JP4513310B2 - 歯間ブラシ - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシ本体の角度調整が可能な歯間ブラシに関する。
歯間ブラシとして、金属細線からなるワイヤー素線を二つ折りにしてその間にフィラメントを配置させ、このワイヤー素線を捻ってワイヤー素線に対してフィラメントを植毛し、その後フィラメントを所望長さにカットして円筒状や円錐台状に成形してなるブラシ本体と、手で把持可能な細長い合成樹脂製の棒状部材からなり、先端部にブラシ本体のワイヤー基部をインサート成形、高周波や超音波による熱融着や物理的な係止(嵌合)手段等により埋設状に保持させて、ブラシ本体を一体的に取り付けたハンドル部材とを備えたものが普及している。
ところで、このような構成の歯間ブラシで歯間を清掃する際には、清掃する歯間への植毛部の挿入が容易になるように、清掃部位に応じてワイヤー基部を折り曲げて、ハンドル部材に対する植毛部の角度を調整することになるが、ワイヤー基部の同じ箇所を何度も折り曲げると、比較的短期間でワイヤーが破断するという問題があった。
このような問題を解決するため、ハンドル部材として、手で保持可能なハンドル本体と、ブラシ本体を固定保持するブラシ保持部材とを備え、ハンドル本体の先端部を二股状に構成して、その二股部分にブラシ保持部材を回動自在に枢支した歯間ブラシも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このような歯間ブラシにおいても、ブラシ保持部材を設ける分だけ部品点数が増えて製作コストが高くなるという問題があった。
そこで、ハンドル部材をその軸線に沿って左右1対のハンドル分割体に分割構成し、左右のハンドル分割体の先端部を5つのリンク部で連結するとともに、途中部のリンク部にブラシ本体のワイヤーを保持する保持部を設けてなるハンドル部材を用いた歯間ブラシも提案され実用化されている(例えば、特許文献2参照。)。
この特許文献2記載の歯間ブラシでは、左右のハンドル分割体を相対的に軸線方向にスライドさせることで、ハンドル部材に対するブラシ本体の角度を調整することが可能となり、歯間清掃時における操作性を向上できる。また、ハンドル分割体が180°開脚させた状態となるようにハンドル部材を成形することで、ハンドル部材をワンショットで成形することが可能となり、部品点数を減らしてその分製作コストを低減できるという利点がある。
特開平9−121942号公報 特表平8−508179号公報
ところが、前記特許文献2記載の歯間ブラシでは、前述のようにハンドル分割体を開脚させてハンドル部材を成形することから、1つのハンドル部材を製作するのに要する金型の成形面が通常の2倍以上となり、1つの金型で成形できるハンドル部材の個数が半減して生産性が低下するという問題がある。また、手で持ちやすい比較的長尺なハンドル部材を製作しようとすると、大型な金型を用いる必要があり、設備経済的な負担が大きくなり、しかもハンドル分割体をスライドさせてブラシ本体の角度を調整する関係上、歯間を清掃しているときに手が滑ってハンドル分割体をスライドさせてしまうなど、ハンドリング性があまりよくなく、小型で操作し難い歯間ブラシしか実用化されていないのが実状である。
本発明の目的は、ブラシ本体の角度調整が可能で、しかもハンドリング性に優れた安価に製作可能な歯間ブラシを提供することである。
本発明に係る歯間ブラシは、歯間清掃用のブラシ本体と、それを支持するハンドル部材とを有する歯間ブラシであって、前記ハンドル部材は、ハンドル本体と、前記ハンドル本体の先端一側部からハンドル本体の長さ方向へ延びるアーム部と、前記ブラシ本体の基端部を保持するブラシ保持部と、前記アーム部の先端部とブラシ保持部の一側部の下部とを回動自在に連結する第1ヒンジ部と、前記ハンドル部材の他側部にハンドル本体の長さ方向に沿ってスライド自在に設けた操作部と、前記操作部の先端部とブラシ保持部の他側部の上部とを回動自在に連結する第2ヒンジ部とを備え、前記操作部のスライド操作により、第1ヒンジ部を中心としてブラシ保持部を第1姿勢と第2姿勢とに回動により択一的に姿勢切替可能となしたものである。
この歯間ブラシでは、ハンドル部材を構成する、ハンドル本体とアーム部とブラシ保持部と第1ヒンジ部と操作部と第2ヒンジ部とを合成樹脂材料を用いてワンショットで一体成形することが可能となるので、ハンドル部材の生産性を向上できる。また、ハンドル本体を手で持ちやすいサイズに設定したり、短尺なハンドル本体に延長パイプを接続したりして、歯間ブラシの操作用ハンドルを構成することになるが、特許文献2記載のようにハンドル部材を開脚して成形する必要がないので、金型サイズを大きく設定する必要がなく、手で持ちやすい歯間ブラシを効率的に生産できる。更に、操作部をハンドル本体の長さ方向に位置調整することで、ブラシ本体の角度を清掃する歯間に応じた角度に調整できるので、歯間の清掃性を向上できる。更にまた、ハンドル本体或いはそれに接続される延長パイプを安定性良く手で持つことができるので、歯間ブラシの操作性を向上できる。
ここで、1対のスライド溝が前記ハンドル本体の長さ方向に設けられ、前記操作部が、前記スライド溝に嵌合し、かつその中をスライドする少なくとも1つの係合爪を有し、前記係合爪でハンドル本体を保持することで、前記操作部を上下方向にのみ移動自在にハンドル本体に案内すること、前記1対のスライド溝にそれぞれ嵌合する1対の係合爪を、操作部の長さ方向の両側に配設位置をずらして設けること、前記第1ヒンジ部によりアーム部の先端部とブラシ保持部の一側部の基端部とを連結し、第2ヒンジ部により操作部の先端部とブラシ保持部の他側部の先端部とを連結すること、などが好ましい実施例である。
ここで、前記歯間ブラシに、前記ブラシ本体全体を覆うキャップ本体と、ブラシ保持部を着脱自在に保持するキャップ基部とを有し、ブラシ本体及びブラシ保持部を側方より装着可能な開口部をキャップ本体とキャップ基部とにわたって設けた歯間ブラシ用キャップを備えさせてもよい
このように構成すると、開口部を利用してキャップ本体とキャップ基部とにブラシ本体及びブラシ保持部を側方より嵌合させて、歯間ブラシにキャップを取り付けることができるので、ブラシ本体を任意の角度に角度調整した状態で、歯間ブラシに対してキャップを取り付けることが可能で、しかもそのままの角度状態で保管することが可能となる。このため、歯間ブラシに対するキャップの着脱操作性やキャップを取り付けた状態での歯間ブラシの保管性を格段に向上できる。また、ブラシ保持部にキャップを固定しているので、キャップを取り付けた状態でこれを摘んでブラシ本体の角度を調整でき、ブラシ本体を手で摘む必要がないので衛生的である。
本発明に係る歯間ブラシによれば、ハンドル部材を構成する、ハンドル本体とアーム部とブラシ保持部と第1ヒンジ部と操作部と第2ヒンジ部とを合成樹脂材料を用いて射出成形等によりワンショットで一体成形することが可能となるので、ハンドル部材の生産性を向上してハンドル部材の製作コストを安くできる。しかも、特許文献2とは異なりハンドル部材を開脚した状態に成形する必要がないので、金型サイズが大型になって生産性が低下することもないし、手で持ちやすい比較的長尺なハンドル付きの歯間ブラシを製作する場合でも、小型な既存の成形機を用いて製作することが可能となる。また、操作部をハンドル本体の長さ方向に位置調整することで、ブラシ本体の角度を歯間に応じた角度に調整できるので、歯間の清掃性を向上できる。更に、ハンドル本体或いはそれに接続される延長パイプを安定性良く手で持つことが可能となるので、歯間ブラシの操作性を向上できる。
また、前記操作部をハンドル部材の他側部にハンドル本体の長さ方向に沿ってスライド自在に設けているので、操作部のスライド操作により歯間に応じた最適な角度にブラシ本体の角度を調整できる。しかも、ハンドル本体或いはそれに接続される延長パイプを安定性良く手で把持した状態で、操作部をハンドル本体の長さ方向にスライド操作できるので、角度調整した状態での歯間ブラシの操作性を向上できる。
更に、前記第1ヒンジ部を中心としてブラシ保持部を第1姿勢と第2姿勢とに択一的に切替可能に保持する姿勢保持手段をハンドル本体と操作部間に設けると、第1ヒンジ部を中心とした2つの回動位置にブラシ保持部を位置切替可能に保持させることが可能となり、歯間清掃時においてブラシ本体の姿勢が安定するので、角度調整した状態での歯間ブラシの操作性を向上できる。
前記第1ヒンジ部によりアーム部の先端部とブラシ保持部の一側部の基端部とを連結し、第2ヒンジ部により操作部の先端部とブラシ保持部の他側部の先端部とを連結すると、第1ヒンジ部を中心とした2つの回動位置にブラシ保持部を位置切替可能に保持させることが可能となり、歯間清掃時においてブラシ本体の姿勢が安定するので、歯間ブラシの操作性を向上できる。つまり、ブラシ保持部を例えば直方体状に形成すると、両ヒンジ部はブラシ保持部の対角線上に配置されることになり、両ヒンジ部間の距離が基端部の両側端間の距離よりも大きくなる。このため、操作部をスライド操作したときに、スライド操作の途中において操作部が側方へ撓んでスライド操作の操作抵抗が大きくなり、スライド操作の両端部の2位置に操作部が保持され易くなって、ブラシ保持部が2つの回動位置に切替操作可能に保持されることになる。
前記歯間ブラシに、前記ブラシ本体全体を覆うキャップ本体と、ブラシ保持部を着脱自在に保持するキャップ基部とを有し、ブラシ本体及びブラシ保持部を側方より装着可能な開口部をキャップ本体とキャップ基部とにわたって設けた歯間ブラシ用キャップを備えさせると、開口部を利用してキャップ本体とキャップ基部とにブラシ本体及びブラシ保持部を側方より嵌合させて、歯間ブラシにキャップを取り付けることができるので、視力のあまりよくないお年よりなどにも、歯間ブラシに対して安全且つ簡単にキャップを取り付けることができる。また、ブラシ保持部にキャップを固定しているので、キャップを取り付けた状態でこれを摘んでブラシ本体の角度を調整でき、ブラシ本体を手で摘む必要がないので衛生的である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、歯間ブラシ1は、フィラメントを植設した歯間清掃用のブラシ本体2と、それを支持するハンドル部材3とを備えている。
ブラシ本体2は、図1、図2に示すように、1本の金属細線からなるワイヤー素線を2つ折りにして捻ってなるワイヤー4と、複数のフィラメントをワイヤー4に対して放射状に植毛してなるブラシ部5とを備えた周知の構成のものである。ブラシ部5の外形は、図1に示すように円筒状に形成してもよいし、円錐台状や途中部の外径を両端部の外径よりも大きく設定した樽状に構成してもよい。また、このようなブラシ本体2としては、金属細線からなるワイヤー素線を二つ折りにしてその間にフィラメントを配置させ、このワイヤー素線を捻って、ワイヤー4に対してフィラメントを植毛し、その後フィラメントを所望長さにカットして製作したものを好適に採用できる。但し、ブラシ本体2としては、ブラシ部分とそれを支持する芯部分とを合成樹脂材料を用いて一体成形してなるものを採用することも可能である。
ハンドル部材3は、図1〜図4に示すように、手で把持可能な細長いハンドル本体6と、ハンドル本体6の上端部に設けた傾動支持手段10とを備え、ブラシ本体2は傾動支持手段10を介してハンドル本体6に回動自在に支持されている。このハンドル部材3は、一体ヒンジの反復折曲性とハンドルとしての剛性とを兼ね備えた合成樹脂材料、例えばポリエチレンやポリプロピレンや熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂材料で構成され、射出成形等によりワンショットで成形されている。
傾動支持手段10は、ハンドル本体6の略平坦な上面の左端部(先端一側部)から上方へ延びるアーム部12と、ブラシ本体2のワイヤー4の下端部(基端部)を埋設固定したブラシ保持部13と、アーム部12の上端部とブラシ保持部13の左端下部とを回動自在に連結する一体ヒンジからなる第1ヒンジ部14と、ハンドル部材3の右側部(他側部)にハンドル本体6の長さ方向に沿ってスライド自在に設けた操作部15と、操作部15の上端部とブラシ保持部13の本体部の右端上部とを回動自在に連結する一体ヒンジからなる第2ヒンジ部16とを備え、ブラシ保持部13は、操作部15の上下方向への操作により、第1ヒンジ部14を中心として、ブラシ本体2を上下方向に向けた図1(a)に図示の第1姿勢と、ブラシ本体2を左右方向に向けた図4に図示の第2姿勢とにわたって約90°の範囲で回動自在に支持されている。
図1に示すように、アーム部12の基端部から第1ヒンジ部14までの長さL1は、ブラシ保持部13の下面の右端部から第1ヒンジ部14までの長さL2と略同じ或いは多少長く設定され、ブラシ保持部13の下面から第2ヒンジ部16までの高さL3はハンドル本体6の右端からアーム部12までの長さL4と略同じ或いは多少長く設定されている。また、ハンドル本体6の上面とアーム部12の右側面とのなす角度は約90°に設定され、ブラシ保持部13の下面とブラシ保持部13の右側面とのなす角度も約90°に設定されている。そして、ブラシ保持部13を第1姿勢に保持した状態では、ブラシ保持部13の下面とアーム部12の右側面とのなす角度が約90°となり、ブラシ保持部13を第2姿勢に操作した状態では、図4に示すように、ブラシ保持部13の下面(図1での下面)がアーム部12の右側面に沿って略隙間なく配置されるとともに、ブラシ保持部13の右側面(図1での右側面)がハンドル本体6の上面に沿って略隙間なく配置され、更に第2ヒンジ部16がハンドル本体6の上面の右端部近傍部に位置するように構成されている。
尚、本実施例では、ブラシ本体2を第1姿勢と第2姿勢とに約90°の範囲で姿勢切替するため前述のように長さや角度を設定したが、これらの長さや角度を変更することで、ブラシ本体2の姿勢切替可能な角度範囲を調整することも可能である。
操作部15をハンドル本体6に対して上下方向にのみスライド自在に保持するため、ハンドル本体6の前面側及び後面側の上部の右端近傍部には上下方向に延びる前後1対のスライド溝20が形成され、操作部15の前部及び後部には前方側及び後方側からスライド溝20に嵌合する1対の係合爪21が形成され、操作部15は、前後の係合爪21をスライド溝20に装着して、両係合爪21でハンドル本体6を保持することで、上下方向にのみ移動自在にハンドル本体6に組付けられている。
この歯間ブラシ1ではハンドル部材3を1対の金型で形成できるように、前後の係合爪21は上下方向に一定間隔だけずらして設けられ、それに応じて前後のスライド溝20も上下方向に一定間隔だけずらして設けられている。但し、金型構成は多少複雑にはなるが、係合爪21及びスライド溝20をハンドル本体6に対して前後対称に形成することも可能である。
スライド溝20の上部と下部とには導入用切欠部22が形成され、操作部15をハンドル本体6に組付ける際には、操作部15の素材の弾性を利用して前後の係合爪21を導入用切欠部22の位置においてスライド溝20に順次係合できるように構成されている。また上下の導入用切欠部22間には規制部23が形成され、操作部15を上方へ操作してブラシ本体2を第1姿勢に位置させた状態では、規制部23が係合爪21の基部に係合して操作部15の下方への移動が規制され、操作部15を下方へ操作してブラシ本体2を第1姿勢に位置させた状態では、規制部23が係合爪21の基部に係合して操作部15の上方への移動が規制されるように構成され、操作部15を上方から下方或いは反対へ移動させる際には、素材の弾性に抗して操作部15を上方または下方へ移動させて、規制部23を乗り越えて係合爪21を上側或いは下側の導入用切欠部22まで移動させることになる。尚、導入用切欠部22と規制部23と係合爪21とで姿勢保持手段が構成されている。
この歯間ブラシ1においては、操作部15を上方へ操作することで、ブラシ本体2がブラシ保持部13とともに第1ヒンジ部14を中心に第1姿勢に回動し、操作部15を下方へ操作することで、ブラシ本体2がブラシ保持部13とともに第1ヒンジ部14を中心に第2姿勢まで回動する。そして、清掃する歯間に応じた姿勢にブラシ本体2の姿勢を切り替えて歯間を清掃することになる。また、ブラシ本体2を第1姿勢又は第2姿勢に切り替えた状態では、操作部15の係合爪21が規制部23に係合するので、ブラシ本体2を第1姿勢又は第2姿勢に安定的に保持させた状態で歯間を清掃することができる。
尚、本実施例では、手で保持可能なサイズのハンドル本体6を有する歯間ブラシ1に本発明を適用したが、ハンドル本体6に代えて、電動歯間ブラシや別途に設けた延長パイプに対して着脱自在に構成した短尺な軸部材からなるハンドル本体を設け、歯間ブラシを電動歯間ブラシ等の替えブラシとして用いることも可能である。また、ブラシ保持部13に対してワイヤー4を埋設させて、ブラシ本体2を永久的な固定方式でハンドル部材3に固定したが、ブラシ保持部13にワイヤー4を着脱自在に保持する保持手段を設けて、ブラシ本体2のみを交換可能に構成したり、ブラシ本体とブラシ保持部が一体になったブラシ体を、ハンドル部材に係止(嵌合)手段により保持させたりすることも可能である。
次に、前記歯間ブラシ1の構成を部分的に変更した他の実施例について説明する。尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
(1)操作部15をハンドル本体6に対してスライド自在に組付けるための構成としては任意の構成のものを採用できる。例えば、図5に示す歯間ブラシ1Aのハンドル部材3Aのように、ハンドル本体6Aの右上部に前後方向に貫通する上下方向に細長い貫通孔30を形成して貫通孔30の右側に案内板部31を形成し、案内板部31の幅方向の途中部に上下方向に細長いスライド孔32を形成し、スライド孔32に上下方向に移動自在に嵌合する係合突部33を操作部15Aの遊端側においてハンドル本体6A側の面に突出形成するとともに、スライド孔32の上下両端に大径孔34を形成し、大径孔34を除くスライド孔32の途中部を多少幅狭に構成してもよい。この場合には、係合突部33が上側の大径孔34に係合すると、ブラシ本体2がブラシ保持部13とともに第1姿勢に保持され、下側の大径孔34に係合すると、ブラシ本体2がブラシ保持部13とともに第2姿勢に保持される。そして、操作部15Aを上下方向へ操作すると、係合突部33がスライド孔32の幅狭部分を乗り越えて、上側或いは下側の大径孔34に移動することになって、ブラシ本体2が第1姿勢と第2姿勢とに姿勢切替可能に保持されることになる。
(2)図6に示す歯間ブラシ1Bのハンドル部材3Bのように、ハンドル本体6Bの右上部に前後方向に延びる例えばあり溝状の嵌合凹部35を上下に間隔をあけて複数形成し、ハンドル本体6Bから離れる方向への操作部15Bの回動を規制するように、嵌合凹部35に凹凸嵌合する係合突部36を操作部15Bに形成してもよい。このように構成すると、操作部15Bの素材の弾性を利用して、係合突部36を前方又は後方へ移動させて嵌合凹部35から抜き取り、所望の嵌合凹部35に嵌合させることで、ブラシ本体2の姿勢を切り替えることが可能となる。
尚、本実施例では、操作部15、15A、15Bを上下方向へ操作することにより、ブラシ本体2を第1姿勢と第2姿勢とに姿勢切替するように構成したが、2以上の複数姿勢に姿勢切替可能に構成することも可能である。
次に、前記歯間ブラシ1に着脱自在に取り付けられるキャップ50について説明する。尚、このキャップ50は、歯間ブラシ1、1A、1Bに適用できることはいうまでもなく、それ以外の構成の歯間ブラシに対しても同様に適用できる。このでは、歯間ブラシ1に適用した場合について説明する。
図7(a)に示すように、キャップ50は、ブラシ本体2全体を覆うキャップ本体51と、ブラシ保持部13に外嵌されるキャップ基部52とを備えている。キャップ本体51の右部とキャップ基部52の右部及び下部とにわたって開口部53が形成され、ブラシ本体2及びブラシ保持部13は、開口部53を通ってキャップ基部52及びキャップ基部52内に右側から装着可能に設けられている。
図7(b)(c)に示すように、キャップ基部52の内面における前後の対向面には上下方向に細長い嵌合突部54が形成され、ブラシ保持部13の前後の側部には嵌合突部54に凹凸嵌合する嵌合凹部55が形成され、キャップ50は、嵌合突部54と嵌合凹部55との凹凸嵌合により、ブラシ保持部13に着脱自在に取り付けられ、ブラシ保持部13に取り付けた状態で、ブラシ部2及びブラシ保持部13をカバーするように構成されている。尚、本実施例では、嵌合凸部54と嵌合凹部55との凹凸嵌合により、ブラシ保持部13にキャップ50を保持させたが、フック部とそれに係合する係止部とをキャップ基部52とブラシ保持部13にそれぞれ形成して、フック部と係止部との係合により、ブラシ保持部13にキャップ50を保持させるなど、凹凸嵌合以外の固定構造を採用することも可能である。
このようなキャップ50においては、ブラシ本体2及びブラシ保持部13をキャップ本体51とキャップ基部52内に開口部53を経て側方より嵌合させて、歯間ブラシ1にキャップ50を取り付けることができるので、ブラシ本体2及びブラシ保持部13を、図7(a)に示す第1姿勢と、図7(d)に示す第2姿勢とにわたる任意の角度に角度調整した状態で、歯間ブラシ1に対してキャップ50を取り付けることが可能で、しかもそのままの角度状態で保管することが可能となる。このため、歯間ブラシ1に対するキャップ50の着脱操作性やキャップ50を取り付けた状態での歯間ブラシ1の保管性を格段に向上できる。また、ブラシ保持部13にキャップ基部52を嵌合させてキャップ50をブラシ保持部13に固定しているので、キャップ50を取り付けた状態でこれを摘んでブラシ本体2の角度を調整でき、ブラシ本体2を手で摘む必要がないので衛生的である。
(a)は歯間ブラシの正面図、(b)は歯間ブラシの右側面図 (a)は図1(b)のA−A線断面図、(b)は図1(a)のB−B線断面図 (a)は傾動支持手段付近の要部斜視図、(b)は操作部の要部斜視図 第2姿勢に切り替えた状態での歯間ブラシの正面図 他の構成の歯間ブラシの(a)は一部切欠正面図、(b)は右側面図 他の構成の歯間ブラシの(a)は第1姿勢での正面図、(b)は第2姿勢での正面図 (a)は第1姿勢のキャップ及び歯間ブラシの要部正面図、(b)は図7(a)のC−C線断面図、(c)はキャップの右側面図、(d)は第2姿勢のキャップ及び歯間ブラシの要部正面図
符号の説明
1 歯間ブラシ 2 ブラシ本体
3 ハンドル部材 4 ワイヤー
5 ブラシ部 6 ハンドル本体
10 傾動支持手段 12 アーム部
13 ブラシ保持部 14 第1ヒンジ部
15 操作部 16 第2ヒンジ部
20 スライド溝 21 係合爪
22 導入用切欠部 23 規制部
1A 歯間ブラシ 3A ハンドル部材
6A ハンドル本体 15A 操作部
30 貫通孔 31 案内板部
32 スライド孔 33 係合突部
34 大径孔
1B 歯間ブラシ 3B ハンドル部材
6B ハンドル本体 15B 操作部
35 嵌合凹部 36 係合突部
50 キャップ 51 キャップ本体
52 キャップ基部 53 開口部
54 嵌合突部 55 嵌合凹部

Claims (5)

  1. 歯間清掃用のブラシ本体と、それを支持するハンドル部材とを有する歯間ブラシであって、
    前記ハンドル部材は、
    ハンドル本体と、
    前記ハンドル本体の先端一側部からハンドル本体の長さ方向へ延びるアーム部と、
    前記ブラシ本体の基端部を保持するブラシ保持部と、
    前記アーム部の先端部とブラシ保持部の一側部の下部とを回動自在に連結する第1ヒンジ部と、
    前記ハンドル部材の他側部にハンドル本体の長さ方向に沿ってスライド自在に設けた操作部と、
    前記操作部の先端部とブラシ保持部の他側部の上部とを回動自在に連結する第2ヒンジ部と、
    を備え、前記操作部のスライド操作により、第1ヒンジ部を中心としてブラシ保持部を第1姿勢と第2姿勢とに回動により択一的に姿勢切替可能となしたことを特徴とする歯間ブラシ。
  2. 1対のスライド溝が前記ハンドル本体の長さ方向に設けられ、前記操作部が、前記スライド溝に嵌合し、かつその中をスライドする少なくとも1つの係合爪を有し、前記係合爪でハンドル本体を保持することで、前記操作部を上下方向にのみ移動自在にハンドル本体に案内する請求項1に記載の歯間ブラシ。
  3. 前記1対のスライド溝にそれぞれ嵌合する1対の係合爪を、操作部の長さ方向の両側に配設位置をずらして設けた請求項2記載の歯間ブラシ。
  4. 前記第1ヒンジ部によりアーム部の先端部とブラシ保持部の一側部の基端部とを連結し、第2ヒンジ部により操作部の先端部とブラシ保持部の他側部の先端部とを連結した請求項1〜3のいずれか1項記載の歯間ブラシ。
  5. 前記ブラシ本体全体を覆うキャップ本体と、ブラシ保持部を着脱自在に保持するキャップ基部とを有し、ブラシ本体及びブラシ保持部を側方より装着可能な開口部をキャップ本体とキャップ基部とにわたって設けた歯間ブラシ用キャップを備えた請求項1〜4のいずれか1項記載の歯間ブラシ。
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