JP4513080B2 - 発泡複合成形体の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させてなる発泡複合成形体の改良された成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させた発泡複合成形体の製造するには、例えば発泡スチロール成形体の製造方法に準じて行われた。また、その改良方法として、特開平4−344227号公報あるいは特開平6−210753号公報が提案されている。
その方法で用いられる成形装置の概要を図5を用いて説明すると、先ず、上型11の下面と下型15の上面との間には、発泡部材を成形するための空間16か形成されている。そして、下型15の上面は、通気性多孔質部材18で形成され、その表面に添付される表皮17を、下部の排気空間19から減圧によって下型15の上面に吸着固定できるよう構成されている。
【0003】
また、上型11の内部は、左蒸気管11cを備えた左蒸気室11a、右蒸気管11dを備えた右蒸気室11bに分割され、左蒸気室11aの下面には、通気孔12aと原料ビーズ供給管13aが、同じく右蒸気室11bの下面には、通気孔12bと原料ビーズ供給管13bが配置されている。
【0004】
このような装置による成形方法では、先ず、表皮17を下型15の通気性多孔質部材18に吸着した状態で配置し、次いで上型11の下面には、基板14を配置して、上型と下型を閉じた状態とし発泡部材を形成する空間16を準備する。この場合、基板14には、前記通気孔12a、12bと原料ビーズ供給管13a、13bの開口に相当する透孔14c、14dと、14a、14bがそれぞれ透設してあるものとする。
【0005】
ここで、原料ビーズを充填エアを供給しながら原料ビーズ供給管13a、13bを通じて空間16に充填するのであるが、この場合前記蒸気室11a、11bはともに蒸気を供給することなく、減圧に維持し、通気孔12a、12bを通じて空間16内のエアを排気することにより、原料ビーズとともに送入される充填エアを強制的に排気し、原料ビーズのみを空間16内に残留させて充填させることができる。
【0006】
しかしながら、この成形装置であっては、全ての通気孔12a、12bが同時に減圧に操作されるので、前記空間16内の周辺部分には原料ビーズが充填されにくいうえ、この空間16が厚さが薄く、面積が広い場合には、特に、充填中に部分的な閉塞箇所が生じるなどして原料ビーズ供給管13a、13bの透孔14a、14bから離れた部分には原料ビーズが到達しにくくなり、その結果、充填むらが発生するのが避けられなかった。
【0007】
また、次にこの装置による成形方法における加熱方法は、加熱スチームを上型11の左蒸気管11cから、左蒸気室11a、通気孔12aの順に空間16に送り込み、充填された原料ビーズを加熱して、次いで通気孔12bから、右蒸気室11b、右蒸気管11dの順に流動して排出させるものである。
【0008】
このような加熱手法では、空間16内の加熱スチームの流れは、最も近接した通気孔12a、12b間をショートパスする傾向が生じることから、図5においては、中央部分が融着が進行するにもかかわらず、左右の端部に近い部分は融着が遅れるという加熱に偏りができ、その結果、製品の比重、外観、強度などの品質の不均一なむらとなって表れるという重大な問題があった。
【0009】
また、表皮、基板および発泡部材を素材面から考察すると、例えば自動車のダッシュボードなどに用いられている従来の組み合わせは、表皮には塩化ビニル、裏側部材にはポリプロピレン、発泡部材にはウレタンが用いられ、各表裏材を接着して一体化していたが、表皮、基板、発泡部材の各部分を同一成分系統の素材から構成してリサイクル可能とする必要性が高まってきた。この点から、表皮にはオレフィン系エラストマ(TPO)、発泡部材にはオレフィン系ポリプロピレンフォーム(EPP)に集約する技術開発が急務となっている。
【0010】
なお、前記公報では、表皮17、基板14および発泡部材としては、いずれもオレフィン系樹脂材料として、ポリプロピレン系、あるいはポリエチレン系からなるシート、フィラー含有ソリッド樹脂、発泡性樹脂ビーズなどが用いられる点が記載されているが、この方法によっても、例えばエアコンのドレンパン部材や自動車のダッシュボードなどに用いられている複合ボードのように、比較的厚さが薄く、面積の大きな、かつ凹凸や曲がりのある薄型異形長尺形状の発泡複合成形体を均質に製造するのは、前記した理由により、極めて困難であった。
【0011】
また、従来の方法では、減圧や蒸気供給のための通気孔12a、12bは25〜50mm間隔に配置され、それに対応して基板14にも透孔14c、14dが透設されていることから、金型加工費や組立費が割高になる不具合の他、基板14の強度が低下することから得られる発泡複合成形体の強度も低下するという問題もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化して成形する成形手法において、発泡部材成形用キャビティに充填される原料ビーズを均一性を改善するとともに、この充填原料ビーズの加熱、融着の均一性も改善する点にあり、かくして、従来の手法では製造不可能であった比較的厚さが薄く、面積の大きな、かつ凹凸や曲がりのある薄型異形長尺形状の発泡複合成形体の製造を可能とする成形装置およびその成形方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、次の本発明の発泡複合成形体の成形方法によって解決することができる。すなわち、発泡成形用キャビティを形成する型閉め、型開き可能な1組の金型間のキャビティの一方の金型側に表側部材と、他方の金型側に裏側部材を添付し、この表側部材と裏側部材との間に充填空間を設け、次いでこの充填空間に発泡性樹脂からなる原料ビーズを送入するとともに、裏側部材を配置した金型側に設けた複数の用役ノズルから排気して、原料ビーズを充填するに際して、原料ビーズを送入する充填器から最も離れた位置にある用役ノズルから排気を開始し、原料ビーズが充填されるに従い最も近い位置にある用役ノズルまで順次排気を行う充填工程によって充填した後、この充填された原料ビーズを加熱して発泡融着させ、前記表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させることを特徴とする発泡複合成形体の成形方法である。
【0015】
また、この発泡複合成形体の成形方法では、前記充填工程に後、前記用役ノズルのうち隣設する一方の用役ノズルから加熱スチームを供給し、他方から排気して充填原料ビーズを加熱するようにした加熱ステップ、および加熱スチームを全用役ノズルから圧入させ、充填原料ビーズを加熱融着するようにした本加熱ステップにより前記表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させる加熱融着工程を行う形態に具体化することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の発泡複合成形体の成形装置および成形方法に係る実施形態について、エアコンもドレンパン部材を構成する発泡複合成形体を事例として図1〜4を参照しながら説明する。
先ず、本発明の成形装置について述べると、この成形装置は、型内に配置した表側部材と裏側部材との間の空間に発泡性樹脂からなる原料ビーズを充填し加熱溶融させて一体化させた発泡複合成形体を成形するための成形装置である。
【0019】
図1(断面略図)、図2(斜視図)によって本発明の成形装置の要部を説明すると、先ず、例えば、ポリスチレン系樹脂からなる表側部材と裏側部材とが予め準備される。表側部材は出来上がり発泡複合成形体の表面層を構成するもので、所定の外観、表面テクスチュア、柔軟性、強度などを備えた厚さ0.3〜1.0mm程度のシート材として公知の手段で製作される。また、裏側部材は、成形体の機械的強度を負担するバックアップ部材であり、厚さ1.5〜5.0mm程度のプレート材が用いられる。
【0020】
図1に示すように、本発明の要部をなす、型閉め、型開き可能な1組の金型により形成される発泡成形用キャビティ6において、一方の金型(以下、a金型2という)側には表側部材4が添付され、他方の金型(以下、b金型3という)には、裏側部材5が添付される。
【0021】
そして、本発明の重要な特徴は、このb金型3の背面側には、発泡性樹脂からなる原料ビーズを送入する充填器61を配設するとともに、複数の用役ノズルa21、a31、a41、b21、b31、b41、・・・・を、その各ノズル口を前記キャビティ6に開口させて配置し、かつ、その用役ノズルa21〜b41、・・・は、配管系a2、a3、a4、b2、b3、b4、・・・を通じて、単独に、または複数のグループに区分して各々が、排気、加熱スチーム、加圧エア、またはドレンなど1種以上の用役が供給可能である用役供給装置(図示せず)に接続されている点にある。
この場合、前記裏側部材5は、前記充填器61と複数の用役ノズルa21などの開口に相当する位置に、原料ビーズ流通孔51と用役流通孔52を透設しておくものとする。
【0022】
ここで、充填器61と複数の用役ノズルの立体的配置について、b金型3の背面を示す斜視図である図2によって例示されるケースについて説明すると、キャビティ全面に対応する背面は、1以上の区域に区分されるものであり、この事例ではa、b、cの3区域に区分されている。この区域には、各1個の充填器61取付孔6a、6b、6cが設けられている。
そして、用役ノズルは区域ごとに、例えば、b区画については、第1列目の用役ノズル11、第2列目の用役ノズル21〜25、第3列目の用役ノズル31〜35、第4列目の用役ノズル41〜45、のようにb群の用役ノズルが複数列単位に1個以上づつ配置されている。このような配列構成は、a区画、b区画についても同様であるから説明は省く。
なお、本発明においては、a、b、cからなる区画、第1〜第4の列などの特定の個数に限定されないのはいうまでもない。
【0023】
次に、本発明における用役供給装置を図3の成形装置の配管系統図によって説明すると、先ず、この成形装置に用いられる排気、加熱スチーム、加圧エア、またはドレンなど用役は、b群については、主供給弁7a→サーバタンク73a→個別供給弁71a、b、c、dの順の配管系から供給され、個別排出弁72a、b、c、d→サーバタンク73b→主排出弁7bの順の配管系から排出される。なお、a群、c群についても同様である。
【0024】
この場合、用役のうち排気またはドレンは、排出側に設けた排気ポンプ、真空ポンプ、または排水ポンプによって排出され、また、加熱スチーム、加圧エアなどは、供給側に設けたボイラなどスチーム発生装置やエアコンプレッサから供給されるのであり、また供給側、排出側の各弁によって必要に応じて圧力制御が行われるものである。
そして、本発明の場合は、主供給弁7aおよび主排出弁7bは、排気、ドレンのための排気ポンプ、真空ポンプ、または排水ポンプ、あるいは加熱スチーム、加圧エアのためのボイラなどスチーム発生装置やエアコンプレッサに、任意に切り替え可能に接続されているのである。
【0025】
このように構成された配管系において、個別供給弁71a、b、c、dと、個別排出弁72a、b、c、dとを結ぶ配管系b1、b2、b3、b4の分岐配管が前記各列の用役ノズルに接続してある。従って、この実施形態では、各用役ノズルに対しては、列を単位にして任意の用役を制御しながら供給することができるのである。すなわち、用役ノズルを列毎に、用役供給の開閉操作はもちろん、加圧、減圧などの操作をコントロール可能とするものである。
【0026】
なお、本発明では、配管系の構成は、図2、3の形態の限定されないものであり、群の配置、群に属する充填器、用役ノズルの個数、郡内の列の構成などは、成形対象の形状、材質、成形条件などによって、最も効果的な組み合わせを採用すれば良いのである。例えば、図2、3の事例では、用役の制御は、群単位および列単位の2段階で行うものであるが、配管系をさらに細分化して、用役ノズル1個単位で制御することも可能である。
【0027】
次に、前記した本発明の成形装置の運転について、図1、4を参照して本発明の発泡複合成形体の成形方法の説明とともに、詳細に説明する。
先ず、第1の実施形態は、充填工程に特徴がある方法であり、図1のように発泡成形用キャビティ6を形成する型閉め、型開き可能な1組の金型間のキャビティの一方の金型2側に表側部材4を、他方の金型3側に裏側部材5を配置し、この表側部材4と裏側部材5との間に充填空間を設け、次いでこの充填空間に発泡性樹脂からなる原料ビーズを充填器61から充填エアを伴って送入するとともに、裏側部材5を配置した金型3側に設けた複数の用役ノズルa21〜a41、b21〜b41から排気して、原料ビーズを充填する点を基本操作とする。
【0028】
そして、重要な特徴は、前記用役ノズルの排気操作を、充填器61のノズル先端から最も離れた位置にある用役ノズル(図1の場合は、用役ノズルa41およびb41)から排気を開始し、原料ビーズが充填されるに従い最も近い位置にある用役ノズル(図1の場合は、用役ノズルa21およびb21)まで順次排気を行わせる充填工程を採用した点にある。
この充填後、充填原料ビーズを加熱して発泡融着させ、前記表側部材4と裏側部材5とを発泡部材を介して一体化させて、発泡複合成形体を得ることができる。
【0029】
この充填工程の挙動を図4によって、充填器61と用役ノズルa21、a31、a41の組合せを事例にして詳述する。
ステップ(1):用役ノズルa21、a31、a41の内、充填器61から最も離れた用役ノズルa41を排気状態に、手前の用役ノズルa21、a31をオフ状態にして機能を止め、原料タンク(図示せず)から搬送圧力で搬送されてきた原料ビーズを充填器61から充填エア62で充填用空間63に送入する。この場合、充填用空間63の用役ノズルa41が位置する端部付近に原料ビーズが堆積するようになる。
【0030】
ステップ(2):ステップ(1)の状態で、一旦原料ビーズの送入を停止し、充填エア62の送気によって、用役ノズルa41が位置する付近の原料ビーズに圧力をかけて、充填を促進する追加圧のステップである。
ステップ(3):用役ノズルa31をオンにし排気状態にするとともに、原料ビーズの送入を再開して充填を継続して、用役ノズルa31の位置付近まで原料ビーズを堆積させる。
【0031】
ステップ(4):ステップ(2)に同じく追加圧のステップで、ステップ(3)で充填された原料ビーズに対して加圧するものである。
ステップ(5):用役ノズルa21をオンにし排気状態にする(この段階で全用役ノズルはオンとなる)とともに、原料ビーズの送入を再開して充填を継続して、用役ノズルa21から充填器61の位置にかけて原料ビーズを堆積させる。
この各ステップにおいて、堆積した原料ビーズは遠方の用役ノズルの排気が継続されるので、逐次充填が進行して全体に充填密度が上昇するのである。
ステップ(6)は、ブローバックのステップで、充填終了時に、充填エア62圧力と原料ビーズの搬送圧力を逆転させて、充填器61および搬送配管内の原料ビーズを原料タンク側にフィードバックさせる。
【0032】
以上の説明は、単純な、充填器61と用役ノズルa21、a31、a41の組合せを事例にしたものであるが、本発明では、図3に示すような、a群、b群、c群などの各用役ノズル群について、その多数の個々の用役ノズルに適用できるのは言うまでもなく、すなわち、各個別の供給弁71a〜d、排出弁72a〜dを制御して、個々のノズル単位に、あるいは前記した複数のノズルからなる列単位に、充填操作を行い、目的とする発泡複合成形体の形状に対応させた充填工程を採用することができるものである。
【0033】
次に、本発明の発泡複合成形体の成形方法において、加熱融着工程に特徴がある第2の実施形態を説明する。
この方法は、前記した充填工程に後、次の予備加熱ステップと本加熱ステップを行うものである。すなわち、予備加熱ステップは、前記用役ノズルのうち隣設する一方の用役ノズル(例えば図1の用役ノズルa31)から加熱スチームを供給し、他方の用役ノズル(図1の用役ノズルa21およびa41)から排気して、加熱スチームを流通させ充填原料ビーズを加熱するものであり、また、本加熱ステップは、加熱スチームを全用役ノズル(前例では図1の用役ノズルa21、a31、a41)から圧入させ、充填原料ビーズ全体を加熱融着するものである。かくして、温度むらの少ない均一な加熱融着工程が実施可能となり前記表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させることができる。
【0034】
この実施形態は、図3に示す配管系にも適用できる方法であり、すなわち、主供給弁7aから加熱スチームを供給し、主排出弁7bを排気系に接続して廃スチームを取り出すように設定し、a群、b群、c群などの各用役ノズル群について、各供給弁、排出弁を制御して、個々のノズル単位に、あるいは前記した列単位に、この予備加熱ステップと本加熱ステップを含む加熱融着工程を適用することができる。
【0035】
充填原料ビーズ内を通過する加熱スチームのパスの長さは、従来方法の場合は長短のパスが混在するため、充填原料ビーズに与える熱量に大きなばらつきが生じてしまい、その結果の温度むらは発泡成形体の融着むらの原因となっていたが、本発明の加熱融着工程によれば、加熱スチームの流通パスは、隣設する用役ノズル間に通じるものであるから、距離が比較的短く、揃っている点から、加熱条件にばらつきが少なくなり、発泡成形体の融着むらが顕著に改善されるのである。
【0036】
さらに、前記予備加熱ステップにおいて、加熱スチームの流通方向を1方向に固定するのではなく、適宜に反転させ、さらには反転を繰り返すなどにより、加熱むらをさらに抑制することが可能となる。
なお、前記予備加熱ステップの前段として、融着温度以下のスチームを送入して充填空間内の空気を排気して、内部に予めスチームを充満させる排気ステップを付加する方法が、原料ビーズの発泡の障害になる空気が除去でき、後段の均一加熱をより効果的に行うことができるので、より好ましい。この場合には、互いに離れている用役ノズル間、例えば、用役ノズルa21〜a41の間で送入、排気を行うようにしてもよい。
【0037】
本発明の発泡複合成形体の成形装置および成形方法は、以上説明した点を特徴とし、充填むら、加熱むら、および融着むらを効果的に抑制するものであるが、そこで使用される表側部材、裏側部材、原料ビーズがいずれも同一成分系の合成樹脂であるであるときは、原料ビーズの加熱融着工程において、原料ビーズが発泡成形体を形成すると同時に、表側部材と裏側部材に融着して全体が一体化できるので、特に好ましい成形方法、成形装置ということができる。
【0038】
さらに、従来のスチームチャンバを備えた構造では、各種用役の供給、排出のためのコアベントを金型全面に25〜40mmピッチで配置する必要があったが、本発明の用役ノズルの場合は、前記した充填操作や加熱溶着操作が可能なので100〜200mmピッチの間隔を大きく配置すればよくなるで、その配置個数は、従来比約1/10で済む。このため、金型の組立て、加工費が大幅に削減できという設備費の面でも有利となる利点が得られる。
【0039】
次に、本発明の発泡複合成形体について、一部を切り欠いた斜視図である図6を参照して説明する。
本発明の発泡複合成形体の特徴とするところは、前記したいずれかの発泡複合成形体の成形方法により得られるもので、表側部材4と裏側部材5とを発泡部材8を介して一体化された発泡複合成形体において、用役ノズル(図1におけるa21、a31、a41を参照)が配置される金型側に配設された裏側部材5の板面にあって、成形時にノズル口が望む位置に透設された用役流通孔52a、52bの孔径が20mm以下の大きさであって、かつそのピッチF、Dが前記孔径の5倍以上に設定されている点にある。
このように、本発明では用役流通孔の孔径に対して、その配置ピッチを比較的大きく設定しうるので、用役流通孔が透設されてていても、裏側部材5の機械的強度を低下させることがない。
【0040】
また、本発明の発泡複合成形体は、表面積の対して厚さが薄く、かつ凹凸形状やうねり曲がり形状を有する薄型異形長尺形状の形態に具体化できるので、後記する家庭電化製品の構成部材、自動車等車両の内装部材などに特に好適に用いられる。
【0041】
さらには、前記裏側部材5に透設された用役流通孔52a、52bのうち、発泡複合成形体の外周縁部(発泡部材8の末端部分81において表側部材4と裏側部材5とが直接重ねられる部分の相当する)に沿って配置された用役流通孔52bを除く用役流通孔52aの相互の間隔Fが、その発泡部材8の厚さEが10mm未満の部分では少なくとも100mmのピッチに配置され、かつ前記厚さEが10mm以上の部分では少なくとも150mmピッチに配置されている形態として具体化することができる。
かくして、用役流通孔52aの孔径は通常10mm内外に設定されるので、この実施形態では、この用役流通孔52a相互のピッチはその孔径の約10倍以上の大きさになるから、裏側部材5の機械的強度を低下させるようなおそれは全くない。
【0042】
また、本発明の発泡複合成形体は、内部の発泡部材の厚さを以下に述べる条件に設定すると、それぞれの特定の用途に特に好ましく適用される。
(1)用途が容器の場合は、表側部材の表面積の70%以上の部位における発泡部材の厚さが30mm以下に設定される。
(2)用途がエアコン、空気清浄器、冷蔵庫などの外装断熱部材、それらのドレンパン部材、冷気ダクトなど家庭電化製品の構成部材である場合は、表側部材の表面積の70%以上の部位における発泡部材の厚さが30mm以下に設定される。
【0043】
(3)用途が天井材、壁材、パーティッションウォール面材、床材など建築内装材である場合は、表側部材の表面積の90%以上の部位における発泡部材の厚さが100mm以下に設定される。
(4)用途がドアトリム、グローブボックス、トランクルーム、インストルパネル、天井などの自動車等車両の内装部分に使用される内装部材である場合は、表側部材の表面積の70%以上の部位における発泡部材の厚さが30mm以下に設定される。
【0044】
(5)用途が自動車等車両の床部材である場合は、表側部材の表面積の70%以上の部位における発泡部材の厚さが150mm以下に設定される。
(6)用途が自動車等車両のバンパーなどの衝撃吸収部材である場合は、前記表側部材側が全体として長手方向に対して直角方向に膨出した形態の、肉厚ブロックに形成され、その頂部に相当する部位における発泡部材の厚さが500mm以下に設定される。
【0045】
以上説明した本発明の改良された成形装置および成形方法によって得られる発泡複合成形体は、その意匠性、弾力感触性、断熱、吸音性、ボード材としての強度、生産コストなどに優れたものとして品質にバラツキのない大型部材を低コストに提供される。特に、次のような家庭電化製品の構成部材、自動車等車両の内装部材あるいは建築内装材として特に有用な材料となる。
(1)家庭電化製品の構成部材
例えば、エアコン、空気清浄器、冷蔵庫などの外装断熱部材、内部のドレンパン部材、冷気ダクト部材などの機能性部材。
【0046】
(2)自動車等車両の内装部材
例えば、ドアトリム、グローブボックス、トランクトリムおよびインストルメントパネルなどの内装部材。衝撃吸収部材のような長大形状の部材。特に、広い面積を一体成形で対応できるので、大型部品のコストダウンに効果的である。
(3)建築内装材
例えば、従来の合成樹脂製品が応用された天井材、壁材、床材の分野で優れた居住性が提供できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の発泡複合成形体の成形装置およびその成形方法は、以上に説明したように構成されているので、表側部材と裏側部材と芯材である発泡部材とからなる発泡複合成形体の一体成形において、原料ビーズの充填時、あるいは加熱、融着時の均一性が改善され、充填むら、発泡むらなどの不具合を解消するものであり、特に、比較的厚さが薄く、表面積が大きく、かつ凹凸や曲がりのある薄型異形長尺形状の発泡複合成形体を品質むらなく、かつ強度が低下することなく製造することができるうえ、設備費のコストダウンに寄与するという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消した発泡複合成形体の成形方法として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形装置を説明するための成形金型断面略図。
【図2】本発明の成形装置のb金型の背面を示す要部斜視図。
【図3】本発明の成形装置の配管系統図。
【図4】本発明の成形方法の充填工程を説明するための各ステップの説明図。
【図5】従来の成形方法を説明するための成形金型断面略図。
【図6】本発明の発泡複合成形体を説明するための一部切り欠いた要部斜視図。
【符号の説明】
2 a金型、3 b金型、4 表側部材、5 裏側部材、51 原料ビーズ流通孔、52、52a、52b 用役流通孔、6 キャビティ、6a、6b、6c 充填器取付孔、61 充填器、7a 主供給弁、7b 主排出弁、71a、b、c、d 個別供給弁、72a、b、c、d 個別排出弁、73a、73b サーバタンク、8 発泡部材、a21、a31、a41、b21、b31、b41 用役ノズル、a2、a3、a4、b2、b3、b4 配管系。
Claims (4)
- 発泡成形用キャビティを形成する型閉め、型開き可能な1組の金型間のキャビティの一方の金型側に表側部材と、他方の金型側に裏側部材を添付し、この表側部材と裏側部材との間に充填空間を設け、次いでこの充填空間に発泡性樹脂からなる原料ビーズを送入するとともに、裏側部材を配置した金型側に設けた複数の用役ノズルから排気して、原料ビーズを充填するに際して、原料ビーズを送入する充填器から最も離れた位置にある用役ノズルから排気を開始し、原料ビーズが充填されるに従い最も近い位置にある用役ノズルまで順次排気を行う充填工程によって充填した後、この充填された原料ビーズを加熱して発泡融着させ、前記表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させることを特徴とする発泡複合成形体の成形方法。
- 前記表側部材、裏側部材、原料ビーズがいずれも同一系の樹脂である請求項1に記載の発泡複合成形体の成形方法。
- 前記充填工程において、充填器から原料ビーズを送入しながら用役ノズルから排気を行う送入充填ステップと、原料ビーズの送入を停止し充填エアの供給を継続しつつ用役ノズルから排気を行う加圧充填ステップとを1回または複数回繰り返し行う請求項1または2に記載の発泡複合成形体の成形方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の充填工程後に、前記用役ノズルのうち隣設する一方の用役ノズルから加熱スチームを供給し、他方から排気して充填原料ビーズを加熱するようにした加熱ステップ、および加熱スチームを全用役ノズルから圧入させ、充填原料ビーズを加熱融着するようにした本加熱ステップにより前記表側部材と裏側部材とを発泡部材を介して一体化させることを特徴とする発泡複合成形体の成形方法。
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