それらの結合剛性が高くなっており、そのように剛性の高いところで該キャップ部材68内のOCV上流側油路86とヘッド側油路90とが連通されているので、自ずとオイル漏れも軽減されている。
【0069】
尚、図10にのみ示すが、前記OCV上流側油路86の下端部とヘッド側油路90の上端部とが連通する箇所には、VVT53,53専用のオイルフィルタ89が配設されており、後述の如く精密な機構からなるVVT53,53の動作を安定的に維持するために、オイル中の微小異物を確実に取り除けるようになっている。
【0070】
前記ヘッド側油路90は、前記シリンダヘッド4の連結壁部57の上面から下方に向かって穿孔され、シリンダヘッド前端壁部4bの厚肉部61の上部にまで至る油路90aと、この油路90aの下端部に連通するように前記前端壁部4bの前面からエンジン前後方向に穿孔された油路90bとからなる。そして、前記油路90bの前端部、即ちヘッド側油路90の上流端部は、図8に示すように、シリンダヘッド前端壁部4b前面の平坦面61aにおいて上側の2つのボルト孔64,64の中間に開口されていて、このシリンダヘッド前端壁部4bに締結されるチェーンケース7内の油路に連通されるようになっている。
【0071】
すなわち、図11に示すように、チェーンケース7には、その上端部から下方に向かって穿孔されて、クランク軸貫通孔91の上方に至る上下方向の油路92が形成されていて、この上下方向油路92の上端部がプラグ92aにより閉止されるとともに、そのプラグ92aの近傍から分岐するように上端側油路93が形成されており、さらに、該上下方向油路92の下端部に連通するように下端側油路94が形成されている。この下端側油路94の端部は、チェーンケース7の後面において開口し、シリンダブロック3の前端壁部3bにおける連通路44(図4参照)の開口部に連通されるようになっている。
【0072】
一方、前記上端側油路93の端部は、チェーンケース7のマウント部材取付部7aの裏面に開口されていて、上述したように、該マウント部材取付部7aがシリンダヘッド前端壁部4bの厚肉部61に対し3本のボルトによって強固に締結された状態で、その接合面においてヘッド側油路90の上流端開口部と連通するようになっている。このように、ボルトにより強固に締結された部位の近傍でチェーンケース7側の油路94とヘッド側油路90とを接続させるようにしているので、この接続部分にはシール部材等を配設する必要はない。
【0073】
(VVT及びその作動油圧の制御系)
次に、前記VVT53,53と、これに対する作動油圧の調整を行うための油圧制御系の構成について、主に図13〜15に基づいて説明する。以下、吸気側のカム軸47とこのカム軸47に配設されているVVT53の構造について説明するが、この構造は排気側のカム軸48についても同様である。
【0074】
図13に示すように、カム軸47の前端側は、シリンダヘッド4の前端壁部4b上に設けられた1番ジャーナル受け部49により軸支されていて、該1番ジャーナル受け部49よりも前方(図の左側)に突出するカム軸47の前端部に、VVT53のロータ95が回転一体に連結されている。また、このロータ95に対して外嵌合状態で組み合わされる円筒状のケーシング96は、前記ロータ95に対し相対的に回動可能に連結されており、さらに、このケーシング96に対してカムスプロケット52が連結されている。
【0075】
詳しくは、図14に示すように、カム軸47の軸線に沿って見ると、前記ロータ95は、円筒状の本体部とその外周から径方向外方に突出する4つのベーンとからなり、中心部を貫通するボルト97によりカム軸47に取り付けられて、該カム軸47と一体に回転するようになっている。一方、前記ケーシング96は薄肉の円筒状に形成され、ロータ95と同心に位置づけられていて、その内周面から径方向内方に突出する4つの突出部が前記ロータ95のベーンと周方向に交互に並ぶように配置されている。該ケーシング96の突出部には、それぞれ、カム軸47の軸線方向に延びるように貫通孔が形成されていて、該各貫通孔にそれぞれ挿通される4つのボルト98,98,…によって、前記ケーシング96及びその蓋部材99がカムスプロケット52に締結されている。
【0076】
前記ロータ95の各ベーンの先端部はケーシング96の内周面に摺接しており、同様に、ケーシング96の各突出壁部の先端部もロータ95の本体部外周面に摺接している。そして、それらのベーン又は突出壁部の各先端部にそれぞれオイルシール101,101,…が配設されている。すなわち、前記カムスプロケット52、ロータ95、ケーシング96及び蓋部材99の間には、カム軸47の軸線の周りに並ぶように8つの受圧室102,103,102,103,…が区画されている。
【0077】
そして、前記8つの受圧室102,103,102,103,…のうち、ロータ95の各ベーンに対しカム軸47の回転する側に位置づけられた4つの受圧室(遅角側受圧室)102,102,…は、それぞれ、ロータ95の本体部に形成された貫通路104と環状溝105とを介して、カム軸47の内部に形成されたカム軸内油路106,106に連通されており、このカム軸内油路106から供給される油圧が増大すると、ロータ95がケーシング96に対しカム軸47の回転と反対側に回動されて、吸気バルブの作動タイミングが遅角側に変更されるようになっている。
【0078】
一方、前記ロータ95の各ベーンに対して前記遅角側受圧室102,102,…の反対側に位置づけられた4つの受圧室(進角側受圧室)103,103,…は、それぞれ、カムスプロケット52内に形成された油路107を介して、カム軸47の外周に設けられた環状溝108に連通されていて、この環状溝108内に開口するカム軸内油路109,109に連通している。そして、該カム軸内油路109から供給される油圧が増大すると、ロータ95はケーシング96に対しカム軸47の回転する側に回動され、これにより、吸気バルブの作動タイミングが進角側に変更されるようになっている。
【0079】
前記の如くVVT53の遅角側受圧室102,102,…に連通された遅角側のカム軸内油路106は、前記図13に実線で示すように、カム軸47の前端面からドリル等によりエンジン後方に向かって穿孔された2つの前後方向油路と、この各前後方向油路の後端部に連通するようにジャーナル面から軸心に向かって穿孔した後端側油路と、VVT53のロータ95内に嵌合されるカム軸47の前端側から前記前後方向油路の前端側に連通するように穿孔した前端側油路とからなり、この前後方向油路の前端部がVVT53のロータ95によって閉止されている。そして、前記したように、カム軸内油路106の前端部、即ちカム軸47の外周面に開口する前端側油路の端部がロータ95の環状溝105に連通する一方、該カム軸内油路106の後端部、即ち後端側油路の端部がカム軸47のジャーナル面に開口されていて、ジャーナル受け面67,71のエンジン後方の環状溝84に連通している。
【0080】
また、同図に破線で示すように、前記進角側のカム軸内油路109もカム軸内油路106と同様の構成とされ、該カム軸内油路109の前端部、即ちカム軸47外周上の環状溝108の内部に開口する端部が、該環状溝108を介してカムスプロケット53の油路107に連通される一方、カム軸内油路109の後端部は、カム軸47のジャーナル面において前記カム軸内油路106の後端部よりも前方に開口されていて、ジャーナル受け面67,71のエンジン前方の環状溝83に連通している。
【0081】
そして、前記したカム軸内油路106,109等を介してVVT53へ供給される作動油圧の調整は、上述したようにキャップ部材68に配設したOCV78により行われるようになっている。このOCV78は、図15にその構造を示すようにスプール弁からなるものであり、全体として略円筒状に形成されていて、その長手方向の一端側である先端側(図のした側)に弁体111を収容するケーシング部112が配設されている一方、反対側の基端側には、コイル113及びプランジャ114を有する電磁ソレノイド115が配設され、さらにその基端側の端部に、コネクタが一体的に設けられた大径のカバー116が取り付けられている。尚、前記コネクタには、図示しないが、エンジンコントロールユニットとの間で信号を授受するフラットケーブル等が接続されている。
【0082】
前記OCV78のケーシング部112には、長手方向の中心軸に対して一方の側(図の左側)に、周方向に長い一対の繭状のアクチュエータポート117,117(吐出ポート)が長手方向に離間して設けられていて、それぞれ、OCV収容孔79aの内壁面に開口するOCV下流側油路81,82に連通されて、この油路81,82を介してVVT53に対しオイルを給排するようになっている。また、ケーシング部112の反対側(図の右側)には、上流側から供給されるエンジンオイルを受け入れる供給ポート118と、オイルを排出するためのドレンポート119,119とが長手方向に離間して設けられている。
【0083】
また、前記ケーシング部112内に収容されている弁体111は、基端部が電磁ソレノイド115のプランジャ114に連結される一方、先端部はスプリング120により押圧されており、OCV78の非作動状態では、該弁体111が図示の如く基端側に位置して、ケーシング112の基端側のアクチュエータポート117と供給ポート118とを連通させる。そして、コントロールユニットからの信号が入力されると、弁体111が電磁ソレノイド115によってデューティ駆動されて、スプリング120の押圧力に抗して先端側に移動し、これにより、前記2つのアクチュエータポート117,117と供給ポート118ないしドレンポート119,119との連通状態が変更されるようになっている。
【0084】
例えば、前記OCV78により吸気バルブの開閉作動タイミングを進角側に変更するときには、該OCV78の弁体111を先端側に移動させて、供給ポート118をケーシング部112の先端側に位置するアクチュエータポート117に連通させる。こうすると、該アクチュエータポート117から吐出されたオイルがキャップ部材68のOCV下流側油路81を通って、ジャーナル受け面71の環状溝83に至り、その環状溝83に連通されるカム軸内油路109を流通して、カム軸47の外周の環状溝108とスプロケット52内の油路107とを経て、4つの進角側受圧室103,103,…に分配供給される。これにより、各進角側受圧室103のオイル圧が増大し、VVT53のケーシング96がロータ95に対し相対回動して、吸気バルブの開閉作動タイミングが進角側に変更される。
【0085】
その際、VVT53の遅角側受圧室102,102,…から排出されたオイルは、ロータ95内の貫通路104と環状溝105とを経て、カム軸内油路106の前端部に流通し、この油路106の後端部からジャーナル受け面71の環状溝84を経てOCV下流側油路82に至り、このOCV下流側油路82に連通するOCV78のケーシング基端側のアクチュエータポート117を経て、ドレンポート119からシリンダヘッド4のミドルデッキ4cに排出されて、シリンダブロック3側に還流される。
【0086】
(OCV下流側油路の構造)
次に、前記キャップ部材68におけるOCV下流側油路81,82の詳細な構造について、図16〜22に基づいて説明する。上述の如く、OCV下流側油路81,82は、キャップ部材68の中間連結部70に設けられたOCV収容部79から隣接するカムキャップ部69,69のジャーナル受け面71,71までオイルを流通させるように設けられているのであるが、この実施形態では、その各油路81,82の一部分をそれぞれ前記OCV収容部79及びジャーナル受け面71の中間に位置するキャップボルト貫通孔72内の空間部により構成して、油路の可及的な省スペース化を図ったものである。以下、キャップ部材68の吸気側におけるOCV下流側油路81,82の構造について説明するが、この構造は排気側についても同様である。
【0087】
尚、図16,17は、それぞれ、キャップ部材68の前側上方又は後側下方からの斜視図であり、同図では、OCV上流側油路86から吸気側のジャーナル受け面71までの油路の構成を破線で示している。また、図18は、図16のC−C線における断面図であり、同図では吸気側及び排気側の両方の油路を示している。さらに、図19は、前記図18において仮想線で囲んだ範囲Eを拡大して示すものであり、図20,21は、それぞれ、該キャップボルト貫通孔72の上端部又は下端部の拡大図である。
【0088】
前記図16〜18に示すように、OCV下流側油路81,82は、それぞれ、OCV収容孔79aからキャップボルト貫通孔72までの収容孔側の油路121,122と、該キャップボルト貫通孔72の内部に形成された空間部123,124と、該キャップボルト貫通孔72からジャーナル受け面71の環状溝83,84に至るジャーナル側の油路125,126とからなる。前記したように、エンジン前方側の環状溝83はVVT53の進角側受圧室103,103,…に連通されているものであるが、この環状溝83に連通する進角側のジャーナル側油路125として、図21にも示すように、キャップ部材68の下端面には、前記環状溝83とキャップボルト貫通孔72の下端部とを連通させる溝部が形成されている。
【0089】
また、同様に前記進角側の収容孔側油路121は、図19,21にも示すように、上流側の端部がOCV収容孔79aの下端側の内壁面に開口されて、OCV78のケーシング先端側のアクチュエータポート117に連通する一方、該収容孔側油路121の下流側の端部は、キャップボルト貫通孔72内の下端側に開口されている。そして、該キャップボルト貫通孔72の下端側に後述の如く形成される空間部123と、前記収容孔側油路121及びジャーナル側油路125とによって、進角側のOCV下流側通路81が構成される。
【0090】
一方、遅角側のOCV下流側油路82を構成する収容孔側油路122は、図19,20にも示すように、一端部がOCV収容孔79aの上端側の内壁面に開口されて、OCV78のケーシング基端側のアクチュエータポート117に連通する一方、該収容孔側油路122の他端部は、キャップボルト貫通孔72内の上端側に後述の如く形成される空間部124に連通している。また、遅角側のジャーナル側油路126は、上流側の端部が前記空間部124に連通する一方、下流側の端部がジャーナル受け面71におけるエンジン後方側の環状溝84に連通し、そこからカム軸47内の油路106を介してVVT53の遅角側受圧室102,102,…に連通されている。
【0091】
ここで、前記進角側及び遅角側の収容孔側油路121,122は、いずれも、OCV収容孔79aの内壁面からキャップボルト貫通孔72に向かって、ドリル等の穿孔具によって穿孔したものである。詳しくは、図17に示すように、進角側の収容孔側油路121は、OCV収容孔79aの下端側内壁面におけるエンジン前方外側の部位から斜め上方に向かって直線的に穿孔されている。また、その収容孔側油路121の開口部に対峙し、かつ該油路121の延長方向に対応する部位、即ち、OCV収容孔79aを囲むOCV収容部79の周壁部には、エンジン後方の下端部を略半周に亘って切り欠いた切欠部79bが設けられている。
【0092】
同様に、図16,17に示すように、遅角側の収容孔側油路122は、OCV収容孔79aの上端側内壁面におけるエンジン前方外側の部位から斜め下方に向かって直線的に穿孔したものであり、この収容孔側油路122の開口部に対峙し、かつ該油路122の延長方向に対応する部位、即ち、OCV収容部79のエンジン後方内側の上端部にも切欠部79cが設けられている。
【0093】
このように、OCV収容部79において、収容孔側油路121,122の開口部に対応するように切欠部79b,79cが設けられていることで、キャップ部材68の製造工程において、収容孔側油路121,122を形成する際に、ドリル等の穿孔具が干渉することがなくなり、油路121,122の形成の容易化が図られる。また、該切欠部79b、79cは、それぞれOCV収容孔79aにOCV78を収容したとき、ちょうど、該OCV78のケーシング部112に設けられたドレンポート119,119に対応する位置にあり、このことで、該ドレンポート119,119からの戻り油の排出性が向上している。
【0094】
さらに、前記OCV収容孔79aの内壁面には、前記上下両端側の切欠部79c,79bの中間において、OCV上流側油路86からの横方向の油路88と連通するように開口部が設けられており、この開口部が、OCV78のケーシング部112における供給ポート118に対応する位置にあることから、OCV78へのオイルの供給が極めてスムーズに行われる。
【0095】
すなわち、上述の如く、OCV78のケーシング部112の一側には、長手方向に離間して2つのアクチュエータポート117,117が配設され、反対側の他側には、同様に供給ポート118と2つのドレンポート119,119とが配設されている。そして、前記供給ポート118に対応するように、OCV収容孔79aの内壁面におけるエンジン後方側に上流側の油路88に連通する開口部が設けられるとともに、その上下両側にはドレンポート119,119に対応するように切欠部79c、79bが設けられている。一方、OCV収容孔79aの内壁面におけるエンジン前方側には、前記2つのアクチュエータポート117,117にそれぞれ対応するように一対の収容孔側油路121,122の一端部が開口されており、この一対の収容孔側油路121,122が、前記OCV収容孔79とキャップボルト貫通孔72の間にそれらを上下両端側でそれぞれ連通させるように設けられている。
【0096】
つまり、この実施形態では、OCV78のケーシング部112における各ポートの配置を積極的に利用して、これらの各ポートによるオイルの給排をスムーズに行えるように各油路の開口部や切欠部を最適配置するとともに、特にアクチュエータポート117,117からのオイルを流通させる収容孔側油路121,122については、互いに略平行に並設されたOCV収容孔79aとキャップボルト貫通孔72との間に簡単な構成でかつ省スペースに配置している。
【0097】
次に、前記キャップボルト貫通孔72内の上下両端側(図19に示す貫通孔軸心αの方向の両端側)における各空間部124,123の形成について詳細に説明する。まず、前記キャップボルト貫通孔72の上端側(キャップボルト73が挿入される側)の内壁面には、図19,20に拡大して示すように、エンジン後方に窪んだ凹陥部72aが設けられている。この上側凹陥部72aはキャップボルト貫通孔72の中心孔よりもやや小径の円弧面からなるもので、該貫通孔72の上端縁部から所定深さに亘って設けられており、その内部に臨むように、前記した遅角側の収容孔側油路122の端部とジャーナル側油路126の上流端部とがそれぞれ開口されている。
【0098】
一方、前記キャップボルト貫通孔72の下端部は、キャップ部材68の下端面(ヘッド側軸受部49との接合面)に開口されており、その下端縁部から所定の高さに亘る範囲の貫通孔内壁面に下側凹陥部72bが形成されている。この下側凹陥部72bは、図21に拡大して示すように、エンジン前方から右側にそれぞれ窪んだ2つの円弧状の凹部が連なって形成されたものであり、この下側凹陥部72bの内部に臨むように、前記した進角側の収容孔側油路121の端部が開口されている。
【0099】
また、同図に示すように、キャップ部材68の下端面には、前記キャップボルト貫通孔72の下側凹陥部72bと隣接するジャーナル部71の環状溝83とを連通させるように溝部が形成されていて、この溝部がヘッド側軸受部49の上面により覆われることによって、進角側のジャーナル側油路125が構成されるようになっている。前記上側及び下側凹陥部72a,72bは、それぞれ、キャップ部材68の鋳造時に上型又は下型の型抜きによって一体成形されたものであり、このように、凹陥部をキャップ部材68の鋳造時に一体成形することによって、容易に形成することができるものである。
【0100】
そして、前記の如く上下両端側にそれぞれ凹陥部72a,72b(キャップボルト73の軸部よりも断面積の大きい部分)の形成されたキャップボルト貫通孔72に対して、図19,20に仮想線で示すように、上端側から筒状のブッシュ(筒状部材)127が嵌入される。このブッシュは、図22にも示すように、円筒形状の本体部127aとその基端側(図の上端側)から略直角に外方へ向かって拡がる鍔部127bとからなり、キャップボルト貫通孔72に圧入された本体部127aの先端が該貫通孔72の軸心αの方向の略中央部に位置するとともに、その先端側の略1/3くらいの部分が該貫通孔72の中間部分72cにおいて、該貫通孔72の内周面とキャップボルト73の軸部の外周面との間を全周に亘って油密に閉塞するようになっている。
【0101】
このとき、前記キャップボルト貫通孔72の上端凹陥部72aは、ブッシュ127の鍔部127bと本体部127aの基端側とにより閉ざされて、三日月形状の上側空間部124が形成される。一方、前記キャップボルト貫通孔72の下端側では、該貫通孔72の内周面とキャップボルト73の軸部外周面との間の円環状の空間が、前記ブッシュ本体部127aによって前記上側空間部124から隔離され、かつヘッド側軸受部49の上面によって閉ざされることになり、ここに円環状の下側空間部123が形成される。つまり、この実施形態では、前記キャップボルト貫通孔72の中間部分がブッシュ127により軸心α方向に隔離されて、該貫通孔72内の上下両端側にそれぞれ空間部124,123が形成されるものである。
【0102】
したがって、この実施形態におけるVVTへの給油構造では、まず、シリンダヘッド4の前端壁部4bを連結壁部57や補強リブ等によって十分に補強して、その剛性を高めた上で、このシリンダヘッド前端壁部4bの上部に吸気側及び排気側のヘッド側軸受部49,49を設け、その上から、吸排気一体型のキャップ部材68を前記連結壁部57に亘るように締結して、吸気側及び排気側カム軸47,48の各1番ジャーナル受け部を構成している。
【0103】
そして、そのキャップ部材68にOCV78の収容部79を設けて、図9に示すように、該キャップ部材68を、カムキャップ部69やOCV収容部79がヘッドボルト貫通孔51,51に干渉しない範囲で、できるだけ該ヘッドボルト貫通孔51,51に近付けて配置している。このことで、VVT53,53の配設に伴うシリンダヘッド4の前後長の増大を抑制することができるとともに、該キャップ部材68を取り外さなくても、ヘッドボルトを締め付けてシリンダヘッド4をシリンダブロック3に対し締結することができるようになり、よって、生産性及び整備性が向上する。
【0104】
また、前記キャップ部材68の中間連結部70に設けたOCV収容部部79,79に対し、吸気側及び排気側の2つのOCV78,78をいずれも立てて収容し、これらの2つのOCV78,78がヘッドボルト貫通孔51,51の中間に挟まれるように位置付けたので、2つのOCV78,78を配設する場合であっても、それらをいずれもシリンダヘッド4の左右方向中央付近にコンパクトに配置することができ、よって、該シリンダヘッド4ひいてはエンジン1の幅方向寸法の増大を防止できる。
【0105】
さらに、そのようにキャップ部材68に2つのOCV78,78を配設使用とした場合、元々、キャップ部材68には余分なスペースが少ないことを考慮して、前記OCV78へオイルを給排するための油路をキャップボルト貫通孔72の内部空間を利用して構成することにより、油路の可及的な省スペース化を実現している。すなわち、前記キャップボルト貫通孔72の内部にキャップボルト73の軸部と同心に筒状部材127を嵌入し、該貫通孔内を上端側と下端側の空間部124,123に隔離して、その両空間部123,124によりそれぞれ進角側及び遅角側油路の一部分を構成した。このことで、互いに独立した進角側及び遅角側の2つのOCV下流側油路81,82を、それぞれ十分な大きさのものとしながら、キャップ部材68の大型化を十分に抑制することができた。
【0106】
そして、そのようにして、キャップ部材68にOCV収容部79や複数の油路を集中的に設けることができることから、この実施形態では該キャップ部材68を交換するだけで、VVTに関するエンジンの仕様変更に対応することができる。すなわち、VVT53を吸気及び排気の両方に備えるものだけでなく、例えば吸気側又は排気側のいずれか一方のみに備えるものや、或いはVVT53を備えないものといった種々のエンジン仕様に対して、前記キャップ部材68以外の殆どのエンジン部品を共通化することができるようになり、このことによって、大幅なコスト低減を実現できる。
【0107】
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の構成をも包含するものである。すなわち、前記実施形態では、本願発明を、吸気側及び排気側カム軸47,48の両方にVVT53,53を配設したエンジン1に適用しているが、これに限らず、いずれか一方のカム軸47,48のみにVVT53を配設したエンジンにも本願発明を適用することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明に係る内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置によると、内燃機関の吸気側又は排気側カム軸の少なくとも一方に可変バルブタイミング機構を取り付け、そのカム軸を支持する軸受部の近傍に油圧制御弁を配置するとともに、この軸受部ないしカム軸の内部に可変バルブタイミング機構への油路を形成したものにおいて、前記吸気側及び排気側カム軸に跨る一体型のキャップ部材を、シリンダヘッド上のヘッドボルト貫通孔に近接しかつ干渉しないように配置するとともに、このキャップ部材に油圧制御弁の収容孔を設けて、該油圧制御弁をシリンダヘッドの左右方向内方の位置において立てて収容することで、シリンダヘッドの寸法増大を抑制しながら、生産性や整備性を向上できる。
【0109】
また、油圧制御弁をシリンダヘッドの中央付近にコンパクトに配置し、かつ、その上流側及び下流側の油路を簡単な構成とすることができる。シリンダヘッドの前端壁部の剛性を連結壁部によって向上させ、その前端壁部及び連結壁部の上部に亘ってキャップ部材を取り付けることで、それらの結合剛性を高めて、信頼性を向上できる。さらに、油圧制御弁をその下端部が制御弁収容孔の下端部よりも下方に突出するように位置づけて、エンジンの上下方向寸法の増大を抑制できる。
【0110】
請求項2の発明によると、制御弁収容孔や油路等をキャップ部材に集中的に形成できるので、このキャップ部材以外のエンジン部品を共通化して、大幅なコスト低減を実現できる。
【0111】
請求項3の発明によると、シリンダヘッドの前端壁部及び連結壁部の上部に亘るヘッド側接合面にキャップ部材が配置されて、結合剛性が高められているところで制御弁上流側油路とヘッド側油路とが連通されることで、オイル漏れの低減が図られる。
【0112】
請求項5の発明によると、エンジンの吸気側及び排気側カム軸の両方に可変バルブタイミング機構を設ける場合でも、そのための2つの油圧制御弁をシリンダヘッドの内方にコンパクトに配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るエンジンの外観を示す左側後方からの斜視図である。
【図2】 エンジンの外観を示す左側(吸気側)側面図である。
【図3】 シリンダブロックの吸気側側面図である。
【図4】 シリンダブロックの前側端面図である。
【図5】 シリンダブロックの内部構造を示す図3のA-A線における断面図である。
【図6】 シリンダヘッドのエンジン左側前方からの斜視図である。
【図7】 シリンダヘッドの上面図である。
【図8】 シリンダヘッドの前端にキャップ部材を締結したときの前側端面図である。
【図9】 図8の上面図である。
【図10】 シリンダヘッドの内部構造を示す図7のB-B線における断面図である。
【図11】 チェーンケース内の油路の構造を示す断面図である。
【図12】 キャップ部材にOCVを配設して示すエンジン左側前方からの斜視図である。
【図13】 VVTとカム軸内油路との接続構成を示す説明図である。
【図14】 蓋部材を外してVVTの構成を示す説明図である。
【図15】 OCVの構造を示す説明図である。
【図16】 吸気側の油路の構成を示すキャップ部材単体の左側上方からの斜視図である。
【図17】 キャップ部材単体を左側下方から見た図16相当図である。
【図18】 吸気側及び排気側の油路の構成を示す図16のC-C線における断面図である。
【図19】 図18に示す範囲Eの拡大図である。
【図20】 キャップボルト貫通孔の上端面図である。
【図21】 キャップボルト貫通孔の下端面図である。
【図22】 筒状部材の部品図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
4 シリンダヘッド
4b シリンダヘッド前端壁部
4c ミドルデッキ
47,48 カム軸
49 軸受部(1番ジャーナル受け部)
53 VVT(可変バルブタイミング機構)
57 連結壁部
68 キャップ部材
69 カムキャップ部
70 中間連結部
72 ヘッドボルト貫通孔(締結ボルト貫通孔)
73 キャップボルト(締結ボルト)
78 OCV(油圧制御弁)
79 OCV収容部
79a OCV収容孔(制御弁収容孔)
81,82 OCV下流側油路(制御弁下流側油路)
86 OCV上流側油路(制御弁上流側油路)
88 横方向の油路(連通路)
90 ヘッド側油路
s1〜s4 シリンダ(気筒)

Claims (5)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドに、気筒列方向である前後方向に延びるように配設され、それぞれクランク軸と同期回転して吸気及び排気バルブを開閉作動させる2本のカム軸と、
    前記2本のカム軸のうちの少なくとも一方に取り付けられて、該カム軸のクランク軸に対する回転位相を可変とする油圧作動式の可変バルブタイミング機構とを備え、
    前記可変バルブタイミング機構の取り付けられた一方のカム軸を支持する軸受部の近傍に油圧制御弁を配設するとともに、この軸受部ないしカム軸の内部に油路を形成して、前記油圧制御弁から可変バルブタイミング機構に作動油を供給するように構成した可変バルブタイミング機構への給油装置において、
    前記軸受部に対し左右方向に隣り合うように、他方のカム軸を支持する別の軸受部が並設され、該2つの軸受部がそれぞれシリンダヘッドに設けられたヘッド側軸受部及びこれとは別体のカムキャップ部からなり、かつその2つのカムキャップ部が中間連結部により連結されて、前記2つのヘッド側軸受部に亘って取り付けられた一体型のキャップ部材とされており、
    前記ヘッド側軸受部がシリンダヘッドの前端壁部の上部に形成され、該前端壁部とその後方の気筒の点火プラグボス部との間には両者を連結する連結壁部が形成されるとともに、前記前端壁部の後方に隣接してシリンダヘッドの上下方向の中間にあるミドルデッキ上には、ヘッドボルトの挿通される左右一対のヘッドボルト貫通孔が開口しており、
    前記キャップ部材は、平面視で、前記一対のヘッドボルト貫通孔と干渉せずにその前方に隣接するように前記ヘッド側軸受部上に配置され、各カムキャップ部の左右両側の部位に形成された4つの締結ボルト貫通孔にそれぞれ挿通された締結ボルトによって、シリンダヘッドに締結されており、
    前記キャップ部材の中間連結部には、左右のカムキャップ部よりも後方に膨出しつつも、平面視で、前記一対のヘッドボルト貫通孔と干渉せずにそれらの中間に挟まれるように位置し、かつ該中間連結部を上下方向に貫通して内部に前記油圧制御弁を収容する制御弁収容孔と、該制御弁収容孔から少なくとも一方のカムキャップ部に至る、前記油圧制御弁よりも下流側の制御弁下流側油路と、が設けられ、
    前記制御弁収容孔が、シリンダヘッドの前後方向から見て、前記4つの締結ボルト貫通孔のうちの中央寄りの2つの中間に位置するとともに、平面視では、該2つの締結ボルト貫通孔よりも後方に位置し、かつシリンダヘッドの前記連結壁部の左右、少なくとも一側に位置しており、
    前記制御弁収容孔に収容された油圧制御弁の下端部が該制御弁収容孔の下端部よりも下方に突出して、シリンダヘッドのミドルデッキ上方の空間に位置している
    ことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置。
  2. 請求項1において、
    キャップ部材の中間連結部には、シリンダヘッドの前後方向から見て、中央寄りの2つの締結ボルト貫通孔の中間において上下方向に延びるように、油圧制御弁よりも上流側の制御弁上流側油路が形成されるとともに、この制御弁上流側油路を制御弁収容孔の上下方向の中間部に連通させる連通路が形成されていることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置。
  3. 請求項2において、
    キャップ部材の中間連結部の下部にはシリンダヘッドの前端壁部ないし連結壁部との接合面が形成されていて、この接合面に制御弁上流側油路の下端部が開口される一方、
    シリンダヘッドの前端壁部の上部から前記連結壁部の上部に亘って、前記中間連結部の接合面と接合されるヘッド側接合面が形成されるとともに、このヘッド側接合面において前記制御弁上流側油路の下端開口部に連通するようにヘッド側油路が形成されていることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置。
  4. 請求項3において、
    シリンダヘッドの連結壁部の内部にヘッド側油路が形成されていることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置。
  5. 請求項1において、
    キャップ部材の中間連結部には、シリンダヘッドの前後方向から見て、左右のカムキャップ部の間に挟まれるように2つの制御弁収容孔が設けられるとともに、該2つの制御弁収容孔からそれぞれ近い方のカムキャップ部に至るように制御弁下流側油路が個別に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング機構への給油装置。
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