JP4508451B2 - 貯蔵動力表示器機構および該機構を備えた時計 - Google Patents
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Description
本発明は、動力ぜんまいで形成された動力源(power source)を備えた型の時計用ムーブメントの貯蔵動力表示器に関する。従来の方式では、本発明のような機構は枠、貯蔵動力表示針および差動歯車を備えており、動力ぜんまいが巻かれると第一の入力部が回転駆動される歯車に連結され、動力ぜんまいが緩むと第二の入力部が回転駆動される歯車に連結され、出力部が貯蔵動力表示針に連結される。この機構において、表示針は、2つの末端位置で構成される任意の角度を動くことができる。2つの末端位置の内の、第一の末端位置は動力ぜんまいが巻かれたときに占有され、第二の末端位置は留具で定められ、動力ぜんまいが緩んだときに占有される。
【0002】
この型の機構は、ベー.フンベルト(B. Humbert)による「自動巻のスイス時計(La montre suisse a remontage automatique)、スクリプター版」、ローザンヌ1955年の第85頁に記載されている。この機構は、差動歯車の出力部に接続されている歯車に指針が摩擦取付されている。指針は2つの留具で定められた2つの位置の間を動く。指針が2つの留具の内の1つ、即ち、動力ぜんまいの巻き上げ限界または緩みの限界に達すると、動力ぜんまいが巻かれ続けても、または緩み続けても、指針はその位置に留まっている。指針が止まっていても、摩擦によって歯列が動いてしまうのである。
【0003】
そこで、動力ぜんまいの実際の巻き上げを表示するアイデアがこの問題を解決するものとして提示されたが、歯列に関する指針の動きが相対的であるため、サイクル毎に重大な差が生じてしまう可能性がある。本発明の目的は、この欠点を克服することである。
【0004】
本発明による機構は、中間歯車が差動歯車の出力部と表示針との間に挿入され、該中間歯車が第一弾性部材と2つの同軸部品を有しており、この同軸部材の内の1つは歯車で形成されており、もう1つは軸で形成されており、該同軸部材の内の一方は差動歯車に接続されており、他方は指針に接続されており、両同軸部材は前記第一弾性部材によって互いに接続されており、前記中間歯車は、表示針が2つの末端位置の間を占めているときは前記2つの部品が共に回転し、少なくとも表示針が第二の末端位置を占めるときには表示針が留具の位置にある間も差動歯車が自由に回転を続けるように設計され、動力ぜんまいがムーブメントを駆動する間は第一弾性部材が巻き上げられるようになっていることを特徴とする。
【0005】
差動歯車と表示針との間に差動歯車の出力部とかみ合う歯車が挿入することによって、本発明の効果が奏される。
【0006】
特に効果の高い態様においては、第一弾性部材が、中間歯車の心棒に回転可能に取り付けられたカムと、半径方向に変形することができると共にその一端が中間歯車に取り付けられた歯車に固定されているバネとを有する。このカムはバネの自由端と協働する。この組立体は、表示針が一端に当接して、動力ぜんまいが緩み続けているときには、バネの自由端がカム上をスライドして動力ぜんまいによって及ぼされるトルクと反対のトルクを発生するように設計されている。
【0007】
その結果、表示針の各位置は動力ぜんまいの巻きの程度に対応する。さらに、表示針が下限に達したときも時計は動作を続けることができる。しかしながら、使用者は、天府の振幅が小さくなっているので、時計の精度が不十分な駆動トルクによる影響を受けやすくなっている、ということを知らされる。
【0008】
このような機構が正常に動作することのできる1セットの歯車を有していることは明らかである。この歯車群は表示された情報の正確さに影響を与える。また、表示針の位置と動力ぜんまいの巻き具合とをよりよく一致させるために、本発明の機構は、差動歯車の2つの入力部と中間歯車との間に歯車列に恒久的なトルクを及ぼすように設計された第二の弾性部材を含む。
【0009】
特に信頼性の高い態様においては、第二弾性部材は、枠に強固に取り付けられた心棒、表示針に接続されている歯車の部材とかみ合う歯をその周縁部に備えているドラム、およびドラム内に配されると共にその一端が第二弾性部材の心棒に固定され、他端がドラムに固定されているバネ細片を有している。
【0010】
第二弾性部材の動作の仕方によって、天府の振幅において、多少なりとも重要な変動が生じる場合がある。実際、動力ぜんまいが緩むにつれて、該動力ぜんまいが第二弾性部材を徐々に巻かなくてはならないのであれば、使用可能なトルクは同程度に低下する。動力ぜんまいが緩むにつれて、巻き上げトルクは徐々に増加して行くものである。天府の振幅を最適にするために、動力ぜんまいと同時に第二弾性部材が巻き上げられたり緩んだりするのはこのような理由による。
【0011】
このような機構は、8日間の動力貯蔵を保証している動力ぜんまいを含む時計に特に好適に使用することができる。
【0012】
本発明の他の特長と効果とは、添付の図面を参照してなされる以下の記載から明らかになるであろう。
【0013】
本発明の機構は、図面に部分的に示されているような時計のムーブメントに関する。このムーブメントは、従来技術のように、底板10およびこの底板10に取り付けられた数本(この内の3本は図面に示されている)の棒からなる枠、即ち、胴棒12(図2)、差動棒14(図2および3)並びに貯蔵動力表示器棒16(図3および4)を含む。底板と棒とは、ムーブメントの差動部品を支持してその位置を決めるためのものである。
【0014】
図2に示されているように、このムーブメントは、ドラム20、カバー22、心棒24および概略的に26で示されている動力ぜんまい26を含む香箱18で形成される動力源を有している。動力ぜんまい26はドラムの中に配置され、従来の方法で、バネの一端がドラムの壁に固定され、他端は心棒に取り付けられている。ドラム20はカバー22で閉じられており、カバー22はドラムの溝にパチンと嵌合するようになっている。なお、図面が過度に複雑になるのを避けるために、ドラムの溝は図示されていない。
【0015】
ドラム20とカバー22とは共に、回転運動するように心棒24に搭載される組立体を形成する。
【0016】
心棒24は、一方で、底板10で、他方、胴棒12で枢軸旋回する。胴棒12を越えた方形部24aにはつめ車28が取り付けられており、つめ車28はその周縁部に歯28aを備えている。図示されていない巻き上げ竜頭による心棒24の回転駆動によって、動力ぜんまい26が巻き上げられる。
【0017】
ドラム20はその周縁部に歯20aを備えており、この歯20aは、やはり図示されていない歯車列を駆動するようになっている。
【0018】
本発明の機構は据え付け歯車29、底板10と差動棒14との間を枢軸旋回するように取り付けられている差動歯車30、中間歯車32および表示器歯車34(図3)を有している。
【0019】
より正確には、差動歯車30は、心棒36、星状歯車40が取り付けられている星状歯車キャリア38、第一入力歯車42、第二入力歯車44、2つの組立環46および48、並びにネジ50を有している。
【0020】
心棒36は鋼鉄製の軸を有しており、その一端は歯を有してピニオン36aを形成している。心棒36は2つの中間部36bおよび36c、並びにピボット36dを有している。ピボット36dは心棒36の他端を占有しており、棒14に埋め込まれている宝石52中で回転運動するように取り付けられている。心棒36は底板10の面に垂直な軸周りに回転することができる。
【0021】
星状歯車キャリア38は、中央円筒状孔38aを備えた金属部品で形成されている。星状歯車キャリア38は心棒36上で駆動され、心棒36の中間部36cが中央円筒状孔38aに嵌合するようにして取り付けられている。星状歯車キャリア38は、その中央部に、円筒状の突出部38bを有しており、突出部38bは半径方向に延在して、ネジ50を収容するネジ筋を切った穴38cが設けられている。星状歯車キャリア38はさらに2つの円筒部38dと38eとを有しており、これらは中央円筒状孔38aと同軸である。
【0022】
突出部38bには星状歯車40が取り付けられており、星状歯車40は心棒36の回転軸に垂直な軸の周りを自由に回転することができる。この星状歯車40は円錐状の歯40aを有している。この歯の機能は後述する。
【0023】
2つの円筒部38dと38eとは、それぞれ歯車42と44とを有しており、そこで自由に回転することができるように調整されている。これらの歯車は、突出部38bと、それぞれ環46および環48との間に配置されている。
【0024】
歯車42および44はそれぞれ、文字aで同定される板体で形成されており、その周縁部には歯bを有している。さらに、これらの歯車はそれぞれ、円錐状の歯dを有するピニオンcを備えている。歯車42は、歯42bによって香箱20aの歯とかみ合っている。歯車44は、歯44bによって据え付け歯車29とかみ合っており、据え付け歯車29はつめ車28の歯28aとかみ合っている(図2)。最後に、ピニオン42cの歯42dおよびピニオン44cの歯44dは、星形歯車40の歯40aとかみ合っている(図3)。
【0025】
香箱ドラムの歯20aと第一入力歯車42との歯車比と、つめ車28の歯と第二入力歯車44との歯車比とは等しくなくてはならず、香箱とつめ車とが同じ角度動いたときに、歯車42と歯車44とは等しい角度で動くようになっていなくてはならないことに注意されたい。
【0026】
環46はフランジ46aとスリーブ46bとで形成されている。環46は心棒36の中間部36bに嵌合されておりスリーブ46bの端部を介してピニオン36aに当接している。スリーブ46bは、その外表面で、底板10に埋め込まれている宝石54に係合している。フランジ46aは、星状歯車キャリア38の留め具を形成している。
【0027】
中央に孔を有する円形状の板体で形成されている環48は、心棒36の中央部36cの端部に押し込まれている。環46によって、差動歯車30を形成する部品の組立が可能になる。
【0028】
中間歯車32は、ピボットシャンク56によって、底板10上で枢軸旋回するように取り付けられている。中間歯車32は、基本的に、ピニオン58、歯車60、カム62および接続バネ64を有している。
【0029】
より正確には、ピニオン58はピボットシャンク56上で枢軸旋回するように取り付けられたスリーブ58aを有している。ピニオンはその一端に歯58bを備えている。スリーブ58aは外径の異なる2つの円筒部58cおよび58dで形成されている。
【0030】
図1に特に示されているように、歯車60は板体で形成されており、該板体の周縁部は歯60aを備えており、この歯はピニオン36の歯36aとかみ合う。歯車60は円筒部58cで自由に回転するように取り付けられている。前記板体は半径方向に延びる横長の穴60cを備えている。この穴の機能は後述する。
【0031】
カム62は、凹部62aと参照符号の付いていない2つの隣接する高い部分とを有するストップウオッチのハート部材に近い形状を有している。このカムは円筒部58dに接して駆動され、軸方向に歯車60を保持する。
【0032】
バネ64は約270゜に亘る円弧の形状をした弾力性のある細片で形成されている。バネ64は、その一端が歯車60の板状部材に公知の方法で固定されている。他端には、カム62の凹部62aに当接するように配置される突出部64aが形成されている。突出部64aの中央部に配置される指状体64bは、穴60cに嵌合する。
【0033】
表示針歯車34は底板10に埋め込まれたピン66に接して枢軸旋回するように取り付けられる。表示針歯車34は板体34aを備えており、該板体34aの周縁部には、ピニオン58の歯58bとかみ合う歯34bが設けられている。表示針歯車34は、さらに、底板を越えて延在する管34cを備えており、この管が図示されていない貯蔵動力表示器の針を保持するようになっている。
【0034】
板体34aは角度約150゜の扇形の弧部分の形状をした切り抜き部34dを有している。底板10に打ち込まれたピン78が切り抜き部34dに係合して歯車34の止め具として機能する。
【0035】
上記機構が取り付けられている時計のムーブメントにおいて、動力ぜんまい26が緩むときに、該ぜんまいは従来の方法で、その歯20aが歯車列の第一歯車とかみ合っている香箱ドラム20を回転駆動する。第一歯車は逃がし止め機構に接続されており、該逃がし止め機構はぜんまいに支えられた天府(sprung balance)の動きを維持する。
【0036】
動力ぜんまい26が緩んでいる間にドラム20が回転する一方で、心棒24は静止している。差動歯車30の歯車42はこのように回転駆動され、一方、歯車44は静止したままである。歯車42と共に回転するピニオン42cは星状歯車40とかみ合う。
【0037】
歯車44はそのピニオン44cと共に静止しているので、星状歯車40は星状歯車キャリア38を駆動することによってのみ回転することができる。ピニオン36aが取り付けられている星状歯車キャリア38は中間歯車32を回転させ、中間歯車32は表示針歯車34を駆動する。
【0038】
このようにして、動力ぜんまい26が徐々に緩むにつれて、時計の文字盤に配置された目盛に面する表示針歯車34は、低い方の通常の操作限界に達するまで移動する。この限界よりも下では、ムーブメントは、一定時間は引き続き機能することができる。しかしながら、天府の振幅が失われてしまうので、その精度が低下する傾向がある。貯蔵動力表示針は、このように、ぜんまいの巻きがとれて止まり、表示針歯車34が動かなくなり、切り抜き部34dの端部がピン78に当接したことを示す。
【0039】
時計の使用者が動力ぜんまい26を巻き上げないと、ぜんまいは緩み続けて時計のムーブメントを機能させる。こうして、差動歯車30は回転し続け、それと共に歯車60も回転し続ける。ピニオン58が表示針歯車34とかみ合っているので、ピニオン58の動きも止められている。このとき、歯車60はピニオン58に関して相対的に動いている。歯車60が、歯車60によって駆動される接続バネ64でピニオン58に接続されているので、このような動きが可能になる。突出部64aは凹部62aのカム62上を高くなっている部分に向かってスライドする。指状体64bが穴60cに係合しているので、バネ64の変形は半径方向にのみ発生する。動力ぜんまい26は、天府に与えられるトルクが天府を駆動するのに不十分になって時計が止まるまで緩み続ける。
【0040】
時計の使用者が巻き上げ竜頭を回して動力ぜんまい26を巻くとき、使用者はつめ車28を駆動し、そして据え付け歯車29を介して入力歯車44を駆動する。入力歯車44は星状歯車キャリア38を、ドラム20の動きによって発生する動きとは反対の方向に回転させる。その結果、凹部62aに戻るまで突出部64aがカム62上を反対方向にスライドするように、ピニオン36aは歯車60を回転させる。そして、ピニオン58が再び駆動され、ピニオン58と共に表示針歯車34も駆動され、文字盤の目盛に面した表示器が動く。動力ぜんまい26が完全に巻かれると、表示針は目盛の上端に達する。
【0041】
実際上、動力ぜんまいの最大巻き上げ位置を、表示針の最大貯蔵動力に対応する端部に正確に一致させるのは困難である。これは、やはりこの位置において、表示針歯車の動きがピン78によって止められる可能性があるからである。また、この位置においてバネ64も関係し、突出部64aがカム62の他方の翼部をスライドすることもある。
【0042】
記載されている機構は歯車列に依存しており、この歯車列は、動作中に詰まりなどが発生して動かなくなるのを避けるために、個々の歯車の間に十分な周縁部遊びを有していなくてはならない。この周縁部遊び故に、動力ぜんまいが巻き上げられている最中か、緩んでいる過程にあるかによって、表示針の位置は動力ぜんまいの巻きと同じ度合いにならない。その結果、使用者による巻き上げ操作の初期においては、一連の歯車がかみ合った後にのみ表示針が動くので、使用者は機構が適切に動作していないような印象を受ける。図4に示されている装置によってこのような欠点が除去される。
【0043】
より正確には、この歯車周縁部遊びによる欠点を除去するために、本発明は、有利なことに、貯蔵動力表示針に至る歯車列にトルクを発生させるために補助弾性部材66を含んでいる。
【0044】
補助弾性部材66は、ドラム68、カバー70、心棒72およびバネ74を有する香箱によって形成されている。補助弾性部材は底板10に取り付けられているピボットシャンク76に固定されている。
【0045】
ドラム68とカバー70とは共にバネ74が配置される筐体を形成している。バネ74は、従来の方法で、その一端が心棒72に接続されており、他端がドラム68に接続されている。バネ74は動力ぜんまい26と同時に巻き上げられたり緩んだりするように配置されている。
【0046】
ドラム68はその周縁に、歯車60の歯60aとかみ合う歯68aを有している。心棒72はピボットシャンク76にしっかりと固定されており、回転することができない。
【0047】
図示されていない変形例においては、歯68aは歯車32の歯とではなく、表示針歯車34の歯とかみ合うようにすることも可能である。しかしながら、中間歯車32のピニオン58と歯車34との間の周縁部遊びは、差動歯車30に見られる周縁部遊びと比べて小さいので、このような歯車のかみ合わせは絶対に必要ということではない。
【0048】
このような配置に関して、バネ74が発生するトルクは、突出部64aが凹部62aを離れるのに必要なトルクよりも小さくなくてはならないことが重要である。トルクの大小関係がこのようになっていないと、バネ74のトルクの影響によるピニオン58と歯車60との相対的な動きに対応して表示針が動いてしまい、所望の目的に反することになる。
【0049】
上記のように、補助弾性部材66は、差動歯車30の2つの入力歯車42および44と中間歯車32との間に存在する歯車列に恒久的にトルクを及ぼす。
【0050】
本発明の機構は手巻き時計、特にいわゆる8日時計(8 day watches)(即ち、動力ぜんまいが一週間を越える自律動作を可能にしている時計)に非常によく適用される。動力ぜんまいが完全に巻き上げられたときに、該動力ぜんまいの巻き上げを阻止する停止システムを備えている、自動巻の時計にも適用することができる。
【0051】
本発明の範囲から離れることなく、この機構は数多くの変更を加えることができる。例えば、差動歯車は球状ではなく平面状にすることもできる。また、この機構を2つの香箱を有する時計のムーブメントに適用することを考えることもできる。そのような場合には、差動歯車の2つの入力歯車を、香箱の内の1つのつめ車と他の香箱または同じ香箱のドラムに、動力が伝わるように接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の機構の平面図である。
【図2】図2は、図1の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】図3は、図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図4は、図1の線IV−IVに沿った断面図である。
Claims (7)
- 動力ぜんまい(26)による動力源を有する型の時計のムーブメントに使用される貯蔵動力表示器機構であって、該機構が枠(10、12、14、16)、貯蔵動力表示針、および差動歯車(30)を有しており、該差動歯車が、前記動力ぜんまいが巻かれているときに回転駆動される歯車(29)に接続されている第一の入力部(44)、前記動力ぜんまいが緩んでいるときに回転駆動される歯車(20)に接続されている第二の入力部(42)、および前記表示針に接続されている出力部(36a)を有し、前記表示針が2つの末端位置の間にある任意の角度の位置を示すことができ、第一の末端位置は動力ぜんまいが巻き上げられたときに表示針によって占められ、第二の末端位置は留具(78)によって限定され、動力ぜんまいが緩んだときにその位置を表示針が占める機構において、
中間歯車(32)が差動歯車の出力部と前記表示針との間に挿入され、該中間歯車は第一弾性部材(64)と2つの同軸部材とを有し、該同軸部材の内の1つは歯車(60)で形成されており、もう1つは心棒(58)で形成されており、該同軸部材の内の一方が前記出力部(36a)に接続されており、他方が前記表示針に接続されており、歯車(60)と心棒(58)とは、該歯車(60)を軸方向に保持するカム(62)を介して前記第一弾性部材(64)によって互いに連結されており、前記中間歯車は、表示針が前記2つの末端位置の間の位置を占めているときには両部材が共に回転し、少なくとも前記表示針が第二の末端位置を占めているときには表示針が留具に当接している間も前記差動歯車が自由に回転を続けるように設計され、動力ぜんまいがムーブメントを駆動している間前記第一弾性部材が巻かれていることを特徴とする機構。 - 前記差動歯車に接続されている前記同軸部材が歯車(60)であることを特徴とする請求項1に記載の機構。
- 前記第一弾性部材が、半径方向に変形することができると共にその一端が歯車(60)に固定されているバネ(64)を有し、前記カム(62)が前記心棒(58)に回転可能に取り付けられて、該カムが該バネの自由端(64a)と協働し、この組立体が、表示針が一端に当接して、動力ぜんまいが緩み続けているときには、バネの自由端がカム上をスライドして動力ぜんまいによって及ぼされるトルクと反対のトルクを発生するように設計されていることを特徴とする請求項2に記載の機構。
- 前記機構が、前記差動歯車の2つの入力歯車(42、44)と中間歯車(32)との間にある歯車列に恒久的なトルクを及ぼすように配置された第二の弾性部材(66)をさらに有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の機構。
- 前記第二弾性部材(66)は、前記枠(10)に強固に取り付けられた心棒(72)、表示針に接続されている歯車の部材(60)とかみ合う歯(68a)をその周縁部に備えているドラム(68)、およびドラム内に配されると共にその一端が第二弾性部材の心棒に固定され、他端がドラムに固定されているバネ細片(74)を有していることを特徴とする請求項4に記載の機構。
- 第二弾性部材(66)が、前記動力ぜんまい(26)と同時に巻き上げられたり緩んだりするように設計されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の機構。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の機構を採用し、その動力ぜんまい(26)が少なくとも8日間の動力貯蔵を保証する時計。
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