JP4517210B2 - セラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークは、穿孔加工、印刷加工、カッティング加工等の各種加工を施す場合、通常、平面視矩形状の段積用パレットに一枚ずつ収容されて、各加工設備の近傍まで移送され、そのパレットから搬入装置を介して加工設備に搬入して所望の加工が施される。
尚、セラミックスグリーンシートは、穿孔加工、印刷加工を経て積層、プレスされてグリーンシート積層圧着体を成形し、グリーンシート積層圧着体は、カッティング工程を経て焼成され、プリント配線板は、搭載装置でチップや、コンデンサー等が搭載(実装)される。
【0003】
従来の段積用パレットAは、図11に示すように底部をワーク載置面部11とする薄箱状であったり、図12に示すようにそのワーク載置面部11の4隅または対角線上の2隅から位置決め凸部21’…を突設した単純な構成であり、共に一面(表面)を上方に向けた状態でワークを収容するようになっている。
【0004】
ところで、グリーンシート積層圧着体(ワーク)では、例えばチップを碁盤目状にカッティングする際にワークを「ギロチン式」に一挙にカッティングすると、切断縁の歪み変形が大きくなって、焼成後の歩留まり低下の大きな要因になることから、同ワークの両面同一位置から碁盤目状にハーフカットしてから焼成し、中間のつなぎ部分を人為的に割ってチップを得る方法が採られている。
このチップを得る一連の作動を、前記する図11の段積用パレットを使用したカッティング装置で説明すると、その一連のシステムは、図13にように構成されている。
このシステムは、搬入位置で段積されたパレット群A1から上段のパレットAを外す度に、先端にバキュームパットcを有する搬入・搬出装置CでワークWを吸着してカッティング装置Bのインデックステーブルbに載承させて、所定間隔をおいて間欠送りされる切断刃kとインデックステーブルbの割出機能とでワークWの一面に碁盤目状にハーフカットを施し、そのワークWを、カッティング装置Bのインデックステーブルb真上に接近状に出入りする吸着、吸着解除可能で且つ回転可能な吸着プレートGで吸着した(図13(a))後、同吸着プレートGを待機位置に復動させ、その位置でワークWを上向きに回転させた後、前記する搬入・搬出装置CでワークWを吸着して、その吸着されるワークWを搬出位置に多段状に段積みされる空のパレットA個々に収容する(図13(b))。
そして、一面側にハーフカットが施されたワークWの全てが搬出位置で空の全てのパレットAに収容されたら、再びその段積されたパレット群A1を搬入位置まで移送し、再度搬入・搬出装置CでのワークWのインデックステーブルbへの載承、切断刃kによるワークWの他面側からのハーフカット、吸着プレートGによるワークWの吸着及び回転、搬入・搬出装置Cによる同ワークWの吸着及び空のパレットAへのワークWの収容が行なわれる。
【0005】
このような従来のシステムでは、カッティング装置B、搬入・搬出装置Cの他に、インデックステーブルb上方に出入りしてワークWを吸着し尚且つ回転する吸着プレートGを必要とし、カッティング装置B自体の大型化と共に装置コストの高騰を招く問題があった。
また、インデックステーブルb上のハーフカットされたワークWを直接搬入・搬出装置Cで吸着して、空のパレットAに収容する際に、そのワークWを人為的に反転する手法も存在するが、人手を要することから、作業時間がかかり効率的な切断作業が行なえない。
尚、ワークの中には、一面側から製品孔を穿孔し、他面側から電極を印刷するセラミックスグリーンシートや、両面側から電極を印刷するセラミックスグリーンシートや、両面に施した基準マーク個々に合わせて一面側、他面側から基準孔や製品孔を穿孔するセラミックスグリーンシートや、両面にチップや、コンデンサ等を実装するプリント配線板等様々なものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ワークを反転するに際して、専用の装置(例えばインデックステーブル上方に出入りし尚且つ回転する吸着プレート)を使用したり、ワークを一枚ずついちいち人為的に反転する必要がない、非常に便利なワークの段積用パレットを提供することである。
他の目的とする処は、共通する一縁部を一致させて段積み可能にして、平面視方向の向きを同じにして段積する段積用パレットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するために講じた技術的手段として、請求項1は、縁枠部の中途高さ部位にワーク載置面部を設けて形成されたパレット体における縁枠部の上端部、下端部のどちらか一方に凹部を、他方に凸部を形成して、凹部、凸部の係脱可能な係合で必要数のパレット体を段積可能に構成し、前記縁枠部は、段積状態のパレット体を反転した際、パレット体相互空間でのワークの鉛直方向の移動を許容するように前記ワークよりも僅かに大きな平面視形状をもって形成してあることを要旨とする。
【0008】
前記技術的手段によれば、凹部と凸部の相互の係合で多段状に段積みされる。段積みされた必要数のパレット群を反転すると、各パレットに収容されるワークは、水平方向に回転することなく各パレット内のワークの他面側を上向きにする。
【0009】
請求項2は、請求項1記載のパレット体の縁枠部において所望の一縁部に、段積時の各パレット体の向きを合わせる向き合わせ部を設けていることを要旨とする。
この向き合わせ部は、係合部を構成する凹部と凸部や、目印等、向きを統一させるものであれば、構成は任意である。
【0010】
前記技術的手段によれば、向き合わせ部で共通する一縁部を一致させて段積して、全てのパレットを同じ方向に向かせる。
【0011】
請求項3は、ワークに開孔された複数の位置決め孔を個別に挿通させる位置決め凸部を基板の上面及び下面に背中合わせ状に突設してパレット体を形成し、前記位置決め凸部の上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部を、他方に係合用凹部を形成して、必要数のパレット体相互における前記係合用凸部と前記係合用凹部の係脱可能な係合で段積可能に構成していることを特徴とする。また、位置決め凸部が、基板の4隅または対角線上の2隅に形成されている場合であって、図8に示すように各パレット体の基板一半部側から突設する上側の位置決め凸部上端に係合用凹部を、同基板他半部側から突設する上側の位置決め凸部上端に係合用凸部を形成すると共に基板一半部側から突設する下側の位置決め凸部下端には逆に係合用凸部を、基板他半部側から突設する下側の位置決め凸部下端に係合用凹部を形成してあっても良いものであるし、前記位置決め凸部端の凹凸関係を全く逆にするのも自由である。このようにすることによって、基板一半部側と他半部側の位置決め凸部端の形状が異なるため、それを目印にして全てのパレットを同じ向きにして段積できる。
【0012】
前記技術的手段によれば、係合用凹部と係合用凸部の相互の係合で段積させ、その位置決め凸部が、ワークの位置決め孔を挿通してワークを位置決めする。段積されたパレット群を反転すると、ワークは、水平方向に回転することなく、位置決め凸部をガイド体としてパレット体相互空間を鉛直方向にスライド落下して、他面側を上向きにする。
【0013】
請求項4は、ワークに開穿された各位置決め孔に対応してその位置決め孔よりも大径な位置合わせ凸部を基板の上面及び下面に背中合わせ状に突設してパレット体を形成し、前記位置合わせ凸部の上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部を、他方に係合用凹部を形成してなり、前記係合用凸部は、前記位置決め孔よりも小径をもって一方の前記位置合わせ凸部に連設した連絡凸部の先端に更に小径をもって延設し、前記係合用凹部は、前記位置決め孔よりも小径をもって他方の前記位置合わせ凸部に連設した同連絡凸部の先端に凹設し、必要数のパレット体相互における前記係合用凸部と前記係合用凹部の係脱可能な係合で段積可能に構成していることを特徴とする。前記位置合わせ凸部は、ワークに搭載(実装)されるチップや、コンデンサ等の電装品の厚みよりも高い高さをもって基板表裏から突設される。
【0014】
前記技術的手段によれば、係合用凸部と係合用凹部の相互の係合で段積させ、連絡凸部がワークの位置決め孔を挿通してワークを位置決めする。段積されたパレット群を反転にすると、ワークは、パレット体相互空間の中間部に支持したまま他面側を上向きにする。そして、ワークがチップやコンデンサ等を搭載(実装)している場合、その実装品がパレット内面と接触することを防止する。
【0015】
請求項5は、請求項3または4記載において、パレット体における基板の所望な一縁部に、段積時の向きを合わせる向き合わせ部を設けていることを要旨とする。
【0016】
前記技術的手段によれば、パレット体における基板の共通する一縁部を一致させて段積させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は、本実施の形態段積用パレットの第1の実施の形態を、図6及び図7は同第2の実施の形態を、図8は、第3の実施の形態を、図9及び図10は第4の実施の形態を各々示している。まず、第1の実施の形態を説明すると、符号Aは、段積用パレットである。
【0018】
この段積用パレットA…は、縁枠部1の中途部にワーク載置面部11を水平に連設して形成されたパレット体2のその縁枠部1上端部、下端部の何れか一方に段積時に係脱可能に係合する凸部(環状凸部)3と、凹部(環状凹部)4とを備えて構成されている。
【0019】
前記ワーク載置面部11は、矩形状のワークWを囲繞する平面視形状を呈する縁枠部1の中間にワークWと略同面積をもって水平状に成形されている。
詳細には、このワーク載置面部11は、ワークWの面積よりもほんの僅かに広い面積に形成されており、環状凸部3、環状凹部4は、図2に示すように縁枠部1上端部、下端部の内側一半部に各々形成され、必要数のパレット体2…の関係において環状凸部3とその環状凹部4とを互いに係合させた状態でワーク載置面部11にワークWを支承して段積し、その段積状態で反転した際、パレット体相互空間5での各ワークW…の鉛直方向に移動を許容するようにしてある(図3参照)。
【0020】
また、このパレット体2には、図2に示すようにその縁枠部1において所望する一縁部に、段積時の各パレット体2…の向きを合わせる向き合わせ部6が設けられている。
【0021】
この向き合わせ部6は、本実施の形態では縁枠部1の一縁部上端部、下端部外側部位同一鉛直上の位置に部分的に形成した向き合わせ用凸部16と向き合わせ用凹部26とであり、向き合わせ用凸部16と向き合わせ用凹部26とが互いに係合するように向きを合わせた状態で必要数のパレット体2…を段積みする目印になっている。
この目印によって、パレット体2の向きを同じにして段積することができる。
【0022】
図4は、グリーンシート積層圧着体であるワークWを、カッティング装置Bに搬入して同ワークWの両面にハーフカットを施すシステムを示している。
ワークWを収容する段積用パレットAを段積されたパレット群A1を、カッティング装置Bの搬入位置に移送して待機させ、その位置で段積用パレットAを上位から順に外しながら、バキュームパットcを有する搬入・搬出装置CでワークWを吸着してカッティング装置Bのインデックステーブルbに受け渡し、そのワークWに切断刃kで碁盤目状にハーフカットする。次いで、一面をハーフカットした同ワークWを、搬出位置に載置された空の段積用パレットAに一枚ずつ収容する。その際、前記向き合わせ部6を構成する上段への空の段積用パレットAの積み重ねと、同ワークW一枚ずつの収容とを交互に繰り返して、一面に碁盤目状のハーフカットを施したワークWを空の段積用パレットAに収容していく(図4(a)参照)。
そして、全てのワークWが搬出位置で空の段積用パレットAに収容された時点で段積されたパレット群A1を、再び搬入位置に移送させ、そこで反転する。
そうすると、各パレットAに収容されているワークWは、水平方向に回転することなく鉛直方向に落下してハーフカットされていない他面が上向きとなる。
そして、前記一面側と同様にこのワークWの他面を前記と同様な工程を経てハーフカットしていく(図4(b)参照)。
両面からハーフカットされたワークWは、焼成後、そのハーフット部分を人為的に割ることによってチップDを成形する(図5)。
【0023】
次に、図6及び図7に示す第2の実施の形態を説明すると、この実施の形態は、前記縁枠部1を位置決め部として使用せずに、水平状の基板11’に位置決め凸部21…を突設してパレット体2を形成した段積用パレットAを示している。
この位置決め凸部21…は、加工対象となるワークWの4コーナーに開孔した位置決め孔H…に対応して基板11’から上下に背中合わせ状に一体に突設してなり、その上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部21a、係合用凹部21bを設け、上位のパレットAの係合用凸部21aと下位のパレットBの係合用凹部21bとが互いに係合して多段状に積み重ね可能にしてある。
この実施の形態では、ワークWとして電極を裏面に塗布すると共にパンチ孔に電極をビバホールとして充填したセラミックスグリーンシートからなるワークを支持した状態を示し、この電極が硬化した後に、段積されたパレット群を反転して、プレス加工設備に移送させるワークを示している。
【0024】
また、段積用パレットAは、図7に示すようにその基板11’の一縁部に、段積時の各パレット体2の向きを合わせる向き合わせ部6を設けても良いものである。
【0025】
この実施の形態の場合の向き合わせ部6は、基板11’の一縁部から延設片部11aを一体的に上下方向に延設し、その延設片部11aの上端部に凸片部11a’を、また下端部に凸片部11a’と同一形状の凹片部11a”を各々形成し、上位、下位のパレット体2、2において凸片部11a’と凹片部11b’とを係合させて、向きを合わせた状態で必要数のパレット体2…が段積されるように構成されている。
また、前記する凸片部11a’、凹片部11b’とを有する延設片部11aを向き合わせ部6として使用せずに、図6で示す、ある位置決め凸部21の係合用凸部21a、21bの大きさを、他の係合用凸部21a、係合用凹部21bと相違させて、向き合わせ部6とすること自由であるし、更に、ある位置決め凸部21の径を他の位置決め凸部21に対して相違させ且つその位置決め凸部21が挿通する位置決め孔Hを、その位置決め凸部21に丁度良く挿通される孔径にしておくことによって、ワークWの向きを簡単に合わせることが可能である。
【0026】
次に、図8に示す第3の実施の形態を説明すると、この実施の形態の段積用パレットA…は、各パレット体2…の基板11’一半部側(図8では左半部)から突設する上側の位置決め凸部(4隅の片側2個)21先端に係合用凹部21b、下側の位置決め凸部(4隅の片側2個)21先端に係合用凸部21aを、基板11’の他半部側(図8では右半部)から突設する上側の位置決め凸部21先端に係合用凸部21a、下側の位置決め凸部21先端に係合用凹部21bを設けて、その係合用凹部21bと係合用凸部21aの向きでパレットAの段積み方向を特定できるようにしている。
このような構成にすることによって、前記向き合わせ部6を敢えて設けずとも位置決め凸部21の形状性でパレット体2…の向きを合せることが可能となる。
【0027】
次に図9及び図10に示す形態を説明すると、この実施の形態は、両面にチップや、コンデンサ等の実装品Fを搭載(実装)するプリント配線板をワークWとして支持するに適した段積用パレットを示している。この段積用パレットAは、基板11’の上下面に、ワークWに開穿された各位置決め孔H…に対応してその位置決め孔H…よりも大径な位置合わせ凸部31…を背中合わせ状に突設してパレット体2を形成し、前記位置合わせ凸部31…の上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部31bを、他方に係合用凹部31cを形成して、前記位置決め孔H…を介しての係合用凸部31b、係合用凹部31cの係脱可能な係合で必要数のパレット体2…を段積可能に構成している。詳細には、係合用凸部31bは、前記位置決め孔H…よりも若干小径をもって位置合わせ凸部31の先端に連設した連絡凸部31aの先端に延設し、また、係合用凹部31cは、位置決め孔H…よりも若干小径をもって位置合わせ凸部31の先端に連設した同連絡凸部31aの先端に凹設して、前記係合用凸部31bと係合用凹部31cとを係合させて連続する連絡凸部31a、31aを位置決め孔H…に挿通させることによって、ワークWをパレット体相互空間5の中途位置で保持するようにしてある。この実施の形態の場合には、反転する時には連絡凸部31a、31a間でワークWが上下に微動する構造になっているものの、チップや、コンデンサ等の実装品Fがパレット体2の内面に衝突しないように前記位置合わせ凸部31、31の高さが設定されている。この実施の形態において、前記する第2実施の形態と同様構成の向き合わせ部(図示せず)を設けても良いものである。
【0028】
図10は、搭載装置Mで、一面側の所望位置に所望の実装品F…を搭載(実装)している状態を示し、実装品F…を搭載(実装)するに際しては、搬入位置の段積されたパレット群A1から、間欠動するコンベアN始端部にワークWを搬入し、一面の所望位置に搭載装置Mからピックアンドプレース(図示せず)でチップや、各実装品F…を搭載(実装)する。
この実施の形態では、一面側にチップや、実装品F…を搭載(実装)しながら、コンベアNの終端部側の搬出位置で空のパレットA…を段積する度にワークWを一枚ずつ収容していく。そして、全てのワークWを段積されたパレット群A1に収容した時点で、そのパレット群A1を反転して前記コンベアN始端側の搬入位置に移送し、上段のパレットAを外しながらコンベアNにワークWを載せて同様に他面側にチップや、コンデンサ等の実装品F…を同搭載装置Mで搭載(実装)していく。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したから、必要段数に段積された状態で反転すると、一枚宛収容されているワークが水平方向に回転することなく反転して他面(裏面)を上向きにする。
従って、従来例に示すようにグリーンシート積層圧着体(ワーク)を両面からハーフカットする際に、専用の装置(例えばインデックステーブル上方に出入りし尚且つ反転する吸着プレート)を使用したり、ワークを一枚ずついちいち人為的に反転する必要がない非常に便利なワークの段積用パレットを提供することができる。
また、両面側から電極を印刷する場合には、片面に印刷した電極が乾いてから必要段数に段積されたパレット群を反転して、上段のパレットを外しながら、印刷機にワークを搬入することでワークの他面に印刷を施すことができるし、一面側から製品孔を穿孔し、他面側から電極を印刷する場合や、両面に施した基準マーク個々に合わせて一面側、他面側から基準孔や製品孔を穿孔する場合等でも、一面からの加工(穿孔加工)が終了した後に、段積されたパレット群を反転して、上段のパレットを外しながらワーク他面側に所望の加工(印刷加工、穿孔加工)を施すことができる。
しかも、この段積用パレットは、位置決め孔がないワーク対応型と、位置決め孔があるワーク対応型の2種が選択利用され、便利であるし、請求項2、5記載にあっては、段積されるパレットの向きを一致させ、穿孔機、印刷機、プレス機、実装品の搭載装置等、所望の加工設備(マシン)に搬入する際の作業性が非常に良くなる。
また、請求項4記載の段積用パレットにあっては、ワークをパレット体相互空間の中途位置に保持することができる。それ故、両面に実装品を搭載(実装)したワークを、その実装品がパレットの内面にぶつかることなく収容して移送することができ、便利であるし、一面に実装品を搭載(実装)した後に、他面に実装品を搭載(実装)すべく、段積されたパレット群を反転した時でも既に搭載されている実装品がパレットの内面等にぶつかることなく反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の段積用パレットの使用状態を示す縦断面図で段積されたパレット群を部分的に示す。
【図2】 同第1の実施の形態の段積用パレットの斜視図で一部切欠して示す。
【図3】 この実施の形態で示す段積用パレットを反転した状態を示す縦断面図で、段積されたパレット群を部分的に示す。
【図4】 この段積用パレットを使用して、ワークの両面からカッティングする状態を示し、(イ)は、搬入位置に段積したワークをカッティング装置に搬入して一面側をハーフカットし、それを搬出位置に段積した空のパレットに収容している状態を示す、(ロ)は、(イ)の状態時で搬出位置に段積されている段積用パレットを反転して搬入位置に移送し、そこからそのパレットを上側から外しつつワークをカッティング装置に搬入して他面側からハーフカットしている状態を示す。
【図5】 両面の同一位置にハーフカットを設けたワークであるグリーンシート積層圧着体を焼結後人為的に割った状態を示す拡大断面図で概略的に示す。
【図6】 第2の実施の形態の段積用パレットの使用状態を示す縦断面図で、段積されたパレット群を部分的に示す。
【図7】 第2の実施の形態の段積用パレットの斜視図で一部切欠して示す。
【図8】 第3の実施の形態の段積用パレットの使用状態を示す縦断面図で、段積されたパレット群を部分的に示す。
【図9】 第4の実施の形態の段積用パレットの使用状態を示す縦断面図で、段積されたパレット群を部分的に示す。
【図10】 第4の実施の形態の段積用パレットに実装品(チップや、コンデンサ等)を搭載装置で搭載(実装)している状態を示す参考斜視図。
【図11】 従来の段積用パレットの拡大断面図。
【図12】 同他種の段積用パレットの拡大断面図。
【図13】 カッティング装置でワーク両面の同一位置にハーフカットを施す従来のシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
W:ワーク 11:ワーク載置面部
2:パレット体 1:縁枠部
4:凹部(環状凹部) 3:凸部(環状凸部)
6:向き合わせ部 21:位置決め凸部
H:位置決め孔 31:位置合わせ凸部
31a:連絡凸部 21a、31b:係合用凸部
21b、31c:係合用凹部 A:段積用パレット
B:カッティング装置 5:パレット体相互空間
M:搭載装置 11’:基板
Claims (5)
- 縁枠部の中途高さ部位にワーク載置面部を設けて形成されたパレット体における縁枠部の上端部、下端部のどちらか一方に凹部を、他方に凸部を形成して、凹部、凸部の係脱可能な係合で必要数のパレット体を段積可能に構成し、前記縁枠部は、段積状態のパレット体を反転した際、パレット体相互空間でのワークの鉛直方向の移動を許容するように前記ワークよりも僅かに大きな平面視形状をもって形成してあることを特徴とするセラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット。
- 前記パレット体の縁枠部において所望の一縁部に、段積時のパレット体の向きを合わせる向き合わせ部を設けていることを特徴とする請求項1記載のセラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット。
- ワークに開孔された複数の位置決め孔を個別に挿通させる位置決め凸部を基板の上面及び下面に背中合わせ状に突設してパレット体を形成し、前記位置決め凸部の上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部を、他方に係合用凹部を形成して、必要数のパレット体相互における前記係合用凸部と前記係合用凹部の係脱可能な係合で段積可能に構成していることを特徴とするセラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット。
- ワークに開穿された各位置決め孔に対応してその位置決め孔よりも大径な位置合わせ凸部を基板の上面及び下面に背中合わせ状に突設してパレット体を形成し、前記位置合わせ凸部の上端部、下端部のどちらか一方に係合用凸部を、他方に係合用凹部を形成してなり、前記係合用凸部は、前記位置決め孔よりも小径をもって一方の前記位置合わせ凸部に連設した連絡凸部の先端に更に小径をもって延設し、前記係合用凹部は、前記位置決め孔よりも小径をもって他方の前記位置合わせ凸部に連設した同連絡凸部の先端に凹設し、必要数のパレット体相互における前記係合用凸部と前記係合用凹部の係脱可能な係合で段積可能に構成していることを特徴とするセラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット。
- 前記パレット体における基板の所望な一縁部に、段積時のパレット体の向きを合わせる向き合わせ部を設けていることを特徴とする請求項3または4記載のセラミックスグリーンシート、グリーンシート積層圧着体、プリント配線板等のワークの段積用パレット。
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