JP4506953B2 - 共重合高分子膜およびその作製方法 - Google Patents

共重合高分子膜およびその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置を構成する絶縁膜として利用可能な共重合高分子膜の作製方法、前記形成方法で作製される共重合高分子膜、共重合高分子膜を利用する半導体装置に関する。より具体的には、2種以上の特定の構造を持った有機モノマーを原料とし、それを気相より供給して、表面上で共重合して共重合高分子膜を気相成長する方法に関する。
半導体集積回路の設計ルールは縮小を続けており、それに伴い、隣接する配線間の間隙も狭くなっている。その結果、配線間の容量に起因する遅延も相対的に増し、この遅延よる高速動作性能の劣化が顕在化している。つまり、半導体集積回路において、配線信号遅延は配線CR時定数(C:配線容量、R:配線抵抗)に依存するが、配線幅の減少による配線抵抗の増大に加え、配線間隔の減少による配線間容量の増大も生じ、配線CR時定数が大幅に増すと、回路を構成するトランジスタのスイッチング速度に対して、配線での信号伝達速度が十分に追従できない状態となることが懸念されている。従来、半導体集積回路の配線材料には、アルミ合金が主に使用されていたが、一層の高速な動作を目標とする、より微細化されて集積度を増した集積回路では、配線幅の減少による配線抵抗の増大を回避するため、配線材料の低抵抗化を必要とし、現在、銅配線を使用している。
一方、配線間容量の増大を回避するために、配線間の絶縁膜として、従来から広く利用されているシリカ(SIO)系絶縁膜よりも、比誘電率の低い絶縁膜材料の採用が進められている。この半導体装置における配線間の絶縁膜として利用可能な、比誘電率の低い絶縁膜材料としては、フッ素添加シリカ(SIOF)や、有機高分子膜(有機絶縁膜)の利用が行われている。
例えば、フッ素添加シリカは、現在、既に一部の市販製品で使用されているものの、フッ素添加シリカ膜自身の一層の低誘電率化を図る目的で、含有されるフッ素濃度を高くすると、水分あるいは水素との反応によって生じるフッ化水素による配線金属の腐食が発生したり、あるいは、フッ素が脱離する結果、比誘電率が増大したりするといった新たな課題が生じる。加えて、半導体集積回路技術の更なる進歩により、配線絶縁膜に対する低誘電率化の要求は、既にフッ素添加シリカ(SIOF)膜で得られる3.3程度の比誘電率では、十分には応えられなくなってきている。すなわち、比誘電率が3以下と非常に小さな絶縁材料の利用が注目されている。
これに対し有機高分子膜は、材料自体の比誘電率が上記シリカ系の材料に比べ低いことから、誘電率の低い絶縁材料として有利である。しかも原料となる有機化合物の構造、種類や重合条件などを選ぶことにより、所望の機能を付与させることも可能である。従って半導体集積回路上の多層配線間を絶縁する低誘電率層間絶縁材料として利用可能な有機高分子膜が開発されてきている。
機能性有機高分子膜の成膜方法として、原料の有機モノマーをスピンコーティングした後、その被膜層中で重合反応を起こさせ、高分子膜とするスピンコーティング法がある。こで、有機モノマーとは、かかる有機モノマーを構成単位として重合反応によって、目的とする有機高分子(有機ポリマー)を形成する原料化合物を指す。このスピンコーティング法は、有機高分子膜の成膜に広く用いられている方法である。
この方法では、スピンコーティングするため、有機モノマーは溶媒に溶解されており、被膜層を形成した後、成膜過程では、含まれる溶媒を蒸発・除去するとともに、残留する有機モノマーを加熱によりモノマー相互の重合反応を進行させる。最終的に、重合反応により、有機モノマーを構成単位とする、2次元あるいは3次元の網目構造膜や、高分子膜が形成される。なお、このスピンコーティング法で作製される有機絶縁膜の組成、構造は、スピンコーティングに用いる有機溶剤中に溶解させている有機モノマー自体の構造、ならびに、複数種の有機モノマーの含有比率により決まる。
例えば、非特許文献1には、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーを溶媒メシチレンに溶解させた溶液をスピン塗布した後、100℃でベークして、塗布被膜中の溶媒メシチレンを除去し、その後、さらに300℃〜350℃まで加熱すると、原料モノマー分子中のベンゾシクロブテン骨格中の炭素四員環の熱開環重合反応で、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーを骨格とした3次元的分子鎖からなる有機高分子膜の成膜についての記述がなされている。
スピンコーティング法では、有機モノマーを有機溶媒に溶かし、この溶液をスピン塗布するので、このスピンコーティング塗布工程に用いる溶液の90%程度は、基板外に飛ばされる。従って、出発原料の有機モノマーに関しては、その使用効率が低い方法である。それに伴い、出発原料の有機モノマーの製造コストに占める比率は、相対的に高いものとなる。通常、溶媒は揮発性有機化合物であり、これを大量に使用することから、その使用場所においては局所排気装置が必要となる。スピン塗布や溶媒除去工程においては雰囲気制御のため、また、浮遊している微細な塵埃粒子や、飛散して、乾燥、固化した有機モノマーの微粒子などの制御あるいは除去のため、新たな工程や装置が必要となり、製造コストに反映されることになる。また雰囲気制御や微粒子の除去が不十分な場合、形成された有機高分子膜の特性や信頼性を劣化させる要因となる。
さらに、特許文献1には、気相成長法を利用する機能性有機高分子膜の成膜方法として、有機モノマーの気相成長方法が記載されている。この有機高分子膜の気相成長方法は、原料となる有機モノマーを蒸発させて、気相からモノマー分子を供給し、基板上においてモノマー分子相互の熱重合をおこなって、有機高分子膜を得る方法である。
図9は特許文献1に示された直接気化させた有機モノマー原料蒸気を利用する有機高分子膜の気相成長方法に基づく成膜装置の概要を示す図である。図9を参照すると、タンク55中の有機モノマー60を減圧下で加熱して蒸発させる。
一方、反応室51は、排気ポンプ50により減圧に保ちつつ、気化原料配管56を通して、蒸発した有機モノマー分子60mを反応室51に送る。供給される有機モノマー分子60mは、予め半導体集積回路を形成した半導体基板53の表面に吸着する。その際、半導体基板53は、基板加熱部54によって加熱されており、その温度において、熱エネルギーによって有機モノマー分子60m相互の重合反応が進行し、架橋構造を形成し有機絶縁膜52が形成される。この文献2に記載される有機モノマーの蒸発法と称される有機高分子膜の成膜方法は、スピンコーティング法と異なり、有機溶媒を利用してなく、また、減圧反応室で成膜を行うため、雰囲気に酸素が存在していない。従って、スピンコーティング法で散見される、酸素分子との反応や、被膜中に残留している有機溶媒の気化に伴う気泡、ボイドの発生など膜質を低下させる要因を原理的に有していない点で優れていた。なお、重合度を増す、あるいは、重合反応速度を増す目的で基板温度を上げると、一旦吸着した有機モノマー分子の再離脱速度が増し、実効的な基板上への吸着速度が減少し、結果的に、目標とする成長速度の向上が達成されないといった技術な課題を残していた。
さらに、特許文献2には、プラズマ重合法の原理を活用した、共重合高分子膜の形成方法が記載されている。すなわち、複数の有機化合物を原料として用い、供給する複数の原料の相互の比率を制御することで、形成される膜厚方向に対して、高分子のミクロな構造を連続的に、かつ広い範囲で変化させることのできる共重合高分子膜を形成するものである。この方法は、有機高分子膜を低誘電率層間絶縁膜として利用する際、他の半導体材料との高い密着性を実現出来るだけでなく、有機高分子全体の比誘電率のさらなる低減が可能でる点で優れている。
また、特許文献3には、特許文献1に記載されている有機モノマーの気相成膜方法を更に発展させた、機能性有機高分子膜の成膜方法として、プラズマ重合法が記載されている。
特許文献3に開示するプラズマ重合法では、気相輸送された有機モノマー自体がプラズマを通過する際に励起され、反応性を増した状態になって基板に到達し、基板上で重合反応を起こすため、基板上に形成される膜は、出発原料の有機モノマーの構造を骨格とした膜であり、その膜厚は、供給される有機モノマー量を制御するのみで、高い再現性で、高精度に制御することが可能である。しかしながら、特許文献2や3に記載されているプラズマ重合法あるいはプラズマ共重合法は、低誘電率層間絶縁膜として利用可能な有機高分子膜の形成方法として有用であるが、原料として利用可能な有機化合物は、多くのものが知られているわけではない。特許文献2に記載されているような数種の有機化合物が知られているに過ぎない。
低誘電率層間絶縁膜に要求される物性は、低い比誘電率だけでなく、高い耐熱性、高い機械強度、実用的な速さを持つ成膜速度、他の半導体装置用材料との高い密着性など多岐に渡る。これらの物性に対する要求は比誘電率が低い材料でありながらも従来の比較的高い比誘電率をもつ材料と同様な程高いものである。文献3や4に記載されているプラズマ重合法あるいはプラズマ共重合法による低誘電率有機高分子膜の形成においてこれらの要求に応えるためには、高度な膜質および膜構造の制御が必要である。しかし従来知られているような有機モノマーでは、前記高い成膜速度と高い機械強度を満たしながら、特に低い比誘電率を得るには自ら限界があった。
"REAL-TIME FT-IR STUDIES OF THE REACTION KINETICS FOR THE POLYMERIZATION OF DIVINYL SILOXANE BIS BENZOCYCLO BUTENE MONOMERS"(MaterIal Research SymposIum ProceedIng Vol. 227 p.103,1991)T.M.StokIch, Jr., W.M.Lee, R.A.Peters 特開平11−017006号公報 特開2003−012776号公報 特開2000−012532号公報
そこで、本発明の技術的課題は、骨格として用いる2種類以上の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、比誘電率が低減することが可能となる共重合高分子膜の作製方法を提供することにある。
また、本発明のもう一つの技術的課題は、骨格となる有機モノマーの構造を特定することで、共重合高分子膜の機械強度を向上させ、かつ成膜速度を向上させることが可能となる共重合高分子膜の作製方法を提供することにある。
また、本発明のさらにもう一つの技術的課題は、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製が可能となる共重合高分子膜の作製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、検討を重ねた結果、有機高分子膜を気相成長法、例えば、上記のプラズマ重合法の原理を活用して作製する際、用いる原料として2種以上の特定の構造を持った有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、アセチレン結合を持つ有機モノマーの比率に応じて比誘電率が低減可能であることを見出した。かつかかる有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には、少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、膜の機械強度を向上させ、かつ成膜速度を向上させることが可能となる。かかる知見に加えて、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製が、高い再現性、操作性、加えて、より広範囲な利用形態に対応できることを、本発明者らは確認して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、プラズマ重合による気相成長法によって作製された共重合高分子膜であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持ち、
前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、下記化1式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであり、
前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、下記化2式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする共重合高分子膜が得られる。
Figure 0004506953
Figure 0004506953
また、本発明によれば、プラズマ重合による気相成長法によって作製された共重合高分子膜であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも3種の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、上記化1式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであり、前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、上記化2式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする共重合高分子膜が得られる。
また、本発明によれば、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子単独であっても重合反応を生じるものであることを特徴とする上記いずれか1つに記載の共重合高分子膜が得られる。
また、本発明によれば、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする上記いずれか1つに記載の共重合高分子膜が得られる。
また、本発明によれば、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする上記いずれか1つに記載の共重合高分子膜が得られる。
また、本発明によれば、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合を有していることを特徴とする上記いずれか一つに記載の共重合高分子膜が得られる。
また、本発明によれば、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たないものは、下記化3式の式(III)で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであることを特徴とする上記いずれか一つに記載の共重合高分子膜が得られる。
Figure 0004506953
また、本発明によれば、共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、原料として、前記少なくとも2種以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを前記反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地基板上に供給する工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種以上の有機モノマー分子の反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程を、少なくとも有し、原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、下記化4式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法が得られる。
Figure 0004506953
また、本発明によれば、共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも3種以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、原料として、前記少なくとも3種以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを前記反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地基板上に供給する工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも3種以上の有機モノマー分子の反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程を、少なくとも有し、原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、上記化4式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法が得られる。
また、本発明によれば、原料として利用する、前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、下記化5式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする上記のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法が得られる。
Figure 0004506953
また、本発明によれば、原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子単独であっても重合反応を生じるものであることを特徴とする上記いずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法。
また、本発明によれば、原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする上記共重合高分子膜の作製方法が得られる。
また、本発明によれば、原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする上記いずれか1つに記載の共重合高分子膜の作製方法が得られる。
また、本発明によれば、原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合を有していることを特徴とする上記いずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法が得られる。
また、本発明によれば、原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たないものは、下記化6式の式(III)で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであることを特徴とする上記いずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法が得られる。
Figure 0004506953
本発明の共重合高分子膜の作成方法では、例えば、プラズマ重合法の原理を活用して作製する際、骨格として用いる2種類以上の有機モノマーとして、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、アセチレン結合を持つ有機モノマーの比率に応じて比誘電率が低減することが可能となる。かつかかる有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には、少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、膜の機械強度を向上させ、かつ成膜速度を向上させることが可能となる。かかる知見に加えて、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製が可能となった。
以下,本発明の発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明においては、有機絶縁膜として利用可能な有機高分子絶縁膜を、例えば、前記のプラズマ重合法を活用して作製する際、用いる原料として2種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、アセチレン結合を持つ有機モノマーの比率に応じて比誘電率を低減することが可能となった。
あるいは、本発明においては、有機絶縁膜として利用可能な有機高分子絶縁膜を、例えば、前記のプラズマ重合法を活用して作製する際、用いる原料として、3種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持ち、その何れも持たないものはその分子単独であっても重合反応を生じるものである有機モノマーを用いることで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、アセチレン結合を持つ有機モノマーの比率に応じて比誘電率を低減することが可能となった。
かつかかる有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には、少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、膜の機械強度を向上させ、かつ成膜速度を向上させることが可能となる。かかる知見に加えて、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能となる。
また、本発明では、3種類以上の有機モノマーを用いる場合においては、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持っているが、そのうち少なくとも1つはその単独のモノマーであっても重合反応を生じうるものであることから、イソプロペニル基を複数持つものとの共重合においては、膜の機械強度を上昇させることが可能となる。
例えば、ジイソプロペニルベンゼンとジビニルシロキサンベンゾシクロブテンのプラズマ共重合においては、ジイソプロペニルベンゼンの供給量を増やすことで、プラズマ共重合によって形成された膜のヤング率が上昇させることができる。
一方、このとき比誘電率はほぼ変化しない。さらには、用いる3種類以上の有機モノマーはそれぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持っているが、そのうち少なくとも1つはその単独のモノマーであっても重合反応を生じうるものであることから、アセチレン基を持つものとの共重合においては、膜の成膜速度を上昇させることが可能となる。このとき、比誘電率はほぼ変化しない。これらの効果は、上記3種類の有機モノマーを同時に供給した場合には、上記2種類のモノマーを同時に供給して得られたプラズマ共重合膜の特徴が失われないだけでなく、それぞれを単独に供給した場合には実現することがなかった、比誘電率の低減を実現することが可能となった。したがって、これらを含んだ3種類以上の有機モノマーを同時に供給することで得られるプラズマ共重合膜は、必要に応じた、高い機械的強度、高い成膜速度、低い誘電率を得ることが可能となる。
次に、本発明をより詳細に説明する。
まず、本発明の方法を実施する際に利用される成長装置の一例を、その概要を模式的に示す図1を用いて説明する。以下は3種の有機モノマーを用いた場合について示すが、2種の有機モノマーを用いた場合においても有機モノマーCがないものとする以外は以外は同様である。
図1に示すように、反応室1は、真空ポンプ8により減圧されており、反応室1の内部には基板加熱部6が設けられる。共重合高分子膜をその上に作製する下地として、半導体基板5が基板加熱部6上に固定される。原料である、有機モノマーAと有機モノマーB、および有機モノマーC(以下、有機モノマーA、B、Cと呼ぶ)は、それぞれ気化供給システム61、62、63内において気化され、その蒸気はキャリアガスとともに気化原料供給配管38A、38B、38C、バルブ18A、18B、18Cを介して反応室1へ供給される。
反応室1に達するまで、気化原料供給配管38A、38B、38Cの管壁は、備えられているヒータ3により加熱され、配管内を通過する有機モノマーA、B、Cの分圧が、その配管壁の温度における各平衡蒸気圧よりも、常に低くなる温度に維持されている。それぞれがキャリアガスとともに輸送された、有機モノマーA、B、Cの蒸気は、反応室1内のシャワーヘッド7へ供給されて混合された後、基板4の表面に吹き付けられる。
一方、シャワーヘッド7と基板加熱部6との間には、RF電源9からRF電力が印加され、プラズマが誘起されている。従って、有機モノマーA、B、Cの分子は、ともに、発生しているプラズマ空間を通過する際、励起を受け、活性化がなされた状態で基板表面に到達する。その後、基板加熱部6により加熱されている基板5の表面に吸着し、予め活性化がなされている有機モノマーA、B、Cの分子は、さらに熱エネルギーが付与される結果、速やかに共重合反応を起こし、半導体基板5表面上に共重合高分子絶縁膜4が成長する。
なお、活性化がなされている有機モノマーA、B、Cの分子の一部は、基板表面に付着した後再離脱するものがある。この「再離脱」の確率は、熱的過程だけを用いる場合においては、より顕著になり、複数のモノマーを用いる際、各モノマーの再離脱確率が異なるため共重合高分子内おける含有比率の制御は、必ずしも容易ではない。「プラズマ重合法」では予め活性化がなされている有機モノマーA、B、Cの分子が吸着するため速やかに共重合反応を起こす。この観点から「プラズマ重合法」を応用することがより望ましい。
さらに、実際にはプラズマ中で一部のモノマーが重合し、二量体や三量体として基板の表面に吸着するものがある。この場合、平均自由工程の大きい高真空中で有機モノマーA、B、Cとの混合が生じるので、有機モノマーA、B、Cは均一に混合された共重合高分子絶縁膜が得られる。特に、平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)が桁違いに異なる複数のモノマーを用いる際には、プラズマ中で一部共重合反応を生じさせて二量体や三量体を積極的に形成させれば、各モノマーの平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)の3桁に程度の差違があっても、実用上の問題が無い。この観点からも「プラズマ重合法」を応用することが望ましい。
なお、利用される有機モノマー複数種は、基板表面に混合ガスとして吹き付けるが、その際、基板表面のいずれの部分でも、吹き付けられる混合ガス中に含有される有機モノマー複数種の比率は同じとすることが必要である。その均一混合は、上記のように、反応室内に設けるシャワーヘッド7における混合など、反応室内において均一混合を行うこともでき、また、反応室内に導入されるまでに、その流路途中で、予め均一混合を終えた後、反応室内に導入することもできる。この流路途中で、予め均一混合を行う手段としては、図1に示す配管流路を合流させる方法の他、混合室(ミキシングチャンバー)を設け、その混合室内にガスが滞留する間に混合を果す方法を採用することもできる。
なお、未反応の原料モノマーは、反応室1は真空ポンプ8により減圧されており、また、その壁面も気化原料供給配管38A、38B、38Cと同様に保温されているので、壁面上に付着・凝集することなく、気体状態のまま、ヒータにより加熱されている配管排気配管16を経て冷却トラップ14へ到達する。冷却トラップ14内では、トラップ面の温度が十分に低いため、気体状の原料モノマーA、B、Cはともに、そのトラップ面上に凝集し、冷却トラップ14内で液化あるいは固化を起こす。その結果、未反応の原料モノマーは、冷却トラップ14内で回収・除去され、排気ポンプ8には、原料モノマーが除去されたキャリアガス、プラズマ生成に利用されたガスのみが送られる。ここで冷却トラップ14は必ずしも冷媒を用いた冷却機構を持たなくてもよい。使用するモノマーの飽和蒸気圧が低い場合には室温で十分液化あるいは固化するためである。また反対に飽和蒸気圧が比較的高い場合は気体のまま排気ポンプを通過し、除外設備により無害化されることになる。
図2は、本発明に利用する有機モノマーが液体である際、液体状の有機モノマーを気化し、キャリアガスとともに供給する気化供給システムの構成を模式的に示す図である。ここでは有機モノマーAが液体であると仮定して以下に説明する。
図2を参照すると、有機モノマーAタンク23Aから、気化制御器において気化され、反応室へ供給される直前までを示す。なお、以下の説明では単量体である有機モノマーを例に説明するが、二量体である有機オリゴマーでも、その原理は同様である。有機モノマーA(22A)は、バルブ46A、液体流量指示器A(28A)、バルブ43Aを介して気化制御器A(30A)に供給される。さらに、有機モノマーA用液体流量指示器28Aからフィードバック制御されている気化量制御バルブA(35A)と気化制御機A内バルブ37Aを介し、気化室A(32A)に供給される。一方、キャリアガスA(26A)はバルブ45Aを経て、気化制御器30Aへ供給される。したがって、気化室A(32A)の直前で液体原料モノマーA(22A)とキャリアガスA(26A)は混合される。キャリアガスAと混合状態で気化室A(32A)へ供給される液体原料モノマーA(22A)は、ヒータ34Aにより受ける熱エネルギーにより加熱され、また、気化室32Aは減圧されているので、連続的に気化する。すなわち、気化熱として消費される熱エネルギー、ならびに、急激な圧力減少によるキャリアガスの体積膨張による冷却作用は、ヒータ34Aによる加熱で供給される熱エネルギーにより補完がなされている。従って、気化された原料モノマーAは、そのガス温度は上昇された上で、ヒータ3で保温されている気化原料供給配管38A、バルブ18Aを介して反応室1へ供給される。
図3は、本発明に利用する有機モノマーが固体である際、有機モノマーの蒸気を発生させ、供給するシステム(気化供給システム)の構成を模式的に示す図である。図3においては、有機モノマーBが固体であると仮定して以下に説明する。キャリアガス26Bが供給される有機モノマーBタンク23Bから、反応室への供給に利用される気化原料供給配管38Bまでを示す。
なお、以下の説明では、単量体である有機モノマーを例に説明するが、二量体である有機オリゴマーでも、その原理は同様である。キャリアガスB(26B)は、気体流量制御器31Bにおいて流量を制御されながら、バルブ45Bを介して有機モノマーBタンク23Bへ供給される。有機モノマーBタンク23Bは、一定温度に加熱されている。この温度は、有機モノマーBが溶融状態から気化して、あるいは固相状態から昇華して、十分な飽和蒸気圧が得られる温度に選択される。気化したモノマーB蒸気は、供給されるキャリアガスBに混合され、バルブ46B、気体流量指示器B(33B)、バルブ43Bを介して、気化原料供給配管38Bへ供給される。さらに、バルブ18Bを介して反応室1へと供給される。その際、有機モノマーBタンク23B内では、キャリアガスB中に含まれる有機モノマーB気体分子の分圧は、その温度における平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)と実質的に等しくなり、単位時間当たりの有機モノマーBの供給量は、キャリアガスB流量により決定される。
以上のように、原料に用いる有機モノマーは、常温で液体でも、固体であっても、それに応じて、適切な気化供給システムを選択することで、反応室へ、気体状態の有機モノマーを、目的とする供給量に速やかに変化させつつ、供給することが可能である。なお、仮に、常温で既に気体状態となっている有機モノマーを利用できる場合には、通常の気体原料ガスと同様の供給形態をとればよい。なお、本発明において、有機モノマーの供給に用いられるキャリアガスには、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス等、混入する有機モノマーに対して不活性なガスを適宜使用することができる。
本発明の共重合高分子膜の作製方法においては、利用される有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つ有機モノマーはイソプロペニル基を複数持つことが望ましい。さらには、イソプロペニル基とアセチレン結合を持たない有機モノマーは反応部位となりうる不飽和結合を複数持つことが望ましい。さらには、イソプロペニル基とアセチレン結合を併せ持つ有機モノマーも原料となりうるが、この場合も、別途イソプロペニル基もしくはアセチレン結合をもつ有機モノマーを原料として用いることが望ましい。
以下、本発明をより具体的に説明する。なお、これらの具体例は、本発明の最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら具体例により限定を受けるものではない。
(第1の例)
以下、有機モノマーAに前述した式(I)のジイソプロペニルベンゼンを用い、有機モノマーBに前述した式(II)のアセチレンを用い、有機モノマーCに前述した式(III)のジビニルシロキサンベンゾシクロブテン(DVS−BCB)を用い、これらの気化混合ガスから、ジイソプロペニルベンゼンとアセチレン、およびDVS−BCBガスの共重合高分子膜成膜にいたる一連のプロセスを図1に示す共重合高分子膜の成長装置を用いる場合を例にとり、併せて供給系として図2を用いて詳しく説明する。尚、以下の説明においては、図2中の記号Aは省略されている。
まず、共重合高分子膜の成長装置の気化制御器の初期状態では、バルブ18およびバルブ49を“開”とし、排気用の真空ポンプ8で、反応室1、排気配管16、廃液配管15、気化室32、気化原料供給配管38を真空引きする。気化温度は、有機モノマーの必要供給量を確保するために必要な温度が望ましいが、気化させる有機モノマーを気化室へ供給する配管部において、有機モノマー自体の分解や重合等の変質、それに起因する配管の閉塞等を伴わない温度であることが必要である。また、ヒータ3により加熱される気化原料供給配管38などの配管部材は、それらの加熱温度に耐えられるものとすること、あるいは、加熱温度を用いる配管部材の耐熱温度範囲に設定すること可能な条件を選択することが必要である。また、加熱されている配管の温度は、配管各所に設置された熱電対によりモニターし、常に設定温度となるよう配管加熱ヒータの出力を制御する。
図2に示す、気化供給システムのバルブ45を“開”とし、キャリアガス供給配管40よりキャリアガス(He)26を、気体流量制御器31を介して気化制御器30に供給し、さらに気化原料供給配管38を介して反応室1に流し、排気配管16を介して真空ポンプ8で装置外に排気する。DVS−BCBモノマーの気化工程では、気化温度を210℃に設定する。また、Heキャリアガス流量400sccmとした。この条件では、気化制御器の全圧Pは、7Torrであり、反応室1内圧は2Torrであった。また、反応室1内に設置された基板加熱部6により、半導体集積回路が形成されたシリコン基板(半導体基板)5を400℃に加熱した。なお、DVS−BCBとジイソプロペニルベンゼンとアセチレンを用いる場合、成膜時の基板加熱温度は、200℃〜450℃の範囲に選択するのが適当である。
DVS−BCBとジイソプロペニルベンゼンは、それぞれHeキャリアガスとともに、それぞれの気化原料供給配管38A、38Bを介し反応室1へ供給され、混合される。またアセチレンは単体で原料供給配管38Cを介して反応室1へ供給され、前記2種の気化された原料と混合される。反応室1内のシャワーヘッド7において、前記の3種の原料を含む混合ガスを分散させて、基板5表面に吹き付ける。このシャワーヘッド6には、接地されている基板加熱部6表面に対して、13.56MHzの周波数を持つRF電力が印加されており、シャワーヘッド7下に、キャリアガスに用いているHeのプラズマを発生させた。その際、RF電力は、前記3種の原料の分子内に存在する反応部となる不飽和結合の活性化のみを行う程度のプラズマエネルギーに留めることが肝要である。前記3種の原料の混合ガスは、かかるHeプラズマを通して半導体基板5上に吹き付ける間に、含まれる原料の活性化がなされる。400℃に加熱された基板表面上で、前記の活性化された原料は、共重合反応を起こし、DVS−BCBとジイソプロペニルベンゼンとアセチレン由来の骨格ユニットで構成される共重合高分子膜(有機絶縁膜)が形成される。この際、排気配管16には、未反応の原料が含まれているキャリアガスが達するが、排気ポンプの前に挿入されている、冷却トラップ14にて、含有されていたDVS−BCBとジイソプロペニルベンゼンは再液化され、排気ポンプ8には入り込まない。延べ供給量が所定量に達するまで、前記原料3種の原料を供給して、成膜を継続した後、それぞれの供給を停止し、反応室内の半導体基板5を取り出す。
この例においてはキャリアガス26、パージガスおよび圧力送出ガス27は、いずれもヘリウム(He)である。反応室内のクリーニングに利用するクリーニングガス21は、NF、あるいはSFと酸素あるいはオゾンの混合気体である。また、CFやCといったフルオロカーボンガスと酸素あるいはオゾンの混合気体を用いてもよい。
このように、本発明の共重合高分子膜の作製方法では、例えば、プラズマ重合法の原理を活用して作製する際、骨格として用いる2種類以上の有機モノマーとして、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、アセチレン結合を持つ有機モノマーの比率に応じて比誘電率が低減することが可能となる。かつかかる有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には、少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つ有機モノマーを用いることで、膜の機械強度を向上させ、かつ成膜速度を向上させることが可能となる。かかる知見に加えて、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製が可能となった。
ここで本発明の具体的な作用効果について図面を用いて説明する。
図4乃至図6に本発明の例1における3種類の有機化合物を用いたプラズマ共重合による有機高分子絶縁膜の比誘電率特性について示す。図4にはアセチレン(C)の供給量を変化させたときの比誘電率の変化を示しており、このとき、アセチレンの供給量はDVS−BCB(図では、BCBと略記、以下、同様)の供給量を1として、比で表している。また、図4では実線にてDVS−BCBとジイソプロペニルベンゼン(図ではDIPBと略記、以下、同様)の供給量比を1とした場合について示しており、破線で供給量比を3とした場合について示している。アセチレン供給量の増大に伴って比誘電率が低減されていることが分かる。
一方、図5に示すように2種類の原料を用いた場合、具体的には、DVS−BCB(BCB)に対してアセチレン供給量を増加させても比誘電率の低減は見られない。さらに、図6に示すように、2種類の原料を用いた場合、具体的には、DVS−BCB(BCB)のみに対してジイソプロペニルベンゼン(DIPB)供給量を増加させても比誘電率の低減は見られない。しかしながら、図10に示すように、ジイソプロぺニルベンゼン(DIPB)に対して、アセチレン供給量を増加させた場合には、比誘電率の低減が見られる。したがって、本発明の効果は前記のように構造を特定した2種類もしくは、これらの2種類を含んだ3種類以上の有機化合物を用いることで、比誘電率の低減効果を得ることが可能となる。
また、ジイソプロペニル基を持つ化合物の導入とアセチレン結合を持つ化合物の導入は、ぞれぞれ、機械強度の向上と成膜速度の向上をもたらす。これらの化合物は互いが持つ短所をお互いに補完する関係にあり、同時に供給することで、より膜特性の向上を促すことができる。
図7はジイソプロペニルベンゼン(DIPB)の供給量を変化させた場合のヤング率変化について示す図である。図7では実線で例1に示した3種類の有機化合物を用いた場合について示しており、破線でDVS−BCB(図では、単にBCBと略す)とジイソプロペニルベンゼン(DIPB)の2種を用いた場合について示している。アセチレンを加えることでベースとなるヤング率は低下するが、2種類の原料を用いたときと同様にジイソプロペニルベンゼン(DIPB)の供給量増加に伴って機械強度は増加させることができる。
図8はアセチレンの供給量を変化させた場合の成膜速度変化ついて示す図である。図8では実線で例1に示した3種類の有機化合物を用いた場合について示しており、破線でDVS−BCB(図では、BCBと略記)とアセチレン(C)の2種を用いた場合について示している。また、図8では実太線にてDVS−BCB(BCBと略記)とジイソプロペニルベンゼン(図ではDIPBと略記)の供給量比を1とした場合について示しており、実細線で供給量比を3とした場合について示している。ジイソプロペニルベンゼン(DIPB)を加えることでベースとなる成膜速度は低下するが、2種類の原料を用いたときと同様にアセチレンの供給量増加に伴って成膜速度は増加させることができる。
本発明の上記のような方法により、2種類の原料を用いた場合の複合的な効果だけでなく、3種類の原料を用いたことにより新しい効果、具体的には比誘電率の低減という効果が現れる。また、比誘電率の低減だけでなく、半導体装置製造上重要な特性である膜のヤング率と成膜速度を実用的なレベルにすることができる。
以上の説明の通り、本発明に係る共重合高分子膜およびその作製方法によって作製された共重合高分子膜は、半導体装置の絶縁膜として使用することができる。
本発明の共重合高分子膜の作製方法の実施に利用可能な高分子膜成膜装置構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の共重合高分子膜の作製方法に利用される、液体状の有機モノマーの気化供給に利用可能な気化制御器の構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の共重合高分子膜の作製方法に利用される、固体状の有機モノマーの気化供給に利用可能な気化制御器の構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の例1の比誘電率の効果の説明図である。 本発明の例1の比誘電率の効果の説明図である。 本発明の例1の比誘電率の効果の説明図である。 本発明の例1のヤング率への効果の説明図である。 本発明の例1の成膜速度への効果の説明図である。 特許文献1に開示された共重合高分子膜の作製方法に利用される、MVP法の原理を説明する図である。 本発明の例1の比誘電率の効果の説明図である。
符号の説明
1 反応室
2 反応室加熱ヒータ
3 配管加熱ヒータ
4 共重合高分子膜
5 半導体基板
6 基板加熱部
7 シャワーヘッド
8 真空ポンプ
9 RF電源
10 マッチングボックス
11 RFケーブル
12a、12b アース線
13 気体流量制御器
14 冷却トラップ
15 廃液配管
16 排気配管
17 バルブ
18A、18B バルブ
21 クリーニングガス
22A 有機モノマーA
22B 有機モノマーB
23A 有機モノマーAタンク
23B 有機モノマーBタンク
24A 洗浄溶剤A
25A 洗浄溶剤Aタンク
26A キャリアガスA
26B キャリアガスB
27 圧力送出ガス
28A 有機モノマーA用液体流量指示器
29A 洗浄溶剤A用液体流量指示器
30A 気化制御器A
31A 気体流量制御器A
31B 気体流量制御器B
32A 気化室
33B 気体流量指示器B
34 ヒータ
35A 気化量制御バルブA
36A 洗浄溶剤制御バルブA
37A 気化制御器A内バルブ
38A 気化原料A供給配管
38B 気化原料B供給配管
39A 気化原料A排気配管
39B 気化原料B排気配管
40A キャリアガスA供給配管
40B キャリアガスB供給配管
42A、42B、43A、43B、44A、45A、45B、46A、46B、47A、48A バルブ
49 バルブ
50 排気ポンプ
51 反応室
52 有機絶縁膜
53 半導体基板
54 基板加熱部
55 タンク
56 気化原料配管
60 有機モノマー
60m 有機モノマー分子
61 気化モノマーA供給システム
62 気化モノマーB供給システム
63 気化モノマーC供給システム
64 バルブ

Claims (15)

  1. プラズマ重合による気相成長法によって作製された共重合高分子膜であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持ち、
    前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、下記化1式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであり、
    前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、下記化2式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする共重合高分子膜。
    Figure 0004506953
    Figure 0004506953
  2. プラズマ重合による気相成長法によって作製された共重合高分子膜であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも3種の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、
    前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、上記化1式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであり、
    前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、上記化2式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする共重合高分子膜。
  3. 前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子単独であっても重合反応を生じるものであることを特徴とする請求項2に記載の共重合高分子膜。
  4. 前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする請求項2または3に記載の共重合高分子膜。
  5. 前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の共重合高分子膜。
  6. 前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合を有していることを特徴とする請求項2〜5の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜。
  7. 前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たないものは、下記化3式の式(III)で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の共重合高分子膜。
    Figure 0004506953
  8. 共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それらのモノマーのうち少なくともある1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、
    原料として、前記少なくとも2種以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、
    前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを前記反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる工程と、
    供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地基板上に供給する工程と、
    加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種以上の有機モノマー分子の反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程を、少なくとも有し、
    原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、下記化4式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
    Figure 0004506953
  9. 共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも3種以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、それぞれのモノマーが反応部となる不飽和結合を持ち、それらのモノマーのうち少なくとも1種は複数のイソプロペニル基を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーがアセチレン結合を持つものであり、
    原料として、前記少なくとも3種以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、
    前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを前記反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる工程と、
    供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地基板上に供給する工程と、
    加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも3種以上の有機モノマー分子の反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程を、少なくとも有し、
    原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基を持つものは、上記化4式の式(I)で示されるイソプロペニル基からなる重合反応部位を有するジイソプロペニルベンゼンモノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
  10. 原料として利用する、前記有機モノマーのうち、アセチレン基を持つものは、下記化5式の式(II)で示されるアセチレン結合からなる重合反応部位を有するアセチレンガスであることを特徴とする請求項8又は9に記載の共重合高分子膜の作製方法。
    Figure 0004506953
  11. 原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子単独であっても重合反応を生じるものであることを特徴とする請求項8〜10の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法。
  12. 原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする請求項8〜11に記載の共重合高分子膜の作製方法。
  13. 原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする請求項8〜12の内のいずれか1つに記載の共重合高分子膜の作製方法。
  14. 原料として使用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たない少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合を有していることを特徴とする請求項8〜13の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法。
  15. 原料として利用する、前記有機モノマーのうち、イソプロペニル基からなる重合反応部位を持たない、かつアセチレン結合からなる重合反応部位を持たないものは、下記化6式の式(III)で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーであることを特徴とする請求項8〜14の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法。
    Figure 0004506953
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