JP4507276B2 - 廃棄物ガス化処理装置の操業方法 - Google Patents
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Description
乾式法には、モレキュラーシーブ、吸着剤を用いる吸着法、吸収剤を用いる吸収法、触媒を用いて硫化カルボニルを加水分解する触媒法等が挙げられる。
COS+H2O → H2S+CO2
しかしながら、廃棄物のガス化処理において発生するガスの精製のために上記の従来法を適用しても、触媒活性が低下し、安定した操業を行うことができないという問題があった。
しかしながら、この方法は硫黄化合物を除去するために酸ガス吸収ユニットを用いているが、硫化カルボニルは十分には除去されず、生成物であるメタン、一酸化炭素、水素中に残存し、生成物からメタノール(CH3OH)やジメチルエーテル(DME:CH3OCH3)などの化合物を触媒反応によって製造する際にこの硫化カルボニルが触媒を被毒するという問題がある。
すなわち、本発明は下記の通りの構成を有するものである。
(2)前記硫化カルボニルを除去する方法が、生成ガスを冷たいメタノールと接触させて硫化カルボニルをメタノールに吸収させる方法であることを特徴とする上記(1)記載の廃棄物ガス化処理装置の操業方法。
(3)前記メタノールが前記硫化カルボニルを除去して得られた生成ガス中の水素と一酸化炭素とを工業用ガスとして利用する際に生成するメタノールであることを特徴とする上記(2)記載の廃棄物ガス化処理装置の操業方法。
(6)廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質する廃棄物ガス化処理装置であって、該ガス化改質によって生成した生成ガス中の硫化水素分を除去する装置と、該硫化水素分を除去した後の生成ガス中から硫化カルボニルを除去する装置と、該除去によって得られた硫化カルボニルをそのまま、又は、硫化カルボニルを硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物に転換して該硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物を該廃棄物ガス化処理装置のガス化部および/またはその前後の高温部に導入する装置とを少なくとも有することを特徴とする廃棄物ガス化処理装置。
(7)上記(6)に記載の廃棄物ガス化処理装置と該廃棄物ガス化処理装置の生成ガスを原料として用いる燃料製造装置とからなる複合装置。
るので、
ガス化改質方式は次のプロセスから構成されている。
1.プレス・脱ガスチャンネル
(1)廃棄物の圧縮、(2)乾燥・熱分解
2.高温反応炉・均質化炉
(3)ガス化溶融、(4)スラグの均質化、(5)ガスの改質
3.ガス精製
(6)ガスの急冷(急冷・酸洗浄、酸洗浄)、(7)ガス精製(アルカリ洗浄、脱硫、除湿)
4.水処理
(8)水処理(沈殿、脱塩等)
5.ガスの利用
(9)ガスの発電利用
都市ごみ等の処理ごみはプレス機で圧縮された後、乾燥熱分解工程で間接加熱により加熱乾留されて高温反応炉内に送られる。高温反応炉の下部にはバーナーが配置され、このバーナーによって炉内に燃料ガスと酸素とが導入され、この酸素ガスが乾留物中の炭素をガス化し、一酸化炭素と二酸化炭素が生成する。また、高温水蒸気が存在する場合には炭素と水蒸気とによる水性ガス化反応が生じて一酸化炭素と水素とが生成される。更に、有機化合物は熱分解して一酸化炭素と水素が生成する。上記の反応の結果、高温反応炉の炉頂部から粗合成ガスが回収される。
高温反応炉から回収される粗合成ガスに対して、冷却塔で循環水を噴射することによってガスの温度を約1200℃から約70℃にまで急速冷却し、ダイオキシン類の再合成を阻止する。
この回収ガスは、鉄キレートによりH2Sについては脱硫されている。しかしCOSが残るため、燃料ガスとしてエンジンを稼働させる場合、排煙SOX規制を遵守する条件として脱COSが必要となる場合がある。
通常、ある反応系からの反応物を、その反応系に戻すと、その反応物は該循環系中でどんどん蓄積増加してゆく。
すなわち、COSを炉に戻しても、その大半はH2Sに変換され、H2S除去装置で除去されることが判明した
本発明の詳細を図2のフローシートに基づいて説明する。なお、図2ではCOS除去プロセスとしてメタノールを吸収液としてCOSを吸収除去するプロセスを用いた例を示すが、COS除去プロセスとしては他のプロセスを用いることもできる。
(1)被処理ガスを第1吸収塔で冷たいメタノールと接触させて二酸化炭素の大部分を吸収させる。
(2)第1吸収塔を出たガスを第2吸収塔で冷たいメタノールと接触させて炭酸ガス、硫化カルボニルおよび残留硫化水素を吸収させる。
なお、第1、第2吸収塔の塔内には吸収熱を除去するためアンモニア等の冷媒を用いた冷却コイルを設ける。
(3)炭酸ガス、硫化カルボニルおよび残留硫化水素を吸収したメタノールは、大気圧まで減圧され、炭酸ガス、硫化カルボニルおよび硫化水素が放出され、メタノールは更に真空下で精製され炭酸ガスを放出し、再び吸収液として使用される。
a.硫化水素、硫化カルボニル等の硫黄化合物を、炭酸ガスと同時にかつ独立に除去でき、0.1ppm以下にし得る
b.硫黄化合物の選択除去が可能である
c.水分の少ないガスが得られる
d.溶媒は熱的、化学的に安定で劣化がない
e.溶媒の発泡がない
f.腐食性が少なく、炭素鋼を使用し得る
g.溶媒が安価である
ただ、メタノール損失を抑えるため、低温で操作することから、プロセスフローが複雑になり、また、高級炭化水素の吸収がある。
ガス化雰囲気が酸化性雰囲気であると、硫黄化合物が硫黄酸化物に変換され、最終的には石膏などの形態で回収されるが、ガス化雰囲気を酸化性雰囲気とすると硫黄化合物が硫化水素の形となり最終的に単体硫黄として回収することができる。
これらの方法では硫化水素を除去することはできるが、COSを除去することはできないので、後の工程としてCOS除去工程が必要となる。
また、生成ガスを用いてメタノールを下記式(3)の反応によって直接合成する場合には、製品としてのメタノールをメタノールによる吸収プロセスの吸収液として利用することができる。
2H2 + CO → CH3OH ・・・(3)
また、COS除去のために他のプロセスを用いた場合には、除去処理の結果としてCOSが硫黄および/またはCOS以外の硫黄化合物に転換される場合があるので、この場合には、その硫黄、COS以外の硫黄化合物をガス化改質炉に導入することができる。例えば、硫化カルボニルを水添、あるいは、加水分解して硫化水素に転換したのち、これを酸化鉄によって硫化鉄として除去回収する場合には、この硫化鉄をガス化改質炉に導入することができる。
ガス化改質炉ではこれらの硫黄又はCOS以外の硫黄化合物は高温の雰囲気で大部分がガス化してH2Sとなり、硫化水素除去工程で除去される。
このH2/CO比が一定値でなければ、余剰のH2又はCOが出て燃料製造プロセスの利用効率を大幅に落とすことになる。
例えば、生成ガスをDMEを直接合成に使用する場合についていうと、DMEを直接合成する反応式は前記式(2)のとおりであり、化学量論的にはH2/CO比は1であることが好ましい。
また、複合装置とすることで、DMEを製造する際に副生するメタノールやメタノール製造で生成したメタノールをCOS除去工程における吸収液として利用することができるというメリットもある。
木屑、廃プラの混合物を原料として、ガス化改質炉から水素、一酸化炭素を主体とするガスを回収した。改質温度は酸素を供給することで、1200℃とした。得られた粗生成ガス中の硫化水素を鉄キレートによって硫黄に変換した。次いで、除塵した後、粗生成ガス中から硫化カルボニルを除去するために、水蒸気を用いて昇温し、加水分解触媒を用いて、硫化カルボニルを硫化水素に転換し、冷却した後、硫化水素をさらに鉄キレートにより硫化水素を硫黄に変換して除去し、除塵した。得られたガスを昇圧し、吸着剤にて0.1ppm以下の硫黄化合物濃度として、ジメチルエーテルを製造した。装置は複雑で、昇温のために多量の水蒸気を必要とした。
図2のフローシートに示された工程によって廃棄物を処理した。
まず、木屑、廃プラの混合物を原料として、ガス化改質炉から水素、一酸化炭素を主体とするガスを回収した。改質温度は酸素を供給することで、1200℃とした。得られた粗生成ガス中の硫化水素を鉄キレートにより硫黄に変換して除去し、昇圧した後、ジメチルエーテル製造時に副生したメタノールを用いて硫化カルボニルを除去した。除去した硫化カルボニルを(別途硫化水素に転換する工程を経ることなく)ガス化改質炉に装入した。得られたガスから、ジメチルエーテルを製造した。比較例1に比べると装置は簡易になり、運転は容易であった。
Claims (7)
- 廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質する廃棄物ガス化処理装置の操業方法であって、該ガス化改質によって生成した生成ガス中の硫化水素分を除去した後に、該生成ガスから硫化カルボニルを除去し、該硫化カルボニルをそのまま、又は、硫化カルボニルを硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物に転換して該硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物を該廃棄物ガス化処理装置のガス化部および/またはその前後の高温部に導入することを特徴とする廃棄物ガス化処理装置の操業方法。
- 前記硫化カルボニルを除去する方法が、生成ガスを冷たいメタノールと接触させて硫化カルボニルをメタノールに吸収させる方法であることを特徴とする請求項1記載の廃棄物ガス化処理装置の操業方法。
- 前記メタノールが前記硫化カルボニルを除去して得られた生成ガス中の水素と一酸化炭素とを工業用ガスとして利用する際に生成するメタノールであることを特徴とする請求項2記載の廃棄物ガス化処理装置の操業方法。
- 廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質する廃棄物ガス化処理装置と該廃棄物ガス化処理装置の生成ガスを原料として用いる燃料製造装置とからなる複合装置の操業方法であって、該ガス化改質によって生成した生成ガス中の硫化水素分を除去した後に、該ガス中に残存する硫化カルボニルを除去し、該硫化カルボニルをそのまま、又は、硫化カルボニルを硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物に転換して該硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物を該廃棄物ガス化処理装置のガス化部および/またはその前後の高温部に導入することを特徴とする複合装置の操業方法。
- 前記燃料製造装置がDME製造装置であることを特徴とする請求項4記載の複合装置の操業方法。
- 廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質する廃棄物ガス化処理装置であって、該ガス化改質によって生成した生成ガス中の硫化水素分を除去する装置と、該硫化水素分を除去した後の生成ガス中から硫化カルボニルを除去する装置と、該除去によって得られた硫化カルボニルをそのまま、又は、硫化カルボニルを硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物に転換して該硫黄又は硫化カルボニル以外の硫黄化合物を該廃棄物ガス化処理装置のガス化部および/またはその前後の高温部に導入する装置とを少なくとも有することを特徴とする廃棄物ガス化処理装置。
- 請求項6に記載の廃棄物ガス化処理装置と該廃棄物ガス化処理装置の生成ガスを原料として用いる燃料製造装置とからなる複合装置。
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