JP4517232B2 - 着脱式自動車用シート - Google Patents

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Description

本発明は、長尺ものの収納スペースやウォークスルー空間等を車内に確保可能な着脱式自動車用シートに関するものである。
従来、三人掛け用のセパレートシートを例示すると、左右のスタンドフレームと、スタンドフレームの上部間に亘るボトムフレームとからなるシートレッグをシートベースとし、シート本体をシートレッグの上に着脱可能に組み付けるセンターシートを備えるものが知られている。
そのセンターシートは、相隣接するいずれか一方のシートとシートクッションの側部相互で軸承連結し、シートバックをシートクッションの上に前倒し可能に組み付け、シートバックを前に倒したシート本体をシートレッグから取外し可能に備え、また、シートレッグをスライドレールで車内の前後方向に移動可能に備え付けるものとして構成されている(特許文献1)。
そのセンターシートは、シートバックをシートクッションの上に前倒しさせてシート本体をシートレッグから取り外し、シートレッグを右側シート,左側シートより前方または後方に位置移動し、シート本体をシートクッションの側部相互で軸承連結したシートの側部に倒し込むことにより、長尺ものの収納スペースやウォークスルー空間を確保し、また、シートレッグを着座不能な形態に保つよう構成されている。
そのセンターシートでは、シート本体をいずれか一方の隣接するシートの側部に倒し込むことから、長尺ものの収納スペースやウォークスルー空間を確保できても、シートレッグが右側シート,左側シートより前方または後方に位置するため、長尺ものの収納スペースやウォークスルー空間として広く確保するに邪魔となる。
特開2001−301496号
上述したセンターシートにおいては、長尺ものの収納スペースやウォークスルー空間を広く確保するため、シートレッグを車体フロアより着脱可能に施錠するロック機構をスタンドフレームの下部側に備え付け、シートレッグを含むシート全体を車体フロアよりロック機構で取り外せるよう構成すればよい。
それと共に、取り外したシート全体をコンパクトにまとめて収納するため、シートクッションをボトムフレームから取り外し、シートバックをボトムフレームの上に前倒しし、スタンドフレームをリンク機構で横倒しさせてシートレッグを平らに折り畳むことから、シートクッションを含めて一つにまとめられるよう構成すればよい。
そのシート全体を着脱可能で、且つ、シートレッグを折畳み可能に構成する場合、シートが着座姿勢にあるとき、リンク機構の不用意な操作により、シートレッグのスタンドフレームが横に倒れるような事態の発生を避けられるよう構成する必要がある。
本発明は、シート全体が着座姿勢にあるとき、リンク機構が不用意に操作されても、シートレッグのスタンドフレームを横倒れしないよう構成する着脱式自動車用シートを提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、シート本体の組付けベースとなるボトムフレームと、各上端部をボトムフレームの底部左右側端寄りに軸承枢着した横方向に折畳み可能な左右のスタンドフレームとからなるシートレッグを備え、
シートレッグを車体フロアより着脱可能に施錠するロック機構をスタンドフレームの下部側に備え付け、ロック開錠用の操作レバーを第1のワイヤケーブルでロック機構と繋いでシートレッグに備え付け、
両端部を各スタンドフレームの内側に軸承枢着した連結バーと、各端部をスタンドフレームの片方内側とボトムフレームの底部側とに軸承枢着した屈伸可能なリンクバーとを有し、リンクバーをバネで伸張状態に保つリンク機構をシートレッグに組み付け、リンク屈折用の操作レバーを第2のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと繋いでシートレッグに備え付ける着脱式自動車用シートにおいて、
ロック機構が施錠状態にあるとき、リンク屈折用の操作レバーを空振り動させるインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする。
本発明の請求項2は、施錠状態のロック機構との当接で旋回し、且つ、開錠状態のロック機構との当接解除で復帰する揺動レバーを復帰方向にバネ偏倚させてロック機構の片方近傍に軸承装着し、揺動レバーの旋回先端と第2のワイヤケーブルのワイヤ片端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、
ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルを第3のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと遊び状態に保つインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする。
本発明の請求項3は、リンク屈伸用の枢軸を板面の長穴でスライド可能に保持し、基端側をボトムフレームの底部片側端寄りに軸承枢着した連杆プレートを備え付け、リンクバーを伸張方向に付勢する捩りコイルバネを該連杆プレートの基端側とボトムフレームの底部側との間に掛渡し装着したリンク機構をシートレッグに組み付け、
第2のワイヤケーブルのワイヤ片端を遊ばせ可能に連杆プレートで係止し、連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端と揺動レバーの旋回先端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、
ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのワイヤ片端を揺動レバーで連杆プレートより遊び方向に押し遣るインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする。
本発明の請求項4は、連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端を先端側で保持する従動プレートをボトムフレームの底部側に基端側で軸承装着し、第3のワイヤケーブルをワイヤ端で連結する第1アーム部と、従動プレートの板面と先端側で交叉する第2アーム部とを有する略L字状の作動プレートを屈折部でボトムフレームの底部側に軸承装着し、
相交叉する片側の板面より突出する誘導ピンを他側の板面に設けた長穴とスライド可能に嵌め合せて従動プレートと作動プレートとを互いに組み合わせると共に、従動プレートの戻しバネを作動プレートの第1アーム部と従動プレートの基端寄りとの間に掛渡し装着し、
ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのケーブル端を保持する従動プレートを作動プレートで第2のワイヤケーブルの遊び方向に押し遣るインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る着脱式自動車用シートでは、ロック開錠用の操作レバーを第1のワイヤケーブルでロック機構と繋ぎ、リンク屈折用の操作レバーを第2のワイヤケーブルでリンク機構の屈伸可能なリンクバーと繋ぐことから、ロック機構が施錠状態にあるとき、リンク屈折用の操作レバーを空振り動させるインターロック機構を組み付けるため、シート全体がロック機構で施錠されて着座姿勢にあれば、リンク機構のリンクバーを屈折する操作レバーが不用意に操作されても、当該レバー自体がインターロック機構で空振り動する。これにより、リンク機構のリンクバーが屈折動しないため、シートレッグのスタンドフレームが横倒れするような事態の発生を確実に防げる。
本発明の請求項2に係る着脱式自動車用シートでは、施錠状態のロック機構との当接で旋回する揺動レバーの旋回先端と第2ケーブルのワイヤ端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルを第3のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと遊び状態に保つインターロック機構を備え付けるため、シート全体がロック機構で施錠されて着座姿勢にあれば、第2のワイヤケーブルが揺動レバーと繋ぐ第3のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと遊び状態に保たれている。これにより、リンク機構のリンクバーを屈折する操作レバーが不用意に操作されても、当該レバー自体が第2ケーブルの遊びで空振り動し、リンク機構のリンクバーが屈折動しないため、シートレッグのスタンドフレームが横倒れするような事態の発生を確実に防げる。
本発明の請求項3に係る着脱式自動車用シートでは、連杆プレートをリンク機構に組み付け、第2のワイヤケーブルのワイヤ端を遊ばせ可能に連杆プレートで係止し、連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端と揺動レバーの旋回先端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのワイヤ端を揺動レバーで連杆プレートより遊び方向に押し遣るインターロック機構を備え付けるため、シート全体がロック機構で施錠されて着座姿勢にあれば、第2のワイヤケーブルがリンク機構の連杆プレートと遊び状態に保たれている。これにより、リンク機構のリンクバーを屈折する操作レバーが不用意に操作されても、当該レバー自体が第2ケーブルの遊びで空振り動し、リンク機構のリンクバーが屈折動しないため、シートレッグのスタンドフレームが横倒れするような事態の発生を確実に防げる。
本発明の請求項4に係る着脱式自動車用シートでは、連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端を保持する従動プレートを備えると共に、第3のワイヤケーブルをワイヤ端で連結する第1アーム部と、従動プレートの板面と先端側で交叉する第2アーム部とを有する略L字状の作動プレートを備え、相交叉する片側の板面より突出する誘導ピンを他側の板面に設けた長穴とスライド可能に嵌め合せて従動プレートと作動プレートとを互いに組み付け、ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのケーブル端を保持する従動プレートを作動プレートで第2ケーブルの遊び方向に押し遣るインターロック機構を備え付けるため、シート全体がロック機構で施錠されて着座姿勢にあれば、第2のワイヤケーブルが従動プレートを押し遣る作動プレートで遊び状態に保たれている。これにより、リンク機構のリンクバーを屈折する操作レバーが不用意に操作されても、当該レバー自体が第2ケーブルの遊びで空振り動し、リンク機構のリンクバーが屈折動しないため、シートレッグのスタンドフレームが横倒れするような事態の発生を確実に防げる。
図示実施の形態は、図1で示すように自動車用の三人掛けリアシートの右側シートRと左側シートLとの間に設置されるセンターシートSを構成する場合を示す。そのセンターシートSは、シートクッションC,シートバックB,ヘッドレストHをシート本体として備え、シートレッグ1をシートベースとして車体フロアより着脱可能に構成されている。
以下、図2並びに図3を主に参照し、シートレッグ1を含むシート全体を車体フロアFより取り外し、スタンドフレームを横倒しする前の状態にあるセンターシートに基づいて構成を説明する。なお、図2では主要部の構成を判り易くするため、シートレッグ1が破線で示されている。また、後述する二つ並びの符号のうち、括弧で囲む片側は括弧なしと同じ構成を有することを示す。
シートレッグ1は、ボトムフレーム10と左右のスタンドフレーム11,12とを備えて組み立てられている。ボトムフレーム10には、シートクッションを着脱可能に載置し、シートバックをリクライニングデバイス(図示せず)で角度調整乃至は前倒し可能に後端部寄りで保持するよう各々組み付けられている。
左右のスタンドフレーム11(12)は、前後の脚部11a,11bをパイプフレーム11cまたは板状フレーム(但し、相対側に組み付けられる。)で連結することから、前後の脚部11a,11bを主体に組み立てられている(図3参照)。
各スタンドフレーム11,12は、軸受けブラケット13a,13b、14a,14b(図2参照)をボトムフレーム10の底部隅に取り付けると共に、支軸15a,15b、16a,16bを軸受けブラケット13a,13b、14a,14bとの相対辺に挿通させて上端部を軸承枢着することにより、両者同方向に横倒れ可能に取り付けられている。
各スタンドフレーム11,12には、シートレッグ1を含むシート全体を車体フロアFより着脱するロック機構2,3(図2参照)が下部側に備え付けられている。そのロック機構2(3)として(図3参照)は、車体フロアFに設置されたコ字状の棒状部材によるストライカsのくわえ込み口を下向きに設けた後部ロック2aと、ストライカsのくわえ込み口を前向きに設けたフック状の前部ロック2bとが組みに備え付けられている。
後部ロック2aは、図4で示すようにストライカsのくわえ込み口を設けたロック顎20と、ロック顎20をストライカsのくわえ込み状態に係止しまたは解除するカム顎21とを備えて組み立てられている。ロック顎20は張出し縁22を有し、カム顎21は受け縁23を有し、張出し縁22と受け縁23との係合乃至は離脱により、ロック顎20がストライカsをくわえ込み乃至は解除可能にカム顎21と組み合わされている。
各顎20,21は、板面の偏心位置に挿通する支軸24,25で基枠フレーム26の板面に軸承装着することから、ロック顎20の張出し縁22とカム顎21の受け縁23とを係合乃至は離脱するよう揺動可能に取り付けられている。また、コイルスプリング27を各顎20,21の上部側に掛渡し装着し、ロック顎20をストライカsのくわえ込み解除方向に引張り支持するよう組み合わされている。
ロック機構2,3には、二本引き出される第1のワイヤケーブル4a,4bで後部ロック2aのカム顎21と個別に繋ぐロック開錠用の操作レバー4が備え付けられている(図2参照)。この操作レバー4は、先端側より引上げ操作する揺動レバーとしてボトムフレーム10の上面後部で片側端寄り(着座姿勢を基準にすると、右側に位置する。)に配置されている。
第1のワイヤケーブル4a(4b)としては、金属細線を束ねた牽引ワイヤ40を樹脂ケーブル41に挿通したもの(図3参照)が用いられている。
そのワイヤケーブル4a(4b)は、図4で示すように牽引ワイヤ40をワイヤ端に取り付けたリング42のピン43で後部ロック2aのカム顎21に止着することによりロック開錠用の操作レバー4と各ロック機構2(3)とを繋ぐよう配線されている。また、後部ロック2aに向かう樹脂ケーブル41のチューブ端を後述するリンク機構の連結バーで保持することから、操作レバー4の引上げ操作により牽引力を後部ロック2aのカム顎21に作用可能に組み付けられている。
シートレッグ1には、直線状の連結バー50と屈伸可能なリンクバー51とによるリンク機構5が組み付けられている。連結バー50はコの字状のチャンネル部材でなり、図5で示すように軸受けブラケット11d,12aを脚部連結用のパイプフレーム11cと板状フレーム12bとに取り付けると共に、支軸50a,50bを軸受けブラケット11d,12bとの相対面に挿通することから、両端部がスタンドフレームの各内側に軸承枢着されている。
リンクバー51は、コの字状のチャンネル部材でなる二本のバー51a,51bを枢軸51cで連結させて屈伸可能に組み立てられている。このリンクバー51は、連結バー50と同じ軸受けブラケット12aに挿通する支軸50bと、ボトムフレーム10の下部面に取り付けられた軸受けブラケット17に挿通する支軸51dとにより、各端部をスタンドフレーム(図2中、符号12)の片方内側とボトムフレーム10の底部側とに軸承枢着することから斜めに組み付けられている。
それに加えて、コの字状のチャンネル部材でなる連杆プレート52がリンク機構5に組み付けられている。連杆プレート52は、リンクバー51の枢軸51cを側辺フランジの長手方向に設けられた長穴53でスライド可能に軸受け支持すると共に、ボトムフレーム10の底部片側端寄りに取り付けた軸受けブラケット18と、相対辺に挿通する支軸54とから、上端部をボトムフレーム10の底部側に軸承枢着させてリンクバー51と直交するよう取り付けられている。
連杆プレート52は、コイル部を支軸54の軸線上に嵌装する捩りコイルバネ55(図3参照)を備えている。その捩りコイルバネ55は、片バネ端を支軸54の軸線上に掛け止め、他バネ端をボトムフレーム10の底部面に掛け渡すことから、リンクバー51を伸張方向に付勢している。また、リンクバー51は連杆プレート52の支軸54と屈伸用の枢軸51cとの間に掛け渡すコイルスプリング56で屈折を補助するよう引張されている。
連杆プレート52の長穴53は、図6で示すように直線状のスライド穴53aと、スライド穴53aの終始端寄り上縁を半円弧状に切り欠いた係合縁53b,53cとから形成されている。この長穴53の係合縁53b,53cは、枢軸51cをリンクバー51の屈伸に伴って受入れ係止するよう設けられている。
連杆プレート52には、リンク屈折用の操作レバー6が第2のワイヤケーブル6aで繋がれている(図2参照)。この操作レバー6は、ロック開錠用4と同様に、先端側より引上げ操作する揺動レバーとしてボトムフレーム10の上面後部側でロック開錠用4より離間した片側端寄りに配置されている。
両操作レバー4,6は、ロック開錠用とリンク屈折用と適宜な表示を把手表面に施すことから機能的に選択使用可能に備え付けられている。また、着座姿勢にあるシートバックの下部側で背面側に露出するようシートレッグ1に取り付けられている。
第2のワイヤケーブル6aとしては、第1のワイヤケーブル4a(4b)と同様に、金属細線を束ねた牽引ワイヤ60を樹脂ケーブル61に挿通したものが用いられている。このワイヤケーブル6aは、牽引ワイヤ60の先端側を球状部62として形成し、球状部62を含む牽引ワイヤ60を連杆プレート52の側部より突出する掛止め片57で遊ばせ可能に係止させて連杆プレート52と連結されている。
掛止め片57は、図7で示すように連杆プレート52の側部より突出する張出し板57aと、張出し板57aの突端側に折り曲げられた係止板57bと、係止板57bに設けられたスリット57cとから形成されている。
その掛止め片57に対し、第2のワイヤケーブル6aは、牽引ワイヤ60を係止板57bのスリット57cに挿通させて球状部62を係止板57bの背後側に当接し、後述する牽引ワイヤ60のずれ込みにより、球状部62を係止板57bより遊び方向に離間させるよう組み付けられている。
第2のワイヤケーブル6aは、連杆プレート52の張出し板57aに向かう樹脂ケーブル61のケーブル端がケーブルホルダー6b(図2参照)で保持されている。ケーブルホルダー6bは、後述するようにロック機構2の近傍位置に備え付けられてロック顎20で蹴上げ可能な揺動レバー75(図3参照)と第3のワイヤケーブル7で繋がれている。
そのケーブルホルダー6bは、連杆プレート52の掛止め片57,第3のワイヤケーブル7,揺動レバー75を含み、インターロック機構を構成するよう備え付けられている。このインターロック機構は、ロック機構2,3が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブル6aを連杆プレート52の掛止め片57より遊び状態に保ってリンク屈折用の操作レバー6を空振り動させるよう構成されている。
ケーブルホルダー6bは、図8で示すように第2のワイヤケーブル6aを樹脂ケーブル61のケーブル端で保持する略くの字状の従動プレート63を備え、また、第3のワイヤケーブル7をワイヤ片端で連結する第1アーム部64aと、従動プレート63の板面と先端側で交叉する第2アーム部64bとを有する略L字状の作動プレート64を備えて組み立てられている。
従動プレート63は、樹脂ケーブル61(第2のワイヤケーブル6a)のケーブル端を先端側から立ち上がる挟持片63aで保持し、基端側を植立ピン63bでボトムフレーム10の底部面(図2参照)に軸承装着することから、植立ピン63bを支点に、ケーブル端の挟持片63aを旋回先端として揺動可能に取り付けられている。
作動プレート64は、L字の屈曲部を植立ピン64cでボトムフレーム10の底部面(図2参照)に軸承装着することから、植立ピン64dを支点に、第2アーム部64bを含むプレート全体が揺動可能に取り付けられている。この作動プレート64には、ワイヤ端のピン73を第1アーム部64aの中腹辺に設けられた止め環64dに嵌着することにより、第3のワイヤケーブル7が連結されている。
従動プレート63には、長穴63cがくの字の中腹辺よりケーブル端の挟持片63aに向かう板面に設けられている。一方、作動プレート64には従動プレート63の長穴63cを設けた板面と相交叉する第2アーム部64bの先端寄りに植立した誘導ピン64eが設けられている。この作動プレート64の誘導ピン64eは、従動プレート63の長穴63cとスライド可能に嵌め合わされている。
従動プレート63と作動プレート64との間には、従動プレート63を軸承する植立ピン63cの近傍位置に設けたバネ掛け片63dと、第1アーム部64aの先端側に設けたバネ掛け片64fとに掛け渡すコイルスプリング65が備え付けられている。
そのコイルスプリング65により、誘導ピン64eがケーブル端(第2のワイヤケーブル6a)の挟持片63aと近い長穴63cの孔縁側に位置すると共に、第2のワイヤケーブル6aの球状部62が連杆プレート52の掛止め片57と当接状態に保たれるよう、従動プレート63が作動プレート64で引張支持されている。
第3のワイヤケーブル7としては、第1,第2と同様に、金属細線を束ねた牽引ワイヤ70を樹脂ケーブル71に挿通したものが用いられている。このワイヤケーブル7は、作動プレート64の止め環64cに向かう樹脂ケーブル71のケーブル端をボトムフレーム10の底部面にあてがい固定された基板74aより立ち上がる挟持片74bで保持することから配線されている。
第3のワイヤケーブル7は、作動プレート64の第1アーム部64aから引き続き、ロック機構2の近傍位置に備え付けられた揺動レバー75(図3並びに図4参照)とを繋いでいる。揺動レバー75は、第1アーム部75aと第2アーム部75bとから略くの字状を呈し、屈曲部を支軸75cで後側の脚部11bに軸承装着することによりスタンドフレーム11に取り付けられている。
揺動レバー75は、コイル部76aを支軸75cの軸線上に嵌装した捩りコイルバネ76を備えている。その捩りコイルバネ76は、片バネ端76bを脚部11bの板面より立ち上がる突片11eに掛け渡し、他バネ端76bを第2アーム部75bの片縁辺に掛け止めることにより、第2アーム部75bをロック機構2のロック顎20と近接する方向に付勢している。第2アーム部75bの先端側には、ロック顎20の上部側と当接可能な蹴上げ片75dが設けられている。
第3のワイヤケーブル7は、ワイヤ端のピン77を第1アーム部75aの先端側に設けられた止め環75eに嵌着することにより、揺動レバー75と牽引ワイヤ70のワイヤ端で連結されている。その樹脂ケーブル71のケーブル端は、スタンド脚部11bの板面にあてがい固定された基板78aより起立する挟持片78bで保持されている。
このように構成するセンターシートは、まず、シート全体の取外し状態(図2参照)から車体フロアFに施錠するに、シートレッグ1を持って前部ロック2bをくわえ込み口でストライカsに掛け止めると共に、後部ロック2aのくわえ込み口をストライカsに向けて落し込む。
その後部ロック2aの落込みにより、図9で示すように後部ロック2aのロック顎20がストライカsで突き上げられて揺動する(矢印A参照)ことから、ロック顎20がストライカsをくわえ込み、また、ロック顎20の張出し縁22がカム顎21の受け縁23と係合することから、ロック機構2が施錠状態になる。
ロック機構2が施錠動するときには、ロック顎20の上部側が揺動レバー75の蹴上げ片73dに突き当たることから、揺動レバー75が捩りコイルバネ76に抗して旋回し(矢印B参照)、旋回姿勢にロック顎20の上部側で保たれる。揺動レバー75が旋回すると、揺動レバー75の第1アーム部75aが第3のワイヤケーブル7の牽引ワイヤ70を引張る(矢印C参照)。
第3のワイヤケーブル7の牽引ワイヤ70が引っ張られると、図10で示すようにケーブルホルダー6bの作動プレート64が旋回し(矢印D参照)、第2アーム64bの誘導ピン64eが従動プレート63の長穴63cに沿って移動する。これに伴って、従動プレート64bが第2のワイヤケーブル6bのケーブル端を保持する挟持片63cを連杆プレート52の掛止め片57と近接する方向に押し遣られる(矢印E参照)。
第2のワイヤケーブル6bのケーブル端を保持する挟持片63cが連杆プレート52の掛止め片57に近接すると、牽引ワイヤ60が係止板57bのスリット57cでずれ込み(矢印F参照)、牽引ワイヤ60の球状部62が掛止め片57の係止板57bより遊び方向に離間させられる。
その牽引ワイヤ60の球状部62が遊び方向に離間させられると、リンク機構5のリンクバー51を屈折する操作レバー6が不用意に操作されても、当該レバー自体が第2のワイヤケーブル6aの遊びで空振り動する。このため、リンク機構5のリンクバー51が屈折動しないから、シートレッグ1のスタンドフレーム11,12が横倒れするような事態の発生を確実に防げる。それと共に、操作者には誤操作であることの注意を促せる。
施錠状態のシート全体を車体フロアFから取り外すには、まず、ロック開錠用の操作レバー4を引上げ操作すればよい。そのレバー操作を行うと、ロック機構2(3)のカム顎21が第1のワイヤケーブル4a(4b)で引っ張られることにより、カム顎21の受け縁23がロック顎20の張出し縁22より外れ揺動する。また、ロック顎20がコイルスプリング27で引張されてストライカsから外れ揺動する(図4参照)。
それと共に、揺動レバー75がロック顎20の上部側との当接を解除されるため、揺動レバー75が捩りコイルバネ76で復帰動する。これに伴って、揺動レバー75による第3ケーブルワイヤ7の引張りが解除されるところから、ケーブルホルダー6bが上述したと逆に動くことにより、第2のワイヤケーブル6aが牽引ワイヤ60の球状部62を係止板57bの背後側に当接するよう復帰動する(図8参照)。
そのシートレッグ1を含むシート全体は、ロック機構2,3が開錠されていることによりストライカs,sから外せる。シート全体の取外し後、シートレッグ1のスタンドフレーム11,12を横倒しさせるにはリンク屈折用の操作レバー6を引上げ操作すればよい。
そのレバー操作により、図11で示すように第2のワイヤケーブル6aが連杆プレート52を牽引ケーブル60で引張る(矢印G参照)。これに伴って、リンクバー51の枢軸51cが連杆プレート52の長穴53に沿って摺上り移動し(矢印H参照)、リンクバー51が折れ曲がることから、スタンドフレーム11,12を連結バー50で同方向に横倒しできる。
上述したセンターシートにおいては、リンク屈折用の操作レバー6と第4のワイヤケーブル8で繋ぐことから、レッグ用のロック機構9(図2参照)が備え付けられている。そのレッグ用のロック機構9は、スタンドフレーム11,12が自重で元の状態に立ち出すのを防ぐべく、リンク機構5の連結バー50を係止するようボトムフレーム10の底部側に備え付けられている。
レッグ用のロック機構9は、図12並び図13で示すように上部辺が相対的に長い略U字状のくわえ込み口90aを設けたロック片90と、ロック片90を係止しまたは解放する鉤状片91aを設けたラッチ91と、ロック片90を軸承装着する立上り板92aを設けると共に、二つのバネ掛け片92b,92cを設けた基板92とから組み立てられている。このロック機構9は、基板92でボトムフレーム10の底部側にあてがい固定されている。
ロック片90は、立上り板92aの板面と相対させて支軸90bで縦姿勢に軸承装着されている。ロック片90の支軸90bには、コイル部を軸線上に嵌装した捩りコイルバネ93が備え付けられている。このロック片90には、支軸90bの近傍位置からラッチ91の鉤状片91aに向けて張り出す突片90cが設けられている。
ロック片の捩りコイルバネ93は、コイル部の片バネ端を立上り板92aより折れ曲がるバネ掛け片92bに掛け止め、他バネ端を支軸90bより上方の片辺縁に掛け止めて組み付けられている。この捩りコイルバネ93により、ロック片90はくわえ込み口90aが斜め向きでリンク機構5の連結バー50に向くよう付勢されている。
ラッチ91は、板面を基板92と相対させ、鉤状片91aをロック片90の突片90cと側方より当接させるよう支軸91bで基板の板面上に軸承装着されている。このラッチ91には、第4のワイヤケーブル8のワイヤ端を連結する立上り片91cが設けられている。また、支軸91bにはコイル部を軸線上に嵌装した捩りコイルバネ94が組み付けられている。
ラッチの捩りコイルバネ94は、コイル部の片バネ端を基板92の板面縁より立ち上がるバネ掛け片92cに掛け止め、他バネ端をラッチ91の掛止め片91aと反対側の側辺縁に掛け止めて組み付けられている。この捩りコイルバネ94により、ラッチ91は鉤状片91aをロック片90の突片90cと弾圧当接するよう付勢されている。
第4のワイヤケーブル8としても、第1,第2,第3と同様に、金属細線を束ねた牽引ワイヤ80を樹脂ケーブル81に挿通したものが用いられている。このワイヤケーブル8は、牽引ワイヤ80を立上り片91cの板面に挿通させて球状部82で掛け止め、また、樹脂ケーブル81のケーブル端をボトムフレーム10の底部面にあてがい固定した基板83aより立ち上がる挟持片83bで保持することによりラッチ91に連結されている。
このレッグ用のロック機構9に対しては、ロック片90を受入れ可能な方形の開口部58を連結バー50の板面に設け、その開口部58の口縁間に掛渡し固定した掛け金バー59が連結バー50に備え付けられている。
このレッグ用のロック機構9では、スタンドフレーム11,12の横倒しにより、リンク機構5が屈折すると、図14で示すように掛け金バー59がロック片90のくわえ込み口90aと長い上辺側に当接することにより、捩りコイルバネ93に抗してロック片90を押し倒す(矢印I方向)。そのロック片90が倒れ揺動すると、くわえ込み口90が掛け金バー59aを係止する。
ロック片90の倒れ揺動に伴っては、ロック片90の突片90cがラッチ91の鉤状片91aから外れ、図15で示すようにラッチ91が捩りコイルバネ94でバネ偏倚し(矢印J方向)、鉤状片91aがロック片90の突片90cを係止する。これにより、ロック片90が倒れ姿勢に保持されるため、シートレッグ1を折畳み状態に施錠できる。
レッグ用のロック機構9を開錠するには、リンク屈折用の操作レバー6を引上げ操作し、ラッチ91の鉤状片91aをロック片90の突片90cから外すよう第4のワイヤケーブル8で引張ればよい。
このセンターシートは、シート全体を車体フロアFから取り外した後に、図16で示すようにシートクッションCをシートレッグ1より取り外すと共に、シートバックBをシートレッグ1の上に前倒しし、更に、図17で示すようにシートレッグ1を折り畳み、シートクッションCを重ねることから一つにまとめられる。
一つにまとめたシート全体は、車体フロアFを凹状に窪ませてトランクルームを形成し、このトランクルームをリッドで開閉する収納ボックスに収納するようにできる。また、他のシートの下部側を収納空間として用いることによる収納形態も採れる。
上述した実施の形態は、セカンドシートのセンターシートを構成する場合に基づいて説明したが、センターシートに限らず、その他の自動車用シートを着脱式に構成する場合にも適用できる。
本発明に係る着脱式自動車用シートをセンターシートとして備える三人掛けシートを示す斜視図である。 図1のセンターシートを構成するシートレッグを示す平面図である。 図2のシートレッグを示す側面図である。 図2のシートレッグに備えられるシート着脱用のロック機構を示す側面図である。 図2のシートレッグに備えられるリンク機構を示す正面図である。 図5のリンク機構を構成する連杆プレートを示す正面図である。 図6の連杆プレートに取り付けられた第2のワイヤケーブルの掛止め片を示す平面図である。 図7の掛止め片で係止する第2のワイヤケーブルのケーブルホルダーを示す平面図である。 図4のシート着脱用のロック機構を施錠状態で示す側面図である。 図8のケーブルホルダーを作動状態で示す平面図である。 図5のシートレッグのリンク機構を屈折途上で示す正面図である。 図2のシートレッグに備えられるレッグ施錠用のロック機構を示す側面図である。 図12のレッグ施錠用のロック機構を示す平面図である。 図12のレッグ施錠用のロック機構を作動状態で示す側面図である。 図14のレッグ施錠用のロック機構を示す平面図である。 図1のセンターシートをシートクッションの取外し並びにシートバックの前倒し状態で示す斜視図である。 図16のセンターシートをシートレッグの折畳み状態で示す斜視図である。
符号の説明
1 シートレッグ
10 ボトムフレーム
11,12 スタンドフレーム
2,3 シート着脱用のロック機構
4 ロック開錠用の操作レバー
4a,4b 第1のワイヤケーブル
5 シートレッグのリンク機構
50 リンク機構の連結バー
51 リンク機構のリンクバー
51a リンクバーの枢軸
52 リンク機構の連杆プレート
53 連杆プレートの長穴
54 連杆プレートの支軸
55 連杆プレートの捩りコイルバネ
57 ワイヤの掛止め片
6 リンク屈折用の操作レバー
6a 第2のワイヤケーブル
63 従動プレート
63c 従動プレートの長穴
64 作動プレート
64a 作動プレートの第1アーム部
64b 作動プレートの第2アーム部
64e 作動プレートの誘導ピン
65 従動プレートの戻しバネ
7 第3のワイヤケーブル
75 揺動レバー
57,6,6a,63,63c,64,64e,7,76
インターロック機構

Claims (4)

  1. シート本体の組付けベースとなるボトムフレームと、上端部をボトムフレームの底部左右側端寄りに軸承枢着した横倒れ可能な左右のスタンドフレームとからなるシートレッグを備え、
    シートレッグを車体フロアより着脱可能に施錠するロック機構をスタンドフレームの下部側に備え付け、ロック開錠用の操作レバーを第1のワイヤケーブルでロック機構と繋いでシートレッグに備え付け、
    両端部をスタンドフレームの各内側に軸承枢着した連結バーと、各端部をスタンドフレームの片方内側とボトムフレームの底部側とに軸承枢着した屈伸可能なリンクバーとを有し、リンクバーをバネで伸張状態に保つリンク機構をシートレッグに組み付け、リンク屈折用の操作レバーを第2のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと繋いでシートレッグに備え付ける着脱式自動車用シートにおいて、
    ロック機構が施錠状態にあるとき、リンク屈折用の操作レバーを空振り動させるインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする着脱式自動車用シート。
  2. 施錠状態のロック機構との当接で旋回し、且つ、開錠状態のロック機構との当接解除で復帰する揺動レバーを復帰方向にバネ偏倚させてロック機構の片方近傍に軸承装着し、揺動レバーの旋回先端と第2のワイヤケーブルのワイヤ片端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、
    ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルを第3のワイヤケーブルでリンク機構のリンクバーと遊び状態に保つインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする請求項1に記載の着脱式自動車用シート。
  3. リンク屈伸用の枢軸を板面の長穴でスライド可能に保持し、基端側をボトムフレームの底部片側端寄りに軸承枢着した連杆プレートを備え付け、リンクバーを伸張方向に付勢する捩りコイルバネを該連杆プレートの基端側とボトムフレームの底部側との間に掛渡し装着したリンク機構をシートレッグに組み付け、
    第2のワイヤケーブルのワイヤ片端を遊ばせ可能に連杆プレートで係止し、連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端と揺動レバーの旋回先端とを第3のワイヤケーブルで繋ぎ、
    ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのワイヤ端を揺動レバーで連杆プレートより遊び方向に押し遣るインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする請求項2に記載の着脱式自動車用シート。
  4. 連杆プレートに向かって延びる第2のワイヤケーブルのケーブル端を先端側で保持する従動プレートをボトムフレームの底部側に基端側で軸承装着し、第3のワイヤケーブルをワイヤ端で連結する第1アーム部と、従動プレートの板面と先端側で交叉する第2アーム部とを有する略L字状の作動プレートを屈折部でボトムフレームの底部側に軸承装着し、
    相交叉する片側の板面より突出する誘導ピンを他側の板面に設けた長穴とスライド可能に嵌め合せて従動プレートと作動プレートとを互いに組み合わせると共に、従動プレートの戻しバネを作動プレートの第1アーム部と従動プレートの基端寄りとの間に掛渡し装着し、
    ロック機構が施錠状態にあるとき、第2のワイヤケーブルのケーブル端を保持する従動プレートを作動プレートで第2のワイヤケーブルの遊び方向に押し遣るインターロック機構を組み付けてなることを特徴とする請求項3に記載の着脱式自動車用シート。
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