JP4511491B2 - リソグラフィ装置、位置量コントローラ及び制御方法 - Google Patents

リソグラフィ装置、位置量コントローラ及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、リソグラフィ装置、第1及び第2の可動要素の位置量を制御するためのコントローラ、及び第1及び第2の可動要素の位置量を制御するための方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板上、一般的には基板の目標部分上に所望のパターンを適用するマシンである。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスク又はレチクルとも呼ばれるパターニング・デバイスを使用し、ICの個々の層に形成すべき回路パターンを生成する。生成されたパターンは、基板(たとえばシリコン・ウェハ)上の目標部分(たとえば1つ又は複数のダイの一部が含まれている)に転写される。パターンの転写は、通常、基板の上に提供されている感放射線性材料(レジスト)の層への画像化を介して実施されている。通常、1枚の基板には、順次パターン形成される、隣接する目標部分のネットワークが含まれる。従来のリソグラフィ装置には、パターン全体を1回で目標部分に露光することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるステッパと、パターンを放射ビームで所与の方向(「走査」方向)に走査し、且つ、基板をこの方向に平行又は非平行に同期走査することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるスキャナがある。また、パターンを基板にインプリントすることによってパターニング・デバイスから基板へパターンを転写することも可能である。
リソグラフィ装置は、レチクルを保持するためのレチクル・ステージ及びウェハを保持するためのウェハ・ステージを備えている。レチクル・ステージを位置決めするためのレチクル・ステージ位置決めシステムが提供されており、また、ウェハ・ステージを位置決めするためのウェハ・ステージ位置決めシステムが提供されている。位置決めシステムは、たとえば対応するステージを位置決めするように構成された制御ループを備えることができる。レチクルによって提供されるパターンは、高い精度でウェハ上に投影しなければならないため、レチクル・ステージ並びにウェハ・ステージを正確に位置決めすることが重要である。また、レチクル・ステージの位置及びウェハ・ステージの位置を正確にトラッキングすること(延いては相対位置誤差を小さくすること)が望ましい。両方のステージが位置誤差を示す場合、レチクルの実際の位置がウェハ・ステージの実際の位置を「追従」している状況下では、これらのステージの位置誤差に相関がない場合と比較すると、その位置誤差による影響を実質的に小さくすることができる。つまり、レチクル・ステージ及びウェハ・ステージの両方が実質的に同じ誤差を示す場合、その影響は、相関のないこれらのステージの誤差による影響よりかなり小さくなる可能性がある。
正確なトラッキングを得るために、つまりレチクル・ステージ及びウェハ・ステージの移動及び/又は位置を可能な限り良好に一致させ、延いては相対誤差を小さくするために、たとえば、ウェハ・ステージに提供される設定値入力に基づいて、或いはウェハ・ステージの位置を制御している制御ループの誤差信号に基づいてレチクル・ステージにフィードフォワード信号を提供するフィードフォワードを備えることができる。しかしながら、このようなフィードフォワードには、ステージの帯域幅及び制御ループの帯域幅が有限であるため、依然として誤差が存在するという問題がある。
相対位置誤差即ち第1の可動部と第2の可動部の相互の位置誤差を小さくすることが望ましい。
本発明の一実施例によれば、第1の可動要素及び第1の可動要素の第1の位置量を制御するための第1の制御システムと、第2の可動要素及び第2の可動要素の第2の位置量を制御するための第2の制御システムと、第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するためのフィードフォワード・テーブル・プログラミングを備えたフィードフォワード・テーブルであって、第1の制御システムにフィードフォワード信号を提供して第1の位置量に影響を及ぼし、それにより第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするフィードフォワード・テーブルとを備えたリソグラフィ装置が提供される。
本発明の他の実施例では、第1及び第2の可動要素の位置量を制御するためのコントローラであって、第1の可動要素の第1の位置量を制御するための第1の制御システムと、第2の可動要素の第2の位置量を制御するための第2の制御システムと、第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するためのフィードフォワード・テーブル・プログラミングを備えたフィードフォワード・テーブルであって、第1の制御システムにフィードフォワード信号を提供して第1の位置量に影響を及ぼし、それにより第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするフィードフォワード・テーブルとを備えたコントローラが提供される。
本発明の他の実施例によれば、第1及び第2の可動要素の位置量を制御するための方法であって、第1の可動要素の位置量を制御するステップと、第2の可動要素の位置量を制御するステップと、第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するステップと、第1の位置量に影響を及ぼすように第1の制御システムにフィードフォワード信号を提供するステップであって、それにより第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするステップとを含む方法が提供される。
以下、本発明の実施例について、単なる実施例にすぎないが、添付の略図を参照して説明する。図において、対応する参照記号は対応する部分を表している。
図1は、本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を略図で示したものである。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(たとえばUV放射又は他の適切な任意の放射)を条件付けるように構成された照明システム(イルミネータ)IL、及びパターニング・デバイス(たとえばマスク)MAを支持するように構築された、特定のパラメータに従って該パターニング・デバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続されたマスク支持構造(たとえばマスク・テーブル)MTを備えている。このリソグラフィ装置は、さらに、基板(たとえばレジスト被覆ウェハ)Wを保持するように構築された、特定のパラメータに従って該基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(たとえばウェハ・テーブル)WT即ち「基板サポート」を備えている。また、このリソグラフィ装置は、さらに、パターニング・デバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの目標部分C(たとえば1つ又は複数のダイが含まれている)に投影するように構成された投影システム(たとえば屈折型投影レンズ系)PSを備えている。
照明システムは、放射を導き、整形し、又は制御するための、屈折光学構成部品、反射光学構成部品、磁気光学構成部品、電磁光学構成部品、静電光学構成部品若しくは他のタイプの光学構成部品、又はそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学構成部品を備えることができる。
マスク支持構造はパターニング・デバイスを支持している。つまり、マスク支持構造はパターニング・デバイスの重量を支えている。マスク支持構造は、パターニング・デバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び他の条件、たとえばパターニング・デバイスが真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターニング・デバイスを保持している。マスク支持構造には、パターニング・デバイスを保持するための機械式クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法又は他のクランプ技法を使用することができる。マスク支持構造には、たとえば必要に応じて固定又は移動させることができるフレーム又はテーブルを使用することができる。マスク支持構造は、パターニング・デバイスをたとえば投影システムに対して所望の位置に確実に配置することができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニング・デバイス」という用語の同義語と見なすことができる。
本明細書に使用されている「パターニング・デバイス」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板の目標部分にパターンを生成するように使用することができる任意のデバイスを意味するものとして広義に解釈されたい。放射ビームに付与されるパターンは、たとえばそのパターンに位相シフトフィーチャ又はいわゆる補助フィーチャが含まれている場合、基板の目標部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。放射ビームに付与されるパターンは、通常、目標部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路などのデバイス中の特定の機能層に対応している。
パターニング・デバイスは、透過型であっても反射型であっても良い。パターニング・デバイスの実施例には、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ及びプログラム可能LCDパネルがある。マスクについてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、レベンソン型位相シフト及びハーフトーン型位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプが知られている。プログラム可能ミラー・アレイの実施例には、マトリックスに配列された、入射する放射ビームが異なる方向に反射するよう個々に傾斜させることができる微小ミラーが使用されている。この傾斜したミラーによって、ミラー・マトリックスで反射する放射ビームにパターンが付与される。
本明細書に使用されている「投影システム」という用語には、たとえば使用する露光放射に適した、又は液浸液の使用若しくは真空の使用などの他の要因に適した、屈折光学系、反射光学系、カタディオプトリック光学系、磁気光学系、電磁光学系及び静電光学系、又はそれらの任意の組合せを始めとする任意のタイプの投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語の同義語と見なすことができる。
図に示すように、このリソグラフィ装置は、透過型(たとえば透過型マスクを使用した)タイプの装置である。別法としては、このリソグラフィ装置は、反射型(たとえば上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイを使用した、又は反射型マスクを使用した)タイプの装置であっても良い。
リソグラフィ装置は、2つ(二重ステージ)以上の基板テーブル即ち「基板サポート」(及び/又は複数のマスク・テーブル即ち「マスク・サポート」)を有するタイプの装置であっても良い。このような「多重ステージ」マシンの場合、追加テーブル即ちサポートを並列に使用することができ、或いは1つ又は複数の他のテーブル即ちサポートを露光のために使用している間、1つ又は複数のテーブル即ちサポートに対して予備ステップを実行することができる。
また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的屈折率の大きい液体、たとえば水で覆われ、それにより投影システムと基板の間の空間が充填されるタイプの装置であっても良い。また、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえばマスクと投影システムの間の空間に液浸液を適用することも可能である。液浸技法を使用することによって投影システムの開口数を大きくすることができる。本明細書に使用されている「液浸」という用語は、基板などの構造を液体中に浸すことを意味しているのではなく、単に、露光の間、投影システムと基板の間に液体が置かれることを意味しているにすぎない。
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。放射源がたとえばエキシマ・レーザである場合、放射源及びリソグラフィ装置は、個別の構成要素にすることができる。このような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、放射ビームは、たとえば適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エキスパンダを備えたビーム引渡しシステムBDを使用して放射源SOからイルミネータILへ引き渡される。それ以外のたとえば放射源が水銀灯などの場合、放射源はリソグラフィ装置の一体部分とすることができる。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビーム引渡しシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを備えることができる。通常、イルミネータのひとみ平面内における強度分布の少なくとも外部及び/又は内部ラジアル・エクステント(一般に、それぞれσ−外部及びσ−内部と呼ばれている)は調整が可能である。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々な構成部品を備えることができる。イルミネータを使用して放射ビームを条件付け、所望する一様な強度分布をその断面に持たせることができる。
マスク支持構造(たとえばマスク・テーブルMT)の上に保持されているパターニング・デバイス(たとえばマスクMA)に放射ビームBが入射し、パターニング・デバイスによってパターン形成される。マスクMAを透過した放射ビームBは、放射ビームを基板Wの目標部分Cに集束させる投影システムPSを通過する。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(たとえば干渉デバイス、直線エンコーダ又は容量センサ)を使用して正確に移動させることができ、それによりたとえば異なる目標部分Cを放射ビームBの光路内に配置することができる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及びもう1つの位置センサ(図1には明確に示されていない)を使用して、たとえばマスク・ライブラリから機械的に検索した後、又は走査中に、マスクMAを放射ビームBの光路に対して正確に配置することができる。通常、マスク・テーブルMTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの一部を形成している長ストローク・モジュール(粗位置決め)及び短ストローク・モジュール(精密位置決め)を使用して実現することができる。同様に、基板テーブルWT即ち「基板サポート」の移動は、第2のポジショナPWの一部を形成している長ストローク・モジュール及び短ストローク・モジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナではなく)、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータのみに接続することができ、或いは固定することも可能である。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2及び基板アライメント・マークP1、P2を使用して整列させることができる。図には専用目標部分を占有している基板アライメント・マークが示されているが、基板アライメント・マークは、目標部分と目標部分の間の空間に配置することも可能である(このような基板アライメント・マークは、スクライブ・レーン・アライメント・マークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される場合、ダイとダイの間にマスク・アライメント・マークを配置することができる。
図に示す装置は、以下に示すモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
1.ステップ・モード:マスク・テーブルMT即ち「マスク・サポート」及び基板テーブルWT即ち「基板サポート」が基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターン全体が目標部分Cに1回で投影される(即ち単一静止露光)。次に、基板テーブルWT即ち「基板サポート」がX方向及び/又はY方向にシフトされ、その結果、異なる目標部分Cを露光することができる。ステップ・モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一静止露光で画像化される目標部分Cのサイズが制限される。
2.走査モード:放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、マスク・テーブルMT即ち「マスク・サポート」及び基板テーブルWT即ち「基板サポート」が同期走査される(即ち単一動的露光)。マスク・テーブルMT即ち「マスク・サポート」に対する基板テーブルWT即ち「基板サポート」の速度及び方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)及び画像反転特性によって決まる。走査モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一動的露光における目標部分の幅(非走査方向の幅)が制限され、また、走査運動の長さによって目標部分の高さ(走査方向の高さ)が決まる。
3.その他のモード:プログラム可能パターニング・デバイスを保持するようにマスク・テーブルMT即ち「マスク・サポート」が基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、基板テーブルWT即ち「基板サポート」が移動又は走査される。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、走査中、基板テーブルWT即ち「基板サポート」が移動する毎に、或いは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラム可能パターニング・デバイスが更新される。この動作モードは、上で参照したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどのプログラム可能パターニング・デバイスを利用しているマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
上で説明した使用モードの組合せ及び/又はその変形形態、或いは全く異なる使用モードを使用することも可能である。
図2は、本発明の一実施例によるリソグラフィ装置のコントローラを略図で示したものである。このコントローラは、第1の可動要素及び第2の可動要素を制御するようになされている。第1の可動要素の位置量を制御するための第1の制御システムは、コントローラC及びプロセスPを閉ループ構成で備えている。プロセスPは、第1の可動要素に作用してその位置量に影響を及ぼすアクチュエータ、第1の可動要素自体及び第1の可動要素の位置量の値を検出するためのセンサを極めて簡単に示したものである。コントローラCは、プロセスP及びフィードバック経路と共に閉制御ループを形成している。動作中、入力rに設定値が提供され、出力yに位置量が出力される。所望の位置量(rで表される)と実際の位置量(yで表される)の差を表す誤差信号eが入力信号としてコントローラCに供給される。
また、図2には、第2の可動要素の位置量を制御するための第2の制御システムを形成している第2のコントローラC及びプロセスPを備えた第2の制御ループが示されている。コントローラC、プロセスP、基準入力r、位置量出力y及び誤差信号eは、第2の可動要素を位置決めしている点で、第1の制御ループの同様の要素を参照して上で説明した役割と実質的に同じ役割を果している。詳細には、プロセスPは、第2の可動要素の位置量に影響を及ぼすアクチュエータ、第2の可動要素自体及び第2の可動要素の位置量を検出するためのセンサを備えている。設定値r及びrは、設定値発生器(図示せず)によって提供することができる。本明細書における位置量という用語は、位置、速度、加速度、ジャークなどの位置に関連するあらゆるタイプの量、又はこのような量の任意の組合せを意味することができる。
図2には、さらに、フィードフォワード信号uを生成するためのフィードフォワード・テーブルFFテーブルが示されている。フィードフォワード信号は、第1の制御ループに供給されている。図2に示すコントローラの目的は、第1及び第2の設定値信号r、rに従って第1及び第2の可動部を位置決めすることだけではなく、第1の可動部の位置量と第2の可動部の位置量の間のトラッキング誤差を最小化し、延いては位置yとyの差を最小化することである。この目的を達成することができるよう、フィードフォワード・テーブルは、設定値信号r、rに同期してフィードフォワード信号を生成するようにプログラムされている。フィードフォワード・テーブルは、フィードフォワード・テーブルの実行をトリガするためのトリガ入力を備えることができ、したがってフィードフォワード信号uの提供をトリガすることができる。このトリガは、設定値発生器(図示せず)によって起動することができる。フィードフォワード・テーブルは複数のサンプル値を備えることができ、トリガ信号によるトリガリングによってフィードフォワード・テーブルが読み出され、延いてはフィードフォワード信号が提供される。このフィードフォワード信号は、フィードフォワード・テーブルの末端に到達するまで、フィードフォワード・テーブルの中にプログラムされている値に対応するトリガリングを各サンプル時間で追従する。フィードフォワード・テーブルの利点は、そうでない場合には制御ループの構成部品の非線形挙動などの位置誤差の原因になる制御システムの帯域幅即ち外乱が有限であるために存在し続けることになる残留誤差が除去されることである。また、複数の制御システムのうちの1つのみにフィードフォワード・テーブルを適用する利点は、最も有利な伝達関数を有する制御システム及び可動部を利用してトラッキング誤差を修正することができることである。たとえば第2の可動部延いては第2の制御システムがある程度の共振を示す場合、或いはたとえば第1の可動部及び第1の制御システムが第2の可動部及び対応する第2の制御システムよりはるかに広い帯域幅を有している場合、フィードフォワード信号をフィードフォワード・テーブルから第1の制御ループに印加するか、或いはより一般的に表現すると、最も有利な伝達特性によってもう一方の制御システムに関連するもう一方の可動部の誤差をより正確な方法で修正することができるため、この最も有利な伝達特性を示すプロセスに関連する制御ループに印加することが有用である。
図2には、さらに、第1の可動部の位置量と第2の可動部の位置量の差によって形成されるトラッキング誤差を登録するための誤差テーブルETが示されている。この誤差テーブルも、フィードフォワード・テーブルを参照して説明したトリガリングによってトリガすることができ、したがってフィードフォワード・テーブルの読出しと実質的に同様に、このようなトリガ信号(図示せず)に応答してトラッキング誤差を登録することができる。トラッキング誤差は、第1の可動部の位置量と第2の可動部の位置量の差(この実施例ではyとyの差)として定義される。したがってトラッキング誤差には、たとえば位置の差、速度の差、加速度の差、ジャークの差などを含むことができ、或いはこのような量の任意の組合せを含むことができ、トラッキング誤差は、第1及び第2の可動要素の位置量と同じ量で表された差からなっている。また、トラッキング誤差は必ずしも位置量そのもの(即ちy及びy)からなっている必要はなく、位置誤差(即ちe及びe)からなっていても良い。また、位置量と位置量の間にスケーリングを存在させることも可能であり、たとえばレンズの倍率係数を表すことができる。図2に示すコントローラは、さらに、登録済みのトラッキング誤差及びフィードフォワード・テーブル・プログラミングから次のフィードフォワード・テーブル・プログラミングを導出するための処理ユニットを備えている。したがって誤差をモニタし、誤差を誤差テーブルに記憶し、且つ、フィードフォワード・テーブルのための次の新しいプログラミングをフィードフォワード・テーブルの現在のプログラミング及び誤差テーブルに記憶されているトラッキング誤差から導出することにより、所望するフィードフォワードのより良好な近似を決定することができる。また、設定値入力rに設定値信号を反復して印加し、且つ、設定値信号の印加と同時にフィードフォワード・テーブルによってフィードフォワード信号uを提供し、且つ、トラッキング誤差を誤差テーブルに登録することによって反復学習を確立することも可能である。トラッキング誤差が誤差テーブルに登録されると、現在のフィードフォワード・テーブル・プログラミングと共に、登録済みのトラッキング誤差から次のフィードフォワード・テーブル・プログラミングが導出される。得られた新しいフィードフォワード・テーブル・プログラミングがフィードフォワード・テーブルに記憶され、次いで、設定値信号を印加するプロセス、フィードフォワード信号を印加するプロセス及びトラッキング誤差を誤差テーブルに登録するプロセスが繰り返される。性質が反復性であり、また、適切な伝達特性が処理ユニットに利用されるため、フィードフォワード・テーブル・プログラミングの反復近似を得ることができ、それにより適切な反復回数の後、トラッキング誤差の値がゼロに近づくことになる。この手法の利点は、処理ユニットに対する要求が第1の制御システムの逆プロセス感度を備えることのみであり(以下を参照されたい)、また、この実施例では第1の制御システムの方が第2の制御システム又は第2の可動要素より有利な伝達関数を備えているため(つまり帯域幅がより広く、共振する傾向がより小さい等のため)、第2の制御システムの逆プロセス感度より正確な方法で第1の制御システムの逆プロセス感度の近似を確立することができ、したがってフィードフォワード・テーブルのためのプログラミングを誤差テーブルに登録されているトラッキング誤差からより正確に導出することができることである。したがって、より正確なフィードフォワード関数を決定することができる。
この例示的実施例の処理ユニットは、誤差テーブルに登録されているトラッキング誤差からフィードフォワード増分信号を決定するためのフィードフォワード信号計算器Lを備えている。また、この処理ユニットは、フィードフォワード増分信号をフィードフォワード・テーブル・プログラミングに加算し、それにより加算増分フィードフォワード・テーブル・プログラミングを得るための加算器を備えることができる。また、この処理ユニットは、加算増分フィードフォワード・テーブル・プログラミングをフィルタリングして、フィードフォワード・テーブルに記憶すべき次のフィードフォワード・テーブル・プログラミングを得るためのローバスティフィケーション・フィルタQを備えることができる。フィードフォワード信号計算器Lは、第1の制御システムの逆プロセス感度に実質的に等しいフィルタを備えることができ、したがって、
Figure 0004511491

に実質的に等しい伝達関数を備えることができる。
したがって、先行する誤差信号の誤差とは反対の位置誤差に寄与することになる力を決定することができる。次に、加算器ADDによって、誤差テーブルに登録されているトラッキング誤差から導出されたフィードフォワード情報を提供するフィードフォワード増分信号がフィードフォワード・テーブルの現在のプログラミングに加算される(この加算結果が誤差テーブルに登録される誤差になる)。次に、このようにして得られた加算増分フィードフォワード・テーブル・プログラミングがローバスティフィケーション・フィルタによってフィルタリングされ、それにより反復近似が安定した状態を維持し、たとえば、このようにして形成された反復近似ループのあらゆる発振即ち不安定性が回避される。共通の物理実施態様では、プロセスp及び同様にプロセスPは、ゼロより多い極を備えており(物理システムは有限の帯域幅を備えているため)、したがってフィードフォワード信号計算器Lの伝達関数に包含されている逆プロセス感度は、極より多くのゼロを備えることができる。このようなフィードフォワード信号計算器の伝達関数を実施可能にするために、低域通過フィルタがフィードフォワード信号計算器の伝達関数に追加されている。したがってフィードフォワード信号計算には、関連する周波数範囲、たとえば低域通過フィルタの遮断周波数未満の周波数範囲又は減衰周波数範囲における逆プロセス感度に実質的に等しい伝達関数が含まれている。ローバスティフィケーション・フィルタQ(ローバストネス・フィルタとしても知られている)の伝達関数は、フィードフォワード信号計算器Lの伝達関数がもはや逆プロセス感度の良好な近似ではない周波数をフィルタ除去する低域通過フィルタを備えることができ、したがって高周波外乱成分による反復近似のあらゆる外乱が回避される。
図2に示すコントローラは、任意の第1及び第2の可動要素の位置量の制御に適用することができ、特にリソグラフィ装置の場合、このコントローラは、レチクル・ステージ(パターニング・デバイスとも呼ばれている)及び基板テーブル(基板サポートとも呼ばれている)の相互のトラッキングの制御に適用することができる。第1の可動部は、第1及び第2の可動部の最も有利な伝達関数、つまり最も広い帯域幅を備え、共振の傾向が最小である、などの伝達関数を有する可動部であるように選択されることが有利である。というのは、第1の可動部及び第1の制御システムの伝達特性がより好ましいため、第1の制御システムに供給されるフィードフォワードによってあらゆるトラッキング誤差に対するより正確な反作用が得られ、したがって、第1及び第2の可動要素の位置量が互いにより高い相対精度で制御されるからである。
図2を参照して説明したコントローラは、リソグラフィ装置に適用することができるだけではなく、第1の可動要素の位置量及び第2の可動要素の位置量を互いに可能な限り最適にトラッキングし、それにより第1の可動要素と第2の可動要素の間のトラッキング誤差を小さくする他の任意の装置又はシステムに使用することができる。
本発明の一実施例による方法には、第1の可動要素の位置量を制御するステップ、第2の可動要素の位置量を制御するステップ、第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するステップ、及び第1の可動要素と第2の可動要素の間のトラッキング誤差に対して、第1の可動要素の位置量を少なくとも部分的に修正するためのフィードフォワード信号を第1の制御システムに提供するステップが含まれている。本発明の一実施例によるこの方法の有利な実施例及び本発明の一実施例によるコントローラは、本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を参照して説明した実施例及びコントローラと全く同じであるか又は類似している。
次に、トラッキング誤差を小さくするための反復学習の実施例について、図3〜5を参照して説明する。
この実施例では、第1の可動要素はレチクル・ステージを備えており、また、第2の可動要素はリソグラフィ装置のウェハ・ステージを備えている。レチクル・ステージは質量のみとしてモデル化されており、一方、ウェハ・ステージは、600Hzの共振ピークを有するものとしてモデル化されている。図3aは、レチクル・ステージの伝達関数の周波数プロットを示したもので、周波数に対する量及び位相の両方が示されている。また、図3bは、ウェハ・ステージの伝達関数を示したもので、同じく周波数に対する量及び位相が示されている。図4は、レチクル・ステージ、ウェハ・ステージ及び相対誤差の時間応答を示したもので、したがってそれらの間のトラッキング誤差が設定値信号に応答して示されている。この実施例では、レチクル・ステージの位置量にはレチクル・ステージの位置が含まれており、また、ウェハ・ステージの位置量にはウェハ・ステージの位置が含まれている。図4には、加速度ACC、レチクル・ステージの位置誤差e及びウェハ・ステージの位置誤差eが示されている。図4には、さらに、ews_rsで示す、誤差eとeの差を形成している相対誤差が示されている。図3bに示されているウェハ・ステージの共振ピークも、誤差信号eの中に見て取ることができる。また、誤差eの方が誤差eより実質的に大きいことが分かる。
誤差eの値が比較的大きいため、ウェハ・ステージに適用されるフィードフォワードによってこの誤差を誤差e未満の量まで小さくすることが可能であるが、ウェハ・ステージの伝達特性が比較的不利であるため、とりわけフィードフォワードをレチクル・ステージに適用した場合に得られるレチクル・ステージの残留絶対誤差と比較すると、ウェハ・ステージの残留絶対誤差が大きくなる。とりわけ第2の可動要素の場合、逆プロセス感度フィルタをフィードフォワード信号計算器Lに使用することは、第1の可動要素の場合より複雑である。このことは、周波数が高い場合、コントローラ選択Cによって、或いは図3a及び3bに示すように、周波数がより高い場合、Pがより小さくなることによって、逆プロセス感度の分子のPC項がゼロに向かうことを理解すると明らかになる。周波数がより高い場合、逆プロセス感度が1/pに向かい、また、Pがゼロに向かうため、逆プロセス感度が無限大に向かうことになる(周波数がより高い場合)。これを避けるために、実際の実施態様では、低域通過フィルタをLの中に含めることができる。この低域通過フィルタリングの次数は、1/pの次数に関係しており、図3a及び3bから分かるように第2の可動要素には第1の可動要素より高い次数の低域通過フィルタリングが使用される。最後に、第1の可動要素に対するLは、第2の可動要素に対するLより良好に逆プロセス感度を近似しているため、より良好なフィードフォワードが生成される。また、ローバスティフィケーション・フィルタQは、Lが実際の逆プロセス感度の良好な近似ではない周波数をフィルタリングしている。したがってローバスティフィケーション・フィルタQには、第1の可動要素に対しては、第2の可動要素に対するほどのフィルタリングは不要である。したがってこの場合も、第1の可動要素のためのより良好なフィードフォワードが得られる。
したがって、レチクル・ステージ及びウェハ・ステージの両方に個々にフィードフォワードを適用してそれらの絶対誤差を修正することにより、図4に示す誤差と比較すると絶対誤差を改善することができるが、誤差eが絶対量であり、したがって絶対誤差eを可能な限り小さくするために可能な限り良好な近似を提供するフィードフォワードを適用しても尚残留する残留誤差であるため、相対誤差は依然としてかなり大きい。図5a〜dはこれを示したもので、図5aには初回ランにおける絶対誤差e及び絶対誤差eが示されており、図5bにはフィードフォワードの第1の反復近似におけるこれらの誤差が示されている。このフィードフォワードは、レチクル・ステージに対しては初回ランにおけるレチクル・ステージの絶対誤差に基づいて決定され、また、基板ステージに対しては初回ランにおける基板ステージの絶対誤差eに基づいて決定されている。同様に、図5cには、第3のランにおける絶対誤差e及びeが、第3のランに先行する第2のランに適用されたフィードフォワードに基づいて決定され、且つ、それぞれ第2のランで登録されたレチクル・ステージ及びウェハ・ステージの絶対誤差に基づいて決定されたフィードフォワードの結果として示されている。したがって第5のランにおける絶対誤差e及びeを示すラン5についても、必要な変更を加えた上で同様であり、したがって第5のランに適用されたフィードフォワードは、第5のランに先行する第4のランに適用されたフィードフォワード及びそのステージにおける絶対誤差に基づいており、したがってウェハ・ステージの絶対誤差eに対するレチクル・ステージのeの絶対誤差に基づいている。図5dから、レチクル・ステージ・フィードフォワードによってレチクル・ステージの残留誤差eが極めて高い程度まで補償され、一方、ウェハ・ステージ・フィードフォワードに対しても同じ機構が使用されているにもかかわらず、ウェハ・ステージの位置誤差は依然として大きいことが分かる。ウェハ・ステージの残留絶対誤差が比較的大きいため、トラッキング誤差(相対誤差)もこのような大きい値を示している。
図6a〜dは、レチクル・ステージの位置量とウェハ・ステージの位置量の間の相対誤差を補償するためのフィードフォワードがレチクル・ステージのみに適用された実施例を示したものである。図6a〜dに示す実施例は、図2に示し、且つ、図2を参照して説明したコントローラを利用した実施例である。図4と同様、図6aには、それぞれレチクル・ステージ及びウェハ・ステージの絶対誤差e及びe、並びにそれらの間の相対誤差ews_rsが示されている。また、加速度ACCが示されている。図6a〜6dには、フィードフォワード・テーブルのプログラミングの反復近似の第1、第3及び第5のランがそれぞれ示されている。各ランが終了すると、先行するランで検出された相対誤差ews_rsと共に、先行するランにおけるフィードフォワード・テーブルのプログラミングに基づいて、レチクル・ステージにフィードフォワード信号を提供するフィードフォワード・テーブルのためのフィードフォワード・テーブル・プログラミングが決定される。第1のランでは、eがeの値と同様になるような挙動を示し始め、その結果、相対誤差ews_rsが小さくなることが既に分かっている。第3及び第5のランでは、eが実質的にeと同様になり、eはしたがって初回ランで観察されたその初期値を保持するが、eが実質的にeと同様になるため、相対誤差ews_rsが著しく小さくなることが分かる。したがってラン1〜5では、反復フィードフォワードは、相対誤差が著しく減少するよう、レチクル・ステージに最適フィードフォワードを提供する方法を学習し、実際、フィードフォワードは、レチクル・ステージの絶対誤差が実質的にウェハ・ステージの絶対誤差と同様になり、延いては相対誤差が著しく減少するように手配している。第1のランでは、相対誤差ews_rsは最大約120nmに等しく、一方、第5のランでは、この相対誤差は既に2nmまで減少している。このような著しい改善が可能である理由は、上で説明したように、レチクル・ステージの有利な伝達特性に必要なL及びQ内でのフィルタリングの範囲がより狭いことによるものである。したがって、図2に示す学習システムは、ウェハ・ステージ自体では補償することができないウェハ・ステージ共振など、ウェハ・ステージのより高い周波数の誤差を補償するように構築することができる。図5a〜dを参照すると、個々のステージに対する個別の反復学習機構、したがってレチクル・ステージに対する反復学習機構及びウェハ・ステージに対する反復学習機構は、依然としてかなりのウェハ・ステージ誤差をもたらし、延いてはかなりの相対誤差をもたらしていることが分かる。
第1及び第2の位置量は同じスケールであっても良いが、ある種のスケーリングを位置量と位置量の間に存在させることも可能である。一例として、光学倍率によるスケーリングをレチクル・ステージとウェハ・ステージの間に存在させることができる。このようなスケーリングは、たとえば係数1:4である。レチクル・ステージとウェハ・ステージの間にスケーリングを存在させる場合、レチクル・ステージ誤差の絶対値とウェハ・ステージ誤差の絶対値の差を取ることによっては相対誤差を決定することはできないが、その代わりに、誤差の絶対値の差を決定する前にスケーリングを補償することができる。したがって、同じく相対誤差即ちトラッキング誤差も、スケール化された相対誤差即ちトラッキング誤差を含むことができる。
また、図2に示す制御スキームは、本発明の態様に関連する特定の要素を示したものにすぎないことに留意されたい。加速度フィードフォワードなどの他の要素は示されていないが、実際には存在している。
本明細書においては、トラッキング誤差及び相対誤差という用語が使用されているが、これらの用語は同じタイプの誤差を意味していることを理解されたい。
また、本明細書に適用されているフィードフォワードという用語は、同じくフィードフォワード・テーブル・プログラミングを意味していることは当業者には明らかであろう。したがって、「フィードフォワードは、・・・を提供する」というコンテキストにおいては、これは「フィードフォワード・テーブル・プログラミングは、・・・を提供する」として解釈すべきであることは当業者には理解されよう。
したがって、本発明の一実施例による反復学習機構を使用することにより、第1の可動部が高いレベルの精度で第2の可動部の誤差を追従し、延いては相対誤差が著しく減少するよう、より有利な伝達特性(たとえば共振がより少なく、したがってフィードフォワード信号計算器Lの逆プロセス感度の良好な近似が可能である、など)を有している第1のステージを利用してフィードフォワード・テーブル・プログラミングを決定することができるため、本発明の一実施例による反復学習機構により、第1の可動部の位置量と第2の可動部の位置量の間の相対誤差を小さくすることができる。
本発明によるフィードフォワードは、第1及び第2の位置量を制御するコンテキストに適用することができるだけではなく、第1及び第2の温度又は第1及び第2のエネルギー・レベル(たとえばレーザ源のエネルギー・レベル)などのあらゆるタイプの物理量を制御するコンテキストにも適用することができる。
第1及び第2の制御システムは、アナログ及び/又はディジタル電子工学を使用して実施することができ、たとえば電子マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどの任意のタイプの処理デバイスを利用して実施することができる。フィードフォワード・テーブル・プログラミングは、電子メモリなどの任意のタイプのメモリに記憶することができる。
本明細書においては、とりわけICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が参照されているが、本明細書において説明したリソグラフィ装置は、集積光学系、磁気領域メモリのための誘導及び検出パターン、フラット・パネル・ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他の応用例を有することができることを理解されたい。このような代替応用例のコンテキストにおいては、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「目標部分」という用語の同義語と見なすことができることは当業者には理解されよう。本明細書において参照されている基板は、たとえばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、且つ、露光済みレジストを現像するツール)、度量衡学ツール及び/又は検査ツール中で、露光前又は露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、たとえば多層ICを生成するために複数回に亘って処理することができるため、本明細書において使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
上記では、本発明による実施例の使用について、とりわけ光リソグラフィのコンテキストの中で参照されているが、本発明は、他の応用例、たとえばインプリントリソグラフィに使用することができ、コンテキストが許容する場合、光リソグラフィに限定されないことは理解されよう。インプリントリソグラフィの場合、基板に生成されるパターンは、パターニング・デバイスのトポグラフィによって画定される。パターニング・デバイスのトポグラフィが、基板に設けられているレジストの層にプレスされ、次に、レジストを硬化させるように、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せが印加される。レジストが硬化すると、パターニング・デバイスがレジストから除去され、後にパターンが残される。
本明細書に使用されている「放射」及び「ビーム」という用語には、紫外(UV)放射(たとえば365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長或いはその近辺の波長の放射)及び極紫外(EUV)放射(たとえば波長の範囲が5〜20nmの放射)、並びにイオン・ビーム又は電子ビームなどの粒子線を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
コンテキストが許容する場合、「レンズ」という用語は、屈折光学構成部品、反射光学構成部品、磁気光学構成部品、電磁光学構成部品及び静電光学構成部品を始めとする様々なタイプの光学構成部品のうちの任意の1つ又は組合せを意味している。
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、説明した以外の方法で本発明を実践することができることは理解されよう。たとえば本発明は、上記で開示した方法を記述した1つ又は複数の機械可読命令シーケンスを含んだコンピュータ・プログラムの形態を取ることができ、或いはこのようなコンピュータ・プログラムを記憶したデータ記憶媒体(たとえば半導体記憶装置、磁気ディスク又は光ディスク)の形態を取ることができる。
以上の説明は例証を意図したものであり、本発明を制限するものではない。したがって、特許請求の範囲に示す各請求項の範囲を逸脱することなく、上記で説明した本発明に改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。
本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。 本発明によるリソグラフィ装置のコントローラ・システムの一実施例を示す略図である。 本発明によるリソグラフィ装置のレチクル・ステージの周波数応答を示すグラフである。 本発明によるリソグラフィ装置のウェハ・ステージの周波数応答を示すグラフである。 本発明によるリソグラフィ装置の一実施例の、ウェハ・ステージ、レチクル・ステージ及びトラッキング誤差対時間を示すグラフである。 レチクル・ステージに個別反復学習機構を適用し、且つ、ウェハ・ステージに個別反復学習機構を適用した場合に得られた結果を示すグラフである。 レチクル・ステージに個別反復学習機構を適用し、且つ、ウェハ・ステージに個別反復学習機構を適用した場合に得られた結果を示す他のグラフである。 レチクル・ステージに個別反復学習機構を適用し、且つ、ウェハ・ステージに個別反復学習機構を適用した場合に得られた結果を示す他のグラフである。 レチクル・ステージに個別反復学習機構を適用し、且つ、ウェハ・ステージに個別反復学習機構を適用した場合に得られた結果を示す他のグラフである。 本発明による制御システムのプログラミングの連続反復近似に対するレチクル・ステージ、ウェハ・ステージ及び相対誤差を示すグラフである。 本発明による制御システムのプログラミングの連続反復近似に対するレチクル・ステージ、ウェハ・ステージ及び相対誤差を示す他のグラフである。 本発明による制御システムのプログラミングの連続反復近似に対するレチクル・ステージ、ウェハ・ステージ及び相対誤差を示す他のグラフである。 本発明による制御システムのプログラミングの連続反復近似に対するレチクル・ステージ、ウェハ・ステージ及び相対誤差を示す他のグラフである。
符号の説明
ACC 加速度
AD 放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタ
ADD 加算器
B 放射ビーム
BD ビーム引渡しシステム
C 基板の目標部分
、C コントローラ
CO コンデンサ
、e 誤差信号(位置誤差、絶対誤差、残留誤差)
ET 誤差テーブル
ews_rs 相対誤差
IF 位置センサ
IL 照明システム(イルミネータ)
IN インテグレータ
L フィードフォワード信号計算器
MA パターニング・デバイス(マスク)
MT マスク支持構造(マスク・テーブル)
M1、M2 マスク・アライメント・マーク
PM 第1の位置決めデバイス
PS 投影システム
PW 第2の位置決めデバイス(第2のポジショナ)
P1、P2 基板アライメント・マーク
、P プロセス
Q ローバスティフィケーション・フィルタ
、r 入力(基準入力、設定値)
SO 放射源
フィードフォワード信号
W 基板
WT 基板テーブル
、y 出力(位置)

Claims (11)

  1. 第1の可動要素及び前記第1の可動要素の第1の位置量を制御するための第1の制御システムと、
    第2の可動要素及び前記第2の可動要素の第2の位置量を制御するための第2の制御システムと、
    フィードフォワード・テーブル・データを備え、前記第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するために使用されるように構成されたフィードフォワード・テーブルであって、前記第1の位置量を適合させることによって前記第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするために、前記フィードフォワード信号を前記第1の制御システムに提供するように構成されたフィードフォワード・テーブルと、
    前記第1及び第2の制御システムに提供される前記設定値信号に応答して、前記第1の可動要素の前記位置量と前記第2の可動要素の前記位置量の間のトラッキング誤差を登録するように構成された誤差テーブルと、
    前記登録されたトラッキング誤差及び前記フィードフォワード・テーブル・データから次のフィードフォワード・テーブル・データを導出するための処理ユニットとを備え、
    前記第1の可動要素が前記第2の可動要素よりも広い帯域幅または小さい共振傾向を有していることを特徴とするリソグラフィ装置。
  2. 前記処理ユニットが、
    前記誤差テーブルに登録されている前記トラッキング誤差からフィードフォワード増分信号を決定するためのフィードフォワード信号計算器と、
    加算増分フィードフォワード・テーブル・データを得るために前記フィードフォワード増分信号をフィードフォワード・テーブル・プログラミングに加算する加算器と、
    前記フィードフォワード・テーブルに記憶する次のフィードフォワード・テーブル・データを得るために前記加算増分フィードフォワード・テーブル・データをフィルタリングするローバスティフィケーション・フィルタとを備えた、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記フィードフォワード信号計算器が、関連する周波数範囲における前記第1の制御システムの逆プロセス感度に実質的に等しい伝達関数を備えた、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記フィードフォワード信号計算器が低域通過フィルタをさらに備えた、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記第1の可動部が、パターン形成された放射ビームを形成するために前記放射ビームの断面にパターンを付与するように構成されたパターニング・デバイスを支持するように構成されたパターン・サポートを備えた、請求項1乃至のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記第2の可動部が、基板を保持するように構築された基板サポートを備えた、請求項1乃至のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記位置量が、位置、速度、加速度、ジャーク及びスナップのうちの1つ又は複数を含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  8. 第1及び第2の可動要素の位置量を制御するためのコントローラであって、
    前記第1の可動要素の第1の位置量を制御するための第1の制御システムと、
    前記第2の可動要素の第2の位置量を制御するための第2の制御システムと、
    フィードフォワード・テーブル・データを備え、前記第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するために使用されるように構成されたフィードフォワード・テーブルであって、前記第1の位置量を適合させることによって前記第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするために、前記フィードフォワード信号を前記第1の制御システムに提供するように構成されたフィードフォワード・テーブルと、
    前記第1及び第2の制御システムに提供される前記設定値信号に応答して、前記第1の可動要素の前記位置量と前記第2の可動要素の前記位置量の間のトラッキング誤差を登録するための誤差テーブルと、
    前記登録されたトラッキング誤差及び前記フィードフォワード・テーブル・データから次のフィードフォワード・テーブル・データを導出するための処理ユニットとを備え、
    前記第1の可動要素が前記第2の可動要素よりも広い帯域幅または小さい共振傾向を有していることを特徴とするコントローラ。
  9. 前記処理ユニットが、
    前記誤差テーブルに登録されている前記トラッキング誤差からフィードフォワード増分信号を決定するためのフィードフォワード信号計算器と、
    加算増分フィードフォワード・テーブル・プログラミングを得るために前記フィードフォワード増分信号を前記フィードフォワード・テーブル・データに加算する加算器と、
    前記フィードフォワード・テーブルに記憶する次のフィードフォワード・テーブル・プログラミングを得るために前記加算増分フィードフォワード・テーブル・データをフィルタリングするローバスティフィケーション・フィルタとを備えた、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  10. 第1及び第2の可動要素の位置量を制御するための方法であって、
    前記第1の可動要素の位置量を制御するステップと、
    前記第2の可動要素の位置量を制御するステップと、
    第1及び第2の制御システムに提供される設定値信号に同期してフィードフォワード信号を生成するステップと、
    第1の位置量を適合させることによって前記第1の位置量と第2の位置量の間の相対誤差を小さくするために、前記フィードフォワード信号を前記第1の制御システムに提供するステップと、
    前記第1及び第2の制御システムに提供される前記設定値信号に応答して、前記第1の可動要素の前記位置量と前記第2の可動要素の前記位置量の間のトラッキング誤差を登録するステップと、
    前記生成ステップの一部として、フィードフォワード・テーブルからフィードフォワード・データを探索するステップと、
    前記登録されたトラッキング誤差及びフィードフォワード・テーブル・データから次のフィードフォワード・テーブル・データを導出するステップとを含み、
    前記第1の可動要素が前記第2の可動要素よりも広い帯域幅または小さい共振傾向を有していることを特徴とする方法。
  11. 前記導出するステップが、
    誤差テーブルに登録されている前記トラッキング誤差からフィードフォワード増分信号を決定するステップと、
    加算増分フィードフォワード・テーブル・データを得るために前記フィードフォワード増分信号を前記フィードフォワード・テーブル・データに加算するステップと、
    前記次のフィードフォワード・テーブル・データを得るために前記加算増分フィードフォワード・テーブル・データをフィルタリングするステップと、
    前記フィードフォワード・テーブルに前記次のフィードフォワード・テーブル・データを記憶するステップとを含む、請求項10に記載の方法。
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