JP4509999B2 - 医薬送達及び抗原提示システムとしてのペプチドナノ粒子 - Google Patents

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Description

本発明はナノ粒子に関する。更に、本発明は特定の身体部位への薬物のターゲッティング(targeting)、抗原提示システム及び予防接種法に関する。
発明の背景
ポリマービーズ及びリポソームの如き人工粒子システムは、医薬送達、送達ターゲッティング、タンパク質分離、酵素固定化及び血液細胞置換における多様な生物医学的用途がある。リポソームは、柔軟性細胞様脂質二重層表面を有しており、これは化合物がそれらの水性内側に捕捉されうるような透過性バリヤーとして作用する。しかしながら、リポソームは機械的に不安定であり得そしてそれらのローディング容量(loading capacity)はローディングされるべき材料の水溶解度により限定される。ナノメートル〜マイクロメートルのサイズの球状ポリマー外皮(shell)の他の製造方法は、帯電したナノ粒子の表面に高分子電解質を一層ずつデポジッションさせ、続いてテンプレーティング粒子(templating particles)を溶解させるか又は両親媒性ジブロックコポリマーを自己アセンブリーさせてミセルとし、それらの親水性外皮を選択的に架橋し、そしてその後疎水性コアを分解することを含む。このようなナノカプセル粒子の製造はどちらかといえば複雑な方法を必要とする。ポリマービーズは、機械的により安定でありそしてリポソームより大きいローディング容量を有するけれども、脂質二重層外皮の有用な表面性質の多くを欠いている。
医薬ターゲッティングシステムは特許刊行物及び科学論文に記載されている。対応する抗原を表示する作用部位にターゲッティングされた診断剤又は治療剤を有する特異的抗体は広く使用される(Vyas S.P.et al., Crit Rev The Carrier Syst 2001)18(1):1-76)。
ナノ粒子はいくつかの医薬及び医学分野における粒状担体として広く研究された(Sakuma S.et al., Adv Drug Del Rev 2001, 47:21-37)。経口投与後のペプチド及びタンパク質薬物の生物学的利用能は、胃腸(GI)管においてそれらが不安定でありそして腸粘膜を通る透過性が低いため非常に低い。故に、治療効果を得るために注射可能な剤形が最近使用される。しかしながら、これらの投与経路は患者によりあまり受け入れられないので、鼻、頬側、直腸、膣、肺及び経皮経路のような代替経路を開発することが必須である。経口投与は医薬送達のための最も便利な経路であり、そしていくつかの方法、例えば、ペプチド薬物の物理化学的性質を変えるための化学修飾、薬物の吸収を促進するための吸収促進剤の使用及び酵素による分解に対して薬物を保護するためのプロテアーゼ抑制剤の使用が経口ペプチド送達を達成するために研究された。ナノ粒子は、経口薬物送達のための担体として研究された。経口薬物担体としてナノ粒子に関してなされた研究の目的は、不十分な吸収特性を持つ薬物の生物学的利用能の改良、ワクチン抗原の腸関連リンパ様組織への送達、薬物の放出の制御、薬物により引き起こされる胃腸粘膜刺激の減少及び胃腸管における薬物の安定性の保証の改良であった。
血中の循環時間も、薬物の粒状投与により改変されうる。ターゲッティング部位において十分な濃度を与えて必要な治療効果を得る、身体中の治療剤の再循環の必要、即ち、細網内皮系による急速なエンドサイトーシスの回避及び腎臓による急速なろ過の回避の必要が認識された。小さな分子、例えば、ジエチレントリアミンペンタ酢酸ガドリニウムは急速な腎臓排出による限定された循環時間を有する傾向があるが、800nmより大きい直径を有する大抵のリポソームは、細網内皮系により迅速に取り除かれる。
従来の免疫化補給源(immunization arsenal)は、生きている弱毒化された生物、不活性化された生物、慣用の全タンパク質、及びもっと最近では、裸のDNAを使用するワクチンを含む。免疫学的観点から、発生した広い範囲の体液性免疫応答及び細胞性免疫応答及びそれらが誘導する記憶応答に基づいて、生きている弱毒化されたワクチンは、依然として最適のワクチンを表す(BenMohammed L.et al., Lancet Infect Dis 2002, 2:425〜431)。しかしながら、実用的観点及び安全の観点から、生きている弱毒化されたワクチンは、製造及び安全に関する問題を引起し、これがそれらの広汎な使用を排除することがある。替わるものとして、ペプチドをベースとするワクチンが今や開発されそして予防接種のために使用された。ペプチドをベースとするワクチンは、純度及び免疫応答を引起す際の高い特異性の点で慣用の全タンパク質(又は遺伝子免疫化の場合には、全遺伝子)に勝る幾つか潜在力のある利点を与える。しかしながら、合成ペプチドは単独では、しばしば十分に免疫原性ではなくそして強い免疫アジュバントが通常それらの精巧な仕上げのために使用される。しかしながら、合成ペプチドの免疫原性のために極めて重要な毒性アジュバントに関する懸念は、依然として残っている。そして免疫応答の強さを変化させるヒト遺伝子不均一性の問題はより重要ですらありうる。
ペプチドをベースとするワクチンを安定化するための可能性のある一つの解決方法は、WO01/00010に記載のコイルドコイルペプチド(coiled-coil peptide)組成物中に埋め込まれたエピトープの提示である。ウイルス粒子、特に肝炎ウイルスB表面抗原から形成された粒子が、抗原提示のために有用なナノ粒子として(EP201416)又は標的細胞及び組織への物質の輸送のために有用なナノ粒子として(EP1262555)考慮された。
改良されたタイプの機械的及び化学的に安定な小胞及び薬物ターゲッティング及び抗原提示のために使用されるべきナノカプセルに対する要求がある。
発明の要約
本発明の目的は、連続ペプチド鎖を自己組織化(self-organization)してペプチドナノ粒子を形成するという概念を使用して新規なタイプのナノ粒子を提供することである。特に本発明のナノ粒子は、リンカーセグメントにより連結された2つのオリゴマー形成ドメインを含む連続ペプチド鎖の集合体(aggregates)からなる。
本発明の更なる目的は、連続ペプチド鎖に結合させた、受容体に結合することができるリガンド、及び該ペプチド鎖に結合させた薬物、を有する連続ペプチド鎖の集合体からなる機能化ペプチドナノ粒子を含む薬物ターゲッティング及び送達システムを提供することである。
本発明の更なる目的は、このような機能化ペプチドナノ粒子を使用して疾患にかかった器官又は組織を有するヒトを処置する治療方法及び、このような機能化ペプチドナノ粒子を使用してヒトが疾患にかかった器官又は組織を有しているかどうかを決定するための診断方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、連続ペプチド鎖に結合した抗原又は連続ペプチド鎖に組み込まれた抗原を含む連続ペプチド鎖の集合体からなる機能化ペプチドナノ粒子を含む、有効なワクチンとして使用されるべき抗原提示システム及びこのような機能化ペプチドナノ粒子を使用してヒト又は非ヒト動物を予防接種する方法を提供することである。
本発明は、本発明のペプチドナノ粒子及び機能化ペプチドナノ粒子を製造する方法及び本発明のナノ粒子を形成するのに適当な一量体構築ブロック(monomeric building blocks)も提供する。
発明の詳細な説明
本発明に従うペプチドナノ粒子、ペプチドナノ粒子を製造する方法及び診断及び治療におけるこれらのペプチドナノ粒子の使用を、添付図面1〜4に関してほんの一例として説明する。
ペプチドナノ粒子
一量体構築ブロック
ペプチドナノ粒子は、ペプチドオリゴマー形成ドメインD1、リンカーセグメントL及びペプチドオリゴマー形成ドメインD2を含む連続鎖からなる式(I)
Figure 0004509999

(式中、D1はm個のサブユニットD1のオリゴマー(D1)mを形成する傾向を有する合成又は天然のペプチドであり、D2はn個のサブユニットD2のオリゴマー(D2)nを形成する傾向を有する合成又は天然のペプチドであり、m及びnは各々2〜10の数字であり、但し、mはnに等しくはなくそしてnの倍数ではなく、nはmの倍数ではないものとし、Lは、結合であるか又は場合により置換された炭素原子、場合により置換された窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれた短いリンカー鎖であり、そしてD1、D2及びLは場合により更に置換されている)
で示される多数の一量体構築ブロックから形成される。
ペプチド(又はポリペプチド)は、アミド結合により共有結合されたアミノ酸の鎖又は配列である。アミノ酸という用語は、20の必須の天然のα−L−アミノ酸から選ばれる天然に存在するアミノ酸、合成アミノ酸、例えば、α−D−アミノ酸、6−アミノヘキサン酸、ノルロイシン、ホモシステイン等、並びに電荷のようなある種の性質を変えるためにある方法において修飾された天然に存在するアミノ酸、例えば、ホスホセリン又はホスホチロシン等を包含する。アミノ酸の誘導体においては、アミド結合を形成するアミノ基はアルキル化されているか、あるいは側鎖アミノ、ヒドロキシ又はチオ官能基はアルキル化されているか又はアシル化されており、あるいは側鎖カルボキシ官能基はアミド化されているか又はエステル化されている。
短いリンカー鎖Lは、鎖中に好ましくは1〜60個の原子、特に1〜20個の原子を有する、場合により置換されている炭素原子、場合により置換されている窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる。このような短いリンカー鎖は、例えば、ポリエチレンオキシ鎖、糖鎖又は好ましくは、ペプチド鎖、例えば、1〜20個のアミノ酸、特に1〜6個のアミノ酸からなるペプチド鎖である。
D1、D2及びLの場合により存在する置換基は、例えば、下記する如きターゲッティング実体(targetting entities)、薬物及び抗原である。
オリゴマーを形成する傾向とは、このようなペプチドが条件に依存してオリゴマーを形成することができること、例えば変性条件下ではそれらはモノマーであるが、生理学的条件下ではそれらは例えば三量体を形成することができることを意味する。それらのオリゴマー化状態は、条件が変化すると変化することができ、例えば、塩濃度を増加させると二量体から三量体に変わることができ(Burkhard P. et al., Protein Science 2000,9:2294〜2301)又はpHを減少させると五量体は一量体に変わることができることを意味する。しかしながら、所定の条件下にそれらはナノ粒子形成に必要な1つの単一オリゴマー化状態をとる。
式(I)に従う構築ブロック構造は、明らかにウイルスカプシドタンパク質とは異なる。ウイルスカプシドは、例えば、肝炎ウイルスB粒子(EP1262555、EP201416)のように60又はその倍数のオリゴマーを形成する1つの単一タンパク質からなるか、又はコアセンブルされて(coassemble)ウイルスカプシド構造(該ウイルスカプシド構造はウイルスのタイプに依存して二十面体とは別の他の形状をとることもできる(Fender P.et al., Nature Biotechnology 1997, 15:52〜56))を形成する1つより多くのタンパク質からなる。本発明のペプチドナノ粒子はまた、ウイルス様粒子とは明らかに異なる。何故ならば、本発明のペプチドナノ粒子は(a)ウイルスカプシドタンパク質以外のものから構成されておりそして(b)ナノ粒子の真中のキャビティーは全ウイルスゲノムのDNA/RNAを受け入れるのにはあまりにも小さすぎるからである。
ペプチドオリゴマー形成ドメインは周知されている(Burkhard P et al., Trends Cell Biol 2001, 11:82-88)。最も簡単なオリゴマー形成ドメインは多分コイルドコイル折り畳みモチーフ(coiled-coil folding motif)である。このオリゴマー化モチーフは、二量体、三量体、四量体及び五量体として存在することが示された。いくらかの例はGCN4ロイシンジッパー、フィブリチン(fibritin)、テトラブラキオン(tetrabrachion)及びCOMPであり、これはそれぞれ、二量体、三量体、四量体及び五量体コイルドコイルを表す(Burkhard P.et al., loc.cit)。
好ましい態様では、オリゴマー形成ドメインD1及びD2は、たがいに独立に、コイルドコイルドメインである。コイルドコイルは、アセンブルされて(折りたたまれて)ヘリックスの多量体束(multimeric bundle)を形成する、通常7個のアミノ酸(ヘプタッド反復)又は11個のアミノ酸(ウンデカッド反復)の配列において3及び4残基間隔を置いて配置された主として疎水性の残基の連続パターンを有するペプチド配列である。3及び4残基の間隔のいくらかの不規則な分布を含む配列を有するコイルドコイルも包含される。疎水性残基は、特に疎水性アミノ酸Val、Ile、Leu、Met、Tyr、Phe及びTrpである。主として疎水性とは、残基の少なくとも50%が上記した疎水性アミノ酸から選ばれなければならないことを意味する。
例えば、式(I)の好ましい一量体構築ブロックにおいて、D1及び/又はD2は、式
Figure 0004509999

(式中、aaはアミノ酸又はその誘導体を意味し、aa(a)、aa(b)、aa(c)、aa(d)、aa(e)、aa(f)及びaa(g)は、同じもしくは異なるアミノ酸又はその誘導体であり、好ましくは、aa(a)及びaa(d)は同じ若しくは異なる疎水性アミノ酸又はその誘導体であり;そしてXは2〜20、好ましくは3,4、5又は6の数字である)
で示されるペプチドである。
疎水性アミノ酸は、Val、Ile、leu、Met、Tyr、Phe及びTrpである。
ヘプタッドは、式
aa(a)−aa(b)−aa(c)−aa(d)−aa(e)−aa(f)−aa(g)
のヘプタペプチドである。
好ましいのは、ペプチドオリゴマー形成ドメインD1又はD2の1つ又は両方が、
(1)Xが3であり、そしてaa(a)及びaa(d)が、これらの6個のアミノ酸について表1からのスコアの和が少なくとも14であるように20種の天然α−L−アミノ酸から選ばれる式(II)のペプチド(このようなペプチドは17個までの更なるヘプタッドを含む)、
Figure 0004509999

あるいは
(2)Xが3であり、そしてaa(a)及びaa(d)がこれらの6個のアミノ酸について表1からのスコアの和が少なくとも12であるように20種の天然α−L−アミノ酸から選ばれ、但し、1つのアミノ酸aa(a)は隣接ヘプタッドのアミノ酸aa(d)若しくはaa(g)へのヘリックス間塩橋を形成することができる帯電したアミノ酸であるか、又は1つのアミノ酸aa(d)は隣接ヘプタッドのアミノ酸aa(a)若しくはaa(e)へのヘリックス間塩橋を形成することができる帯電したアミノ酸であるものとする、式(II)のペプチド(このようなペプチドは2個までの更なるヘプタッドを含む)、
である式(I)の一量体構築ブロックである。隣接ヘプタッドのアミノ酸へのヘリックス間塩橋を形成することができる帯電したアミノ酸は、例えば、もし他のアミノ酸がLys、Arg若しくはHisであるならば、Asp若しくはGluであり、又はその逆も成り立つ。
ペプチドオリゴマー形成ドメインD1又はD2の1つ若しくは両方が、下記の好ましいペプチド:
(11)aa(a)がVal、Ile、Leu及びMet及びその誘導体から選ばれそしてaa(d)がLeu、Met及びIle及びその誘導体から選ばれる式(II)のペプチド、
(12)1つのaa(a)がAsnでありそして他方のaa(a)がAsn、Ile及びLeuから選ばれそしてaa(d)がLeuである式(II)のペプチド(このようなペプチドは通常二量体化ドメインである(m又はn=2))、
(13)aa(a)及びaa(d)が両方ともLeuであるか又は両方ともIleである式(II)のペプチド(このようなペプチドは通常三量体形成ドメイン(m又はn=3)である)、
(14)aa(a)がLeu若しくはIleでありそして1つのaa(d)がGlnでありそして他のaa(d)がGln、Leu及びMetから選ばれる式(II)のペプチド(このようなペプチドは五量体形成ドメイン(m若しくはn=5)であるための潜在力を有する)、
から選ばれる式(I)の一量体構築ブロックも好ましい。
他の好ましいペプチドは、前記したペプチド(1)、(2)、(11)、(12)、(13)及び(14)であって、更に
(21)少なくとも1つのaa(g)がAsp及びGluから選ばれそして次のヘプタッドにおけるaa(e)がLys、Arg又はHisであり;及び/又は
(22)少なくとも1つのaa(g)がLys、Arg及びHisから選ばれそして次のヘプタッドにおけるaa(e)がAsp又はGluであり;及び/又は
(23)少なくとも1つのaa(a〜g)がLys、Arg及びHisから選ばれ、そして配列において3若しくは4アミノ酸離れているaa(a〜g)がAsp又はGluである(このようなアミノ酸aa(a〜g)の対は、例えば、aa(b)及びaa(e)又はaa(f)である)、
ペプチド(1)、(2)、(11)、(12)、(13)及び(14)である。
他の好ましい態様では、1つのオリゴマー形成ドメインD1又はD2はCOMP(Malashkevich V.N.et al., Science 1996, 274:761-765)又はその誘導体の五量体形成ドメイン(m若しくはn=5)である。この五量体形成ドメインは、
Figure 0004509999

(配列番号7)
の配列を有する。このドメインの小さな修飾も意図される。このような修飾は、例えば、隣接ドメイン間のジスルフィド橋の形成の目的で五量体の外側の、好ましくしは位置(f)におけるアミノ酸のCysによる置換であることができる。このドメインの表面アミノ酸の他の修飾は、隣接オリゴマー形成ドメイン間の界面における相互作用、例えば、疎水性、親水若しくはイオン性相互作用又はジスルフィド橋のような共有結合を最適化するためのアミノ酸の置換を含むことができる。このドメインのより短い構築物、例えば、システインがこの五量体形成ドメインのC末端における分子間ジスルフィド橋を形成する、C末端CDACGモチーフを欠いている構築物も意図される。このドメインのオリゴマー化状態に影響を与えるアミノ酸の修飾も意図され、これは例えば、五量体から四量体への移行をもたらす。このドメインの表面アミノ酸の更に他の修飾は、官能基のための結合部位を発生させるためのアミノ酸の(例えば、システイン又はリシンによる)置換を含むことができる。
更に他の好ましい態様では、1つのオリゴマー形成ドメインD1又はD2はバクテリオファージT4タンパク質フィブリチン(Tao,Y. et al., Structure 1997, 5:789〜798)又はその誘導体の三量体形成ドメイン(フォルドン(foldon))である。この三量体ドメイン(m若しくはn=3である)は、配列
Figure 0004509999

(配列番号8)
を有する。このドメインの小さな修飾も意図される。このような修飾は、隣接ドメイン間にジスルフィド橋を形成する目的でAsp9のCysによる置換であることができる。このドメインの表面アミノ酸の他の修飾は、隣接オリゴマー形成ドメイン間の界面における相互作用、例えば、疎水性、親水性若しくはイオン性相互作用又はジスルフィド橋のような共有結合を最適化するための残基の置換を含むことができる。このドメインの表面アミノ酸の更に他の修飾は、官能基の結合部位を発生させるためのアミノ酸の置換(例えばシステイン又はリシンによる)を含むことができる。
最も好ましいのは実施例に記載された一量体構築ブロックである。
ペプチドナノ粒子:均一ユニット
ペプチドナノ粒子は、式(I)のモノマー構築ブロックから形成される。このような構築ブロックがアセンブルされるならば、それらはいわゆる「均一ユニット("even units")」を形成するであろう。このような均一ユニットにアセンブルされる一量体構築ブロックの数は、最小公倍数(LCM)により規定されるであろう。故に、例えばモノマー構築ブロックのオリゴマー形成ドメインが三量体(D1)3(m=3)及び五量体(D2)5(n=5)を形成するならば、15個の一量体が均一ユニット(図A、実施例5)を形成するであろう。リンカーセグメントLが適切な長さを有するならば、この均一ユニットは球状ペプチドナノ粒子の形態でアセンブルされうる。同様に、一量体構築ブロックのオリゴマー形成ドメインD1及びD2が三量体(D1)3(m=3)及び四量体(D2)4(n=4)を形成するならば、均一ユニットを形成するのに必要な一量体の数は12であろう(図1B)。
m及びnは互いに等しいか又は倍数であることはできないので、最小公倍数(LCM)は常にm及びnより大きい。
ペプチドナノ粒子は、1個のみ又は1個より多くの均一ユニットのアセンブリーにより形成されうる(表2)。このようなペプチドナノ粒子はトプロジー的に閉じた構造を表す。
Figure 0004509999
正多面体
5つの正多面体、四面体、立方体、八面体、十二面体及び二十面体が存在する。それらは、種々の内部回転対称要素(internal rotational symmetry elements)を有する。四面体は、2回軸(2-fold axes)及び2つの3回軸(3-fold axes)を有し、立方体及び八面体は、2回(2-fold)、3回(3-fold)及び4回(4-fold)回転対称軸(rotational symmetry axis)を有し(図2A)、そして十二面体及び二十面体は、2回、3回及び5回回転対称軸を有する(図2B)。立方体においては、これらの軸の空間方位(spatial orientation)は正確に八面体におけると同じでありそして十二面体及び二十面体においても、お互いに対するこれらの軸の空間方位は正確に同じである。ゆえに、本発明のペプチドナノ粒子の目的には、立方体及び八面体、並び同様に十二面体及び二十面体は同一であると考えることができる。立方体/八面体は、24個の同じ三次元構築ブロックから構築されそして十二面体/二十面体は60個の同じ三次元構築ブロックから構築される(表2)。これらの構築ブロックは、多面体の非対称ユニット(asymmetric units)(AUs)である。それらは、トリピラミッド(tri-pyramids)でありそしてピラミッド稜の各々は回転対称軸の1つに相当し、故にこれらのAUsは、多面体のタイプに依存してそれらの稜に2回、3回及び4回又は5回対称要素を有するであろう。これらの対称要素をペプチドオリゴマー形成ドメインから発生させるならば、このようなAUsは上記した一量体構築ブロックから構成される。それは、2つのオリゴマー形成ドメインD1及びD2をAUの対称軸の2つに沿ってアラインメントさせるのに十分である(図3)。これらの2つのオリゴマー形成ドメインが安定なオリゴマーを形成するならば、第3対称軸に沿った対称界面(symmetry interface)が自動的に発生させられ、そしてそれは、この界面に沿った相互作用、例えば、疎水性、親水性若しくはイオン性相互作用又はジスルフィド橋のような共有結合を最適化することにより安定化されうる(例えば、実施例5参照)。
正多面体対称を有するペプチドナノ粒子へのアセンブリー
各面の形と大きさが等しい形状(regular geometry)(十二面体、立方体)を有するペプチドナノ粒子を発生させるために、1つより多くの均一ユニットが必要である。例えば、三量体及び五量体オリゴマー形成ドメインを含有する一量体から十二面体を形成するために、各々15個の一量体構築ブロックからなる4個の均一ユニットが必要であり、即ち、各面の形と大きさが等しい形状を有するペプチドナノ粒子は、60個の一量体構築ブロックからなるであろう。必要な2つのオリゴマー形成ドメインのオリゴマー化状態と、正多面体のいずれをも形成するための均一ユニットの数との組み合わせは、表2に列挙されている。
均一ユニットが更にアセンブルされて1つより多くの均一ユニットからなる正多面体を形成するかどうかは、該2つのオリゴマー形成ドメインのお互いに対する幾何学的アラインメント、特に2つのオリゴマー形成ドメインD1及びD2の回転対称軸間の角度に依存する。これは、i)ナノ粒子における隣接ドメイン間の界面における相互作用、ii)リンカーセグメントLの長さ、iii)個々のオリゴマー形成ドメインの形状により支配される。この角度は正多面体におけるアレンジメントに比べて均一ユニットにおいてより大きい。また、この角度も正多面体と反対に一量体構築ブロックにおいて同一ではない。もしこの角度が正多面体のより小さな値に制限され(疎水性、親水性若しくはイオン性相互作用又は共有結合ジスルフィド橋によって)そしてリンカーセグメントLが十分に短いならば、各々規定された数の一量体構築ブロックを含有する与えられた数のトポロジー的に閉じた均一ユニットが更にアニールして正多面体を形成するか(表2)又はより多くの一量体構築ブロックを囲って多面体の厳密な内部対称を欠いているナノ粒子を形成するであろう(図4A、例えば実施例1、調製4参照)。
ペプチドナノ粒子のサイズは、2つのパラメーター:i)オリゴマー形成ドメインD1及びD2の形状(直径及び長さ)及びii)リンカーセグメントLの長さに主として依存するであろう。コイルドコイルオリゴマー形成ドメインは細く(slim)、ゆえに対称軸を横切るそれらの直径は小さい。ゆえに、それらはむしろ多面体中心近くに多面体の対称軸のまわりにアレンジされうる。大きな直径を有するオリゴマー形成ドメインは、多面体中心からより遠く離れた対称軸のまわりにのみ配置されて互いに重なり合うのを回避することができる。粒子のサイズは、オリゴマー形成ドメインとして例えばT4のフォルドンドメインを使用すると増加するであろう。
オリゴマー形成ドメインのサイズは粒子の中心に対してドメインの最密の可能なアレンジメント(closest possible arrangement)を制限するが、リンカーセグメントLの長さは、多面体中心に対するオリゴマー形成ドメインの最大の可能な距離を限定するであろう。リンカーセグメントLが長ければ、オリゴマー形成ドメインは、お互いの距離はより遠くても、依然として対称軸のまわりにアレンジされうる。しかしながら、このようなアレンジメントでは、粒子は相対的にゆるくしか詰め込まれないであろう。なぜならば、オリゴマー形成ドメインはお互いに近接して詰め込まれないからである。より短いリンカーはオリゴマー形成ドメインを互いに近接させそしてオリゴマー形成ドメイン間の相互作用はより重要になりそして粒子の詰め込み(packing)はより密でありそして閉じ込められる(confined)。しかしながら、オリゴマー形成ドメインが円錐(cone)の形状を有していないならば、ドメイン間の相互作用は依然としてむしろ小さいことがありうる。コイルドコイル折り畳みモチーフの場合には、ドメイン間の相互作用は約2ヘリカルターンに制限される(図3A)。これは、オリゴマー形成ドメインの対称軸に沿ったオリゴマー形成ドメイン自体内の相互作用の長さに比べて相対的に小さい。5個のヘプタッドのコイルドコイル折り畳みモチーフの場合には、これは10ヘリカルターンに相当し、ゆえに2つの異なるオリゴマー形成ドメイン間の相互作用は、1つの単一オリゴマー形成ドメインのヘリックス間の相互作用よりも有意に小さい。これは、ナノ粒子内の2つのオリゴマー形成ドメイン間の非結合相互作用があまり都合が良くない場合でさえ粒子が形成されうることを意味する。しかしながら、これらの相互作用を最適化することにより、粒子の詰め込み及び安定性は有意に改良されうる。これは、2つのオリゴマー形成ドメイン間の疎水性相互作用及びイオン性相互作用を最適化すること又は例えばドメイン間のジスルフィド橋による2つのドメインの化学的架橋により達成することができる。2つのオリゴマー形成ドメインがコイルドコイルである場合には、これは、好ましくは、ヘプタッド反復の位置aa(f)におけるヘリックスの各々の外側のシステイン残基により達成されうる。その場合にはこれらのシステインは、ジスルフィド結合を形成しそして2つのオリゴマー形成ドメインを互いに化学的に架橋させることができる。
リンカーセグメントLは、オリゴマー形成ドメインのタンパク質折り畳みを乱すのを回避するのにあまりにも短すぎなくてもよい。それがあまりにも短すぎると、それは、ペプチドナノ粒子の密な詰め込みにおいて個々のオリゴマー形成ドメインの正しい折り畳みを妨害するか、又はオリゴマー形成ドメインの折り畳みが追加的に必要なリンカーの柔軟性を可能にするために安定すぎる場合には、ペプチドナノ粒子は形成されないことがある。
このようなペプチドナノ粒子は、L−アミノ酸と同じオリゴマー化性を有するD−アミノ酸から構成されうることに留意されるべきである。その場合に、ペプチドナノ粒子は、単にL−アミノ酸により形成された粒子のエナンチオマー形であろう。このように粒子は、タンパク質分解に対する減少した感受性により生物分解性ははるかに少ないという利点を有し、そのため身体中でのそれらの寿命は実質的に増加するであろう。これは、ペプチドナノ粒子の経口投与のため、及びペプチドナノ粒子が予防接種用の抗原提示システムとして使用されるべき場合に強い免疫応答を誘発するために特に有利である。
他方、ペプチドナノ粒子の免疫原性を減少させるために、一量体構築ブロックの配列は、プロテアーゼ感受性部位を含むようにデザインすることができる。これは、ペプチドナノ粒子の循環時間を減少させるであろう。ペプチドナノ粒子の表面に多重コピーとして表示されるとき、そのターゲッティング実体の協同的結合効果の故に、ターゲット実体への有効な結合により血流から粒子の主要部分が迅速に取り除かれるならば、減少した寿命は強い免疫応答による副作用を回避するのに有利であろう。
機能化ペプチドナノ粒子
ターゲッティング実体
機能化ペプチドナノ粒子を調製するために、一量体構築ブロックD1−L−D2は、ペプチド配列のいずれかの端部にターゲッティング実体を含むように修飾される。ペプチドナノ粒子にアセンブリーされると、このターゲッティング実体はペプチドナノ粒子の表面に多重コピーにおいて表示されるであろう。ターゲッティング実体は、その対応する受容体分子に対して特異的ないかなる分子でもあり、例えば、受容体に結合することができるリガンドである。
ターゲッティング実体は、例えば、ペプチド様ソマトスタチン又はその類似体である。ソマトスタチンは、ソマトスタチン受容体に対して特異的な環状テトラデカペプチドホルモンである。合成ソマトスタチン類似体は、例えば、オクトレオチド、1つのジスルフィド橋を有するオクタペプチド、又はSOM230である。ターゲッティング実体として有用な他のペプチドホルモンは、ガストリン放出ペプチド/ボンベシン(GRP)、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、バソアクチブ.インテスティナル.ペプチド(VIP)、ニューロテンシン、コレシストキニン、サブスタンスP、グルカゴン様ペプチド及びその他を含む。Internal Patent Application WO98/10795及びWO99/13329は、腫瘍のためのターゲット実体として使用することができる腫瘍ホーミング分子を記載している。Arap et al.(Science 1998,279:377-80)は腫瘍血管を標的とするペプチドの選択を記載している。同様に抗体又は抗原結合ドメインをターゲッティング実体として使用することができる。
ターゲッティング実体として有用な非ペプチド生体分子は、例えば、糖部分、例えば、アシアログリコプロテイン受容体に、したがって肝臓に選択的に結合する糖部分である。いかなる細胞型特異的受容体も、ターゲッティング実体としてその受容体特異的生体分子を使用することによりターゲッティングされうる。International Patent Application WO93/18793及びUS Patent Nos.5,762,918及び5,474,765は、脈管内皮細胞に結合するポリアニオンポリマーに結合されたステロイドを記載している。考慮される他のターゲッティング実体はHIVのgp120のV3ループ(HIVの処置のための、CD4との結合)、トランスフェリン(トランスフェリン受容体への結合)又はLDLs(LDL受容体への結合)である。
ペプチドナノ粒子の表面に多重コピーにおいてこれらのターゲッティング実体を表示することは、協同効果により受容体分子へのそれらの結合を有意に増加させる。1つより多くの受容体分子が標的細胞の表面に発現されるならば、ペプチドナノ粒子の協同的結合は、トリ−若しくはテトラ−アンテナリ−N−結合グリカン(tri-or tetra-antennary N-linked glycans)上に表示されるときアシアログリコプロテイン受容体へのガラクトース若しくはN−アセチル−ガラクトサミンの結合と同様な、標的細胞への結合のその特異性を増加させるであろう。
更に、しばしばがん細胞で遭遇するとおり、受容体分子の密度が特異的標的細胞上で増加するならば、他の細胞(同じ受容体分子の低い密度を有する)に比べてがん細胞に対する機能化ペプチドナノ粒子の特異性は、ペプチドナノ粒子の受容体への結合の協同性により増加するであろう。ゆえに、可能性のある生体分子の中でも、調節ペプチド(regulatory peptides)は、種々の悪性がんにおけるそれらの受容体の高い発現の故にターゲッティング実体として特に興味深い。
本発明のペプチドナノ粒子は、同じ又は異なる受容体に結合するために、同じ又は異なる特異性を有するターゲッティング実体も含む。同じコアドメイン(2つの連結されたオリゴマー形成ドメインD1及びD2)を有するが異なるターゲッティング実体を有する一量体構築ブロックをコアセンブルすること(coassembling)によりこのようなハイブリッドペプチドナノ粒子を製造することは非常に容易であろう。1つのターゲッティング実体は、例えば、ペプチドナノ粒子をがん細胞にターゲッティングするためのオクトレオチドであることができ、他方のターゲッティング実体は、インテグリンに対する結合パートナーとしてのRGD配列であることができる。
薬物送達
ペプチドナノ粒子は、薬物のための担体小胞として作用するように機能化させることができる。薬物分子は、一量体構築ブロックのいずれかの端部又はペプチド配列内に、好ましくは、ターゲッティング実体によりまだ修飾されていない端部で結合される。本発明のペプチドナノ粒子は、多重薬物送達システムとして作用させるために、種々の薬物をそれに結合させた単位を含むこともできる。
一般に、2つのクラスの薬物:生物学的影響を与える分子(bioaffecting molecules)及び診断分子を本発明で使用することも意図する。
生物学的影響を与える分子は、ポジティブ又はネガティに細胞及び身体機能に影響を与えるいかなる分子でもある。このクラスは、毒素、細胞毒性物(cytotoxics)、細胞増殖抑制剤、ホルモン、神経伝達物質、生物学的に活性なペプチド、放射性核種、抗生物質、解熱薬、鎮痛薬及び抗炎症性薬物、去痰薬、鎮静薬、筋肉弛緩薬、抗てんかん薬、抗潰瘍薬物、抗うつ薬、抗アレルギー薬物、強心性薬物、抗不整脈薬、血管拡張薬、抗高血圧薬、抗凝固薬、止血薬等を含む。
本発明に従う適当な毒素は、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、モデシン、破傷風毒素、マイコトキシン、メリチン、α−アマニチン(α-amanitin)、ヤマゴボウ(pokeweed)、抗ウイルスタンパク質、リボソーム阻害タンパク質、特にコムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギのリボソーム阻害タンパク質、ゲロニン(gelonin)及びメイタンシノイド(maytansinoid)を含むが、これらに限定はされない。本発明に従う適当な細胞毒性剤は、アルキル化剤、例えば、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、シクロプロパン;アントラサイクリン抗腫瘍抗生物質、例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシン、アドリアマイシン、マイトマイシンC、2−(ヒドロキシメチル)アントラキノン;代謝拮抗物質、例えば、メトトレキセート、ジクロロメタトレキセート、シスプラチン、カルボプラチン、並びに白金、銅、バナジウム、鉄、コバルト、金、カドミウム、亜鉛及びニッケルを含有する金属ペプチドを含むが、これらに限定はされない。他の作用物質は、DON、チミジン、ペンタメチルメラミン、ジアンヒドロガラクチトール、5−メチル−THF、アングイジン(anguidine)、メイタンシン、ネオカルジノスタチン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、AZQ、2′−デオキシコフォルマイシン、PALA、AD−32、m−AMSA及びミソニダゾールを含む。
使用することができる薬物の概要は、Gilman et al., Goodman and Gilman's The Pharmacologic Basis of Therapeutics, Macmillan, New York, 10th edition 2001に見出される。
診断分子は、手術のような侵襲性処理に頼らないで身体において検出されうる分子である。このような分子は、蛍光化合物、放射能標識された化合物、X線不透明染料、強磁性化合物等を含む。
一量体構築ブロックのN−末端又はC−末端は、例えば、細胞傷害性テイルのようなペプチドリガンド、又は種々の毒性薬物(例えば、重金属)をキレート化するためのHis−テイルを導入することにより、容易に修飾することができる。かくして、血流内への重金属の放出は最小とされるであろうが、酸性環境で、例えば、pHが5.5付近であるリソソーム内の細胞のある部分において放出が行われるであろう。
本発明の好ましい態様では、生物学的影響を与える分子は、キレート化剤によってペプチドナノ粒子に結合している放射性核種である。本発明に従う放射性核種の結合のための適当なキレート化剤は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、イソチオシアナトジエチレントリアミンペンタ酢酸(ITC−DTPA)、エチレンジニトリルテトラ酢酸(EDTA)、テトラアゾシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTA)、シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N′−ジアセテート(CHTA)及び2−(4−イソチオシアナトベンジル)−6−メチル−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)を含むが、それらに限定はされない。治療的実体(therapeutic entities)として有用な放射性同位体は、Kairemo et al.(Acta Oncol.1996, 35:343-55)に記載されておりそしてY−90、I−123、I−125、I−131、Bi−213、At−211、Cu−67、Sc−47、Ga−67、Rh−105、Pr−142、Nd−147、Pm−151、Sm−153、Ho−166、Gd−159、Tb−161、Eu−152、Er−171、Re−186及びRe−188を含む。
ターゲッティング実体及び薬物をオリゴマー形成ドメインに連結すること
ターゲッティング実体及び生物学的に影響を与える分子、例えば、薬物、診断分子、又はキレート化剤は、化学的架橋によりペプチドナノ粒子に結合させることができる。本発明の好ましい態様では、個々の単位は、ペプチド結合及び/又はペプチドリンカーを介して連結させることができる。他の化学的架橋は、例えば自然に起こる又は1個以上のリンカー分子を介するジスルフィド結合を含む。このようなリンカー分子は、−SH、−N3、−COOH、−COBr、−COCl、−NH2、又は−CHOのような反応基2個以上を有する分子である。
このようなシステムで使用される典型的な配列は、ターゲッティング実体及び/又は生物学的に影響を与える分子を、単結合を介して又は相対的に短い化学的リンカーを介してペプチドナノ粒子に連結させることであることに留意されるべきである。このようなリンーの例は、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)又はUS Patent No.4,880,935に記載のリンカー及びオリゴペプチドスペーサーを含む。
例は、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、p−アジドフェナシルブロミド、p−アジドフェニルグリオキサール、N−4−(アジドフェニルチオ)フタルイミド、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、ビスマレイミドヘキサン、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、4,4′−ジイソチオシアノ−2,2′−ジスルホン酸スチルベン、ジメチルアジピミデート、ジメチルピメリミデート、ジメチルスベリミデート、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、ジスクシンイミジルスベレート、ジスクシンイミジルタートレート、ジメチル3,3′−ジチオビスプロピオンイミデート、4,4′−ジチオビスフェニルアジド、3,3′−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、エチル−4−アジドフェニル−1,4−ジチオブチルイミデート、1−アジド−4−フルオロ−3−ニトロベンゼン、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、メチル−4−アジドベンゾイミデート、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホ−スクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドサリチル酸、p−ニトロフェニル−2−ジアゾ−3,3,3−トリフルオロプロピオネート、N−スクマシンイミジル(4−アジドフェニル)−1,3′−ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル2−(m−アジド−o−ニトロベンズアミド)−エチル−1,3′−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル−6−(4′−アジド−2′−ニトロフェニルアミノ−ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル2−(p−アジドサリチルアミド)エチル−1,3′−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシ)−カルボニルオキシ)エチル]スルホン、ジスルホスクシンイミジルタートレート、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシネート、スルホスクシンイミジル(4−アジドフェニルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル6−(4′−アジド−2′−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート及び2−イミノチオランである。
生物学的に影響を与える分子とペプチドナノ粒子との連結が共有結合であるならば、この連結は、もし薬物が完全に生物活性であるためにペプチドナノ粒子から放出されなければならないならば、in vivoで開裂可能でなければならない。この連結は、所望の標的区域において担体から薬物が開裂されることを可能とするように選ぶことができる。この開裂は、酸性pHでは起こるが中性又はわずかにアルカリ性のpHでは起こらない加水分解開裂であることができる。かくして、血流内でのコンジュゲートの開裂は最小であるべきであるが、コンジュゲートが、酸性環境にあるとき、例えば、pHが5.5近傍である、リソソーム中の細胞のある部分にあるとき、開裂が起こるであろう。
しかしながら、好ましくは、連結は、酵素により開裂することができるように、好ましくは、選ばれた細胞又は選ばれた細胞の一部においてのみ存在する酵素によって開裂されうるように選ばれる。特に適当なペプチドリンカーは、カテプシンB及びLのようなリソソーム中に存在することが知られているチオールプロテイナーゼ又は他のプロテアーゼのための特異的基質として作用するペプチドリンカーである。このようなペプチド配列は、Ala−Leu−Ala−Leu、Gly−Phe−Leu−Gly、Gly−Phe−Ala−Leu、又はAla及びleuを含有する種々のジ−、トリ−若しくはテトラペプチド、又はP1部位に塩基性アミノ酸を含有しそしてP2部位に疎水性アミノ酸を含有するペプチド配列であることができる。
別法として、一量体構築ブロックがポリリシン(特に薬物が核酸であるとき、薬物の結合を可能とする配列)、ポリアルギニン、又はトランスフェリン/ポリ−L−リシン複合体(該核酸配列又は該タンパク質と化合してコンジュゲートを形成する)を含有するならば、薬物を共有結合以外の他の手段によりペプチドナノ粒子に結合させることができる。
本発明の好ましい態様では、各々異なる置換基を有する式(I)の2個以上の同一の一量体構築ブロック、例えば、ターゲッティング実体を有する1つの一量体構築ブロック及び薬物を有する他の一量体構築ブロックをコアセンブルして多官能性ナノ粒子とする。これは、薬物をターゲッティング実体に非共有結合により連結するための特に容易な方法である。
治療及び診断方法
本発明は、疾患にかかった器官又は組織を有するヒトを処置するための治療方法であって、本発明に従うペプチドナノ粒子をベースとする薬物ターゲッティングシステムの有効量をヒトに投与して細胞の表面にターゲッティング実体のための受容体を発現している細胞又は隣接の細胞の代謝に影響を与えることを含み、該細胞は中でも疾患にかかった器官又は組織の細胞である、治療方法に関する。特に、本発明は、薬物で置換された機能化ペプチドナノ粒子を投与することを含む、薬物に応答する疾患を処置するための方法に関する。
本発明は、更に、ヒトが疾患にかかった器官又は組織を有するかどうかを決定するための診断方法であって、ペプチドナノ粒子をベースとする薬物ターゲッティングシステム、即ち、診断分子である薬物をヒトに投与しそして該薬物の局在を非侵襲的に検出することを含む方法に関する。
予防接種
機能化ペプチドナノ粒子を製造するために、一量体構築ブロックD1−L−D2を修飾して、連続鎖のいずれかの端部又は両端に抗原、好ましくはペプチド抗原を含ませる。アセンブリーしてペプチドナノ粒子とすると、抗原は、ペプチドナノ粒子の表面に多重コピーにおいて表示され、かくして整列し且つ反復した抗原又は抗原決定基アレーを表し、これは抗原提示システムとして使用することができる。このような厳密な反復性抗原提示(rigid repetitive antigen display)は、高力価の血清特異的中和抗体を予想通りに引き出すことができる。何故ならば、B細胞は、T−ヘルプ(Tl−1免疫応答)の必要なしですら、短命のIgM応答により、高度に反復性の、厳密に規律正しい抗原決定基に対して反応するからである。更に、粒状構造はそれを抗原提示細胞に案内しそしてCD4増殖応答及び細胞傷害性Tリンパ球を誘発し、かくして長期免疫記憶を誘発するであろう。
本発明のペプチド抗原は、(a)がん細胞に対する免疫応答を誘発するのに適したタンパク質;(b)感染性疾患に対する免疫応答を誘発するのに適したタンパク質;及び(c)アレルゲンに対する免疫応答を誘発するのに適したタンパク質よりなる群から選ぶことができる。このようなタンパク質又はそのペプチド断片を含むペプチドナノ粒子は、ヒト又は農場動物における免疫応答を誘発するのに適していることができる。1つのナノ粒子内の1つ以上のB細胞及びT細胞エピトープの組み合わせも発生させて多重特異的免疫応答を誘発させることができる。
本発明の1つの特定の態様では、抗原又は抗原決定基は、感染性疾患の防止に有用な抗原又は抗原決定基である。このような処置は、広い範囲の宿主、例えば、ヒト又は非ヒト動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、他の哺乳動物種および非哺乳動物種に影響を与える広汎な種類の感染性疾患を防止するのに有用であろう。処置可能な感染性疾患は、当業者に周知されている。例は、ウイルス病因の感染症、例えば、HIV、インフルエンザ、ヘルペス、ウイルス肝炎、エプスタインバール、ポリオ、ウイルス脳炎、はしか、水痘等、又はバクテリア病因の感染症、例えば、肺炎、結核、梅毒等、又は寄生虫病因の感染症、例えば、マラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トリコモナス症、アメーバ症等を含む。抗原若しくは抗原決定基の特定の例は、HIV抗原gp41及びgp120、インフルエンザ抗原、血球凝集素及びノイラミニダーゼ、肝炎B表面抗原及びマラリアのサーカムスポロゾイト(circumsporozoite)タンパク質を含む。
他の特定の態様では、本発明の組成物は、アレルギー又はがんの処置に使用することができる免疫治療剤である。アレルギーを処置するための組成物及び方法のための抗原若しくは抗原決定基の選択は、このような疾患を処置する医学分野の医師に周知されている。このタイプの抗原若しくは抗原決定基の代表的な例は、毒物ホスホリパーゼA2、BetvI(カバノキ花粉アレルゲン)、5DolmV(スズメバチ毒物アレルゲン)及びDerpI(家屋塵ダニアレルゲン)を含む。
本発明の好ましい観点では、本発明の組成物及びマラリアの処置が考えられる。マラリア寄生虫の生活環は、妨害すると感染プロセスを停止させることができるいくつかの段階を与える。マラリア寄生虫の生活環において、ヒトは雌のAnopheles属の蚊の咬傷からマラリアに感染する。この蚊は宿主にそのプローブを挿入し、そうする際に蚊の唾液中に存在するスポロゾイト(sporozoite)形態のPlasmodium falciparumを注入する。長年にわたって、マラリアワクチンは、多成分及び多段階ワクチンをもたらす様々な寄生虫細胞表面タンパク質の種々の抗原領域を含むべくことが次第に明らかになった。ペプチドワクチンのデザインのために適当な可能なタンパク質及びペプチド配列は、下記のPlasmodium falciparum タンパク質:MSP−1(寄生虫細胞表面に発現された大きい多形タンパク質)、MSA1(主要なメロゾイト表面抗原1)、CSタンパク質(ネイティブサーカムスポロゾイト)、US Patent 4,735,799に従う35KDタンパク質又は55KDタンパク質又は195KDタンパク質、又はAMA−1(尖端膜抗原1)(apical membrane antigen 1)からの配列を含有することができる。
本発明の他の好ましい観点では、HIVの予防及び処置のための組成物が考えられる。抗HIVワクチンの製造のために、HIV特異的抗体を誘発することができる合成ペプチドを使用することができ、該合成ペプチドは、免疫応答を与えるためのHIV−1のエンベロープ又はgagタンパク質又はgp120又はgp41の機能的T細胞エピトープ又はB細胞エピトープのアミノ酸配列を有する。既知の抗体2F5のような融合プロセスを妨害することができるコンホーメーション特異的中和抗体を誘発することができるgp41内の配列が特に興味深い。このような配列は、主として、HR1及びHR2及びクラスターI及びクラスターII領域に及びその付近に局在している。例えば、gp41のコイルドコイル三量体に結合する抗体であって、このコイルドコイル三量体を含む本発明のペプチドナノ粒子により誘発された抗体は、ヘアピン形成及びしたがってウイルス融合を抑制するであろう。同様に、同様な融合プロセスを伴うEbora又は他のウイルスの三量体コイルドコイルに対して生じた抗体はこれらのウイルスのウイルスエントリー(viral entry)を抑制するであろう。
ガンの処置のための組成物及び方法に対する抗原又は抗原決定基の選択は、このような疾患を処置する医学分野の医師には知られている。このタイプの抗原又は抗原決定基の代表的例は、下記のもの:HER2/neu(乳がん)、GD2(神経芽細胞種)、EGF−R(悪性グリオブラストーマ)、CEA(甲状腺髄様がん)、CD52(白血病)、MUC1(血液学的悪性疾患で発現される)、gp100タンパク質又はがん抑制遺伝子WT1の産物を含む。
アジュバントとしての本発明のナノ粒子の使用も意図される。
本発明は、前記した抗原で置換された機能化ペプチドナノ粒子の有効量を投与することを含む、予防接種の方法にも関する。
医薬組成物
本発明は、本発明のペプチドナノ粒子、特に標的化実体及び薬物を有するナノ粒子又は抗原を有するナノ粒子を含む医薬組成物にも関する。温血動物、好ましくは、ヒトへの腸内投与、例えば、鼻、頬側、直腸、又は経口投与(噴霧器及び点眼も含む)のための組成物及び非経口投与、例えば、静脈内、筋肉内又は皮下投与のための組成物が好ましい。非経口投与のための組成物が特に好ましい。考えられる更なる組成物は外科移植に適当な組成物である。組成物は、ペプチドナノ粒子のみを含むか又は好ましくは薬学的に許容しうる担体と共に含む。活性成分の投与量は、処置されるべき疾患及び種、その年齢、体重及び個々の条件、個々の薬力学的データ及び投与の方式に依存する。
医薬組成物は、活性成分約1%〜約95%を含む。非経口投与のための単位剤形は、例えば、アンプル剤又はバイアル剤、例えば、ペプチドナノ粒子約0.01mg〜約1.0gを含有するバイアルである。考慮される更なる剤形は、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、フォーム剤、チンク剤、分散剤等である。
ペプチドナノ粒子の溶液剤並びに懸濁剤又は分散剤、特に、例えば活性成分単独で又は担体、例えば、マンニトールと共に含む凍結乾燥された組成物の場合に、使用前に構成されうる等張水性溶液剤、分散剤又は懸濁剤の使用が好ましい。医薬組成物は、滅菌することができ、及び/又は賦形剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調整するための塩及び/又は緩衝剤を含むことができ、そしてそれ自体既知の方法で、例えば、慣用の溶解及び凍結乾燥方法によって製造される。該溶液剤又は懸濁剤は粘度調節剤を含むことができる。
非経口投与のために、ペプチドナノ粒子の水性溶液剤、又は粘度調節物質及び所望ならば安定剤を含有する水性注射懸濁剤が特に適当である。場合により医薬添加物と共にペプチドナノ粒子は凍結乾燥物の形態にあることもでき、そして非経口投与の前に適当な溶媒の添加により溶液とすることができる。
本発明は、活性成分として、本発明のペプチドナノ粒子、特にターゲッティング実体及び薬物を有するナノ粒子又は抗原を有するナノ粒子を含む、医薬製剤の製造方法及び医薬製剤の製造のためのペプチドナノ粒子の使用にも関する。本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば、慣用の混合、顆粒化、コーティング、溶解又は凍結乾燥方法によって製造される。
ペプチドナノ粒子及び機能化ペプチドナノ粒子の一量体構築ブロック及び製造
本発明は、前記した式(I)の一量体構築ブロック、及び場合によりターゲッティング実体及び薬物又は抗原を有するこのような一量体構築ブロックにも関する。
本発明に従う一量体構築ブロックは、化学的合成又は遺伝子的に修飾された生物における発現により得ることができる。一量体ポリペプチド鎖の相対的に短い長さにより、化学合成は好ましい。ポリペプチドの合成方法は周知でありそして本発明の一量体構築ブロックを製造するのに容易に適合させることができる。C−末端からペプチド合成を開始する標準ペプチド化学が好ましい。N−末端におけるリガンドは、標準ペプチド合成条件下に結合させることができる。別法として、一量体構築ブロックは、確立された転写−翻訳システムを使用する遺伝子工学的に作りだされた多細胞生物において直接発現させることができる。
ペプチドナノ粒子は、水性溶液、好ましくは中性付近の水性緩衝溶液、例えばトリス緩衝剤を含有する塩化ナトリウム溶液中で一量体構築ブロックを平衡化させることにより得られる。システイン残基を含有するペプチドは、ジチオトレイトール(DTT)の添加により取り扱うことができ、ジチオトレイトールは平衡化のいくつかの段階で加えてジスルフィド橋を還元しそして新たなジスルフィド橋の再形成を可能とすることができる。ペプチドナノ粒子、特にジスルフィド橋を含有するペプチドナノ粒子の正しい折り畳みのために、ナノ粒子のリフォールディングは変性条件(8M尿素)から出発することができ、次いで還元又は酸化条件下にそれをネイティブ条件(例えば、150mM NaCl、pH7.5)に対して透析することができる。
実施例
下記の実施例は本発明を更に説明するのに有用であるが、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:Ac−COMP−三量体(デノボ)−NH2
下記の配列(配列番号1)のペプチドをC−末端から合成を開始する標準固相ペプチド合成(Merrifield R.B., Adv Enzymol Relat Areas Mol Biol.1969, 32:221-296)により製造する。
Figure 0004509999
これは、C−末端端部にジスルフィド橋を欠きそして安定なヘリックス内及びヘリックス間相互作用のための改良されたN−末端及びC−末端と、リンカーセグメントとして2つのグリシン残基を有するCOMP(Cartilage Oligomerization Matrix Protein)の五量体領域からの30アミノ酸及び新規にデザインされた三量体コイルドコイルドメインとしての26アミノ酸に相当する。N−末端においては、正に帯電したアミノ基はアセチルアミノ部分により置き換えられ、C−末端では、負に帯電したカルボキシ基はカルボキサミドにより置き換えられる。残基33及び42はシステイン残基であり;それらはそれぞれのコイルドコイルのaa(f)位置にあり、場合により2つのヘリックス間のヘリックス間ジスルフィド橋を形成する。
分子間ジスルフィド橋を形成することができるこのペプチドの最適リフォールディング条件を決定するためにモノマー構築ブロック配列番号1からのナノ粒子をアセンブルするための4つの異なる条件を試験する。
可溶化
調製1(酸化条件):1mg/mlペプチドを直接150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5に溶解させる。
調製2(還元条件):1mg/mlペプチドを直接150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;2mMDTTに溶解させる。
調製3(変性条件):0.07mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;2mMDTT、8M尿素に溶解させる。溶液を、150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;8M尿素/4M尿素/2M尿素/尿素なしまで段階的に透析する。溶液を150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5中1mg/mlに濃縮する。
調製4(変性、還元条件):0.07mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;8M尿素、2mMDTTに溶解させる。溶液を、150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;8M尿素及び2mMDTT/4M尿素及び2mMDTT/2M尿素及び2mMDTT/尿素なし及び2mMDTT並びに尿素なし/DTTなしで段階的に透析する。溶液を150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5中1mg/mlに濃縮する。
分析超遠心(AUG):
調製1から:AUGはそれぞれ、383、997及び2210kDaの分子量(MW)を有するほぼ同じフラクションサイズの3つの主要な成分を示し、これらは48.5、126.4及び280.1モノマーを含有するペプチドナノ粒子に相当する。
調製2から:このAUG測定の主要フラクション(80%)は、168KdAのMWを有する成分及びそれぞれ330及び131の分子量を有する2つの少量フラクションであり、これらは21.3、41.8及び16.6個の一量体を含有するペプチドナノ粒子に相当する。後者は118.3kDaの理論分子量を有する15個の一量体構築ブロックからな均一ユニットとしてのペプチドナノ粒子に相当する。
調製3から:測定されたMWはわずかに濃度依存性である。より低い濃度(0.15mg/ml及び0.3mg/ml)では、ペプチドナノ粒子は3個の均一ユニットからなり、より高い濃度(0.4mg/ml、0.6mg/ml及び0.8mg/ml)では、ペプチドナノ粒子は4個の均一ユニットからなる。4個の均一ユニットを有するこのペプチドナノ粒子は、60個の一量体構築ブロックからなる十二面体対称を有する正多面体の分子量を有する。
Figure 0004509999
調製4から:測定されたMWは濃度依存性であり、そしてより高い濃度では、ペプチドナノ粒子は121個もの多くの一量体構築ブロックを含有する。
Figure 0004509999
電子顕微鏡(EM):
調製1から:EM写真から判定して、ペプチドはペプチドナノ粒子を形成しないで、むしろ不規則な集合体を形成する。
調製2から:ペプチドは種々のサイズのペプチドナノ粒子を形成しており、そして形状は必ずしも完全に球状ではない。ペプチドナノ粒子の平均サイズは25nmである(図4A参照)。
調製3から:ペプチドは球状の外観を有する同一サイズのペプチドナノ粒子を形成する。ペプチドナノ粒子の直径は15nmであり、そして十二面体対称を有する正多面体のための分子モデル化から予測された値に相当する(図4B)。
調製4から:ペプチドは、多くは球状外観を有するほぼ同じサイズのペプチドナノ粒子を形成する。ペプチドナノ粒子の直径は15nmであり、そして十二面体対称を有する正多面体についての分子モデル化から予測された値に相当する。
実施例2:COMP−三量体(デノボ)(Cysなし)
下記の配列(配列番号2)のペプチドを、トロンビン開裂と組み合わせてHis−タグアフィニティ精製スキームを使用して標準E.coli発現システムにおいて組換え発現させる:
Figure 0004509999
これは、ナノ粒子の2つのヘリックス間の改良された分子間イオン性相互作用を有し(残基31、32、35、38、45,50、51)、実施例1の残基33と42間の分子内ジスルフィド橋を欠き(それぞれアルギニン又はアラニンによるシステインの置換)そして発現システムのトロンビン開裂部位からの2つの追加の残基(グリシン及びセリン)で開始する実施例1(配列番号1)からの配列に関する。
一量体構築ブロック配列番号2からナノ粒子をアセンブルするための1つの条件を試験した。1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.0に溶解させる。測定されたMWは約148個の一量体からなるナノ粒子、60個の非対称単位を有する正多面体に必要なより多くの一量体を有するナノ粒子に相当する。2つのオリゴマー形成ドメインの2つのヘリックスは、互いに対するそれらの相対的方位においてジスルフィド橋により固定されない。
Figure 0004509999
実施例3:三量体(フォルドン)−COMP
下記の配列(配列番号3)のペプチドを、トロンビン開裂と組み合わせてHis−タグアフィニティ精製スキームを使用して標準E.coli発現システムにおいて組換え発現させる:
Figure 0004509999
これは、発現システムのトロンビン開裂部位からの2つの追加の残基(グリシン及びセリン)、フィブリチンの三量体フォルドンドメインの27アミノ酸、リンカーセグメントとしての2つのグリシン残基;及びC−末端端部におけるジスルフィド橋を含むCOMPの五量体ドメインからの44アミノ酸に相当する。残基71及び74はヘリックス間ジスルフィド橋を形成すことができる。
一量体構築ブロック配列番号3からナノ粒子をアセンブルするための2つの異なる条件を試験する。
調製1:1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.0に溶解させる。
調製2:1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.0;2mMDTTに溶解させる。
分析超遠心:
調製1から:測定されたMWは濃度依存性であり、濃度を増加させるとナノ粒子サイズが増加する。
Figure 0004509999
調製2から:測定されたMWは濃度依存性でありそして約13個の一量体からなるナノ粒子に相当する。
Figure 0004509999
ネイティブゲル
調製1:ネイティブゲルは、約66kDa及び約120kDaのペプチドナノ粒子の分子量に相当する2つの主要成分を示し、後者は、15個の一量体構築ブロック、即ち、1個の均一ユニット単位からなるペプチドナノ粒子に相当する。
実施例4:三量体(フォルドン)Cys11−COMP
下記の配列(配列番号4)のペプチドを、トロンビン開裂と組み合わせてHis−タグアフィニティ精製スキームを使用して標準E.coli発現システムにおいて組換え発現させる:
Figure 0004509999
これは、発現システムのトロンビン開裂部位からの2つの追加の残基(グリシン及びセリン)、フィブリチンの三量体フォルドンドメインの27アミノ酸、リンカーセグメントとしての2つのグリシン残基;及びC−末端端部におけるジスルフィド橋を含むCOMPの五量体ドメインからの44アミノ酸に相当する。残基71及び74はヘリックス間ジスルフィド橋を形成すことができる。残基Asp11は、システインン残基により置き換えられ、システイン残基は、他のモノマー構築ブロックの同じ残基とジスルフィド橋を形成することができ、該他のモノマー構築ブロックに対してそれは十二面体の2回回転軸により対称関係にある。
一量体構築ブロック配列番号4からナノ粒子をアセンブルするための2つの異なる条件を試験する。
調製1:1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.0に溶解させる。
調製2:1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.0;2mMDTTに溶解させる。
分析超遠心:
調製1から:測定されたMWは、9.0モノマーからなるナノ粒子に相当する。
Figure 0004509999
調製2から:測定されたMWは、11.2個の一量体からなるナノ粒子に相当する。
Figure 0004509999
実施例5:三量体(フォルドン)Cys11−リンカー−COMP
下記の配列(配列番号5)のペプチドを、トロンビン開裂と組み合わせてHis−タグアフィニティ精製スキームを使用して標準E.coli発現システムにおいて組換え発現させる:
Figure 0004509999
これは、お互いに対して2つのドメインの柔軟性を増加させるためにフォルドン部分とCOMPとの間の2つの追加の残基(セリン及びグリシン)を有する実施例4(配列番号4)からの配列に相当する。
一量体構築ブロック配列番号5からナノ粒子をアセンブルするための2つの異なる条件を試験する。
調製1:1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5に溶解させる。
調製2:0.07mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5、8M尿素に溶解させる。溶液を、150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5;8M尿素/4M尿素/2M尿素/尿素なしまで段階的に透析する。溶液を150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5中1mg/mlに濃縮する。
分析超遠心:
調製1から:測定されたMWはわずかに濃度も依存性でありそして溶液は異なるサイズを有するナノ粒子の混合物を含有する。
Figure 0004509999
調製2から:測定されたMWは濃度依存性でありそして粒子は1個の均一ユニット単位に相当する15個の一量体からなる。
Figure 0004509999
実施例6:三量体(フォルドン)Cys11−リンカー2−COMP
下記の配列(配列番号6)のペプチドを、トロンビン開裂と組み合わせてHis−タグアフィニティ精製スキームを使用して標準E.coli発現システムにおいて組換え発現させる:
Figure 0004509999
これは、お互いに対して2つのドメインの柔軟性を増加させるためにフォルドンとCOMPとの間の4つの追加の残基(セリン、グリシン、セリン及びグリシン)を有する実施例4(配列番号4)からの配列に相当する。一量体構築ブロック配列番号6からナノ粒子をアセンブルするための1つの条件を試験した。
1mg/mlペプチドを150mM NaCl、20mMトリス、pH7.5に溶解させる。
分析超遠心
測定されたMWは濃度依存性でありそして分子量は1個の均一ユニットに対するよりわずかに少ない一量体からなるナノ粒子に相当する。
Figure 0004509999
それぞれ、三量体及び五量体オリゴマー形成ドメイン[(左側、A)]並びに三量体及び四量体オリゴマー形成ドメイン[(右側、B)]のための「均一ユニット(even unit)」の略図である。一量体(構築ブロック)の数は、構築ブロックの2つのオリゴマー形成ドメインD1及びD2のオリゴマー化状態の最小公倍数(LCM)により定められる。均一ユニットにおいては、すべての構築ブロックのリンカーセグメントは、互いにできる限り近接して、即ち、ペプチドナノ粒子の中心にできる限り近接してアレンジされ、従って均一ユニットは球状ペプチドナノ粒子を形成するであろう。 可能な正多面体は2、3及び4回対称要素(2,3 and 4-fold symmetry elements)(A)及び2、3及び5回対称要素(2,3 and 5-fold symmetry elements)(B)から構築される可能な正多面体。対称要素は、黒色記号として示される。A)では、立方体(左)及び八面体(右)は、同じ対称要素を有しておりそして24個の同一三次元構築ブロックから構築される。B)では、十二面体及び二十面体はやはり同じ内部対称要素を有しておりそして60個の同一三次元構築ブロックから構築される。 十二面体/二十面体の内部対称要素。回転対称軸(2回、3回、及び5回)は、2,3及び5のマークを付けられた線として表示される。A)では、オリゴマー形成ドメインD1(左、3回対称を有するコイルドコイルドメイン)、リンカーセグメントL(下部)及びオリゴマー形成ドメインD2(右、5回対象を有するコイルドコイルドメイン)からなる一量体構築ブロックは、オリゴマー形成ドメインD1及びD2の内部対称要素が多面体の対称要素上に重ねられるように表示される。B)では、完全なコイルドコイルドメインD1及びD2が表示される。多面体の3回及び5回回転対称要素により発生された追加の対称物体は、シリンダーとして示されているが、元の分子はA)におけると同じくヘリックスとして表示される。 配列番号1の配列を有するペプチドから形成されたペプチドナノ粒子の電子顕微鏡写真。A)還元条件下に形成されるペプチドナノ粒子(実施例1、調製2);B)変性条件下に形成されたペプチドナノ粒子(実施例1、調製3)。写真は、2%酢酸ウラニルによるネガティテブ染色により調製され;ペプチドの濃度は0.01mg/mlであった。A)では、粒子の平均直径は約25nmである。粒子番号1は多分十二面体を表し、粒子番号2は立方体を表すが、粒子番号3は両方の混合物、いわゆる五面体プリズムを示す。B)では、粒子の平均直径は約15nmである。

Claims (22)

  1. ペプチドオリゴマー形成ドメインD1、リンカーセグメントL及びペプチドオリゴマー形成ドメインD2を含む連続鎖からなる式(I)
    Figure 0004509999
    (式中、D1はm個のサブユニットD1のオリゴマー(D1)を形成する傾向を有する合成又は天然のペプチドであり、D2はn個のサブユニットD2のオリゴマー(D2)を形成する傾向を有する合成又は天然ペプチドであり、mまたはnの1つが2でありかつmおよびnの残りの1つが5であるか、mまたはnの1つが3でありかつmおよびnの残りの1つが4または5であるか、または、mまたはnの1つが4でありかつmおよびnの残りの1つが5であり、
    Lは1〜60個の原子の短い柔軟性リンカーセグメントであり、そしてD1、D2及びLは非修飾または、ターゲッティング実体、薬物または抗原で修飾されている)
    で示される多数の構築ブロックの集合体からなるペプチドナノ粒子。
  2. mまたはnが5である、請求項1に記載のペプチドナノ粒子。
  3. D1−L−D2を含む連続鎖がウイルスカプシドタンパク質とは異なる、請求項1に記載のペプチドナノ粒子。
  4. オリゴマー形成ドメインD1及び/又はD2がコイルドコイルペプチド配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子。
  5. オリゴマー形成ドメインD1及び/又はD2が、7個及び/又は11個のアミノ酸の配列において3または4残基の間隔を置いて配置された少なくとも50%の疎水性の残基の連続パターンを有するコイルドコイルペプチド配列である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子。
  6. オリゴマー形成ドメインD1及び/又はD2が、式(II)
    Figure 0004509999
    (式中、aaはアミノ酸又はその誘導体を意味し、aa(b)、aa(c)、aa(e)、aa(f)及びaa(g)は、同じ若しくは異なるアミノ酸又はその誘導体であり、aa(a)及びaa(d)は同じ若しくは異なる疎水性のアミノ酸又はその誘導体であり、そしてXは2〜20である)
    で示されるペプチドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子。
  7. Xが3〜6である、請求項6に記載のペプチドナノ粒子。
  8. D2が、軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)の五量体形成ドメイン又は五量体形成ドメイン性質を保持するその誘導体である、ここでアミノ酸は他のアミノ酸により置換えられる、C−末端CDACGモチーフを欠いている、N−末端アミノ基はアセチルアミノにより置き換えられる、および/またはC−末端カルボキシ基はカルボキサミドにより置き換えられる、請求項1に記載のペプチドナノ粒子。
  9. D1が、バクテリオファージT4タンパク質フィブリチンの三量体形成ドメイン(フォルドン)又は三量体形成ドメイン性質を保持するその誘導体である、ここでアミノ酸は他のアミノ酸により置換えられる、N−末端アミノ基はアセチルアミノにより置き換えられる、および/またはC−末端カルボキシ基はカルボキサミドにより置き換えられる、請求項1に記載のペプチドナノ粒子。
  10. D1−L−D2を含む連続鎖がターゲッティング実体に連結されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子。
  11. D1−L−D2を含む連続鎖が薬物に連結されている、請求項1、3又は10に記載のペプチドナノ粒子。
  12. D1−L−D2を含む連続鎖が抗原に連結されている、請求項1又は3に記載のペプチドナノ粒子。
  13. ターゲッティング実体、薬物又は抗原が非共有結合によって結合している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子。
  14. 異なるターゲッティング実体、薬物及び/又は抗原に連結された式(I)の同一の構築ブロックの集合体からなる、請求項1又は3に記載のペプチドナノ粒子。
  15. ターゲッティング実体、薬物又は抗原に連結された式(I)の異なる構築ブロックの集合体からなる、請求項1又は3に記載のペプチドナノ粒子。
  16. 請求項10〜15のいずれか1項に記載のペプチドナノ粒子を含む医薬組成物。
  17. 薬物で置換された請求項1に記載の機能化ペプチドナノ粒子を含む、薬物に応答する疾患に対する医薬。
  18. 診断分子である薬物で置換された請求項1に記載の機能化ペプチドナノ粒子を含む、ヒトが疾患にかかった器官又は組織を有しているかどうかを決定するための診断薬。
  19. 請求項12〜15に記載のペプチドナノ粒子を含む、ヒト又は非ヒト動物のワクチン。
  20. 抗原で置換された請求項1に記載の機能化ペプチドナノ粒子を含む、ヒト又は非ヒト動物のワクチン。
  21. ペプチドオリゴマー形成ドメインD1、リンカーセグメントL及びペプチドオリゴマー形成ドメインD2を含む連続鎖からなる式(I)
    Figure 0004509999
    の一量体構築ブロックを平衡化させて集合体を形成することを特徴とする、請求項1に記載のペプチドナノ粒子を製造する方法。
  22. ペプチドオリゴマー形成ドメインD1、リンカーセグメントL及びペプチドオリゴマー形成ドメインD2を含む連続鎖からなる式(I)
    Figure 0004509999
    (式中、D1はm個のサブユニットD1のオリゴマー(D1)を形成する傾向を有する合成又は天然のペプチドであり、D2はn個のサブユニットD2のオリゴマー(D2)を形成する傾向を有する合成又は天然のペプチドであり、mまたはnの1つが2でありかつmおよびnの残りの1つが5であるか、mまたはnの1つが3でありかつmおよびnの残りの1つが4または5であるか、または、mまたはnの1つが4でありかつmおよびnの残りの1つが5であり、Lは1〜60個の原子の短い柔軟性リンカーセグメントであり、そして該連続鎖は、非修飾またはターゲッティング実体薬物又は抗原で修飾されている
    で示される一量体構築ブロック。
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