JP4508956B2 - 高周波熱処理方法および高周波熱処理装置 - Google Patents

高周波熱処理方法および高周波熱処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼の熱処理方法に関し、より特定的には、鋼の高周波熱処理方法、高周波熱処理装置および高周波熱処理品に関するものである。
高周波焼入炉は、雰囲気加熱炉と異なり、炉の作業環境がクリーンであり、少量ロットの製品を短時間で効率よく処理できるといった点で有利な処理炉である。一般に、鋼の高周波焼入では、電力と時間の熱処理条件を変化させながら、焼入品質を確認し、実験的に焼入条件を設定している。この場合、被処理物の種類によって、随時、熱処理条件を設定する必要があり、条件出しに手間がかかるという問題がある。この問題は、高周波焼入では、温度制御による熱処理が難しいということに起因している。
熱処理品質は、温度と時間により制御する方法が組織制御という観点から最も望ましい。しかし、高周波焼入では、測温方法と温度の高速制御という点で技術的に困難があり、温度制御による焼入は採用されていないのが現状である。高周波熱処理において測温が困難である理由は、雰囲気加熱とは異なり、被処理物が直接加熱されるので、測温は被処理物に対して直接行なわなければならないという点、また、高周波加熱設備には、均一加熱のため、被処理物に駆動機構が設けられている場合が多く、接触式の温度計の設置がレイアウト上、困難であるという点にある。
そこで、たとえば、放射温度計などの非接触式の温度計を用いればよいということになるが、従来の放射温度計は、応答速度が遅く、金属の測温には向かないという問題があり、高周波焼入の温度制御において適切なものはなかった。昨今、放射温度計の信号出力速度の高速化と、温度計の放射率設定による測温精度の向上により、放射温度計による金属の高速温度制御に可能性が見出される。
仮に、温度制御による高周波焼入が可能になった場合でも、基本的に部分加熱である高周波焼入では、材質内に温度ムラが生じるため、場所によって熱処理品質が変化する可能性があり、ずぶ焼入処理への適用では問題となる。特に肉厚の大きな被処理物では、温度ムラが大きくなるので、この問題が発生しやすくなる。被処理物を均質に加熱できない場合、加熱が十分な部分では、所定の熱処理品質を満たしているが、加熱が不十分な部分では、所定の熱処理品質を満たしていないという状況が発生する。
このような問題を解消するには、加熱時間を十分にとり、熱伝導により被処理物内の温度を均一にする方法がある。また、比較的低周波の高周波電源を用いて、被処理物の内部にまで磁束を進入させて均一に加熱する方法がある。しかし、これらの方法には、十分な加熱時間をどのようにして決定するのかという共通の課題がある。すなわち、温度制御により高周波ずぶ焼入を行なう場合、所定の熱処理品質を得るための熱処理方法を考案する必要がある。
高周波焼入では、測温と温度制御が困難であるため、温度制御による焼入が難しく、温度制御による高周波ずぶ焼入を行なうとしても、所定の熱処理品質を得るための熱処理方法を考案する必要がある。かかる方法として、高周波焼入による鋼のずぶ焼入を温度制御しながら行なう以下の方法が考えられる。
この方法は、昇温が最も速くなる位置(磁束が最も侵入しやすい位置)における材質が所定の品質(主に硬度、残留オーステナイト量)を満たすように温度制御し、その他の位置が所定の品質(主に硬度)を得るために十分な加熱が行なわれたかどうかを見極めて焼入タイミングを図るというものである。このとき、焼入タイミングの見極めを、C(炭素)の拡散長が一定の値に達しているかどうかによって行なう方法が考えられる。これは、炭素を鉄中へ均質に固溶させる時間がCの拡散距離に対応しているという考えに基づいている。Cの拡散長Depは、Dep=2(Dt)1/2の式によって表すことができる。この式におけるDは拡散定数、tは加熱処理時間である。
この考え方は、加熱温度が十分に高い場合に適用できるが、加熱温度が低い場合には問題が発生する。具体的には、加熱温度が低い場合、Cの固溶度が温度の低下につれて少なくなり、Cの拡散長は十分であるが、材料中のCの固溶量の条件が満たされていないという問題が発生する。
一方、上記方法では、温度制御側のヒートパターンをTTA(Time Temperature Austenitization)線図に基づいて決定することが考えられる。この場合、温度制御側のヒートパターンは、工数低減という観点から、できるだけ高温で処理するように決定される。このとき、残留オーステナイト量は過多になるおそれがあるが、この残留オーステナイト量を推測する方法が無く、品質の管理が難しいという問題があった。
上記においては、出願人の知得した技術情報に基づいて説明したが、出願前に先行技術文献として開示すべき情報を出願人は有していない。
上述した温度制御による高周波ずぶ焼入方法では、(1)加熱温度が低い場合、Cの固溶量の条件が満たされていないにもかかわらず、焼入が行なわれるという矛盾が発生するという点、(2)温度制御側の残留オーステナイト量を推測する方法が無く、品質の管理が難しいという点で課題があった。
そこで、本発明の目的は、Cの固溶量の条件が満たされた後に焼入を行なうことができ、かつ温度制御側の残留オーステナイト量を推測できる高周波熱処理方法、高周波熱処理装置および高周波熱処理品を提供することである。
本発明の高周波熱処理方法は、高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する高周波熱処理方法であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御工程と、焼入時期を調節する焼入制御工程とを備えている。温度制御工程は、高周波により被処理物を加熱する加熱工程と、被処理物において磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置の温度を測定する温度制御用測温工程と、測定した温度情報に基づき温度制御信号を出力して被処理物への加熱を制御する温度調節工程とを有している。焼入制御工程は、被処理物の温度制御用測温工程において測温される部位からできるだけ離れた部位の温度を測定する焼入用測温工程と、測定した温度情報に基づき、TTA線図上で熱処理品質規格を満足する範囲内となるように熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節工程とを有している。焼入の開始タイミングを決定するための炭素の固溶状態の計算は以下の計算式により求められ、被処理物中の炭素の固溶状態が所定の条件を満たしているかどうかで、TTA線図上で規格内におさまったかどうかを判断し、焼入のタイミングを決定される。
∂C/(∂t)=D∂C/(∂x
D:拡散定数、C:炭素濃度(質量%)、t:時間(秒)、x:距離
D=Dexp(−Q/RT)
:拡散定数のエントロピー項、Q:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度(K)
なお、上述の表層とは被処理物において高周波電流により発生した磁束が侵入する領域をいう。
本発明の高周波熱処理方法によれば、被処理物中の炭化物からのC(炭素)の拡散を近似的に求めることができ、Cの固溶量を正確に推測することができる。このため、このCの固溶量の条件が満たされた後に焼入を行なうことが可能となる。また、上記式における計算を焼入タイミング側だけでなく温度制御側でも行なうことにより、Cの固溶量から温度制御側の残留オーステナイト量を推測することも可能となる。
本発明の高周波熱処理装置は、上記の高周波熱処理方法で焼入を行なうことを特徴とするものであって、加熱する被処理物の温度を調節するための温度制御手段と、被処理物を焼入れるための焼入手段とを備えている。温度制御手段は、高周波により被処理物を加熱する加熱手段と、磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置の温度を測定する温度制御用測温手段と、温度制御用測温手段に接続して温度制御用測温手段からの温度情報に基づき温度制御信号を加熱手段に出力する温度調節手段とを有している。焼入手段は、温度制御用測温手段により測温される部位からできるだけ離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、焼入用測温手段に接続して焼入用測温手段からの温度情報に基づき、TTA線図上で熱処理品質規格を満足する範囲内となるように熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有している。
本発明の高周波熱処理装置を用いることにより、Cの固溶量を正確に推測することができるため、このCの固溶量の条件が満たされた後に焼入を行なうことが可能となる。また、上記式における計算を焼入タイミング側だけでなく温度制御側でも行なうことにより、Cの固溶量から温度制御側の残留オーステナイト量を推測することも可能となる。
本発明の高周波熱処理品は、上記の高周波熱処理装置を用いて、上記の高周波熱処理方法で作製したことを特徴とするものである。
以上の説明から明らかなように、本発明のCの固溶状態の計算式を高周波焼入に適用すれば、Cの固溶量を正確に推測することができるため、このCの固溶量の条件が満たされた後に焼入を行なうことが可能となる。また、上記式における計算を焼入タイミング側だけでなく温度制御側でも行なうことにより、Cの固溶量から温度制御側の残留オーステナイト量を推測することも可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。本実施の形態の高周波熱処理方法が背景技術に記載の方法と大きく異なる点は、Cの固溶状態の推測方法にある。背景技術に記載の方法では、焼入タイミング側のCの固溶状態は、Dep=2(Dt)1/2の式から推測されるが、本実施の形態の方法では、焼入タイミング側のCの固溶状態は、∂C/(∂t)=D∂C/(∂x)の式(Fickの第2法則)を数値解析的に解くことで推測される。以下、そのことを具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における高周波熱処理装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、本実施の形態の高周波熱処理装置は、加熱する被処理物(ワーク)1の温度を調節する温度制御手段と、被処理物(ワーク)1を焼入れするための焼入手段とを備えている。本実施の形態によれば、任意の形状の被処理物1に対して、所定の品質を有する焼入加工製品を最短の工数で製造することができる。また、コイルなどの加熱手段の形状、電源の周波数、試験片の形状によらず使用することができる。
温度制御手段は、典型的には、高周波により被処理物1を加熱するコイルなどの加熱手段2と、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度計(温度制御用温度計)などの温度制御用測温手段3と、温度制御用測温手段3に接続して温度制御用測温手段3からの温度情報に基づき温度制御信号を加熱手段2に出力する温度調節手段4とを備える態様が好ましい。
一方、焼入手段は、加熱手段2により加熱される部位1aから離れた部位1bの温度を測定する温度計(焼入タイミング決定用温度計)などの焼入用測温手段5と、焼入用測温手段5に接続して焼入用測温手段5からの温度情報に基づき熱処理時間を調節し、焼入液噴射手段7などに焼入開始信号を出力する熱処理調節手段6とを備える態様が好ましい。
本装置の特徴の1つは、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度制御用測温手段3と、加熱手段2により加熱される部位1aから離れた部位1bの温度を測定する焼入用測温手段5とを有することにある。高周波熱処理による温度制御をより正確にするため、温度制御用測温手段3は、磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置を測温することが望ましい。
一方、高周波による加熱は、被処理物1の表層を加熱する部分加熱であるため、被処理物1内に温度分布が生じる。したがって、場所によって熱処理品質が変化する可能性があり、ずぶ焼入処理への適用では問題となる。特に肉厚の大きな被処理物1では、温度ムラが大きくなるので、この問題が発生しやすい。したがって、低温部分においても十分に熱処理を施し、所定の熱処理品質を満たすため、焼入用測温手段5は、磁束の進入量がより少なく、温度上昇が小さい部位、すなわち温度制御用測温手段3の測温部よりもできるだけ離れた部位を測温することが望ましい。
本実施の形態の焼入方法においては、温度制御用測温手段3と焼入用測温手段5との位置が前述の条件を満たしていれば、加熱コイルの形状及び電源の周波数は限定されない。また、焼入のタイミングを決定するための焼入用測温手段5は、被処理物1内における温度ムラの影響を小さくし、複数の位置で熱処理品質を確保するという観点から、複数設置する態様が好ましい。焼入用測温手段5に用いる温度計の種類は、放射温度計以外でも、装置のレイアウト上、可能であるならば、接触式温度計でも有効である。
次に、上記の高周波熱処理装置を用いた本実施の形態の高周波熱処理方法について、SUJ2製6206型番(JIS:Japanese Industrial Standard)の外輪を被処理物1として例示して具体的に説明する。
ここでは、SUJ2材の規格値として、強度の観点から180℃で焼戻した場合の焼戻硬度がHRC58以上(ビッカース硬さHV653以上)であり、寸法安定性の観点から残留オーステナイト量が12体積%以下であると設定する。この規格を満たすために必要な焼入温度と保持時間の関係を示したSUJ2材のTTA線図を図2に示す。図2における領域Aは硬度規格を満足しない範囲であり、領域Bは残留オーステナイト量が規格を満足しない範囲であり、領域Cはいずれの熱処理品質規格をも満足する範囲である。硬度は焼入温度と保持時間とが大きくなるにつれて規格を満たしやすくなる。これに対して、オーステナイト量は焼入温度と保持時間とが大きくなるにつれて規格を満たさなくなる。
図2のTTA線図から明らかなように、熱処理品質規格(硬度規格および残留オーステナイト量の規格)を満たすためには、比較的低温で長時間の条件設定の方が熱処理品質を制御しやすい。たとえば、1050℃の比較的高温での処理では、熱処理品質規格を確保するための保持時間は15秒以上であるが、17秒以上保持してしまうと規格を満たすことができない。それに対し、950℃の処理では、熱処理品質を確保するための保持時間は20秒以上であり、60秒までは規格を満たすことができる。高周波熱処理の短時間処理という利点を生かすためには、できるだけ高温、短時間での処理が望ましい。
温度制御用測温手段3の測温位置におけるヒートパターンは、熱処理工数の低減と制御の容易さの兼ね合いから決定することができる。材料の種類に応じた熱処理品質に対する焼入温度と保持時間との関係図(TTA線図)を作成することができれば、その線図に応じて条件を決定すればいいので、本実施の形態の高周波熱処理装置は材料の種類を問わず利用することができる。
熱処理条件が決まると、図1に示すように、熱処理条件をパソコンなどの温度調節手段4に入力する。温度調節手段4は、温度制御用測温手段3と、加熱手段2とに接続されており、温度制御用測温手段3からの温度情報に基き、PID(Proportional Integral Differential)制御により温度制御信号を加熱手段2に出力し、温度制御用測温手段3の測温部1aのヒートパターンを制御することができる。このとき同時に、焼入用測温手段5の測温データをパソコンなどの熱処理調節手段6に取り込み、そのヒートパターンから加熱が十分であるかどうかを判断し、焼入のタイミングにより熱処理時間を調節する。焼入の時期の判断は、焼入用測温手段5の測温部1bのヒートパターンがTTA線図上で規格内におさまったかどうかで行なう。なお、温度調節手段4と熱処理調節手段6とを同一のパソコンで兼ねることもできる。
TTA線図上で規格内におさまったかどうかという判断には、下記の(1)および(2)の計算式が用いられる。
∂C/(∂t)=D∂C/(∂x)・・・式(1)
D:拡散定数、C:炭素濃度(質量%)、t:時間(秒)、x:距離
D=Dexp(−Q/RT)・・・式(2)
:拡散定数のエントロピー項、Q:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度(K)
式(1)を差分方程式で表すと、以下の式になる。
m,n+1=rCm+1,n+(1−2r)Cm,n+rCm−1,n・・・式(3)
r=D×Δt/(Δx)・・・式(4)
焼入のタイミングは、式(3)をある境界条件で解き、材料中のCの固溶状態が所定の条件を満たしているかどうかで決定する。境界条件は、1次元の2つの点(以後、「境界点」と呼ぶ)におけるC濃度をCの固溶度とすることによって与える。これは、鋼中の2つの炭化物からのCの拡散を近似的に求めるためのモデルである。
図3に材料中のCの固溶状態の計算例を示す。図中(a)はヒートパターンを示しており、図中(b)〜(d)は、(a)のヒートパターンにおける各時間(0.4秒後、0.8秒後、1.2秒後)での、2つの境界点間の各位置におけるC分布(固溶C濃度(質量%)の分布)を示している。このCの固溶状態の計算においては、2つの境界点間の距離(炭化物間距離)を0.012mmとし、境界点におけるCの値(C濃度(質量%)の値)をSUJ2の固溶度曲線の値(熱力学平衡計算ソフトで計算)とした。この固溶度曲線の式(固溶度の式)は、実験的もしくは熱力学平衡計算によって、材料別にあらかじめ求めておくことができる。
図3(b)〜(d)から、固溶C濃度の分布は、時間が経過するにつれて変化していく様子が分かる。本実施の形態の方法では、焼入開始は、固溶C濃度の分布の中央位置(2つの境界点間の距離(炭化物間距離)を0.012mmとした場合には0.006mmの位置)におけるC濃度が所定のC濃度になったかどうかで判断する。またその中央位置における焼入開始のC濃度の設定値は、硬度と残留オーステナイト量との兼ね合いから、0.6〜0.8質量%に設定することが望ましい。また2つの境界点間の距離(炭化物間距離)は、被処理物の焼入前の組織や材料の違いによって適宜変更することが望ましい。
つまり本実施の形態の焼入開始温度の決定はたとえば以下のように行なわれる。まず焼入タイミング側の温度を焼入用測温手段5により測定し(ステップA)、その測定された温度から境界部のC量を計算する(ステップB)。境界部のC量の値を式(3)の境界条件に与えて式(3)を計算する(ステップC)。以上の工程により、図3(b)〜図3(d)に示すような固溶C濃度の分布を計算することができる(ステップD)。得られた固溶C濃度の分布から、固溶C濃度の分布の中央位置におけるC濃度が所定のC濃度(たとえば0.6〜0.8質量%)になったかどうかの確認を行なう(ステップE)。もし中央位置におけるC濃度が所定のC濃度に達していたら焼入を開始し(ステップF)、達していなければ焼入は開始されずに加熱が継続されて再度ステップAに戻る。
また上記ステップCにおける式(3)の解き方は具体的には以下のとおりである。まず図3(b)〜図3(d)のC分布の両端におけるC濃度は、炭化物と素地との界面におけるC濃度である。したがって、この位置からある濃度(炭素の固溶限度)でCが素地へ供給される。この条件を式(3)に与えるには、C0,nとCm,n(図3(b)〜図3(d)中の0と0.012の位置)の値にある濃度(炭素の固溶限度)を代入する必要がある。
差分法と言われるこの計算方法は、たとえば図3(b)〜図3(d)のように空間の区切りを5点とると(境界点を入れると7点)、5個の連立方程式が得られるが、未知数は、C0,n、C1,n、C2,n、C3,n、C4,n、C5,n、C6,nの7つになる。このうちC0,nとC6,nとは炭化物素地界面の位置となるため、固溶度の式からC濃度の値を与えることができる。これにより、連立方程式は5個で、未知数が5個となるため、C1,n、C2,n、C3,n、C4,n、C5,nの値を求めることができる。
すなわち、式(3)を解くためには2点のC濃度の条件を与えないと解けないが、この2点のC濃度の条件を固溶度の式から与えることにより式(3)を解くことができるのである。
焼入用測温手段5の測温部1bは1箇所である必要は無い。焼入用測温手段5の測温部1bは、複数であるほうが複数の位置での熱処理品質を確保することができるので、品質管理という観点からは望ましい。
上記固溶C濃度の計算は、焼入タイミング側だけでなく、温度制御側でも行なう。これは、温度制御側のCの固溶状態から、温度制御側の残留オーステナイト量を推測するためである。図4に本実施の形態の方法で焼入れしたときの、温度制御側(図1の温度制御用測温手段3の測温部1a)と焼入タイミング側(図1の焼入用測温手段5の測温部1b)との固溶C濃度の分布を示す。このデータは、焼入温度を950℃で一定とし、焼入温度までの昇温速度を300℃/秒とし、炭化物間距離を0.012μmとし、焼入条件をC濃度の中央位置での値を0.6質量%としたときのものである。図4から、固溶C濃度の値は、焼入タイミング側よりも温度制御側のほうが全体的に高くなっていることが分かる。これは、加熱手段2に近い温度制御側の被処理物1の温度が、焼入タイミング側よりも高くなるためである。
上述した固溶C濃度の計算の開始温度は、焼入タイミング側および温度制御側ともに、昇温速度により決定する必要がある。以下、その決定方法について説明する。
通常、温度が727℃を越えると、鉄のオーステナイト化が始まるが、昇温速度が速いと鉄の加熱変態温度は変化するので、上記計算を開始する温度は、昇温速度によって変化させなくてはならない。図5に1質量%Cの鋼における昇温速度による加熱変態点の変化を示す。図5から、昇温速度が変化すると、加熱変態点Tcは、727℃から950℃まで変化することが分かる。よって、被処理物1の組成における昇温速度の変化に対する加熱変態点Tcの変化を予め調べておき、被処理物1の加熱時における昇温速度から加熱変態点Tcを求めて、その加熱変態点Tcに基づいて上記固溶C濃度の計算開始温度を決定する。
図6に、昇温速度を考慮した時の固溶C濃度の計算開始温度を決定する方法を模式的に示す。図6中には、温度制御側(図1の温度制御用測温手段3の測温部1a)のヒートパターンと焼入タイミング側(図1の焼入用測温手段5の測温部1b)のヒートパターンと加熱変態点Tcとを示している。加熱初期では、温度制御側での加熱を急速に行なうため、焼入タイミング側の昇温速度も速くなり、加熱変態点は高くなる。温度制御側の温度が所定の温度に近づくと、温度調節手段4により昇温速度が緩やかになるように加熱が制御されるため、焼入タイミング側の昇温速度も緩やかになり、加熱変態点Tcが低下していく。このため、時間が経過すると、加熱変態点Tcは、焼入タイミング側のヒートパターンと交わる。この交点がオーステナイト化の開始温度を示していることになるため、この交点の温度(つまりオーステナイト化の開始温度)から上記固溶C濃度の計算を開始する。
そして、焼入を開始してから、図3を用いて説明したように固溶C濃度の分布の中央位置におけるC濃度が所定のC濃度(たとえば0.6〜0.8質量%)を越えると、ただちに焼入を開始する。
なお昇温速度は、電源の能力、コイルと被処理物の形状などによって異なるので、装置と被処理物の種類によって適宜変更することが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。図1に示す熱処理装置を使用して、SUJ2製6206型番外輪を被処理材とし、高周波ずぶ焼入処理を行なった。焼入温度を900℃、930℃、950℃、980℃、1000℃とした。決定した熱処理条件をパソコンに入力し、PID制御により温度制御用測温手段3の測温部位1aのヒートパターンを制御した。このとき同時に、焼入用測温手段5の測温データをパソコンに取込み、そのヒートパターンから加熱が十分であるかどうかを判断して焼入れタイミングを計り、加熱処理を施した後に焼入開始信号を出力して焼入を行なった。焼入後に180℃で120分間保持することにより焼戻を行なった。
この高周波ずぶ焼入処理において、焼入れタイミングを図るにあたり、式(1)および式(2)の計算式を用いた。また、式(1)のCの固溶状態の計算開始温度の決定にあたって図5および図6で説明したように昇温速度の変化を考慮した。
この本発明例の方法により得られた製品の焼入後の硬度(ビッカース硬度)と、残留オーステナイト量とを温度制御側と焼入れタイミング側との各々で調べた。その結果を表1に示す。
なお表1中の熱処理条件のうち、最高到達温度とは、焼入用測温手段5により測定した測温部位1bにおける最高温度を示す。また降温速度とは、最高温度に到達した後に熱処理を所定時間施したときの降温速度を示す。
Figure 0004508956
表1の結果から、今回行なった本発明例の方法によるすべての熱処理条件(温度制御用測温手段3の測温部位1aの条件)で、熱処理規格は満たされていた。また、焼入タイミング側の材質のバラツキは少なく、品質が安定していた。
表1には示していないが、SUJ2の最適焼入温度よりも低い最高到達温度800℃での実験も行なった。この場合、5分間の均熱でも焼入れが開始されなかった。これは、2つの境界点間のC濃度が所定のC濃度に達しなかったためである。また背景技術に記載の方法では、長時間の加熱を行なえば必要なCの拡散長に達するので、Cの固溶量が十分でない場合でも、焼入が開始されてしまうが、本発明例の方法では、Cの固溶量が十分な値にならなければ焼入を開始しないため、焼入開始温度の正確な判断を行なうことができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
温度制御による高周波ずぶ焼入を行ない、所定の熱処理品質を満たす焼入製品を最短の工数で提供することができる。また、任意の形状の被処理物に対しても高周波ずぶ焼入処理が可能である。
本発明の高周波熱処理装置の典型的な構成を示す概略図である。 焼入温度と保持時間との関係を示したSUJ2材のTTA線図である。 材料中のCの固溶状態の計算例を示す図である。 本発明の実施の形態の高周波熱処理方法で焼入れしたときの、焼入タイミング側と温度制御側との固溶C濃度の計算結果を示す図である。 1質量%Cの鋼における昇温速度の変化による加熱変態点の変化を示す図である。 昇温速度を考慮したときの固溶C濃度の計算開始温度を決定する方法を説明するための図である。
符号の説明
1 被処理物、2 加熱手段、3 温度制御用測温手段、4 温度調節手段、5 焼入用測温手段、6 熱処理調節手段、7 焼入液噴射手段。

Claims (2)

  1. 高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する高周波熱処理方法であって、加熱する前記被処理物の温度を調節する温度制御工程と、焼入時期を調節する焼入制御工程とを備え、
    前記温度制御工程は、高周波により前記被処理物を加熱する加熱工程と、前記被処理物において磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置の温度を測定する温度制御用測温工程と、測定した温度情報に基づき温度制御信号を出力して前記被処理物への加熱を制御する温度調節工程とを有し、
    前記焼入制御工程は、前記被処理物の前記温度制御用測温工程において測温される部位からできるだけ離れた部位の温度を測定する焼入用測温工程と、測定した温度情報に基づき、TTA線図上で熱処理品質規格を満足する範囲内となるように熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節工程とを有し、
    焼入の開始タイミングを決定するための炭素の固溶状態の計算を以下の計算式により求め、前記被処理物中の炭素の固溶状態が所定の条件を満たしているかどうかで、TTA線図上で規格内におさまったかどうかを判断し、焼入のタイミングを決定することを特徴とする高周波熱処理方法。
    ∂C/(∂t)=D∂C/(∂x
    D:拡散定数、C:炭素濃度(質量%)、t:時間(秒)、x:距離
    D=Dexp(−Q/RT)
    :拡散定数のエントロピー項、Q:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度(K)
  2. 請求項1の高周波熱処理方法で焼入を行なう高周波熱処理装置であって、
    加熱する前記被処理物の温度を調節するための温度制御手段と、前記被処理物を焼入れるための焼入手段とを備え、
    前記温度制御手段は、高周波により前記被処理物を加熱する加熱手段と、磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置の温度を測定する温度制御用測温手段と、前記温度制御用測温手段に接続して前記温度制御用測温手段からの温度情報に基づき温度制御信号を前記加熱手段に出力する温度調節手段とを有し、
    前記焼入手段は、前記温度制御用測温手段により測温される部位からできるだけ離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、前記焼入用測温手段に接続して前記焼入用測温手段からの温度情報に基づき、TTA線図上で熱処理品質規格を満足する範囲内となるように熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有することを特徴とする、高周波熱処理装置。
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