JP4513956B2 - 有機高分子膜及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機高分子膜の製造方法に関する。
最近、半導体集積回路における隣接する配線間の間隔は急速に小さくなっており、その結果、配線間の寄生容量に起因する遅延が相対的に増大して、この遅延による高速動作性能の劣化が顕在化してきている。この問題に対して、配線間容量の低減が要求されている。配線間容量の低減のため、より比誘電率が低い絶縁膜の開発が望まれており、有機高分子膜は、その比誘電率が低いことから、絶縁膜として有望である。
例えば、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーを気化させて得たガスを、減圧反応室中に形成されているプラズマ中を通過させて基板表面に吹き付けることにより、基板表面に有機高分子膜を製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2000−012532号公報
しかしながら、上記方法で得られる有機高分子膜は、機械的強度などの物性には改善の余地があった。そこで、本発明の目的は、機械的強度に優れた有機高分子膜の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を含む原料ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、該原料ガスを反応室内に形成されたプラズマ中で励起せしめ、励起された原料ガスを反応室内に設置された基板表面に付着せしめて、高分子膜を基板表面上に成長させる工程とを含み、前記原料ガスが、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を気化せしめて得たガスまたは該有機化合物を含有する混合物を気化せしめて得たガスと、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物を気化せしめて得たガスとを含有し、前記分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物が、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する下記化1式の式(7)で示される有機化合物を含むことを特徴とする有機高分子膜の製造方法を提供するものであり、また、本発明は、該製造方法により得られることを特徴とする有機高分子膜を提供するものである。
Figure 0004513956
(7)
本発明によれば、機械的強度に優れた有機高分子膜の製造方法を提供することが可能となる。
本発明においては、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を含む原料ガスを原料として用いる。
分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物は、下記化2式の式(1)で示される化合物または下記化3式の式(2)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0004513956
(1)
Figure 0004513956
(2)
但し、式中、aは0〜3の整数を表わし、bは1〜4の整数を表わし、cは0〜3の整数を表わし、b+c=4である。Aは1価〜4価の有機基を表わす。Rは水素原子を表わすか、炭素数1〜6の炭化水素基または置換基を有していてもよいシリル基を表わす。Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表わす。
1価〜4価の有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環式炭化水素基などが挙げられ、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12の飽和又は不飽和炭化水素基などが挙げられる。
ここで、炭素数1〜12の飽和又は不飽和炭化水素基は、直鎖状でも分岐していてもよく、不飽和結合の位置も特に限定されない。
また、脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数4〜12の環状炭化水素基などが挙げられる。
ここで、炭素数4〜12の環状炭化水素基は、不飽和結合を含んでいてもよく、ビシクロ環状又はスピロ環状であってもよい。
また、芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環などを含む基が挙げられる。
また、複素環基、縮合多環式炭化水素基としては、例えば、ピリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、イミダゾール、ピロリジン、ピロール、ジアジン、トリアジン、ピリミジン、プリン等の窒素含有複素環を含む基、フラン、モルホリン、チオフェン等の酸素又は硫黄含有複素環を含む基などが挙げられる。
また、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環式炭化水素基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、フェニル基およびフェノキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよい。
また、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基。iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基。iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
また、炭素数2〜10のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基が挙げられる。かかる置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
aは0〜3の整数を表すが、aは0または1であることが好ましい。
aが0または1である場合、Aは1価又は2価の有機基となるが、この場合にはAは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6の飽和鎖状炭化水素基、炭素数5または6の飽和環状炭化水素基、ベンゼン環又はナフタレン環を含む基であることが好ましい。
ここで、Aが1価の有機基の場合、Aとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
一方、Aが2価の有機基の場合、Aとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ビニレン基、エチニレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
は水素原子を表わすか、炭素数1〜6の炭化水素基または置換基を有していてもよいシリル基を表わす。
ここで、炭素数1〜6の炭化水素基は、炭素数1〜6の飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましい。これらの炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
一方、置換基を有していてもよいシリル基としては、例えば、飽和又は不飽和炭化水素基で置換されたシリル基などが挙げられる。具体的には、トリメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基、トリアリールシリル基などが挙げられる。これらの中でRとしては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、トリメチルシリル基、トリビニルシリル基が好ましく、特に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基)、トリメチルシリル基が好ましい。
上記化2式の式(1)で示される化合物としては、例えば、1−プロピン、1−ブチン、3−メチル−1−ブチン、3,3−ジメチル−1−ブチン、1−ペンチン、3−メチル−1−ペンチン、4−メチル−1−ペンチン、3,3−ジメチル−1−ペンチン、3,4−ジメチル−1−ペンチン、4,4−ジメチル−1−ペンチン、1−ヘキシン、1−ブテン−3−イン、1,3−ブタジイン、1−ペンテン−4−イン、シクロペンチルアセチレン、シクロヘキシルアセチレン、フェニルアセチレン、(メチルフェニル)アセチレン、(エチルフェニル)アセチレン、(プロピルフェニル)アセチレン、(ブチルフェニル)アセチレン、トリメチルシリルエチニルベンゼン、1,4−ペンタジイン、3−メチル−1,4−ペンタジイン、3,3−ジメチル−1,4−ペンタジイン、1,5−ヘキサジイン、3−メチル−1,5−ヘキサジイン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジイン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジイン、4,4−ジメチル−1,5−ヘキサジイン、1,3−ジエチニルシクロペンタン、1,3−ジエチニルシクロヘキサン、1,4−ジエチニルシクロヘキサン、1,2−ジエチニルベンゼン、1,3−ジエチニルベンゼン、1,4−ジエチニルベンゼン、メチルジエチニルベンゼン、エチルジエチニルベンゼン、プロピルジエチニルベンゼン、ブチルジエチニルベンゼン、1,2−ジ(tert−ブチルエチニル)ベンゼン、1,3−ジ(tert−ブチルエチニル)ベンゼン、1,4−ジ(tert−ブチルエチニル)ベンゼン、1,2−ジ(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン、1,3−ジ(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン、1,4−ジ(トリメチルシリルエチニル)ベンゼンなどが挙げられる。
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表わす。ここで、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を挙げることができる。一方、炭素数1〜4のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリール基などを挙げることができる。また、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などを挙げることができる。
bは1〜4の整数を表わし、cは0〜3の整数を表わし、b+c=4である。bは1または2であることが好ましい。
上記化3式の式(2)で示される化合物としては、例えば、トリメチルシリルアセチレン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、トリエチルシリルアセチレン、ビス(トリエチルシリル)アセチレン、ジエチニルジメチルシラン、ジエチニルジエチルシラン、ジエチニルジメトキシシラン、ジエチニルジエトキシシランなどが挙げられる。
本発明で用いる原料ガスは、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を気化せしめて得たガスまたは該有機化合物を含有する混合物を気化せしめて得たガスと、該有機化合物と共重合可能な有機化合物を気化せしめて得たガスとを含むガスであってもよい。ここで、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する有機化合物などが挙げられる。この分子内に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する有機化合物は、下記化4式の式(3)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0004513956
(3)
ここで、式中、Bは単結合を表わすか、2価の連結基を表わし、Rは水素原子を表わすか、置換基を有していてもよいフェニル基を表わし、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子を表わすか、脂肪族炭化水素基を表わす。
2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、芳香環を有する2価の基、または下記化5式の式(4)で示される基などが挙げられる。
Figure 0004513956
(4)
式中、Rは水素原子を表わすか、メチル基を表わす。
アルキレン基、シクロアルキレン基、芳香環を有する2価の基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、フェニル基およびフェノキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されていてもよい。ここで、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシル基としては、前記と同じものが挙げられる。また、置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
Bは、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のシクロアルキレン基、フェニレン基、または上記化5式の式(4)で示される基であることが好ましく、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、Rがメチル基である上記化5式の式(4)で示される基であることがより好ましく、単結合、フェニレン基、Rがメチル基である上記化5式の式(4)で示される基であることがさらに好ましい。
は水素原子を表わすか、置換基を有していてもよいフェニル基を表わす。この置換基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、下記化6式の式(5)または下記化7式の式(6)で示される基などが挙げられ、このなかで、下記化6式の式(5)で示される基であることが好ましい。
Figure 0004513956
(5)
Figure 0004513956
(6)
〜Rはそれぞれ独立に、水素原子を表わすか、脂肪族炭化水素基を表わす。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜6の飽和または不飽和炭化水素基などが挙げられる。ここで、炭素数1〜6の飽和または不飽和炭化水素基は、直鎖状でも分岐していてもよく、不飽和結合の位置も特に限定されない。この炭素数1〜6の飽和または不飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリール基、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。また、R〜Rは、水素原子であることが好ましい。
上記化4の式(3)で示される化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、メチルジビニルベンゼン、エチルジビニルベンゼン、プロピルジビニルベンゼン、ブチルジビニルベンゼン、下記化8式の式(7)で示される化合物、下記化9式の式(8)で示される化合物などが挙げられる。中でも、下記化8式の式(7)で示される化合物が特に好ましい。
Figure 0004513956
(7)
Figure 0004513956
(8)
分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を含む原料ガスを用いて、プラズマ中で有機高分子膜を製造すると、従前の原料を用いて製造した場合に比べて、得られる高分子膜の内部の化学構造を大幅に異なったものとすることが可能であり、これにより従来は不可能であった比誘電率が低く、機械強度に優れた有機高分子膜を製造することが可能となる。
分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物からなる原料ガスを用いて有機高分子膜を製造する場合、例えば、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンを用いて得られる公知のシクロヘキセン骨格の架橋構造に比べて、炭素−炭素三重結合自身が互いに反応して架橋し、剛直な化学構造として知られている芳香族骨格を形成するため、機械的強度や耐熱性に優れた有機膜を得ることができる。また、炭素−炭素三重結合どうしの架橋によって、分子サイズの細孔を内部に含有する3次元的な網目構造を形成することも可能であり、細孔の導入は比誘電率の低くすることに寄与する。3次元網目構造は耐熱性に優れた骨格として知られているので、比誘電率を低くしつつ、耐熱性にも優れた有機高分子膜を得ることができる。
2種類以上の原料を用いて有機高分子膜を製造する場合、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物からなるガスと、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物からなるガスとを原料として用いることが好ましく、このとき得られる高分子膜は2種類以上の原料が互いに共重合したものである。
例えば、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物とジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンの2種類の原料として用いる場合、炭素−炭素三重結合とベンゾシクロブテン環が反応して1,4−ジヒドロナフタレン骨格を形成するが、これは容易に脱水素して熱的に安定なナフタレン環へと変化し得る。ナフタレン骨格は剛直な構造として知られており、機械的強度に優れた有機高分子膜を得ることができる。
このように、1種類又は2種類以上の有機化合物を原料とし、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を原料として用い、プラズマ中で製造された有機高分子膜中には、従来から用いられていた原料のみを用い、プラズマ状態や基板温度などの成膜条件を変更することでは形成することが不可能な構造を形成することが可能であり、これにより、有機高分子膜の機械的強度や耐熱性の向上、比誘電率の低減を実現することが可能となる。
分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物(以下、有機化合物Aと呼ぶ)と、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物(以下、有機化合物Bと呼ぶ)の2種類の原料を用いて有機高分子膜を製造する場合、各原料は他の原料と重合して共重合構造を形成するとともに、有機化合物A又は有機化合物Bはそれぞれ単独でも重合をおこすため、かかる2種類の原料比率を大幅に変化させて、有機化合物Aと有機モノマーBとの重合反応以外に、有機化合物A自体の重合反応、又は、有機化合物B自体の重合反応に由来する局所的な構造を導入し、2種類の原料の供給比率を反映する組成比率の共重合高分子を得ることが可能である。
本発明の方法を実施する際に利用される成膜装置の一例について、その概要を模式的に示す図1を用いて説明する。なお、ここでは前記の2種類の原料を用いて有機高分子膜を製造する方法について説明するが、1種類又は3種類以上の原料を用いる場合であっても、同様の方法で実施可能である。
反応室1は、真空ポンプ8により減圧されており、反応室1の内部には基板加熱部6が設けられる。共重合高分子膜をその上に作製する下地として、半導体基板5が基板加熱部6上に固定される。原料とする、有機化合物Aと有機化合物Bは、それぞれ気化供給システム61、62内において気化され、その蒸気はキャリアガスとともに気化原料供給配管38A、38B、バルブ18A、18Bを介して反応室1へ供給される。反応室1に達するまで、気化原料供給配管38A、38Bの管壁は、備えられているヒータ3により加熱され、配管内を通過する有機化合物A、有機化合物Bの分圧が、その配管壁の温度における各平衡蒸気圧よりも、常に低くなる温度に維持されている。それぞれがキャリアガスとともに輸送された、有機化合物Aと有機化合物Bの蒸気は、反応室1内のシャワーヘッド7へ供給されて混合された後、基板4の表面に吹き付けられる。一方、シャワーヘッド7と基板加熱部6との間には、RF電源9からRF電力が印加され、プラズマが誘起されている。従って、有機化合物Aと有機化合物Bの分子は、ともに、発生しているプラズマ空間を通過する際、励起を受け、活性化がなされた状態で基板表面に到達する。その後、基板加熱部6により加熱されている基板5の表面に付着し、予め活性化がなされている有機化合物Aと有機化合物Bの分子は、さらに熱エネルギーが付与される結果、速やかに共重合反応を起こし、半導体基板5表面上に、有機化合物Aと有機化合物Bから成る共重合有機高分子絶縁膜4が成長する。
一般的に、ガスを基板に付着させて膜を得る場合、基板への付着後、反応して膜を形成する過程と再脱離する過程とが競争する。複数の原料を同時に用いる場合、各原料の再離脱確率が異なるため、共重合膜における含有比率の制御は、各モノマーの再離脱確率をも考慮する必要がある。
これに対し、有機化合物Aと有機化合物Bを含むガスを用い、プラズマで励起させて基板上に付着させる場合、活性化がなされている有機化合物Aと有機化合物Bの分子は、基板表面に付着した後、速やかに共重合反応を起こすことが可能である。即ち、両分子の再離脱の影響は僅かであって、再脱離確率を考慮する必要がない。従って、共重合高分子内における有機化合物Aと有機化合物Bの含有比率を、容易に制御することができる。
さらに、場合によっては、プラズマによる活性化を行う間に、一部の活性化された原料化合物どうしが気相で重合し、ダイマーやトリマーとなり、基板の表面に付着することもある。この場合でも、各気体分子のモビリティの大きい減圧下で原料化合物Aと原料化合物Bとの混合がなされており、生成するダイマーやトリマーも、その混合比率に比例したものとなるので、結果的には、原料化合物Aと原料化合物Bとが均一に配合された共重合高分子絶縁膜が得られる。あるいは、平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)が桁違いに異なる複数の原料化合物を用いる際には、上記の再離脱確率の差違の影響をより被り易いが、意図的にプラズマ中で一部共重合反応を生じさせてダイマーやトリマーを形成させると、これらダイマーやトリマーの平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)はモノマーより格段に小さなものとなり、再離脱の影響を排除することも可能となる。例えば、各原料化合物の平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)間に、3桁程度の差違がある場合であっても、前記の手段を応用すると、再離脱確率の差違を実質上無いものとでき、その際、表面上で形成される共重合高分子絶縁膜自体の面内の組成分布(バラツキ)も実用上の問題が無いものとできる。
なお、2種類の原料は、基板表面に混合ガスとして吹き付けるが、その際、基板表面のいずれの部分でも、吹き付けられる混合ガス中に含有される2種類の有機化合物の比率は同じとすることが必要である。その均一混合は、上記のように、反応室内に設けるシャワーヘッド7における混合など、反応室内において均一混合を行うこともでき、また、反応室内に導入されるまでに、その流路途中で、予め均一混合を終えた後、反応室内に導入することもできる。この流路途中で、予め均一混合を行う手段としては、図1に示す配管流路を合流させる方法の他、ミキシングチャンバーを設け、そのチャンバー内にガスが滞留する間に混合を果す方法を採用することもできる。
未反応の原料は、反応室1は真空ポンプ8により減圧されており、また、その壁面も気化原料供給配管38A、38Bと同様に保温されているので、壁面上に付着・凝集することなく、気体状態のまま、ヒーターにより加熱されている配管排気配管16を経て冷却トラップ14へ到達する。冷却トラップ14内では、トラップ面の温度が十分に低いため、気体状の原料A、Bはともに、そのトラップ面上に凝集し、冷却トラップ14内で液化あるいは固化を起こす。その結果、未反応の原料は、冷却トラップ14内で回収・除去され、排気ポンプ8には、原料が除去されたキャリアガスのみが送られる。
図2は、本発明に利用する有機化合物が常温で液体である場合、液体状の有機化合物を気化し、キャリアガスとともに供給する気化供給システムの構成を模式的に示す図である。有機化合物Aがタンク23Aから、気化制御器において気化され、反応室へ供給される直前までを示す。有機化合物A(22A)は、バルブ46A、液体流量指示器28A、バルブ43Aを介して気化制御器30Aに供給される。さらに、有機化合物A用液体流量指示器28Aからフィードバック制御されている気化制御バルブ35Aと気化制御機内バルブ37Aを介し、気化室32Aに供給される。一方、キャリアガスA(26A)はバルブ45Aを経て,気化制御器30Aへ供給される。したがって、気化室32Aの直前で有機化合物A(22A)とキャリアガスA(26A)は混合される。キャリアガスAと混合状態で気化室32Aへ供給される有機化合物A(22A)は、ヒーター34により受ける熱エネルギーにより加熱され、また、気化室32Aは減圧されているので、連続的に気化する。すなわち、気化熱として消費される熱エネルギーと急激な圧力減少によるキャリアガスの体積膨張による冷却作用は、ヒーター34による加熱で供給される熱エネルギーにより補完がなされている。従って、気化された有機化合物Aは、そのガス温度は上昇された上で、ヒーター34で保温されている気化原料供給配管38A、バルブ18Aを介して反応室1へ供給される。
本発明に利用する有機化合物が常温で固体である場合も、液体と同様に、適切な気化供給システムを選択することが可能である。
以上のように、原料に用いる有機化合物は、常温で液体でも、固体であっても、それに応じて、適切な気化供給システムを選択することで、反応室へ、気体状態の有機化合物を、目的とする供給量に速やかに変化させつつ、供給することが可能である。なお、仮に、常温で既に気体状態となっている有機化合物を利用できる場合には、通常の気体原料ガスと同様の供給形態をとればよい。
なお、本発明において、有機化合物の供給に用いられるキャリアガスには、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス等、混入する有機化合物に対して不活性なガスを適宜使用することができる。
また、有機高分子膜の製造を制御するため、必要に応じて、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロペン、アセチレン、アレン等のガスを添加してもよい。
本発明の製造方法により得られる有機高分子膜は、比誘電率が低く、機械強度に優れていることから、半導体集積回路の多層配線間を絶縁する低誘電率層間絶縁膜として好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1
原料化合物Aとして1,3−ジエチニルベンゼンのみを用い、この化合物を気化モノマーA供給システム61によって気化させて有機高分子膜の製造に至る一連のプロセスを説明する。
高分子膜成膜装置の気化制御器(図1及び図2)の初期状態では、バルブ37A、バルブ41A、バルブ18A及びバルブ49を「開」、バルブ18Bを「閉」とし、排気ポンプ14で、反応室1、排気配管16、廃液配管15、気化室32A、気化原料供給配管38Aを真空引きする。気化温度は、原料化合物Aの必要供給量を確保するために必要な温度が望ましいが、気化させる原料化合物Aを気化室へ供給する配管部において、原料化合物A自体の分解や重合等の変質、それに起因する配管の閉塞等を伴わない温度であることが必要である。また、ヒーター3により加熱される気化原料供給配管38Aなどの配管部材は、それらの加熱温度に耐えられるものとすること、あるいは、用いる配管部材の耐熱温度範囲に加熱温度を設定することが可能な条件を選択することが必要である。また、加熱されている配管の温度は、配管各所に設置された熱電対によりモニターし、常に設定温度となるよう配管加熱ヒーターの出力を制御する。
図2に示す気化供給システムのバルブ45Aを「開」とし、キャリアガス供給配管40Aよりキャリアガス(He)26Aを気体流量制御器31Aを介して気化制御器30Aに供給し、さらに気化原料供給配管38Aを介して反応室1に流し、排気配管16を介して排気ポンプ14で装置外に排気する。ここの工程では、気化温度を80℃に設定する。また、Heキャリアガス流量を500sccmとする。この条件では、気化制御器の全圧Pは、7Torrであり、反応室1内圧は2.0Torrである。また、反応室1内に設置された基板加熱部6により、半導体集積回路が形成されたシリコン基板(半導体基板)5を400℃に加熱する。なお、成膜時の基板加熱温度は、200℃〜450℃の範囲に選択するのが適当である。
図2に示すような有機モノマー気化供給システム61により、気化した原料化合物AはHeキャリアガスとともに、気化原料供給配管38Aを介し反応室1へ供給される。反応室1内のシャワーヘッド7において、気化した原料化合物Aを含む混合ガスを分散させて、基板5表面に吹き付ける。このシャワーヘッド7には、接地されている基板加熱部6表面に対して、13.56MHzのRFパワーが印加されており、シャワーヘッド7下に、キャリアガスに用いているHeのプラズマを発生させる。その際RFパワーは、原料化合物Aの活性化のみを行う程度のプラズマエネルギーに留めることが肝要である。気化した原料化合物AはかかるHeプラズマを通して半導体基板5上に吹き付ける間に、含まれる原料化合物Aの活性化がなされる。400℃に加熱された基板表面上で、予め活性化されている原料化合物Aは重合反応を起こし、重合高分子膜(有機絶縁膜)が製造される。この際、排気配管16には、未反応の原料化合物Aが含まれているキャリアガスが達するが、排気ポンプの前に挿入されている、20℃程度に冷やされた冷却トラップ14にて、含有されていた原料化合物Aは再液化され、排気ポンプ8には入り込まない。延べ供給量が所定量に達するまで、原料化合物Aを供給して、成膜を継続した後、供給を停止し、反応室内の半導体基板5を取り出す。
3−ジエチニルベンゼンの重合反応は、分子内に存在する2つのエチニル基どうしが架橋することによって進行すると考えられる。エチニル基どうしの架橋反応には、3量化によるベンゼン環の形成、直鎖状ポリエン骨格の形成、Glaser Couplingとして知られるジアセチレンの形成、Straus Couplingとして知られるエン−イン骨格の形成、あるいは、こうして形成されたジエン、ジアセチレン又はエン−インとエチニル基とのDiels−Alder反応とそれに続く転移反応や芳香族化反応等が含まれるが、基板に吹き付ける直前にプラズマ中を通過させ、プラズマエネルギーで活性化を行うことで、上記の架橋反応や芳香族化反応は速やかに進行し、分子サイズの均一な細孔を内部に含有する3次元的な網目構造を形成することができる。分子サイズの細孔を内部に含有する場合、ない場合に比べて比誘電率の低減が可能であり、例えば、細孔を導入することによって比誘電率は2.0〜2.2程度になる。
実施例2
原料化合物Aとして1,3−ジエチニルベンゼンを用い、原料化合物Bとして式(7)で示される化合物を用い、これらの混合気化モノマーから有機高分子膜の製造にいたる一連のプロセスを、図1に示す共重合高分子膜の成膜装置を用い、併せて、原料化合物の供給装置として図2に示す気化制御器を用いる場合を例にして詳しく説明する。なお、以下の説明では、図1および図2中の記号AおよびBは省略することがある。例えば、バルブ18という場合は、バルブ18Aと18Bの両方を意味する。
高分子膜の成長装置の気化制御器(図1及び図2)の初期状態では、バルブ37、バルブ41、バルブ18およびバルブ49を「開」とし、排気ポンプ14で、反応室1、排気配管16、廃液配管15、気化室32、気化原料供給配管38を真空引きした。なお、気化原料供給配管38Aなどの配管部材としては、SUS配管を用いた。
図2に示す気化供給システムのバルブ45を「開」とし、キャリアガス供給配管40よりキャリアガス(He)26を気体流量制御器31を介して気化制御器30に供給し、さらに気化原料供給配管38を介して反応室1に流し、排気配管16を介して排気ポンプ14で装置外に排気した。原料化合物Aの気化工程では、気化温度を80℃に設定し、原料化合物Bの気化工程では、気化温度を210℃に設定した。また、Heキャリアガス流量はトータルで700sccmとした。この条件では、気化制御器の全圧Pは、7Torrであり、反応室1内圧は2Torrであった。また、反応室1内に設置された基板加熱部6により、半導体集積回路が形成されたシリコン基板(半導体基板)5を400℃に加熱した。
原料化合物Aおよび原料化合物BはそれぞれHeキャリアガスとともに、気化原料供給配管38を介し反応室1へ供給され、混合される。反応室1内のシャワーヘッド7において、前記の2種の原料を含む混合ガスを分散させて、基板5表面に吹き付ける。このシャワーヘッド7には、接地されている基板加熱部6表面に対して、13.56MHzのRF電力が印加されており、シャワーヘッド7下に、キャリアガスに用いているHeのプラズマを発生させた。その際RF電力は250Wとした。排気配管16には、未反応の有機化合物Aが含まれているキャリアガスが達するが、排気ポンプの前に挿入されている冷却トラップ14にて、含有されていた原料化合物Aと原料化合物Bは再液化され、排気ポンプ8には入り込まない。延べ供給量が所定量に達するまで、前記2種の原料を供給して、成膜を継続した後、供給を停止し、反応室内の半導体基板5を取り出した。
上記方法により、1,3−ジエチニルベンゼンと上記化8式の式(7)で示される化合物から製造された共重合高分子膜の弾性率を、ナノインデンテーション法によって測定したところ、7.0GPaであった。
1,3−ジエチニルベンゼンと上記化8式の式(7)で示される化合物の重合反応は、上記化8式の式(7)で示される化合物中のベンゾシクロブテン骨格が開環して1,2−ジビニリデン骨格となり、これと1,3−ジエチニルベンゼンのエチニル基とがDiels−Alder反応によって、1,4−ジヒドロナフタレン骨格を形成すると考えられ、これらの混合気化モノマーを基板に吹き付ける直前にプラズマ中を通過させ、プラズマエネルギーで活性化を行うことにより反応を行うため、ナフタレン骨格を形成することができ、機械的強度に優れた高分子膜を得ることが可能になったと考えられる。
比較例1
原料化合物Aとして上記化8式の式(7)で示される化合物のみを用い、この気化モノマーから有機高分子膜を製造した。
高分子膜成膜装置の気化制御器(図1及び図2)の初期状態では、バルブ37A、バルブ41A、バルブ18A及びバルブ49を「開」、バルブ18Bを「閉」とし、排気ポンプ14で、反応室1、排気配管16、廃液配管15、気化室32A、気化原料供給配管38Aを真空引きした。気化原料供給配管38Aなどの配管部材としては、SUS配管を用いた。
図2に示す気化供給システムのバルブ45Aを「開」とし、キャリアガス供給配管40Aよりキャリアガス(He)26Aを気体流量制御器31Aを介して気化制御器30Aに供給し、さらに気化原料供給配管38A、18Aを介して反応室1に流し、排気配管16を介して排気ポンプ14で装置外に排気した。ここの工程では、気化温度を210℃に設定した。また、Heキャリアガス流量を400sccmとした。この条件では、気化制御器の全圧Pは、7Torrであり、反応室1内圧は2.0Torrである。また、反応室1内に設置された基板加熱部6により、半導体集積回路が形成されたシリコン基板(半導体基板)5を400℃に加熱した。
図2に示すような有機モノマー気化供給システム61により、気化した原料化合物AをHeキャリアガスとともに、気化原料供給配管38Aを介し反応室1へ供給した。反応室1内のシャワーヘッド7において、気化した原料化合物Aを含む混合ガスを分散させて、基板5表面に吹き付けた。このシャワーヘッド7には、接地されている基板加熱部6表面に対して、13.56MHzのRFパワーが印加されており、シャワーヘッド7下に、キャリアガスに用いているHeのプラズマを発生させた。その際RFパワーは、250Wとした。排気配管16には、未反応の原料化合物Aが含まれているキャリアガスが達するが、排気ポンプの前に挿入されている、20℃程度に冷やされた冷却トラップ14にて、含有されていた有機化合物Aは再液化され、排気ポンプ8には入り込まない。延べ供給量が所定量に達するまで、原料化合物Aを供給して、成膜を継続した後、供給を停止し、反応室内の半導体基板5を取り出した。
上記方法により上記化8式の式(7)で示される化合物のみから製造された共重合高分子膜の弾性率を、ナノインデンテーション法によって測定したところ、5.1GPaであった。
本発明の有機高分子膜の製造方法の実施に利用可能な高分子膜成膜装置構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の有機高分子膜の製造方法の実施に利用される、液体状の原料の気化供給に利用可能な気化制御器の構成の一例を模式的に示す図である。
1 反応室
2 反応室加熱ヒータ
3 配管加熱ヒータ
4 共重合高分子膜
5 半導体基板
6 基板加熱部
7 シャワーヘッド
8 真空ポンプ
9 RF電源
10 マッチングボックス
11 RFケーブル
12a、12b アース線
13 気体流量制御器
14 冷却トラップ
15 廃液配管
16 排気配管
17 バルブ
18A、18B バルブ
19A 気化モノマーA
20A 排気気化モノマーA
21 クリーニングガス
22A 有機モノマーA
23A 有機モノマーAタンク
24A 洗浄溶剤A
25A 洗浄溶剤Aタンク
26A キャリアガスA
27 圧力送出ガス
28A 有機化合物A用液体流量指示器
29A 洗浄溶剤A用液体流量指示器
30A 気化制御器A
31A 気体流量制御器A
32A 気化室
34 ヒータ
35A 気化制御バルブA
36A 洗浄溶剤制御バルブA
37A 気化制御器A内バルブ
38A 気化原料A供給配管
38B 気化原料B供給配管
39A 気化原料A排気配管
40A キャリアガスA供給配管
41A〜48A バルブ
50 排気ポンプ
51 反応室
52 有機絶縁膜
53 半導体基板
54 基板加熱部
55 タンク
56 気化原料配管
61 気化モノマーA供給システム
62 気化モノマーB供給システム

Claims (8)

  1. 分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を含む原料ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、該原料ガスを反応室内に形成されたプラズマ中で励起せしめ、励起された原料ガスを反応室内に設置された基板表面に付着せしめて、高分子膜を基板表面上に成長させる工程とを含み、
    前記原料ガスが、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物を気化せしめて得たガスまたは該有機化合物を含有する混合物を気化せしめて得たガスと、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物を気化せしめて得たガスとを含有し、前記分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物と共重合可能な有機化合物が、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する下記化1式の式(7)で示される有機化合物を含むことを特徴とする有機高分子膜の製造方法
    Figure 0004513956
    (7)
  2. 請求項1に記載の有機高分子膜の製造方法において、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する有機化合物が、下記化2式の式(1)で示される化合物または下記化3式の式(2)で示される化合物であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法
    Figure 0004513956
    (1)
    Figure 0004513956
    (2)
    (式中、aは0〜3の整数を表わし、bは1〜4の整数を表わし、cは0〜3の整数を表わし、b+c=4であり、Aは1価〜4価の有機基を表わし、Rは水素原子を表わすか、炭素数1〜6の炭化水素基または置換基を有していてもよいシリル基を表わし、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表わす。)
  3. 請求項2に記載の有機高分子膜の製造方法において、Aが、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基、または縮合多環式炭化水素基であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法。
  4. 請求項3に記載の有機高分子膜の製造方法において、Aが、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法。
  5. 請求項2乃至4の内のいずれか一項に記載の有機高分子膜の製造方法において、前記Rが、水素原子であるか、炭素数1〜4のアルキル基またはトリメチルシリル基であり、Rがメチル基であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法。
  6. 請求項2乃至5の内のいずれか一項に記載の有機高分子膜の製造方法において、aが0または1であり、bが1または2であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法
  7. 請求項1乃至6の内のいずれか一項に記載の有機高分子膜の製造方法において、
    前記基板が半導体基板であることを特徴とする有機高分子膜の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の内のいずれか一項に記載の有機高分子膜の製造方法により得られることを特徴とする有機高分子膜。
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