JP2006083412A - 高周波熱処理装置、高周波熱処理方法およびその方法により製造した加工製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所定の熱処理品質を得るために、温度制御による高周波ずぶ焼入方法を提案する。
【解決手段】 本発明の高周波熱処理装置は、高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する装置であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御手段と、焼入手段とを備えることを特徴とする。温度制御手段は、高周波により被処理物を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段に出力する温度調節手段とを有し、焼入手段は、加熱手段により加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有する態様が好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の高周波熱処理装置は、高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する装置であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御手段と、焼入手段とを備えることを特徴とする。温度制御手段は、高周波により被処理物を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段に出力する温度調節手段とを有し、焼入手段は、加熱手段により加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有する態様が好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋼の熱処理方法に関し、より特定的には、鋼の高周波熱処理方法に関する。また、その方法により製造した加工製品および高周波熱処理装置に関する。
高周波焼入炉は、雰囲気加熱炉と異なり、炉の作業環境がクリーンであり、少量ロットの製品を短時間で効率よく処理できるといった点で有利な処理炉である。一般に、鋼の高周波焼入では、電力と時間の熱処理条件を変化させながら、焼入品質を確認し、実験的に焼入条件を設定している。この場合、被処理物の種類によって、随時、熱処理条件を設定する必要があり、条件出しに手間がかかるという問題がある。この問題は、高周波焼入では、温度制御による熱処理が難しいということに起因している。
熱処理品質は、温度と時間により制御する方法が組織制御という観点から最も望ましい。しかし、高周波焼入では、測温方法と温度の高速制御という点で技術的に困難があり、温度制御による焼入は採用されていないのが現状である。高周波熱処理において測温が困難である理由は、雰囲気加熱とは異なり、被処理物が直接加熱されるので、測温は被処理物に対して直接行なわなければならないという点、また、高周波加熱設備には、均一加熱のため、被処理物に駆動機構が設けられている場合が多く、接触式の温度計の設置がレイアウト上、困難であるという点にある。
そこで、たとえば、放射温度計などの非接触式の温度計を用いればよいということになるが、従来の放射温度計は、応答速度が遅く、金属の測温には向かないという問題があり、高周波焼入の温度制御において適切なものはなかった。昨今、放射温度計の信号出力速度の高速化と、温度計の放射率設定による測温精度の向上により、放射温度計による金属の高速温度制御に可能性が見出される。
仮に、温度制御による高周波焼入が可能になった場合でも、基本的に部分加熱である高周波焼入では、材質内に温度ムラが生じるため、場所によって熱処理品質が変化する可能性があり、ずぶ焼入処理への適用では問題となる。特に肉厚の大きな被処理物では、温度ムラが大きくなるので、この問題が発生しやすくなる。被処理物を均質に加熱できない場合、加熱が十分な部分では、所定の熱処理品質を満たしているが、加熱が不十分な部分では、所定の熱処理品質を満たしていないという状況が発生する。
このような問題を解消するには、加熱時間を十分にとり、熱伝導により被処理物内の温度を均一にする方法がある。また、比較的低周波の高周波電源を用いて、被処理物の内部にまで磁束を進入させて均一に加熱する方法がある。しかし、これらの方法には、十分な加熱時間をどのようにして決定するのかという共通の課題がある。すなわち、温度制御により高周波ずぶ焼入を行なう場合、所定の熱処理品質を得るための熱処理方法を考案する必要がある。
以上、本発明についての従来技術を、出願人の知得した一般的な技術情報に基いて説明したが、出願前に先行技術文献として開示すべき情報を出願人は有していない。
高周波焼入では、測温と温度制御が困難であるため、温度制御による焼入が難しく、温度制御による高周波ずぶ焼入を行なうとしても、所定の熱処理品質を得るための熱処理方法を考案する必要がある。本発明の課題は、所定の熱処理品質を得るために、温度制御による高周波ずぶ焼入方法およびそのための装置を提案することにある。また、所定の熱処理品質を有する加工製品を提供することにある。
本発明の高周波熱処理装置は、高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する装置であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御手段と、焼入手段とを備えることを特徴とする。温度制御手段は、高周波により被処理物を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段に出力する温度調節手段とを有し、焼入手段は、加熱手段により加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、この測温手段に接続して測温手段からの温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有する態様が好ましい。
本発明の高周波熱処理方法は、高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する方法であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御工程と、焼入時期を調節する焼入制御工程とを備え、温度制御工程は、高周波により被処理物を加熱する加熱工程と、加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温工程と、測定した温度情報に基き温度制御信号を出力して被処理物への加熱を制御する温度調節工程とを有し、焼入制御工程は、加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温工程と、測定した温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節工程とを有することを特徴とする。本発明の加工品は、かかる方法により製造したことを特徴とする。
本発明の高周波熱処理装置と熱処理方法を用いれば、任意の形状の被処理物に対して、最短の工数で、所定の熱処理品質を得ることができる。
本発明の高周波熱処理装置は、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御手段と、焼入手段とを備えることを特徴とする。本発明によれば、任意の形状の被処理物に対して、所定の品質を有する焼入加工製品を最短の工数で製造することができる。また、コイルなどの加熱手段の形状、電源の周波数、試験片の形状によらず使用することができる。
温度制御手段は、典型的には、図1に示すように、高周波により被処理物1を加熱するコイルなどの加熱手段2と、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度計などの温度制御用測温手段3と、温度制御用測温手段3に接続して測温手段からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段2に出力する温度調節手段4とを備える態様が好ましい。
一方、焼入手段は、加熱手段2により加熱される部位1aから離れた部位1bの温度を測定する焼入用測温手段5と、焼入用測温手段5に接続して測温手段からの温度情報に基き熱処理時間を調節し、焼入液噴射手段7などに焼入開始信号を出力する熱処理調節手段6とを備える態様が好ましい。
本装置の特徴の1つは、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度制御用測温手段3と、加熱手段2により加熱される部位1aから離れた部位1bの温度を測定する焼入用測温手段5とを有することにある。高周波熱処理による温度制御をより正確にするため、温度制御用温度計は、磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置を測温するのが望ましい。
一方、高周波による加熱は、被処理物の表層を加熱する部分加熱であるため、被処理物内に温度分布が生じる。したがって、場所によって熱処理品質が変化する可能性があり、ずぶ焼入処理への適用では問題となる。特に肉厚の大きな被処理物では、温度ムラが大きくなるので、この問題が発生しやすい。したがって、低温部分においても十分に熱処理を施し、所定の熱処理品質を満たすため、焼入用測温手段は、磁束の進入量がより少なく、温度上昇が小さい部位、すなわち温度制御用温度計の測温部よりもできるだけ離れた部位を測温するのが望ましい。
本発明の焼入方法においては、温度制御用温度計と、焼入用温度計の位置が前述の条件を満たしていれば、加熱コイルの形状及び電源の周波数は限定されない。また、焼入のタイミングを決定するための焼入用温度計は、被処理物内における温度ムラの影響を小さくし、複数の位置で熱処理品質を確保するという観点から、複数設置する態様が好ましい。温度計の種類は、放射温度計以外でも、装置のレイアウト上、可能であるならば、接触式温度計でも有効である。
本発明の高周波熱処理装置について、SUJ2製6206型番外輪を被処理材として例示し、具体的に説明する。ここでは、SUJ2材の規格値として、強度の観点から、180℃で焼戻した場合の焼戻硬度がHRC58以上であり、寸法安定性の観点から残留オーステナイト量が12%以下と設定する。この規格を満たすために必要な焼入温度と保持時間の関係を示したSUJ2材のTTA( Time Temperature Austinitization )線図を図2に示す。図2における領域Aは硬度規格を満足しない範囲であり、領域Bは残留オーステナイト量が規格を満足しない範囲であり、領域Cはいずれの熱処理規格をも満足する範囲である。硬度は焼入温度と時間が大きくなるにつれて規格を満たしやすくなる。これに対して、オーステナイト量は焼入温度と時間が大きくなるにつれて規格を満たさなくなる。
図2のTTA線図から明らかなように、熱処理品質規格を満たすためには、比較的低温で長時間の条件設定の方が熱処理品質を制御しやすい。たとえば、1050℃の処理では、熱処理品質規格を確保するための保持時間は15秒以上であるが、17秒以上保持してしまうと規格を満たすことができない。それに対し、950℃の処理では、熱処理品質を確保するための保持時間は20秒以上であり、60秒までは規格を満たすことができる。高周波熱処理の短時間処理という利点を生かすためには、できるだけ高温、短時間での処理が望ましい。温度制御用温度計の測温位置におけるヒートパターンは、熱処理工数の低減と制御の容易さの兼ね合いから決定することができる。材料の種類に応じた熱処理品質に対する加熱時間と保持時間の関係図(TTA線図)を作成することができれば、その線図に応じて条件を決定すればいいので、本発明の熱処理装置は材料の種類を問わず利用することができる。
熱処理条件が決まると、図1に示すように、パソコンなどの温度調節手段4に入力する。温度調節手段4は、温度制御用測温手段3と、加熱手段2に接続されており、温度制御用測温手段3からの温度情報に基き、PID制御により温度制御信号を加熱手段に出力し、温度制御用測温手段3の測温部1aのヒートパターンを制御することができる。このとき同時に、焼入用測温手段5の測温データーをパソコンなどの熱処理調節手段6に取り込み、そのヒートパターンから加熱が十分であるかどうかを判断し、焼入のタイミングにより熱処理時間を調節する。焼入の時期の判断は、焼入用測温手段5の測温部1bのヒートパターンがTTA線図上で規格内におさまったかどうかで行なう。なお、温度調節手段4と熱処理調節手段6とを同一のパソコンで兼ねることもできる。
TTA線図上で規格内におさまったかどうかは、
Dep=(2Dt)1/2
D=D0exp(−Q/RT)
(式中、Dは拡散定数、tは保持時間、Tは温度、D0は拡散定数のエントロピー項、またQは活性化エネルギーを表す。)により計算されるDep値に基き判断することができる。したがって、本発明の高周波熱処理装置における熱処理調節手段は、かかる式により計算されるDep値に基き焼入開始信号を出力することができる。鋼の焼入前の組織は、若干の炭素が固溶した鉄と、炭化物が分布したものになっている。焼入では、炭化物中の炭素を鉄中に溶け込ませる必要があるが、炭素を鉄中に均一に固溶させる時間は、炭素の拡散距離Depに対応している。したがって、焼入は、このDepの値がある値D*epに達した時に行なう。
Dep=(2Dt)1/2
D=D0exp(−Q/RT)
(式中、Dは拡散定数、tは保持時間、Tは温度、D0は拡散定数のエントロピー項、またQは活性化エネルギーを表す。)により計算されるDep値に基き判断することができる。したがって、本発明の高周波熱処理装置における熱処理調節手段は、かかる式により計算されるDep値に基き焼入開始信号を出力することができる。鋼の焼入前の組織は、若干の炭素が固溶した鉄と、炭化物が分布したものになっている。焼入では、炭化物中の炭素を鉄中に溶け込ませる必要があるが、炭素を鉄中に均一に固溶させる時間は、炭素の拡散距離Depに対応している。したがって、焼入は、このDepの値がある値D*epに達した時に行なう。
焼入のタイミングを決定する測温部位のヒートパターンが刻一刻と変化する場合には、Depの値は、図3に示すように、Dep1→Dep2→・・・→Depnと積算するのが好ましい。被処理物の昇温を開始すると、焼入タイミング側の昇温パターンは、磁束の進入が温度制御側より少ないので、温度制御側に比べて遅れて温度が上昇する。通常、温度が723℃を越えると、鉄のオーステナイト化が始まるが、昇温速度が速いと鉄の加熱変態温度は変化するので、拡散距離を計算する温度は、昇温速度によって変化させなくてはならない。
昇温速度は、電源の能力、コイルと被処理物の形状などによって異なるので、装置と被処理物の種類によって適宜変更するのが好ましい。焼入タイミング側の温度が加熱変態温度を越えたところから、図中の式によって拡散距離を計算する。任意の時間におけるDepがD*epを越えると、ただちに焼入を開始する。D*epの値は、所定の熱処理品質を維持できる範囲で、できるだけ小さな値である方が、熱処理工数低減という観点からは望ましい。しかし、品質安定という観点からは、ある程度安全をみた設定値とするのが望ましい。
本発明の高周波熱処理方法は、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御工程と、焼入時期を調節する焼入制御工程とを備え、温度制御工程は、高周波による加熱工程と、加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温工程と、測定した温度情報に基き温度制御信号を出力して被処理物への加熱を制御する温度調節工程とを有し、焼入制御工程は、加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温工程と、測定した温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節工程とを有することを特徴とする。
本発明の高周波熱処理方法によれば、任意の形状の被処理物に対して、最短の熱処理工数で、所定の熱処理品質を有する加工製品を製造することができる。また、材料の種類に応じて熱処理品質に対する加熱時間と保持時間の関係図(TTA線図)を作成できれば、線図に応じて条件を決定できるので、材料の種類を問わず利用することができる。さらに、本方法は、コイルの形状、電源の周波数、試験片の形状によらず使用することができる極めて一般的な処理方法である。
実施例1
図1に示す熱処理装置を使用して高周波ずぶ焼入処理を行なった。本装置は、温度制御手段と、焼入手段とを備え、温度制御手段は、高周波により被処理物1を加熱する加熱手段2であるコイルと、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度制御用測温手段3である放射温度計と、この放射温度計に接続して放射温度計からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段2に出力する温度調節手段4とを有する。
図1に示す熱処理装置を使用して高周波ずぶ焼入処理を行なった。本装置は、温度制御手段と、焼入手段とを備え、温度制御手段は、高周波により被処理物1を加熱する加熱手段2であるコイルと、加熱手段2により加熱される部位1aの温度を測定する温度制御用測温手段3である放射温度計と、この放射温度計に接続して放射温度計からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段2に出力する温度調節手段4とを有する。
焼入手段は、加熱手段2により加熱される部位1aから離れた部位1bの温度を測定する焼入用測温手段5である放射温度計と、この放射温度計に接続して放射温度計からの温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段6とを有する。
また、温度制御用測温手段3の測温部位1aは、磁束の進入量が最も多く、温度上昇が最も大きい位置とした。一方、焼入用測温手段5の測温部位1bは、部位1bから最も遠い部位としたため、磁束の進入量が最も少なく、温度制御用温度計の測温部よりも温度上昇が小さかった。
本実施例では、SUJ2製6206型番外輪を被処理材とし、SUJ2材の規格値として、180℃での焼戻硬度がHRC58以上であり、残留オーステナイト量が12%以下と設定した。この規格を満たすために必要な焼入温度と保持時間の関係を図2に示す。
高周波処理の利点である短時間処理を生かすため、焼入温度は950℃とした。したがって、熱処理品質を確保するための保持時間は、図2より20秒以上、60秒以下であった。決定した熱処理条件をパソコンに入力し、PID制御により温度制御用測温手段3の測温部位1aのヒートパターンを制御した。このとき同時に、焼入用測温手段5の測温データをパソコンに取込み、加熱処理を施した後、焼入開始信号を出力し、焼入を行なった。
焼入後、残留オーステナイト量および硬度を測定した。熱処理条件および測定結果を表1に示す。表1中の熱処理条件のうち、最高温度とは、焼入用測温手段5により測定した測温部位1bにおける最高温度を示す。また、処理時間とは、最高温度に到達した後、熱処理を施した時間であり、その処理時間における降温速度を併せて表示した。本実施例で行なったすべての熱処理品で、熱処理規格を満たしていた。なお、表1中の硬度のバラツキは、測温部位1aと測温部位1bにおける硬度差を表す。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
温度制御による高周波ずぶ焼入を行ない、所定の熱処理品質を満たす焼入製品を最短の工数で提供することができる。また、任意の形状の被処理物に対しても高周波ずぶ焼入処理が可能である。
1 被処理物、2 加熱手段、3 温度制御用測温手段、4 温度調節手段、5 焼入用測温手段、6 熱処理調節手段。
Claims (4)
- 高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する高周波熱処理装置であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御手段と、焼入手段とを備えることを特徴とする高周波熱処理装置。
- 前記温度制御手段は、高周波により被処理物を加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温手段と、該測温手段に接続して該測温手段からの温度情報に基き温度制御信号を加熱手段に出力する温度調節手段とを有し、
前記焼入手段は、加熱手段により加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温手段と、該測温手段に接続して該測温手段からの温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の高周波熱処理装置。 - 高周波により被処理物の表層を加熱して焼入硬化する高周波熱処理方法であって、加熱する被処理物の温度を調節する温度制御工程と、焼入時期を調節する焼入制御工程とを備え、
前記温度制御工程は、高周波により被処理物を加熱する加熱工程と、加熱される部位の温度を測定する温度制御用測温工程と、測定した温度情報に基き温度制御信号を出力して被処理物への加熱を制御する温度調節工程とを有し、
前記焼入制御工程は、加熱される部位から離れた部位の温度を測定する焼入用測温工程と、測定した温度情報に基き熱処理時間を調節し焼入開始信号を出力する熱処理調節工程とを有することを特徴とする高周波熱処理方法。 - 請求項3に記載の高周波熱処理方法により製造した加工製品。
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