JP4515631B2 - ガスマニホールドを備えた燃料電池 - Google Patents
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Description
本発明は、燃料電池に係り、特に、軽量化、低コスト化を可能とすべく改良を施したガスマニホールドを備えた燃料電池に関するものである。
[背景技術]
燃料電池は、天然ガスやメタンガス等の炭化水素系燃料を改質して得られた水素と酸化剤である空気とを燃料電池本体に供給し、リン酸液等の電改質を介して電気化学的反応を行うことにより電気エネルギーを発生させるものである。上記の発電機能を有する単電池が複数個積層されて電池積層体(セルスタック構造)を構成している。
図1は、従来から用いられている燃料電池のセルスタック構造を示す分解斜視図である。即ち、燃料電池本体の単電池1は、電解質を保持したマトリックス層2の一面側に、図中矢印A方向に水素が供給される燃料極3を配設し、他面側に、図中矢印B方向に空気が供給される空気極4を配設し、その燃料極3及び空気極4にそれぞれ溝付き電極基材5,6を積層し、その溝付き電極基材5,6のいずれか一方にセパレータ7を積層することにより構成されている。そして、この単電池1が複数枚積層される毎に冷却板8が積層されて一つのサブスタック9が構成され、このサブスタック9を多数個積層してセルスタック10が構成されている。
また、前記セルスタック10の最上部と最下部とには、それぞれ締め付け板11が取り付けられ、セルスタック10と上下締め付け板11とは、タイロッド12により締め付けられ、電池積層体13として一体化されている。
さらに、上記のように構成された電池積層体13の4側面には、図2に示すように、燃料ガスと空気とが互いに直交する方向に流通するように、一対の燃料ガスマニホールド15a,15b、及び一対の空気ガスマニホールド16a,16bがそれぞれ対向する位置に取り付けられている。そして、前記電池積層体13と各ガスマニホールド15a,15b,16a,16bとの当接面には、空気や燃料ガスの漏洩による発電効率の低下等といった問題の発生を未然に防ぐために、ガスケット18が設けられている。
また、従来から用いられているガスマニホールドは全体が金属から構成されており、一方、燃料電池は200℃程度の高温で運転されるため、金属製ガスマニホールドからの放熱が大きく、エネルギーの損失になる。そのため、金属製ガスマニホールドの外面には、保温材(図示せず)が配設されている。
ところで、前記ガスマニホールド15a,16bにそれぞれ燃料と空気が供給されると、セルスタック10を構成する単電池1のマトリックス層2や溝付き電極材5,6に含浸されているリン酸の一部が、燃料ガスや空気の流れの中に拡散し、リン酸蒸気の状態でセルスタック外(すなわち、ガスマニホールド内)に排出される。
しかし、ガスマニホールドの温度はセルスタック温度よりも若干低いため、ガスマニホールド内に排出されたリン酸蒸気の一部は凝縮し、ガスマニホールドの内壁に付着する。このようにリン酸を含んだ燃料ガスと空気とが、金属製ガスマニホールドの内面に直接接触すると、高温状態においては金属製ガスマニホールドは激しく浸食され、すぐ穴が開いてしまった。
このような欠点を解消すべく、リン酸からガスマニホールドを保護する方法として、米国特許第4950563号に示されたようなフッ素系樹脂をガスマニホールドの内面にコーティングする方法が用いられている。
しかしながら、フッ素系樹脂をガスマニホールドの内面にコーティングする方法には、以下に述べるような問題点があり、ガスマニホールドのリン酸腐食を完全に防止することは困難であった。
すなわち、フッ素系樹脂をガスマニホールドの内面にコーティングする方法では、ピンホールからリン酸が侵入するという問題がある。またコーティングする方法では、樹脂コーティングの線膨張係数がガスマニホールドの10倍程度もあるため、起動停止や負荷変動に依る温度変化の繰り返しで、樹脂コーティングの密着不良が生じ、コーティングが剥離するといった問題があった。
また、コーティングは比較的塗膜が薄いため、リン酸が浸透しやすく、母材を腐食させてしまうといった問題を有しており、信頼性にも欠けていた。さらに、コーティングの信頼性をあげるためには、塗膜の厚さを増す必要があり、加熱・塗布・冷却工程を多数繰り返さなければならず、加工時間と加工工数が嵩むこととなっていた。また、コーティングの処理工程は、ガスマニホールドの製作工程とシリーズになっているため、工程短縮の阻害要因ともなっていた。
このような問題点に加え、従来のガスマニホールドは金属製であるため非常に重く、その取付け構造および保持構造は頑丈な構造にせざるを得ず、また、締付け力も大きな力が必要となるため、コストが高くなるという欠点があった。
さらに、ガスマニホールドの点検時には、その都度保温材を剥がし、その後、電池積層体の4側面に配設された重いガスマニホールドを外さなければならず、点検が困難で、かつ長時間を要するといった欠点があった。
本発明の第1の目的は、重量が軽く、コストの安いガスマニホールドを備えた燃料電池を提供することにある。
また、第2の目的は、構造が簡単で容易に点検可能なガスマニホールドを備えた燃料電池を提供することにある。
さらに、第3の目的は、電池積層体のコーナー部からのガスリークを備えた燃料電池を低減することにある。
また、第4の目的は、電池積層体の設置面積を削減するガスマニホールドを備えた燃料電池を提供することにある。
[発明の開示]
上記の目的を達成するために、コンセプト1の発明は、燃料電池を構成する電池積層体の側面に配設されるガスマニホールドにおいて、前記ガスマニホールドが、電池積層体の側面と対向する位置に配設される板状の断熱性構造物と、電池積層体のコーナー部に配設されるコーナー部材とから構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト1の発明によれば、ガスマニホールド全体を金属で構成していた従来型に比較して、その重量は大幅に低減される。また、軽量化が可能となるため、組み立て、分解作業が容易なものとなる。さらに、コーナー部にチャンネル状に形成されたコーナー部材を配設したことにより、ガスマニホールドを安定な形状に維持し、電池積層体へのガスの均一な配流が可能となる。
コンセプト2の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記断熱性構造物が、電池積層体に対向する内面側のシート部材と外面側の断熱部材とから構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト2の発明によれば、ガスマニホールドを構成する板状の断熱性構造物をシート部材と断熱部材とから構成し、シート部材を均一な耐熱、耐リン酸性樹脂シートから構成しているため、確実にリン酸をブロックすることができ、コストも安くすることができる。
コンセプト3の発明は、コンセプト2記載のガスマニホールドにおいて、前記断熱性構造物が、前記シート部材と断熱部材の双方にガス出入り口用のフランジ穴を設け、シート部材には筒状のスリーブを設けたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト3の発明によれば、内面側のシート部材と筒状のスリーブは一体化されているため、構造が簡略化され、また、リン酸を確実にブロックすることができるので、系外へのリン酸の漏洩を防止することができる。
コンセプト4の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記断熱性構造物とコーナー部材の間に第1のシール材を配置し、前記コーナー部材と電池積層体の間に第2のシール材を配置したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト4の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材の間からのガスリークを確実に防止することができると共に、コーナー部材と電池積層体の間からのガスリークを確実に防止することができる。
コンセプト5の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材と電池積層体の間に設置した前記第2のシール材は、額縁状であり、予めコーナー部材に密着させたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト5の発明によれば、コーナー部材と電池積層体の間からのカスリークを確実に防止できると共に、シール材の取り付けが容易である。
コンセプト6の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、電池積層体を締め付ける上下締付け板を電池積層体より大きく構成し、そのコーナー部に前記コーナー部材組み込み用の切り欠き部を設け、この切り欠き部にクッション材を介して前記コーナー部材を配設したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト6の発明によれば、ガスマニホールドの組み立てを容易にし、かつリン酸による腐食を防止しながら確実にシールすることができる。また、上下締付け板のコーナー部に形成される切り欠き部に、切り欠き部と同形状のクッション材を配置したことにより、コーナー部材と電池本体部材との熱膨張差を吸収すると共に、ガスをシールすることができる。
コンセプト7の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記上下締め付け板は、電池積層体より突き出した周囲の部分に耐リン酸処理を施したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト7の発明によれば、電池積層体のリン酸、およびリン酸蒸気による腐食を防止することができる。
コンセプト8の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記上下締め付け板において電池積層体より突き出した周囲の部分に施した耐リン酸処理は、フッ素樹脂コーティングであることを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト8の発明によれば、電池積層体のリン酸、およびリン酸蒸気による腐食を確実に防止することができる。
コンセプト9の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記上下締め付け板において電池積層体より突き出した周囲の部分に施した耐リン酸処理は、フッ素樹脂フィルムのライニングであることを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト9の発明によれば、電池積層体のリン酸、およびリン酸蒸気による腐食を確実に防止することができる。
コンセプト10の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記上下締め付け板において電池積層体より突き出した周囲の部分に施した耐リン酸処理は、フッ素ゴムシートのライニングであることを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト10の発明によれば、電池積層体のリン酸、およびリン酸蒸気による腐食を確実に防止することができる。
コンセプト11の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成するように、締め付け部材によって締め付けたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト11の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易かつ迅速に締め付けることができる。
コンセプト12の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成するように締め付ける締め付け部材は、電池積層体の4つの側面に対応する4つの断熱性構造物を背部より抱え込む様にしたアングル構造体の端部を4コーナーの断熱性構造物間で皿バネを介してスタッドで連結し、締め付けたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト12の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易に締め付けることができる。
コンセプト13の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成するように締め付ける締め付け部材は、電池積層体の側面に対応する4つの断熱性構造物間を皿バネとスタッドに代えUアーム付きトグルクランプで締め付けたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト13の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易かつ迅速に締め付けることができる。
コンセプト14の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成するように締め付ける締め付け部材は、電池積層体の側面に対応する4つの断熱性構造物の周囲をステンレス製薄バンドとスプリングバックルで締め付けたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト14の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易かつ迅速に締め付けることができる。
コンセプト15の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、前記断熱性構造物の上下面のセンターおよび、それに対向する上下締め付け板のセンターにセンター締め付け構造体を備えたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト15の発明によれば、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、断熱性構造物の上下部全体を平均的に締め付けることができる。
コンセプト16の発明は、コンセプト1記載のガスマニホールドにおいて、下部締め付け板の4隅角部には、断熱性構造物の上下位置決め用サポートと断熱性構造物を上下に移動・調整できるジャッキボルトを設けたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト16の発明によれば、断熱性構造物を取り付ける時の位置決めが簡単にでき、作業性が向上する。
コンセプト17の発明は、コンセプト2記載のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材が、断熱性保持枠に断熱材を挿入して形成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト17の発明によれば、断熱材の保持が容易になるだけでなく、全体の機械的強度が増加し、積層体側面に均一に締め付けることができるのでシール性が大幅に向上する。
コンセプト18の発明は、コンセプト17記載のガスマニホールドにおいて、シート部材は、平板状で断熱材保持枠より大きくしたことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト18記載の発明によれば、簡単な構造で絶縁性も得られ、作業性が向上する。
コンセプト19の発明は、コンセプト17記載のガスマニホールドにおいて、前記シート部材は、前記断熱材保持粋の形状に合わせて箱状に成形加工されたものであることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト19の発明によれば、予め耐熱・耐リン酸性シートを断熱材保持枠の形状に合わせて箱状に成形加工しておくことができるので、シート部材をガスマニホールドとは別工程で製作でき、工程の短縮を図ることが可能となる。
コンセプト20の発明は、コンセプト2のガスマニホールドにおいて、前記シート部材が、PTFE(四フッ化エチレン)樹脂シート、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)樹脂シート及びFEP(四フッ化エチレン・ヘキサプロピレン共重合体)樹脂シートのうち、少なくとも1種類以上の樹脂シートを用いて構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト20の発明によれば、リン酸の透過が少なく、耐熱性及び機械的強度に優れたシート部材を形成することができる。
コンセプト21の発明は、コンセプト2のガスマニホールドにおいて、シート部材の厚さが、少なくとも0.1mm以上、1mm以下であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト21の発明によれば、リン酸の透過量を低減し、優れた機械的強度及び電気的絶縁性を維持したシート部材を形成することができる。
コンセプト22の発明は、コンセプト2のガスマニホールドにおいて、シート部材が、前記断熱部材に対してルーズに取り付けられていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト22の発明によれば、耐熱・耐リン酸性シートから成るシート部材は、断熱材保持枠の電池積層体に対向する内面に固定されることなく、ルーズに取り付けられるので、断熱材保持枠とシート部材の熱膨張差を吸収することができる。
コンセプト23の発明は、コンセプト2のガスマニホールドにおいて、シート部材が、少なくとも1枚以上の樹脂シートから構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト23の発明によれば、リン酸の透過量を確実に低減すると共に、万一、1枚のシートにピンホールが生じてリン酸が透過しても、残りのシートでブロックすることができるため、信頼性が大幅に向上する。さらに、複数枚の樹脂シートを用いることにより、シート間に形成される空気層によって、さらに優れた断熱効果が発揮される。
コンセプト24の発明は、コンセプト2のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材が、金属またはFRPより構成され、その内側は、PTFE(四フッ化エチレン)樹脂シート、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)樹脂シートあるいはFEP(四フッ化エチレン・ヘキサプロピレン共重合体)樹脂シートのいずれかより成る内張りシートで内張りされていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト24の発明によれば、ガスマニホールドの側部を構成するコーナー部材を、金属製またはFRP製にすることにより、コーナー部材の機械的強度を向上させることができるので、ガスマニホールドを完全な形状に保持することができ、電池積層体へのガスの均一な配流が可能となる。また、コーナー部材を内張シートで内張りすることにより、リン酸によるコーナー部材の腐食を防止し、コーナー部材の機械的強度の劣化を防止することができる。
コンセプト25の発明は、コンセプト24記載のコーナー部材において、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取り出し側に配置されるコーナー部材は、電池積層体のコーナーに沿って左右2分割構造であることを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト25の発明によれば、電池積層体の冷却板の口出しパイプの取り出し側のコーナーに設置するとき、口出しパイプが邪魔にならず、設置が容易であるばかりでなく、修理時には口出しパイプに接続されている配管を外すことなくコーナー部材を取り外す事ができる。
コンセプト26の発明は、コンセプト13のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取り出し側に配置されるコーナー部材には、前記口出しパイプの位置に合わせて貫通穴を設け、また、前記内張シートの対応する位置には、前記貫通穴より径の小さい穴をあけ、前記口出しパイプの周囲に軟質シール材を配置したことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト26の発明によれば、コーナー部材の所定の位置に設けられた貫通穴と口出しパイプの間には軟質シール材を配置されているので、ガスマニボールドが強く締め付けられると、その軟質シール材が貫通穴からはみ出し、これにより貫通穴と口出しパイプの間をシールすることができる。
コンセプト27の発明は、コンセプト14記載のガスマニホールドにおいて、前記口出しパイプの周囲に配置した軟質シール材は、円盤状スポンジゴムで中央には、口出しパイプより小さい穴が設けてあり、円盤側面の厚さ方向の中央には円周に沿ってスリットが入れられ、そのスリットに、内張シートを挟み込んだことを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト27の発明によれば、スポンジゴムの弾性により貫通穴と口出しパイプの間を確実にシールすることができる。
コンセプト28の発明は、コンセプト13のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取り出し側に配置されるコーナー部材には、前記口出しパイプの位置に合わせて貫通穴を設け、また、前記内張シートの対応する位置には、口出しパイプ挿入用のスリーブを設けたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト28の発明によれば、コーナー部材の口出しパイプ用貫通穴からのガスリークを確実に防止できる。
コンセプト29の発明は、コンセプト15記載のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取り出し側に配置されるコーナー部材には、前記口出しパイプの位置に合わせて貫通穴を設け、また、前記内張シートの対応する位置にも貫通穴を設け、その部分に口出しパイプ挿入用にフレア加工されていることを特徴とする。
上記のような構成を有するコンセプト29の発明によれば、コーナー部材の口出しパイプ用貫通穴からのガスリークを確実に防止することができる。
コンセプト30の発明は、コンセプト15のガスマニホールドにおいて、前記内張シートに設けた口出しパイプ挿入用のスリーブと口出しパイプの間は、コーナー部材組み立て後、口出しパイプ外周にシール材を設置した後、外側からバンドで絞り付けることによりシールされていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト30の発明によれば、コーナー部材の口出しパイプ用貫通穴からのガスリークを確実に防止できる。
コンセプト31の発明は、コンセプト1のガスマニホールドにおいて、前記コーナー部材には、電池本体側にシール溝が設けられ、外側には突き出し部が設けられていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト31の発明によれば、コーナー部材と電池本体の間を確実にシールすることができ、また、外側に突き出し部を設けたことにより、断熱性構造物のずれを防止することができる。
コンセプト32の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、25℃における熱伝導率が0.08(W/m・K)以下であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト32の発明によれば、熱伝導率の小さい断熱材を用いることにより、電池から発生した熱を確実に断熱することができるので、断熱効率が向上する。
コンセプト33の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、その密度が0.2g/cm3以下であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト33の発明によれば、密度の小さい断熱材を用いることにより、ガスマニホールドを確実に軽量化することができる。
コンセプト34の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、圧縮荷重200kg/m2で圧縮率が10%以下であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト34の発明によれば、圧縮率が小さい断熱材を用いることにより、燃料ガスあるいは酸化剤ガスの圧力が多少変化しても圧縮率の変化が少なく、ほぼ一定の熱伝導率が維持でき、確実に断熱効果が得られる。
コンセプト35の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材が、少なくとも1種類以上の材質、強度の異なる複数の断熱材層から構成されていることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト35の発明によれば、断熱材を複数の断熱材層から構成することにより、それぞれの断熱材の特徴を生かすことができるので、断熱性、機械的強度に優れたバランスの良い断熱材を得ることができる。
コンセプト36の発明は、コンセプト35のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、内側(電池本体側)に耐熱性の高い断熱材、外側は機械的強度の高い断熱材としたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト36の発明によれば、断熱性、機械的強度に優れた断熱部材を構成できる。
コンセプト37の発明は、コンセプト35のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、内側(電池本体側)は内側は耐熱性の高い繊維状物質で構成された低密度の断熱材であり、外側は機械的強度にすぐれた低密度の気泡含有構造の断熱材であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト37の発明によれば、断熱性、機械的強度に優れるだけでなく軽量化も図ることができる。
コンセプト38の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材の厚さが100mm以下であることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト38の発明によれば、断熱材の厚さを薄くすることにより、従来のガスマニホールドに比べて確実にコンパクト化できる。
コンセプト38の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、ハニカム構造を有し、ハニカム内に断熱材を充填して成ることを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト39の発明によれば、断熱材の強度を確実に向上させることができるので、長期信頼性に優れた断熱材を提供することができる。
コンセプト40の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱部材を構成する断熱材は、その両面を第1の補強材によって補強し、さらにその上を第2の補強材で覆ったことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト40の発明によれば、平ラス、亀甲金網、パンチングメタルなどの第1の補強材により機械的強度を向上させることができる。また、さらにその上をカラスクロス等の第2の補強材で覆ったことにより、補強材のエッジ面などによってシート部材に亀裂が生じるのを防止することができ、局部的な応力の集中による破壊を防止し、長期信頼性に優れた断熱部材を提供することができる。
コンセプト41の発明は、コンセプト17のガスマニホールドにおいて、前記断熱材保持枠には、前記締め付け部材を保持するための保持部材を設けたことを特徴とするものである。
上記のような構成を有するコンセプト41の発明によれば、断熱材保持枠に設けた保持部材によって、締め付け部材のずれを防止することができ、長期間安定した締め付け力を維持することができる。
[発明を実施するための最良の態様]
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して具体的に説明する。なお、図1及び図2に示した従来例と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
先ず、本実施形態の構成、特に、ガスマニホールドの全体的な構成について説明する。
本実施形態においては、図3の斜視図及び図4の断面図に示すように、電池積層体10の4つの側面と対向する位置に配設された板状の断熱性構造物22と、電池積層体10の各コーナー部に配設された断面形状が略W字形の棒状のコーナー部材23とによって、ガスマニホールドが構成されている。
また、前記断熱性構造物22は、外側面に配設される板状の断熱部材21と、その断熱部材21の内面(電池本体側)及び側面を被覆するように取り付けられる耐熱・耐リン酸性を有するシート部材20とを一体化して構成される。
なお、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22、断熱部材21、シート部材20、コーナー部材23の詳細については、後述する。
次に、ガスマニホールドのフランジ部の構成について説明する。すなわち、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22は、上述したように、電池積層体に対向する内面側のシート部材20と外面側の板状の断熱部材21とから構成され(図3、図4を参照)、また、図5に示すように、断熱部材21には、ガス出入り口用のフランジ穴24が設けられている。
さらに、前記シート部材20に形成されたフランジ穴に合う位置には、シート部材20と同じ耐熱・耐リン酸性シートより構成されたスリーブ25が、外方に突出するように形成されている。そして、シート部材20に形成されたスリーブ25は、外面側の断熱部材21に形成されたフランジ穴24を貫通し、これによりガスマニホールドのフランジ部を構成し、このフランジ部を介して外部の配管(図示せず)と接続されるように構成されている。なお、前記スリーブ25は、シート部材20に溶接接合されている。
このように、内面側のシート部材20とスリーブ25とは一体化されて構成されているため、構造が簡略化され、また、フランジ部も耐熱・耐リン酸性シートから成るスリーブで構成されるため、リン酸を確実にブロックすることができ、系外へのリン酸の漏洩を防止することができる。
次に、ガスマニホールドのガスシール構造について説明する。すなわち、本実施形態のガスマニホールドにおいては、以下のようにして、ガスマニホールド内の気密性を保持している。すなわち、図4に示すように、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22と後述するコーナーチャンネル23a,23bと内張シート39a,39bとから成るコーナー部材23の間には、耐熱・耐リン酸性を有する第1のシール材26が配設され、さらに、コーナー部材23と電池積層体10の間には、耐熱・耐リン酸性に加え絶縁性を有する第2のシール材27が配設されている。
このように本実施形態によれば、断熱性構造物22とコーナー部材23の間に第1のシール材26を配設したことにより、断熱性構造物22とコーナー部材23の切り離しが可能となるため、組み立て作業、点検作業が容易となる。
また、耐熱・耐リン酸性を有するシール材により、断熱性構造物22とコーナー部材23の間からガスリークを確実に防止することができる。
一方、コーナー部材23と電池積層体10の間に第2のシール材27を配設したことにより、コーナー部材23と電池積層体10の切り離しが可能となるため、組み立て作業、点検作業が容易となる。
また、電池積層体10のコーナー部から、燃料ガスあるいは酸化剤ガスが漏れるのを確実に防止することができる。さらに、第2のシール材27には、耐熱・耐リン酸性といった機能の他に、絶縁機能を持たせてあるため、ガスマニホールドを電池積層体10から電気的に絶縁することができる。
次に、ガスマニホールドの上下締め付け板の構造について説明する。すなわち、図6Aは、上下締め付け板11のリン酸処理部29(2点鎖線で囲んだ斜線部)を示す。またリン酸処理部29は、電池積層体の外寸法より数10mm内部にまで施されている。図6Bは、切り欠き部28の拡大図を示す。本実施形態のガスマニホールドに用いられる上下締め付け板11には、各コーナー部に、前記コーナー部材組込み用の切り欠き部28が形成されている。
また、上下締め付け板11の電池本体側には、リン酸による腐食を防止するために、図60に示すようにリン酸シールド29bが取り付けられている。尚、このリン酸シールド29bの材質は、前記シート部材20を構成する耐熱・耐リン酸性シートと同じ材質である。
また、上下締め付け板11は、図6Aに示すように、電池積層体より突き出した周囲の部分と積層体平面より内側のラップ代分に耐リン酸処理が施されている。この耐リン酸処理部29bとしては、フッ素樹脂コーティング、フッ素樹脂フィルムのライニング、フッ素ゴムシートのライニング等である。
フッ素樹脂コーティングは、上下締め付け板の電池積層体より突き出した周囲とラップ代部分にフッ素樹脂の静電塗装あるいはフッ素樹脂ディスパージョンを塗布後、フッ素樹脂の融点以上に加熱してコーティングする。この方法では、比較的複雑な形状でも確実にコーティングすることができる。このように、耐リン酸性に優れたフッ素樹脂を電池積層体より突き出した周囲の部分にコーティングすることにより、電池積層体のリン酸およびリン酸蒸気による腐食を防止できる。
フッ素樹脂フィルムのライニングは、上下締め付け板の電池積層体より突き出した周囲の部分の形状に合わせて加工する。形状に合わせて加工する方法は、形状に合わせてフィルムを折り曲げたり、切断したフィルム同士を加熱、融着する。
このようにして耐リン酸性に優れたフッ素樹脂フィルムでライニングすることにより、電池積層体のリン酸およびリン酸蒸気による腐食を防止できる。
フィルムであるため均一でコーティングのようにピンホールの心配もなく、耐リン酸性に優れる。
フッ素ゴムシートのライニングは、フッ素フィルムのライニングと同様に上下締め付け板の電池積層体より突き出した周囲の部分の形状に合わせて加工する。形状に合わせて加工する方法は、切断したシート同士を接着剤で接着する。このようにして耐リン酸性に優れたフッ素ゴムシートでライニングすることにより、電池積層体のリン酸およびリン酸蒸気による腐食を防止できる。
さらに、前記コーナー部材組込み用の切り欠き部28には、図7に示すようなクッション材30が配置されている。なお、このクッション材30は、前記切り欠き部28と同じ形状に形成され、その材質は、例えばフッ素ゴムのような耐熱性エラストマーから構成されている。
また、図8に示すように、上下締め付け板11はセル面積より大きく構成されており、各コーナー部に形成された切り欠き部28には、クッション材30を介して、コーナー部材23が配設されている。なお、上述したように、コーナー部材23と電池積層体10との間は、第2のシール材27によってシールされている。
さらに、コーナー部材23の外面側は、上下締め付け板11の外面側と同一平面となるように構成されている。そして、断熱性構造物22とコーナー部材23の間、及び断熱性構造物22と上下締め付け板11の間は、前記第1のシール材26によってシールされている。
このように、本実施形態によれば、上下締め付け板11のコーナー部の切り欠き部28に配置したクッション材30は、耐熱性エラストマーから構成されているため、切り欠き部28とコーナー部材23の間をシールするだけでなく、電池積層体10とコーナー部材23の材質の違いによる熱膨張の差を吸収することができる。
また、上述したように、本実施形態のガスマニホールドは、断熱性構造物22とコーナー部材23とから構成されるが、このガスマニホールドを組み立てる場合に、上下締め付け板11のコーナー部の切り欠き部28にコーナー部材23を立設し、その外側に断熱性構造物22を取り付けることにより、容易かつ高精度にガスマニホールドを構成することができる。
次にガスマニホールドの締め付け構造について説明する。すなわち、本実施形態のガスマニホールドは、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成するように締め付けられている。
図9に示す締め付け構造は、電池積層体の側面に対応する4つの断熱性構造物間をボルトで連結し、皿バネで締め付けたものである。
電池積層体10とコーナー部材23と断熱性構造物22が設置されている。断熱性構造物22には、断熱性構造物を背部より抱え込むようにしたアングル構造体53が設置されている。
アングル構造体53の一端には、締め付け用皿バネ54が、もう一方のアングル構造体53の一端には、皿バネを締め付けるための締め付けスタッド55をネジで固定するための貫通穴が設けられており、4つの断熱性構造物間を締め付けスタッド55で連結し、皿バネ54を締め付けることにより、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易かつ均一に締め付けることができる。
なお、この締め付け機構は、電池積層高さ方向に対して均等に数段設けられている。
図10に示す締め付け構造は、電池積層体の側面に対応する4つの断熱性構造物間をUアーム付きトグルクランプで締め付けたものである。
電池積層体10とコーナー部材23と断熱性構造物22が設置されている。断熱性構造物22には、断熱性構造物を背部より抱え込むようにしたアングル構造体53が設置されている。
アングル構造体53の一端には、Uアーム付きトグルクランプ56が、もう一方のアングル構造体53の一端には、Uアーム付きトグルクランプのUアームを引っ掛けるフック57が設けられており、4つの断熱性構造物間をUアーム付きトグルクランプのUアームで連結し、Uアーム付きトグルクランプのクランプを牽引側に引き倒すことにより、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これらを容易かつ迅速に締め付けることができる。
また、シール材のクリープなどによる緩みに対して、一定の締め付け力を維持するためUアーム付きトグルクランプ56にはバネ58が設けられている。
なお、この締め付け機構は、電池積層高さ方向に対して均等に数段設けられている。
図11に示す締め付け構造は、電池積層体の4つの側面には、コーナー部材23と断熱性構造物22が設置され、さらにその周囲には、ステンレス薄板バンド31aとスプリングバックル31bによって締め付けられている。
また、断熱性構造物22には、前記スプリングバックル31bを保持するための保持部材であるストッパー31cが設けられており、これにより、スプリングバックル31bのずれを防ぎ、ガスマニホールド全体を均一に締め付けることができるように構成されている。
このように本実施形態によれば、簡単な構造で、ガスマニホールド全体を均一に素早く締め付けることができる。
図12に示す締め付け構造は、前述の締め付け部材による締め付け機構に追加され、断熱性構造物の上下面センターおよび、それに対向する上下締め付け板にセンター締め付け構造体を備えたものである。
断熱性構造物22の上下面のセンターには、固定用チャンネル59が取り付けられ、対向する上下締め付け板11上下センターには、締め付け座60が取り付けられ、固定用チャンネル59と締め付け座60は、絶縁ボルト61で絶縁ワッシャ(図示せず)を介して締め付けられている。
このように本実施形態によれば、簡単な構造で、断熱性構造物とコーナー部材と電池積層体との間で空間を構成しながら、これら全体を平均的に締め付けることができる。さらに、断熱性構造物を取り付ける時の、仮固定用として使用され、作業性が向上する。
また下部締め付け板11の4隅角部には、断熱性構造物22の位置決め用サポート62と、断熱性構造物22を上下に移動できるジャッキボルト63が設けられている。
このように本実施形態によれば、断熱性構造物22の上下の位置決めが容易にでき、断熱性構造物とシール材および上下締め付け板との位置ずれを防止することができるため、シールの信頼性が向上する。
次に、断熱性構造物について説明する。すなわち、上述したように、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22は、板状の断熱部材21とシート部材20より構成されている。
以下、断熱部材21とシート部材20のそれぞれについて詳細に説明する。
本実施形態のガスマニホールドを構成する板状の断熱部材21は、図13Aに示すように、断熱材33を額縁状の断熱材保持枠34内に挿入することにより構成されている。また、この断熱材保持枠34には、燃料ガスあるいは酸化剤ガスの内圧に耐えられるように、その強度を増すべく、外側面に帯状板34aが取り付けられている。
なお、断熱材保持枠34の電池本本側には、帯状板34aは取り付けられておらず、特に補強はされていない。また、断熱材33は、断熱材保持枠34の一辺(図13Aでは、上辺)を取り外して、枠内に挿入されるように構成されている。
また、図13Bに示すように、断熱部材21の外側面にくり貫き板34bが断熱材保持枠34cにボルト34dによる締付けにより取り付けられている。なお、断熱材保持枠34cの電池本体側は、額縁状になっており、断熱材33は、くり貫き板34bを取り外して、枠内に挿入されるように構成されている。
このように、本実施形態の断熱部材21によれば、断熱材の挿入、保持が容易になるだけでなく、断熱部材21全体の強度を増加させることができ、その形状も統一できるので、電池積層体側面に均一に取り付けることができ、また、均等に締め付けることができる。
本実施形態の断熱部材21に用いられる断熱材33としては、25℃における熱伝導率が少なくとも0.08(W/m・K)以下であるプラスチック、セラミック、ゴム、木材など、金属以外の材料を用いることが望ましい。すなわち、熱伝導率が小さく、断熱効果に優れた材料であって、長期的に劣化が少なく、多少のリン酸にも耐える材料が望ましい。
その理由は、25℃における熱伝導率が0.08(W/m・K)以上では、断熱材の厚さが厚くなるため、従来のガスマニホールドと比較してコンパクトかすることができないためである。
このように、25℃における熱伝導率が0.08(W/m・K)以下の断熱材を使用することにより、確実に断熱することができ、放熱によるエネルギーロスをなくすことができるので、排熱利用を含めた電池の発電効率を向上することができる。
断熱材33の密度は、少なくとも0.2g/cm3以下で、繊維状、発泡体、粉末体等の集合体であることが望ましい。
その理由は、断熱材33の密度が0.2g/cm3以上では、断熱部材21が重くなるため、ガスマニホールドを人力で組み立てることが不可能となり、クレーン等の機械が必要となるため、作業性に劣るからである。特に、現地での調整あるいは修理においては、人力での取り付け、取り外しができることが重要であるため、断熱材33の密度は、少なくとも0.2g/cm3以下であることが望ましい。
断熱材33の強度としては、圧縮荷重200kg/m2で圧縮率が10%以下であることが望ましい。その理由は、圧縮荷重200kg/m2で圧縮率が10%以上になると、実際にガスを流した時に、断熱材が大きく変形して破壊したり、電池への適性な配流が困難となるからである。また、断熱材が圧縮されて、熱伝導率が大きくなり、所定の断熱効果が得られず、結果的に放熱によるエネルギーロスを大きくし、排熱利用を含めた電池の発電効率を低下させることになるからである。
本実施形態のガスマニホールドを構成する断熱部材21に用いられる断熱材33は、少なくとも1種類以上の材質、強度の異なる1または複数の断熱材層から構成されている。
すなわち、図14に示すように、断熱材保持枠34内に挿入される断熱材33を2種類の断熱材から構成し、これらを層状に重ねて用いても良い。例えば、電池本体側すなわち内側に配置される第1の断熱材33aは、電池積層体のガス温度200℃程度に耐える耐熱性に優れた断熱材である。一方、外側に配置される第2の断熱材33bは、機械的強度に優れた断熱材を配置することが考えられる。
これに対して、耐熱性に優れた断熱材33aだけを用いた場合、これらは一般的に繊維状無機物質で構成されているため、耐熱性能には満足しても機械的強度に劣る。そのため実際にガスを流すための内圧上昇に対し、機械的強度が弱いため大きな変形が生じる。変形を防ぐためには、断熱材の厚さを厚くする必要があり、現実的でない。
一方、機械的強度に優れた断熱材33bだけを用いた場合は、一般的に耐熱性能に劣るため、内面側が高温のガスにより熱劣化し、長期的な信頼性に劣る。
なお、耐熱性に優れた第1の断熱材33a、機械的強度に優れた第2の断熱材33bとも熱伝導率が小さい断熱材が好ましいことは言うまでもない。
したがって、本実施形態のように、耐熱性に優れた断熱材33aと機械的強度に優れた断熱材33bを適宜組み合わせて使用することにより、耐熱性及び機械的強度に優れた断熱材を得ることができる。
なお、材質、強度の異なる複数の断熱材層の層間には、厚さ数十ミクロンのアルミ箔を入れることが望ましい。これによって断熱効果はさらに増加する。
これらの、電池本体側すなわち内側に配置される耐熱性の優れた第1の断熱材としては、ロックウール、ガラスウールなどの耐熱性の高い繊維状物質から構成された断熱材が好ましい。耐熱性に優れるだけでなく、密度が低いので軽量化が図れる利点がある。
外側に配置される機械的強度に優れた第2の断熱材としては、フェノール発泡体などの機械的強度に優れる気泡含有構造の断熱材が好ましい。
機械的強度に優れ、断熱効果が得られ、さらに密度が低いので軽量化も可能である。
断熱材33の厚さは、少なくとも100mm以下が望ましい。100mm以上では、断熱性能には優れるが、その分だけスペースが大きくなるため、電池パッケージ全体が大きくなり、設置面積が増加してしまうからである。また、断熱材の厚さに比例して、コスト、重量ともに増加するからである。
図15A,図15Bに示すように、断熱材はハニカム構造物46とし、ハニカム内に繊維状、発泡体、粉末体等の断熱材を充填して構成しても良い。
このように、断熱材をハニカム構造物とすることにより、断熱材の機械的強度を確実に向上させることができるので、断熱材保持枠34の補強用帯状板34aの面積を小さくしたり、あるいは補強用帯状板自体を不要とすることができ、断熱部材21を軽量化することができる。
また図16A,図16Bに示すように、断熱材33は、その両面あるいは片面を平ラス、亀甲金網、パンチングメタルなどの補強材47で補強し、さらにその上をガラスクロス48で覆っても良い。
このように、断熱材を平ラス、亀甲金網、パンチングメタルなどの補強材47で補強することにより、断熱材の強度を増加させることができ、さらにその上をガラスクロス48で覆うことにより、取り扱いが容易となるので、断熱材保持枠34への挿入もスムーズに行うことができる。また、断熱材33とガラスクロス48の間に空気層ができるので、断熱効果もさらに向上し、実際にガスを流しても変形することがないので、ガスを均一に配流することができる。
続いて、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22の構成要素であるシート部材20について説明する。
本実施形態のガスマニホールドを構成するシート部材20aは、図17Aに示したように薄平板状で断熱材保持枠より大きくしてある。この薄平板状のシート部材にフランジ用スリーブ25部分を接合し、断熱材保持枠34の全周あるいは一部に両面テープ(図示せず)を張り付け、その上にシート部材20aを張り付ける。シート部材20を張り付けた断熱材保持枠34は、電池積層体の側面と対向する位置に配設される。(図13Bにも示す。)
シート部材20aの大きさは、断熱材保持枠より少なくとも20mm以上大きいことが好ましい。20mm以上であれば、電池積層体に対して絶縁性を維持できる。
このように本実施形態によれば、簡単な構造で絶縁性も得られ、著しく作業性が向上する。
本実施形態の他のガスマニホールドを構成するシート部材20bは、図17Bに示したように、上記断熱材保持枠34の形状に合わせて箱状に成形加工されたものである。成形する方法は種々あるが、四隅とフランジ用スリーブ25部分をそれぞれ接合することにより、所定の形状に成形する方法が最も簡単である。
シート部材20bの四隅の接合部35は、その接合部において耐熱・耐リン酸性シートを互いに拝み合わせ、インパルスヒーター等で加熱、溶着して接合する。
また、フランジ用スリーブ25も丸形あるいは半円形インパルスヒーターで同様に接合することができる。
その他の方法としては、ブロー成形も可能である。この方法は、予め断熱材保持枠の形状の金型を準備し、その上に耐熱・耐リン酸性シートを置き、シートの溶融温度付近まで加熱し、シートの上から空気をブローしてシートを断熱材保持枠の形状にする方法である。しかし、この方法では加熱に大きな炉が必要となりコーナー部のシートの厚さが薄くなるという欠点がある。
このようにして箱状に成形加工されたシート部材20bを、前記断熱部材21に電池本体側からはめ込み、両者を一体化することにより断熱性構造物22が得られる(図5参照)。
このように、本実施形態によれば、予め耐熱・耐リン酸性シートを断熱材保持枠34の形状に合わせて箱状に成形加工しておくことができるので、その分だけ工期の短縮を図ることができ、組立・作業も容易なものとなる。また、断熱部材21の電池本体側をシート部材20bによって完全に被覆することができるので、リン酸の外部への漏洩を防止することができる。
本実施形態のシート部材20としては、リン酸の透過性が少ない方が厚さを薄くでき、かつ経済的でもある。そこで、本発明者等は、シート部材20を構成するのに適した耐リン酸性樹脂シートを選定すべく、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合)樹脂シート、PTFE(四フッ化エチレン)樹脂シート及びFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合)樹脂シートについて、リン酸の透過性を検討した。
その結果は、図18に示す通りであり、リン酸の透過性の低いPFA樹脂シートあるいはFEP樹脂シートを、シート部材20を構成する耐熱・耐リン酸性シートとして用いることが望ましい。
なお、図18に示す通り、PFA樹脂シートとFEP樹脂シートは透過性の点では同等であるが、耐熱温度と機械的強度の面ではPFA樹脂シートの方が優れているため、PFA樹脂シートを用いることが、より望ましい。また、PTFE樹脂シートは、PFA樹脂シートより透過性の点で劣るが、このシートを用いてシート部材20を構成することも可能である。
シート部材20を構成する耐リン酸性樹脂シートの厚さは、そのシート部材と接している断熱材の劣化及び外部へのリン酸の漏洩につながり、周辺の機器を腐食することから、重要なポイントである。そこで、本発明者等は、200℃における耐リン酸樹脂シートの厚さとリン酸の透過量の関係を調べた。
本実験は、図19に示したような装置を用いて行った。すなわち、シート部材20を構成する耐リン酸性樹脂シートとリン酸吸収材36を重ね合わせ、これらを測定セル37によって挟持し、この測定セル37のシート部材20側にリン酸を入れ、さらに全体を密閉容器38に入れて密閉後、乾燥器中で200℃に加熱した。そして、15000時間加熱後、リン酸吸収材36を取り出し、吸収材表面に反応したリン酸量を分析して透過リン酸量を求めた。
なお、本実験においては、シート部材20を構成する耐リン酸性樹脂シートとしてPFA樹脂シートを用い、その厚さは0.025〜1.5mmに変化させた。また、リン酸は濃度が95%のものを用い、リン酸吸収材として厚さ1mmの軟鋼を用いた。ただし、このリン酸吸収材が、透過したリン酸を100%近く捕捉できることは予め確認されている。
図20は、本実験結果を示したものである。すなわち、シート部材20を構成する耐リン酸性樹脂シートの厚さの増加に反比例して、リン酸透過量は減少することが判明した。特に、耐リン酸性樹脂シートの厚さが0.10mm以下では、リン酸透過量が急激に多くなり、一方、1mm以上ではリン酸透過量に顕著な差がないことが明らかになった。
しかし、耐熱・耐リン酸性シートの厚さが1mm以上では、シート部材全体の重量が増加してしまうので、外面側に配設する断熱部材21に固定することが困難となり、材料費もほぼ重量に比例して高くなるので、コストが高くなる。また、樹脂シートを加熱、溶着する場合、厚さが1mm以上では熱伝導が悪く、シートの厚さ方向に温度分布が発生し、全体を均一に溶融させることが困難となる。すなわち、熱源に近い部分では樹脂シートの分解が始まり、熱源から遠い部分では溶融せず、シートの溶着が不完全となるため、接合部分の機械的強度が弱くなり、破損したり、その部分からガスがリークするという問題が生ずる。
さらに、樹脂シートの燃料電池に対するもう一つの重要な機能である電池本体とガスマニホールドを構成する断熱部材22間の電気絶縁性は、フィルムの厚さに比例して高くなる。例えば、燃料電池の場合、少なくとも定格電圧の10倍の絶縁破壊電圧が必要とすると2千ボルトである。耐リン酸性樹脂シートとしてPFA樹脂シートを使用した場合、厚さ1mmで絶縁破壊電圧は2万ボルトであるので、フィルムの厚さは少なくとも0.1mm以上必要となる。
したがって、断熱部材21を被覆するシート部材20の厚さを、0.1〜1mmにすることにより、耐リン酸浸透性に優れ、電気絶縁性も確実な、信頼性の高いガスマニホールドを提供することができる。
シート部材20を断熱部材21へ取り付けるには、図21A,図21Bに示したように、断熱部材21に密着させて固定するのではなく、両者の熱膨張差を十分吸収できるように、シート部材20を若干大きく形成して、断熱部材21にルーズに取り付ける。すなわち、予め断熱部材21と同じ形状に形成されたシート部材20を、電池本体側から断熱部材21を覆うように取り付ける。このようにして断熱性構造物22を形成し、コーナー部材23と共に電池本体側面に取り付けることによって、ガスマニホールドを構成する。
このように、シート部材20の断熱部材21への取り付けは、ルーズな取り付けであるので、起動・停止時や負荷変動における温度変化に伴うシートの熱膨張に対応することができる。また、断熱部材21を覆うだけであるので、シート部材20の取り付け、取り外しが容易である。さらに、シート部材20を別工程で製作できるので、工期の短縮を図ることもできる。
本実施形態のガスマニホールドを構成する内面側のシート部材20は、少なくとも1枚以上、複数枚用いることができることは言うまでもない。すなわち、シート部材20を複数枚用いることによって、リン酸の透過量を確実に低減することができると共に、万一、1枚のシート部材にピンホールあるいは亀裂等が生じても、他のシート部材によってリン酸の浸透を防止することができるので、信頼性が向上する。
また、複数枚のシート部材を用いた場合、シート部材間に形成される空間層により断熱効果も得られ、外側に配設される断熱部材の厚さを低減することも可能である。
次に、ガスマニホールドを構成するコーナー部材23について説明する。
本実施形態のガスマニホールドを構成するコーナー部材23は、金属製またはFRP製であって、図22A,図22Bに示したように、その内側(電池本体側)は内張りシート39aで内張りされている。
すなわち、図22Aは、冷却板の口出しパイプが引き出されない側に配設されるコーナーチャンネル23aを示したもので、金属製またはFRP製のコーナーチャンネル23aの内側には、内張シート39aが取り付けられている。
また、図22Bは、冷却板の口出しパイプが引き出される側に配設されるコーナーチャンネル23bを示したもので、金属製またはFRP製のコーナーチャンネル23bには、パイプの取り出し位置に複数個の貫通穴51が設けられている。このコーナーチャンネル23bの内側には、同様にパイプの取り出し位置に前記貫通穴より小さい穴52を開けた内張シート39bが配置されている。
なお、これらの内張シート39a,39bは、PFA、PTFE、FEP樹脂シート等の耐熱・耐リン酸性樹脂シートから構成されている。また、予めコーナーチャンネル23a,23bの内側の形状に合わせて折り曲げたものを、コーナーチャンネル23a,23bの内側にルーズに取り付けるように構成されている。
図22C,図22Dに示すコーナー部材の構造は、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取り出し側に配置されるコーナー部材は、電池積層体のコーナーに沿って左右2分割構造にしたものである。
まず、パイプの取り出し位置に貫通穴を開けた内張シート(図示せず)を、口出しパイプを貫通させて電池積層体のコーナーに配置し、貫通穴と口出しパイプの間にシール材を詰めてシールする。次に、口出しパイプ取り出し部分を半割りパイプ状に加工した左右2分割構造のコーナー部材23cを、左右からパイプを挟み込むように設置し、連結用ボルト64で左右の半割り構造のコーナー部材23cを連結する。
図22E,図22Fに示すコーナー部材23dは、同様に内張シート(図示せず)を口出しパイプに貫通させて電池積層体のコーナーに配置し、口出しパイプ取り出し部分をえぐった左右2分割構造のコーナー部材23dを左右からパイプを挟み込むように設置し、連結用L型65で連結する。
このように本実施形態によれば、コーナー部材を設置するときに、口出しパイプが邪魔にならずに簡単に設置できる。また、2分割構造であるので重量も1/2となり、作業性も著しく向上する。
さらに修理時には、口出しパイプに接続されている配管を外すことなくコーナー部材を取り外すことができ、修理の時間を大幅に短縮することができる。
また、図22Gに示す第2のシール材27は、額縁状で予めコーナー部材に密着させてある。形状が額縁状で単純な形状であるためシールがしやすく、ガスリークも少ない。さらには額縁状の継ぎ目のないシール材が望ましい。また予めコーナー部材にシール材を密着させる方式としたのでシール材の装着が容易となる。
コーナー部材に密着させる方法としては、例えばコーナー部材の内張シートに、額縁状に両面テープを張付け、その上にシール材を押し当て、密着させる。
密着させた状態でコーナー部材を4隅角部のコーナーに設置できるので作業性もよい。
図23A,図23Bは、冷却板の口出しパイプが引き出される側に配設されるコーナーチャンネル23b部分の構造を、さらに詳しく示したものである。
すなわち、図23Aに示したように、コーナー部材23bには、口出しパイプ50の取り出し位置に貫通穴51が設けられており、また、内張シート39bにも同様のパイプの取り出し位置に、前記貫通穴51より小さい貫通穴52が開けられている。そして、これらの貫通穴51,52に挿入された口出しパイプ50の周囲には、軟質シール材40が配置されている。なお、この軟質シール材40は、発泡性のゴムシール材である。
このように、口出しパイプ50の周囲に軟質シール材40を配置し、次に内張シート39b、コーナー部材23bを配置し、最後に断熱性構造物22を取り付け、周囲をスプリングバックルで締め付ける。これによって内張シート39b、コーナー部材23bは、電池本体側に押し付けられ、固定される。
一方、口出しパイプ周辺に配置した軟質シール材40によって、電池本体側に押し付けられた内張シート39b、コーナー部材23bの貫通穴と口出しパイプとの隙間をシールすることができる。
さらに、軟質シール材40として発泡性のゴムシール材を使用した場合は、電池の昇温により発泡性のゴムシール材が反応して、ガスの発生により発泡し、さらにコーナー部材23bの貫通穴と口出しパイプとの隙間をシールすることができる。また、同時に加硫されることによってゴムシール材の強度が増すことにより、シール性もより強固なものとなる。
図23Cに示した軟質シール材の構造は、フッ素系の円盤状スポンジゴム66の中央には、口出しパイプより小さい穴が設けてあり、円盤側面の厚さ方向の中央には円周に沿ってスリットが入っている。
円盤状スポンジゴム66を口出しパイプ50の所定の位置まで差し込み、次に内張シート39bを口出しパイプ50に通し、内張シート39bを円盤状スポンジゴム66の円周に沿って入れられたスリットに挟み込む。
このように本実施形態によれば、スポンジゴムの弾性により、口出しパイプ50と円盤状スポンジゴム66の間のシール、円盤状スポンジゴム66と内張シート390間を確実にシールし、電池積層体のコーナーからのガスリークを防止することができる。
図23Dに示した円盤状スポンジゴム66の内径は、口出しパイプ50の端部が接続用ニップル50aが取付けられ太くなった分だけパイプ径より大きくなっている。その為シール部の位置に予めフッ素系発泡ゴム67が巻き付けられている。
このように本実施形態によれば、ニップルを通過させるためスポンジゴムを切り離す必要が無いので、スポンジゴムの弾性とフッ素系発泡ゴム67により、口出しパイプ50と円盤状スポンジゴム66の間のシール部からのガスリークを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、比較的簡単な構造で、コーナー部材23bの貫通穴51と口出しパイプ50との隙間を確実にシールすることができる。
次に、コーナー部材23bの貫通穴51と口出しパイプ50との隙間を確実にシールする他の方法について説明する。
図24A,図24Bは、冷却板の口出しパイプの取り出されるコーナーに配置されるコーナー部材23bの内張シート39cを示したものである。すなわち、パイプの取り出される位置に貫通穴を設け、その部分にパイプ用スリーブ41が接合されている。なお、このパイプ用スリーブの溶着、接合は、丸形あるいは半丸形インパルスヒーターを用いて行われる。
図24Dを参照して、口出しパイプ50にパイプ用フレア加工を施した内張シート39cを取り付ける方法について説明する。すなわちコーナー部材23bには、パイプの取り出し位置に貫通穴51が設けられており、内張シート39cにも同様のパイプの取り出し位置にフレア加工が施こされている。そして、口出しパイプ50をフレア加工部68に挿通し、口出しパイプ50の外周にシール材42を配置し、コーナーチャンネル23bを押し付けてシールする。
内張シート39cのパイプの取り出し位置にフレア加工する方法は、内張シート39cのパイプの取り出し位置にパイプより小さい穴をあけ、円錐状の凸型に差し込み、上から円錐状に切り込みを入れた凹型を乗せ、両方の型を加熱する。徐々に加熱することにより内張シート39cの穴の付近のシートが伸び、フレア加工できる。
このように本実施形態によれば、シート同士の融着などの手段を用いることなく、フレア部分を作成することができ、コーナー部材23bと貫通穴51と口出しパイプ50との隙間の、より信頼性の高いシールが可能である。
また、図25A,図25Bを参照して、口出しパイプ50にパイプ用スリーブ41を設けた内張シート39cを取り付ける方法について説明する。すなわち、コーナー部材23bには、パイプの取り出し位置に貫通穴51が設けられており、内張シート39bにも同様のパイプの取り出し位置にパイプ用スリーブ41が接合されている。そして、口出しパイプ50をパイプ用スリーブ41に挿入し、口出しパイプ50の外周にシール材42を配置し、さらにその部分をバンド43で絞り付けてシールする。
このように、本実施形態によれば、コーナー部材23bの貫通穴51と口出しパイプ50との隙間を確実にシールすることができるので、電池積層体のコーナー部からのガスリークを大幅に低減できる。
図26は、コーナー部材の変形例を示したものである。なお、図26においては、内張シートは図示していない。すなわち、コーナー部材23の電池本体側には、断面凹形のシール溝44が形成され、また、コーナー部材23の外側の断熱性構造物22との接合部には、外方に突出する突き出し部45が設けられている。
このように構成することによって、電池積層体10とコーナー部材23の間に取り付けられる前記第2のシール材27は、コーナー部材23のシール溝44によってガイドされるため、この第2のシール材27の位置がずれることを防止でき、電池積層体10とコーナー部材23の間を確実にシールすることができる。
また、コーナー部材23の外側に形成された突き出し部45は、断熱性構造物22をスプリングバックルで締め付けたときに、ストッパーとなって断熱性構造物22の移動を防ぐことができるので、断熱性構造物22を均一に締め付けることができる。
以下、本発明のガスマニホールドのより具体例について説明する。電池積層体に対向する内面側のシート部材として、PFA樹脂シート(厚さ0.5mm)を用い、予め断熱部材と同じ形状の箱状に成形した。成形は四隅と配管フランジ用スリーブをインパルスヒーターにより溶融、接合した。
また、外面側の断熱部材(配管用穴あり)は、厚さ75mmのロックウールを用い、平面を平ラスで補強し、その上をガラスクロスで覆った後、断熱材保持枠に挿入した。なお、このロックウール断熱材の熱伝導率は0.044W/mK、密度は、0.15g/cm3、圧縮荷重200kg/m2における圧縮率は2%以下である。
次に、箱状に成形したシート部材を断熱部材を被覆するようにはめ込み、断熱性構造物を形成した。
この断熱性構造物を構成するシート部材とコーナー部材とが接する部分には、フッ素ゴムから成る額縁状の耐熱・耐リン酸性シール材(第1のシール材)が両面テープで取り付けられている。
一方、下部締め付け板の上には、既に、電池が積層されており、下部締め付け板のコーナー部の切り欠き部に、切り欠き部と同形状のクッション材(フッ素ゴム)を配置した後、四隅のコーナー部に鉄製のコーナー部材を立て、上部締め付け板を同様に配置する。
また、パイプの取り出し側のコーナー部材には、パイプの取り出し位置に貫通穴が設けられており、内張シート(厚さ0.5mm、PFA樹脂シート)にも、同様にパイプの取り出し位置にコーナー部材の貫通穴より小さい穴が開けられている。そして、対向する口出しパイプの周囲には、軟質シール材(発泡性フッ素ゴム)が配置されている。また、コーナー部材のシール溝には、耐熱・耐リン酸性、絶縁性シール材であるO−リング(フッ素ゴムをフッ素樹脂テープあるいは軟質フッ素樹脂シートで被覆したもの)がはめ込まれている。
次に、断熱性構造物をコーナー部材に係合させる。すなわち、断熱性構造物の最下部を下部締め付け板に取り付けられた位置固定用のストッパー上に乗せ、左右はコーナー部材に設けた突き出し部で位置決めを行った。断熱性構造物の位置決めが終わった後、周囲をスプリングバックルで締め付けた。
本実施例のガスマニホールドは軽量化されているため、その取り付け作業はすべて人力で行うことができ、組み立て時間も従来の30%減であった。
また、ガスマニホールドの構成部材は、耐熱・耐リン酸性シートと安価な断熱材と鉄製の断熱材保持枠と鉄製のコーナー部材であるため、コストを大幅に低減することができ、従来のガスマニホールドと保温材を合計した金額のほぼ1/2であった。
さらに、ガスマニホールドを含む電池本体の設置面積も、従来の保温材に相当する部分がなくなるため約20%削減することができた。
このようにして組み立てた本発明のガスマニホールドを用いた燃料電池を、実際に昇温し、ガスを流して200℃で1000時間連続運転を行った。
その結果は、ガスリークは従来に比べて1.10以下であり、また、断熱効果も、従来の鉄製のガスマニホールドを断熱材で覆った方式と同等以上であった。
特に、従来リーク量の多かったコーナー部からのガスリークは皆無であった。これは、コーナー部材に一枚の内張シートを取り付けているため、コーナー部からのガスリークを防止できたためと考えられる。
また、コーナー部でガスリークが考えられるのは、4つのコーナーのうち冷却板のパイプの取り出し側コーナーだけである。しかし、本実施例においては、このコーナーも口出しパイプ周囲に軟質シール材を配置し、コーナー部材と内張シートで押さえ付けてシールしている。さらに、発泡性のゴムシール材を使用したため、電池の昇温により発泡性のゴムシール材が反応して、ガスの発生により発泡し、コーナー部材の貫通穴と口出しパイプとの隙間をさらに強固にシールすることができる。また、同時に加硫されることによってゴムシール材の強度が増すことにより、よりシール性も確実になるため、リークがなかったものと推測される。
上記のような構成を有する本実施形態のガスマニホールドは、以下のような作用・効果を有する。すなわち、ガスマニホールドを構成する断熱性構造物22の構成要素であるシート部材20は、ピンホールのない、均一なシートを使用するため、電池から排出されるガス中のリン酸を確実にブロックし、系外へのリン酸の漏洩を防止することができる。
また、断熱性構造物22の構成要素である断熱部材21は、200℃程度の高温で運転される電池からの放熱を防止すると共に、シート部材20を保持し一体化して、ガスマニホールドの壁面部となる断熱性構造物22を構成する。
さらに、コーナー部材23は、ガスマニホールドの側面部を構成し、シート部材20と断熱部材21から構成される断熱性構造物22を安定な形状に保持し、電池積層体へのガスの配流を均一化する機能を有する。
このように、本実施形態によれば、従来のように重い金属製ガスマニホールドや、高価なフッ素系樹脂コーティングを使用しないため、ガスマニホールドの軽量化、低コスト化を実現することができる。
[産業上の利用の可能性]
以上のように本願発明によれば、重量が軽く、コストの安いガスマニホールドを提供することができる。また、構造が簡単で容易に点検可能なガスマニホールドを提供することができる。さらに、電池積層体のコーナー部からのガスリークを低減することができる。また、電池積層体の設置面積を削減することを可能としたガスマニホールドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の燃料電池のセルスタックの構造の一例を示す分解斜視図。
図2は、従来の電池積層体にガスマニホールドを取り付けた状態の一例を示す斜視図。
図3は、本発明のガスマニホールドの全体構成を示す斜視図。
図4は、図3に示したガスマニホールドのシール構造を示す断面図。
図5は、本発明のガスマニホールドの断熱材構造物の構造を示す斜視図。
図6Aは、本発明のガスマニホールドの上下に配設される締め付け板の構造を示す斜視図。
図6Bは同締め付け板の要素拡大図。
図6Cは、本発明のガスマニホールドのリン酸シールドを示す斜視図。
図7は、図6A及び図6Bに示した締め付け板の切り欠き部に配設されるシール材の構成を示す斜視図。
図8は、本発明のガスマニホールドの組み立て構造を示す断面図。
図9は、皿バネによる締め付け構造を示す横断面図。
図10は、Uアーム付きドクルクランプによる締め付け構造を示す横断面図。
図11は、スプリングバックルによる締め付け構造を示す斜視図。
図12は、センター締め付け構造体と下部締め付け板に設けた断熱性構造物の位置決め構造を示す斜視図。
図13Aは、断熱材を断熱材保持枠に挿入する断熱部材の構造を示す斜視図。
図13Bは、断熱材をくり貫き板を外して挿入する断熱部材の構造を示す斜視図。
図14は、図13A及び図13Bに示した断熱部材の断面図。
図15A及び図15Bは、本発明のガスマニホールドの構成要素である断熱部材の一構成例を示し、図15Aは横断面図、図15Bは正面図。
図16A及び図16Bは、本発明のガスマニホールドの構成要素である断熱部材の他の構成例を示し、図16Aは横断面図、図16Bは縦断面図。
図17Aは、薄平板状シート部材の装着状態を示す斜視図。
図17Bは、断熱性保持枠の形状に合わせて箱状に成形したシート部材の斜視図。
図18は、各種樹脂シートのリン酸透過量を示す図。
図19は、樹脂シートの厚さとリン酸透過量の関係を調べる実験装置の構成を示す概略図。
図20は、樹脂シートの厚さとリン酸透過量の関係を示す図。
図21A及び図21Bは、シート部材の断熱部材への取り付け状態を示す図。
図22A及び図22Bは、コーナー部材とその内張シートの構造を示す斜視図であり、図22Aは冷却板の口出しパイプが引き出されない側のコーナー部材を示す斜視図、図22Bは冷却板の口出しパイプが引き出される側のコーナー部材を示す斜視図。
図22C及び図22Eは、左右2分割構造のコーナー部材を示す斜視図。
図22D及び図22Fは、左右2分割構造のコーナー部材を示す横断面図。
図22Gは、第2シール材の外観図。
図23A及び図23Bは、ガスマニホールドの冷却板の口出しパイプの取り出し側コーナー部のシール状態を示し、図23Aは横断面図、図23Bは縦断面図。
図23C及び図23Dは、軟質シール材である円盤状スポンジゴムの装着状態を示す斜視図。
図24Aは、コーナー部材の内張シートの構造を示す斜視図。
図24Bはパイプ用スリーブ部分の拡大図。
図24Cはパイプ用スリーブ部分の断面図。
図24Dは、フレア加工した内張シートを示す図。
図25A及び図25Bは、ガスマニホールドの冷却板の口出しパイプの取り出し側コーナー部の絞り付けによるシール状態を示し、図25Aは横断面図、図25Bは縦断面図。
図26は、コーナー部材の他の構成を示す斜視図。
Claims (25)
- 電池積層体の側面にガスマニホールドを配設した燃料電池において、
前記ガスマニホールドは、
前記電池積層体の側面に対向して配設され、前記電池積層体に対向する内面側シート部材および外面側断熱部材からなる板状の断熱性構造物と、
前記電池積層体と前記断熱性構造物とのコーナー部間に配設され、且つ内側にリン酸腐食防止用シートにより内張りされたコーナー部材と、
前記断熱性構造物と前記コーナー部材と前記電池積層体との間で空間を形成し、且つ、前記断熱性構造物とコーナー部材を締付けるための締付け部材とを具備する燃料電池。 - 前記断熱性構造物の前記シート部材及び前記断熱部材は、ガス出入口用のフランジ穴を有する請求項1記載の燃料電池。
- 前記断熱性構造物と前記コーナー部材との間に配置された第1のシール材と、前記コーナー部材と前記電池積層体との間に配置された第2のシール材とを更に具備する請求項1記載の燃料電池。
- 前記第2のシール材は、予め前記コーナー部材に密着された額縁形状部材である請求項3記載の燃料電池。
- 前記電池積層体を締め付ける上締付け板及び下締付け板とを具備し、前記上及び下締付け板の平面寸法は、前記電池積層体の平面寸法より大きく、前記上及び下締付け板のコーナー部には前記コーナー部材を組み込むための切り欠き部が形成され、この切り欠き部にはクッション材を介して前記コーナー部材が配設されている請求項1記載の燃料電池。
- 前記上下締付け板における前記電池積層体より突き出した周囲の部分は、耐リン酸処理が施されている請求項5記載の燃料電池。
- 前記締付け部材は、断熱性構造物を背部より抱え込むようにした複数のアングル構造体と、この複数のアングル構造体の端部間を皿バネを介して連結し且つ締付けるスタッドとを具備する請求項1記載の燃料電池。
- 前記締付け部材は、断熱性構造物を背部より抱え込むようにした複数のアングル構造体と、この複数のアングル構造体の端部間を締付けるUアーム付きトグルクランプとを具備する請求項1記載の燃料電池。
- 前記締付け部材は、前記電池積層体の側面に対応する4つの断熱性構造物の周囲を締付けるステンレス薄板バンド及びスプリングバックルを具備する請求項1記載の燃料電池。
- 前記上締付け板及び下締付け板のセンターで前記ガスマニホールドを締付ける締付け構造体を更に具備する請求項5記載の燃料電池。
- 前記下部締付け板下面の4隅に設けられるものであって、断熱性構造物の上下位置決め用サポートと、前記断熱性構造物を上下に移動及び調整できるジャッキボルトとを更に具備する請求項5記載の燃料電池。
- 前記断熱性構造物の前記断熱部材は、断熱材保持枠に断熱材を挿入して形成している請求項1記載の燃料電池。
- 前記断熱性構造物の前記内側シート部材は、平板状で前記断熱材保持枠より大きくしている請求項12記載の燃料電池。
- 前記断熱性構造物の前記シート部材は、前記断熱材保持枠の形状に合わせて箱状に成形加工されている請求項12記載の燃料電池。
- 前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取出し側に配置されるコーナー部材は、前記電池積層体のコーナーに沿って左右半割り構造である請求項1記載の燃料電池。
- 前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取出し側に配置されるコーナー部材は、前記口出しパイプの位置に合わせて貫通穴を有し、当該コーナー部材における前記内張シートの対応する位置には前記コーナー部材貫通穴より径の小さい穴が明けられ、前記口出しパイプの周囲に軟質シール材が配置されている請求項1記載の燃料電池。
- 前記軟質シール材は、円板状スポンジゴムであり、当該円板状スポンジゴムの中央には口出しパイプより小さい穴が設けてあり、当該円板状スポンジゴムの円板側面の厚さ方向の中央には円周上にスリットが入れられ、そのスリットに前記内張シートを挟み込んでいる請求項1記載の燃料電池。
- 前記コーナー部材のうち、電池積層体内に挿入された冷却板の口出しパイプの取出し側に配置されるコーナー部材には、前記口出しパイプの位置に合わせて貫通穴を設け、また、前記内張りシートの対応する位置には、口出しパイプ挿入用のスリーブが設けられている請求項1記載の燃料電池。
- 前記内張シートは、口出しパイプの位置に合わせて貫通穴が設けられ、該貫通穴の部分はフレア加工されている請求項1記載の燃料電池。
- 前記内張シートに設けた口出しパイプ挿入用のスリーブと口出しパイプとの間は、バンドで絞り付けることによりシールされている請求項1記載の燃料電池。
- 前記コーナー部材の電池積層体側にはシール溝が設けられ、前記コーナー部材の外側には突き出し部が設けられている請求項1記載の燃料電池。
- 前記断熱部材は、少なくとも1種類以上の材質、耐熱温度、強度の異なる複数の断熱材層からなる請求項12記載の燃料電池。
- 前記断熱部材はハニカム構造体を有し、当該ハニカム構造体内に断熱材を充填してなる請求項12記載の燃料電池。
- 前記断熱部材を構成する断熱材は、その両面を第1の補強材によって補強し、さらにその上を第2の補強材で覆っている請求項12記載の燃料電池。
- 前記断熱材保持枠は、前記断熱性構造物と前記コーナー部材を締付けるための締め付け部材を保持する保持部材を具備する請求項12記載の燃料電池。
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