JP4019258B2 - 共重合高分子膜の作製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置を構成する絶縁膜として利用可能な共重合高分子膜の作製方法、前記形成方法で作製される共重合高分子膜、共重合高分子膜を利用する半導体装置に関し、より具体的には、二種以上の原料モノマーを原料とし、それを気相より供給して、表面上で共重合して共重合高分子膜を気相成長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の設計ルールは縮小を続けており、それに伴い、隣接する配線間の間隙も狭くなっている。その結果、配線間の寄生容量に起因する遅延も相対的に増し、この遅延よる高速動作性能の劣化が顕在化している。つまり、半導体集積回路において、配線信号遅延は配線CR時定数(C:配線容量、R:配線抵抗)に依存するが、配線幅の減少による配線抵抗の増大に加え、配線間隔の減少による配線間容量の増大も生じ、配線CR時定数が大幅に増すと、回路を構成するトランジスタのスイッチング速度の向上に対して、配線での信号伝達速度が十分に追従できない状態となることが懸念されている。従来、半導体集積回路の配線材料には、アルミ合金が主に使用されていたが、一層の高速な動作を目標とする、より集積度を増した集積回路では、配線幅の減少による配線抵抗の増大を回避するため、配線材料の低抵抗化を必要とし、現在、銅配線を使用している。
【0003】
一方、配線間容量の増大を回避するために、配線間の絶縁膜として、従来から広く利用されているシリカ(SiO)系絶縁膜よりも、比誘電率の低い絶縁膜材料の採用が進められている。この半導体装置における配線間の絶縁膜として利用可能な、比誘電率の低い絶縁膜材料としては、フッ素添加シリカ(SiOF)やポーラスシリカ、さらには、有機高分子膜(有機絶縁膜)の利用が行われている。
【0004】
例えば、フッ素添加シリカは、現在、既に一部の市販製品で使用されているものの、フッ素添加シリカ膜自身の一層の低誘電率化を図る目的で、含有されるフッ素濃度を高くすると、水分あるいは水素との反応によって生じるフッ化水素による配線金属の腐食が発生したり、あるいは、フッ素が脱離する結果、比誘電率が増大するといった新たな課題が生じる。加えて、半導体集積回路技術の更なる進歩により、配線絶縁膜に対する低誘電率化の要求は、既にフッ素添加シリカ(SiOF)膜で得られる3.3程度の比誘電率では、十分には応えられなくなってきている。すなわち、比誘電率が3以下と非常に小さな絶縁材料の利用が注目されている。この観点では、ポーラスシリカは、その比誘電率を2以下とすることも可能である点から、期待される材料の一つである。ただし、その構造上、微小空孔の中へ水分が凝縮すると、比誘電率が増大し、また、絶縁耐圧が低下したりすることもある。また、ポーラス構造ゆえ、機械的強度が弱く、化学的機械研磨(CMP)や、ワイヤーボンディングといった工程において、その物理的ストレスに耐えられないといった課題を有することも少なくない。
【0005】
現在、半導体集積回路上の多層配線間を絶縁する層間絶縁膜として利用する上で必要となる、耐熱性・耐吸湿性に優れた有機高分子膜の開発が急がれている。有機高分子膜において、優れた耐吸湿性を達成するためには、かかる有機高分子の構成ユニットとなる、有機モノマー中に親水基が含まれていないことが肝要である。また、有機高分子膜をその骨格たる有機モノマーの重合反応で形成する際、その重合反応中に水分子を生成させる脱水縮合反応を経ないことが望ましいとされている。ここで、有機モノマーとは、かかる有機モノマーを構成単位として重合反応によって、目的とする有機高分子(有機ポリマー)を形成する原料化合物を指す。
【0006】
層間絶縁膜のような、機能性有機高分子膜の成膜方法として、原料の有機モノマーをスピンコーティングした後、その被膜層中で重合反応を起こさせ、高分子膜とするスピンコーティング法がある。このスピンコーティング法は、有機高分子膜の成膜に広く用いられている方法である。この方法では、スピンコーティングするため、有機モノマーは溶媒に溶解されており、被膜層を形成した後、成膜過程では、含まれる溶媒を蒸発・除去するとともに、残留する有機モノマーを加熱によりモノマー相互の重合反応を進行させる。最終的に、重合反応により、有機モノマーを構成単位とする、2次元あるいは3次元の網目構造膜や、高分子膜が形成される。形成される有機高分子自体は、絶縁性材料であり、有機絶縁膜として機能する。なお、このスピンコーティング法で作製される有機絶縁膜の組成、構造は、スピンコーティングに用いる有機溶剤中に溶解させている有機モノマー自体の構造、ならびに、複数種の有機モノマーの含有比率により決まる。
【0007】
例えば、REAL−TIME FT−IR STUDIES OF THE REACTION KINETICS FOR THE POLYMERIZATION OF DIVINYL SILOXANE BIS BENZOCYCLO BUTENE MONOMERS,Material Research Symposium Proceeding, Vol.227 p.103,1991)T.M.Stokich, Jr., W.M.Lee, R.A.Peters(以下、参考文献1と呼ぶ)には、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーを溶媒メシチレンに溶解させた溶液をスピン塗布した後、100℃でベークして、塗布被膜中の溶媒メシチレンを除去し、その後、さらに300℃〜350℃まで加熱すると、原料モノマー分子中のベンゾシクロブテン骨格中の炭素四員環の熱開環重合反応で、下記化5式(式(IV))に示すジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーを骨格とした3次元的分子鎖からなる有機高分子膜の成膜についての記述がなされている。
【0008】
【化5】
Figure 0004019258
【0009】
スピンコーティング法では、有機モノマーを有機溶媒に溶かし、この溶液をスピン塗布するので、このスピンコーティング塗布工程に用いる溶液の90%程度は、基板外に飛ばされる。従って、出発原料の有機モノマーに関しては、その使用効率が低い方法である。それに伴い、出発原料の有機モノマーの製造コストに占める比率は、相対的に高いものとなる。
【0010】
また、スピン塗布膜をベーク炉中で加熱して、まず有機溶媒を蒸発・除去した後、さらに高温で加熱して、有機モノマーの重合反応を起こして、目的の有機高分子膜を形成する際、ベーク炉内に酸素分子が存在すると、この酸素分子が有機モノマーの一部と反応を起こし、結果的に目的とする構造の有機高分子膜にはならない場合もある。この種の副次的反応を防止する上では、ベーク炉内に残留する酸素分子を予め除くため、全体を窒素ガスなど、不活性ガスで置換する必要があり、この作業は付加的な製造コストの要因となり、低コスト化を困難とする原因の一つともなる。
【0011】
さらに、場合によっては、利用する有機溶媒中に溶け込んでいる溶存酸素が、有機モノマーとベーク時に反応を起こすことも想定され、この懸念を払拭するためには、溶液の調製、スピンコーティング工程を含めて、厳密な雰囲気制御が必要となる。スピンコーティング法を利用する際、その全ての工程において、厳密な雰囲気制御を行うことは困難である。その他、レジスト塗布と同様に、有機モノマーのスピン塗布は、有機溶媒を使用するため、クリーンな環境下、局所排気されたスピン塗布室で行うものの、その際、浮遊している微細な塵埃粒子や、飛散して、乾燥、固化した有機モノマーの微粒子などが、形成されるスピン塗布膜に混入することもある。レジストの場合、一連の工程が終了した時点では最終的には除去されるため、仮に、これら微粒子の混入があっても、半導体素子中に残ることはない。一方、層間絶縁膜などに利用される有機高分子膜では、これらの微粒子の周辺では、形成される有機高分子膜の微視的構造が異なり、例えば、長期間動作を継続する間に、局所的なリーク経路を形成し、耐圧特性を損なうなど、有機絶縁膜の膜質を劣化させる要因となる場合もある。勿論、スピン塗布の場合、大量の揮発性有機溶媒を使用するので、局所排気された環境下で作業し、有機溶媒蒸気の回収を図るものの、ごく微量の散逸が生じることも少なくなく、環境負荷が大きいといった本質的な課題も有している。
【0012】
本発明者らは、特願平09−164688号(特開平11−017006号公報)にて、気相成長法を利用する機能性有機高分子膜の成膜方法として、有機モノマーの蒸発法を提案している。この有機高分子膜の気相成長方法は、原料となる有機モノマーを蒸発させて、気相からモノマー分子を供給し、基板上においてモノマー分子相互の熱重合をおこなって、有機高分子膜を得る方法である。
【0013】
図4はかかる直接気化させた有機モノマー原料蒸気を利用する有機高分子膜の気相成長方法に基づく成膜装置の概要を示す図である。
【0014】
図4に示すように、タンク101中の有機モノマー102を減圧下で加熱して蒸発させる。一方、反応室103は、排気ポンプ104により減圧に保ちつつ、気化原料配管105を通して、蒸発した有機モノマー分子106を反応室103に送る。供給される有機モノマー分子106は、予め半導体集積回路を形成した半導体基板107の表面に吸着する。その際、半導体基板107は、基板加熱部108によって加熱されており、その温度において、熱エネルギーによって、有機モノマー分子相互の重合反応が進行し、架橋構造を形成し有機絶縁膜110が形成される。この特願平09−164688号(特開平11−017006号公報)に記載される有機モノマーの蒸発法と称される有機高分子膜の成膜方法は、スピンコーティング法と異なり、有機溶媒を利用してなく、また、減圧反応室で成膜を行うため、雰囲気に酸素が存在していない。従って、スピンコーティング法で散見される、酸素分子との反応や、被膜中に残留している有機溶媒の気化に伴う気泡、ボイドの発生など膜質を低下させる要因を原理的に有していない点で優れていた。なお、重合度を増す、あるいは、重合反応速度を増す目的で基板温度を上げると、一旦吸着した有機モノマー分子の再離脱速度が増し、実効的な基板上への吸着速度が減少し、結果的に、目標とする成長速度の向上が達成されないといった技術な課題を残していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、特願平10−170016号(特開2000−012532号公報;以下、参考文献2と呼ぶ)において、前記の有機モノマーの蒸発法を更に発展させた、機能性有機高分子膜の成膜方法として、MVP(Monomer−vapor Polymerization)法を提案している。
【0016】
このMVP方法においては、重合反応速度を増すことを目的として、高分子膜の骨格たる有機モノマーを直接気化させて、この有機モノマー蒸気を、キャリアガスを用いて輸送し、加えて、減圧反応室中に形成されているHeプラズマなどのプラズマを介して、加熱基板表面に吹き付けることで、基板表面に有機高分子膜を形成するものである。具体的には、前記Heプラズマなどのプラズマ環境を通過する際、原料有機モノマー分子は励起を受け、より反応性を増した状態となって、基板表面に到達する。予め励起がなされた有機モノマー分子は、比較的に僅かな熱エネルギーを加えるのみで、容易に重合反応を起こすので、基板温度が比較的に低くしても、目標とする重合速度の向上が達成できる利点を有している。
【0017】
それに対して、通常のCVD法では、例えば、液体有機シリカソースであるTEOS(テトラエチルオルソシリケイト:Si(OCHCH)を気化させて、その蒸気を原料として減圧された反応室内でシリコン酸化膜を作製する際、反応室内において、別配管径路より供給されるオゾンや酸素と気相中で化学反応を行わせて、基板表面にSiO膜を成膜する。すなわち、出発原料(TEOS)の化学構造は、反応の結果失われ、その原料分子中の構造を全く留めない別種の構造を有する膜(SiO)が成膜する。
【0018】
一方、参考文献2に開示するMVP法では、気相輸送された有機モノマー自体が基板上で重合反応を起こすため、基板上に形成される膜は、出発原料の有機モノマーの構造を骨格とした膜であり、その膜厚は、供給される有機モノマー量を制御するのみで、高い再現性で、高精度に制御できるという顕著な効果を奏するのである。従来のCVD法と区別するため、特願平10−170016号(特開2000−012532号公報)に記載する、プラズマによる重合反応の促進を行う有機高分子膜の成膜方法を、特に、プラズマ重合法と呼ぶ。例えば、原料の有機モノマーとして、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン(DVS−BCB)モノマーを用い、このプラズマ重合法により得られた有機高分子膜では、比誘電率2.5〜2.7のものが得られているが、さらに低い誘電率を達成することは、このDVS−BCBモノマーから得られるプラズマ重合膜では困難であった。
【0019】
すなわち、さらに低い誘電率を達成する上では、得られる有機高分子膜の嵩密度を小さくすることが有効な手段であるが、前記のDVS−BCBから得られるプラズマ重合膜では、それ以上に嵩密度を小さくすることは困難であり、有機高分子膜中に、更に立体障害基を有する有機骨格を導入することが必要であった。
【0020】
本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、有機高分子膜を半導体装置を構成する層間絶縁膜として利用する際、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製方法を提供することにある。
【0021】
より具体的には、本発明の目的は、その成膜方法において、上記のMVP法、なかでも、プラズマ重合法の原理を活用しつつ、複数の有機モノマーを原料として、複数の有機モノマーの骨格に含む共重合高分子膜を作製する方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、検討を重ねた結果、有機高分子膜を気相成長法、例えば、上記のMVP法、なかでも、プラズマ重合法の原理を活用して作製する際、用いる原料として、複数の有機モノマーを利用することで、その複数の有機モノマーが共重合してなる共重合高分子膜を作製でき、加えて、その際、原料として供給する複数の有機モノマー相互の比率を制御することで、得られる共重合高分子を構成する各有機モノマー由来の骨格ユニットの比率を広い範囲で制御可能であることを見出した。かつかかる有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には反応部位の数を、少なくともある1種の有機モノマーは重合反応部位を複数種有し、かつ少なくとも他の1種の有機モノマーは重合反応部位を1種類しか持たないものにすることで、反応の種類を制限し、共重合後の構造を特定化し、さらには共重合後のポリマー構造から不規則性の要素を低減することが可能となる。かかる知見に加えて、有機高分子膜全体の実効的な比誘電率の更なる低減が可能な有機高分子膜の作製が、高い再現性、操作性、加えて、より広範囲な利用形態に対応できることを、本発明者らは確認して、本発明を完成するに至った。
【0023】
本発明では、少なくともある1種の有機モノマーは重合反応部位を複数種有し、かつ少なくとも他の1種の有機モノマーは重合反応部位を1種類しか持たないものにすること、すなわち、本発明の共重合高分子膜の作製方法は、共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは反応部位が少なくともある1種のモノマーは複数種類の重合反応部位を持ち、かつ少なくとも1種のモノマーは1種類しか重合反応部位をしか持たないものであり、原料として、前記少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地面上に吹き付ける工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の重合反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程とを少なくとも有し、原料として利用する、前記2種類以上有機モノマーのうち、少なくとも、その二つは、下記化6式(式(I))で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーと、下記化7式(式(II))で示されるビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するジビニルベンゼン モノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法である。
【0024】
その際、前記混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、前記加熱されている下地面上に吹き付ける工程との間に、前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる過程を設けることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法とすることもできる。
【0026】
【化6】
Figure 0004019258
【0027】
【化7】
Figure 0004019258
【0028】
また、本発明では、少なくともある1種の有機モノマーは重合反応部位を複数種有し、かつ少なくとも他の1種の有機モノマーは重合反応部位を1種類しか持たないものにすること、すなわち、本発明の共重合高分子膜の作製方法は、共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは反応部位が少なくともある1種のモノマーは複数種類の重合反応部位を持ち、かつ少なくとも1種のモノマーは1種類しか重合反応部位をしか持たないものであり、原料として、前記少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地面上に吹き付ける工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の重合反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程とを少なくとも有し、原料として使用する、前記2種類以上有機モノマーのうち、少なくとも、その二つは、下記化8式(式(I))で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーと、下記化9式(一般式(III))で表されるビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するジビニルベンゼン誘導体 モノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法である
【0029】
【化8】
Figure 0004019258
【0030】
【化9】
Figure 0004019258
【0031】
さらには、例えば、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法とすることができる。
【0032】
あるいは、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法とすることができる。同様に、例えば、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合(Si−O)構造を有していることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法とすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
まず、本発明においては、有機絶縁膜として利用可能な有機高分子膜を、例えば、上でその原理を説明したMVP法、なかでも、プラズマ重合法などの手段を更に発展させた気相成長法を利用して作製する際、重合反応が可能な原料として、複数の有機モノマーを用いることにより、複数のモノマーに由来する骨格ユニットを含む高分子構造の採用が可能となり、従来単一種の原料モノマーを用いていた際には到底達成することができなかった、幅広い機能性を有する有機高分子膜を得ることが可能となった。単一のモノマーを利用した場合に対して、構造的に低密度化を促進する有機モノマーユニットの導入により嵩密度を10%〜65%程度低減させることが可能となる。従って、共重合高分子膜全体として実効的な誘電率を大幅に低減させることが可能となる。
【0034】
以下に、本発明をより詳細に図1を用いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の方法を実施する際に利用される成長装置の一例の概要を模式的に示す図である。図1を参照すると、成長装置10において、反応室1は、真空ポンプ2により減圧されており、反応室1の内部には基板加熱部3が設けられる。共重合高分子膜をその上に作製する下地として、半導体基板5が基板加熱部3上に固定される。原料とする、有機モノマーAと有機モノマーBは、それぞれ気化供給システム6、7内において気化され、その蒸気はキャリアガスとともに気化原料供給配管8A、8B、バルブ9A、9Bを介して、合流して反応室1へ供給される。気化原料供給配管8A,8B合流部分には、クリーニングガス45を供給するための気体流量制御器43とバルブ17を備えた供給管が接続されている。
【0036】
反応室1には、排気バルブ36を備えた排気配管15が設けられ、この排気配管15は、冷却トラップ14を介して真空ポンプ2に接続されている。
【0037】
また、排気配管15には,廃液A,Bを流入する廃液配管37が設けれている。
【0038】
反応室1に達するまで、気化原料供給配管8A、8Bの管壁は、備えられているヒータ11により加熱され、配管8A,8B内を夫々通過する有機モノマーA、有機モノマーBの分圧が、その配管壁の温度における各平衡蒸気圧よりも、常に低くなる温度に維持されている。それぞれキャリアガスとともに輸送された有機モノマーAと有機モノマーBの蒸気は、反応室1内のシャワーヘッド12へ供給されて混合された後、基板5の表面に吹き付けられる。一方、シャワーヘッド12と基板加熱部3との間には、RF電源14からマッチングボックス41及びRFケーブルを介してRF電力が印加され、プラズマが誘起されている。尚、符号38及び39は夫々アース線である。
【0039】
従って、有機モノマーAと有機モノマーBの分子は、ともに、発生しているプラズマ空間を通過する際、励起を受け、活性化がなされた状態で基板表面に到達する。その後、基板加熱部3により加熱されている基板5の表面に吸着し、予め活性化がなされている有機モノマーAと有機モノマーBの分子は、さらに熱エネルギーが付与される結果、速やかに共重合反応を起こし、半導体基板5表面上に共重合高分子絶縁膜13が成長する。
【0040】
なお、活性化がなされている有機モノマーAと有機モノマーBの分子の一部は、基板表面に付着した後、再離脱するものがある。この「再離脱」の確率は、熱的過程だけを用いる場合(「MVP法」)おいては、より顕著になり、複数のモノマーを用いる際、各モノマーの再離脱確率が異なるため共重合高分子内おける含有比率の制御は、必ずしも容易ではない。
【0041】
しかしながら、「プラズマ重合法」では予め活性化がなされている有機モノマーAと有機モノマーBの分子が吸着するため速やかに共重合反応を起こす。この観点から「プラズマ重合法」を応用することがより望ましい。
【0042】
さらに、実際にはプラズマ中で一部のモノマーが重合し、ダイマーやトリマーとして基板の表面に吸着するものがある。この場合、モビリティの大きい高真空中で有機モノマーAと有機マノマーBとの混合が生じるので、有機モノマーAと有機モノマーBとが均一に配合された共重合高分子絶縁膜が得られる。
【0043】
特に、平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)が桁違いに異なる複数のモノマーを用いる際には、プラズマ中で一部共重合反応を生じさせてダイマーやトリマーを積極的に形成させれば、各モノマーの平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)の3桁に程度の差違があっても、実用上の問題が無い。この観点からも「プラズマ重合法」を応用することが望ましい。
【0044】
なお、利用される有機モノマー複数種は、基板5の表面に混合ガスとして吹き付けるが、その際、基板表面のいずれの部分でも、吹き付けられる混合ガス中に含有される有機モノマー複数種の比率は同じとすることが必要である。その均一混合は、上記のように、反応室1内に設けるシャワーヘッド12における混合など、反応室1内において均一混合を行うこともでき、また、反応室1内に導入されるまでに、その流路途中で、予め均一混合を終えた後、反応室1内に導入することもできる。この流路途中で、予め均一混合を行う手段としては、図1に示す配管流路を合流させる方法の他、ミキシングチャンバーを設け、そのチャンバー内にガスが滞留する間に混合を果す方法を採用することもできる。
【0045】
なお、未反応の原料モノマーは、反応室1が真空ポンプ2により減圧されており、また、その壁面も気化原料供給配管8A、8Bと同様に保温されているので、壁面上に付着・凝集することなく、気体状態のまま、ヒータ11により加熱されている配管排気配管15を経て冷却トラップ16へ到達する。冷却トラップ16内では、トラップ面の温度が十分に低いため、気体状の原料モノマーA、Bはともに、そのトラップ面上に凝集し、冷却トラップ16内で液化あるいは固化を起こす。その結果、未反応の原料モノマーは、冷却トラップ16内で回収・除去され、排気ポンプ2には、原料モノマーが除去されたキャリアガス、プラズマ生成に利用されたガスのみが送られる。
【0046】
図2は、本発明に利用する有機モノマーが液体である際、液体状の有機モノマーを気化し、キャリアガスとともに供給する気化供給システムの構成を模式的に示す図である。図2を参照すると、有機モノマーA用のタンク21Aから、気化制御器において気化され、反応室へ供給される直前までを示す。なお、以下の説明では単量体である有機モノマーを例に説明するが、二量体である有機オリゴマーでも、その原理は同様である。
【0047】
有機モノマーA 22Aは、バルブ23A、液体流量指示器A 24A、バルブ25Aを介して気化制御器A 26Aに供給される。さらに、有機モノマーA用液体流量指示器24Aからフィードバック制御されている気化制御バルブA 27Aと気化制御機A 26A内バルブ28Aを介し、気化室A 29Aに供給される。
【0048】
一方、キャリアガスA 31Aは、気体流量制御器34Aを通り、遺留バルブ32Aを経て,気化制御器26Aへ供給される。したがって、気化室A 29Aの直前で液体原料モノマーA 22AとキャリアガスA 31Aは混合される。キャリアガスA 31Aと混合状態で気化室A 29Aへ供給される液体原料モノマーA 22Aは、ヒータ33Aにより受ける熱エネルギーにより加熱され、また、気化室29Aは減圧されているので、連続的に気化する。すなわち、気化熱として消費される熱エネルギー、ならびに、急激な圧力減少によるキャリアガスの体積膨張による冷却作用は、ヒータ33Aによる加熱で供給される熱エネルギーにより補完がなされている。従って、気化された原料モノマーAは、そのガス温度は上昇された上で、ヒータ11で保温されている気化原料供給配管8A、バルブ9Aを介して反応室1へ供給される。
【0049】
尚、洗浄溶剤A 51を蓄える洗浄溶剤Aタンク52Aから、バルブ47Aを介して、液体流量指示器54A又はバルブ48Aを介して液体流量指示器24Aから気化制御器26A内へ、洗浄溶剤を送ことができ、また、有機モノマーA用液体指示器29Aから、弁55A及び配管56Aを介して排気Aとして回収することもできる。
【0050】
図3は、本発明に利用する有機モノマーが固体である際、有機モノマー蒸気を発生させ、供給するシステム(気化供給システム)の構成を模式的に示す図である。図3を参照すると、キャリアガス31Bが供給される有機モノマーBタンク21Bから、反応室への供給に利用される気化原料供給配管8Bまでを示す。なお、以下の説明では、単量体である有機モノマーを例に説明するが、二量体である有機オリゴマーでも、その原理は同様である。
【0051】
キャリアガスB 31Bは、気体流量制御器34Bにおいて流量を制御されながら、バルブ32Bを介して有機モノマーBタンク 21Bへ供給される。有機モノマーBタンク 21Bは、一定温度に加熱されている。この温度は、有機モノマーB 22Bが溶融状態から気化して、あるいは固相状態から昇華して、十分な飽和蒸気圧が得られる温度に選択される。気化したモノマーB蒸気は、供給されるキャリアガスB 31Bに混合され、バルブ23B、気体流量指示器B 34B、バルブ25Bを介して、気化原料供給配管8Bへ供給される。さらに、バルブ35Bを介して反応室1へと供給される。その際、有機モノマーBタンク21B内では、キャリアガスB 31B中に含まれる有機モノマーB気体分子の分圧は、その温度における平衡蒸気圧(飽和蒸気圧)と実質的に等しくなり、単位時間当たりの有機モノマーB 22Bの供給量は、キャリアガスB 31B流量により決定される。尚、気化原料供給配管8Bには、弁55Bが設けられた配管56Bが設けられており、ここからは排気Bとして排気される。
【0052】
以上のように、原料に用いる有機モノマーは、常温で液体でも、固体であっても、それに応じて、適切な気化供給システムを選択することで、反応室へ、気体状態の有機モノマーを、目的とする供給量に速やかに変化させつつ、供給することが可能である。なお、仮に、常温で既に気体状態となっている有機モノマーを利用できる場合には、通常の気体原料ガスと同様の供給形態をとればよい。
【0053】
なお、本発明において、有機モノマーの供給に用いられるキャリアガスには、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス等、混入する有機モノマーに対して不活性なガスを適宜使用することができる。
【0054】
本発明の共重合高分子膜の作製方法においては、利用される有機モノマーのうち、重合反応部位を複数種類の反応部位を持つモノマーは、その重合反応に関与する活性構造として、開環可能なシクロ環構造と、ビニレン基などの付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有している場合は、その間で重合反応を起こし、単独の有機モノマー間でも容易に重合反応を行え、適するものの一つである。その他、半導体装置内で使用する絶縁膜に応用する上では、作製される共重合高分子膜は、他の半導体材料に対する密着性を有するものであることが望ましく、かかる密着性を付与する構造、例えば、シリコン原子を含む構造、より具体的には、シロキサン結合(Si−O)の構造を有することが望ましい。その観点では、利用される有機モノマーのいすれかに、その分子内にシリコン原子を含むもの、あるいは、シロキサン結合(Si−O)の構造を有するものを利用することで、作製される共重合高分子膜に、密着性を付与する構造を導入することが可能となる。
【0055】
次に本発明の具体例について説明する。なお、これら具体例は、本発明の最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれらの具体例により限定を受けるものではない。
【0056】
(第1の例)
以下、有機モノマーAに式(I)のDVS−BCBモノマー(ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマー)を用い、有機モノマーBに式(II)のDVBモノマー(ジビニルベンゼンモノマー)を用い、これらの気化混合ガスから、DVS−BCBガスとDVBガスの共重合高分子膜成膜にいたる一連のプロセスを説明する。
【0057】
DVS−BCBモノマーには、重合反応に関与する構造として、ベンベンゾシクロブテン基とエテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−;ビニレン基)の2種類が含まれている。またDVBモノマーには、重合反応に関与する構造として、ベンゾシクロブテン基とエテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−;ビニレン基)のみが含まれている。その重合過程は下記の経路で進行すると考えられる。まず、下記化10式(式(V))に示す反応が起こり、ベンゾシクロブテン基の炭素4員環が開環して、隣接する2つのアルキリデン構造(CH=)が形成する。
【0058】
【化10】
Figure 0004019258
【0059】
次いで、隣接する2つのアルキリデン構造(CH=)となった開環部と、エテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−)との反応により、6員環構造が形成され、下記化11式(式(VI))に示す重合反応が進行する。
【0060】
【化11】
Figure 0004019258
【0061】
なお、DVS−BCBモノマーは、その分子内にベンゾシクロブテン基およびエテン−1,2−ジイル基(−CH=CH−;ビニレン基)の2種類の重合反応部位を有しているため、単独で用いた際にも、そのモノマーを骨格とするホモ高分子膜、すなわち、DVS−BCBポリマー膜が成長する。なお、DVS−BCBモノマーの分子内には、シロキサン結合(Si−O)を有する構造が含まれており、一方、DVBモノマーには、かかる構造は存在していない。このシロキサン構造は、重合反応後にも、保持されており、また、半導体材料表面に作用して、密着性に大きな貢献をしめす。
【0062】
前記のベンゾシクロブテン基とビニレン構造との間で起こる、開環・付加の反応は、加熱のみでも生じるが、予めプラズマエネルギーにより、例えば、ベンゾシクロブテン基部分を励起した状態とすると、少ない熱的エネルギーを加えるのみで、その反応を進行させることが可能となる。従って、これらDVS−BCBモノマーガスとDVBモノマーガスとの混合ガスを、基板に吹き付ける直前に、プラズマ中を通過させ、プラズマエネルギーによって活性化を行うことで、加熱されている基板上に達した際、その熱的エネルギーによって、ベンゾシクロブテン基の開環反応と、それに続く、ビニレン構造との付加的環形成反応は速やかに進行して、下記化12式(式(VII))で示されるような、網目構造をとるDVS−BCBとDVBとを骨格とする共重合高分子膜(DVS−BCB/DVB共重合高分子膜)が形成される。
【0063】
【化12】
Figure 0004019258
【0064】
ここで、DVBには異性体、具体的にはビニル基からなる1種類の重合反応部位がメタ配位の次の化13式で示されるm−DVBやビニル基からなる1種類の重合反応部位がパラ配位の次の化14式で示されるp−DVBが存在するがここではm−DVBモノマーを用いて共重合高分子膜を形成した場合について示した。
【0065】
【化13】
Figure 0004019258
【0066】
【化14】
Figure 0004019258
【0067】
p−DVBを用いた場合、下記化15式(式(VIII))で示されるような、網目構造をとるDVS−BCBとp−DVBとを骨格とする共重合高分子膜(DVS−BCB/p−DVB共重合高分子膜)が形成される。
【0068】
【化15】
Figure 0004019258
【0069】
なお、図中には未開環のシクロブテン環が複数存在しているが、実際には十分な共重合反応が生じ未反応のシクロブテン環はFTIRスペクトルで確認できない程度である。さらに、下記化16式及び化17式に示すようにシロキサン基中のSi−CH3結合がSi−H結合に置換されたり、ベンゼン環の一部が開環した構造も認められる場合もある。実際には、プラズマによる活性化過程でシクロブテン環の開環とビニレン基の付加・挿入以外の反応も生じており、これらの反応と並行してプラズマによる活性化と基板加熱による熱的な過程による共重合反応が進行しているものと考えられる。
【0070】
【化16】
Figure 0004019258
【0071】
【化17】
Figure 0004019258
【0072】
この反応の特徴は、原料モノマー以外の分子が重合反応に関与せず、また重合反応による副生成物が形成されないことにある。DVS−BCBモノマーとDVBモノマーはともに、気相中で予め混合されるため、基板面上に吸着した後の表面拡散速度も大きく、ほぼ、理想的に両者が混合された共重合高分子膜が得られる。なお、得られるDVS−BCB/DVB共重合高分子膜は、DVS−BCBモノマーガスとDVBモノマーガスのモル供給量が等しい際には、DVS−BCBモノマーのみから得られるホモ高分子膜と比較して、シロキサン構造(−Si−O−Si−)の含有密度は半分となる。このシロキサン構造は、例えば、下地のシリカ膜との密着性や高分子膜の機械強度の向上には適しているものの、それ自体、シリコン原子と酸素原子を含むため、その分極率は大きく、誘電率の低減を阻む要因となる。
【0073】
例えば、プラズマ重合DVS−BCB高分子膜の比誘電率(k)が2.6であるのに対し、DVS−BCB/DVB共重合高分子膜(66%:33%)ではk=2.2〜2.0となる。上記式(VIII)の構造からDVS−BCB/p−DVB共重合高分子膜の分子体積を分子体積計算プログラム(Tinker)によりシミュレーションし、その密度を計算した場合、DVS−BCB単体の重合膜に比べて、密度が約20%低減すると見積もられた。これは単純にDVS−BCBのみの重合膜に空隙が20%導入されたとした場合、ほぼ合致した値となっている。
【0074】
次に、本発明の共重合高分子膜の製造について、DVS−BCBモノマーガスとDVBモノマーガスを用いた共重合高分子膜成膜プロセスを、図1にしめす共重合高分子膜の成長装置を用いる場合を例にとり、詳しく説明する。尚、以下の図1乃至図3を用いた説明において、有機モノマーA及びBの両方に用いられている部材は、符号からA,Bを除いた数字で示す。
【0075】
ここで、有機モノマーAに、ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマー(DVS−BCBモノマー)を用い、有機モノマーBに、ジビニルベンゼン(DVB)モノマーを用いた場合について示す。キャリアガス31、パージガスおよび圧力送出ガス53は、いずれもヘリウム(He)である。反応室内のクリーニングに利用するクリーニングガス45は、NF、あるいはSFと酸素あるいはオゾンの混合気体である。また、CFやCといったフルオロカーボンガスと酸素あるいはオゾンの混合気体を用いてもよい。有機モノマーの気化に関しては、ここではDVS−BCBモノマーのみを詳細に説明する。
【0076】
まず、共重合高分子膜の成長装置(図1)の気化制御器の初期状態では、気化制御器26内のバルブ28、バルブ35およびバルブ36を通じるようにし、排気ポンプ2で、反応室1、排気配管15、廃液配管37、気化室29、気化原料供給配管8を真空引きする。気化温度は、有機モノマーの必要供給量を確保するために必要な温度が望ましいが、気化させる有機モノマーを気化室へ供給する配管部において、有機モノマー自体の分解や重合等の変質、それに起因する配管の閉塞等を伴わない温度であることが必要である。また、ヒータ11により加熱される気化原料供給配管8などの配管部材は、それらの加熱温度に耐えられるものとすること、あるいは、加熱温度を用いる配管部材の耐熱温度範囲に設定すること可能な条件を選択することが必要である。また、加熱されている配管の温度は、配管各所に設置された熱電対によりモニターし、常に設定温度となるよう配管加熱ヒータの出力を制御する。
【0077】
図2に示す、気化供給システムのバルブ32を開放し、キャリアガス供給配管37よりキャリアガス(He)31を気体流量制御器34を介して気化制御器26に供給し、さらに気化原料供給配管8、9を介して反応室1に流し、排気配管15を介して排気ポンプ16で装置外に排気する。ここの工程では、気化温度を210℃に加熱する。また、Heキャリアガス流量500sccmとした。この条件では、気化制御器の全圧Pは、7Torrであり、反応室1内圧は2.0Torrであった。また、反応室1内に設置された基板加熱部6により、半導体集積回路が形成されたシリコン基板(半導体基板)5を400℃に加熱した。なお、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーを用いる場合、成膜時の基板加熱温度は、200℃〜450℃の範囲に選択するのが適当である。
【0078】
図1に示すような有機モノマー気化供給システム6,7により、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーは、それぞれHeキャリアガスとともに、それぞれの気化原料供給配管8A、8Bを介し反応室1へ供給され、混合される。反応室1内のシャワーヘッド12において、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーを含む混合ガスを分散させて、基板5表面に吹き付ける。このシャワーヘッド12には、接地されている基板加熱部3表面に対して、13.56MHzのRFパワーが印加されており、シャワーヘッド7下に、キャリアガスに用いているHeのプラズマを発生させた。その際、RFパワーは、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーの分子内に存在する重合基(ベンゾブテン炭素4員環またはビニレン基)の活性化のみを行う程度のプラズマエネルギーに留めることが肝要である。DVS−BCBモノマーとDVBモノマーの混合ガスは、かかるHeプラズマを通して半導体基板5上に吹き付ける間に、含まれるモノマーの活性化がなされる。400℃に加熱された基板表面上で、予め活性化されているDVS−BCBモノマーとDVBモノマーは、共重合反応を起こし、DVS−BCBモノマーとDVBモノマー由来の骨格ユニットで構成される共重合高分子膜(有機絶縁膜)13が形成される。この際、排気配管37には、未反応のDVS−BCBモノマーおよびDVBモノマーが含まれているキャリアガスが達するが、排気ポンプの前に挿入されている、冷却により20℃程度に冷やされた冷却トラップ16にて、含有されていたDVS−BCBモノマーとDVBモノマーは再液化され、排気ポンプ2には入り込まない。延べ供給量が所定量に達するまで、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーを供給して、成膜を継続した後、それぞれの供給を停止し、反応室内の半導体基板5を取り出す。
【0079】
この例では、有機モノマーBとして、DVBモノマーを用いたが、例えば、DVBモノマーに代えて、下記化18式(一般式(III))で表されるビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するジビニルベンゼンモノマーのブタジエン−1,4−ジイル基(−CH=CH−CH=CH−)に、さらに、不飽和炭化水素基が付加されたDVBモノマー誘導体を用いることもできる。
【0080】
【化18】
Figure 0004019258
【0081】
さらに、ここに示したR1からR6の基は、メトキシ基(CHO−)、エトキシ基(CO−)、プロポキシル基(CO−)、といった酸素含有基でも良い。
【0082】
さらに、一般式C2x+1−y(xは0又は正の整数、yは0又は2x+1を超えない正の整数)であらわされる、フッ素含有基でも良い。
【0083】
さらには、一般式SiR7R8R9(R7,R8,R9は水素または炭化水素基、または先に示したフッ素含有基C2x+1−y)で示されるシリコン含有基でも良い。
【0084】
(第2の例)
この例では、原料の有機モノマーとして、下記化19式で示すビニル基とベンゾシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を持つDVS−BCBモノマーとシクロブテン環からなる1種類の重合反応部位を有するジメチルトリシクロデカトリエンモノマーとの組み合わせを選択して、DVS−BCBとジメチルトリシクロデカトリエンとの共重合高分子膜の成膜について説明する。
【0085】
【化19】
Figure 0004019258
【0086】
このジメチルトリシクロデカトリエンも、その分子内に2つのシクロブテン環構造を有しており、このシクロブテン環構造と、DVS−BCBモノマーのビニレン基部分との間で、上で説明した開環、付加反応による、6員環形成の反応が生じ、下記化20式(式(X))に示される、DVS−BCBとDMTCDTとの共重合高分子膜を、上記の第1の例において説明したプラズマ重合法に準じて、気相成長することができる。
【0087】
【化20】
Figure 0004019258
【0088】
また、ここに示したDMTCDTに置換基が付加されたモノマー原料として、組み合わせても良い。
【0089】
置換基としては、メトキシ基(CHO−)、エトキシ基(CO−)、プロポキシル基(CO−)、といった酸素含有基でも良い。
【0090】
さらに、一般式C2x+1−y(xは0又は正の整数、yは0又は2x+1を超えない正の整数)であらわされる、フッ素含有基でも良い。
【0091】
さらには、一般式SiR7R8R9(R7,R8,R9は水素または炭化水素基、または先に示したフッ素含有基C2x+1−y)で示されるシリコン含有基でも良い。
【0092】
(第3の例)
この例では、原料の有機モノマーとして、下記化21式で示すDVS−BCBモノマーとシス−スチルベン(エテンジイルビスベンゼン)モノマーとの組み合わせを選択して、DVS−BCBとBV−BCBとの共重合高分子膜の成膜について説明する。
【0093】
【化21】
Figure 0004019258
【0094】
この二種の有機モノマーの組み合わせでも、シス−スチルベンは、その分子内に有するビニレン基構造を利用して、DVS−BCBと共重合反応を行い、下記化22式(式(XII))で示される構造の共重合高分子膜が気相成長する。
【0095】
【化22】
Figure 0004019258
【0096】
なお、この共重合高分子膜では、シス−スチルベンは、重合に関与できる構造が前記ビニレン構造1の一種類のみであるため、架橋密度が小さくなり、空隙率が大きいものとなる。その結果、得られる共重合高分子膜は、比誘電率2以下の膜となる。なお、シス−スチルベン以外に、シススチルベンの構造異性体であり、やはりビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するトランス−スチルベンを用いることもできる。なお、下記化23式で示すトランススチルベンは常温で固体であるため、その気化には、図3に示す構成の気化供給システムを利用した。
【0097】
【化23】
Figure 0004019258
【0098】
また、ここで示したシス−スチルベンに、置換基がついたモノマーを原料として組み合わせても良い。
【0099】
置換基としては、メトキシ基(CHO−)、エトキシ基(CO−)、プロポキシル基(CO−)、といった酸素含有基でも良い。
【0100】
さらに、一般式C2x+1−y(xは0又は正の整数、yは0又は2x+1を超えない正の整数)であらわされる、フッ素含有基でも良い。
【0101】
さらには、一般式SiR7R8R9(R7,R8,R9は水素または炭化水素基、または先に示したフッ素含有基C2x+1−y)で示されるシリコン含有基でも良い。
【0102】
この化23式で示される例のように、本発明の共重合高分子膜の成長方法を用いることで、DVS−BCBモノマーとDVBモノマーとを原料として、共重合高分子膜を形成する気相成長系において、それぞれの骨格モノマーの含有比率を変化させることができる。従って、ULSI多層配線のように各配線層の配線層間絶縁膜に対して、要求される膜物性、例えば、機械強度や密着性や比誘電率が異なる場合でも、用いる有機モノマーガスの供給比を制御することで、各骨格モノマーの含有比率を変化させることが可能となる利点がある。
【0103】
以上に例示した共重合高分子膜の成長例では、複数種の有機モノマーの一つをDVS−BCBとしているが、これだけでなく、本発明では、少なくともある1種のモノマーは複数種類の重合反応部位を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーは1種類しか重合反応部位をしか持たないものであり、それぞれの供給量を独立に制御することで、その組成を広い範囲で変化させた共重合高分子膜を気相成長すること可能である。さらに、前記有機モノマー2種以上を含む混合ガスに対して、さらに、アセチレンやエチレンといった重合補助ガスを添加して、共重合高分子膜を気相成長させることもできる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の共重合高分子膜の作製方法では、例えば、上でその原理を説明したMVP法、なかでも、プラズマ重合法などの手段を更に発展させた気相成長法を利用して作製する際、重合反応が可能な原料として、複数の有機モノマーを用いることにより、複数のモノマーに由来する骨格ユニットを含む共重合高分子構造を作製することが可能となり、かつ有機モノマーの構造を特定することで、より具体的には、少なくともある1種の有機モノマーは重合反応部位を複数種有し、かつ少なくとも他の1種の有機モノマーは1種類しか重合反応部位を持たないものにすることで、反応の種類を制限し、共重合後の構造を特定化し、さらには共重合後のポリマー構造から不規則性の要素を低減することが可能となる。これらのことにより、従来、単一種の原料モノマーを用いていた際には、到底達成することができなかった、幅広い機能性を有する有機高分子膜を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共重合高分子膜の作製方法の実施に利用可能な高分子膜成膜装置構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の共重合高分子膜の作製方法に利用される、液体状の有機モノマーの気化供給に利用可能な気化制御器の構成の一例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の共重合高分子膜の作製方法に利用される、固体状の有機モノマーの気化供給に利用可能な気化制御器の構成の一例を模式的に示す図である。
【図4】本発明の共重合高分子膜の作製方法に利用される、MVP法の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 反応室
2 真空ポンプ
3 基板加熱部
5 半導体基板
6 有機モノマーA気化供給システム
7 有機モノマーB気化供給システム
8A 気化原料A供給配管
8B 気化原料B供給配管
9A,9B バルブ
11 配管加熱ヒータ
12 シャワーヘッド
13 共重合高分子膜
14 RF電源
15 排気配管
16 冷却トラップ
21A 有機モノマーAタンク
21B 有機モノマーBタンク
22A 有機モノマーA
22B 有機モノマーB
24A 有機モノマーA用液体流量指示器
26A 気化制御器A
27A 気化制御バルブA
28A 気化制御器A内バルブ
29A 気化室
31A キャリアガスA
31B キャリアガスB
33A,33B ヒータ
34A 気体流量制御器A
34B 気体流量制御器B
35A,35B,48A バルブ
37 廃液配管
37A キャリアガスA供給配管
37B キャリアガスB供給配管
38,39 アース線
41 マッチングボックス
42 RFケーブル
43 気体流量制御器
44 バルブ
45 クリーニングガス
51A 洗浄溶剤A
52A 洗浄溶剤Aタンク
46,53 圧力送出ガス
54A 洗浄溶剤A用液体流量指示器
56A 洗浄溶剤制御バルブA
57A 気化原料A排気配管
57B 気化原料B排気配管
58A,58B バルブ
62 反応室加熱ヒータ
101 タンク
103 反応室
104 排気ポンプ
105 気化原料配管
107 半導体基板
108 基板加熱部
110 有機絶縁膜

Claims (6)

  1. 共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、少なくともある1種のモノマーは複数種類の重合反応部位を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーは1種類しか重合反応部位を持たないものであり、原料として、前記少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地面上に吹き付ける工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の重合反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程とを、少なくとも有し、
    原料として利用する、前記2種類以上有機モノマーのうち、少なくとも、その二つは、下記化1式((I)式)で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーと、下記化2式((II)式)で示されるビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するジビニルベンゼン モノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
    Figure 0004019258
    Figure 0004019258
  2. 共重合高分子膜を気相成長法により作製する方法であって、前記共重合高分子膜は、少なくとも2種類以上の有機モノマーを骨格とする共重合高分子により構成され、前記有機モノマーは、少なくともある1種のモノマーは複数種類の重合反応部位を持ち、かつ少なくとも他の1種のモノマーは1種類しか重合反応部位を持たないものであり、原料として、前記少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の蒸気を含む混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、供給される前記混合ガスを、前記反応室内に設置する、加熱されている下地面上に吹き付ける工程と、加熱されている前記下地面上において、吹き付けられた前記混合ガス中に含有される少なくとも2種類以上の有機モノマー分子の重合反応を起こし、共重合高分子膜の成長を行う工程とを、少なくとも有し、
    原料として利用する、前記2種類以上有機モノマーのうち、少なくとも、その二つは、下記化3式((I)式))で示されるビニル基とシクロブテン基からなる2種類の重合反応部位を有するジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン モノマーと、下記化4式(一般式(III))で表されるビニル基からなる1種類の重合反応部位を有するジビニルベンゼン誘導体 モノマーであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
    Figure 0004019258
    Figure 0004019258
  3. 請求項1又は2に記載の共重合高分子膜の作製方法において、前記混合ガスを減圧下の反応室に供給する工程と、前記加熱されている下地面上に吹き付ける工程との間に、更に、前記減圧下の反応室内において、前記混合ガスを反応室内に生成されているプラズマ中を通過させる過程を設けることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
  4. 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法において、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、開環可能なシクロ環構造と、付加重合可能なエテン−1,2−ジイル(−CH=CH−)構造とを有していることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
  5. 請求項1乃至4の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法において、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいるものであり、また、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シリコン原子を含んでいないものであることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
  6. 請求項1乃至5の内のいずれか一つに記載の共重合高分子膜の作製方法において、原料として使用する、前記の少なくとも2種類以上の有機モノマーのうち、少なくとも1種の有機モノマーは、その分子内に、シロキサン結合(Si−O)構造を有していることを特徴とする共重合高分子膜の作製方法。
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