JP4513157B2 - ソフトバック入り濃厚流動食 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術前後の患者および脳外科、神経内科の寝たきりの患者などに対する栄養補給に使用されるソフトバック入り液状の濃厚流動食に関する。
更に詳しくは、そのバックが直接投与バックとして使用でき、かつ加水して濃度を調整できるソフトバック入り濃厚流動食に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に濃厚流動食は、缶タイプ、紙容器タイプ、パウチタイプ、びんタイプ等何れかの形態で包装されている。通常前記の濃厚流動食は、温められ、使用時にはイリルガードル等の注入用容器に移し換えて使用されていた。その際、濃厚流動食は、細菌に汚染されるため、一定の時間内に使い切らなければならなくなる。この問題点を解決するため、容器に移しかえることなく、濃厚流動食の容器をバック型のものとし、そのものを直接カテーテルまたはチューブに接合できる形態のものが開発されている。例えば以下のものが挙げられる。
<1>実公昭63−30432号公報には、図1、図2および図3に示すような経管栄養液用合成樹脂袋が開示されている。即ち、図1には、非自立型の平型のレトルトパウチが示されており、図2には、自立型であって、パウチの底部(図の上部)には吊り下げ用の穴を有し、パウチの上部(図の下部)には、内容物の液体を取り出す取り出し部を有し、その液体取り出し部は、中央部に液抜き針より僅かに小さい直径の挿入口を有するゴム様弾性体の当て物が装着され、更に本体部の少なくとも一方の片面には液量表示目盛り付の透視部が形成されているものが開示されている。さらに図3には、前記の合成樹脂袋を実際に吊り下げて使用する際の使用形態が示されている。
<2>さらに、米国特許第4,787,890号明細書(USP4,787,890号)には、図4に示すように、サイホン式の平型レトルトパウチ状のものが開示されている。
<3>さらに、特開平3−117472号公報には、包装容器がそのまま投与バックとなることが開示されているが、カテーテルやチューブに直接内挿できる注出口を有し、投与するときに、経時的に液量がわかるように透明で目盛りを付したものが開示されているが、具体的な形状は明確ではない。
<4>特開平6−218027号公報には、図5に示すように、逆さ吊り容器から内溶液を注出する際に針状物を用いずに、適量ずつの注出を可能とするネジ付の包装形態が開示されている。
【0003】
一方、濃厚流動食においては、一般に一回の投与量と栄養のバランスの兼ね合いからある程度の量が投与でき、栄養が補給できるものが求められる。したがって、かなり濃厚な液となっている。しかし、患者の病状や患者の状況によっては、濃厚流動食に水を加えて、濃度を下げて粘度を下げたり、あるいは流動食投与後に水分を補給することなどの機能が求められている。
前記<1>の実公昭63−30432号公報に開示された技術では、前記のような取り出し部の構成から液抜き針に僅かに小さい直径の挿入口を有するゴム様弾性体の当て板で保持しているのみであり、はずれやすい等の問題点を有するとともに、前記のような水を加えて濃度調整や流動食投与後の水分補給の機能がない。
前記の<2>の米国特許第4,787,890号明細書(USP4,787,890号)に開示された技術では、サイホン型であるため、濃厚流動食の流れやすいための粘度がある程度限定され、投与量が全体的に多くなる、またサイホン型であるため、一度サイホン管に空気が入り込むと機能しなくなったり、また底部の部分からサイホンの吸い口部が最下部よりずれると包装袋に液が多く残る等問題があった。
さらに、平型のレトルトパウチを逆さまにつるすには、専用の吊り下げ用具(図4における外側の金具)が必要であり、セットするのに手間がかかる等の問題があった。
また前記の<3>の特開平3−117472号公報に開示された技術では、包装容器がそのまま投与バックとなることが開示されているが、具体的な形状はカテーテルやチューブに直接内挿できる注出口を有し、投与するときに、経時的に液量がわかるように透明で目盛りを付したものが記載されているのみである。
前記の<4>特開平6−218027号公報に開示されている技術では、図5に示すように、逆さ吊り容器から内溶液を注出する際に針状物を用いずに、適量ずつの注出を可能とするネジ付の包装形態が開示されているが、途中で投与を中止したときにも逆さに吊るして置くか、あるいはねかせておく必要があるなど取扱性に問題があった。
【0004】
また一方、レトルトソフトバック入り濃厚流動食の製造の観点から次に示すような問題が挙げられる。
流動食は、運搬や長期在庫保管等のために、滅菌・殺菌処理が施される。この際には、通常2とおりの方法が挙げられる。(1)流動食を高熱(UHT)処理で殺菌し、無菌室等の包装室内で容器に包装する方法。(2)一旦レトルトパウチ等の容器包装した後、レトルト殺菌する方法。
前者の場合には、通常、130〜150℃、より好ましくは135〜145℃、で2秒〜60秒間処理される。
また、後者のレトルト殺菌をする場合には、110〜130℃、より好ましくは、120〜130℃、5分〜40分間処理される。レトルト殺菌の場合には、温水中で、加圧で処理されるため、自立性の容器が好ましい。これらの加熱処理の場合には、その内容物が、たんぱく質やその分解物を多く含有する関係上、特に包装内の空気と濃厚流動食液の界面にいわゆる「こげ」の現象が生じることがある。「こげ」が生じると、見た目に悪いだけでなく、「こげ」が包装内面から剥がれると、チューブ等の管中や容器の出口付近でつまる原因や、流動液投与の影響が生じるので好ましくない。
【0005】
また最近では、医療用関係の材料の廃棄物の問題が重要視されてきている。例えば前記のレトルト中の濃厚流動食がパウチ内に多く残存すると、腐敗の原因ともなり、好ましくない。また使用した管等の付属品を使い捨てとすると同様な残存物による腐敗の問題がある。また使用した管等の付属品を再使用する場合は、洗浄−消毒等の処理をする必要があり、事前に予備洗浄して内容物を予め洗浄しておくことが求めれる。即ち、濃厚流動食を投与後、容器に水を加えて、水分補給するとともに、容器は付属品を予備洗浄することが求められる。
【0006】
また、投与の状況に関しては、前記のように、使用前に適度な温度に加温するため、温水中等で加温処理することが望ましいため、その際には、加温容器内で自立させて、加温できることが温水等からの汚染の点、安全性、取扱性から望ましい。
前記の<4>の特開平6−218027号公報に開示されている技術では、自立性でないため、湯煎時や静置時に取扱にくいなど問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、前記の問題点を改善するため、特に、取扱いが簡便で、衛生管理に優れ、かつ加水して濃厚流動食の濃度の調整、および濃厚流動食の投与後に水分を補給することとが容易にできる、ソフトバック入り濃厚流動食を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、レトルト熱処理において、ソフトバックの内面にこげつきを生じないことを特徴とする濃厚流動食を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の問題点に鑑み鋭意検討した結果、配合した濃厚流動食を特定のソフトバックに包装すると、前記の問題点を改善できることを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、次の(1)および(2)である。
【0009】
(1) ソフトバックに収納され、たんぱく質および/またはその分解物、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、安定剤、乳化剤および水を主成分とする熱量2093〜6579ジュール/ml(0.5〜1.5kcal/ml)の濃厚流動食において、ソフトバックが底部に自立可能な形状を有し、底部に吊り下げ用の穴を有し、且つその底部に対向する上部に内口径が12〜50mmのスパウトを有し、ソフトバックを構成する材料の少なくとも一層がアルミ蒸着フィルムであることを特徴とするソフトバック入り濃厚流動食。
【0010】
(2) 前記の濃厚流動食に、さらに炭素数14〜18の飽和脂肪酸0.005〜0.1重量%を含んでなるレトルト熱処理用のソフトバック入り濃厚流動食。
【0011】
【発明の実施の形態】
図6に、本発明のソフトバックの一例を平面図で示す。図6において、本発明のソフトバックは、スタンディングパウチ(11)の形態、すなわち3枚の面材が熱融着された底部が折り込み式になっており、底部(12)を開くことにより自立する。この底部には吊り下げ用の穴(13)がある。また、この底部に対向する上部の肩の一部は斜めの切り欠きがあり、そこにスパウト(14)が2つの面材の間に挟み込まれて熱融着されている。濃厚流動食や水等の注出入口であるスパウト(14)の内口径は、水等の補給を容易にするため12〜50mmの範囲が適当であり、好ましくは14〜20mmである。
ソフトバックの上部から濃厚流動食を充填するが、内口径が50mmを越えると作業がしづらくなる。またスパウトの内口径が12mmより小さいと加水する際に入れにくくなったり、内容液を取り出す際に単位時間あたりの流量が少なくなる。
スパウト(14)の形状は、前記の範囲内で充填装置の形状にも依存するが作業に支障のないように適宜選択できる。このスパウトの注出入口は、例えばアルミシール(15)で密封して更にカバーキャップ(16)でガードすることが望ましい。
【0012】
この内溶液の濃厚流動食を投与する際には、カバーキャップ(16)及びアルミシール(15)を取り外し、患者に投与するカテーテルまたはチューブ(17)に直接内挿できるアダプターをスパウトに取り付ける。ソフトバックの大きさは、充填する濃厚流動食の充填量が一般に300〜600mlであるため、幅120〜200mm、長さ200〜250mm程度が望ましい。また濃厚流動食を患者に投与するときに、吊り下げ用の穴(13)がスパウト(14)と対向する底部の部分に形成されている。また、本体部分のソフトバックは内容液を入れるようにその外縁はシールされている。
さらに底部には、自立可能なように広げることができるが、必要によってはさらにその一部には、ゴム用弾性体による部分を有することが望ましく、そのゴム用弾性体に注射針等により、内容物にさらに添加したい物質を注入できるようにしてあることがより望ましい。
【0013】
本発明のソフトバックを構成する包装材料は、投与の際に経時的に液量が分かるよう透明性を有し、かつ防気性も必要であるためアルミ蒸着フィルムを使用する。なお酸化ケイ素蒸着フィルムとアルミ蒸着フィルムとを組み合わせて使用することが防気性の点から最も好ましい。蒸着される基材には延伸ポリエステル、無延伸ポリプロピレン等が使用される。従ってソフトバックを構成する包装材料は、これらの蒸着フィルムにポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を組み合わせたものである。
なお、ソフトバック入り濃厚流動食を実際に吊り下げて投与する際には、液残存量がわかるように、目盛りがあることが望ましい。また、前記の包装材料は、必要によって、光によって内容物が劣化しないように、着色して遮光することが望ましい。
【0014】
本発明の濃厚流動食は、ソフトバックに充填後密封されてレトルト熱処理(110〜130℃)を受けるか、または高温滅菌処理(130〜150℃)を受けた後無菌状態でソフトバックに充填する。ただしレトルト処理の場合は、ソフトバック、スパウト、カバーキャップのいずれもが、レトルト処理に耐える材質であることが必要である。
【0015】
次に本発明の内溶液である濃厚流動食について説明する。
本発明の濃厚流動食には、長期間保存した場合にもクリーミング現象の発生もなく、安定して良好な乳化状態を保つことが必要とされる。液状の濃厚流動食は、たんぱく質および/またはその分解物、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、安定剤、乳化剤および水を主成分とする。さらに炭素数14〜18の飽和脂肪酸0.005〜0.1重量%(内容物液に対して)を添加することが望ましい。
たんぱく質および/またはその分解物には、消化しやすく、かつ栄養価の高いものが使用される。たんぱく質および/またはその分解物としては、例えば、カゼインナトリウム、乳たんぱく質、鶏卵たんぱく質、大豆たんぱく質、魚たんぱく質、肉たんぱく質、ゼラチンなど、およびこれらの分解物とが挙げられる。これらの1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
脂質としては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセライド、大豆油、コーン油、なたね油、やし油、サフラワー油、エゴマ油、ラード、牛脂、魚油、およびこれらの加工油脂が挙げられる。これらの脂質は、市販品を用いてもよいし、事前に加工して用いてもよい。
糖類としては、単糖類、二糖類、少糖類および多糖類が挙げられる。なかでも、デキストリン、オリゴ糖等が好ましく挙げられる。前記の糖類は、1種単独で、または2種以上の成分を配合して使用してもよい。
【0016】
また、安定剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのリン酸塩およびクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩などの塩類が挙げられる。その含有量は、0.1〜1重量%が好ましく挙げられる。これらの安定剤は、1種または2種以上を配合して使用してもよい。
【0017】
乳化剤としては、例えば、大豆または卵黄リン脂質、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリドのコハク酸エステルまたはクエン酸エステル等のモノグリセリド誘導体などが挙げられる。特にコハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上を含む乳化剤の組み合わせが、乳化力および乳化安定性に優れているためより好ましい。
【0018】
こげつき防止のために、炭素数14〜18の飽和脂肪酸を添加する。例えばミリスチン酸、ペンタデシレン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などが挙げられる。
これらの飽和脂肪酸は、1種類又は2種類以上を組み合わせてもよい。また、その脂肪酸の配合量は濃厚流動食に対し、0.005〜0.1重量%の範囲が好ましい。飽和脂肪酸の配合量が、0.005重量%未満ではこげつきを完全に防止できず、0.1重量%を超えると濃厚流動食の乳化安定性が低下する傾向を示すので好ましくない。
【0019】
本発明の濃厚流動食を製造するには、まずたんぱく質および/またはその分解物、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、安定剤及び乳化剤/さらには飽和脂肪酸を後に示す配合割合で水に溶解する。溶解液は、高圧乳化機を用いて400〜700kg/cm2の圧力で更に均質化する。
【0020】
これらのたんぱく質および/またはその分解物、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル等を含む濃厚流動食は、栄養学的な統計に基づくバランスよく配合されており、製品の熱量は一般的には、2093〜6579ジュール/ml(0.5〜1.5kcal/ml)となるように調合される。主成分の割合は、製品に対して、たんぱく質および/またはその分解物が2.0〜6.5g/100ml、脂質は1.0〜5.0g/100ml、糖質は10〜30g/100mlである。
【0021】
さらに微量成分であるビタミン類およびミネラル類等は、栄養上必要な量を添加する。ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ニコチン酸、葉酸、チアミン、リボフラビン、ニアシン、ビオチン、パントテン酸、β−カロチン等が挙げられる。これらのビタミンは、栄養所要量を目安に予めそれぞれを配合したものを用いてもよい。その際の添加量は、0.01〜0.1重量%である。
ミネラルとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、鉄、セレン、クロム、モリブデン、リン、塩素等が挙げられる。これらのミネラルは、これらを含む化合物を、栄養所要量を目安に予めそれぞれを配合したものを用いてもよい。その際の添加量は、0.4〜1重量%である。
その結果として、灰分は0.1〜1.0g/100mlとなる。
【0022】
このようにして得られた濃厚流動食は、高温滅菌処理してソフトバックに充填するか、またはソフトバックに充填後に密封されてレトルト滅菌処理される。高温滅菌処理は、超高温瞬間加熱滅菌機、例えばスチームインジェクション又はスチームインフュージョン型の滅菌機などにより、130〜150℃において2秒〜60秒間の条件で実施される。
【0023】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、果汁、フレーバー類などを添加して、味覚を付与しても差し支えない。
またさらに、前記の成分の他に、水溶性または不溶性の食物繊維も添加してもよい。前記の食物繊維としては、例えば、結晶性セルロース、グアーガム分解物、難消化デキストリン、ポリデキストロース等が挙げられる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のソフトバック入り濃厚流動食は、前記のように包装材料が、自立性があり、例えばレトルト滅菌時や保管時あるいは、加水の作業時に立てて作業できる。また、濃厚流動食を投与する使用時には、吊り下げ穴から吊り下げて、容易にイリルガードル等の容器に移すことなく、したがって、細菌汚染の可能性も少ない方法で投与することができる。更に、投与後は、加水して洗浄したり、投与後の水分補給を容易にすることができる。また、本発明の濃厚流動食は、飽和脂肪酸を含有するので、レトルト滅菌時にこげを発生することなく、処理することができる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1
表1に示す各原料のうち、まず大豆油にコハク酸モノグリセリドを所定量加えて溶解させ、乳化剤溶液とした。次に別の容器に表1のその他の原料として、カゼインナトリウム、大豆たんぱく質分解物、デキストリン、ビタミンミックス、ミネラルミックス、クエン酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリドの所定量をかき混ぜながら溶解させた。この際の水の量は、所要量と考えられる量よりやや少な目とした。その中に先に製造した乳化剤溶液を加えて、更に水を追加し全量が1000Lの混合液とした。なお、ビタミンミックスとミネラルミックスは、それぞれ表2、表3のビタミンミックスとミネラルミックスを使用した。製造された混合液の熱量は、1.0kcal/mlであった。
次に、この混合液をプロペラ式攪拌機により、70℃で15分間予備乳化し、さらにこの予備乳化液を高圧均質機を用いて1段目500kg/cm2、2段目50kg/cm2の圧力で均質化処理して濃厚流動食を得た。この濃厚流動食400mlを幅150mm×長さ230mmのソフトバックに充填密封した。なお、ソフトバックはアルミ蒸着ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンのフイルムを組み合わせて作られている。底部の反対側にスパウトが装着され、その内口径は16mmである。
この充填済みのソフトバックを、熱水スプレー式静置レトルトを用いて115℃、35分間の滅菌処理を行い、本発明のソフトバック入り濃厚流動食を得た。
このソフトバックから中身を取り出した後、バックを切り開いてその内面を観察したが、全てにこげつき等の異常は認められ無かった。更に別の製品を6ヶ月間室温に保存したが、クリーミング現象も沈殿物も発生せず、良好な乳化安定性を示した。本ソフトバック入り濃厚流動食は、経管により患者の栄養補給に使用することができた。
【0026】
実施例2
成分を表1に示す各原料と量に変更した以外は、実施例1に準じて行った。すなわち、表1に示す各原料のうち、まず大豆油にコハク酸モノグリセリドを加えて溶解させ、乳化剤溶液とした。次に別の容器に表1のその他の原料を混合しかき混ぜながら溶解させた。この際の水の量は、所要量と考えられる量よりやや少な目とした。その中に先に製造した乳化剤溶液を加えて、更に水を追加し全量が1000Lの混合液とした。その他は、実施例1と同様にして、濃厚流動食を得て、ソフトバックに充填密封した。
混合液の熱量は、1.0kcal/mlであった。
この充填済みのソフトバックは、熱水スプレー式静置レトルトを用いて122℃、8分間の滅菌処理を行った。このソフトバックから中身を取り出した後、バックを切り開いてその内面を観察したが、全てにこげつき等の異常は認められ無かった。更に別の製品を6ヶ月間室温に保存したが、クリーミング現象も沈殿物も発生せず、良好な乳化安定性を示した。本ソフトバック入り濃厚流動食は、経管により患者の栄養補給に使用することができた。
【0027】
実施例3
成分を表1に示す各原料と量に変更した以外は、実施例1に準じて行った。まず中鎖脂肪酸トリグリセリドとなたね油とにクエン酸モノグリセリドとミリスチン酸とを加えて溶解させ、乳化剤溶液とした。一方、表1のその他の原料を、別に用意した所定量の水にかき混ぜて溶解させ、その中に先に得られた乳化剤溶液を加えて更に水を追加し全量が実施例1と同様にして1000Lの混合液とした。
混合液の熱量は、1.0kcal/mlであった。
次に、この混合液をプロペラ式攪拌機により、70℃で15分間予備乳化し、更にこの予備乳化液を均質機を用いて150kg/cm2の圧力で均質化し、次に高圧均質機を用いて500kg/cm2の圧力で均質化して濃厚流動食を得た。この濃厚流動食300mlを、横140mm×長さ220mmのソフトバックに充填密封した。なお、ソフトバックは、アルミ蒸着ポリエステル、酸化ケイ素蒸着ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンのフイルムを組み合わせて造られ、底部の反対側にスパウトが装着され、その内口径は16mmである。
この充填済みのソフトバックを熱水スプレー式静置レトルトを用いて、122℃、8分間の滅菌処理を行って、本発明のソフトバック入り濃厚流動食を得た。このソフトバックから中身を取り出し、バックを切り開いてその内面を観察したが、こげつき等の異常は認められ無かった。更に別の製品を6ヶ月間室温にて保存したが、クリーミング現象と沈殿物との発生もなく、良好な乳化安定性を示した。このソフトバック入り濃厚流動食は、経管により患者の栄養補給に使用することができた。
【0028】
実施例4
成分を表1に示す各原料と量に変更した以外は、実施例1に準じて行った。すなわち、表1に示す各原料のうち、まず大豆油にコハク酸モノグリセリドを加えて溶解させ、乳化剤溶液とした。次に別の容器に表1のその他の原料をかき混ぜながら溶解させた。この際の水の量は、所要量と考えられる量よりやや少な目とした。その中に先に製造した乳化剤溶液を加えて、更に水を追加し全量が1000Lの混合液とした。濃厚流動食を得て、この濃厚流動食400mlを幅150mm×長さ230mmのソフトバックに充填密封した。
得られた濃厚流動食の熱量は、1.0kcal/mlであった。
次に、実施例1と同様にして混合液をプロペラ式攪拌機により、70℃で15分間予備乳化し、さらにこの予備乳化液を高圧均質機を用いて1段目500kg/cm2、2段目50kg/cm2の圧力で均質化処理して濃厚流動食を得た。この濃厚流動食400mlを幅150mm×長さ230mmのソフトバックに充填密封した。なお、ソフトバックはアルミ蒸着ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンのフイルムを組み合わせて作られている。底部の反対側にスパウトが装着され、その内口径は16mmである。
この充填済みのソフトバックを、熱水スプレー式静置レトルトを用いて122℃、8分間の滅菌処理を行い、本発明のソフトバック入り濃厚流動食を得た。このソフトバックから中身を取り出し、バックを切り開いてそれら内面を観察した。 ソフトバックを6ヶ月間室温に保存したところ、いずれもクリーミング現象と沈殿物の発生は無く、良好な乳化安定性を示した。
【0029】
【表1】
Figure 0004513157
【0030】
【表2】
Figure 0004513157
【0031】
【表3】
Figure 0004513157
【0032】
以上の結果から、本発明のソフトバック入り濃厚流動食は、取扱いが容易で優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の平型ソフトバックの平面図
【図2】従来の自立型ソフトバックの平面図
【図3】従来の自立型ソフトバックの使用態様の図
【図4】従来の平型のサイホン式のソフトバックの図
【図5】従来の吊り下げ型で下部にネジ部を有するソフトバックの平面図
【図6】本発明の実施例の一例を示す平面図
【図7】本発明の実施例の一例を使用態様図
【符号の説明】
1:ソフトバック、2:内容物、3:吊り下げ用穴、4:取り出し口、5.ゴム様当て物、6.目盛、7.透孔、8.取り出し口のスパウト、
11.スタンデイングパウチ、12.底部、13.吊り下げ用穴、14.スパウト、15.アルミシール、16.カバーキャップ、17.チューブ。

Claims (1)

  1. ソフトバックに収納され、たんぱく質および/またはその分解物、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、安定剤、乳化剤および水を主成分とする熱量2093〜6579ジュール/ml(0.5〜1.5kcal/ml)の濃厚流動食において、濃厚流動食に対して炭素数14〜18の飽和脂肪酸0.005〜0.1重量%を含み、
    ソフトバックが底部に自立可能な形状を有し、底部に吊り下げ用の穴を有し、且つその底部に対向する上部に内口径が12〜50mmのスパウトを有し、ソフトバックを構成とする材料の少なくとも一層がアルミ蒸着フィルムであり、スパウトが底面に対して斜めの切り欠きに配置されることを特徴とするレトルト熱処理用のソフトバッグ入り濃厚流動食。
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