JP2010180963A - ガスケット構造体 - Google Patents

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竜雄 片山
Takami Yamashita
貴美 山下
Matsuhiro Okuda
松弘 奥田
Kei Moriya
圭 森谷
Hiroya Nakaji
宏弥 中路
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Abstract

【課題】低反力、高圧縮、接着耐久性が求められる部位での使用適性に優れたガスケット構造体を提供する。
【解決手段】シール対象基材2の所定部位2cに接着剤層4を介してゴム製ガスケット3が固着一体とされたガスケット構造体1であって、上記ゴム製ガスケット3は、断面形状が山形状であり、底面部3cが全面に亘って上記接着剤層4を介して上記シール対象基材2の所定部位2cに固着一体とされており、該ゴム製ガスケット3における頂部3aの上記底面部3cからの高さH/該底面部3cの幅Dが、1/2より大で且つ1より小さいことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、シール対象基材の所定部位に接着剤層を介してゴム製ガスケットが一体固着されたガスケット構造体、例えば、燃料電池のスタックを構成するセパレータの全周囲及び媒体用開口部周りにガスケットを一体に備えるガスケット構造体、或いは、ハードディスク装置等におけるカバーとガスケットとが一体とされたガスケット構造体に関する。
上記のように、シール対象基材とガスケットとが一体とされたガスケット構造体の例としては、特許文献1乃至特許文献6に示される先行技術を挙げることができる。これら特許文献に開示されたガスケット構造体は、上記燃料電池のセパレータ或いはハードディスク装置等におけるカバーをシール対象基材とし、この基材の所定部位に対してゴム製ガスケットを固着形成したものである。このように、基材に対してガスケットが一体に固着されていると、そのまま燃料電池やハードディスク装置等の組立工場に持込んで製造に供することができるから、極めて効率的である。しかし、特許文献1に開示されたガスケット構造体の場合、基材とガスケットとは、ゴム材の加硫成型によって一体とされたものであるから、相互の固着力は左程強くなく、その為、組立工場への持込過程での梱包や輸送時に両者が剥がれるといった事態が生じることがある。
特許文献2、特許文献3及び特許文献4に開示されたガスケット構造体の場合、基材に対してガスケットが接着剤を介して貼着一体とされている。また、特許文献5には、シリコーン接着剤からなるガスケットシール成形材料を、ディスペンサシステムを用いて基材の所定部位に一体成形してガスケット構造体を得る例(同特許文献5の0033欄参照)が記載されている。これらの特許文献によるガスケット構造体の場合は、ガスケットと基材とが接着剤若しくは接着機能部によって強固に固着一体とされているから、前記のように組立工場への持込過程での梱包や輸送時に両者が剥がれるといった事態が起こる可能性が少なくなる。
特開2008−1002号公報 特開2004−76877号公報 特開2003−56704号公報 特開2005−16703号公報 特開2001−182836号公報 特開2004−207071号公報
上述のように、接着剤等によってガスケットが基材に対して貼着一体とされている場合は、梱包や輸送時の不具合が生じる懸念が少ないが、燃料電池用等のガスケット構造体のように、低反力、高圧縮、接着耐久性が要求され、しかも、ガスケットが1mm以下の高さ空間に介在されるよう使用される場合には、以下のような解決すべき課題がなお残存していた。このような課題について、図5を参照して説明する。図5に示すガスケット構造体50は、シール対象基材51の所定部位に接着剤層52を介してゴム製ガスケット53が固着一体に形成されたものである。ガスケット53は、断面が山形でビード状に連なるガスケット本体部53aと、該ガスケット本体部53aの両側部に沿って形成された鍔部53b、53bとよりなり、ガスケット本体部53aと両側部の鍔部53b、53bとは、ゴム材の加硫成型により一体に形成されている。また、シール対象基材51とガスケット53との固着一体化は、前記にように、ゴム材の加硫成型時に接着剤を介してシール対象基材51に加硫接着する方法、或いは、事前に加硫成型したゴム成型体を接着剤によりシール対象基材51に接着する方法によりなされる。そして、接着剤層52はガスケット53の下面全面に亘っている。
図5に示すようなガスケット構造体50を、他方のシール対象基材(例えば、高分子電解質膜と触媒電極層とを積層一体としたMEA)54と合体締結した場合、この締結力によりガスケット53が図5(b)に示すように圧縮され変形する。この場合、ガスケット53は、接着剤層52によってその下面全面がシール対象基材51に強固に固着されているから、圧縮の際のガスケット53の横流れ及び横方向への膨出が抑制され、これにより他方のシール対象基材54に対して大きな反力が作用する。この大きな反力により、他方のシール対象基材54が変形を来すことがある。特に、燃料電池のように、層厚が薄く且つ脆い材質からなるMEAを他方のシール対象基材とし、高圧縮下でセパレータと締結する場合は、このような現象を生じ易いという点が指摘されている。
また、圧縮力によりガスケット53の内部、特にガスケット本体部53aの中央部P1における内部応力が高くなる為、経時的にガスケット53の亀裂発生及び永久歪増大を来たし、これによりシール性が低下する。更に、鍔部53bの基部P2(鍔部53bとガスケット本体部53aとの境界部)における接着剤層52に大きなせん断応力がかかる為に、接着耐久性が低下することもある。このような現象は、図示のような断面形状が山形のガスケット本体部53の両側に鍔部53b,53bを備えたガスケット53の場合に顕著であり、その為、高圧縮下で用いられる燃料電池用等としての適性を充分に備えているとは言えなかった。
特許文献4のガスケットは、ガスケット本体部に対して鍔部を含む取付部が、嵩高で容積が大とされているので、圧縮の際にガスケット本体部のみが過圧縮されるのは必至であり、その為、ガスケット本体部の内部応力が過多となり、経時的に亀裂、シールラインの蛇行、座屈等の不具合が生じることが予想される。また、特許文献5に開示されたガスケットは、上記のような鍔部のない形状であって、ガスケットの断面形状における高さhと、最大幅wとが、h/w≧1の関係にあることを特徴としている。このように鍔部がない形状の場合は、上記のように鍔部の基部におけるせん断応力が大きいことによる接着耐久性の低下は懸念されないが、接着幅に対してガスケットの高さが大であるから、シールラインの蛇行やガスケットの座屈が生じる懸念があり、これはシール性低下と言うガスケットとして備えるべき性状の致命的な不具合となる。特に、圧縮量が多い場合は顕著となる。
特許文献6には、燃料電池における金属セパレータに一体化されるシール部材を、根元部と、根元部から柱状に立ち上がる柱状部と、柱状部の先端に設けられる円弧状先端部とよりなるものとし、柱状部の幅寸法Wと、根元部から円弧状先端部までの高さ寸法Hとが、H/W≦1.5となるように設定することが開示されている。しかし、このような寸法設定は、シール材の先端部の金属セパレータの面方向(横方向)への追従性を意図してなされたもので、金属セパレータに対する耐接着性を勘案してなされるものではない。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、低反力、高圧縮、接着耐久性が求められる部位での使用適性に優れたガスケット構造体を提供することを目的としている。
本発明に係るガスケット構造体は、シール対象基材の所定部位に接着剤層を介してゴム製ガスケットが固着一体とされたガスケット構造体であって、上記ゴム製ガスケットは、断面形状が山形状であり、底面部が全面に亘って上記接着剤層を介して上記シール対象基材の所定部位に固着一体とされており、該ゴム製ガスケットにおける頂部の上記底面部からの高さ(以下、高さHと言う)/該底面部の幅(以下、幅Dと言う)が、1/2より大で且つ1より小さいことを特徴とする。
本発明に係るガスケット構造体は、前記ゴム製ガスケットの両側斜面部の少なくとも一方に、断面R形状の凹部がその長手方向に沿って形成されているものであっても良い。また、前記ゴム製ガスケットの幅方向端部の底面部に対する立上角度を90°以下としても良い。更に、ゴム製ガスケットが、前記シール対象部材の所定部位に対して、接着剤を介してゴム材の加硫成型により固着一体に形成されたものとしても良い。そして、本発明に係るガスケット構造体は、前記ゴム製ガスケットの前記高さHを2mm以下とし、該ゴム製ガスケットが、1mm以下の高さ空間に介在されるよう使用されるものとすることができる。
本発明に係るガスケット構造体は、シール対象基材の所定部位に、接着剤層を介して、ゴム製ガスケットがその底面部の全面に亘って固着一体とされたものであるから、ゴム製ガスケットが所定部位に対して強固に固着一体とされ、このガスケット構造体が、梱包や搬送等の流通におかれてもシール対象基材とゴム製ガスケットとが分離することがない。そして、本ガスケット構造体は、燃料電池やハードディスク装置等の組立工場にそのまま持ち込まれ、他のシール対象基材と締結一体とすることにより、当該シール対象基材と他のシール対象基材との間にゴム製ガスケットが圧縮状態で挟圧され、両者間のシールがなされる。従って、上記の組立工場では、別途準備したガスケットをシール対象基材間に介装する作業が不要とされ、組立て作業の効率化が図られる。
上記ゴム製ガスケットは、断面が山形で、前述のような鍔部を有さない形状であるから、他のシール対象基材との間に挟圧され、圧縮される際のゴム製ガスケットの横流れ及び横方向への膨出抑制作用が過多とならず、これにより他方のシール対象基材に対して大きな反力が作用することがない。従って、ゴム製ガスケットが低反力の圧縮状態で挟装される為、高圧縮状態下でも他方のシール対象基材に変形を来す懸念もない。また、横流れ及び横方向への膨出抑制作用が過多とならないことにより、ゴム製ガスケットの中央部における内部応力も過剰な高さになることがない。従って、経時的なゴム製ガスケットの亀裂発生及び永久歪増大を来たすことがなく、これにより良好なシール性が維持され、シール機能の信頼性が高められる。更に、ゴム製ガスケットが鍔部を有さない形状であることから、ゴム製ガスケットの両側端部における接着剤層に大きなせん断応力がかかることがなく、接着耐久性が低下することもない。
加えて、ゴム製ガスケットの断面形状が山形であって、該ゴム製ガスケットにおける頂部の底面部からの高さH/該底面部の幅Dが、1/2より大で且つ1より小さく設定されているから、シール対象基材に対する接着剤層を介した固着一体化が安定的になされると共に、他方のシール対象基材との間に挟装された際において、シール性を維持するに充分な反力が発現されながらも、ゴム製ガスケットのシールラインの蛇行や、座屈が生じる懸念がなく、これによっても信頼性の高いシール性が得られる。因みに、上記高さH/幅Dが1より大きい場合は、圧縮時のゴム製ガスケットの倒れ、座屈、或いはシールラインの蛇行等が発生し易くなり、シール性が低下する傾向となる。また、高さH/幅Dが1/2より小さい場合は、圧縮時の内部応力が高くなり、亀裂が発生し易く、亀裂によるシール性低下の原因となる。更に、底面部の幅Dが相対的に大となる為、ゴム製ガスケットのための幅広の設置スペースをシール対象基材に確保する必要がある。
前記ゴム製ガスケットの両側斜面部の少なくとも一方に、断面R形状の凹部がその長手方向に沿って形成されているものとした場合、他方のシール対象基材との間に挟装された際における圧縮力の一部が、この凹部の外方への膨出作用で吸収され、ゴム製ガスケットの中央部における内部応力が高くなることが抑制される。特に、凹部がR形状であることにより、圧縮力の吸収作用が分散し、これにより内部応力も分散し、亀裂発生や永久歪増大等の可能性もより低下する。また、圧縮力の吸収作用により、ゴム製ガスケットの両側端部における接着剤層にかかるせん断応力がより緩和され、接着耐久性がより向上する。
前記ゴム製ガスケットの幅方向端部の底面部に対する立上角度を90°以下とした場合、前記圧縮時において、ゴム製ガスケットの両側端部から外方への膨出により、ゴム製ガスケットの中央部における内部応力及び該両側端部における接着剤層にかかるせん断応力が緩和される。この立上角度が90°を超えると、内部応力及び接着剤層にかかるせん断応力が高くなり、上記亀裂の発生や接着耐久性が低下する傾向となる。また、ゴム製ガスケットをシール対象基材に対して成型一体に形成する場合は、金型開き時に当該部位がアンダーカット部となることから、生産性が劣り、最悪の場合は、ゴム製ガスケットや接着剤層に亀裂が生じたりして製品歩留まりが低下する事態にもなる。
前記ゴム製ガスケットが、前記シール対象部材の所定部位に対して、接着剤を介してゴム材の加硫成型により固着一体に形成されたものである場合、ゴム材の加硫と接着剤の硬化とにより、ゴム製ガスケットがシール対象基材に対して強固に固着一体とされる。しかも、成型によってシール対象基材に固着一体とされるから、事前に成型したゴム製ガスケットを接着剤によってシール対象基材に固着したものに比べて効率的に得られ、製造コストの低減化が図られる。
本発明のガスケット構造体を、前記ゴム製ガスケットの前記高さHを2mm以下とし、該ゴム製ガスケットが1mm以下の高さ空間に介在されるよう使用されるものとした場合、例えば、燃料電池のセパレータとMEAとの間のシールのように、低反力、高圧縮及び接着耐久性が要求される仕様適性を充分に備えたものとなる。高さHが2mmを超えると、1mm以下の高さ空間に介在されるよう使用した場合、圧縮時の反力が大きくなり、これにより内部応力が高くなり、亀裂等の発生によってシール性が低下する傾向となる。
本発明において、ゴム製ガスケットを構成するゴム材としては、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKM、EPDM、VMQ等から選ばれたいずれかのゴム材が好ましく採用される。また、接着剤層を構成する接着剤としては、熱硬化性の接着剤が用いられ、具体的には、エポキシ系、フェノール系、カップリング剤系、ポリイミド系、ゴム糊系の接着剤が好ましく採用される。この接着剤は、ゴム製ガスケットをシール対象基材に対してゴム材の加硫成型により一体に形成する場合は、加硫成型時における加硫温度で硬化し、この硬化の際にゴム材及びシール対象基材の界面において化学反応を起こし、両被接着部材を強固に一体とするものである。更に、シール対象基材としては、カーボンプレートやSUS等の金属材が採用される。
本発明の一実施形態のガスケット構造体を燃料電池のセパレータに適用した例を示す平面図である。 (a)は図1におけるX−X線矢視拡大断面図であり、(b)は他方のシール対象基材を合体締結し同ゴム製ガスケットが圧縮変形した状態を示す断面図である。 (a)(b)は他の実施形態の図1(a)(b)と同様図である。 同ガスケット構造体の製造方法における成型工程での成型装置の断面図である。 (a)(b)は従来のガスケット構造体における図1(a)(b)と同様図である。
以下に本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すガスケット構造体1は、燃料電池のセパレータであって、後記する高分子電解質膜(MEA)5等と合体されて燃料電池構成用スタック(不図示)が構成されるものである。このガスケット構造体としてのセパレータ1は、カーボンプレート或いはSUS等のメタルプレート等をシール対象基材2とし、このシール対象基材2の所定部位2cに接着剤層4を介してゴム製のガスケット3が一体固着されたものである。シール対象基材2は、適所に冷媒、水素及び酸素等の媒体流通用の開口部(シール対象媒体の流通域)2a…を複数備え、また、シール対象基材2の板面にはこれら開口部2aのいずれかと連通する媒体流通路帯(シール対象媒体の流通域)2bが形成されている。これら開口部2a…及び媒体流通路帯2bの周りに所定幅の所定部位2cが形成され、この所定部位2cにゴム製ガスケット3が一体固着され、上記スタックの複数が締結合体されて燃料電池が構成された際に、このゴム製ガスケット3によって上記媒体の漏出の防止が図られる。
上記ゴム製ガスケット3は、断面が山形の形状で長手方向にビード状に連なるよう形成され、その両側裾部(幅方向端部)3b,3bは、底面部3cに対し90°以下の角度(立上角度)αで立上がり、傾斜面部3d,3dを経てその頂部3aに連なっている。該ゴム製ガスケット3における頂部3の底面部3c(上記接着剤層4との界面)からの高さHが2mm以下とされ、該高さH/該底面部の幅Dが、1/2より大で且つ1より小さく設定されている(1/2≦高さH/幅D≦1)。
上記構成のセパレータとしてのガスケット構造体1は2枚で対をなし、該対間に、前記MEA5を挟装して1個の単位セル(不図示)を構成し、この単位セルを多数重ね合わさせて燃料電池本体、即ち、スタック(不図示)が形成される。このスタックの両端に集電板(不図示)を配しこれらをボルト(不図示)で締結一体として燃料電池が構成される。図2(b)は、このボルトでの締結の際に、セパレータ1のシール対象基材2と、他方のシール対象基材であるMEA5との間でゴム製ガスケット3が圧縮変形した状態を示す。このような締結状態では、ゴム製ガスケット3がシール対象基材2とMEA5との間で圧縮変形した状態で介在するから、シール対象基材2とMEA5との間がシールされ、媒体流通路帯2bを流通する媒体(不図示)の外部への漏出が阻止される。前記開口部2a周りにもゴム製ガスケット3が圧縮変形した状態で存在するから、該開口部2a内を流通する媒体の外部への漏出が阻止される。
図2(b)に示すように、上記締結時の圧縮力はゴム製ガスケット3の頂部3aに負荷される。この時、頂部3aに負荷された圧縮力は、底面部3cが接着剤層4を介してシール対象基材2に強固に固着されているから、両側の傾斜面部3d,3dを外方に膨出するよう作用する。この膨出作用によって圧縮力が分散し、ゴム製ガスケット3の中央部P1における内部応力が過度に高くなることがない。従って、この圧縮状態におけるゴム製ガスケット3の経時的な亀裂発生及び永久歪増大を来たすことがなく、これにより良好なシール性が維持され、シール機能の信頼性が高められる。また、圧縮力が分散される結果、両側の裾部3b,3bにおける接着剤層4の部分P2,P2にかかるせん断応力が小さくなり、接着剤層4による接着耐久性も向上する。
図示のような燃料電池におけるセパレータ(シール対象基材)2と、MEA(他のシール対象基材)5との間の高さ空間Hsは通常1mm以下とされる。このような関係のシール対象部材2,5間に高圧縮状態で介装されるゴム製ガスケット3は、上記高さHが2mm以下であること、及び、1/2≦高さH/幅D≦1であることにより、低反力状態で且つその内部応力も過度に高くならない状態に維持される。従って、経時的な亀裂発生及び永久歪増大を招く懸念がなく、また、ゴム製ガスケット3の倒れ、座屈、シールラインの蛇行等も発生する懸念がない。更に、両側裾部3b,3bの底面部3cに対する立上角度αが90°以下とされていることにより、ゴム製ガスケット3の中央部における内部応力及び該側裾部3b,3bにおける接着剤層4にかかるせん断応力が緩和される。これらにより、この種燃料電池用のガスケット構造体としての適性が著しく増大する。
図3(a)(b)は他の実施形態のガスケット構造体を示し、図例のガスケット構造体1では、断面が山形形状のゴム製ガスケット3の両側斜面部3d,3dに、断面R形状の凹部3e,3eがその長手方向に沿って形成されている。このような凹部3e,3eを形成することにより、図3(a)(b)に示すMEA(他方のシール対象基材)5との間に挟装された際における圧縮力の一部が、この凹部3e,3eの外方への膨出作用で吸収され、ゴム製ガスケット3の中央部P1における内部応力が過度に高くなることが抑制される。特に、凹部3e,3eがR形状であることにより、圧縮力の吸収作用が分散し、これにより内部応力も分散し、亀裂発生や永久歪増大等の可能性もより低下する。また、圧縮力の吸収作用により、ゴム製ガスケット3の両側裾部3b,3bにおける接着剤層4(P2部分)にかかるせん断応力がより緩和され、接着耐久性が一層向上する。
この場合、凹部3e,3eにおけるR形状の曲率半径を大きく設定し、両側裾部3b,3bから立上がって頂部3aに連なる両側斜面部3d,3dが緩やかな曲線を描くようにすることが望ましい。曲率半径が小さく斜面部3d,3dが起伏角度の大きい曲線を描く場合は、上記圧縮力の吸収作用が充分に発揮されず、特にP2部分でのせん断応力が大きくなる傾向となる。この実施形態でも、1/2≦高さH/幅D≦1、角度α<90°、Hs≦1mmである例を示しており、従って、これらによる作用効果は上述の通りである。また、図示では斜面部3d,3dの両方に凹部3e,3eを形成した例を示しているが、少なくとも一方に凹部3eを形成したものであっても良い。
その他の構成は上記の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
図4は、図2に示す上記ガスケット構造体(セパレータ)1を製造する要領の一例を示している。図4は、射出成型法或いはトランスファー成型法に適用される金型6の一部を示しており、該金型6は、下金型7及び上金型8よりなる。下金型7は上記シール対象基材2を収容し得るキャビティ7aを備える。また、上金型8は、上記ゴム製ガスケット3の形状に対応するよう形成された環状のキャビティ8aと、未加硫ゴム材3Rの注入ゲート8b及び該注入ゲート8bとキャビティ8aとを繋ぐランナ部分8cとを備える。この注入ゲート8b及びランナ部分8cは、環状のキャビティ8aに沿った適所に設けられる。
上記金型6において、先ず、下金型7に形成されたキャビティ7a内に上記シール対象基材2を配置し、該シール対象基材2の所定部位2cに接着剤4Rを塗布した上で下金型7に上金型8を型締め合体させる。接着剤4Rの塗布は、シール対象基材2をキャビティ6a内に配置する前に行っても良い。上記所定部位2cの幅は、上金型8のキャビティ8aの幅、即ち、ゴム製ガスケット3の底面部3c幅と同じとされ、接着剤4Rは、該所定部位2cの幅と略同じ幅に塗布される。そして、注入装置(不図示)から注入ゲート8bに未加硫ゴム材3Rを注入し、注入されたゴム材3Rは、注入圧によりランナ部分8cを経て逐次キャビティ8a内に至る。
全キャビティ8a内がゴム材3Rで充分に充填されると保圧状態に保ち、ゴム材3Rを加硫する。この加硫は、金型を加熱するか、未加硫ゴム材3Rの保有する熱によってなされ、この加硫に伴い接着剤4Rの硬化が促進される。その後、脱型(型開き)し、注入ゲート8b及びランナ部分8cに残存するゴム材を切除すれば、図2に示すように、シール対象基材2の所定部位2cに接着剤層4を介してゴム製ガスケット3が固着一体とされたガスケット構造体1が得られる。このように、未加硫ゴム材3Rの成型と同時に、接着剤層4を介したシール対象基材2との一体固着がなされるから、極めて効率的にガスケット構造体1が得られる。そして、キャビティ8aの前記裾部3bに対応する部位のキャビティ壁の傾斜角度は、90°以下の前記立上角度αとされるから、脱型の際にはアンダーカットとならず、その為生産性が劣ることもなく、ゴム製ガスケット3や接着剤層4に亀裂が生じたりして製品歩留まりが低下することもない。
ゴム製ガスケット3を事前に成型し、シール対象基材2の所定部位2cに接着剤を塗布して該ゴム製ガスケット3を貼着一体とすることも除外するものではないが、燃料電池用等に適用する場合には、幅が小さくゴム特有の可撓性を有するゴム製ガスケット3を上記所定部位2cに沿って正確に配置することは極めて難しく、熟練した技量を必要とされる。これに対し、図4に示すような成型によって、ゴム製ガスケット3をシール対象基材2の所定部位2cに固着一体に成型する場合は、このような困難性を伴うことがない。
尚、図3に示すガスケット構造体1も、そのゴム製ガスケット3の形状に符合するキャビティ8aを備えた上型を準備することにより、同様に得られることは言うまでもない。
尚、上記実施形態では、シール対象基材2のガスケット3が一体固着される部位が平坦である例について述べたが、シール対象基材2の表面に環状溝を形成し、上記所定部位2cをこの環状溝の底部に設定するようにしても良い。また、燃料電池のセパレータに適用した例について述べたが、ハードディスク装置、その他の機器或いは自動車部品等を構成するものであって、シール対象基材とガスケットとが一体固着された状態で流通に供せられるものにも、本発明を適用することができる。
1 セパレータ(ガスケット構造体)
2 シール対象基材
2c 所定部位
3 ゴム製ガスケット
3a 頂部
3b 裾部(幅方向端部)
3c 底面部
3d 斜面部
3e 凹部
3R ゴム材
4 接着剤層
4R 接着剤
H 頂部の上記底面部からの高さ
D 底面部の幅
Hs 高さ空間
α 立上角度

Claims (5)

  1. シール対象基材の所定部位に接着剤層を介してゴム製ガスケットが固着一体とされたガスケット構造体であって、
    上記ゴム製ガスケットは、断面形状が山形状であり、底面部が全面に亘って上記接着剤層を介して上記シール対象基材の所定部位に固着一体とされており、該ゴム製ガスケットにおける頂部の上記底面部からの高さ/該底面部の幅が、1/2より大で且つ1より小さいことを特徴とするガスケット構造体。
  2. 請求項1に記載のガスケット構造体において、
    前記ゴム製ガスケットの両側斜面部の少なくとも一方に、断面R形状の凹部がその長手方向に沿って形成されていることを特徴とするガスケット構造体。
  3. 請求項1または2に記載のガスケット構造体において、
    前記ゴム製ガスケットの幅方向端部の底面部に対する立上角度が90°以下であることを特徴とするガスケット構造体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のガスケット構造体において、
    前記ゴム製ガスケットが、前記シール対象部材の所定部位に対して、接着剤を介してゴム材の加硫成型により固着一体に形成されたものであることを特徴とするガスケット構造体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のガスケット構造体において、
    前記ゴム製ガスケットの前記高さが2mm以下であり、該ゴム製ガスケットが、1mm以下の高さ空間に介在されるよう使用されるものであることを特徴とするガスケット構造体。
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