JP4513019B2 - 搬送システム - Google Patents

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この発明は搬送システムに関し、特に特急品を優先して搬送することに関する。
出願人は、天井走行車システムでの走行ルートの側方や下方にバッファを設けて、物品を仮置きすることを提案した(特許文献1)。しかしながら特許文献1では、特急品の搬送についてバッファをどのように用いるかを開示していない。
特開2003−212112号公報
この発明の課題は、搬送予定の物品がロードポートを占有することなく、特急品を目的のロードポートへ速やかに搬送することにある。
この発明での追加の課題は、搬送先を変更した物品を、目的のロードポートに速やかに搬送できる位置で待機させることにある。
この発明は、搬送車の走行経路に沿って処理装置と物品の仮置き用のバッファとを配置して、コントローラからの搬送指令により物品を搬送するようにしたシステムにおいて、前記走行経路は一方通行でかつそれぞれバッファを備えた複数のエリアに分割され、第1の搬送車が第1の物品を処理装置のロードポートへ搬送中に、同じロードポートに対してより搬送の優先度が高い第2の物品が発生した際に、前記コントローラは、第1の搬送車による第1の物品の搬送先をバッファに変更して、第1の物品をバッファに仮置きすると共に、第2の搬送車に第2の物品を前記ロードポートへ搬送する搬送指令を割り付け、さらに前記コントローラは、前記ロードポートの属するエリアよりも直上流側のエリアの空きバッファを検索して、空きバッファが有れば前記第1の搬送車の搬送先として割り付けるようにしたことを特徴とする。
特に好ましくは、前記走行経路はインターベイルートと複数のイントラベイルートとからなり、イントラベイルートを複数に区分したものが前記エリアで、前記コントローラは、前記直上流側のエリアに空きバッファが無い際に、同じイントラベイルート内でより上流側のエリアの空きバッファを検索し、同じイントラベイルート内に空きバッファが無い場合、他のイントラベイルート内の空きバッファを検索して、検索した空きバッファを前記第1の搬送車の搬送先として割り付ける。
この発明では、第1の物品の搬送中に同じロードポートを搬送先として、より優先度の高い第2の物品が発生した際に、第2の物品を優先してロードポートへ搬入できる。そして第1の物品はバッファで待機させるので、ロードポートを塞がない。
走行経路を複数のエリアに区分し、目的のロードポートよりも直上流側のエリアのバッファを用いると、目的ロードポートと向かい合ったバッファなどを用いる場合よりも、目的のロードポートから離れた位置のバッファを用いることになる。しかしこれに伴ってより広い範囲からバッファを検索できる。即ち目的のロードポートの属するエリアでロードポートの対向位置もしくはその上流側から空きバッファを検索する場合よりも、直上流側のエリアの方が広い範囲から空きのバッファを検索できる。また同じエリア内で目的のロードポートへの荷下ろしとバッファへの荷下ろし並びにバッファからの荷積みを行う場合に比べ、バッファへの荷下ろしや荷積みを行う位置を直上流側のエリアに移することにより、渋滞を緩和できる。
特にイントラベイルートを複数のエリアに区分し、同じイントラベイルート内の直上流側のエリアからさらに上流側のエリアの順で空きバッファを検索し、同じイントラベイルート内に空きバッファが無い場合は、他のイントラベイルート内の空きバッファに物品を仮置きする。すると目的のロードポートが空いたときに速やかに物品を供給できる空きバッファを用いることができる。またインターベイルートに沿ったバッファに物品を仮置きしないので、インターベイルートをバッファとの物品の移載で塞ぐことがない。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
図1,図2に、実施例の搬送システムを示す。実施例では天井走行車システム2を例とするが、地上走行の有軌道台車システムや地上を無軌道で走行する無人搬送車のシステムなどとしてもよい。天井走行車システム2は例えばクリーンルーム内に設置され、半導体工場などで仕掛品の半導体基板を収容したカセットを搬送する。走行ルートは、基幹となるインターベイルート4と、インターベイルート4に接続された複数のイントラベイルート6とから成り、各々一方通行である。イントラベイルート6は周回走行が可能なループ状のルートであるが、ループを構成しないU字状のルートでも良い。
8,9はベイで、ベイ8,9内での搬送のためにイントラベイルート6が設けられ、10〜15は処理装置群で、1〜複数個の処理装置から成るグループで、処理装置には検査装置を含むものとする。ベイ8で、各処理装置群10〜15に対応してバッファ群18〜23を設け、これは例えばイントラベイルート6の側方に設けた仮置き用のバッファの群で、これ以外にイントラベイルート6の下方にもバッファを設けることができる。ベイ9では同様に、処理装置群30〜37とバッファ群38〜45を設ける。そしてベイ8,9を処理装置群10〜15,30〜37毎にエリアに分割し、各エリアにはそれぞれのバッファ群18〜23,38〜45を設ける。
ここでベイ8の目的ロードポート50に対して、第1の物品を天井走行車52で搬送中であるとする。ここで例えば、ベイ9の出発ロードポート51(より後方あるいは遠方のロードポート)から同じ目的ロードポート50に対し、より搬送の優先度の高い物品が発生したとする。54は空きの天井走行車で、60はコントローラで、天井走行車システム2を管理し、図示しない生産管理システムから物品の搬送要求を受け付け、これを天井走行車52,54等に搬送指令として割り付けて実行させ、実行結果を報告する。そして生産管理システムからの搬送要求は搬送物品のIDと出発地のロードポートのID並びに搬送先のロードポートのIDである。これ以外に生産管理システムは、搬送先のロードポートの状態をコントローラ60へ通知する。
コントローラ60は搬送要求に応じて、出発地のロードポートから搬送先のロードポートへの搬送指令、もしくは出発地のロードポートから搬送先のロードポートよりも上流側のバッファへの搬送指令を作成する。バッファへ搬入した場合、搬送先のロードポートが空くのを待って、別の天井走行車にバッファから搬送先のロードポートまでの搬送指令を割り付ける。またコントローラ60は各バッファの在庫を管理し、在庫管理データは例えばバッファのアドレスと、物品の在/空の区別、物品のID、物品の次の搬送先のロードポートのID、物品を搬出した元のロードポートのIDである。
追い越し管理部62は特急品の搬送に関する追い越しを管理する。ここで追い越しは、既に搬送指令を割り付け済みの物品を追い越すようにして、同じ目的ロードポートに対し別の搬送物品を優先して搬送することである。
追い越し管理部62での処理を図2に示す。例えば物品AをロードポートCに対して、天井走行車52で搬送中であるとする。ここでより後方の別のロードポートに、より搬送の優先度の高い物品Bが発生したことを、生産管理システムから通知されたとする。物品Aが既に目的のロードポートに到着済の場合、優先度の高い物品Bを仮置きできるバッファを、目的のロードポートの属するエリアよりも同じベイ(イントラベイルート)内で直上流側のエリアから順次より上流側のエリアへと検索し、検索したバッファへの搬送指令を割付ける。例えば図1の場合、物品Bをバッファ20へ搬送させるが、バッファ21やバッファ22,バッファ23などへ搬送させても良い。同じイントラベイルート内に空きのバッファが無い場合、他のイントラベイルートに対して、その出口に近いエリアを優先するように空きのバッファを検索し、物品Bをこのバッファへ搬送させる。例えば図1のベイ9の最も出口に近いバッファ38へ仮置きさせる。
優先度の低い物品が目的のロードポートに到着していない場合、その物品の搬送先をロードポートからバッファに変更し、目的のロードポートの属するエリアよりも同じベイ内で直上流側のエリアから順次より上流側のエリアへと検索し、検索したバッファへの搬送指令を割付ける。例えば図1の場合、バッファ20>バッファ21>バッファ22>バッファ23>バッファ18>バッファ19の順に空きバッファを探索して、搬送指令を割付ける。同じイントラベイルート内に空きのバッファが無い場合、図示しない他のイントラベイルートに対して、その出口に近いエリアを優先するように空きのバッファを検索し、優先度の低い物品をこのバッファへ搬送させる。例えば優先度の低い物品Aの搬送先をバッファ群20のバッファDに変更し、優先度の高い物品Bの搬送先を目的のロードポートにするように搬送指令を発行する。この後、目的のロードポートが空くのを待って、バッファから仮置きした物品を搬送する。
実施例では以下の効果が得られる。
(1) 特急品が発生した場合、搬送中の物品よりも優先して目的のロードポートへ搬入できる。
(2) この際にバッファに物品を仮置きするので、物品がロードポートを塞がず、また追い越された物品をベイ内を周回移動させて待機させる必要がない。このため周回走行用に天井走行車を割り付ける必要が無く、また目的のロードポートが空くと比較的短時間で物品を搬入できる。
(3) 物品の仮置き先は目的のロードポートよりも上流側のエリアとする。例えば目的のロードポートと向かい合った位置のバッファを仮置き先とすると、このバッファが塞がっている場合、追い越しは不可能になる。これに対して直上流側のエリアからさらに上流側のエリアへの順に空きバッファを検索し、同じベイ内に空きバッファが無い場合、他のベイの出口に近いバッファを割り当てると、確実に空きバッファを検索できる。
(4) インターベイルートに物品を仮置きしないので、インターベイルートが物品の移載で塞がれることがない。
(5) 目的のロードポートと向かい合ったバッファを仮置き先とすると、走行ルート上の同じ位置でバッファへの物品の仮置き、ロードポートへの物品の仮置き、バッファからの物品の荷積み、及び目的ロードポートへの荷下ろしの合計4回分の移載時間の間、イントラベイルートが同じ位置で塞がれることになる。これに対して、上流側のバッファを利用すると、バッファに面した位置で2回、並びに目的のロードポートで2回、別のエリアで走行ルートが塞がれ、走行ルートが塞がれる位置が分散するので、渋滞を緩和できる。
実施例の搬送システムのレイアウトの要部平面図 実施例での追い越しアルゴリズムを示すフローチャート
符号の説明
2 天井走行車システム
4 インターベイルート
6 イントラベイルート
8,9 ベイ
10〜15 処理装置群
18〜23 バッファ群
30〜37 処理装置群
38〜45 バッファ群
50 目的ロードポート
51 出発ロードポート
52,54 天井走行車
60 コントローラ
62 追い越し管理部

Claims (2)

  1. 搬送車の走行経路に沿って処理装置と物品の仮置き用のバッファとを配置して、コントローラからの搬送指令により物品を搬送するようにしたシステムにおいて、
    前記走行経路は一方通行でかつそれぞれバッファを備えた複数のエリアに分割され、
    第1の搬送車が第1の物品を処理装置のロードポートへ搬送中に、同じロードポートに対してより搬送の優先度が高い第2の物品が発生した際に、
    前記コントローラは、第1の搬送車による第1の物品の搬送先をバッファに変更して、第1の物品をバッファに仮置きすると共に、第2の搬送車に第2の物品を前記ロードポートへ搬送する搬送指令を割り付け、さらに前記コントローラは、前記ロードポートの属するエリアよりも直上流側のエリアの空きバッファを検索して、空きバッファが有れば前記第1の搬送車の搬送先として割り付けるようにしたことを特徴とする、搬送システム。
  2. 前記走行経路はインターベイルートと複数のイントラベイルートとからなり、イントラベイルートを複数に区分したものが前記エリアで、
    前記コントローラは、前記直上流側のエリアに空きバッファが無い際に、同じイントラベイルート内でより上流側のエリアの空きバッファを検索し、同じイントラベイルート内に空きバッファが無い場合、他のイントラベイルート内の空きバッファを検索して、検索した空きバッファを前記第1の搬送車の搬送先として割り付けるようにしたことを特徴とする、請求項1の搬送システム。
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