JP4515000B2 - 会員管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、会員制のサービスを提供しているグループ(企業)が運営する会員管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、会員カード(ポイントカード等とも言う)と呼ばれているカードが存在する。会員カードには、個人店が独自に発行しているものや、チェーングループ企業が発行しているもので、全てのチェーン店で利用可能なものなどがある。
【0003】
会員登録した会員は、店舗で買い物をした時に、この会員カードを提示する。店舗では、カードリーダなどによって会員カードの情報を読み取り、ポイントの加算処理などを行う。また、会員に対して割引サービスなどを行っている場合もある。さらに、会員の買い物の内容や、来店時間、来店場所などの情報を集計することが可能となるので、この集計データを利用して、会員のニーズにあった情報を提供するなど、付加価値の高いサービスを会員に対して提供することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような会員カードを発行している店舗、グループは非常に多く、それぞれの個人店やチェーングループが独自のサービスを提供している。したがって、利用者は、いろいろな店舗で会員サービスを受けたいのであれば、それぞれの店舗において会員登録をする必要がある。
【0005】
会員登録の手続きは所定の用紙に、住所、氏名、年齢、電話番号、など必要な情報を書き込む必要があり、あらたな会員になる度にこれらの手続きをすることは非常に面倒である。また、手続きに時間を要することは、新規会員加入の促進が図れないため、サービス提供側にとっても課題となっている。
【0006】
また、会員登録後においても利便性に問題がある。会員は会員登録した店舗で買い物する際には、その店舗で利用することのできる会員カードを所持していなければならない。初めから訪問する店舗が決まっている場合には、訪問する店舗の会員カードを持参すればよいわけであるが、急に思いついた買い物をする場合には、会員カードを所持していないという場面が多い。また、訪問する店舗が決まっていても会員カードを忘れるということもある。
【0007】
さらに、前述のごとく、複数の店舗で会員サービスを受けるためには、複数の店舗ごとの会員登録をする必要があるため、利用客は、複数の会員カードを所持することとなる。このため、いつ、どこで買い物をしても、会員サービスを受けることができるようにするために、全ての会員カードを常に携帯しておく必要があり、非常に利便性が悪かった。結局、財布に入りきらなくなった会員カードの殆どは家に置いたままになり、いざ利用しようとするときには会員カードを持っていないということになる。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、複数の店舗やグループが共同で会員管理を行うシステムを提供することにより、会員の登録手続きの簡素化と、利用者の利便性の向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、会員制のサービスを提供しているグループが、会員の個人情報を管理するシステムであって、a)複数の異なるグループの全会員の個人情報を一括して管理する会員データベースと、b)前記個人情報を特定するための識別情報が書き込まれた可搬性の記憶手段と、c)各グループの店舗に設置され、会員が所持する前記記憶手段から前記識別情報を読み取る読取手段と、d)前記読取手段が読み取った識別番号について前記会員データベースを参照することにより会員情報の照合を行う照合手段と、e)前記照合手段による照合の結果が正常であった場合、会員サービスに対応して前記会員データベースを更新する更新手段と、を備え、前記会員データベースは、a-1)全グループの会員の個人情報を蓄積する全会員データベースと、a-2)各グループの会員の個人情報を蓄積する複数のグループ会員データベースと、に分散管理されており、前記照合手段および前記更新手段は、前記グループ会員データベースに対して、それぞれ照合処理および更新処理を行い、f)前記グループ会員データベースに新規グループ会員を登録する登録手段、をさらに備え、前記登録手段は、前記読取手段が読み取った識別情報が、前記全会員データベースに登録されている場合には、前記全会員データベースから個人情報を抽出することにより、前記グループ会員データベースへの登録処理を実行する手段、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項の発明は、請求項1に記載の会員管理システムにおいて、前記記憶手段は、非接触で情報へのアクセスが可能な非接触記憶手段、を含み、前記読取手段は、前記非接触記憶手段の情報を非接触で読み取り可能な非接触読取手段、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項の発明は、請求項に記載の会員管理システムにおいて、前記非接触記憶手段は、シート状の部材に無線読み取り可能なICメモリが搭載されたものであり、当該シート状部材を会員の携帯品に貼着させたことを特徴とする。
【0014】
請求項の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対してポイント制のサービスを提供しており、前記更新手段は、前記グループ会員データベースに蓄積された各会員のポイントの更新処理を実行する手段、を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対して物品の販売予約サービスを提供しており、前記更新手段は、前記グループ会員データベースにおいて管理された各会員の予約情報の更新処理を実行する手段、を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対してチケットの予約サービスを提供しており、前記更新手段は、前記グループ会員データベースにおいて管理された各会員の予約情報の更新処理を実行する手段、を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループ会員データベースに登録される各会員の属性項目は、前記全会員データベースに登録される各会員の属性項目の一部の項目であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
{1.第1の実施の形態}
<1−1.全体概略構成>
まず、図1を参照しながら、本実施の形態にかかる会員管理システムの運営形態について説明する。ここでは、3つのグループA,B,Cが共同の会員管理システムを運営している場合を例とする。この明細書において、グループとは、企業、会社等と同様の意味であり、たとえば、チェーン店による販売を展開している電気製品の販売会社や、薬品販売会社、スーパー、その他、コンビニエンスストアなどが想定される。また、1店舗のみからなる個人経営の店舗なども含むものとする。そして、グループA,B,Cは、相互に、経済的、営業的に関連のないグループであり、これら別個のグループが共通の会員管理システムを運営する場合を例としている。
【0021】
グループAは複数の店舗30A,30A・・・を有しており、グループBは複数の店舗30B,30B・・・、グループCは複数の店舗30C,30C・・・を有している。これら、店舗30A,30B,30C(これらを総称して、適宜、店舗30として説明する)の店内には、それぞれ後述する非接触ICタグ6(適宜、ICタグ6と略して説明する。)から情報を読み取るためのリーダ5が設置されている。
【0022】
各グループA,B,Cは、それぞれのグループに独自の会員サービスを行っている。そして、それぞれの会員情報を管理するグループ管理サーバ20A,20B,20C(適宜、これらサーバを総称してグループ管理サーバ20と呼ぶ)が構築されている。さらに、これらグループ管理サーバ20を統括して管理する本部管理サーバ10が構築されている。
【0023】
これら、グループ管理サーバ20、本部管理サーバ10の物理的な設置場所は特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、各グループ管理サーバ20は、各グループA,B,Cのシステム管理センタや営業本部などに設置されており、本部管理サーバ10は、この会員管理システムの管理本部などに設置されるものとする。そして、各店舗30と、グループ管理サーバ20間はネットワーク41により接続され、グループ管理サーバ20と本部管理サーバ10はネットワーク42により接続されている。ネットワーク41,42は、電話回線、専用線、インターネットなどが利用可能である。
【0024】
ただし、本部管理サーバ10と各グループ管理サーバ20を同一の管理センタにおいて管理することも可能である。また、これらサーバ機能を1台のサーバで構築することも可能である。
【0025】
以上の構成により、各グループ管理サーバ20において、各グループの会員の情報が管理され、本部管理サーバ10においては、全グループの全会員の情報が管理される。
【0026】
<1−2.データベース構造および各サーバ機能>
次に、図2を参照しながら、本部管理サーバ10およびグループ管理サーバ20のデータベース構造について説明する。
【0027】
本部管理サーバ10は、全会員データベース(以下、全会員DBと略す)15を備えている。本部管理サーバ10は、前述のごとく、全グループの全会員情報を管理するため、全会員データベース10には、グループA,B,Cのいずれに登録される会員についてもその会員情報が登録される。また、初期登録の段階では、いずれのグループ会員にも属さない会員登録をすることも可能である。
【0028】
図中、全会員DB15に登録するデータベース項目(属性項目)の例を示している。全会員DB15には、各登録会員について、「ID」、「携帯Eメールアドレス」、「携帯電話番号」、「名前」、「年齢」、「性別」、「パスワード」、「生年月日」、「住所」、「電話番号」の各項目についての個人情報が登録される。
【0029】
各グループのグループ管理サーバ20A,20B,20Cは、それぞれグループA会員データベース25A,グループB会員データベース25B,グループC会員データベース25Cを備えている。図2、および、以下の説明においては、適宜、これらを総称してグループ会員DB25として説明する。ただし、各グループのグループ会員DB25には、共通して必要となるデータベース項目以外に、独自のデータベース項目を持たせることも可能である。
【0030】
グループ管理サーバ20は、前述のごとく、各グループの会員情報を管理するため、グループ会員DB25には、各グループに加入している会員情報が登録される。
【0031】
図中、グループ会員DB25に登録するデータベース項目の例を示している。グループ会員DB25には、「ID」、「携帯Eメールアドレス」、「名前」、「年齢」、「性別」、「ポイント」の各項目についての情報が登録される。
【0032】
このように、グループ会員DB25には、全会員DB15のデータベース項目のうち、一部の項目が登録されるようになっている。したがって、全会員DB15に登録されている会員について、あらたに、いずれかのグループ会員DB25への会員登録を行うためには、全会員DB15からのデータベース項目の抽出操作を行えばよい。ただし、「ポイント」項目等、各グループが独自で管理する情報については、全会員DB15の登録項目ではないので、各グループ会員DB25において生成すればよい。
【0033】
以上のようなデータベースを保有する本部管理サーバ10およびグループ管理サーバ20は、それぞれ照合部11,21、登録部12,22を有している。照合部11,21は、リーダ5が読み取った「ID」情報をもとに、データベース検索を行い照合処理を行う機能部であり、登録部12,22は、新規登録会員の情報を各データベースに登録処理する機能部である。
【0034】
また、グループ管理サーバ20の備えるポイント管理部23は、グループ会員DB25の「ポイント」項目について加算処理などを行う。予約管理部24については後述するが、物品の予約販売管理や各種チケットの予約管理を行う。メール送信部26は、販売促進のメール等を会員に自動送信する機能部である。本部管理サーバ10の備えるURL自動配信部13は、会員の携帯Eメールアドレスに対して、様々な情報を提供するためのURL情報を送信する機能部である。
【0035】
これら照合部11,21、登録部12,22、URL自動配信部13、ポイント管理部23、予約管理部24、メール送信部26は、各サーバにインストールされたソフトウェアが、サーバのハードウェア資源を利用して実現される機能部である。
【0036】
<1−3.ICタグ>
上述したように、会員の個人情報は、全会員DB15およびグループ会員DB25に登録される。そして、両DB15,25のデータベース項目のうち、「ID」項目に登録される情報は、これら個人情報を特定するための識別番号として利用される。つまり、両DB15,25のキー情報となる。
【0037】
そして、このキー情報「ID」が、会員が所持する非接触ICタグ6のICメモリ61に記憶される。非接触ICタグは、RFID(無線を用いた認証技術)を利用して、非接触で通信を行い、ICメモリ内の情報の読み出し、書き込みなどを可能とした記憶手段である。
【0038】
前述のごとく、各店舗30には、ICメモリ61に記憶された情報を非接触で読み取り可能なリーダ5が設置されている。したがって、非接触ICタグ6をリーダ5に近づけることによって、会員の「ID」情報を読み取り、ネットワーク41,42を介してグループ会員DB25や全会員DB15のデータベースとの照合処理を行うことが可能となるのである。
【0039】
本実施の形態における非接触ICタグ6は、図2に示すように、略長方形状のシート材の中央付近に小型のICメモリ61を搭載した構造としている。したがって、非接触ICタグ6は、適当な接着手段を用いて会員の携帯品などに貼り付けた場合でも、邪魔になることはない。また、厚みもなく、非常に軽量であるので、利便性がよい。たとえば、会員の携帯電話の背面に非接触ICタグ6を貼り付けておくと非常に利便性がよい。携帯電話は、常に、携帯するものであり、会員が来店時にICタグ6を忘れるといった問題も解消できるからである。なお、非接触ICタグ6は、厚みの薄いものが好ましいが、平面形状は、図2に示した細長い形状のもののほか、正方形状に近い形状なども利用することができ、その形状は特に限定されるものではない。
【0040】
また、非接触ICタグ6には、最小限の情報、つまり、両DB15,25のキー情報となる「ID」情報のみを記憶しておけばよい仕組みとなっているので、非接触IDタグ6には大容量の記憶領域が必要とされない。したがって、会員が所持する記憶手段である非接触ICタグ6の単価を低く抑えることができるのである。
【0041】
<1−4.初期登録、および、新規グループ加入手順>
次に、上述したシステム構成において、本実施の形態の会員管理システムの初期登録作業および利用形態について説明する。
【0042】
まず、図3を参照しながら初期登録手順について説明する。いずれのグループに対しても未だ会員登録していない利用者について、会員管理システムへの登録を行うためには、まず、いずれかのグループの店舗において登録作業を行う。ここでは、グループAの店舗において初期登録作業を行う場合を例として説明する。この初期登録作業では、全会員DB15への登録が行われるので、利用者は、全会員DB15のデータベース項目について、たとえば、所定の用紙(申し込み用紙)に記入するなどの手続きを行う。
【0043】
そして、店舗30Aの係員が、必要事項に記載された用紙に基づいて店舗内の端末31で登録作業を行う。端末31は、ネットワーク41,42を介してグループサーバ20A、本部管理サーバ10に接続されており、端末31において登録された情報は、グループA会員DB25A、および、全会員DB15に登録される。この時、前述のごとく、グループA会員DB25Aには、全会員DB15に登録される項目のうち一部の項目が登録される。そして、登録された会員については、両DB15,25において同一の「ID」が付与される。
【0044】
また、各店舗30には、あらかじめ本部において発行されたICタグ6が相当数準備されており(たとえば、各申し込み用紙にICタグ6を貼り付けておくなどの方法が考えられる)、DB15,25への登録作業が完了すると、付与された「ID」が書き込まれたICタグ6が新規会員となった利用者に手渡される。つまり、各店舗30に準備されているICタグ6には、あらかじめ「ID」が書き込まれており、端末31による登録作業時には、この「ID」をデータベースのキー情報として入力するようにするのである。このような手続きとすることにより、店舗30におけるICタグ6の発行手続きを簡素化することができる。新たな会員となった利用者は、受取ったICタグ6を、たとえば、図5に示すように、自身の携帯電話7の背面などに貼り付けて携帯するようにする。
【0045】
ここで、非接触ICタグ6を貼り付ける物は、特に限定されるものではないが、会員が普段携帯している物が好ましい。たとえば、免許証や財布、定期入れなどに貼り付けるようにしてもよい。もしくは、1枚のカードに貼り付けておいて、財布内に収納しておくようにしてもよい。この場合でも、従来のように複数枚のカードを所持するといった不便はない。
【0046】
また、非接触ICタグ6を携帯品に貼り付けるためには、タグ発行時に適当な接着手段をいっしょに提供するようにすることが望ましいが(たとえば、シール式にしておき、台紙をはがすだけですぐに貼り付けることができるようにしておくなど)、利用者が、好みのシールなどを使用して貼り付けるようにしても、もちろん構わない。
【0047】
また、非接触ICタグ6は、必ずしも、携帯品に貼り付けておく必要はない。たとえば、図6に示すように、携帯電話7の電池ボックス71を取り外し、電池ボックス71と携帯電話本体の間に挿入させておくだけでもよい。このように、本実施の携帯においては、シート状の記憶手段を利用することで非常に利便性の高い仕組みとなっている。
【0048】
以上の手順により、利用者の新規登録作業が行われ、新規会員はグループAの店舗で利用可能な非接触ICタグ6を取得することができる。なお、ICタグ6への「ID」情報の書き込みは、本部で一括して行うようにし、各店舗30に対しては、「ID」書き込み済みのICタグ6を配布するようにすればよい。
【0049】
次に、この会員がグループBの会員に加入する場合の手順について説明する。既にグループAへの会員登録を終えている会員は、グループBの店舗において、グループBの会員登録を希望する旨を店員に伝える。そして、たとえば携帯電話7の背面に貼り付けられている非接触ICタグ6をリーダ5に近づけて情報の読み取りを行わせる。
【0050】
ICタグ6から読み取られた情報は、グループB会員DB25Bに転送され、照合部21において、「ID」の照合処理が行われる。そして、該当する「ID」が存在しない場合には、登録部22は、本部管理サーバ10の照合部11に対して「ID」の照合処理を依頼する。そして、全会員DB15に該当する「ID」が存在する場合には、当該会員の会員情報を抽出し、この抽出した会員情報をグループB会員DB25Bに登録することにより、グループBに対する新規会員登録が完了するのである。
【0051】
なお、グループB会員DB25Bに該当「ID」が存在しない場合には、店舗30Bの端末画面に、「グループBへの会員登録はされていません。会員登録しますか?」といった内容のメッセージを表示し、登録指示があった場合のみ、本部管理サーバ10への問合せを行うようにすれば、手続きを確実に進めることが可能となる。また、会員に対してパスワードの入力要求を行うことで、登録手続きのミスを避けることもできる。
【0052】
以上の手順により、グループA,Bにおける会員登録が完了する。同様に、他のグループや他の個人店舗など、本会員管理システムに加盟している店舗においては、ICタグ6をリーダに読み込ませるだけで、容易に、迅速に、新規会員登録が行えるのである。
【0053】
<1−5.利用形態>
次に、会員登録が完了した会員が、各店舗において会員サービスを受ける手順について、図4を参照しながら説明する。会員は、ICタグ6を貼り付けた携帯電話7を所持して、グループAの店舗30Aに訪れたとする。そこで、会員は買い物をした際、レジの付近に設置されたリーダ5で会員の所持しているICタグ6の情報を読み取らせる。これにより、会員の「ID」情報が、グループ管理サーバ20Aに転送される。そこで、「ID」の照合が行われ、照合結果が正常であれば、会員は会員サービスを受けることが可能となる。たとえば、ポイントサービスであれば、図2に示したように、データベースに登録されているポイント項目の加算処理が行われる。他にも、割引サービスなど、グループごとのサービスを受けることができる。
【0054】
このように、通常の利用時においては、グループ管理サーバ20に対してアクセスするだけであり、本部管理サーバ10へはアクセスする必要はない。このようなシステム構成とすることで負荷分散が可能となるとともに、グループごとにサーバを独立させることで独自サービスへの対応などメンテナンス性と拡張性にも優れた構成となる。
【0055】
この会員が、また、別のグループBにおいて買い物をする際にも、店舗30Bのリーダ5によってICタグ6に記憶されている「ID」の読み取り操作を行えばよい。そして、「ID」の照合が正常であった場合には、グループBの会員サービスが受けられるのである。
【0056】
このように、グループAの店舗において会員サービスを受けるために、また、グループBの店舗において会員サービスを受けるために必要となる所持品は、同一のICタグ6であるので、グループごとに別の会員カードを持ち歩くといった不便はない。グループA,Bのみならず、この会員管理システムに加盟している全てのグループでの会員サービスを受けるために、会員はICタグ6の貼り付けられた携帯電話7を所持していればよいのである。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、会員「ID」の記憶手段として、非接触ICタグを利用しているので、店舗においても、「ID」の照合処理が非常に楽に、迅速に行うことが可能である。
【0058】
また、従来のタイプの会員カードでは、会員カードを忘れた場合には、会員サービスを受けることができなかったが、本実施の形態においては、店舗の端末において、携帯電話番号、もしくは、携帯Eメールアドレスを入力することにより、会員サービスを受けることが可能である。
【0059】
つまり、ポイント等のデータはサーバ側に蓄積されているので、携帯電話番号等を用いて会員照合ができれば、サーバ側でポイントの更新処理が行えるからである。「ID」番号を会員が記憶することは困難であるが、自己の携帯電話番号や携帯Eメールアドレスであれば、本人が記憶しているものであるので、都合がよい。
【0060】
<1−6.チケット予約>
次に、チケット予約サービスについて説明する。チケット予約サービスは、劇場、イベント、列車などの各種の予約サービスを会員に対して提供するものである。たとえば、あるグループがチケット予約サービス会社である場合には、店舗30の端末31において、チケット種別、日時などの所定の情報を入力するとともに、リーダ5においてICタグ6の読み取り操作を行う。
【0061】
グループ管理サーバ20の予約管理部24は、入力情報、および、「ID」情報を受取ると、グループ会員DB25にチケットの予約情報を登録するのである。このように、会員であれば、チケット予約時に、自己の氏名、住所、電話番号などの記入手続きなどが一切不要となる。また、チケット予約サービス会社も、簡易、かつ、迅速に予約業務を行うことが可能となるのである。
【0062】
さらに、このような予約手続きにおいては、会員に対して物理的なチケットを発行する必要がないという大きなメリットがある。つまり、劇場、イベント会場、等にリーダ5を設置しておき、会員が劇場等に訪れた際には、ICタグ6から情報を読み取ることで予約状況の有無を確認することができるのである。会員は、チケットを予約する際にも、また、実際に劇場等に訪れる際にも、ICタグ6を携帯しておくだけで会員サービスを受けることができるのである。
【0063】
このように、本実施の形態における会員管理システムは、チケット予約サービスに適応した場合にも大きな効果を奏するものである。特に、デジタルチケットとしての情報を会員側にダウンロードするのではなく、デジタルチケットとしての情報(結局は、データベース情報である)は、サーバ側に持たせておくことで、予約管理を容易に行うことが可能となった。
【0064】
また、ここでは、予約サービスとして、チケット予約サービスを一例として説明したが、本会員管理システムは、あらゆる物品の販売予約サービスに適用可能である。
【0065】
会員が、物品の購入予約をする手順について説明する。会員は、携帯電話もしくはパソコンなどを利用してネットワーク経由で物品の購入予約を行う。具体的には、各グループのWEBサイトにおいて予約手続きが行えるようにすればよい。この際、会員は、「ID」情報、もしくは、「携帯Eメールアドレス」、「携帯電話番号」などを入力する。これによりグループ管理サーバ20の予約管理部24は、入力された情報をキーとして、該当する会員について予約情報の登録処理を実行するのである。これによって、グループ会員DB25に、会員の予約情報が登録される。後日、店舗30に商品が届けられた場合には、会員は、店舗30においてICタグ6を提示すればよい。これにより、「ID」情報が読み取られ、データベースを参照することにより予約内容が確認されれば商品を購入することが可能となるのである。
【0066】
別の方法を説明する。会員が実際に店舗30に訪れて、物品の購入予約をする際には、ICタグ6を提示して「ID」を読み取らせることにより、住所、氏名等の記入手続きをする必要なく予約手続きを行うことが可能である。後日、店舗30に商品が届けられた場合には、再びICタグ6を提示することにより、データベースとの照合がとれれば商品を購入することが可能となるのである。もしくは、データベースには、会員の住所等の情報が保有されているので、購買予約をした会員に対して商品を配達で届けるサービスを行っても良い。
【0067】
<1−7.他のサービス>
以上説明したように、会員管理システムにおいては、異なるグループの会員を管理本部のデータベースにおいて共同で管理しているので、会員情報の管理負担が非常に小さくなる。また、新規加入時の手続きが簡素化されるので、会員の加入促進が図れるといった利点がある。
【0068】
さらに、本実施の形態の会員管理システムでは、全会員DB15、および、グループ会員DB25のデータベースに会員の携帯Eメールアドレスを登録するようにしている。これによって、「携帯Eメールアドレス」と会員「ID」との紐付けが可能となるので、携帯電話に対してダイレクトメールの送信などの会員サービスを提供することができる。各会員へのEメールの送信は、グループ管理サーバ20の備えるメール送信部26により行われるが、本部管理サーバ10から全会員向けにEメールによる情報提供を行うようにしても、もちろん良い。Eメールを利用した会員サービスは、郵便物を利用した案内サービスなどと比べ、コストを低く抑えることができるという利点と、より即時性の高い情報を提供できるといった利点がある。
【0069】
本実施の形態における会員管理システムにおいては、会員が所持する非接触ICタグ6には、「ID」情報のみが登録されており、会員のポイントや、予約情報などはグループ会員DB25に蓄積されている。そこで、これらの情報をインターネット経由でブラウザから閲覧できるようにしておけばよい。
【0070】
このような機能を提供することにより、会員は、いつでも、どこでも、携帯電話を用いて、自己のポイント状況やチケットの予約状況を確認することが可能である。また、チケットを紛失するといった心配もない。
【0071】
また、本部管理サーバ10に登録されている会員に対して資料請求サービスを提供することも可能である。雑誌、広告、ポスターなどいろいろな形態で商品情報やサービス情報が提供されており、それらの詳細情報について資料請求する場合には、従来は、住所、氏名、電話番号等の情報を記入する必要があった。もしくは、電話などでこれらの情報を口頭で伝える必要があった。
【0072】
そこで、本実施の形態の会員管理システムを利用すれば、会員は、口頭などにより、自己の「ID」や「携帯Eメールアドレス」などを伝えればよい。これにより、全会員DB15から当該会員の個人情報を取得することができるので、資料の郵送や、URL情報のメール配信サービスなどが提供できるのである。
【0073】
{2.変形例}
上述したように、本実施の形態においては、会員が所持する記憶手段は、非接触のICタグを利用しているので、様々な用途に応用可能である。
【0074】
たとえば、デパートのゲートに非接触読み取りのリーダを設置しておくことにより、会員のデパート入店時に、ポイントの加算を行うといったサービスも可能である。
【0075】
また、次のような利用の方法がある。多数の企業が商品等の発表をする展示会がある。この展示会では、出展企業がそれぞれパンフレットなどの資料の配布を行っている。また、希望者にはさらに詳しい資料を送付するために、住所、氏名等の記入をお願いしている場合などがある。
【0076】
そこで、本実施の形態の会員管理システムを利用する。具体的には、各出展企業のブースにリーダ5を設置する。そして、当該ブースに訪問した会員は、資料請求をしたい場合には、ICタグ6をリーダ5に読み取らせる操作だけ行えばよい。これにより、各グループ管理サーバ20より会員に対して、該当する商品情報などが記載されているホームページのURL情報がEメールで送信されるのである。会員は、URL情報を受取れば、ブラウザを利用して商品情報等を閲覧することが可能となる。
【0077】
もしくは、出展企業が、データベースを検索して会員の住所等を確認し、資料を送付するようにしてもよい。また、会員が資料請求をした全ての出展企業のパンフレット等を一括して会員に郵送するようにすれば、郵送コストの削減を図ることが可能になるとともに、会員は、数多いパンフレットを集めまわって持ち帰るといった手間が省けるのである。
【0078】
また、上述した実施の形態においては、会員の所持する記憶手段は非接触ICタグとしているが、会員の所持する記憶手段は、必ずしも非接触読み取りタイプのものでなくてもよい。たとえば、会員の所持する記憶手段としてバーコードを利用することも可能であり、この場合も全体のシステム構成は同様であり、店舗においてはバーコード読み取り装置によって会員の「ID」を読み取るようにすればよい。ただし、非接触ICタグを利用することにより、読み取り操作が迅速、かつ、容易となり、また、情報の書き換えが可能な点から、より利便性が向上する。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、複数の異なるグループの会員情報を共通の会員データベースで管理し、会員に所持する可搬性の記憶手段に会員情報を特定するための識別情報を記憶させたので、会員登録作業などの一元化を図ることができる。また、会員は複数の会員カードを所持する必要がなくなる。また、会員サービスに対応してデータベースの更新処理を行うので、会員サービスをデータベース側で管理することが可能となる。また、会員データベースは、全グループの会員情報が登録されたデータベースと、グループごとの会員情報が登録されたデータベースに分散管理されるので、データベースサーバの負荷分散を行うことができる。さらに、全会員データベースに既に登録されている会員については、あらたなグループへの加入手順は記憶手段から識別情報を読み取らせる操作だけで完了するので、グループ会員への加入手続きが大幅に簡素化される。
【0081】
請求項記載の発明では、会員の所持する可搬性の記憶手段を非接触読み取り可能なものとすることにより、読み取り操作を迅速、かつ、容易に行うことができる。
【0082】
請求項記載の発明では、非接触記憶手段を会員の携帯品に貼着させるようにしたので、会員が記憶手段の所持を忘れるといった問題が解消する。
【0084】
請求項記載の発明では、ポイント制のサービスを提供しているグループがある場合には、グループ会員データベースでポイント管理を行うことにより、グループ会員データベースへのアクセスのみでサービスの提供が可能となる。また、会員の所持する記憶手段にポイントを蓄積する方式ではないので、会員が記憶手段を所持していない場合であっても、サービスの適用を受けることが可能となる。
【0085】
請求項記載の発明では、物品の販売予約管理をグループ会員データベースで行うので、会員は、記憶手段を所持していれば、簡易な手続きで物品の購入予約を行うことが可能である。
【0086】
請求項記載の発明では、予約管理をグループ会員データベースで行うことにより、デジタルチケットと同様の効果が得られる。しかも、デジタルチケットしての情報がデータベース側に蓄積されているので、会員側へのダウンロード処理などは不要である。
【0087】
請求項記載の発明では、グループ会員データベースには、各会員の個人情報について全会員データベースの属性項目のうち一部の項目のみを登録するようにしているので、不必要な個人情報の流出を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる会員管理システムの全体構成図である。
【図2】会員管理システムのデータベース構造およびサーバ機能を示す図である。
【図3】会員管理システムの初期登録手順およびグループ加入手順を示す図である。
【図4】会員管理システムの利用手順を示す図である。
【図5】非接触ICタグを携帯電話の背面に貼り付けた状態を示す図である。
【図6】非接触ICタグを携帯電話本体と電池ボックスの間に挿入した状態を示す図である。
【符号の説明】
5 リーダ(非接触読み取り)
6 非接触ICタグ
7 携帯電話
10 本部管理サーバ
15 全会員データベース
20 グループ管理サーバ
25 グループ会員データベース
30 店舗
31 (店舗)端末

Claims (7)

  1. 会員制のサービスを提供しているグループが、会員の個人情報を管理するシステムであって、
    a)複数の異なるグループの全会員の個人情報を一括して管理する会員データベースと、
    b)前記個人情報を特定するための識別情報が書き込まれた可搬性の記憶手段と、
    c)各グループの店舗に設置され、会員が所持する前記記憶手段から前記識別情報を読み取る読取手段と、
    d)前記読取手段が読み取った識別番号について前記会員データベースを参照することにより会員情報の照合を行う照合手段と、
    e)前記照合手段による照合の結果が正常であった場合、会員サービスに対応して前記会員データベースを更新する更新手段と、
    を備え、
    前記会員データベースは、
    a-1)全グループの会員の個人情報を蓄積する全会員データベースと、
    a-2)各グループの会員の個人情報を蓄積する複数のグループ会員データベースと、
    に分散管理されており、
    前記照合手段および前記更新手段は、前記グループ会員データベースに対して、それぞれ照合処理および更新処理を行い、
    f)前記グループ会員データベースに新規グループ会員を登録する登録手段、
    をさらに備え、
    前記登録手段は、
    前記読取手段が読み取った識別情報が、前記全会員データベースに登録されている場合には、前記全会員データベースから個人情報を抽出することにより、前記グループ会員データベースへの登録処理を実行する手段、
    を含むことを特徴とする会員管理システム。
  2. 請求項1に記載の会員管理システムにおいて
    前記記憶手段は、
    非接触で情報へのアクセスが可能な非接触記憶手段、
    を含み、
    前記読取手段は、
    前記非接触記憶手段の情報を非接触で読み取り可能な非接触読取手段、
    を含むことを特徴とする会員管理システム。
  3. 求項2に記載の会員管理システムにおいて、
    前記非接触記憶手段は、シート状の部材に無線読み取り可能なICメモリが搭載されたものであり、当該シート状部材を会員の携帯品に貼着させたことを特徴とする会員管理システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対してポイント制のサービスを提供しており、
    前記更新手段は、
    前記グループ会員データベースに蓄積された各会員のポイントの更新処理を実行する手段、
    を含むことを特徴とする会員管理システム。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対して物品の販売予約サービスを提供しており、
    前記更新手段は、
    前記グループ会員データベースにおいて管理された各会員の予約情報の更新処理を実行する手段、
    を含むことを特徴とする会員管理システム。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、前記グループは、当該グループの会員に対してチケットの予約サービスを提供しており、
    前記更新手段は、
    前記グループ会員データベースにおいて管理された各会員の予約情報の更新処理を実行する手段、
    を含むことを特徴とする会員管理システム。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の会員管理システムにおいて、
    前記グループ会員データベースに登録される各会員の属性項目は、前記全会員データベースに登録される各会員の属性項目の一部の項目であることを特徴とする会員管理システム。
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