JP4510038B2 - 含気油中固液分散型食品 - Google Patents
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Description
本発明者らは、以上の性能を獲得するため検討を行った結果、油脂としてジグリセリドと乳化剤を使用することによって、トリグリセリドの場合と比較して、気泡含量の高い気泡物を得ることができ、食感もなめらかで良好になることが判明し、低カロリーで健康的であり、且つおいしさも両立した食品を得ることに成功し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、ジグリセリドを10重量%以上含む油脂中に風味材を含有せしめ、且つ融点が40℃以上の乳化剤を2.5〜7重量%含むことを特徴とする含気油中固液分散型食品を提供するものである。
本発明に使用する油脂は、ジグリセリドを10重量%以上、好ましくは30重量%以上含むものである。ジグリセリド(グリセリンジ脂肪酸エステル)を構成する脂肪酸としては、炭素数8〜22の飽和及び不飽和脂肪酸の何れでもかまわないが、特に炭素数16〜22の不飽和脂肪酸が好ましく、その含有量としてはジグリセリドの脂肪酸残基を基準として70重量%以上、特に80重量%以上が好ましい。中でもジ不飽和ジグリセリドを用いるのが好ましい。特に、ジシス不飽和ジグリセリドが好ましく、その含有量としてはジグリセリドを基準として50重量%以上、特に70重量%以上が好ましい。モノ不飽和モノ飽和ジグリセリド及びジ飽和ジグリセリドは、起泡性に悪影響を及ぼす物質ではなく、ジ不飽和ジグリセリド製造の際に生成されて、ジ不飽和ジグリセリド中に少量混在していてもかまわない。
本発明に用いるジグリセリドは、天然起源の油脂、例えばサフラワー油、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、オリーブ油、パーム油等の植物油、更にはラード、牛脂、魚油、バター脂等の動物油、あるいはそれらの硬化油、分別油、ランダムエステル交換油から選ばれた1種以上の油脂とグリセリンの混合物を、アルカリ金属又は(及び)アルカリ土類金属の水酸化物の存在下でエステル交換するか、又は不飽和脂肪酸レベルの高い脂肪酸組成物とグリセリンの混合物をエステル化反応することにより得られる。生成ジグリセリド混合物中に形成された過剰のモノグリセリドは起泡性に悪影響を及ぼす物質ではないが、油脂中に高い比率で含まれると、食感に悪影響を及ぼすため、予め分子蒸留法あるいはクロマトグラフィー法によって除去することが好ましい。
また、本発明において使用する油脂と乳化剤との混合物の物性として、DSCで、80℃で10分間保持し、2℃/分の速度で−50℃まで冷却するとき、20℃から5℃まで温度変化させる際の発熱量が全発熱量の20%以下、特に10%以下であることが、冷蔵しても常温になじんでも良好な塗り易さを有する点でより好ましい。
さらに、DSCで、80℃から−50℃まで40℃/分の速度で冷却し、−50℃で10分間保持し、2℃/分の速度で90℃まで昇温するとき、40℃から80℃まで温度変化させる際の吸熱量が全吸熱量の5%以上、好ましくは10〜20%である、油脂と乳化剤との混合物とすることで、高温でも残存する油脂と乳化剤からなる結晶を存在させることが可能となり、以上で述べたきたような性能を低下させることなく、ヒートショック時のオイルオフや気泡率低下の抑制を可能として、長期間の常温流通が可能な含気油中固液分散型食品を得ることに成功した。
この含気油中固液分散型食品は、プラスチック、紙、金属のうち何れか一つ、またはこれらの混成でなるスクイズ容器に充填することで、操作性、保存性、簡便性、食味に優れたホイップスプレッドとすることができる。
表1、2に示した配合で油脂と乳化剤を混合し、80℃で加熱溶解し、混練しながら10℃まで冷却した、20℃で24時間テンパリングした後、風味材を添加、混合してからホイッピングした(実施例1,2,3,4、比較例2,3,4,5,6)。または、油脂と乳化剤の混合物をテンパリング後にホイッピングし、ホイップ物に風味材を混合した(参考例1、比較例1)。
各実施例及び比較例の評価結果を表1,2に示す。
評価基準は以下の通りである。
起泡率は、ホバートキキサー(HOBART CANADA社製、N-50 型) を用いて、15分間ホイップした後、それぞれの条件で保存したときの値を示す。
食感の評価は、10名のパネルにより、今回の実施例及び比較例の各サンプルを官能で評価した。評価基準は今回のサンプル内の相対比較で行い、「なめらかで軽い食感であるか」の質問に対して、以下の5段階で回答し、その平均点によって性能を評価した。
5:十分に認められる
4:ほぼ認められる
3:どちらともいえない
2:やや認められる
1:認められない
塗りやすさの評価は、10名のパネルにより、今回の実施例及び比較例の各サンプルを実際にパンに塗ってもらい官能で評価した。評価基準は今回のサンプル内の相対比較で行い、以下の5段階で回答し、その平均点によって性能を評価した。
5:十分に塗りやすい
4:塗りやすい
3:どちらともいえない
2:やや塗りにくい
1:塗りにくい
オイルオフの評価は、表に記載の条件でガラスビンに密封して保存した後、オイルオフがなければマイナス(−)、オイルオフがあればプラス(+)とした。
Claims (7)
- ジグリセリドを10重量%以上含む油脂中に水分含量が16重量%以下の風味材を含有せしめ、且つ融点が40℃以上の乳化剤を2.5〜7重量%含むことを特徴とする含気油中固液分散型食品。
- 乳化剤が、多価アルコールエステルである請求項1記載の含気油中固液分散型食品。
- 乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリドとポリカルボン酸とのエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールエステルである請求項2記載の含気油中固液分散型食品。
- 油脂と風味材の重量比が20:80〜99:1である請求項1〜3の何れか1項記載の含気油中固液分散型食品。
- 気泡含量が50〜85体積%である請求項1〜4の何れか1項記載の含気油中固液分散型食品。
- 水分活性0.85以下もしくは酸度1.2 以上の風味材を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の含気油中固液分散型食品。
- プラスチック、紙、金属のうち何れか一つ、またはこれらの混成でなるスクイズ容器に充填した、請求項1〜6の何れか1項記載の含気油中固液分散型食品。
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