JP4513404B2 - スクラッチ付き商品券の使用履歴管理方法及びシステム - Google Patents
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Description
この問題を解決する方法として、Web用のプリペイドカードなどを事前に購入しておき、インターネット上で電子商取引をする際にパソコンなどの端末にプリペイドカードに記載されている個別コードを入力して、決済処理を行うというシステムが構築されている。
しかし、このようなプリペイドカードは、Web上で電子商取引を行う場合にしか使用することができず、プリペイドカードの所有者がプリペイドカードを店舗に直接持っていって店頭で商品を購入することはできなかった。
一方、スクラッチカードに関する技術として、特許文献1に記載されている技術などが知られている。しかし、従来用いられていたスクラッチカードなどでは、店頭で商品と引き換える際に、スクラッチ部分を削り取らなければならなかった。よって、大量のスクラッチカードが使用されるような状況では、スクラッチカードのスクラッチ部分を1枚1枚削り取る必要があり、処理に手間と時間がかかるという問題があった。
スクラッチ付き商品券S1は、用紙1、管理番号部2、スクラッチ部3、露出部4a、金額表示部5により構成される。
管理番号部2には、例えば、「0001」などのように数字等により構成される管理番号が記載される。管理番号は、スクラッチ付き商品券S1の製造や販売等の段階で、大量に製造されるスクラッチ付き商品券S1を識別するために使用される。
スクラッチ部3は、第1個別コードを隠蔽する層を持っているが、例えば人(通常はスクラッチ付き商品券S1の所有者)が、例えば爪やコインなどでスクラッチ部3の隠蔽作用を起こす層を削り取ることにより、第1個別コードが視認可能なように現れるようになっている。スクラッチ付き商品券S1の所有者は、インターネット上で商品等を購入する際に、パソコンなどの端末を介して第1個別コードを入力することにより決済を行うことができる。
金額表示部5は、スクラッチ付き商品券S1がどの程度の金銭的価値を有するかを表示される部分である。例えば、金額表示部5に「1000円」と記載されていれば、スクラッチ付き商品券S1の所有者は、Web上あるいは店頭において1000円までの商品等を購入することが可能である。
用紙1の上に形成されるスクラッチ部3は、個別コード印字層6a、剥離ニス層7、スクラッチインキ層8、光学可変性インキ層9、OPニス層10により構成される。
用紙1には、第1個別コードが印字される。第1個別コードとしては、例えば、「ABCD0123」などのコードが用いられる。第1個別コードは可変情報を印刷可能な印刷機を用いて印字されるので、用紙1には使用する印刷機に適した紙を用いることが好ましい。
なお、用紙1の材質は紙に限定されるものではなく、PET(ポリエステル樹脂)、PVC(塩化ビニル樹脂)などのプラスチック原反を用いることもできる。用紙1にプラスチック原反を用いる場合には、用紙1がカールするのを防止するために、厚みを0.1mm以上とすることが好ましい。
この場合、スクラッチ付き商品券S1の所有者は、個別コード印字層6aに記載されている第1個別コードを視認して、手動でパソコン等の端末に入力する必要がある。よって、第1個別コードは、例えば、数字を並べたコードのように人間が認識可能なコードを用いて構成することが好ましい。
なお、第1個別コードとして用いるのは、必ずしも数字に限定されず、アルファベット等の文字列を使用することもできる。アルファベット等の文字は、数字を使用する場合よりも1桁で表示すことができるパターンが多いため、第1個別コードとして用いるコードの桁数を少なくすることができる。このような構成にすれば、スクラッチ付き商品券S1の所有者がパソコン等の端末に入力する桁数をより少なくすることができ、利便性を向上させることができる。
剥離ニス層7の上には、スクラッチインキ層8が形成される。
スクラッチ部3を爪やコインなどで削ると、スクラッチインキ層8の下に剥離ニス層7が形成されているため、スクラッチインキ層8とその上の層がスクラッチ付き商品券S1から容易に剥離し、第1個別コードが視認可能となる。
スクラッチインキ層8の材質としては、例えば、隠蔽作用も求めるべくアルミやカーボンを施した銀インキや、濃色インキを用いることができる。
光学可変性インキ層9は、スクラッチインキ層8が一旦削り取られた後に、スクラッチインキ層8を悪意のある第三者が再形成し、スクラッチ付き商品券S1を悪用するのを防止するためなどに形成される。
光学可変性インキ層9には、光学可変性のあるパールやCH(Color Hiding)インキや、OVI(Optical Variable Ink)のような偽造防止インキが用いられる。スクラッチインキ層8に用いられる材料は広く市販されているため偽造することが容易であるのに対して、光学可変性インキ層9に用いられる材料は特定の者にしか入手できない。
また、光学可変性インキ層9は光学可変性を有するため、スクラッチ付き商品券S1のスクラッチ部3やその他の部分に光学可変性インキを塗布することにより、カラーコピー機などを用いたスクラッチ付き商品券S1の複製等を効果的に防ぐことができる。
なお、本実施形態では、スクラッチインキ層8の上に光学可変性インキ層9を形成する場合について説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、必要でなければスクラッチインキ層8の上に光学可変性インキ層9を形成しなくてもよい。
OPニス層10を形成することにより、OPニス層10の下に形成されるスクラッチインキ層8を保護することができ、スクラッチインキ層8が誤って削られたり、キズがついて番号が露出した、という不具合でスクラッチ付き商品券S1が使用できなくなることをある程度防止できる。
OPニス層10に用いられる材質としては、例えば、剥離ニス層7に用いられる材質と同じアクリル系樹脂やニトロセルロースを用いることができる。なお、必要でなければ、OPニス層10を形成しなくても構わない。
なお、本願明細書において、「隠蔽作用を起こす層」とは、スクラッチ付き商品券S1のスクラッチ部3において、剥離ニス層7よりも上に形成される1層又は複数層で隠蔽作用を起こす層のことであり、図2では、スクラッチインキ層8、光学可変性インキ層9が該当する。「隠蔽作用を起こす層」が形成されることにより、「隠蔽作用を起こす層」の下に印刷されている第1個別コードを視認することはできないが、少なくとも「隠蔽作用を起こす層」を削り取れば、第1個別コードを視認することが可能になる。
本実施形態において、用紙1の露出部4aは、個別コード印字層6bにより構成される。個別コード印字層6bには、バーコードなどにより構成される第2個別コードが印刷される。第2個別コードは、スクラッチ付き商品券S1の所有者が、スクラッチ付き商品券S1を店舗等に直接持参して店頭で商品等の購入を行う際に使用される。
第1個別コードとは別に第2個別コードを設けることにより、スクラッチ付き商品券S1を店頭で使用する際に、第1個別コードを覆っているスクラッチ部3(図1参照)を削る必要がなくなる。よって、バーコードリーダを用いることによりスクラッチ付き商品券S1を大量に処理することが可能になり、商品等の決済処理を円滑に行うことができる。
第1個別コードが人間により視認されることを考慮すると、マクベスAフィルタ上での光学濃度が濃い方が好ましいが、光学濃度が濃すぎるとスクラッチ部3から第1個別コードが透けて見えてしまう可能性がある。よって、第1個別コードの光学濃度は、視認可能な光学濃度であればよく、光学濃度を濃くしすぎる必要はない。
なお、用紙1に第1個別コードや第2個別コードを印刷する際に使用する印刷機としては、インクジェット、E−プリントなどの印刷内容を1枚ずつ可変な印刷機を用いることができる。印刷機として、レーザプリンタを用いることも可能であるが、用紙1に個別コード印字層6a、6bを形成する際に、凹凸が発生しやすいという難点がある。
始めに、スクラッチ付き商品券S1の所有者が、自宅等に設置されているパソコン端末11などを使用してWeb上で商品等の購入処理を行う場合について説明する。
スクラッチ付き商品券S1の所有者がスクラッチ部3を削った時に、「ABCD0123」という第1個別コードが現れたとする。スクラッチ付き商品券S1の所有者は、Web上で第1個別コード「ABCD0123」を、パソコンなどの端末から手動で入力する。入力された第1個別コードは、インターネットを介して使用履歴管理システム13aの図5に示すようなデータベース14aに送信される。データベース14aでは、送信された第1個別コード「ABCD0123」の使用履歴を「0」から「1」に書き換えることなどの処理を行うにより、スクラッチ付き商品券S1が使用済みであることが記録される。
スクラッチ付き商品券S1の所有者が、店舗の店頭で直接スクラッチ付き商品券S1を使用する際には、店舗側は決済処理を行う前に、スクラッチ付き商品券S1のスクラッチ部3が削られていないかどうかを確認する。
店舗に設置されるバーコードリーダ12によって、第2個別コードとして「IJKL2222」というコードが読み取られた場合、インターネットを介して使用履歴管理システム13aの図6に示すようなデータベース14bに送信される。データベース14bでは、送信された第2個別コードである「IJKL2222」の使用履歴を「0」から「1」に書き換えることなどの処理を行うことにより、スクラッチ付き商品券S1が使用済みであることを記録する。
このようにスクラッチ付き商品券S1の使用履歴を図7に示すようなデータベースによって管理することにより、店頭で一度使用されたスクラッチ付き商品券S1がWeb上で悪意のある第三者によって再度利用される等の問題を回避することができる。
第1の実施形態では、第1個別コードと第2個別コードに別々の個別コードが用いられていたが、第2の実施形態では、第1個別コードと第2個別コードに同じ個別コードが用いられる。しかし、このような構成にすると、第1個別コードをスクラッチインキ層8などにより隠蔽しても、第2個別コードが第三者により視認され読み取られると悪用されるおそれがある。よって、本実施形態によるスクラッチ付き商品券S2では、露出部4bに印刷される第2個別コードが人間の目では視認できないように構成されている。
図9は、本発明の第2の実施形態によるスクラッチ付き商品券S2の露出部4bの構成を示す分解斜視図である。
用紙1の上のスクラッチ部3が形成される領域と異なる領域には、露出部4bが形成される。用紙1の露出部4bは、不可視層15と個別コード印字層6bにより構成される。
不可視層15が形成されることにより、不可視層15の上に個別コード印字層6bとして印刷される第2個別コードが、人間の目では視認できないようになっている。不可視層15は、例えば、迷彩パターンなどが用いられる。
個別コード印字層6bに記載される第2個別コードを視認できないようにするために、また、第2個別コードを不可視層15の上に印刷する際に印字が定着しやすいようにするために、不可視層15は不可視伝票などに用いられる迷彩パターンを用いることが望ましい。ただ、不可視層15として、迷彩パターンではなく墨ベタを用いて構成することもできる。
一方、個別コード印字層6bについては、バーコードリーダなどの赤外領域の読取装置を用いて第2個別コードを読み取るので、マクベスDフィルタで0.5以上の濃度を確保することが望ましい。
なお、露出部4bを保護するために、不可視層15及び個別コード印字層6bを覆ってOPニス層10(図2参照)を形成しても構わない。
始めに、スクラッチ付き商品券S2の所有者が、自宅等に設置されているパソコン端末11等を使用してWeb上で商品等の購入処理を行う場合について説明する。
スクラッチ付き商品券S2の所有者がスクラッチ部3を削った時に、「ABCD0123」という第1個別コードが現れたとする。スクラッチ付き商品券S1の所有者は、Web上で第1個別コード「ABCD0123」を、パソコン端末11から手動で入力する。
入力された第1個別コードは、インターネットを介して使用履歴管理システム13bの図11に示すようなデータベース14cに送信される。データベース14cでは、送信された第1個別コードである「ABCD0123」に対応する使用履歴を「0」から「1」に書き換えることなどにより、スクラッチ付き商品券S2が使用済みであることを記録される。
スクラッチ付き商品券S2の所有者が、店舗等で直接スクラッチ付き商品券S2を使用する際には、店舗側は決済処理を行う前に、スクラッチ付き商品券S2のスクラッチ部3が削られていないかどうかを確認する。
スクラッチ部3が削られていて、第1個別コードが読み取れる場合には、既にWeb上で使用されたものとみなして、スクラッチ付き商品券S2の使用を認めないようにする。スクラッチ部3が削られておらず、第1個別コードが読み取れない場合には、まだ、Web上で使用されていないものとして、決済処理を行う。
第2個別コード「ABCD0123」は、インターネットを介して使用履歴管理システム13bの図11に示すようなデータベース14cに送信される。データベース14cでは、送信された第2個別コード「ABCD0123」に対応する使用履歴を「0」から「1」に書き換えることなどにより、スクラッチ付き商品券S2が使用済みであることを記録される。
このようにスクラッチ付き商品券S2の使用履歴を図11に示すようなデータベースによって管理することにより、店頭で一度使用されたスクラッチ付き商品券S2が、悪意のある第三者によって、Web上で再度利用される等の問題を回避することができる。
しかし、第2の実施形態によるスクラッチ付き商品券S2では、第1個別コードと第2個別コードに同じコードを使用しているため、スクラッチ付き商品券S2の使用履歴を1つのデータベース14cで管理できるため、使用履歴管理システム13bをより簡略化することができる。
なお、第2の実施形態によるスクラッチ付き商品券S2においても、第1の実施形態によるスクラッチ付き商品券S1と同様に、第1個別コードと第2個別コードに別々のコードを用いても構わない。第1個別コードと第2個別コードに別々のコードを付与することにより、スクラッチ付き商品券S2のセキュリティ性をより向上させることができる。
1・・・用紙
2・・・管理番号部
3・・・スクラッチ部
4a、4b・・・露出部
5・・・金額表示部
6a、6b・・・個別コード印字層
7・・・剥離ニス層
8・・・スクラッチインキ層
9・・・光学可変性インキ層
10・・・OPニス層
11・・・パソコン端末
12・・・バーコードリーダ
13a、13b・・・使用履歴管理システム
14a、14b、14c・・・データベース
15・・・不可視層
16・・・赤外線読取装置
Claims (4)
- スクラッチ部の隠蔽作用を起こす層を削り取ることにより視認可能となる第1個別コードと、前記第1個別コードが印刷される領域とは異なる領域に印刷され、前記第1個別コードと1対1に対応するコードである第2個別コードと、を有するスクラッチ付き商品券の使用履歴管理システムであって、
前記第1個別コードを入力する第1個別コード入力手段と、
前記第2個別コードを入力する第2個別コード入力手段と、
前記第1個別コードと前記第2個別コードを対応付けて前記スクラッチ付き商品券の使用履歴を記録する使用履歴管理データベースと、
前記第1個別コード入力手段により第1個別コードが入力された場合、又は、前記第2個別コード入力手段により第2個別コードが入力された場合に、前記使用履歴管理データベースに記録されている前記第1個別コードと前記第2の個別コードとの双方の使用履歴を参照して、前記第1個別コードと前記第2個別コードとの双方が使用済みでないとき、前記第1個別コード又は前記第2個別コードを用いた決済を行うとともに前記スクラッチ付き商品券が使用済みであることを前記使用履歴管理データベースに記録し、更に、前記使用履歴管理データベースにスクラッチ付き商品券が使用済みであることが記録された後に、前記第1個別コード又は前記第2個別コードが入力された場合には、前記スクラッチ付き商品券による決済を拒否する管理手段と、
を有することを特徴とするスクラッチ付き商品券の使用履歴管理システム。 - 前記管理手段が、前記第2個別コードを前記第2個別コード入力手段で入力した際にスクラッチ付き商品券の前記スクラッチ部の隠蔽作用を起こす層が削り取られていた場合、該スクラッチ付き商品券の前記第1個別コード及び前記第2個別コードの双方の使用履歴を参照して、前記第1個別コードと前記第2個別コードとの双方が使用済みでない場合、前記第2個別コードを用いた決済を認める
ことを特徴とする請求項1に記載のスクラッチ付き商品券の使用履歴管理システム。 - 前記第2個別コードが、赤外線を吸収するインクを用いて印刷されるとともに、
前記スクラッチつき商品券が、前記第2個別コードが印刷される領域の下に、赤外線を吸収しないインクを用いて印刷される不可視層を有し、
前記第2個別コード入力手段が、赤外線読取装置である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクラッチ付き商品券の使用履歴管理システム。 - スクラッチ部の隠蔽作用を起こす層を削り取ることにより視認可能となる第1個別コードと、前記第1個別コードが印刷される領域とは異なる領域に印刷され、前記第1個別コードと1対1に対応するコードである第2個別コードと、を有するスクラッチ付き商品券の使用履歴を、ネットワークに接続される使用履歴管理データベースを用いて管理するスクラッチ付き商品券の使用履歴管理方法であって、
使用履歴管理システムが、スクラッチ付き商品券に印刷されている前記第1個別コードが端末装置から入力されるか、或いは、前記スクラッチ付き商品券に印刷されている前記第2個別コードが読取装置で読み取られて入力されると、前記使用履歴管理データベースに記録されている前記第1個別コードと前記第2の個別コードとの双方の使用履歴を参照して、前記第1個別コードと前記第2個別コードとの双方が使用済みでないとき、前記第1個別コード又は前記第2個別コードを用いた決済を行うとともに前記スクラッチ付き商品券が使用済みであることを前記使用履歴管理データベースに記録し、
前記使用履歴管理システムが、前記使用履歴管理データベースにスクラッチ付き商品券が使用済みであることが記録された後に、前記第1個別コード又は前記第2個別コードが入力された場合には、前記スクラッチ付き商品券による決済を拒否する
ことを特徴とするスクラッチ付き商品券の使用履歴管理方法。
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