JP2000002773A - ゼンマイ装置、時計、およびそれらの制御方法 - Google Patents

ゼンマイ装置、時計、およびそれらの制御方法

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JP2000002773A JP10336338A JP33633898A JP2000002773A JP 2000002773 A JP2000002773 A JP 2000002773A JP 10336338 A JP10336338 A JP 10336338A JP 33633898 A JP33633898 A JP 33633898A JP 2000002773 A JP2000002773 A JP 2000002773A
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    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B1/00Driving mechanisms
    • G04B1/10Driving mechanisms with mainspring
    • G04B1/22Compensation of changes in the motive power of the mainspring

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウォッチのような内部の部品配置スペースが
小さい時計でも、ゼンマイの巻上げ時の巻止めを行っ
て、常に設定範囲内のトルクを出力できること。 【解決手段】 輪列13を介して伝達されるゼンマイの
機械エネルギで指針を運針させる時計であり、ゼンマイ
にエネルギーを蓄積するための巻上げ部30と、ゼンマ
イの巻上げ量と巻戻し量とを加減算する加減算用輪列5
0と、加減算したトルクが伝達される加減算用車52
と、ゼンマイが所定巻数以上に巻上げられた際に加減算
用車52の回転に連動して作動されて、加減算用輪列5
0の中で巻上げ時のトルクが伝達される巻上げ輪列50
aまたは/および巻上げ部30をロックしてゼンマイの
巻上げを停止させる巻上げロック機構70とを備える。
加減算輪列50を用いているため、スペースを効率良く
利用でき、ウォッチにも組み込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼンマイ装置、時
計、およびそれらの制御方法に係り、例えば手巻き式や
自動巻式で巻き上げられるゼンマイおよびテンプを有す
る機械式時計や、そのようなゼンマイが解ける時に出力
される機械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、
その電気エネルギで回転制御手段を作動させて発電機の
回転周期を制御することにより、輪列に固定される指針
を正確に運針させる電子制御式機械時計に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、ゼンマイの機械エネルギを利用
して指針を運針させる機械式時計が知られている。
【0003】また、近年では、特開平8−5758号公
報に記載されているように、ゼンマイが解放する時の機
械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、その電気
エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機のコイ
ルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定さ
れる指針を正確に運針させて正確に時刻を表示する電子
制御式機械時計も多く用いられている。
【0004】ところで、ゼンマイは、図22に示すよう
に、巻上げていった最後の巻締め時(巻数が所定の巻数
A以上になった時)には、ゼンマイに蓄積されるトルク
が急激に大きくなり、ゼンマイが解放し始めた際に非常
に大きなトルクを出力してしまい、ゼンマイにより回転
される輪列の回転速度を制御する調速機や脱進機等の規
正部に大きなトルクが加わってこれらの部品が破壊され
るおそれがある。
【0005】反対に、巻き戻された最後の時(巻数が所
定の巻数B以下になった時)には、ゼンマイから出力さ
れるトルクが著しく小さくなってしまい、運針が徐々に
遅くなって時刻を誤表示してしまうおそれがある。この
ことに関し、例えば電子制御式機械時計についていえ
ば、ゼンマイが所定巻数以下に巻き戻されると、発電機
における発電量も小さくなって制御可能な回転数以下と
なるため、運針が正確に行えず、その結果、時刻の誤表
示として現れる。
【0006】このため、特にクロック(置き時計や掛け
時計)においては、ゼンマイが巻上げや巻戻しを一定巻
数で停止する巻止め機構が設けられていた。この巻止め
機構としては、一般に、図23に示すような、香箱真1
01に固定された指102と、香箱に取り付けられたモ
ールトの十字架と呼ばれる歯車103とを備えたモール
ト十字架式巻止め機構が用いられていた。
【0007】この機構では、図23(A)に示すよう
に、指102の指頭102aは、歯車103の切割と噛
み合っており、歯車103はその場所で自由に回ること
ができるとともに、指102の円周の周りを順次滑りな
がら移動もできるようにされている。
【0008】そして、時計を巻くと、香箱真101が回
って指102も回転し、1回転するごとに歯車103の
1歯を送り、最後に、歯車103の平歯103aが指頭
102aの肩にぶつかって香箱真101の回転を止め、
巻上げをロックしていた。
【0009】なお、時計の運転中(ゼンマイの巻戻し
中)には、図23(B)に示すように、指102は固定
され、歯車103は香箱と共に香箱真101を中心に回
転し、1回転毎に歯車103の各歯分回転し、香箱が4
回転した後に、図23(C)に示すように、平歯103
aと指頭102aとがぶつかって巻戻しがロックされ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このモ
ールト十字架式巻止め機構は、構造が簡単で部品数も少
ないという利点があったが、歯車の平歯と指頭とを当接
させることで巻止めをするため、平歯および指頭の強度
を確保するためにこれらを比較的大型化する必要がある
とともに、指および歯車を香箱に重ねて配置する必要が
ある。
【0011】このため、香箱部分の厚さ寸法も大きくな
るので、内部の部品配置スペースの大きさを確保できる
クロックにしか用いることができず、内部スペースが小
さいウォッチ(腕時計)では、上記モールト十字架式巻
止め機構を用いることができない。
【0012】従って、ウォッチにおいては、ゼンマイの
巻上げ時に巻止めを行ったり、あるいは巻き戻し時に巻
き戻しを停止させることが困難とされ、著しく大きいト
ルクが加わって部品が破壊したり、反対に、著しく小さ
なトルクによって誤表示してしまうといった前述の問題
が依然としてあり、トルクを常に設定範囲内で出力させ
ることが望まれいた。
【0013】本発明の第1の目的は、ウォッチのような
内部の部品配置スペースが小さいゼンマイ装置であって
も、著しく大きいなトルク、あるいは著しく小さいトル
クが出力されるのを防ぐこと、すなわちトルクを常に設
定範囲内で出力させることができるゼンマイ装置、時
計、およびそれらの制御方法を提供することにある。
【0014】また、電子制御式機械時計は、発電した電
気エネルギで水晶発振器を含む回転制御回路を駆動して
発電機の回転周期つまりは指針の回転周期を高精度に制
御することができるため、従来の機械式時計に比べて誤
差が小さく時刻指示精度を非常に高くすることができる
ものであった。
【0015】ただし、針合わせ時には、指針を停止させ
なければならないため、輪列も停止して発電機も停止さ
せる必要があった。このため、発電機が停止して発電が
行われなくなると、一定時間はコンデンサに充電されて
いた電力を用いて回転制御回路を駆動し続けることがで
きるが、コンデンサが放電してしまった場合には回転制
御回路も停止してしまう。
【0016】そして、針合わせ操作を行って回転制御回
路が停止した状態から、針合わせ操作を終了して発電機
の駆動を開始した場合、制御回路が駆動し始めるまでの
間は、運針制御を行えなかった。そのため、運針制御を
行えない時間を予め設定して制御開始時に補正すること
も試みられていた。この際、ゼンマイから出力されるト
ルクの大きさが変わると、発電機が制御回路を駆動でき
るようになるまでの時間も変化するため、前記補正量は
所定の出力トルクの大きさに合わせて設定されていた。
【0017】しかしながら、ゼンマイを巻上げていった
最後の巻締め時には前述のとおりゼンマイに蓄積される
トルクが急激に大きくなり、かつ巻締め量を僅かに変え
ただけでもトルクの大きさが大きく変動してしまうた
め、巻締め操作毎にトルクの値が大きく変動してしま
い、前記補正を行っても十分に補正できないという問題
があった。
【0018】本発明の第2の目的は、電子制御式の場合
など、回転制御回路が停止していても、その間の補正を
高精度に行えるゼンマイ装置、時計、およびそれらの制
御方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のゼンマイ装置は、ゼンマイの機械エネルギで駆動され
るように構成されたゼンマイ装置において、前記ゼンマ
イにエネルギを蓄積するための巻上げ部と、前記ゼンマ
イの巻上げ量と巻戻し量とを加減算する加減算用輪列
と、この加減算用輪列の中で巻上げ量および巻戻し量を
加減算した加減算用車と、前記加減算用車の回転に連動
して作動されて、設定範囲外のトルクが前記ゼンマイか
ら前記輪列に伝達されるのを防止するロック機構と、を
備えることを特徴とするものである。
【0020】このような本発明では、加減算輪列を用い
てゼンマイの巻上げ量および巻戻し量を検出し、この際
のトルクが伝達される加減算用車の回転に連動してロッ
ク機構が作動するので、ゼンマイの保有トルクが著しく
大きくなる前に巻止めを行ったり、あるいはゼンマイの
出力トルクが低下し、輪列が正確に回転できなくなる前
に輪列を停止させることが可能であり、ゼンマイからは
常に設定範囲内のトルクが出力されるようになる。
【0021】この際、加減算輪列は、複数の歯車等で構
成されるため、モールト十字架式巻止め機構のように香
箱真や香箱車に直接取り付けられる2つの部材のみで構
成する必要が無く、加減算用車などは輪列を介すること
で香箱車の周囲のスペースに配置することもできる。こ
のため、部品配置スペースが小さいウォッチのようなゼ
ンマイ装置であっても、加減算用輪列などは十分に配置
することができ、ゼンマイの巻上げ時の巻止めを実現す
ることができる。
【0022】これらにより、前記第1の目的が達成され
る。
【0023】以上において、前記ロック機構は、前記ゼ
ンマイが所定巻数以上に巻上げられた際に、前記加減算
用輪列の中で巻上げ時のトルクが伝達される巻上げ輪列
または/および前記巻上げ部をロックしてゼンマイの巻
上げを停止させる巻上げロック機構を含んで構成されて
いることを特徴とする。
【0024】このような場合には、ゼンマイが所定巻数
以上に巻上げられた際に、加減算用車の回転に連動して
巻上げ輪列および巻上げ部を巻上げロック機構でロック
(停止)するので、巻止めがより確実に行えるようにな
り、特にゼンマイを巻締め過ぎることを良好に防止でき
る。
【0025】ここで、前記巻上げロック機構は、歯車の
噛み合いを解除するのではなく、前記巻上げ輪列または
/および巻上げ部の中で、前記ゼンマイのトルク入力側
に直結された歯車の保有トルク以下の保有トルクを有す
る歯車等のトルク伝達部品をロックしてその回転を停止
させるものでもよい。
【0026】より保有トルクが小さいトルク伝達部品
(歯車等)をロックすれば、より小さな力で巻上げをロ
ックすることができる。このため、巻上げロック機構の
各部品に必要となる強度も小さくでき、これらの部品を
小型でかつ薄型化できる。
【0027】ただし、前記巻上げロック機構は、前記巻
上げ輪列または前記巻上げ部のトルク伝達を解除してロ
ックしてもよい。
【0028】一方、前記ロック機構は、前記ゼンマイが
所定巻数以下に巻戻された際に、前記加減算用輪列の中
で巻戻し時のトルクが伝達される巻戻し輪列または/お
よび前記輪列をロックして当該輪列の回転を停止させる
巻戻しロック機構を含んで構成されていることを特徴と
する。
【0029】このような場合には、加減算用車の回転に
連動して作動される巻戻しロック機構により、ゼンマイ
が所定の巻数以下になった際に輪列をロックするので、
ゼンマイの出力トルクが低下して輪列が正確に回転でき
なくなる前に輪列を強制的に停止できる。
【0030】ここで、前記巻戻しロック機構は、前記輪
列における歯車の噛み合いを解除して指針の運針を停止
させるように構成されていてもよい。
【0031】例えば、ゼンマイの巻数に連動して作動さ
れるレバー等によって、ゼンマイの巻数が所定巻数以下
となった際に歯車の噛み合いなどを解除すれば、ゼンマ
イのトルクが伝達されないため、輪列を確実に停止させ
ることができる。
【0032】また、前記巻戻しロック機構は、歯車の噛
み合いを解除するのではなく、前記巻戻し輪列または/
および前記輪列の中で、前記ゼンマイのトルク出力側に
直結された歯車の保有トルク以下の保有トルクを有する
トルク伝達部品(歯車等)をロックしてその回転などの
作動動作を停止させるものでもよい。
【0033】より保有トルクが小さい歯車をロックすれ
ば、香箱車のトルクを直接受けて停止させる場合に比べ
て、より小さな力で巻戻しをロックして運針を停止する
ことができる。このため、巻戻しロック機構の各部品に
必要となる強度も小さくでき、これらの部品を小型でか
つ薄型化できる。
【0034】また、前記巻上げロック機構は前記巻上げ
輪列中の歯車をロックするように構成されており、この
歯車から前記ゼンマイ側のトルク伝達経路中の任意の歯
車が回転錘の回転で駆動されて、この回転錘からのトル
クで前記ゼンマイが巻上げられるとともに前記巻上げ輪
列が駆動されるように構成され、当該トルク伝達経路中
には、前記巻上げロック機構が作動した際に前記回転錘
からのトルクが前記ゼンマイおよび前記加減算用車に伝
達されるのを防止するスリップ機構が設けられているこ
とが望ましい。
【0035】このような場合には、巻上げロック機構で
歯車をロックさせると、スリップ機構が作動して回転錘
が空転するようになるから、回転錘がロックしてそれ自
身が破壊するのを防止できるとともに、回転錘からの回
転が加減算用車側に伝達されないことにより、ロック状
態にある巻上げロック機構に無理な力が作用して破壊し
たり、破壊に至らないまでも、加減算用車に設けられる
指針の誤表示を確実に防止できる。従って、このような
巻上げロック機構を自動巻式のゼンマイ装置に支障なく
適用できる。
【0036】さらに、前記巻上げロック機構は、巻上げ
時のトルクが伝達される少なくとも一つの部品に係合し
てロック可能な巻上げロックレバーを備え、前記巻戻し
ロック機構は、巻戻し時のトルクが伝達される少なくと
も一つの部品に係合してロック可能な巻戻しロックレバ
ーを備えて構成されていることが好ましく、各ロックレ
バーを用いることで確実にロックできる。
【0037】この際、前記巻上げロックレバーは、前記
巻上げ輪列および前記巻上げ部の中の少なくとも1つの
歯車に係合可能な係止部を有し、前記巻戻しロックレバ
ーは、前記巻戻し輪列および前記輪列の中の少なくとも
1つの歯車に係合可能な係止部を有していることが好ま
しい。
【0038】巻上げ輪列、巻上げ部、巻戻し輪列、およ
び輪列をロックするには、トルク伝達部品である各輪列
の車に摩擦力等によるブレーキを加えてロックしてもよ
いが、レバーの係止部を歯車の歯に係合させれば、巻上
げ輪列および巻上げ部を確実にかつ容易にロックするこ
とができる。
【0039】なお、係止部を係合させることなどでロッ
クする車は、1つの車でもよいし、複数の車をロックし
てもよい。
【0040】さらに、前記ロック機構が前記巻上げロッ
ク機構と前記巻戻しロック機構とを備えている場合に
は、前記巻上げロックレバーおよび巻戻しロックレバー
が一つのマルチロックレバーで一体に形成されていても
よく、巻上げロックレバーと前記巻戻しロックレバーと
を一体に設けることにより、部品点数の削減およびスペ
ース効率の向上が図られる。
【0041】そして、巻上げロックレバー、巻戻しロッ
クレバー、およびマルチロックレバーにおいて、各ロッ
クレバーの回動中心は、当該ロックレバーが係合される
前記部品と加減算用車との間に配置されていることが好
ましい。この場合、回動中心から前記部品および加減算
用車までの長さを短くできるため、その分、各ロックレ
バーの剛性も向上することができる。
【0042】さらに、前記加減算用車の外周には凹溝や
凸部等で構成される作動用係合部が形成され、前記ロッ
クレバーは前記加減算用車に圧接されているとともに、
前記加減算用車の作動用係合部に係合可能な係合突部が
形成され、この係合突部が前記加減算用車の作動用係合
部に係合された際に前記ロックレバーが前記部品に係合
して当該部品を停止させるように構成されていることが
好ましい。
【0043】ロックレバーの係合突部を加減算用車に圧
接すれば、係合突部を切り込み溝等の作動用係合部に確
実に係合させたり、加減算用車の外周に当接させておく
ことができ、振動なども生じず、安定して作動させるこ
とができ、巻上げロック機構や巻戻しロック機構の信頼
性も向上することができる。
【0044】そして、前記ロックレバーは、前記加減算
用車を径方向の両側から押圧挟持していることが好まし
く、加減算用車の回転軸が倒れにくくなる。
【0045】さらに、前記ロックレバーは、前記部品と
の係合部分がバネ性を有していてもよく、このような場
合には、ロックレバーの係合部分が前記部品に係合した
状態でさらに係合部分に力が作用しても、バネ性を有す
ることでその力が確実に吸収されるから、前記部品に過
剰な力が作用せず、当該部品が破損するのを防止でき
る。
【0046】反対に、前記ロックレバーは、前記部品と
の係合部分が剛体とされ、このロックレバーを作動させ
る前記加減算用車は、当該前記加減算用車にトルクを伝
達する歯車に対してバックラッシを持って同一回転軸上
に取り付けられ、かつ前記ロックレバーの作動時に前記
バックラッシ分だけ前記歯車よりも先行して回転するよ
うに構成してもよい。
【0047】このような場合には、ロックレバーが剛体
であることで大きな抗力で確実にロックできる。そし
て、ロックレバーが係合する時点で加減算用車(作動用
係合部)が先行して回転するため、ロックレバーを瞬間
的に前記部品に係合させることができ、剛体とされてい
ても前記部品の摩耗等を抑制できる。
【0048】なお、請求項12〜16において、「前記
ロックレバー」とは、巻上げロックレバーと巻戻しロッ
クレバーとが別々に設けられている場合には、そのうち
のいずれか一方であってもよいし、両方でもよく、ま
た、巻上げロックレバーと巻戻しロックレバーとが一体
のマルチロックレバーとして設けられている場合には、
このマルチロックレバーのことをいう。
【0049】また、本発明の時計では、前記加減算用車
で駆動される持続時間残量表示手段が設けられているこ
とが好ましい。
【0050】このような場合には、持続時間残量表示手
段が設けられているので、ゼンマイの持続時間残量が容
易に視認可能である。
【0051】そして、前記持続時間残量表示手段は、前
記輪列を支持する輪列受の外側に設けられていてもよ
い。
【0052】持続時間残量表示手段が時計の裏側に設け
られることになるので、表側の意匠をシンプルに維持し
つつも持続時間残量の確認機能を付与できる。
【0053】さらに、前記ゼンマイ装置は、前記輪列を
介して伝達されるゼンマイの機械エネルギを電気エネル
ギに変換する発電機と、変換された電気エネルギにより
駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手
段とを備えた電子制御式であることが好ましい。
【0054】そして、本発明のゼンマイ装置は時計であ
ってもよい。
【0055】また、本発明の請求項21に記載の時計
は、巻き上げ部を作動させることでエネルギが蓄積され
るゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼンマイの機械
エネルギを電気エネルギに変換する発電機と、前記輪列
に結合された指針と、変換された電気エネルギにより駆
動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段
とを備える電子制御式の機械時計において、前記ゼンマ
イが所定巻数以上に巻上げられた際に、前記巻上げ部を
ロックしてゼンマイの巻上げを停止させる巻上げロック
機構と、前記ゼンマイが所定巻数以下に巻戻された際
に、前記ゼンマイからのトルクを発電機側に伝達する前
記輪列をロックして指針の運針を停止させる巻戻しロッ
ク機構とのうち、少なくともいずれか一方のロック機構
を備えることを特徴とする。
【0056】このような電子制御式機械時計において、
巻上げロック機構を設けた場合には、ゼンマイの巻上げ
を所定巻数でロックできるため、ゼンマイの巻戻し開始
時の出力トルクが著しく大きくなることがなく、出力ト
ルクをほぼ一定に保つことができる。このため、針合わ
せ直後のロータの立ち上がり時に、制御回路が駆動し始
めて制御できるようになるまでの時間を高精度に予測す
ることができ、巻上げロック後に針合わせ操作を行った
際に回転制御回路が停止していても、制御回路が停止し
ている間の補正を高精度に行うことができ、電子制御式
機械時計における時刻指示精度を一層向上することがで
きる。
【0057】このことにより、前記第1の目的の他、第
2の目的も達成できる。
【0058】また、この電子制御式機械時計において、
巻上げロック機構を設けた場合でも、前述したように、
ゼンマイの出力トルクが低下し、正確な運針ができなく
なった際に、輪列つまり指針を強制的に停止でき、従っ
てやはり、トルクを常に設定範囲内で出力させることが
でき、前記第1の目的は達成される。
【0059】前記電子制御式機械時計は、時計の針合わ
せ機構を備えるとともに、前記ゼンマイが所定巻数以下
の場合には、前記針合わせ機構を作動不能にロックする
針合わせロック機構を備えていてもよい。
【0060】針合わせロック機構を備えていれば、ゼン
マイが十分に巻上げられるまでは針合わせを行うことが
できないため、コンデンサなどの充電部をより高い電圧
状態にしてから針合わせ操作を行うことができる。この
ため、針合わせ操作から復帰した際に、コンデンサによ
ってシステムの駆動を維持しておくこともでき、運針制
御を非常に高精度に行うことができる。
【0061】さらに、前記電子制御式機械時計におい
て、前記ゼンマイの巻上げ量と巻戻し量とを加減算する
加減算用輪列と、この加減算用輪列の中で巻上げ量およ
び巻戻し量を加減算したトルクが伝達される加減算用車
とを備えるとともに、前記巻上げロック機構は、前記ゼ
ンマイが所定巻数以上に巻上げられた際に、前記加減算
用車の回転に連動して作動されて、前記加減算用輪列の
中で巻上げ時のトルクが伝達される巻上げ輪列および前
記巻上げ部をロックしてゼンマイの巻上げを停止させる
ように構成されていることが好ましい。
【0062】加減算輪列を用いることで、スペースを有
効に利用でき、ウォッチにおいてもゼンマイの巻上げ時
の巻止めを実現することができる。
【0063】そして、前記電子制御式機械時計におい
て、前記ゼンマイの巻上げ量と巻戻し量とを加減算する
加減算用輪列と、この加減算用輪列の中で巻上げ量およ
び巻戻し量を加減算したトルクが伝達される加減算用車
とを備えるとともに、前記巻戻しロック機構は、前記ゼ
ンマイが所定巻数以下に巻戻された際に、前記加減算用
車の回転に連動して作動されて、前記加減算用輪列の中
で巻戻し時のトルクが伝達される巻戻し輪列および指針
が結合された前記輪列をロックして指針の運針を停止さ
せるように構成されていることが好ましい。
【0064】加減算輪列を用いることで、スペースを有
効に利用でき、ウォッチにおいてもゼンマイの巻戻し時
の巻止めを実現することができる。
【0065】請求項25に記載の発明は、ゼンマイと、
輪列を介して伝達されるゼンマイの機械エネルギを電気
エネルギに変換する発電機と、この発電機で変換された
電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を
制御する回転制御手段とを備えるゼンマイ装置のゼンマ
イ巻上げ制御方法であって、前記ゼンマイにエネルギを
蓄積するための巻上げ部により前記ゼンマイを巻上げ、
このゼンマイが所定巻数以上に巻上げられた際には、巻
上げロック機構によって前記巻上げ部をロックしてゼン
マイの巻上げを停止することを特徴とするものである。
【0066】このような本発明においても、ゼンマイの
巻上げを所定巻数でロックできるため、ゼンマイの巻戻
し開始時の出力トルクが著しく大きくなることがなく、
出力トルクをほぼ一定に保つことができ、制御回路が停
止して入り会いだの補正をLぷせいどに行うことができ
る。
【0067】請求項26に記載の発明は、ゼンマイと、
輪列を介して伝達されるゼンマイの機械エネルギを電気
エネルギに変換する発電機と、この発電機で変換された
電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を
制御する回転制御手段とを備えるゼンマイ装置のゼンマ
イ巻戻し制御方法であって、前記ゼンマイが所定巻数以
下に巻戻された際には、巻戻しロック機構によって前記
輪列をロックして輪列の回転を停止することを特徴とす
るものである。
【0068】このような本発明においても、ゼンマイの
巻戻しを所定巻数でロックできるため、ゼンマイの出力
トルクが低下し、正確な運針ができなくなった際に、輪
列つまり指針を強制的に停止でき、トルクを常に設定範
囲内で出力できる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0070】〔第1実施形態〕図1は、本実施形態に係
るゼンマイ装置としての電子制御式機械時計の概略を示
す平面図、図2〜図4は、その要部の断面図である。
【0071】図1〜図4において、電子制御式機械時計
は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1cおよび香
箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1a
は、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定され
ている。香箱真1cは、地板2に支持され、角穴車4と
一体で回転するようになっている。
【0072】角穴車4は、時計方向には回転するが反時
計方向には回転しないように、こはぜ3と噛み合ってい
る。この角穴車4は、図示しない竜頭に接続された巻真
31を操作することにより、キチ車32、丸穴車33、
角穴中間車34を介して回転され、前記香箱真1cを回
転してゼンマイ1aを巻き上げるように構成されてい
る。従って、巻真31、キチ車32、丸穴車33、角穴
中間車34、角穴車4によってゼンマイ1aにエネルギ
を蓄積する巻上げ部30が構成されている。
【0073】香箱歯車1bの回転は、図3にも示すよう
に、二番車6へ伝達された後、増速されて三番車7へ、
三番車7から秒針車8および四番車9へ、さらに四番車
9から順次増速されて五番車10、六番車11、ロータ
12へと伝達される。そして、二番車6には筒かな6a
を介して図示しない分針が固定され、秒針車8には秒針
が固定されている。また、筒かな6aには日の裏車38
を介して筒車6bが接続され、この筒車6bに時針が固
定されている。
【0074】なお、各車6〜11およびロータ12は、
輪列受14や二番受15と地板2とで支持されている。
また、各車6〜11によって、ゼンマイ1aの機械エネ
ルギを指針(時針、分針、秒針)に伝達する輪列13が
構成されている。
【0075】この電子制御式機械時計は、図1に示すよ
うに、ロータ12およびコイルブロック21,22から
構成される発電機20を備えている。ロータ12は、ロ
ータ磁石12a、ロータかな12b、ロータ慣性円板1
2cを備えている。このうち、ロータ慣性円板12c
は、香箱車1からの駆動トルク変動に対しロータ12の
回転数変動を少なくするためのものである。
【0076】コイルブロック21,22は、各コア23
にコイル24をそれぞれ巻線して構成されたものであ
る。各コア23は、ロータ12に隣接して配置されるコ
アステータ部23aと、前記コイル24が巻回されるコ
ア巻線部23bと、互いに連結されるコア磁気導通部2
3cとが一体に形成されて構成されている。
【0077】以上の電子制御式機械時計では、発電機2
0からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、
トランジスタ整流等からなる整流回路を通して昇圧、整
流されて平滑用コンデンサに充電され、このコンデンサ
からの電力で発電機20の回転を制御する図示しない回
転制御回路(回転制御手段)を作動させている。なお、
回転制御回路としては、発振回路、分周回路、回転検出
回路、回転数比較回路、電磁ブレーキ制御手段等を含む
集積回路(IC)によって構成され、発振回路には水晶
振動子が用いられる。
【0078】また、分針および時針を合わせる針合わせ
操作は、竜頭を引き出して前記巻真31を軸方向に移動
し、おしどり40、クリックバネ41、かんぬき42の
作用によってつづみ車35を小鉄車36側に移動して噛
み合わせ、この小鉄車36から日の裏中間車37、日の
裏車38を介して筒かな6aおよび筒車6bを回転させ
ることで行われる。従って、竜頭、巻真31、つづみ車
35、小鉄車36、日の裏中間車37、日の裏車38、
おしどり40、クリックバネ41、かんぬき42によ
り、針合わせ機構44が構成されている。
【0079】この電子制御式機械時計には、ゼンマイ1
aの巻上げ量および巻戻し量を加減算する加減算用輪列
50が設けられている。
【0080】加減算用輪列50は、持続時間残量表示手
段としてのパワーリザーブ針51が固定された八十番車
52と、この八十番車52の軸に固定されたパワーリザ
ーブ針車53と、パワーリザーブ針車53に噛合する第
1の遊星車54aおよびこの遊星車54aと一体とされ
た第2の遊星車54bを有する八十一番車54と、この
八十一番車54の第2の遊星車54bに噛合する遊星中
間車55と、この遊星中間車55と一体に回転される八
十二番車56と、八十二番車56に噛合する八十三番車
57と、八十三番車57に噛合する八十四番車58と、
前記遊星車である八十一番車54が取り付けられた太陽
車としての八十五番車59と、この八十五番車59に噛
合する八十六番車60と、八十六番車60に噛合する八
十七番車61と、八十七番車61に噛合する八十八番車
62とを備えて構成されている。八十四番車58は、前
記角穴車4に噛合されており、八十八番車62は香箱車
1の香箱歯車1bに噛合されている。
【0081】従って、ゼンマイ1aの巻上げ操作で角穴
車4が回転されると、そのトルクは八十四番車58から
順次減速して八十三番車57、八十二番車56、八十一
番車54に伝達されるようになっている。ここで、ゼン
マイ1aの巻上げ時には香箱歯車1bは回転が遅くほぼ
停止状態の為、八十八番車62から八十五番車59は固
定状態とされ、八十一番車54に伝達されたトルクはパ
ワーリザーブ針車53、八十番車52、パワーリザーブ
針51に伝達されるようになっている。
【0082】一方、ゼンマイ1aの巻戻し時には、角穴
車4が停止しているために、八十四番車58から遊星中
間車55まで停止している。そして、香箱歯車1bが回
転されると、そのトルクは八十八番車62から順次減速
して八十七番車61、八十六番車60、八十五番車59
に伝達される。この際、八十一番車54が噛合している
遊星中間車55が停止しているため、八十一番車54は
遊星中間車55の回りを自転しながら公転する。これに
より、八十一番車54に噛合しているパワーリザーブ針
車53も前記ゼンマイ1aの巻上げ操作時とは逆方向に
回転し、八十番車52、パワーリザーブ針51も逆方向
に回転されるようになっている。
【0083】なお、本実施形態では、香箱車1(角穴車
4)から八十番車52まで減速比は1/12に設定され
ているため、ゼンマイ1aの巻数が「6」の場合(回転
角は360度×6=2160度)、八十番車52つまりパワ
ーリザーブ針51は180度回転するように設定されて
いる。
【0084】従って、加減算用輪列50のなかで、角穴
車4からのトルクを八十番車52に伝達する八十四番車
58、八十三番車57、八十二番車56、遊星中間車5
5、八十一番車54、パワーリザーブ針車53により巻
上げ輪列50aが構成され、香箱歯車1bからのトルク
を八十番車52に伝達する八十八番車62、八十七番車
61、八十六番車60、八十五番車59、八十一番車5
4、パワーリザーブ針車53により巻戻し輪列50bが
構成されている。
【0085】そして、八十番車52には、角穴車4が回
転するとゼンマイ1aの巻上げ量に対応したトルクが伝
達されて所定方向の回転として加算され、ゼンマイ1a
が巻き戻されて香箱歯車1bが回転するとゼンマイ1a
の巻戻し量に対応したトルクが伝達されて反対方向の回
転として減算される。従って、八十番車52により加減
算用車が構成されている。
【0086】前記八十番車52は、図5にも示すよう
に、外周に歯が形成されていない円盤状に形成されてお
り、この外周の1カ所には作動用係合部として径方向に
沿った切り込み溝52aが形成されている。
【0087】この前記八十番車52の周囲には、巻上げ
輪列50aの回転をロック(停止)する巻上げロック機
構70、巻戻し輪列50bの回転をロック(停止)する
巻戻しロック機構としての指針ロック機構80、針合わ
せ機構44をロックする針合わせロック機構90が設け
られている。
【0088】巻上げロック機構70は、八十四番車58
に係合する巻上げロックレバー71を備えている。この
レバー71は、八十四番車58および八十番車52間に
設けられた回動軸71aを中心として回動可能とされ、
八十四番車58の歯に係合可能な係止部72と、八十番
車52の切り込み溝52aに係合可能な係合突部73と
を備えている。そして、レバー71の本体部分から略U
字状に延長されているバネ部74が係止ピン75に当接
されており、このバネ部74の作用によって係合突部7
3が八十番車52に圧接するようにされている。このた
め、係合突部73が八十番車52の切り込み溝52aに
係合している場合には、図5に二点鎖線で示すように、
係止部72が八十四番車58に係合して八十四番車58
の回転つまりは巻上げ輪列50a、角穴車4、さらには
巻上げ部30をロックつまり停止状態とし、ゼンマイ1
aの巻上げを停止することになる。
【0089】一方、係合突部73が八十番車52の切り
込み溝52a以外の外周に圧接している場合には、図5
に実線で示すように、係止部72も八十四番車58から
離れており、巻上げ輪列50aの回転が可能になり、ゼ
ンマイ1aを巻上げられるようになる。
【0090】なお、八十番車52は、前述のとおり、ゼ
ンマイ1aの巻数が6になった場合、つまり角穴車4が
6回転する間に180度回転するように設定されてい
る。このため、巻上げをロックしたい巻数(例えば、図
22の特性を有するゼンマイ1aであれば出力トルクが
大幅に変化する前の巻数A)になったら、前記係合突部
73が八十番車52の切り込み溝52aに係合するよう
な角度で八十番車52を設定すればよい。
【0091】同様に、指針ロック機構80も、図5にも
示すように、八十七番車61に係合する巻戻しロックレ
バーとしての指針ロックレバー81を備えている。この
レバー81は、八十七番車61および八十番車52間に
設けられた回動軸81aを中心として回動可能とされ、
八十七番車61の歯に係合可能な係止部82と、八十番
車52の切り込み溝52aに係合可能な係合突部83と
を備えている。そして、レバー81の本体部分から略U
字状に延長されているバネ部84が係止ピン85に当接
されており、このバネ部84の作用によって係止部82
および係合突部83が八十七番車61および八十番車5
2に圧接するようにされている。
【0092】このため、係合突部83が八十番車52の
切り込み溝52aに係合している場合には、図5に二点
鎖線で示すように、係止部82が八十七番車61に係合
して八十七番車61の回転つまりは巻戻し輪列50bの
回転をロックし、ゼンマイ1aの巻戻しつまりは指針の
運針を停止することになる。
【0093】一方、係合突部83が八十番車52の切り
込み溝52a以外の外周に圧接している場合には、図5
に実線で示すように、係止部82も八十七番車61から
離れており、巻戻し輪列50bの回転つまり指針の運針
が可能になる。
【0094】なお、指針ロックレバー81も、巻戻しを
ロック(運針を停止)したい巻数になったら、前記係合
突部83が八十番車52の切り込み溝52aに係合する
ように設定されている。例えば、図22に示すような特
性を有するゼンマイ1aの場合、出力トルクが大きく低
下する巻数Bの時点で巻戻しをロックすればよい。
【0095】なお、本実施形態では、巻上げのロックが
必要となるのは、巻上げが完了する時点つまり巻数がほ
ぼ「6」になった状態であり、巻戻しのロック(運針停
止)が必要なのは、ゼンマイ1aがほどけて出力トルク
が低下した時点つまり巻数がほぼ「0」に近づいた状態
であり、従ってそれらの間にはほぼ巻数「6」分つまり
八十番車52が180度近く回転する分の差がある。従
って、各レバー71,81は、各係合突部73,83が
八十番車52に対して略180度対向した位置となるよ
うに配置されている。具体的には約160〜180度程
度の角度を持った位置に配置されている。
【0096】針合わせロック機構90は、図5にも示す
ように、つづみ車35に係合する針合わせロックレバー
91を備えている。このレバー91は、基端側がレバー
71と一体化されており、さらに角穴車4の外周に沿っ
て延長された先端側にはつづみ車35の外周に形成され
た溝35aに係合可能な係止部92が形成されている。
【0097】このため、係合突部73が八十番車52の
切り込み溝52aに係合している場合には、図5に二点
鎖線で示すように、係止部92がつづみ車35から離れ
ており、つづみ車35の小鉄車36側への移動を可能、
つまりは針合わせ機構44を作動可能としている。
【0098】一方、係合突部73が八十番車52の切り
込み溝52a以外の外周に圧接している場合には、図5
に実線で示すように、係止部92がつづみ車35に係合
してつづみ車35の小鉄車36側への移動つまりは針合
わせ機構44をロックし、巻真31などを引き出すなど
の針合わせ操作自体ができないようになっている。
【0099】従って、巻上げロックレバー71で巻上げ
がロックされるまでつまりゼンマイ1aが十分に巻上げ
られるまでは、針合わせロックレバー91により針合わ
せ機構44がロックされて針合わせ操作ができないよう
になっている。
【0100】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。
【0101】1)巻上げロック機構70や指針ロック機
構80を設けることで、ゼンマイ1aの保有トルクが著
しく大きくなる前に巻止めを行ったり、あるいはゼンマ
イ1aの出力トルクが低下し、正確な運針ができなくな
る前に指針を停止させることができ、ゼンマイ1aから
は常に設定範囲内のトルクを出力させることができる。
【0102】2)そして、特に巻上げロック機構70を
設けることで、ゼンマイ1aを巻締め過ぎることを防止
できる。このため、ゼンマイ1aの巻締め過ぎによって
巻戻り当初に非常に高いトルクが輪列13等に加わるこ
とを防止でき、輪列13等の破壊もより確実に防止でき
る。
【0103】3)また、前記各巻上げロック機構70、
指針ロック機構80、針合わせロック機構90は、香箱
車1や角穴車4の外周側に配置された加減算用輪列50
を利用しており、香箱車1周囲のスペースを有効に利用
することができ、時計の小型化、薄型化を妨げることが
ない。特に、前記モールト十字架式巻止め機構は、香箱
真1cおよび香箱車1に直接指や歯車を取り付けなけれ
ばならず、その分、時計が厚くなるとともに、部品納ま
りの自由度が小さくなり、設計が難しくなるのに対し、
本実施形態であれば、設計自由度が高く、かつスペース
を有効に利用することができる。このため、部品配置ス
ペースが小さいウォッチにおいても、ゼンマイ1aの巻
上げ時および巻戻し時の巻止め(運針停止)や針合わせ
のロック機構を実現することができる。
【0104】4)巻上げロックレバー71は、角穴車4
に対して増速されるために保有トルクが小さくなる八十
四番車58に係合して回転を規制しているため、より小
さな力で巻上げをロックすることができる。このため、
巻上げロックレバー71や八十四番車58に必要となる
強度も小さくでき、これらの部品を小型でかつ薄型化で
きる。
【0105】同様に、指針ロックレバー81は、香箱車
1に対して増速されるために保有トルクが小さくなる八
十七番車61に係合して回転を規制しているため、より
小さな力で巻上げをロックすることができる。このた
め、指針ロックレバー81や八十七番車61に必要とな
る強度も小さくでき、これらの部品も小型でかつ薄型化
できる。
【0106】また、八十四番車58および八十七番車6
1をロックするには、各番車58,61に摩擦力等によ
るブレーキを加えてロックしてもよいが、各ロックレバ
ー71,81の係止部72,82を各番車58,61の
歯に係合させているので、巻上げ輪列50aおよび巻き
戻し輪列50bを確実にかつ容易にロックすることがで
きる。
【0107】5)巻上げロックレバー71および針合わ
せロックレバー91の係合突部73や指針ロックレバー
81の係合突部83は、バネ部74,84の作用によっ
て八十番車52に圧接しているため、係合突部73,8
3を切り込み溝52aに確実に係合させたり、八十番車
52の外周に当接させておくことができ、振動なども生
じず、安定して作動させることができ、巻上げロック機
構70や指針ロック機構80、針合わせロック機構90
の信頼性も向上することができる。
【0108】6)巻上げロックレバー71の回動軸71
aが、八十四番車58と八十番車52との間に配置され
ているので、回動軸71aから各車58,52に係合さ
れる各係止部72、係合突部73までの長さを短くする
ことができ、その分、巻上げロックレバー71の剛性を
向上することができる。
【0109】同様に、指針ロックレバー81の回動軸8
1aが、八十七番車61と八十番車52との間に配置さ
れているので、回動軸81aから各車61,52に係合
される各係止部82、係合突部83までの長さを短くす
ることができ、その分、指針ロックレバー81の剛性を
向上することができる。
【0110】さらに、針合わせロックレバー91の回動
軸71aも、つづみ車35と八十番車52との間に配置
されているので、回動軸71aから各車35,52に係
合される各係止部92、係合突部73までの長さを短く
することができ、その分、針合わせロックレバー91の
剛性も向上することができる。
【0111】なお、回動軸71a、81aが各車の間に
配置されているとは、各車の回転中心間の距離よりも、
各車の回転中心から各回動軸71a,81aまでの長さ
が短いことを意味する。
【0112】7)ゼンマイ1aの巻上げを所定巻数でロ
ックできるため、ゼンマイ1aの巻戻し開始時の出力ト
ルクが著しく大きくなることがなく、出力トルクをほぼ
一定に保つことができる。このため、針合わせ直後のロ
ータ12の立ち上がり時に、制御回路が駆動し始めて制
御できるようになるまでの時間を高精度に予測すること
ができる。従って、巻上げロック後に針合わせ操作を行
った際に回転制御回路が停止していても、制御回路が停
止している間の補正を高精度に行うことができ、電子制
御式機械時計における時刻指示精度を一層向上すること
ができる。
【0113】8)また、著しく高い出力トルクがないた
めに、調速ブレーキ範囲つまり制御対象トルクを限定す
ることができる。このため、調速時の精度をより向上す
ることができ、時刻指示精度をより一層向上することが
できるとともに、非常に高い出力トルクが加わった場合
のような無駄なブレーキ制御が不要になるため、ゼンマ
イ1aによる時計の持続時間を長くすることができる。
【0114】9)巻上げトルクと巻戻しトルクとを入力
して加減算し、1つの出力にすることができる加減算用
輪列50を設けているので、八十番車52にパワーリザ
ーブ針51を設けて、パワーリザーブつまり時計の持続
時間残量を表示することもできる。
【0115】10)また、特に指針ロック機構80を設
けているので、ゼンマイ1aの出力トルクが低下し、電
子制御式機械時計における制御回路を駆動可能な発電量
が発電機20で得られなくなって運針制御を行えなくな
った場合(フリーラン状態)に、輪列13つまり指針を
強制的に停止でき、時刻を誤表示してしまうことをより
確実に防止できる。
【0116】また、出力トルクが低下して指針ロック機
構80が働くと、香箱歯車1bも停止して時針、分針、
秒針も停止するため、時計の利用者に対して出力トルク
が低下して異常動作となっていることを明確に認識させ
ることができ、利用者が時刻を誤認することも確実に防
止できる。
【0117】11)指針ロック機構80によりゼンマイ
1aが必要巻数域以下に巻戻ることを防止できるため、
巻上げ時の無駄巻き(図22で示す巻数0〜Bの間)を
無くすことができ、巻上げ操作を短縮することができ
る。
【0118】12)針合わせロック機構90を設けて、
ゼンマイ1aが十分に巻上げられるまでは針合わせを行
うことができないようにしたので、針合わせした後から
再度時計が停止するまでの時間を最大限にすることがで
き、使い勝手のよい電子制御式機械時計を提供すること
ができる。
【0119】13)また、針合わせロック機構90を設
けているので、ゼンマイ1aの出力トルクが低下して電
子制御式機械時計が停止した時に、ゼンマイ1aを十分
に巻上げるまでつまり針合わせを行えるようになるまで
のシステム停止時間を十分長く確保することができる。
この際、ゼンマイ1aを手で巻上げている間は、断続的
にゼンマイ1aからの出力もあって発電機20も作動さ
れるため、前記ゼンマイ1aを巻上げるまでの時間が長
ければ、発電機20によってコンデンサなどの充電部を
より高い電圧状態にすることができる。このため、針合
わせ操作を行うために、各針を停止、つまり発電機20
を停止させた際に、コンデンサによってシステムの駆動
を維持することができる時間を長くすることができ、針
合わせ操作を通常の時間で終えることができれば発電機
20が動作し始めるまでシステムの駆動を維持すること
ができる。
【0120】従って、針合わせ直後からシステムを制御
することができ、運針制御を非常に高精度に行うことが
できる。
【0121】さらに、針合わせ作業が所定時間内に終了
すれば、コンデンサにはある程度の電力が残されるた
め、針合わせ作業を終了して発電機20を作動させた際
に、従来に比べて迅速にコンデンサを充電でき、制御回
路を駆動するまでのタイムラグを短くできるため、時間
制御の誤差が少なくなり、より正確な針合わせ作業を行
うことができる。
【0122】14)各ロック機構70,90は、前記ゼ
ンマイ1aの巻上げ操作に連動して自動的に作動される
ため、操作者が意識することなく動作させることがで
き、操作性をより向上することができる。同様に、指針
ロック機構80はゼンマイ1aの巻数に応じて自動的に
作動するため、操作者にまったく負担を掛けることがな
く、操作性を低下させることがない。
【0123】15)各ロック機構70,90のレバー7
1,91を一体化しているので、部品点数を少なくで
き、コストも低減できる。
【0124】16)針合わせロック機構90は、つづみ
車35に針合わせロックレバー91を係合させて針合わ
せ機構44を作動不能にロックしているので、利用者が
竜頭(巻真31)を引っ張る操作自体もロックされるた
め、利用者に針合わせ機構44がロック状態であること
を明確に理解させることができ、直感的な操作にできて
操作性を向上することができる。
【0125】〔第2実施形態〕図6、図7には、本発明
の第2実施形態に係る時計が示されている。
【0126】なお、本実施形態において、前記第1実施
形態と同じ作用を奏する部品には同一符号を付し、それ
らの説明を省略または簡略化する。
【0127】本実施形態では、前記第1実施形態での巻
上げロックレバー71と指針ロックレバー81とが一体
とされ、マルチロックレバー111として設けられてい
る点で第1実施形態とは大きく異なる。すなわちマルチ
ロックレバー111一つで巻上げロックおよび指針ロッ
クを行えるようになっている。
【0128】また、本実施形態では、第1実施形態のよ
うな針合わせロック機構が設けられていない。さらに、
本実施形態では、八十番車52には減速歯車115が噛
み合っており、この減速歯車115の回転軸にパワーリ
ザーブ針51が取り付けられている。そして、八十二番
車56や八十五番車59の配置形態、および各番車60
〜62の配置形態等も第1実施形態とは若干異なってい
る。
【0129】マルチロックレバー111は、八十四番車
58に係合する第1係止部112aと、八十八番車62
に係合する第2係止部112bと、回動軸111aに対
してそれら係止部112a,112bとは反対側に延び
たバネ部114とを有している。
【0130】マルチロックレバー111の第1係止部1
12aは、本体部分と同様に剛体とされている。また、
係合部分の力の角度θが回動軸111aの回動中心11
1bに対して70°以上となるように設定され、八十四
番車58への食いつきが良好に維持されるようになって
いる。
【0131】第2係止部112bはバネ性を有してお
り、八十八番車62と係合した状態からさらに八十八番
車62側に押圧されても、その押圧力がバネ性によって
吸収され、八十八番車62の歯や軸、あるいは回動軸1
11a等が破壊するのを防止している。
【0132】バネ部114は、八十番車52側に大きく
折曲しており、このバネ部114の先端と係合突部11
3とによって八十番車52を径方向の両側から押圧挟持
している。
【0133】一方、その八十番車52は、マルチロック
レバー111の係合突部113と係合する切り込み溝5
2aと、周方向に所定の長さで設けられた膨出部52b
と、これらの間に設けられた組込用溝52cとを有し、
これらによって一つのカムが形成されている。
【0134】このような八十番車52を用いた場合、マ
ルチロックレバー111は、図8の(A)で示すように
して組み込まれ、また、八十番車52の回転に連動して
(B)〜(C)に示すように作動する。
【0135】すなわち(A)に示すように、ゼンマイ1
aが全く巻かれず保有するトルクがゼロの状態におい
て、マルチロックレバー111を係合突部113と八十
番車52の切り込み溝52aとを係合させた状態にして
回動軸111aに組み込む。次いで、(B)に示すよう
に、ゼンマイ1aを巻き上げることで八十番車52を矢
印の方向に回転させる。この際、係合突部113は膨出
部52bの一端側に乗り上げ、この乗り上げに連動して
マルチロックレバー111が八十八番車62側に徐々に
回動し、第2係止部112bが八十八番車62の歯にゆ
っくりと係合する。そして、係合突部113が膨出部5
2bの他端側から下り落ちることで第2係止部112b
が八十八番車62から離れる。
【0136】ここで、膨出部52bの周方向の長さは、
図22で示す巻数0〜Bに対応しており、係合突部11
3が膨出部52bに乗り上げてから下り落ちるまでゼン
マイ1aを巻くことにより、ゼンマイ1aには設定範囲
内の下限側のトルクが蓄積される。
【0137】この後、(C)に示すように、ゼンマイ1
aをさらに巻き上げて行けば、八十番車52はさらに回
転して前記切り込み溝52aが係合突部113に向かう
ようになる。そして、この間において、ゼンマイ1aの
巻数が図22中のAに達すると、(D)に示すように、
切り込み溝52aと係合突部113とが係合し、同時
に、マルチロックレバー111の第1係止部112aと
八十四番車58とが係合する。これによって、巻上げ輪
列50a(図6)の回転をロックし、ゼンマイ1aの巻
上げを停止することになる。
【0138】この際、図9に示すように、八十番車52
の回転軸に設けられた角柱部52dは、これにトルクを
伝達するパワーリザーブ針車53の角穴53aに対し、
所定量のバックラッシを持って嵌合している。このた
め、ゼンマイ1aが巻き上げられている段階では、
(A)に示すように、バックラッシが詰まった状態で八
十番車52とパワーリザーブ針車53とが一体に回転す
る。ところが、マルチロックレバー111の係合突部1
13が切り込み溝52aに係合する直前では、その係合
部分に八十番車52を回転させようとするモーメント
(図中の二点鎖線矢印)が生じるため、(B)に示すよ
うに、八十番車52がバックラッシュ分だけパワーリザ
ーブ針車53を越えて一気に回転する。この結果、切り
込み溝52aへの係合突部113の係合、および八十四
番車58の歯への第1係止部112aの係合が、それぞ
れ瞬間的に行われるようになる。
【0139】図8に戻って、ゼンマイ1aの巻上げを停
止した後、通常の使用下での運針に伴ってゼンマイ1a
が巻き戻されると、八十番車52が(D)の矢印方向に
回転し、(C)から(B)に至るまでの間でゼンマイ1
aからのトルクの出力が行われる。そして、八十番車5
2が(B)に達した時点で、マルチロックレバー111
が巻戻し輪列50bの回転をロックし、ゼンマイ1aの
巻戻しつまりは指針の運針を停止することになる。
【0140】すなわち時計の通常の使用下にあっては、
八十番車52が(B)〜(D)の間で往復回動すること
になる。
【0141】本実施形態においては、前記第1実施形態
で述べた各効果のうち、本実施形態と同じ構成に基づく
効果を同様に得ることができるうえ、以下の特有の効果
がある。
【0142】17)マルチロックレバー111は、第1
実施形態での巻上げロックレバー71と指針ロックレバ
ー81とを一体に設けたものであり、第1実施形態に比
して部品点数を削減でき、スペース効率を向上させるこ
とができる。
【0143】18)マルチロックレバー111は、係合
突部113とバネ部114の先端側とで八十番車52を
径方向の両側から押圧挟持しているので、八十番車52
の回転軸を倒れにくくでき、耐久性を向上させることが
できる。
【0144】19)マルチロックレバー111のバネ部
114が八十番車52を押圧していることにより、第1
実施形態のような係止ピン75,85も不要にでき、こ
の点からも部品点数の削減を行える。
【0145】20)マルチロックレバー111は、その
第2係止部112bが八十八番車62の歯に当接し始め
た後も、係合突部113が膨出部52bに完全に乗り上
げるまでは八十八番車62側に向かって少しずつ回動す
から、その間において、第2係止部は八十八番車62の
歯を押圧することになる。しかし、第2係止部112b
はバネ性を有しているため、そのような押圧力をバネ性
によって確実に吸収でき、従って、八十八番車62の歯
に過剰な押圧力が作用するのを回避して歯や軸が破損す
るのを防止できる。
【0146】21)マルチロックレバー111の第1係
止部112aは剛体であるため、八十四番車58をより
大きな抗力で確実にロックできる。
【0147】また、八十番車52は、この八十番車52
にトルクを伝達するパワーリザーブ針車53に対してバ
ックラッシを持って同一回転軸上に取り付けられ、かつ
マルチロックレバー111の作動時にバックラッシ分だ
けパワーリザーブ針車53よりも先行して回転するの
で、マルチロックレバー111の係合突部113を切り
込み溝52aに瞬時に落とし込むことができ、これに連
動して第1係止部112aを八十四番車58の歯に瞬間
的に係合させることができる。従って、第1係止部11
2aと八十四番車58の歯とが擦り合うことがなく、第
1係止部112aが剛体であっても、八十四番車58の
歯の摩耗等を抑制できる。
【0148】22)八十番車52には減速歯車115が
噛み合っており、この減速歯車114の回転軸にパワー
リザーブ針51が取り付けられているから、パワーリザ
ーブ針51の回転範囲を所定の角度内に抑えつつも、八
十番車52の略全周に近い範囲でカムを形成でき、カム
の形成範囲を大きくできる分だけトルクの検出精度を向
上させることができる。
【0149】〔第3実施形態〕図10〜図13には、本
発明の第3実施形態に係る自動巻式の時計の要部が示さ
れている。
【0150】本実施形態の時計は自動巻式であり、図1
0に示す自動巻機構130を備えている。この自動巻機
構130は、自動巻式の時計において公知の技術であ
り、回転錘131の回転をツメレバー132に伝達し、
回転錘131の回転方向によらず伝工車133を常に一
方向に回転させることが可能である。なお、図中の符号
134は伝工受である。
【0151】また、本実施形態の時計は、前述の巻上げ
ロック機構70を備えており、巻上げロックレバー(あ
るいはマルチロックレバー111)が巻上げ輪列50a
を構成する八十四番車58に係合している。そして、こ
の八十四番車58には前記伝工車133も連結されてお
り、回転錘131の回転が伝工車133を介して八十四
番車58に伝達され、角穴車4を回転させてゼンマイ1
aを巻き上げるようになっている。この際、角穴車4と
香箱真1cとの間には自動巻式の時計に一般的な図示し
ないスリップ機構(第1スリップ機構)が設けられてい
る。
【0152】ところで、巻上げロックレバー71と係合
する八十四番車58は、地板2に立てられたネジピン5
8aと、ネジピン58aに螺号されたネジ58bと、ネ
ジピン58aに回転可能に嵌合されて角穴車4と噛合す
る第1歯車58cと、第1歯車58cの軸部分に嵌合さ
れて八十三番車57と噛合する第2歯車58dとで構成
され、第1歯車58cが伝工車133とも噛合し、第2
歯車58dの歯と巻上げロックレバー71の係止部とが
係合するようになっている。
【0153】これらの部品のうち、第2歯車58dは、
例えば図12、図13に示すように、打抜部58eを有
するアミダ状とされ、第1歯車58cとの接触部58f
にバネ性を付与することで第1歯車58cの軸部分を径
方向に押圧保持している。すなわちバネ性を有する接触
部58fによって第2スリップ機構が形成されている。
【0154】従って、このような時計によれば、ゼンマ
イ1aが図22で示す巻数Aまで巻かれていない状態
(八十四番車58の第2歯車58dが巻上げロックレバ
ー71でロックされていない状態)では、第2歯車58
dは第1歯車58cと共に回転するから、回転錘131
の回転でゼンマイ1aを巻き上げると同時に、その回転
を八十三番車57から巻上げ輪列50aに伝達してパワ
ーリザーブ針51(図4)を回動させることが可能であ
る。
【0155】反対に、ゼンマイ1aが図22で示す巻数
Aまで巻かれると、第2歯車58dが巻上げックレバー
71でロックされるから、接触部58fの保持力を越え
て第1歯車58cが回転し、第1、第2歯車58c,5
8d間で滑りが生じる。その結果、第1歯車58cは回
転するが、回転錘131の回転が巻上げ輪列50aに伝
達されることはない。また、第1歯車58cの回転に伴
って角穴車4も回転するが、ゼンマイ1aが巻数Aまで
巻かれている状態では、前述の第1スリップ機構が作動
するので、角穴車4は回転するが、ゼンマイ1aにその
回転が伝達されることはない。つまり巻上げロック機構
70が作動している間は、第1歯車58cおよび角穴車
4の回転を伴って回転錘131が空転することになる。
【0156】本実施形態では、前記第1、第2実施形態
で述べた各効果のうち、本実施形態と同じ構成に基づく
効果を同様に得ることができるうえ、以下の特有の効果
がある。
【0157】23)巻上げロック機構70で八十四番車
58をロックさせると、各スリップ機構が作動するの
で、回転錘131がロックしてそれ自身が破壊するのを
防止できるとともに、回転錘131からの回転が八十番
車52側に伝達されないことにより、ロック状態にある
巻上げロック機構70に無理な力が作用して破壊した
り、破壊に至らないまでもその回転が八十番車52に伝
達されるのを確実に防止でき、八十番車52に設けられ
るパワーリザーブ針51(図4)が所定回動範囲を振り
切って回動するのを回避して誤表示を確実に防止でき
る。従って、巻上げロック機構70を自動巻式の時計に
支障なく適用できる。
【0158】〔第4実施形態〕図14には、第4実施形
態として、前記第3実施形態で説明した第2スリップ機
構の変形例が示されている。
【0159】本実施形態では、八十四番車58の第2歯
車58dは、第1歯車58cの軸部分に対して回転可能
に嵌合されているが、前述したようなバネ性を有する接
触部58fを備えていない。このような第2歯車58d
は、第1歯車58cの軸部分に固定された押さえバネ5
8gで軸方向に押圧され、この押圧力によって第1歯車
58cと共に回転するように構成されている。
【0160】押さえバネ58gは、図15に示すよう
に、径方向の外側に延出した複数の腕部58hを備えて
おり、腕部58hは第2歯車58d側に折曲し、第2歯
車58dに当接することで略直線状に戻され、この際の
弾発力(バネ力)で前述の押圧力を生じさせている。つ
まり本実施形態では、押さえバネ58gによって本発明
の第2スリップ機構が形成されている。また、押さえバ
ネ58gは、バネ座58iによって前記軸部分に固定さ
れている。
【0161】このような時計によれば、八十四番車58
の第2歯車58dが巻上げロックレバー71でロックさ
れていない状態では、第2歯車58dは押さえバネ58
gで押圧されるから、第1歯車58cと共に回転して図
示しない回転錘の回転を巻上げ輪列50aに伝達し、パ
ワーリザーブ針51(図4)を回動させる。
【0162】反対に、第2歯車58dが巻上げロックレ
バー71でロックされた状態では、押さえバネ58gの
押圧力を越えて第1歯車58cが回転しようとするか
ら、第2歯車58dと押さえバネ58g間で滑りが生
じ、その結果、第1歯車58cのみが押さえバネ58g
およびバネ座58iと一体で回転し、回転錘の回転を巻
上げ輪列50aに伝達しない。
【0163】本実施形態によれば、前記第3実施形態と
同様に第2スリップ機構を備えているため、その第2ス
リップ機構としての具体的な構成は異なるものの、第3
実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0164】〔第5実施形態〕図16には、本発明の第
5実施形態として、パワーリザーブ針51の表示位置に
関する変形例が示されている。
【0165】本実施形態では、パワーリザーブ針51が
地板2の外側ではなく(文字板側ではなく)、輪列受1
4の外側であって、この輪列受14と裏蓋16との間に
配置されている。そして、輪列受14の外側面にはパワ
ーリザーブ針51専用の文字板17が設けられ、また、
地板2の外側には日車18が設けられている。なお、持
続時間残量表示手段(インジケータ)としては、パワー
リザーブ針51の他、円板などとしてもよく、また、色
調や模様あるいは形状等が変化するホログラムなどのか
らくり形式のもを適用してもよい。
【0166】裏蓋16は、ステンレス、プラチナ、チタ
ン、金(18K、24Kなど)、超硬合金(Ticな
ど)等の金属、または、ABS、ポリカーボネート(P
C)等の合成樹脂、あるいはセラミックなどからなり、
パワーリザーブ針51の回動範囲に対応した開口部16
aを備えている。この開口部16aには、無機ガラス、
サファイア、アクリル等からなる透明部材19がパッキ
ン19aを介してはめ込まれており、パワーリザーブ針
51を視認可能である。なお、裏蓋16全体を透明な部
材で形成することにより、透明部材19を省いてもよ
い。
【0167】このような実施形態では、ゼンマイ1aを
巻き上げる時やゼンマイ1aの巻上げ量(持続時間残
量)を知りたい時などに、時計を裏返しにしてパワーリ
ザーブ針51の指示位置を確認する。
【0168】そして、本実施形態によれば、以下の効果
がある。
【0169】24)パワーリザーブ針51が裏側に設け
られているので、表側の意匠をシンプルに維持しつつも
持続時間残量の確認機能を持たせることができる。ま
た、持続時間残量表示手段として色調や形状等を工夫す
ることで、裏側の意匠性も向上させることができる。
【0170】25)パワーリザーブ針51が地板2の外
側にないため、八十番車52などが地板2の外側に突出
せず、その分のスペースを有効に利用して日車18等を
配置することができ、カレンダー機能を持たせることが
できる。そして、パワーリザーブ針51を輪列受14と
裏蓋16との間のスペースに設けることにより、そのス
ペースの有効利用も図れる。
【0171】なお、本発明は前述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0172】例えば、前記実施形態では、巻上げロック
機構70、指針ロック機構80、針合わせロック機構9
0の3種類のロック機構を設けていたが、図17に示す
ように、巻上げロック機構70のみを設けてもよいし、
図18に示すように、巻上げロック機構70および針合
わせロック機構90のみを設けてもよい。さらに、図1
9に示すように、巻上げロック機構70および指針ロッ
ク機構80のみを設けてもよい。また、例えば図20に
示すように、指針ロック機構80のみを設けてもよい
し、さらに、図示しないが、指針ロック機構80および
針合わせロック機構90のみを設けてもよい。要する
に、本発明の時計では、巻上げロック機構70および指
針ロック機構80のうち、少なくともいずれか一方のロ
ック機構を備えていればよい。
【0173】また、前記実施形態では、巻上げロック機
構70および針合わせロック機構90の各レバー71,
91を一体化していたが、これらを別体としてもよい。
さらに、各レバー71,91を別体とした場合には、各
レバー71,91の各係合突部73,93が八十番車5
2の切り込み溝52aに係合する位置を変えることで、
各レバー71,91の動作タイミングを異ならせてもよ
い。例えば、前記実施形態では、巻上げロックレバー7
1で巻上げをロックするまでは、針合わせ操作ができな
いようにしていたが、ゼンマイ1aが所定の巻数以上に
なれば、巻上げがロックされる前であっても針合わせ操
作をできるように設定してもよい。
【0174】また、加減算用輪列50の具体的構成とし
ては、前記実施形態のものに限らず、遊星機構を組み込
むことなどで、巻上げ時の角穴車4からの入力と、巻戻
し時の香箱車1からの入力とを加減算して八十番車52
に出力できるものであればよい。
【0175】さらに、巻上げロック機構70としては、
前記加減算用輪列50を用いたものに限らず、ゼンマイ
1aの巻数を検出し、所定巻数以上となった際にゼンマ
イ1aの巻上げをロックすることができる構成を採用す
ればよい。
【0176】同様に、指針ロック機構80としても、前
記加減算用輪列50を用いたものに限らず、ゼンマイ1
aの巻数を検出し、所定巻数以下となった際にゼンマイ
1aの巻戻しをロックすることができる構成を採用すれ
ばよい。
【0177】前記実施形態では、巻上げロック機構70
は八十四番車58に巻上げロックレバー71を係合させ
てロックしていたが、レバー71を係合させる車は、巻
上げ部30や巻上げ輪列50aに設けられた他の車でも
よい。但し、保有トルクが角穴車4よりも小さな車にレ
バー71を係合させることが好ましい。
【0178】同様に、指針ロック機構80においても、
八十七番車61を停止させる場合に限らず、巻戻し輪列
50bおよび発電機20への輪列13のいずれかの車を
停止させてもよい。但し、保有トルクが香箱車1よりも
小さな車にレバー81を係合させることが好ましい。
【0179】さらに、各ロック機構70,80では、各
レバー71,81の各係止部72,82を歯車に係合さ
せることでロックしていたが、例えば、加減算用輪列5
0の車の外周を圧接してその摩擦力でブレーキを加える
ようなロック機構を採用してもよい。
【0180】また、巻上げロック機構70としては、前
記実施形態のように、巻上げ部30や巻上げ輪列50a
のトルク伝達部品である車の回転を規制することで巻上
げ操作をロックするものに限らず、巻上げ部30の部品
に係合して巻上げ部30の各歯車の噛み合い、例えば、
キチ車32と丸穴車33との噛み合いを解除すること
で、巻上げ操作をできなく(ロック)するように構成さ
れたものでもよい。
【0181】また、針合わせロック機構90としては、
前記実施形態のように、つづみ車35を移動不能にロッ
クし、巻真31を操作できないようにするものに限ら
ず、例えば、巻真31は引き出して操作することができ
るが、小鉄車36等の針合わせ機構の部品同士を切り離
して針合わせを不能としてもよい。この場合には、竜頭
(巻真31)等の外部操作部材自体は操作できるため、
外部操作部材自体の作動をロックした場合のように、利
用者が無理に外部操作部材を操作しようとして、外部操
作部材に大きな力が加わるおそれがなく、外部操作部材
等に無理な力が加わることを防止できる利点がある。
【0182】なお、巻上げ部30や輪列13などの部品
に係合する部材を駆動する機構としては、前記各レバー
71,81,91のように八十番車52の回転に伴い動
作する、いわゆるカム機構が好ましいが、それ以外の作
動機構を採用してもよい。
【0183】さらに、前記第1実施形態では、作動用係
合部として八十番車52に切り込み溝52aを形成して
いたが、第2実施形態での膨出部52bのように、八十
番車52の外周に凸部を形成して作動用係合部としても
よい。要するに、作動用係合部としては、八十番車52
の回転に伴い、所定のタイミングで各レバー71,8
1,91が作動されるように形成されていればよい。
【0184】本発明は、電子制御式機械時計に限らず、
カンギ車、アンクル、テンプ等を備える機械式時計に適
用してもよい。但し、電子制御式機械時計は、機械式時
計に比べて水晶発振器を用いて高精度の運針制御を行う
ものであるため、要求される時刻指示精度も機械式時計
に比べて高い。このため、出力トルクの変動による影響
が顕著に表れる電子制御式機械時計に、本発明の巻上げ
ロック機構を設けることが好ましい。
【0185】また、第1、第2実施形態においても、ゼ
ンマイ1aを巻上げる巻上げ部としては、手巻きに限ら
ず、第3、第4実施形態のような回転錘を用いた自動巻
上げ装置を用いてもよい。香箱車は、自動巻上げ用の巻
締め時にスリップ機構(前述の第1スリップ機構)が作
動する香箱車を用いてもよい。そして、この際には、八
十四番車58等に第2スリップ機構を設けることが好ま
しい。
【0186】また、図21に示すように、八十三番車5
7をスリップ機構を有する八十四番車58の第1歯車5
8cに噛み合わせるとともに、この第1歯車58cに巻
上げロックレバー71も係合させ、そして、伝工車13
3を第2歯車58dに係合させることにより、ロック状
態にあっては、第2歯車58dの回転を伴わせて回転錘
を空転させてもよい。このような場合には、前述した第
1スリップ機構の機能をも八十四番車58に持たせるこ
とができるので、香箱車1の構造を簡単にできる。この
他、伝工車133の地板3側のかな部分にスリップ機構
を設けて同様に機能させてもよい。
【0187】さらに、巻上げロック状態のオン/オフを
ICで識別できるように、巻上げロックレバー71や巻
上げロック状態に対応して作動される別のレバーなどを
設け、このレバーの作動によりスイッチを入れることな
どで巻上げロック状態に対応してICに信号を与えるよ
うにしてもよい。このように構成すれば、IC上で巻上
げロック状態を認識できるので、ゼンマイトルクの高
い、低いもICで判別することができる。従って、通常
制御以外の消費電力を必要とする回路の精度を確認する
ための歩度測定用のパルスなどを、ゼンマイトルクが高
くて発電能力も高く、コンデンサ電圧も高いときのみに
出力する制御をICによって実現することもできる。
【0188】また、本発明のゼンマイ装置としては、時
計に限定されるものではなく、ゼンマイを駆動源とする
玩具としての自動車(ミニカー)や、メトロノーム、オ
ルゴール等であってもよい。
【0189】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
加減算用輪列を利用したロック機構を設けるので、ウォ
ッチのような内部の部品配置スペースが小さい時計や他
のゼンマイ装置であっても、ゼンマイの巻上げ時や巻き
戻し時の巻止めを行うことができ、常に設定範囲のトル
クをゼンマイから出力させることができるという効果が
ある。
【0190】さらに、本発明の制御方法によれば、電子
制御式機械時計や他の電子制御式のゼンマイ装置におい
て、出力トルク変動を抑えることができるため、制御回
路が停止している間の補正を正確にできたり、前述のよ
うに、常に設定範囲のトルクをゼンマイから出力させる
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械
時計を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】図1の要部を示す断面図である。
【図5】第1実施形態の各ロック機構の要部を示す概略
図である。
【図6】本発明の第2実施形態における電子制御式機械
時計を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の各ロック機構の要部を示す概略
図である。
【図8】第2実施形態の各ロック機構の動作を説明する
ための説明図である。
【図9】第2実施形態の各ロック機構の構成部品を拡大
して示す拡大図である。
【図10】第3実施形態の要部を示す平面図である。
【図11】第3実施形態の要部を示す断面図である。
【図12】第3実施形態の構成部品を示す平面図であ
る。
【図13】第3実施形態の構成部品の変形例を示す平面
図である。
【図14】第4実施形態の要部を示す断面図である。
【図15】第4実施形態の構成部品を示す平面図であ
る。
【図16】第5実施形態の要部を示す断面図である。
【図17】本発明の変形例における電子制御式機械時計
を示す平面図である。
【図18】本発明の他の変形例における電子制御式機械
時計を示す平面図である。
【図19】本発明のさらに他の変形例における電子制御
式機械時計を示す平面図である。
【図20】本発明の別の変形例における電子制御式機械
時計を示す平面図である。
【図21】本発明のさらに別の変形例を示す断面図であ
る。
【図22】ゼンマイの特性を示す図である。
【図23】従来のモールト十字架式巻止め機構を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 香箱車 1a ゼンマイ 1b 香箱歯車 1c 香箱真 4 角穴車 13 輪列 14 輪列受 20 発電機 30 巻上げ部 31 巻真 35 つづみ車 36 小鉄車 44 針合わせ機構 50 加減算用輪列 50a 巻上げ輪列 50b 巻戻し輪列 52 加減算用車である八十番車 52a 作動用係合部である切り込み溝 58 八十四番車 58c 第1歯車 58d 第2歯車 70 巻上げロック機構 71a 回動軸 71 巻上げロックレバー 72 係止部 73 係合突部 74 バネ部 80 巻戻しロック機構である指針ロック機構 81a 回動軸 81 巻戻しロックレバーである指針ロックレバー 82 係止部 83 係合突部 84 バネ部 90 針合わせロック機構 91 針合わせロックレバー 92 係止部 111 マルチロックレバー 112a 第1係止部 112b 第2係止部

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼンマイの機械エネルギで輪列を駆動す
    るように構成されたゼンマイ装置において、 前記ゼンマイにエネルギを蓄積するための巻上げ部と、 前記ゼンマイの巻上げ量と巻戻し量とを加減算する加減
    算用輪列と、 この加減算用輪列の中で巻上げ量および巻戻し量を加減
    算した加減算用車と、 前記加減算用車の回転に連動して作動されて、設定範囲
    外のトルクが前記ゼンマイから前記輪列に伝達されるの
    を防止するロック機構と、 を備えることを特徴とするゼンマイ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記ロック機構は、前記ゼンマイが所定巻数以上に
    巻上げられた際に、前記加減算用輪列の中で巻上げ時の
    トルクが伝達される巻上げ輪列または/および前記巻上
    げ部をロックしてゼンマイの巻上げを停止させる巻上げ
    ロック機構を含んで構成されていることを特徴とするゼ
    ンマイ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記巻上げロック機構は、前記巻上げ輪列または前
    記巻上げ部のトルク伝達を解除して前記ゼンマイの巻上
    げを停止させることを特徴とするゼンマイ装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記巻上げロック機構は、前記巻上げ輪列または/
    および前記巻上げ部の中で、前記ゼンマイのトルク入力
    側に直結された歯車の保有トルク以下の保有トルクを有
    するトルク伝達部品をロックして前記ゼンマイの巻上げ
    を停止させることを特徴とするゼンマイ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のゼンマ
    イ装置において、前記ロック機構は、前記ゼンマイが所
    定巻数以下に巻戻された際に、前記加減算用輪列の中で
    巻戻し時のトルクが伝達される巻戻し輪列または/およ
    び前記輪列をロックして当該輪列の回転を停止させる巻
    戻しロック機構を含んで構成されていることを特徴とす
    るゼンマイ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記巻戻しロック機構は、前記輪列における歯車の
    噛み合いを解除して停止させるように構成されているこ
    とを特徴とするゼンマイ装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記巻戻しロック機構は、前記巻戻し輪列または/
    および前記輪列の中で、前記ゼンマイのトルク出力側に
    直結された歯車の保有トルク以下の保有トルクを有する
    トルク伝達部品をロックして前記輪列の回転を停止させ
    ることを特徴とするゼンマイ装置。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7のいずれかに記載のゼンマ
    イ装置において、前記巻上げロック機構は前記巻上げ輪
    列中の歯車をロックするように構成されており、この歯
    車から前記ゼンマイ側のトルク伝達経路中の任意の歯車
    が回転錘の回転で駆動されて、この回転錘からのトルク
    で前記ゼンマイが巻上げられるとともに前記巻上げ輪列
    が駆動されるように構成され、当該トルク伝達経路中に
    は、前記巻上げロック機構が作動した際に前記回転錘か
    らのトルクが前記ゼンマイおよび前記加減算用車に伝達
    されるのを防止するスリップ機構が設けられていること
    を特徴とするゼンマイ装置。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8のいずれかに記載のゼンマ
    イ装置において、前記巻上げロック機構は、巻上げ時の
    トルクが伝達される少なくとも一つの部品に係合してロ
    ック可能な巻上げロックレバーを備え、前記巻戻しロッ
    ク機構は、巻戻し時のトルクが伝達される少なくとも一
    つの部品に係合してロック可能な巻戻しロックレバーを
    備えて構成されていることを特徴とするゼンマイ装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のゼンマイ装置におい
    て、前記巻上げロックレバーは、前記巻上げ輪列および
    前記巻上げ部の中の少なくとも1つの歯車に係合可能な
    係止部を有し、前記巻戻しロックレバーは、前記巻戻し
    輪列および前記輪列の中の少なくとも1つの歯車に係合
    可能な係止部を有していることを特徴とするゼンマイ装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載のゼ
    ンマイ装置において、前記ロック機構は、前記巻上げロ
    ック機構と前記巻戻しロック機構とを備え、前記巻上げ
    ロックレバーおよび巻戻しロックレバーが一つのマルチ
    ロックレバーで一体に形成されていることを特徴とする
    ゼンマイ装置。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記ロックレバーの回動中心は、
    当該ロックレバーが係合される前記部品と前記加減算用
    車との間に配置されていることを特徴とするゼンマイ装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記加減算用車の外周には作動用
    係合部が形成され、前記ロックレバーは前記加減算用車
    に圧接されているとともに、前記加減算用車の作動用係
    合部内に係合可能な係合突部が形成され、この係合突部
    が前記加減算用車の作動用係合部内に係合された際に前
    記ロックレバーが前記部品に係合して当該部品を停止さ
    せるように構成されていることを特徴とするゼンマイ装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項9〜13のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記ロックレバーは、前記加減算
    用車を径方向の両側から押圧挟持していることを特徴と
    するゼンマイ装置。
  15. 【請求項15】 請求項9〜14のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記ロックレバーは、前記部品と
    係合する部分がバネ性を有していることを特徴とするゼ
    ンマイ装置。
  16. 【請求項16】 請求項9〜14のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記ロックレバーは、前記部品と
    の係合部分が剛体とされ、このロックレバーを作動させ
    る前記加減算用車は、当該前記加減算用車にトルクを伝
    達する歯車に対してバックラッシを持って同一回転軸上
    に取り付けられ、かつ前記ロックレバーの作動時に前記
    バックラッシ分だけ前記歯車よりも先行して回転するよ
    うに構成されていることを特徴とするゼンマイ装置。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記加減算用車で駆動される持続
    時間残量表示手段が設けられていることを特徴とするゼ
    ンマイ装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載のゼンマイ装置にお
    いて、前記持続時間残量表示手段は、前記輪列を支持す
    る輪列受の外側に設けられていることを特徴とするゼン
    マイ装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記輪列を介して伝達されるゼン
    マイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機
    と、変換された電気エネルギにより駆動されて前記発電
    機の回転周期を制御する回転制御手段とを備えた電子制
    御式であることを特徴とするゼンマイ装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかに記載のゼ
    ンマイ装置において、前記輪列に結合された指針を有す
    る時計であることを特徴とするゼンマイ装置。
  21. 【請求項21】 巻き上げ部を作動させることでエネル
    ギが蓄積されるゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼ
    ンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機
    と、前記輪列に結合された指針と、変換された電気エネ
    ルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する
    回転制御手段とを備える電子制御式の機械時計におい
    て、 前記ゼンマイが所定巻数以上に巻上げられた際に、前記
    巻上げ部をロックしてゼンマイの巻上げを停止させる巻
    上げロック機構と、前記ゼンマイが所定巻数以下に巻戻
    された際に、前記ゼンマイからのトルクを発電機側に伝
    達する前記輪列をロックして指針の運針を停止させる巻
    戻しロック機構とのうち、少なくともいずれか一方のロ
    ック機構を備えることを特徴とする時計。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の時計において、時
    計の針合わせ機構を備えるとともに、前記ゼンマイが所
    定巻数以下の場合には、前記針合わせ機構を作動不能に
    ロックする針合わせロック機構を備えることを特徴とす
    る時計。
  23. 【請求項23】 請求項21または22に記載の時計に
    おいて、前記ゼンマイの巻上げ量と巻戻し量とを加減算
    する加減算用輪列と、この加減算用輪列の中で巻上げ量
    および巻戻し量を加減算したトルクが伝達される加減算
    用車とを備えるとともに、 前記巻上げロック機構は、前記ゼンマイが所定巻数以上
    に巻上げられた際に、前記加減算用車の回転に連動して
    作動されて、前記加減算用輪列の中で巻上げ時のトルク
    が伝達される巻上げ輪列または/および前記巻上げ部を
    ロックしてゼンマイの巻上げを停止させるように構成さ
    れていることを特徴とする時計。
  24. 【請求項24】 請求項21〜23のいずれかに記載の
    時計において、前記ゼンマイの巻上げ量と巻戻し量とを
    加減算する加減算用輪列と、この加減算用輪列の中で巻
    上げ量および巻戻し量を加減算したトルクが伝達される
    加減算用車とを備えるとともに、 前記巻戻しロック機構は、前記ゼンマイが所定巻数以下
    に巻戻された際に、前記加減算用車の回転に連動して作
    動されて、前記加減算用輪列の中で巻戻し時のトルクが
    伝達される巻戻し輪列または/および指針が結合された
    前記輪列をロックして指針の運針を停止させるように構
    成されていることを特徴とする時計。
  25. 【請求項25】 ゼンマイと、輪列を介して伝達される
    ゼンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電
    機と、この発電機で変換された電気エネルギにより駆動
    されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段と
    を備えるゼンマイ装置のゼンマイ巻上げ制御方法であっ
    て、 前記ゼンマイにエネルギを蓄積するための巻上げ部によ
    り前記ゼンマイを巻上げ、このゼンマイが所定巻数以上
    に巻上げられた際には、巻上げロック機構によって前記
    巻上げ部をロックしてゼンマイの巻上げを停止すること
    を特徴とするゼンマイ装置の制御方法。
  26. 【請求項26】 ゼンマイと、輪列を介して伝達される
    ゼンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電
    機と、この発電機で変換された電気エネルギにより駆動
    されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段と
    を備えるゼンマイ装置のゼンマイ巻戻し制御方法であっ
    て、 前記ゼンマイが所定巻数以下に巻戻された際には、巻戻
    しロック機構によって前記輪列をロックして当該輪列の
    回転を停止することを特徴とするゼンマイ装置の制御方
    法。
  27. 【請求項27】 請求項25または請求項26に記載の
    制御方法で制御されることを特徴とする時計の制御方
    法。
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