JP4512740B2 - こんろ器体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、テーブルこんろ、ビルトインこんろなどのこんろ器体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケース本体、ケースアングル、左右の支柱、後板、左右の前面パネルなどの構成部品からなるこんろ器体においては、ケース本体を支柱によりその前面部において両側のこんろ部と中央のグリル部とに区画するようになっているが、従来、上記支柱の取付けを、たとえば、図6及び図7に示されているように、支柱3′の下端一側に一体形成されている取付板10′のバーリング孔11′にケース本体1′の取付孔14′を介して下部から締付けビス9′を螺挿して締付け固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした支柱取付け手段では、ビス止めであるから組み立て作業に多くの時間を要し作業能率は低下する。また、1本のビス止めで取付けているため、すぐガタつきが生じて位置決めが安定せず前面パネルなどの組み付け作業に困難性があり、強度的にも弱く耐久性の点で劣るといった問題点があった。
この発明のこんろ器体は前記課題を解決し、支柱を所定方向へ所定の角度だけ回転操作するだけのワンタッチ操作でケース本体に対する支柱の正確な位置決めと強固な取付け固定とが行いうるこんろ器体の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するこの発明の請求項1のこんろ器体は、
ケース本体と、該ケース本体の前端上部に固定されたケースアングルと、該ケースアングルと前記ケース本体の前面底壁との間で前面部において両側のこんろ部と中央のグリル部とを区画するために取付け固定する2つの支柱と、前記ケース本体の後板と、前記2つの支柱で区画される前記両側のこんろ部の前面パネルとを備えたこんろ器体であって、
前記2つの支柱は、下端一側に一体形成され、中央に支持孔と、両端に反対方向を向いて突設された係止爪とを備えた係止板を有し、
前記ケース本体の前面底壁は、前記支柱の係止板の支持孔が回転自由に嵌入できるバーリング孔と、前記バーリング孔を中心として回転される前記係止板の両端の前記係止爪がのり越える係止凸部と、両端の前記係止爪が嵌入する係合孔を備えた係合部を備え、
前記ケース本体に対する前記支柱の取付けは、前記支柱の下端に形成された前記係止板の前記支持孔を前記ケース本体の前面底壁の前記バーリング孔に嵌め付けた後、前記支柱を前記ケース本体の前記バーリング孔を中心として回転させ、前記支柱の係止板が前記ケース本体の前面底壁の係止凸部をのり越えて前記係合部の係止孔に嵌入することにより位置決め固定されるようにしたことを要旨とする。
【0005】
前記課題を解決するこの発明の請求項2のこんろ器体は、前記請求項1記載のこんろ器体において、
前記支柱の係止板の係止爪の基端部の横幅と前記ケース本体の係合孔と係合凸部との間隙は略同一とされ、
前記支柱の回転操作により、前記係止板に備えた係止爪が前記係合部に備えた係合孔に嵌入係止されると同時に前記ケース本体に備えた係止凸部に、前記係止板が係止されて支柱の逆回転が規制されることにより、前記ケース本体に対する前記支柱の位置決めと取付け固定とがされることを要旨とする。
【0006】
前記課題を解決するこの発明の請求項3のこんろ器体は、前記請求項1または2に記載のこんろ器体において、
前記ケース本体の係合孔と前記係止凸部は、ルーバ形状となっていることを要旨とする。
【0007】
前記課題を解決するこの発明の請求項4のこんろ器体は、前記請求項1ないし3のいずれかに記載のこんろ器体において、
前記支柱の係止板は、前記係合部の係合孔に嵌合ロックするため前記係止爪の上面に低い凸条が一体形成されていることを要旨とする。
【0008】
前記構成を有するこの発明のこんろ器体は、ケース本体、ケースアングル、左右の支柱、後板、左右の前面パネルなどの構成部品からなるこんろ器体において、ケース本体に対する支柱の取付けは支柱を回転操作することで支柱の下端に一体形成された係止板がケース本体に一体形成された係合部に嵌合ロックして位置決め固定されるので、簡単なワンタッチ操作でケース本体に対する支柱の正確な位置決めと強固な取付け固定とが行いうる。この結果、従来のビス止めのものに比べ組み立て作業の能率は向上し、支柱の安定的な取付け固定が行い得て前面パネルなどの組み付け作業が簡易にできる。また、強度的にも強く耐久性は倍加する。
【0009】
前記構成を有するこの発明のこんろ器体は、支柱の位置決めと取付け固定とが、支柱の回転操作により係止板に備えた係止爪が係合部に備えた係合孔に嵌入係止されると同時にケース本体に備えた係止凸部に係止板が係止されて支柱の逆回転が規制される嵌合ロック手段によって正確、かつ、強固に行われる。この結果、前記こんろ器体の支柱取付け構造の具現化が低コストのもとに容易に実現できる。
【0010】
前記構成を有するこの発明のこんろ器体は、支柱の回転中心はケース本体に備えたバーリング孔に係止板の略中央位置に備えた支持孔を嵌めつけて形成されている。この結果、前記こんろ器体の支柱取付け構造の具現化が低コストのもとに実現できる。
【0011】
前記構成を有するこの発明のこんろ器体は、係合孔と係止凸部はルーバ形状となっているから、係止爪の係合孔への嵌入係止と係止板の係止凸部への係止とがルーバ形状の大小に挟まれる状態のもとに行われる。この結果、支柱の位置決めと取付け固定とが正確、かつ、強固に行われ、前記こんろ器体の支柱取付け構造の具現化が低コストのもとにより容易に実現できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成、作用を一層明確にするために、以下この発明のこんろ器体の好適な実施の形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
こんろ器体Aはケース本体1、ケースアングル2、左右の支柱3、4、後板5、左右の前面パネル6、7などの構成部品からなり(図4参照)、ケース本体1の前端上部にケースアングル2を止めビス8により固定し、このケースアングル2とケース本体1の前面底壁1aとの間に2つの支柱3、4を取付け固定してケース本体1を支柱3、4により前面部において両側のこんろ部B、Bと中央のグリル部Gとに区画するようになっている。なお、支柱3、4の下部はケース本体1の底壁1aに後述する嵌合ロック手段Dで取付け固定するものであるが、上部は止めビス9でケースアングル2に締付け固定するものである(図5参照)。
【0014】
上記支柱3、4の下端一側には係止板10が一体形成されている。なお、左右の2つの支柱3、4は同一構造につき、一方の支柱3についてのみ以下に説明し、他方の支柱4についての説明は省略する。
上記係止板10の略中央位置に支持孔11が穿たれ、その両端には係止爪12が反対方向に向いて突設されている。なお、上記係止爪12の上面に低い凸条12aを一体形成して後述する係合孔13への嵌入係止がより強固、確実に行いうるようにするのが望ましい(図2参照)。
【0015】
上記ケース本体1の前面底壁1aには、上記支柱3の係止板10における支持孔11が回転自由に嵌入できるバーリング孔14と両端の係止爪12が嵌入係止する係合孔13及び係止凸部15とが一体に形成されており、上記係止板10とで嵌合ロック手段Dを構成している。
【0016】
なお、上記係止板10の支持孔11とケース本体1のバーリング孔14は略同一径としてガタつくことのないようにし、また、係止板10の係止爪12の基端部の横幅aとケース本体1の係合孔13と係止凸部15との間隙bは略同一(a≒b)とし、さらに、上記係合孔13と係止凸部15は大小のルーバ形状とするのが望ましい。
【0017】
上記構成において、ケース本体1に対し支柱3を略45度程度傾けてケース本体1の前面底壁1aのバーリング孔14に支柱3の下端一側に一体形成された係止板10の支持孔11を嵌めつけ(図1の鎖線の状態参照)、その後、支柱3を図示時計方向へ回転すると、係止板10の両端の係止爪12、12が手前の小さい係止凸部15、15をその復元力に抗してのり越え係合孔13、13に嵌合係止される。このとき、係止板10の係止爪12の略反対側が係止凸部15、15に係止され、係止板10は係合孔12、12と係止凸部15、15のルーバ形状の大小に挟まれた状態のもとにぴったりと嵌合ロックされる(図1の実線の状態参照)。したがって、支柱3はケース本体1に対し正確な位置決めと強固な取付け固定とがなされる。その後、支柱3の上部をケースアングル2に止めビス9により締付け固定すれば、支柱3の取付け作業は完了する。
【0018】
以上この発明の実施の形態の一例について説明したが、この発明はこうした実施の形態のものに何等限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
この発明は以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0020】
この発明のこんろ器体によれば、簡単なワンタッチ回転操作でケース本体に対する支柱の正確な位置決めと強固な取付け固定とが行いうるから、従来のビス止めのものに比べ組み立て作業の能率向上は勿論、支柱の安定的な取付け固定が行い得て支柱に対する前面パネルその他の構成部品の組み付け作業が適正、かつ、簡易にできる。
また、前後2点でガタのないように嵌合ロックするから、強度的にも強く耐久性も著しく向上する。さらに、構造的にも簡単であるから、コスト的にも安価に提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のこんろ器体の支柱取付け構造の使用状態の一例を示した要部だけの一部切断平面図である。
【図2】 その支柱だけの平面図である。
【図3】 そのケース本体部分の平面図である。
【図4】 こんろ器体の主要構成部品の分解斜視図である。
【図5】 その組み立て状態の一部斜視図である。
【図6】 従来例の要部だけの一部切断側面図である。
【図7】 その一部拡大断面図である。
【符号の説明】
A…こんろ器体
1…ケース本体
2…ケースアングル
3、4…支柱
5…後板
6、7…前面パネル
10…係止板
11…支持孔
12…係止爪
13…係合孔
14…バーリング孔
15…係止凸部
D…嵌合ロック手段
Claims (4)
- ケース本体と、該ケース本体の前端上部に固定されたケースアングルと、該ケースアングルと前記ケース本体の前面底壁との間で前面部において両側のこんろ部と中央のグリル部とを区画するために取付け固定する2つの支柱と、前記ケース本体の後板と、前記2つの支柱で区画される前記両側のこんろ部の前面パネルとを備えたこんろ器体であって、
前記2つの支柱は、下端一側に一体形成され、中央に支持孔と、両端に反対方向を向いて突設された係止爪とを備えた係止板を有し、
前記ケース本体の前面底壁は、前記支柱の係止板の支持孔が回転自由に嵌入できるバーリング孔と、前記バーリング孔を中心として回転される前記係止板の両端の前記係止爪がのり越える係止凸部と、両端の前記係止爪が嵌入する係合孔を備えた係合部を備え、
前記ケース本体に対する前記支柱の取付けは、前記支柱の下端に形成された前記係止板の前記支持孔を前記ケース本体の前面底壁の前記バーリング孔に嵌め付けた後、前記支柱を前記ケース本体の前記バーリング孔を中心として回転させ、前記支柱の係止板が前記ケース本体の前面底壁の係止凸部をのり越えて前記係合部の係止孔に嵌入することにより位置決め固定されるようにしたことを特徴とするこんろ器体。 - 前記支柱の係止板の係止爪の基端部の横幅と前記ケース本体の係合孔と係合凸部との間隙は略同一とされ、
前記支柱の回転操作により、前記係止板に備えた係止爪が前記係合部に備えた係合孔に嵌入係止されると同時に前記ケース本体に備えた係止凸部に、前記係止板が係止されて支柱の逆回転が規制されることにより、前記ケース本体に対する前記支柱の位置決めと取付け固定とがされる請求項1記載のこんろ器体。 - 前記ケース本体の係合孔と前記係止凸部は、ルーバ形状となっている請求項1または2に記載のこんろ器体。
- 前記支柱の係止板は、前記係合部の係合孔に嵌合ロックするため前記係止爪の上面に低い凸条が一体形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のこんろ器体。
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