JP4517358B2 - 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解効果トランジスタ及びその製造方法、特に、絶縁性を有する基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体膜、ソース電極、及びドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
従来、無機半導体を用いた電解効果トランジスタが知られており、このトランジスタは、単結晶シリコン基板やガラス基板表面に形成するアモルファスシリコン、ポリシリコンなどの無機材料を用いる。
単結晶シリコン基板を用いた場合は、その製造装置による制約から基板サイズを大きくすることが困難であるため、大面積化には不向きであり、低コスト化が難しい。
ガラス基板を用いた場合は、アモルファスシリコンやポリシリコンを形成するとき350℃以上の加熱処理が必要となるため、耐熱性が必要であり耐熱性ガラス基板などが用いられている。そのため、例えばプラスチック基板などを用いることができず、フレキシブルなデバイス、ディスプレイなどを作製することは困難である。また、これら無機半導体用の半導体層を作製するためのプラズマ化学気相成長(CVD)装置、レーザアニール装置等は高額であるため、製造コストが高くなるといった問題がある。
上述のように、無機半導体を用いた電解効果トランジスタは、製造上の制約から低コスト化、フレキシブル化が難しい。
これに対して、近年、ペンタセンなどの有機材料が半導体特性を示すことが報告され、有機半導体を用いた電解効果トランジスタ、即ち有機薄膜トランジスタの研究が盛んになっている。有機半導体材料を用いた場合、無機半導体材料を用いたものに比べ、低温成膜が可能であるため、プラスチック基板への形成ができ、フレキシブルなデバイス化が可能となる。また、印刷工程などを応用することにより、大面積化と共に製造が簡単なことから低コスト化も可能となる。
ここで、一般的な有機薄膜トランジスタの上面図及び断面模式図を図4に示す。図4−(b)は、図4−(a)のD0−D1断面における断面模式図である。
図4において、基板21の表面にゲート電極22を形成し、このゲート電極22及び基板21表面にゲート絶縁層23を形成する。このゲート絶縁層23及び基板21表面に有機半導体膜24を形成する。さらに、この有機半導体膜24及び基板21表面にソース電極25及びドレイン電極26を形成することで、有機薄膜トランジスタ40を得る。
この有機薄膜トランジスタ40は、ゲート電極22に電圧を印加することで、有機半導体膜24とゲート絶縁層23との界面近傍における有機半導体膜24のキャリア密度を変化させ、ソース−ドレイン電極25,26間に流れる電流量を変化させることができる。
ところで、ゲート絶縁層を形成するための一般的な手法として、高周波スパッタリング法等による真空成膜法が用いられる。この成膜法によって形成した膜からなるゲート絶縁層は、柱状構造を示して微細なピンホールを生じる場合があるため、十分な絶縁性を確保することが困難である。
そこで、緻密で絶縁性の良好なゲート絶縁層を形成する方法として、陽極酸化法がある。この方法は、ゲート電極及びゲート絶縁層を形成するためのゲート電極形成部である金属パターンを有する基板をホウ酸アンモニウム溶液等に浸漬し、金属パターンに通電することによって、浸漬させた金属パターン部の表面近傍部を酸化させる方法である。この方法により酸化した層がゲート絶縁層となり、酸化されていない金属パターン部がゲート電極となる。
ところで、上述の基板がプラスチック基板の場合、基板を上述の溶液に浸漬すると、プラスチックは溶液中の水分子を吸収するため、基板の裏面から吸収された水分子が基板内部を透過して基板と金属パターンとの間に入り込む。そのため、基板と金属パターンとの密着性が悪化して陽極酸化中に金属パターンが基板から剥離するという問題が発生する。
上述の問題を解決する方法が、特許文献1に記載されている。この解決方法は、予め基板の表裏面のうちの少なくともいずれか一方の面上に無機材料のブロック層を形成するものである。このブロック層は、基板内部を透過してきた水分子を遮断するため、金属パターンの剥離を防止できるとするものである。特許文献1の実施例において、このブロック層は、材料として二酸化珪素を用いて、室温でスパッタリング法により、プラスチック基板上に約80〜100nmの膜厚になるように形成されている。
特開2003−258260号公報
しかしながら、スパッタリング法によって形成したブロック層は、上述した問題、即ち、柱状構造を示して微細なピンホールを生じる場合があり、またブロック層と金属パターンとの密着性が必ずしもよくない場合があるため、このブロック層では、基板裏面からの水分子の浸入を十分に遮断することが困難である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、緻密で絶縁性の良好なゲート絶縁層を形成するために陽極酸化法を用いた場合であっても、基板からゲート電極形成部が剥離することなく良好な密着性が得られる有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次の有機薄膜トランジスタ及びその製造方法を提供する。
1)絶縁性を有するプラスチック基板と、前記プラスチック基板の一面側に形成されたSiO 膜と、前記SiO 膜上に形成された1層または複数層の金属層からなるゲート電極と、前記ゲート電極を覆うように形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層の表面に形成された有機半導体膜と、前記有機半導体膜に接するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、を備え、前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極の表面近傍部の陽極酸化膜からなり、前記金属層が1層の場合、前記SiO と前記金属層との間に、前記金属層を形成する金属の酸化物からなる金属酸化層が介在し、前記金属層が複数層の場合、前記複数層の金属層のうち最も基板側の金属層と前記SiO との間に、前記最も基板側の金属層を形成する金属の酸化物からなる金属酸化層が介在していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
2)絶縁性を有するプラスチック基板の一面側にSiO 膜を形成する工程と、前記SiO 膜上に反応性スパッタリング法により単一の金属の酸化物からなる金属酸化層を形成する工程と、前記金属酸化層の表面に前記単一の金属からなる金属層を有する導電層を形成する工程と、前記導電層及び前記金属酸化層を所定形状にエッチングして、ゲート電極形成部を形成する工程と、前記ゲート電極形成部の表面近傍部のみを陽極酸化させてゲート絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層の表面に、有機半導体膜、並びに、前記有機半導体膜に接するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明によれば、基板とゲート電極との間に、ゲート電極を構成する金属と同一の金属からなり、かつ、反応性スパッタリング法により形成した緻密な金属酸化層を遮断層として介在させることにより、陽極酸化法を用いて緻密で絶縁性の良好なゲート絶縁層を形成する場合であっても、陽極酸化中に起こる基板側からの水分子の浸入を確実に遮断できるため、良好な密着性が得られ、基板からゲート電極形成部が剥離しないという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図3を用いて説明する。
まず、実施例1について、図1−(a)、図1−(b)、図2、及び図3を用いて説明する。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの構造例を示す上面図及び断面模式図である。図1−(b)は、図1−(a)のA0−A1断面における断面模式図である。
図2は、本発明の有機薄膜トランジスタを作製するためのゲート電極形成部工程における試料の上面図及び断面模式図である。
図3は、本発明の有機薄膜トランジスタを作製するための1工程である陽極酸化工程を説明するための断面模式図である。
<実施例1>
まず、図1−(a),図1−(b)に示す本発明の有機薄膜トランジスタの第1の構造例における製造工程について、図2を中心に説明する。図2−(b)は、図2−(a)のC0−C1断面における断面模式図である。
図2において、ポリカーボネイト基板1の一面側にRFスパッタ法によりSiO2膜2をその膜厚が100nmとなるように成膜する。このSiO2膜2は、空気中及び後述する陽極酸化用溶液14中の水分及び酸素の基板1側からの浸入を遮断するためのブロック層、かつ、基板1と後述のTa25膜3及びAl25膜3aとの密着性を向上させるための下地膜である。
RFスパッタ法により、SiO2膜2表面にTa25膜3を成膜する。より詳しくは、RFスパッタ装置の真空槽内にSiO2膜2を有するポリカーボネイト基板1を載置し、ArガスとO2ガスとの流量比が、Ar:O2=5:1となるようにそれぞれのガス流量を調整して、Taからなるスパッタターゲットにプラズマを照射する。このプラズマ照射により飛散したTa原子は、真空槽内のO原子と化学的に反応してTa25となり、このTa25がTa25膜3として上述のSiO2膜2表面に形成されるものである。本実施例では、膜厚が20nmとなるようにTa25膜3を成膜した。このTa25膜3は、下地膜であるSiO2膜2及び後述するTa膜12それぞれとの密着性を向上させるとともに、後述する陽極酸化用溶液14中の基板1側からTa膜12への水分の浸入を遮断する遮断層として機能する金属酸化層である。
次に、Ta25膜3表面にTa膜12を成膜する。より詳しくは、上述の真空槽内において、成膜時のガスをArガスのみにして、Taからなるスパッタターゲットにプラズマを照射する。このプラズマ照射により飛散したTa原子は、Ta膜12としてTa25膜3表面に連続的に形成されるものである。本実施例では、膜厚が200nmとなるようにTa膜12を成膜した。このTa膜12は、後述するゲート電極5及びゲート絶縁層6を形成するための金属層である。
上述したTa25膜3及びTa膜12は、真空槽内で大気に晒されることなく連続して成膜できるため、SiO2膜2とTa25膜3との界面、及びTa25膜3とTa膜12との界面において、良好な密着性が得られる。
また、金属層と金属酸化層とを共通する同一の金属、即ち、本実施例ではTa、を用いることにより、同一のスパッタターゲットを使用できるため、段取り替えの工数を削減できる。
なお、本実施例で成膜したTa25膜3は、真空中でTa原子とO原子を化学的に反応させて形成しているので、スパッタダーゲットにTa25を用いて成膜したTa25膜よりも緻密な膜質が得られる。
続いて、例えばフォトリソ法によって、Ta膜12及びTa25膜3を所定の形状になるようにエッチングして、ゲート電極形成部7及びゲート共通電極7aを形成する。
上述により、図2に示すような試料30を得る。この試料30は、左右方向にゲート電極形成部7が複数個形成されていて、いずれのゲート電極形成部7もゲート共通電極7aに接続されている。
ゲート電極形成部7の表面近傍部を陽極酸化法によって酸化させ、ゲート電極5及びゲート絶縁層6を形成する。図2及び図3を用いて、より詳しく説明する。図3−(b)は、図3−(a)のA部を拡大した断面模式図である。
図3において、1wt%のホウ酸アンモニウム溶液14を入れた容器13を準備し、この溶液14に試料30のゲート共通電極7aを有するT0部を浸漬させないようにして、T1部のみを浸漬させる。容器13内には、試料30と対向するようにカソード電極15が設けられている。ゲート電極形成部7が+(プラス)側に、カソード電極15が−(マイナス)側になるように電源に接続する。試料30側の接点は、T0部におけるゲート共通電極7aに設けると良い。
ゲート電極形成部7−カソード電極15間に、0.1〜0.25mA/cm2の範囲において、一定の電流を流し、ゲート電極形成部7−カソード電極15間の電圧が設定値70Vに達した後は、電圧が70V一定になるように電流値を制御する。この状態を保持し、2時間後電流の印加を終了する。
電流を印加しているとき、溶液14中のゲート電極形成部7の表面近傍では、次の反応が起きている。
2Ta+5H2O → Ta25+10H++10e-
上述の反応により、溶液14に浸漬された試料30のT1部におけるゲート電極形成部7の表面近傍部が酸化される。この金属酸化層、即ちTa25層がゲート絶縁層6となり、酸化されていない金属層、即ち酸化されていないTa膜12部がゲート電極5となる。
ここで、図3−(b)に示すように、陽極酸化中、試料30のT1部は溶液14に浸漬しているため、例えばプラスチック基板の場合は、溶液14中の水分子が基板1側から少なからず進入し、基板1を透過してSiO2膜2に達する。ほとんどの水分子はこれ以上浸入できないが、SiO2膜2は上述の理由によりピンホールを有する場合があるため、このピンホールにより一部の水分子がさらにこのSiO2膜2をも透過したり、密着性の不十分な部分に侵入してしまう場合がある。しかし、基板1とゲート電極5との間には緻密な金属酸化層、即ち緻密なTa25膜3が介在しているため、基板1側からのゲート電極5の酸化の進行を防止でき、また、ゲート電極5の剥離を防止できる。
次に、以降の製造工程について、図1−(a),図1−(b)を用いて説明する。
ゲート絶縁層6及びSiO2膜2の表面に、ペンタセン膜を成膜する。フォトリソ法より、このペンタセン膜を所定形状になるようにエッチングして、有機半導体膜8を得る。
さらに、この有機半導体膜8及びSiO2膜2の表面に、ソース電極9及びドレイン電極11を形成する。
上述により、図1−(a)及び図1−(b)に示す有機薄膜トランジスタ10を得る。
次に、実施例2について、図1−(a)及び図1−(c)を用いて説明する。
図1−(c)は、図1−(a)のB0−B1断面における断面模式図である。
<実施例2>
実施例1と同様に、ポリカーボネイト基板1の一面側にRFスパッタ法によりSiO2膜2をその膜厚が100nmとなるように成膜する。
このSiO2膜2表面に、RFスパッタ法によりAl25膜3aを成膜する。より詳しくは、RFスパッタ装置の真空槽内にSiO2膜2を有するポリカーボネイト基板1を載置し、ArガスとO2ガスとの流量比が、Ar:O2=5:1となるようにそれぞれのガス流量を調整して、Alからなるスパッタターゲットにプラズマを照射する。このプラズマ照射により飛散したAl原子は、真空槽内のO原子と化学的に反応してAl23となり、このAl23がAl23膜3aとして上述のSiO2膜2表面に形成されるものである。本実施例では、膜厚が20nmとなるようにAl23膜3aを成膜した。このAl23膜3aは、下地膜であるSiO2膜2及び後述するAl膜4aそれぞれとの密着性を向上させるとともに、後述する陽極酸化中の基板1側からの水分の浸入を遮断する機能を有する金属酸化層である。
次に、Al23膜3aの表面にAl膜4aを成膜する。より詳しくは、上述の真空槽内において、成膜時のガスをArガスのみにして、Alからなるスパッタターゲットにプラズマを照射する。このプラズマ照射により飛散したAl原子は、Al膜4aとしてAl23膜3a表面に形成されるものである。本実施例では、膜厚が40nmとなるようにAl膜4aを成膜した。
さらに、Al膜4aの表面にTa膜4bを成膜する。より詳しくは、上述の真空槽内において、成膜時のガスをArガスのみにして、Taからなるスパッタターゲットにプラズマを照射する。このプラズマ照射により飛散したTa原子は、Ta膜4bとしてAl膜4a表面に形成されるものである。本実施例では、膜厚が200nmとなるようにTa膜4bを成膜した。このTa膜4b及びAl膜4aは、後述するゲート電極5a及びゲート絶縁層6aを形成するための金属層である。
上述したAl23膜3a、Al膜4a、及びTa膜4bは、真空槽内で大気に晒されることなく連続して成膜できるため、Al23膜3aとAl膜4aとの界面、及びAl膜4aとTa膜4bとの界面において、良好な密着性が得られる。また、SiO2膜2とAl23膜3aとは酸化物同士なので密着性がよく同一真空槽内で成膜しなくても、後述の陽極酸化工程での剥離は生じにくい。
また、金属層と金属酸化層とを共通する同一の金属、即ち、本実施例ではAl、を用いることにより、同一のスパッタターゲットを使用できるため、段取り替えの工数を削減できる。
なお、本実施例で成膜したAl23膜3aは、真空中でAl原子とO原子を化学的に反応させて形成しているので、スパッタダーゲットにAl23を用いて成膜したAl23膜よりも緻密な膜質が得られる。
続いて、フォトリソ法によって、Ta膜4b、Al膜4a、及びAl23膜3aを所定の形状になるようにエッチングして、ゲート電極形成部7bを形成する。
その後は、実施例1と同様にして、ゲート電極形成部7bの表面近傍部を陽極酸化法によって酸化させ、ゲート電極5a及びゲート絶縁層6aを形成する。
即ち、ゲート電極形成部7bの表面近傍部が酸化されることにより、金属酸化層、即ちTa25層及びAl23層がゲート絶縁層6aとなり、酸化されていない金属層、即ち酸化されていないTa膜4b部及びAl膜4a部がゲート電極5aとなる。
また、実施例1と同様に、プラスチック基板を用いた場合に、陽極酸化中の基板側からの水分子の浸入を緻密な金属酸化層、即ち緻密なAl23層3aが遮断するため、水分子がゲート電極5aに達することを防止できるので、ゲート電極5aの剥離を防止できる。
次に、実施例1と同様にゲート絶縁層6a及びSiO2膜2の表面に、ペンタセン膜を成膜する。フォトリソ法より、このペンタセン膜を所定形状になるようにエッチングして、有機半導体膜8を得る。
さらに、この有機半導体膜8及びSiO2膜2の表面に、ソース電極9及びドレイン電極11を形成する。
上述により、図1−(a)及び図1−(c)に示す有機薄膜トランジスタ20が作製される。
以上、詳述したように、有機薄膜トランジスタ10,20は、基板1とゲート電極5,5aとの間に、ゲート電極5,5aを構成する金属と同一の金属からなり、かつ、反応性スパッタリング法により形成した緻密な金属酸化層3,3aを遮断層として介在させることにより、緻密で絶縁性の良好なゲート絶縁層6,6aを形成するために陽極酸化法を用いた場合であっても、陽極酸化中に起こる基板1側からの水分子の浸入を確実に遮断できるため、基板1からゲート電極5,5aが剥離することなく良好な密着性が得られた。
なお、基板は本実施例に限定されるものではなく、絶縁性を有する基板であればよく、具体的にはガラス基板、シリコン基板等の表面平滑性に優れている無機材料からなる基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の有機材料からなるプラスチック基板を用いることもできる。
基板の下地膜の材料は、SiO2以外にSiN、SiON、Al23等を用いることができ、またこれらを複合した膜や積層した膜でもよい。また、本実施例では、ゲート電極を形成した側の基板面に下地膜を形成したが、他方の面のみに形成してもよいし、基板の両面に形成してもよい。
ソース電極、ドレイン電極の材料は導電性があるものであれば良く、金、白金、クロム、アルミニウム等の金属や錫酸化物(ITO)等でも良いし、またこれらの膜を積層して形成してもよい。これらの膜は、蒸着法、スパッタ法、及びメッキ法等により形成され、その膜厚は電気抵抗があまり高くならないように5〜500nmの範囲に設定することが望ましい。
ゲート電極の材料は、Taの他に各種導電性のある金属を用いることができるが、好ましくは陽極酸化が可能なTa,Ti,Zr等が好ましい。また、ゲート電極を形成する1層または複数層の金属層は、単一の金属からなる金属層であってもよいし、合金からなる金属層であってもよい。
ゲート絶縁層は、実施例に示したようにゲート電極形成部を陽極酸化することにより形成することが望ましい。この方法を用いると緻密で絶縁性に優れたゲート絶縁層を得ることができる。
有機半導体膜は、蒸着法、スピンコート法、及びインクジェット法などにより、ペンタセン、テトラセン、ペリレン等の縮合芳香族炭化水素、及びこれらの縮合芳香族炭化水素の誘導体と高分子系材料、例えばポリアセチレン、ポリアセン等の共役炭化水素ポリマー、ポリアニリン、ポリピロル、ポリチオフェン等の共役複素環式ポリマーなどを用いることができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、本実施例では有機半導体膜を形成してからソース電極及びゲート電極を形成したが、先にソース電極及びゲート電極を形成した後に有機半導体膜を形成してもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタの構造例を示す上面図及び断面模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作製するためのゲート電極形成部工程における試料の上面図及び断面模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタを作製するための1工程である陽極酸化工程を説明するための断面模式図である。 従来の有機薄膜トランジスタの構造例を示す上面図及び断面模式図である。
符号の説明
1,21 ポリカーボネイト基板(プラスチック基板) 、 2 SiO2膜 、 3,3a 金属酸化層(3 Ta25膜 、 3a Al25膜) 、 4a Al膜(金属層) 、 4,4b,12 Ta膜(金属層) 、 5,5a,22 ゲート電極 、 6,6a,23 ゲート絶縁層 、 7,7b ゲート電極形成部 、 7a ゲート共通電極 、 8,24 有機半導体膜 、9,25 ソース電極 、 11,26 ドレイン電極 、 10,20,40 有機薄膜トランジスタ 、 13 容器 、 14 ホウ酸アンモニウム溶液 、 15 カソード電極 、 30 試料

Claims (2)

  1. 絶縁性を有するプラスチック基板と、
    前記プラスチック基板の一面側に形成されたSiO 膜と、
    前記SiO 膜上に形成された1層または複数層の金属層からなるゲート電極と、
    前記ゲート電極を覆うように形成されたゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層の表面に形成された有機半導体膜と、
    前記有機半導体膜に接するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    備え、
    前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極の表面近傍部の陽極酸化膜からなり、
    前記金属層が1層の場合、前記SiO と前記金属層との間に、前記金属層を形成する金属の酸化物からなる金属酸化層が介在し、
    前記金属層が複数層の場合、前記複数層の金属層のうち最も基板側の金属層と前記SiO との間に、前記最も基板側の金属層を形成する金属の酸化物からなる金属酸化層が介在していることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 絶縁性を有するプラスチック基板の一面側にSiO 膜を形成する工程と、
    前記SiO 膜上に反応性スパッタリング法により単一の金属の酸化物からなる金属酸化層を形成する工程と、
    前記金属酸化層の表面に前記単一の金属からなる金属層を有する導電層を形成する工程と、
    前記導電層及び前記金属酸化層を所定形状にエッチングして、ゲート電極形成部を形成する工程と、
    前記ゲート電極形成部の表面近傍部のみを陽極酸化させてゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁層の表面に、有機半導体膜、並びに、前記有機半導体膜に接するソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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